古村治彦です。

 

 ブログがおよそ1カ月ぶりの更新となります。6月中は昨日開催されました「副島隆彦の学問道場」の定例会の運営準備と共に私の講演の準備を進めながら、別の仕事のための準備、更に体調不良もあり、ブログを更新することが出来ませんでした。

 

 昨日の講演は反省点が多く、更に改善と綿密な準備を高いレヴェルで行わねばならないということを痛感しました。このブログをお読みいただいている方でご出席いただきました皆様には御礼を申し上げます。ありがとうございます。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

 昨日は定例会開催中にアメリカのドナルド・トランプ大統領が朝鮮半島の非武装地帯を訪問し、アメリカ大統領で初めて北朝鮮領域内に入った大統領になりました。「ツイッターの記事を読んで驚いた」と言いながら、北朝鮮の金正恩委員長も姿を見せたことで、本当の意味で世界の注目を集めました。大阪で開催され、安倍晋三首相が議長役を務めたG20のことなどどこかに吹き飛んでしまいました。

 

 トランプ大統領は、米中貿易戦争の深刻化を防ぐために、とりあえずこれ以上の攻撃と報復を取り止めようということで中国の習近平国家主席と合意をし、米朝関係ではとりあえず良い関係は続いているという姿を見せるために、北朝鮮の金正恩委員長と良好な関係をアピールしようということで合意をしていたということになります。部下たちがやり過ぎてしまったことを引き戻す、状況をこれ以上悪化させないということを、行ったものと思います。

 

 そのために手足となったのは、ホワイトハウスの中、ジャレッド・クシュナーとイヴァンカ・トランプ両上級補佐官だったと思います。思い返してみれば、ジャレッド・クシュナーがまずヘンリー・キッシンジャーと関係を結び、そこからトランプ大統領に紹介し、大統領選挙期間中にトランプ候補(当時)とキッシンジャーが極秘に会談を持ちました。そう考えると、今回はホワイトハウスのこのラインが働いて、キッシンジャーの助演を受けながら、状況を悪化させないということが実現したものと思います。

 

 目を日本に転じれば、日本政府は、安倍晋三首相が韓国に経済制裁を科す、そして文在寅大統領と少しの時間でも話をするということを行いませんでした。徴用工問題での報復だそうですが、相手との交渉を行わず、すぐに懲罰的な処置を行うというのは、戦前の日本と何ら変わりません。近衛文麿首相は日中戦争不拡大を希望しながら、周囲に引きずられ、最後には「暴戻支那を膺懲す(暴支膺懲)」とばかりに過酷な和平条件提案を行い(とても和平案とは言えない内容)、中華民国政府側の態度を硬化させましたし、「爾後国民政府を対手にせず」という声明まで出しました。この時の近衛首相の誤った判断が最終的に日本を亡国に導きました。安倍首相の行動様式はこの時のそっくりです。

 

 「世界が注目する大阪でのG20」「議長国日本の存在感」「議長役である安倍首相のかじ取り」などという国内向けプロパガンダ報道から脱してみれば、日本は、国際政治を舞台や映画にたとえてみれば、道化役、脇役、端役であって、中心的な役割を演じる俳優ではありません。

 

 6月30日の講演で私はアメリカ大統領選挙についてお話をしました。アメリカ大統領選挙の状況は大きく見れば、共和党はドナルド・トランプ大統領への一本化、民主党は予備選挙に向けての討論会と選挙運動が進行中だがジョー・バイデン前副大統領が独走、という状況で安定しています。バーニー・サンダースの人気が下降気味、エリザベス・ウォーレンとカマラ・ハリスが持ち直す、ピート・ブティジェッジは横ばいということで、これら以外の候補者たちは人気とお金がない順番でどんどん撤退していくことになります。

 

 先週、民主党の候補者たちによる1回目の討論会が2夜連続、2時間ずつ実施されました。24名の立候補者中、20名が討論会への参加資格をクリアし、10名ずつが登壇しました。参加資格は2019年1月以降に実施された世論調査の中で、1パーセントの支持率を3回獲得すること、もしくは6万50000名以上の人に政治献金をしてもらうこと、これ以外には1つの州で200名以上の献金者を獲得し、それが20州以上にわたること、というものがありました。

 

 出席者たちの中で、人気上位の人たちは揚げ足を取られないようにしながら、的確に発言する(発言時間はやはり人気上位の人たちの方が長かったようです)というアウトボクシング的な戦い方でした。人気がない候補者たちは割り込んで発言をしたり、自分の言いたいことを言ったり、与えられた時間を1秒でもオーバーして話をしようとどん欲な姿勢を見せましたが、それがかえって焦っているという印象を与えました。

 

 私が注目していたトゥルシー・ギャバ―ド連邦下院議員は1回目の討論会に出席し、クリティカルヒットを当てました。アフガニスタンへの米軍の駐留問題で、ティム・ライアン連邦下院議員の支持論に真っ向から堂々と反論し、ギャバ―ドはイラクとアフガニスタンで従軍した経験を持っているので、説得力の発言を行いました。ライアンは顔を真っ赤にして慌てて反論しましたが、その姿が見苦しく、ライアンの浮上はなくなったと言えます。

 

 ピート・ブティジェッジも無難にこなしました。現在、彼が抱えている大きな問題は、市長を務めているサウスベンド市で白人の警察官が盗難事件を起こした黒人男性を射殺した事件です。サウスベンド市警察における黒人警察官の割合が6%と低いこと、以前、ブティジェッジが警察本部長を務めていた黒人警察官を更迭したこと、もあって、これが攻撃材料とされました。数人の無名候補者たちがこの機会だとばかりに嫌味たらしく話しかけていましたが、ブティジェッジは毅然とした態度で反省の弁を述べていました。

 

 今回の大統領選挙民主党予備選挙で人気上位10位内に入るような政治家たちはそれぞれ素晴らしい特徴を持っていて、人気が出るべくして出た人たちなのだと改めて認識ました。同じ連邦上院議員や連邦下院議員を務めていても人気が出ないのは、魅力がない、話し方が下手、頭の回転が悪いということになるのだということも良く分かりました。それでも、日本の政治家たちに比べれば、魅力があり、話が上手、頭の回転は格段に速いということになります。

 

 7月に入って落ち着きましたので、これからブログの更新を再開したいと思います。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

(終わり)

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