古村治彦です。

  大統領選挙民主党予備選挙の候補者であるトゥルシー・ギャバード連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)は現在候補者の中で下位グループに入っている。9月に開催された3回目の討論会には参加条件をクリアできずに登壇できなかった。9月の討論会から参加条件が厳しくなったことはこのブログでも既に紹介した。9月の討論会の参加できたのは10名だった。この10名は5名ずつで上位・中位グループに分類できる。それ以外の9名(10名以上いたが複数選挙戦から撤退した)は下位グループということになる。
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 ギャバードは政治献金者数の条件はクリアしていたが、世論調査の支持率の数字の条件をクリアできなかった。民主党全国委員会が承認した世論調査で4回2%以上を記録することという条件(8月28日までにという期限付き)で、2回まではクリアしたが残り2回がクリアできなかった。

 民主党全国委員会のこの条件設定にギャバードは噛みついた。民主党全国委員会が承認していない世論調査で支持率2%を獲得しているものが複数あり、これを入れないのは不公平だと主張した。トゥルシー・ギャバードは2016年の米大統領選挙民主党予備選挙で、当時民主党全国委員会副委員長を務めていたが、ヒラリー派がヒラリーに有利になるように予備選挙を操作しようとしていることに抗議し、自分はバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、民主党)を応援するとして、記者会見を開いてさっさと辞任した気骨ある人物だ。彼女の発言はメディアにも取り上げられることが多く、民主党全国委員会にとっては、煙たい人物となる。

 10月15日開催の4回目の討論会参加に向けて、トゥルシー・ギャバードはアクセルを踏み込み、メディアやSNSで激しい発言を行って注目を集めた。先日のサウジアラビアの石油生産施設に対するドローン攻撃を受けて、ドナルド・トランプはイランを非難し、米軍の臨戦態勢を示唆する発言を行ったが、これを批判し、激しい言葉遣いで「米軍はあなたが自由に働かせることが出来る売春婦ではない」と述べた。 

 ギャバードはイラクへの2度の従軍経験があり、そこから、「アメリカは海外のもめ事や争いに介入すべきではない」という信念を得て、それを基にして介入主義的な外交政策を批判する立場を取り、支持や共感を得ている。トランプ大統領もアイソレーショニズムを主張して当選しているのだから、アメリカ国民の多くが介入主義には反対、懐疑的なのだ。

 4回目の討論会の参加条件クリアの期限は10月1日だが、その前にギャバードは民主党全国委員会が承認するニューハンプシャー州の世論調査で支持率2%を獲得し、参加条件をクリアし、10月15日の討論会に登壇できることになった。彼女が12人目の条件をクリアした候補者となった。これで15日の討論会も参加者を2つのグループに分けて2晩討論会が行われる可能性も出てきた。

 5回目の討論会の参加条件は既に発表されており、これまでよりもさらに厳しい条件となっている。上位5名は楽にクリアできるだろうが、中位5名の中からクリアが出来ない候補者が出てくる可能性もある。下位グループにとっては絶望的な条件で、撤退者が出てくる。4回目の討論会で人々に印象を残せば逆転ということもあるが、これまでの討論会でもそうだったが、司会者は有力候補により多くの時間を割いて話させようとする。

 このようにしてサヴァイヴァルレースとなって、生きるか死ぬかという過程での戦いが続いていく。

(貼り付けはじめ)

ギャバードは4回目の大統領選挙候補者討論会の参加条件をクリアした(Gabbard qualifies for fourth presidential debate

マックス・グリーンウッド筆

2019年9月24日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/462789-gabbard-qualifies-for-fourth-presidential-debate

トゥルシー・ギャバード連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)は火曜日、ニューハンプシャー州での世論調査の結果で支持率2%を獲得し、10月の民主党予備選挙候補者討論会に登壇できることになった。彼女は12番目の登壇条件クリアとなった。

10月の討論会の参加条件は、13万人以上の政治献金者を集めること、そして民主党全国委員会が承認した世論調査で4回以上支持率2%以上を記録することだ。ギャバードは早々に政治献金者の条件はクリアしていたが、支持率に関する条件を満たすにはあと1つ足りなかった。

この状況が変化したのは火曜日だった。マンモス大学の発表した最新の世論調査でギャバードはニューハンプシャー州の民主党に登録している有権者と無党派の有権者の間で2%の支持を獲得した。ニューハンプシャー州は2019年2月11日に予備選挙が行われ、全国規模で重要な意味を持つ。

本誌はギャバードの報道担当に支持率に関する条件クリアについてコメントを求めたが回答はなかった。

ギャバードは10月開催の4回目の討論会への参加条件をクリアした12人目の候補者となった。討論会は10月15日にオハイオ州ウェスタ―ヴィルで開催される予定だ。参加条件の締め切り期限は10月1日だ。

他の候補者たちの中で、4回目の討論会参加条件クリアに最も近いのはベストセラー作家マリアンヌ・ウィリアムソンだ。彼女は13万人という政治献金者の数の条件は既にクリアしているが、2%の支持率を後3回記録しなければならない。

10月の討論会を1晩で行うか、6月と7月の1回目と2回目の討論会のように2晩に分けて行うか、はっきりしていない。

民主党全国委員会は10月1日の期限の後に決定を行うと発表している。

10月の討論会の後、それ以降の討論会参加条件はより厳しくなる。

民主党全国委員会は月曜日、11月の討論会の参加条件は、16万5000人以上の政治献金者と委員会が承認した全国規模の予備選挙で4回3%以上の支持率、もしくは早期に予備選挙が実施される各州での世論調査で2回5%以上の支持率を獲得すること、と発表した。

ここまで、少なくとも11名の候補者が上記の政治献金者に関する条件をクリアしている。しかし、予備選挙での支持率に関する条件はより厳しいものとなっている。現在のところ、支持率に関する条件をクリアしているのは5名の候補者に過ぎない。

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10月の討論会の参加条件をクリアするためにギャバードはメディアの注目を集めようとしている(Gabbard drives coverage in push to qualify for October debate

レベッカ・クレア筆

2019年9月17日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/461802-gabbard-drives-coverage-to-get-into-october-debate

 米大統領選挙民主党予備選挙候補者トゥルシー・ギャバード連邦上院議員(ハワイ州選出、民主党)はケーブルテレビの番組出演での発言とSNSでの辛らつな書き込みで勢いをつけ、多くの候補者がひしめき合っている予備選挙で存在感を出し、10月の討論会の壇上に立とうとしている。

ギャバード選対は10月の討論会参加条件クリアまであと1つ世論調査支持率2%を超えるだけになったと発表した。10月の討論会には11名が条件をクリアし参加できるようになっている。ジョー・バイデン前副大統領、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)といった人々が早く参加を決め、最近になって富豪のトム・ステイヤーが条件をクリアした。

ギャバードは先週開催された世論調査のステージに立つことはできなかった。

4期目の連邦下院議員で、ハワイ州軍の一員でイラクでの従軍経験のあるギャバードは今週メディアの注目を浴びた。トランプ大統領はサウジアラビアがイランに対して軍事行動を起こすかどうかを決める前に連絡が来ることを待っていると発言した。ギャバードはツイッター上でこの発言を批判し、アメリカ軍を「売春婦にする」ような行為だと述べた。

火曜日にギャバードはツイッター上でシェアしたヴィデオの中で「私の同僚である軍人たちと私、私たちはあなたの売春婦(prostitutes)ではないし、あなたはポン引き(pimp)ではない」と言い放った。

月曜日、ギャバードは別のツイートで、2016年の大統領選挙でトランプが使ったスローガンを使って、「私たちの国をサウジアラビアの尻軽女(bitch)のように行動させることは、“アメリカ・ファースト”とは言えない」と書いた。

これら2つのツイートは週末にサウジアラビアの石油生産施設に対するドローン攻撃が行われた後に投稿されたものだ。この攻撃についてトランプ政権はイランを非難している。

ギャバ―ドが投稿したヴィデオには火曜日の午後だけで2万8000の「ライク(like)」がついた。月曜日の投稿には5万8000以上の「ライク」がついた。

ギャバードはケーブルテレビやその他のメディアに登場した。「ヒルTV」とのインタヴューとの中で、彼女はトランプ大統領とサウジアラビアに対する攻撃を激化させた。

予備選挙の候補者たちは10月の討論会の参加条件締め切りが10月1日に迫っている。その中でギャバードはメディアでの出現を増やしている。10月の討論会は10月15日にCNNと『ニューヨーク・タイムズ』紙が主催する。もし更に候補者が参加条件をクリアするようならば、討論会が2晩になる可能性がある。

ギャバードは既に条件の1つはクリアしている。彼女は13万人以上の政治献金者を集めている。

ギャバード選対は、3回の支持率2%以上を記録しているが、2つ目の条件をクリアするにはあと1回にまで迫っていると発表した。しかしながら、民主党全国委員会がどの世論調査が条件を満たしているかどうかの最終決定を行う。

民主党系ストラティジストであるブラッド・バノンは、ギャバードはメディアなどで印象を残そうとしているのは、来月の討論会のステージに座席を確保するためだと述べている。

バノンは「ギャバードはメディアに出て強い印象を残しており、これは成果を上げる可能性が高い」と述べた。

バノンは民主党予備選挙の状況は流動的であり、世論調査で支持率2%を獲得するのは、主に知名度による、と語っている。

バノンは「世論調査の数字を見れば、民主党予備選挙に参加予定の有権者たちはトゥルシー・ギャバードの人となりを知らないということが分かる。トゥルシーをテレビやSNSで見る機会が4回、いや3回あればそれで十分なのだが」と語っている。

討論会参加のために努力している他の候補者たちと同様、ギャバードもまたインターネット上での広告に資金を投入している。

フェイスブックの広告記録によると、これまでの7日間で、ギャバードはフェイスブックでの政治広告に2万5845ドルを支出した。この金額は他の候補者たちに比べれば少ないが、ギャバードが2018年5月以降にフェイスブックスの広告に支出した総額の20%を占めている。

ギャバードの広告のほとんどは彼女の軍務歴に言及している。少なくとも1つは911テロ攻撃後にイラクで軍務に就いたことを中心にしている。

彼女の軍歴は他の候補者たちから彼女を際立たせるものだ、とバノンは述べている。

バノンは「私の考えではギャバードは世論調査で支持率2%を獲得すると思う。彼女はそれに向けて努力している」と述べた。

バノンは続けて「討論会参加に向けて彼女はギリギリのところを進んでいる。もし討論会に参加できなければ、彼女は選挙運動を続けられないだろう」とも語った。

ギャバード選対の報道担当は本誌からのコメント要請に応じなかった。

9月の討論会に参加できなかったことでギャバードは民主党全国委員会の条件設定を批判した。その後、10月の討論会に参加できるようにするために努力を続けた。

先月に行われた保守系のフォックスニュースのキャスターであるタッカー・カールソンとのインタヴューの中で、ギャバードは民主党全国委員会について非公平なプロセスを採用していると非難した。彼女は民主党全国委員会が承認していない複数の世論調査で支持率2%以上を記録していると訴えた。

民主党全国委員会は参加条件について擁護している。

先週、ギャバードは、『ワシントン・ポスト』紙とABCの共同世論調査の最新結果で、支持率2%を記録したので、10月の討論会の参加条件である支持率2%を4回記録するに関し、3つ目の支持率2%となったと発表した。

民主党全国委員会の報道担当はワシントン・ポスト紙とABCの共同世論調査が参加条件を満たすための対象となっているのかという問い合わせに対応できなかった。民主党全国委員会は「ファイヴサーティーエイト」の取材に対して、民主党全国委員会は別の複数の世論調査を注視しており、今回の世論調査は対象外になるだろうと答えた。 

討論会に参加できるかどうかはギャバードの選挙運動にとって重大な要素だ。モンタナ州知事スティーヴ・ブロック、マイケル・ベネット連邦上院議員(コロラド州選出、民主党)、ニューヨーク市長ビル・デブラシオは10月の討論会参加の可能性はかなり低くなっている。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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決定版 属国 日本論