古村治彦です。

 

 今回は古い記事になりますが、2020年のアメリカ大統領選挙民主党予備選挙に出馬している人々、するであろうと見られている人の人物評をご紹介します。第2位にランクされているジョー・バイデン前副大統領、第8位にランクされているシェロッド・ブラウン連邦上院議員(オハイオ州選出、民主党)、第10位のマイケル・ブルームバーグ前ニューヨーク市長のうち、バイデンとブラウンは態度を明らかにしておらず、ブルームバーグは不出馬宣言を行っています。

 

 それ以外の人々は既に出馬宣言をしていることは、このブログでもお知らせしてきました。それぞれについての人物評が短くまとめられているので、参考になります。今回は男性、女性、白人、非白人、キリスト教徒、キリスト教徒以外、若い人から年配の人まで、立候補者が多くいることもあって、多様性が際立っています。LGBTQを公にしている人は出ていませんが(準備検討委員会を発足させている中にはいます)。

 

 候補者の多くはリベラル、進歩主義派に分類されていますが、民主党内部の流れがそちらに向かっているということを示しています。これは2016年の大統領選挙民主党予備選挙の時以来の動きです。エスタブリッシュメント派で、リベラルなことを言うが、資金源はウォール街の大銀行、というヒラリーに対して、自分のことを民主社会主義者だと自己規定しているバーニー・サンダースが挑戦、あっさり負けるかと思っていたところが、サンダースが善戦しました。

 

 偽者のリベラルに対して、筋金入りのリベラルが出て来てしまったということになります。また、ヒラリーの対外政策、人道的介入主義もまた綺麗ごとを言いながら、やっていることは共和党のネオコン派と同じ、アメリカを泥沼の対外戦争に引きずり込むというもので、ヒラリーの偽善に対して、人々が怒りのノーをぶつけ、それが本選挙まで続きました。

 

 今回の選挙では、「自分は大企業からは寄付金を受け付けない」と宣言する候補者も出ています。また、今回の選挙では候補者たちがどこからお金をもらっているか、誰とつながっているかを厳しくチェックされるでしょう。左に寄っている民主党支持者たちが多い中で、大銀行から違法ではない正当な政治資金を受け取っていても、それは致命傷ということになるでしょう。

 

 まだまだ始まりの段階で、これからいろいろと動いていくでしょうが、まずは3月末までにバイデンが出馬表明するかどうか、です。世論調査をして、出馬表明をしていない人物が支持率でトップに出るというのは何ともお粗末な話で、「民主党は人間ばかり多くて有能な、トランプ大統領に勝てる人はいない」ということを印象づけてしまうことになります。出る出ないをはっきりさせて欲しい、出来たら出馬して欲しいというのが民主党支持者の音がいでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

2020年米大統領選挙民主党候補者指名を勝ち取る可能性の高い10名の民主党の政治家たち(The 10 Dems most likely to win the 2020 presidential nomination

 

ニオール・スタンジ筆

2019年2月19日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/430461-the-10-dems-most-likely-to-win-the-2020-presidential-nomination

 

アイオワ州での党員集会までまだ約1年もある中で、米大統領選挙の民主党候補者選びは既に白熱している。

 

ここからはどの候補者がどの位置にいるかを本誌がランク付けする。

 

●第1位、カマラ・ハリス(Kamala Harris)連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)

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ハリスはどの候補者よりも素晴らしいスタートを切った。

 

ハリスの出馬表明演説は地元オークランドにおいて、多くの熱烈な支持者を集め、力強く行われた。予備選挙が早期に行われる各州での彼女の評判は上々だ。各メディアによるインタヴューにうまく対応した。まとめると、彼女は自分自身を新鮮でカリスマのある人物として印象付けることに成功した、ということになる。

 

ハリスは既に複数の政治家たちからの支持を獲得している。バーバラ・リー連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は早々と支持を表明した。また金曜日には、かりふぉりニア州知事ゲヴィン・ニューサム(民主党)とヒスパニック系の公民権運動の指導者ドロレス・フエルタが支持を表明した。

 

それでもハリスには答えなければならない多くの疑問が存在する。警察の不手際と人種間の不平等について疑問を持っている民主党支持者たちによって、ハリスが長く務めた検察官時代が詳しく精査されることになるだろう。

 

早い段階で先頭を走る人は簡単に落ちてしまうことが多いが、しかし、現時点では、ハリスはレースにおいて最も素晴らしい候補者ということになる。

 

11日時点でのランキング:第4位(3ランクアップ)

 

●第2位、ジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領

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ハリスはスタートに成功し、支持を集めているが、民主党支持者に対する全国規模の世論調査全てでリードしているのは、ジョー・バイデン前副大統領だ。

 

土曜日に発表されたエマーソン大学の世論調査の結果では、第2位のバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)には10ポイントの差をつけている。3位にはハリスがつけて、サンダースからは2ポイント差であった。先週初めに発表された『モーニング・コンサルト』誌の世論調査では、バイデンはサンダースには7ポイント、ハリスには16ポイントの差をつけてトップとなった。

 

2016年、大統領選挙不出馬を決断するまでに長い期間熟考した。2015年5月に息子ボウが脳腫瘍で亡くなった。バイデンは最終的に大統領選挙の厳しさに自身を投じない決断を行った。

 

今回については、本誌はバイデンがもうすぐ出馬表明することは確実だと報じている。

 

今回の大統領選挙におけるバイデンの弱点は年齢ということになる。2021年の大統領就任式の日、バイデンは78歳になっている。また、連邦上院議員時代のイラク戦争や1994年の刑法改訂の採決の場面での投票は現在の民主党の状況に合わないものである。

 

それでもバイデンは有権者一人一人に対応するドブ板活動を行ってきた政治家(retail politician)である。彼の経験とオバマ前大統領に8年間忠実に仕えたことは彼にとって武器となるだろう。

 

11日時点でのランキング:第3位(1ランクアップ)

 

●第3位、バーニー・サンダース(Bernie Sanders)連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)


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サンダースは2月19日午前中に出馬表明を行った。その前の週末に出馬表明のヴィデオを録画したと報じられていた。

 

サンダースは人気ではトップクラスの候補者である。各種世論調査の結果では、バイデンに続いて第2位を占めている。

 

しかし、彼は彼自身が収めた成功の被害者となっている面もある。2016年に民主党の大統領選挙候補者指名を受けたヒラリー・クリントンに挑戦し、予想外の善戦を見せた。これによって民主党内部により左派的な政策を求める熱望が存在することが明らかになった。現在、既に出馬表明した、あるいは出馬濃厚な候補者たちはより進歩的な政策を打ち出しており、そのために2016年の段階ではユニークだとしてアピールしたサンダースの政策がぼやけることになった。

 

サンダースはこれら以外にも問題を抱えている。2016年の時にヒラリー・クリントンを支持した人々の間でサンダースに対する敵意が渦巻いている。2019年1月、2016年の選挙運動でスタッフとして働いた女性たちで男性スタッフからハラスメントを受けたという訴えに対して、サンダースは謝罪した。

 

サンダースは、トランプ大統領の一般教書演説に対して反論を行うという決断を下した。これに対して活動家の中には、民主党の正式な反対演説者であるジョージア州知事選挙候補者であったステイシー・エイブラムスから注目される機会を奪うものだと激しく批判する人々が出た。

 

サンダースにとっても年齢は問題である。彼の年齢は77歳だ。

 

11日時点でのランキング:第2位(1ランクダウン)

 

●第4位、ビトー・オローク(Beto O’Rourke)前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)

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彼は出るのか、出ないのか?

 

オロークに関してはこれが重要な疑問となる。昨年テッド・クルーズ連邦上院議員(テキサス州選出、民主党)に対して挑戦して最終的に僅差で敗れたが、このことで民主党の勢いを促す結果になった。

 

オロークの出馬の意図は明白だ。彼は2019年1月に遊説ツアーを開始した。彼に対しては、インターネット上で公開している日記の中で内省のための黙想をする様子を掲載し、批判が出ている。

 

他方、トランプ大統領がオロークの地元エルパソで集会を開いた際、オロークは近くの会場で集会を開き数千人の参加者を集め、これが大きなニュースになった。

 

オロークが選挙から距離を取っている期間が長ければ長いほど、ハリスのような人物が人気を高めてしまうという危険が大きくなる。一方、彼は大きな集金力を持つ。連邦上院議員選挙の選挙運動のために2018年の第三四半期だけで3800万ドルを集め、人々を驚かせた。この資金力のおかげでオロークは重要な候補者となることが出来るのだ。

 

11日時点でのランキング:第1位(3ランクダウン)

 

●第5位、エリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)

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ウォーレンの選挙運動のスタートは人々の関心を引くものとならなかった。彼女はそれまで選挙戦序盤を牽引する候補者になるだろうと考えられていたが、そうではなかった。

 

選挙運動のスタートに失敗した理由の一つは今でも収まっていない。彼女は自分自身をネイティヴ・アメリカンだと述べ、昨年には自身が真実を述べていることを証明するためにDNAテストを行うという決断を下した。

 

テストの結果、彼女の6代前から10代前の先祖にネイティヴ・アメリカンがいたことは証明された、しかし、こうした推移全体がトランプ大統領の手のひらで踊らされただけのことだと考える民主党支持者も多くおり、そうした人々は「ポカホンタス」と揶揄されたウォーレンを今でも馬鹿にしている。

 

ウォーレンは、職業上の深い知識、特に金融規制の知識とトランプに対抗するというスタイルを組み合わせることで有力候補になれるということを訴えている。

 

しかし、初期の各種世論調査でのウォーレンの支持率は良くても平均といったところに留まっている。そして、ハリスをはじめとする他の人々に抜かれてしまうのではないかという疑いを人々は持つようになっている。ハリスはウォーレンよりも人々を惹き付ける力が強い。

 

11日時点でのランキング:5位(変わらず)

 

●第6位、コーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)

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ブッカーは最近になって出馬宣言を行った。2019年2月1日のことだった。

 

ニュージャージー州選出の連邦上院議員ブッカーに対しての評価は二分されている。特にワシントン政界で真二つに割れている。彼を支持する人は、ブッカーは人に好かれやすく、エネルギーにあふれている候補者だと評価している。情熱的な演説ができ、若者たちや非白人の有権者を盛り上げる能力を持っている、というのだ。

 

批判者たちは、彼は本物の政治家と言えず、軽すぎると評価している。自分自身を売り込むこと以外何もしてこなかった、というのだ。こうした批判は、彼がニュージャージー州ニューアーク市長時代にツイッターを多用して話題になった時からあるし、ブレット・カヴァノーのアメリカ連邦最高裁判所判事の人事承認公聴会で、自身を「スパルタカス」と評した時にも起きた。

 

ブッカーは、バイデンを含むその他のビッグスターが出馬表明をする前に、政治家として牽引力を発揮することが出来ることをすぐに証明する必要がある。そレが出来なければ、選挙戦で埋没してしまう危険がある。

 

・1月1日時点でのランキング:第7位(1ランクアップ)

 

●第7位、エイミー・クロウブッシャー(Amy Klobuchar)連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)


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クロウブッシャーは人々の注目を集める選挙戦スタートを切ることが出来た。彼女は出馬宣言を大変な吹雪の中で行った。

 

クロウブッシャーの出馬宣言の様子は人々の記憶に残るものだ。この様子は彼女が人々に送りたいメッセージの核心を示すものだ。それは、「自分はアメリカ中西部出身の、地に足の着いた現実的な候補者だ」というものだ。

 

しかし、クロウブッシャーのメッセージの内容があっても、彼女の最終的な勝利についての疑念を払しょくすることはできない。トランプに対峙する党の候補者として中道主義に寄っている人物を本当に望んでいるのだろうか?

 

最近になって、クロウブッシャーがスタッフに対して厳しすぎる態度を取るという批判が出ており、このために彼女が候補者指名を受ける可能性は低くなっている。

 

性差別についての批判もあるが、彼女がスタッフにバインダーを投げつけて当たってしまったというようなより直接的で深刻な問題も存在する。

 

・1月1日時点でのランキング:第8位(1ランクアップ)

 

●第8位、シェロッド・ブラウン(Sherrod Brown)連邦上院議員(オハイオ州選出、民主党)


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ブラウンは政治の世界では長い間好奇心の対象となっている。進歩主義的な民主党所属の連邦議員であるが、共和党が勢力を増しているオハイオ州で、大差で再選を続けている。

 

ブラウンは予備選挙が先に行われる各州での集会ツアーを敢行している。しかし、彼が出馬するかどうかは明らかではない。ブラウンと同じく労働者階級にアピールするバイデンが出馬するかどうかで、ブラウンが出馬するかどうか複雑な状況になる。

 

11日時点のランキング:第6位(2ランクダウン)

 

●第9位、カースティン・ギリブランド(Kirsten Gillibrand)連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)


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ギリブランドは、20191月中旬にCBSのスティーヴン・コルバートの「レイトショー」に出演し、出馬表明を行った。残念なことに、出馬宣言以外、彼女にとって有力な材料となるようなことは存在しない。

 

ギリブランド民主党指名獲得まで厳しい坂道が続く。その勾配が少し緩やかになるくらいのものだ。

 

・1月1日時点でのランキング:第10位(1ランクアップ)

 

●第10位、マイケル・ブルームバーグ(Michael Bloomberg)前ニューヨーク市長


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ブルームバーグは出馬に関して明言せずに人々の関心を集めている。大富豪ではあるが、前ニューヨーク市長ブルームバーグの民主党候補者指名の道筋を見つけることは困難な状況にある。

 

ブルームバーグのビジネス重視する中道主義は現在の民主党には合わない。そして、彼自身は遊説をして回るような典型的な政治家というタイプでもない。そのため、早い時期に予備選挙が行われるアイオワ州やニューハンプシャー州を遊説するようなこともしていない。

 

11日時点でのランキング:第9位(1ランクダウン)

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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