古村治彦です。

 

 インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジが大統領選挙に正式に出馬表明を行いました。2019年1月23日にワシントンDCでの記者会見で準備検討委員会発足を表明しましたが、誰の関心も引きませんでした。


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しかし、2019年4月14日の日曜日午後(日本時間では4月15日午前深夜)、サウスベンド市の廃工場で開催された集会には中に入り切れないほど人々が集まり、全米のメディアがその様子を伝えました。インターネットでの中継も行われました。

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 サウスベンド市に1963年まで本社を置いていたステュードベイカー社の廃工場を舞台にして、数百人が集会に参加しました。雨が降る中、ブティジェッジは40分にわたって演説を行いました。その詳しい模様は下の記事をご参照ください。




 ブティジェッジは世代交代と新しい政治指導者のタイプを登場させること、それが自分だと訴えています。ブティジエッジは「自由、安全、民主政治体制」を、選挙運動を進めるための諸原理としています。政策はリベラルなものですが、リベラル左派とは一線を画しています。

 

 演説後の4時間で100万ドルの献金があったということで、ブティジエッジの勢いはしばらく止まらないようです。選挙後の月曜日からはニューヨークでの資金集めイヴェントへの出席、アイオワ州への訪問と忙しく飛び回るようです。


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 ブティジェッジの選対はシカゴにオフィスを設置するということです。サウスベンド空港は全米各地に行くのは不便であるということで、シカゴのオヘア空港を利用し、その前後に立ち寄り、仕事が出来るようにするとのことです。以前にもご紹介しましたが、サウスベンド市はシカゴに近い(と言っても100キロ以上離れているようです)ということもありますが、シカゴは民主党の金城湯池です。何と言っても、今でも民主党や民主党支持者に大きな影響を持つバラク・オバマ前大統領とミシェル・オバマ夫人の地盤です。

 

 シカゴにオフィスを設置することで、「シカゴの候補者」「オバマの後継者」というイメージを獲得することも可能です。こう考えると、ブティジェッジの選対はまだ小さく、素人臭いものですが、なかなかスマートな動きをしています。ブティジェッジの凄さはこういう細かいところに見られます。

 

(貼り付けはじめ)

 

ブティジェッジが選挙運動開始を発表し、「アメリカにおける新しい泉」の出現を訴える(Buttigieg calls for 'a new American spring' in campaign launch

 

マイケル・バーク筆

2019年4月14日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/438838-buttigieg-officially-launches-2020-presidential-campaign

 

インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジは日曜日、2020年アメリカ大統領選挙民主党予備選挙への正式な立候補を表明し、「アメリカにおける新しい泉(a new American spring)」を生み出すことを訴えた。

 

サウスベンド市で開催された集会で集まった多くの支持者を前に、ブティジェッジは次のように述べた。「皆さんと私はアメリカにおける新しい泉の出現を先触れする機会を得ました。私たちの心に希望を、私たちの体に炎を持ちながら、仕事を始め、歴史を作りましょう」。

 

37歳のブティジェッジは準備検討委員会発足を発表してから約3か月後に正式な出馬表明を行った。

 

ブティジェッジは次のように発言した。「私の名前はピート・ブティジェッジです。皆さんは私をピート市長と呼びます。私はインディアナ州サウスベンドしで生まれ育ったことを誇りに思います。そして、私はアメリカが州国大統領選挙に出馬します」。

 

ブティジェッジの登場の前に、アメリカ各地の市長が登壇し、彼について紹介した。テキサス州オースティンの巣ティーヴ・アドラーはブティジエッジを「市長らしい市長」「市長の中の市長」と形容した。

 

アドラーは次のように語った。「私は今日、他の市長たちとここに立っています。それは、私たちはこの国が知らなければならないことを知っているからです。そして、私たちは、そのことを知るための独自の立場に立っているのです。アメリカに住む多くの人々が持つ疑問に対する答えを私たちは持っています。そうです、アメリカ国民の皆さん、ピート市長は本当に特別な存在なのです、と答えましょう」。

 

アフガニスタンで軍務に就いた経験を持つブティジェッジはここ数カ月で世論調査での支持率を急伸させている。彼の選対は2019年の第一四半期で700万ドル以上の資金を集めた。大統領選挙民主党予備選挙の有力候補者となった。

 

2020年米大統領選挙民主党予備選挙が早期に実施されるアイオワ州とニューハンプシャー州での世論調査でブティジェッジはそれぞれ3位に入った。

 

ブティジエッジの好感度も2019年2月から急伸しており、最新の世論調査では、以前と比べて30ポイントも上昇していることが分かった。

 

ブティジェッジは、自身の選挙運動の中心に置く原理は「自由、安全、そして、民主政治体制(freedom, security and democracy)」だと述べた。

 

同性愛者であるブティジェッジは次のように語った。「もし国家の役人が、皆さんが結婚できるかどうかを決定するのなら、皆さんは全く自由ではないということになります。子供を産むかどうかを選択することに対して男性の政治家が指図をするようならば、皆さんは全く自由ではないということになります」。

 

ブティジェッジは安全について話をする際に、「太平洋からメキシコ湾まで壁を建設するよりも安全を守る方法はもっと多くある」と述べ、トランプ大統領を批判した。これは、アメリカ南部国境沿いに壁を建設するというトランプの政策に言及したものだ。ブティジェッジはまたアメリカは「子供たちを暴力の恐怖から解放する以上にすべきことは無い」と述べた。

 

ブティジェッジはトランプ大統領の名前に直接言及することなく、次のように述べた。「私が今日、この場に立っているのは“アメリカを再び偉大に(Make America Great Again)”とは全く異なるストーリーをお話しするためです。私はアメリカの偉大さを心の底から信じています。私はアメリカの価値観を信じています」。

 

ブティジェッジは「気候をめぐる安全」についても指摘し、気候変動は「人間の生死にかかわる重大な問題」だと述べた。また、「白人優越を主張するナショナリズムの勃興に直面する中で私たちの安全を守る」ことを訴えた。

 

民主政治体制について、ブティジェッジは、プエルトリコとワシントンDCを州に昇格させることを訴え、同時に有権者の投票行動を抑圧する行為と選挙人制度を批判した。

 

ブティジェッジは日曜日の集会で、「ミレニアル世代に属する中西部の田舎町の市長」が大統領選挙に出馬するのは「大それたこと」であると分かっているし、「大胆な行為以上のものだ」と述べた。

 

ブティジェッジは新しい世代の指導者を出すことを訴えながら、「しかし、私たちが生きる時代、それは私たちに行動することを促しています」と述べ、更に「我が国を変化させつつある力は地殻変動のようなものです。今回、選挙に勝つだけではありません、私たちは時代を勝ち取るのです(This time is not just about winning an election. It’s about winning an era)」と語った。

 

=====

 

ピート・ブティジェッジが大統領選挙への正式出馬を表明(Pete Buttigieg officially announces presidential campaign

 

ダン・メリカ(CNN)筆

2019年4月14日

CNN

https://edition.cnn.com/2019/04/14/politics/pete-buttigieg-presidential-campaign/index.html




インディアナ州サウスベンド市(CNN)。インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジは日曜日、米大統領選挙出馬を正式に発表した。2020年にドナルド・トランプ大統領と戦うため民主党予備選挙に立候補する人の数が増え続け、ひしめき合っている状況で、この中西部の民主党政治家が正式に出馬することになった。ほんの1か月前、彼のことを知っている人はほとんどいなかった。

 

ブティジェッジは自身の立候補をトランプ大統領の選挙運動に対する直接的な反論であると特徴づけた。トランプ大統領のスローガン「アメリカを再び偉大に(Make America Great Again)」にも反撃した。ブティジェッジは、トランプ大統領に率いられているアメリカには世代交代と全く別のタイプの政治家が必要だと訴えた。ブティジェッジは、同性愛者、退役軍人であるアメリカ中西部の田舎町の市長である自分はトランプ大統領とは全く違う形の政治家であると主張した。

 

歓声の中、ブティジェッジは次のように発言した。「私の名前はピート・ブティジェッジです。皆さん、ピート市長と呼びます。私はインディアナ州サウスベンド市で生まれ育ったことを誇りに思います。そして、私はアメリカが州国大統領選挙に出馬します」。

 

彼は次のように述べた。「ミレニアル世代に属する、中西部の田舎町の市長がこのようなことをするのは大それたことだということは分かっています。37歳でこの国の最高の政治職を目指すというのは無謀以上のことだと思います。しかし、私たちが生きているこの時代は、私たち一人一人に行動することを促しています」。

 

サウスベンド市長ブティジェッジは、多くの人が立候補している大統領選挙民主党予備選挙において、支持を急速に伸ばしている候補者だ。準備検討委員会段階に数か月とどまった後で正式に出馬表明を行った。最近の世論調査では、ブティジェッジは、カマラ・ハリス、エリザベス・ウォーレン、コーリー・ブッカーといった連邦上院議員たちと肩を並べるまでになっている。数か月前までブティジェッジの支持率は1%以下が続いていた。

 

ブティジェッジのスターとしてのパワーを見せつけたのは、出馬の正式発表後の献金の怒涛の流れだ。日曜日の演説の後、支持者たちから4時間で100万ドル以上の献金を受けた、とブティジェッジ選対の広報担当顧問リズ・スミスはツイッター上に投稿した。

 

ブティジェッジは演説の中で、自身の生まれ育った町を演説内容の柱とした。ブティジェッジは市長になっての8年間でサウスベンド市の中心部の再開発を主導してきたという事実を強調した。

 

鉄製の屋根にあたる雨の雨音が激しい中、ブティジエッジは演壇に立ち雨が流れるのを眺めていた。ブティジエッジは次のように語った。「ここまでの道のりは私たちにとって長いものとなりました。サウスベンド市での生活は完璧からは遠いものです。しかし、私たちはこれまでの道筋を変更し、私たちの住む町のようなコミュニティにとって前に進むための道筋を示してきました。そうしたことを行い、私は今日ここに立っているのです。“アメリカを再び偉大に(Make America Great Again)”とは全く異なるストーリーをお話しするために、ここに立っています。「工業地帯や地方にある神話が売り込みされています。その神話は時計の針を止めて、時間を逆に戻すことが出来るとするものです」。

 

ブティジェッジは続けて次のように語った。「過去にこだわる政治からは離れる時は今です。そして全く異なる政治に向かうべき時です。今回、ただ選挙に勝つというだけではないのです。時代を勝ち取るということなのです」。

 

ブティジェッジの出馬宣言は、雨が降り込むステュードベイカー社(訳者註:自動車部品製造会社、後に買収される。1963年まで本社をサウスベンド市に置いていた)の廃工場の中で行われた。ステュードベイカー社は1963年にサウスベンド市を出て行き、工場は放置されたままになった。この廃工場はサウスベンド市の衰退の道のりを示す物理的な象徴であった。この建物はブティジエッジがアメリカ全体に届けたいメッセージのシンボルである。そのメッセージとは、ブティジエッジは錆びついた廃工場に立っているが、そのドアの向こうには、IT企業の起業を支援するためのインキュベーターが活動するフロアが広がっている、というものだ。

 

ブティジェッジは全く屋根のない外にも詰めかけている数百人の人々を前に演説を行った。

 

ブティジエッジは支持者たちに次のように語りかけた。「建物の中で立って下さっている皆さんを拝見して、私は深い感銘を受けています。そして、建物の外に立っておられる皆さんを見て、心の底から感動しています。何故ならそれは、この光景がまさにアメリカにおける新しい泉が湧き出ている様子そのものだからです」。

 

これまでの数週間、ブティジエッジは目まぐるしい忙しさの中にいた。ピート市長は3月上旬にCNNのタウンホールミーティング様式の番組に出演し、多くの視聴者を得てからの勢いをつかもうとアメリカ中を飛び回った。早期に予備選挙が開催される各州とサンフランシスコ、シカゴ、ニューヨークといった民主党の金城湯池での資金集めイヴェントを訪問した。

 

ブティジエッジが自身で述べたように、彼の経験は「わくわくするもの」であったが、今こそ正式な出馬表明をする時だと述べた。

 

ブティジェッジは金曜日、目まぐるしいカリフォルニア訪問、その中には有名番組「エレン」への出演とサンフランシスコでの大口献金者の資金集めイヴェントへの出席も含まれていたが、それらを終えてサウスベンドに戻る途中、私たちの取材に対して次のように述べた。「私たちが準備を進める中で見たものは美しいものでしたが、今こそ大統領選挙出馬を正式なものとし、決断について発表する時です」。

 

ブティジェッジは2019年1月にワシントンDCで記者会見を行い、準備検討委員会発足を発表した。2019年3月下旬にCNNの取材を受けた際に、ブティジェッジは「全ての指標」は正式な選挙運動を行うことを示しているが、「正式表明は一度しかできないので、私たちの準備が整うまで行うことはないです」と述べた。

 

ステュードベイカー社の廃工場の中で選挙運動を開始するという計画は選対にとって最善の選択肢ではなかった。ブティジェッジの選対は最初、サウスベンド市のダウンタウン地区の交通を止めて、ピート市長の指導の下で復活した市の中心部の野外で集会を開く予定を立てていた。雨と風ということを考えて、選対は複数の計画を変更し、廃工場での集会という計画を採用することになったが、ブティジエッジは、変更の中に希望の光があると述べた。

 

集会の前、ブティジェッジは次のように語った。「雨が降る状況は悪い状況のようで実はそうはならないと思います。なぜなら、廃工場で雨、というのはシンボルとなりますし、そこに過去、現在、未来を人々が見ることが出来るからです。私は時計の針を戻すこと、過去を埋め合わせることをいかにして見ないかということについて多くの時間を割いて話します。あの建物はそのようなこと全ての物理的なシンボルということになります」。

 

この建物は現在再利用されている。現在、サウスベンド市ルネサンス地区の拠点として、サウスベンド・コードスクールやアマゾン・ウェッブサーヴィス社といった複数のIT企業が利用している。この建物は、この8年間にピート市長の指導力がいかにしてサウスベンド市の各地区を再活性化することに貢献してきたかを示すシンボルとなっている。

 

ブティジェッジは演説で幅広い政策に関する諸問題を取り上げた。民主党が訴えている選挙制度と司法制度の改革を主張した。気候変動を「私たちの世代における人の生死にかかわる重要な問題」と呼び、アメリカ全国民がメディケアを利用できるようにしたいと述べた。

 

しかし、ブティジェッジの演説の中で最も受けたのは、トランプ大統領を批判した時と彼自身の人生について語った時、特にチャステン・ブティジェッジと結婚したことについての時であった。

 

ピート市長は演説の中で、若い時の自分に語り掛けたいことを述べた。若い時のピート市長は「学校の講堂で眺めている若い少年たちに自分が感じるこの感情はいったい何なのか」と戸惑っていた君は、将来受け入れてもらえるよ、と言いたいと述べた。

 

ブティジェッジは歓声の中で次のように語った。「あの時の彼に、将来40歳になる前のある4月の雨が降る日、目を覚ますと君がアメリカ大統領選挙で有力候補として存在感を急速に増しているという報道がされているようになっているよ、と言いたいです。そして、その日に君はアメリカ大統領選挙に立候補すると発表することになるんだ、そして、君はそれを夫と一緒にやることになるんだよ、と」。

 

彼はその前に次のように語った。「私たちの結婚はアメリカ連邦最高裁判所での一票差の評決の結果によって存在できているのです。9名の男性と女性が一つの部屋に座り、投票を行い、その結果、私の人生で最も重要な自由が与えられたのです」。

 

ブティジェッジはトランプ大統領を過去ばかり振り返る政治家と特徴づけ、人々の恐怖心を利用して権力を手にしていると述べた。

 

ブティジェッジは「ワシントンで上演されている恐怖に関するショウは人々を惹きつけ、夢中にさせています。しかし、今日私たちはチャンネルを変えましょう」と述べた。

 

ブティジェッジの登場の前、3名の市長が登壇し、彼を紹介した。その3名とは、オハイオ州デイトン市長ナン・ウェイリー、カリフォルニア州ウエストサクラメント市長クリストファー・カバルドン、テキサス州オースティン市長スティーヴ・アドラーである。3名の市長はそれぞれブティジェッジの実績と候補者としての特性を語った。

 

同性愛を公表しているカバルドン市長は「私たちは歴史を作っているということを感じています。アメリカLGBT市長会の会長として、数か月前にこんな瞬間が実現するなんて想像することすらできませんでした」と述べた。アドラーの支持演説は重要な意味を持った。それは、アドラーと同じテキサス州民であるビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)と前住宅・都市開発長官フリアン・カストロが既に大統領選挙出馬表明を行っているからだ。アドラーは今年初めにオロークの集会で登壇し、演説を行った。

 

"皆さんは多くの人々を支持することを考えていると思います。ビトーは本当に良い人です。フリアンも本当に良い人です。私たち3人は本当に良い友人なのです。しかし、ピートほどではないのです。私がこれまで見てきた人物の中で最も卓越しているのはピートなのです」。

 

ブティジェッジは日曜日に正式発表を行ったが、彼は選対から「準備検討」の言葉を外すことを連邦選挙管理委員会に届け出たのは先週金曜日であった。

 

ブティジェッジの選対はこれまでの数か月間、少ない資金で活動してきた。ブティジェッジの側近によると、選対には現在32名のスタッフがおり、今月末までに45名から50名に増やしたいということだ。

 

スタッフの数が少ないということは、ブティジェッジは2019年の第一四半期で集めた約700万ドルのうち少ししか使っていないということを意味する。側近は、政治資金報告書によると、ブティジェッジの陣営のバーンレートは10%以下となった、ということであった。この数字は他の候補者たちよりもかなり小さい。ウォーレンは2019年4月に政治資金報告書を提出し、その中で陣営のバーンレートは85%以上であった。

 

ブティジェッジの選対責任者マイケル・シュームールは次のように述べた。「ピートはこれまでにいなかったタイプの候補者であり、私たちはこれまでにはなかった選挙運動組織を作りたいと考えています。トップダウンの組織にはしたくないですね。コンサルタント主導の選挙運動にもしたくありません。スタートそのままの形にできればと思います。賢く、堅実な方法で進めていきたいです」。

 

シュームールは、現在の時点で、世論調査専門家やコンサルタントは選対にいないと述べた。将来どうするかは分からないが、選挙運動は「私たちがこれまで進めてきたように即座に動ける」形にしたいと述べた。

 

ブティジェッジ選対は選対本部をサウスベンド市に設置している。ジェファーソン・センタービルの2つの小さい部屋に置かれている。選対はシカゴに小さなオフィスを開く予定だ。シカゴのオフィスには数名のスタッフが常駐することになる。サウスベンド空港は小さく全米を回るには不便なので、全米各地をブティジェッジとスタッフが回る前に、シカゴのオフィスで仕事をすることになる。

 

ブティジェッジは台頭し、民主党への大口献金者たちに自分が受け入れられていることを認識している。大口献金者の多くは立候補者が増え続ける中で複数の候補者たちに献金を行おうとしている。

 

数日前にブティジェッジ支持を表明した元民主党全国委員会委員長のスティーヴ・グロスマンは次のように述べた。「私は彼に、君が必要とすることは何でもするつもりだ、と言いました。資金集めが必要ならば、資金集めもする、とね。メディアの人への照会が必要ならば、私は進んで協力する」。

 

スージー・トンプキンズ・ブーエルも献金者の一人だ。ブーエルはハリスを支持しているが、木曜日にサンフランシスコでブティジェッジの資金集めイヴェントを開催し、150名以上が出席した。

 

ブーエルは次のように語った。「彼は出席した人すべてに大きな印象を残したと思います。彼は本物で、そうした人物を人々は求めているのです。彼が現在の大統領と共有していることが一つだけあります。それは、自分が望むものを手にするということです。もっともその内容は全く反対のものですけれどね」。

 

ピート市長だけが評判の高まりを経験している「ブティジェッジ」ではない。チャステン・ブティジェッジはピート市長の夫であり、教師でもある。ツイッター上で彼の評判が上がり、市長の側近たちによれば、最近ではチャステン・ブティジェッジが一人で、LGBTQや教育関連のグループで演説を行うようになっているということだ。

 

ブティジェッジは発表の後、ニューヨークを訪問する。月曜日にはブルックリン地区で低額の資金集めのイヴェントを開催する。その後、火曜日と水曜日はアイオワ州を訪問する。

 

=====

 

※正式発表後にブティジェッジから支持者宛に出されたEメールの文面

 

皆さん、こんにちは。

 

私の名前はピート・ブティジェッジです。私はインディアナ州サウスベンド市で生まれ育ったことに誇りを持っています。今日の午後、私は地元サウスベンド市で、アメリカ合衆国大統領選挙への正式な立候補を表明しました。

 

皆さんがアメリカは楽観主義、私たちの勇気、私たちの希望をかけるに足る存在である信じるならば、本日5ドルの寄付をしてくださることをご検討いただけるようお願いする次第です。

 

ミレニアル世代の中西部の田舎町の市長として大統領選挙に出馬することなど大それた行為であると分かっています。37歳の人間がこの国で最高位の政治職を目指すことは大胆なこと以上の試みであると言わざるを得ません。

 

しかし、現在私たちの国を変化させている力は地殻変動のようなものです。現在の大統領を生み出すことが可能になったのはこの地殻変動の力と言えるでしょう。ですから、今回、私たちは選挙に勝つだけではなく、時代を勝ち取らねばならないということになるのです。

 

我が国の歴史の中で、時代の中で重要な瞬間が起きているのは稀有なことです。変化は否応なくやってきます。このような時必要なのは、サウスベンドのようなコミュニティからの希望に満ちた、大胆な声なのです。そして、新世代の指導者が求められているのです。

 

私の選挙運動を導くことになる諸原理はシンプルで、車のバンパーに貼るステッカーに収まるものです。それらは、自由、安全、そして民主政治体制(freedom, security, and democracy)、です。

 

自由:医療と健康保険は自由をもたらすものです、消費者保護は自由をもたらすものです。人種についての正義は自由をもたらすものです。教師の立場を強くすることは自由をもたらすものです。女性の平等も自由をもたらすものです。労働組合も自由を生み出します。チャステンと私の経験から、国家の役人が自分たちの政治的信条から誰がどのように結婚すべきかを指図するというのでは、まったくもって自由とは言えません。

 

安全:安全と愛国主義が一つの政党に属するとする考えは終わりにしなければなりません。

 

私はここで明確に申し上げたいと思います。世界で最も偉大な国アメリカにとって、子供たちを暴力の恐怖から解放すること以上のことはありません。更に重要なことは、子供たちを恐怖から解放することは世界で最も偉大な国アメリカを恐怖から解放することなのです。

 

私たちはしっかりと顔を上げて私たちが生きている現在の安全にかかわる重大問題を見据えねばなりません。それは、気候変動と崩壊です。

 

民主政治体制:私たちの民主政治体制がより良い形にならなければ、銃規制、移民、気候、教育、育児有給休暇といった諸問題に対処することなどできません。「シティズンズ・ユナイテッド」という言葉が人々の意志ではなく、お金を意味するようでは、民主政治タイなどとは言えません。

 

選挙人制度がアメリカ国民の意思を覆したことが私たちの生きている間に2度もありました。このようなことが起きて、これが民主政治体制だと胸を張って言うことはできません。

 

私はアメリカの偉大さを心の底から信じています。私はアメリカの価値観を信じています。皆さんもそうであるならば今日私たちの選対への献金を是非ご検討いただけるようお願いいたします。

 

http://secure.actblue.com/donate/pete-buttigieg-announcement-day?refcode=PB

 

私たちは前途を悲観しなかった女性と男性が作ってくれた基礎の上に立っています。我が国の女性と男性は楽観的であるということは知識の欠如ではなく、勇気の源泉であるということを知っていました。

 

過去から一歩を踏み出して前に進むには勇気が必要です。

 

皆さんと私がこの時に共に立ち上がるならば、後世の人々が歴史を書くにあたり、ただの選挙運動についてではなく、またただ一人の大統領についてではなく、今日ここから始まる時代のことを書くことになるでしょう。

 

私たちの心に希望を、体に炎を持ちながら、仕事を始めましょう!

 

感謝を込めて。

 

ピート

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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