古村治彦です。
アメリカ大統領選挙民主党予備選挙の候補者たちによる2回目の討論会が2019年7月30日、31日にミシガン州デトロイトで開催されます。主催は民主党全国委員会で、今回の討論会の会場設営や中継はCNNが担当します。
CNNでは20名の候補者を3つのグループに分けて、それぞれ抽選で登壇者を振り分けました。最初のグループは支持率が下位の10名で、それぞれ5名ずつが振り分けられました。次のグループは支持率が中位のグループ6名で、3名ずつが振り分けられました。最後のグループは支持率上位の4名、ジョー・バイデン前副大統領、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が2名ずつ振り分けられました。
下の図で言うと、1回目の討論会は、支持率上位4名のうち、サンダースとウォーレンが、中位6名のうち、インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジ、ビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)、エイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)がそれぞれ選ばれました。2回目の討論会には、支持率上位4名からバイデンとハリス、中位からはコーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)、実業家のアンドリュー・ヤン、フリアン・カストロ前住宅・都市開発長官が選ばれました。
今回の討論会も参加条件は1回目と同じで、(1)決められた期間内に指定された機関(大学や新聞社など)が実施した世論調査で支持率1%を3回以上記録する、(2)6万5000名以上の献金者、もしくは1つの州で200名上の献金者を20州以上記録すること、の(1)(2)のどちらかを満たすことです。
次回、ABCとスペイン語放送ウニヴィジョンが2019年9月12日と13日にテキサス州ヒューストンから中継する3回目の討論会は参加基準がグンと厳しくなります。(1)6月28日から8月28日までに指定された機関が実施した世論調査で支持率2%以上を4回以上記録すること、(2)13万名以上の献金者、もしくは1つの州で400名上の献金者を20州以上記録すること、この(1)(2)の両方を満たさねばなりません。現在のところ、この2つの条件を満たしているのは、バイデン、サンダース、ハリス、ウォーレン、ピート・ブティジェッジ、ビトー・オロークの6名です。まだ40日ほど残っていますが、このハードルを越えるのは残り4名ほどではないかと思います。支持率2%を記録することがなかなか大変なことで、テレビで報道される機会が多い連邦上院議員たちでも苦戦しています。支持率と献金額の集まり具合は比例するでしょうから、こちらの面でも苦しいということになります。
そうなると、今回の討論会でイチかバチか、目立ってやろう、という候補者も出てくるでしょう。前回、カマラ・ハリスがジョー・バイデンを攻撃して支持率を上昇させたということもありますから、虎視眈々とその機会を狙ってくるでしょう。支持率上位者は致命傷を浴びないようにうまく受け流して、相手に巻き込まれないようにするという戦術を採用することになるでしょう。
前回と同じく、バイデンとハリスが同じ回に登壇することになりました。ここでどのような議論が展開されるか注目されます。
(貼り付けはじめ)
バイデンとハリスが民主党討論会の第二夜に登場(Biden, Harris set
for second Democratic debate showdown)
ジュリア・マンチェスター筆
2019年7月18日
『ザ・ヒル』師
https://thehill.com/homenews/campaign/453838-biden-harris-set-for-second-democratic-debate-showdown?fbclid=IwAR0OVDhJMsZPK35qk9B3Fo2acLbK9moOGe2v29GGJfZ5UxwWgCNuassxomI
ジョー・バイデン前副大統領は、2019年7月31日にデトロイトで開催される民主党主催の討論会の第2夜で再びカマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)と対峙することになった。
一方、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)は7月30日の第1夜にエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)と共に登壇することになった。
コーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)は2019年7月31日に討論会に登壇する。一緒に登場するのは、前住宅・都市開発長官フリアン・カストロ、アンドリュー・ヤン、マイケル・ベネット連邦上院議員(コロラド州選出、民主党)とカーステン・ギリブランド連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)、ワシントン州知事ジェイ・インスリー、トゥルシー・ギャバ―ド連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)だ。
インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジ(民主党)は、エイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)、ビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)と共に7月30日に登壇する。一緒に登壇するのは、ティム・ライアン連邦下院議員(オハイオ州選出、民主党)、モンタナ州知事スティーヴ・ブロック(民主党)、前コロラド州知事ジョン・ヒッケンルーパー(民主党)、作家のマリアンヌ・ウィリアムソンだ。
支持率が高い候補者たちが壇上の真ん中に立つことになる。
第1夜では、ウォーレンとサンダースが真ん中に立ち、第2夜では、ハリスとバイデンが真ん中に立つ。
注目されるのはバイデンとハリスの再戦だ。カリフォルニア州選出の連邦上院議員ハリスは1回目の討論会でバイデンを激しく攻撃した。バイデンの公民権に関する連邦上院議員としての採決での投票記録、特に連邦バス通学法の可決の際の投票について批判した。
ハリスは1回目の討論会でバイデンを批判した後、支持率と資金集めで上昇を経験した。
バイデンは、1回目の討論会の後、ハリスが1回目の討論会で行ったような方法で自分に対峙することはないだろうと考えていると発言した。
ブッカーは、バイデンの人種分離主義者の連邦上院議員たちと協力したという発言を批判している。彼は2回目の討論会でバイデンと共に登壇する。そうなれば1回目の時よりも激しい批判に晒される可能性がある。
今回の討論会では進歩主義的なサンダースとウォーレンが初めて直接顔を合わせることになり注目だ。
ここ数か月支持率を上昇させているウォーレンは、進歩主義的政策についての詳細な計画を次々と発表している。
サンダースは、進歩主義的な政策に関してウォーレンと多くの共通点を持つ。サンダースの支持率は頭打ち、もしくは下落している。
サンダース、ウォーレンの両連邦上院議員はお互いの政策の相違点を探し、自分の政策を売り込むことになるだろう。
(貼り付け終わり)
(終わり)
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