古村治彦です。

 

 以前から出馬が噂されていた、コーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)が出馬宣言を行いました。毎年二月はアフリカ系アメリカ人の歴史を考える月間ですが、その初日に発表を行いました。

 

 ソーシャルメディアを駆使して知名度を高めた人物であり、その点ではドナルド・トランプ大統領と似ています。ツイッターで反対の人たちともコミュニケーションを取ったり、映像をアップしたりしています。

 

 ブッカーは現在まで独身であり、そのまま結婚せずに大統領になれば、独身の大統領ということになります。雑誌で「有名人で大物の独身男性」などの特集があると、ブッカーの名前は必ず上がります。独身で大統領になったのは第15代大統領のジェイムズ・ブキャナンしかいないということです。ブキャナンのファーストレディの役割は姪が担ったそうです。

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ジェイムズ・ブキャナン 

 ブッカーの両親はIBMで初めて経営陣入りしたアフリカ系アメリカ人であり、恵まれた環境の中、文武両道で秀でていました。アメリカンフットボールの名選手でかつ成績優秀、フットボールの奨学金で西海岸の名門スタンフォード大学に入学しました。成績優秀な選手としてリーグからも表彰されるほどでした。その後、ローズ小学生としてイギリスに留学し、オックスフォード大学で修士号、イェール大学法科大学院で法務博士号を取得するなど、エリート街道を歩きました。地元ニュージャージー州ニューアーク市長時代にソーシャルメディアを駆使して知名度を上げ、連邦上院議員となりました。


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コーリー・ブッカー
 

 「オバマ大統領の再来」という形で報じられることも多くなるでしょう。ブッカーの動きも注目です。

 

(貼り付けはじめ)

 

ブッカーが大統領選挙出馬を宣言(Booker announces White House bid

 

リサ・ヘイゲン、モーガン・グスタルター筆

2019年2月1日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/427990-booker-announces-2020-bid

 

コーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)は木曜日、2020年の米大統領選挙に出馬することを発表した。

 

ニュージャージー州ニューアーク市の元市長ブッカーは「ブラック・ヒストリー」月間の初日に出馬宣言を行った。

 

ブッカーは金曜日の朝にヴィデオを発表した。その中で次のように述べた。「私たちの国の歴史は人々が集まって起こした行動によって作り上げられている。奴隷たちと奴隷制廃止論者たちが織りなした運命、アメリカで生まれた人々とアメリカを祖国として選んだ人々が織りなした運命、私たちの国を守るために武器を取り立ち上がった人々と我が国を変えるために武器を取り立ち上がった人々が織りなした運命。これらが私たちの国を作り上げてきた」。

 

ブッカーはまた次のように語った。「誰一人として忘れ去られない、誰も置き去りにされない国を作ることが出来ると確信している。その国では親たちはテーブルに食事を出すことができる。全ての場所に手当てや保険が完備された給料の良い仕事がある。刑事司法システムが私たちの生活を安全にしてくれる。子供たちを牢屋に入れたり、棺桶に入れたりしてしまわない。私たちの指導者の面々をテレビで見る時に、恥ずかしさではなく、誇りを感じる。そういう国だ」。

 

ブッカーは続けて「私はコーリー・ブッカー、アメリカ合衆国大統領選挙に立候補する」と述べた。

 

ブッカーが出馬することは多くの人々が期待していたことである。彼もトランプ大統領と戦うために、多くの人々が立候補している民主党予備選挙に立候補することとなった。

 

ニュージャージー州選出の連邦上院議員ブッカーは、連邦議員たち、ブッカー自身が参加している連邦議会アフリカ系議員連盟のメンバーたちに対して、自身に対する支援を呼びかけた。

 

ブッカーは2020年の米大統領選挙出馬を仄めかしていた。マーティン・ルーサー・キング・ジュニア・デーに、早い段階で予備選挙が行われるサウスカロライナ州を訪問した。サウスカロライナ州では、アフリカ系アメリカ人有権者たちは民主党にとって重要な存在である。

 

約6名の連邦上院議員たちが出馬宣言をし、もしくは出馬を真剣に検討している。今回の民主党予備選挙はこれまでの中で最も多様性を持つ候補者たちが出る選挙となる。

 

エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)、キリステン・ギリブランド連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は選挙戦出馬を発表し、既に選挙運動を始めている。

 

その他にも連邦上院議員で2020年米大統領選挙民主党予備選挙出馬に関心を持っていることを示唆している人々もいる。バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)、エイミー・クロウバッカー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)、マイケル・ベネット連邦上院議員(コロラド州選出、民主党)が出馬を検討中であるとされている。サンダースはもうすぐ出馬発表を行い、選挙運動が開始できるように準備を進めていると報じられている。

 

その他に、トゥルシー・ギャバ―ド連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)、ジョン・デラニー元連邦下院議員(メリーランド州選出、民主党)、フリアン・カストロ元住宅・都市開発長官、ピート・ブッティーギーグ・インディアナ州サウスベンド市市長も出馬する。

 

ブッカーが大統領選挙に当選すれば、1884年以来初めて、独身男性が大統領に選ばれることになる。

 

49歳になるブッカーは、選挙に出馬する連邦上院議員たちの中で最も若い人物である。彼はヴィデオの中で、自分はニューアーク市の「低所得のインナーシティに家を持つ唯一の連邦上院議員」であり、その場所こそが「自分が人生を賭けた最初の共同体」であると述べた。

 

2013年に連邦上院議員選挙に出馬する前、ブッカーは2006年から2013年までニューアーク市の市長を務めた。この期間で、ブッカーはソーシャルメディアを駆使する政治家として全国的な知名度を高めた。

 

2013年に当時の現職連邦上院議員フランク・ラウテンバーグが死去したことを受けて実施された特別選挙にブッカーは立候補した。そして、共和党の候補者に完勝して、連邦上院議員となった。ブッカーは2014年の選挙で当選し、6年の任期を務めることになった。

 

2017年、ブッカーは当時から2020年米大統領選挙の有力候補として名前が挙がっていた。そして、連邦上院外交委員会の委員に選ばれた。

 

ブッカーは連邦上院司法委員会の委員として、トランプ大統領が指名した人々の公聴会に出席し、マスコミの注目を引いた。その中には連邦最高裁判所の判事として指名されたブレット・カヴァナーの公聴会も含まれている。カヴァナーの公聴会は大荒れのものとなった。

 

ブッカーは2018年の中間選挙でも積極に動き、11月の選挙で当選した民主党の候補者たちと一緒に選挙活動を行った。そうしたことが奏功して連邦下院で民主党が過半数を奪還することができた。

 

しかし、ブッカーもまた他の有力候補者たちと同様にウォール街との関係と金融機関から受け取った資金について、あらゆる面からの調査を受けることになる。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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