古村治彦です。
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(左から)バイデン、ウォーレン、サンダース

  アメリカ大統領選挙民主党予備選挙はジョー・バイデン前副大統領の独走状態が続いていたが、最近になって、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が支持率を上昇させている。最近の世論調査ではバイデンを抑えてトップに立ったという結果が出ている(ウォーレン27%、バイデン25%、サンダース16%)。しかし、そのリードは2ポイント差で誤差の範囲内になっている。

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 私がよく見ているモーニング・コンサルト社の世論調査の結果では支持率でバイデンが32%、ウォーレンが20%、サンダースが19%という結果が出た。モーニング・コンサルト社の世論調査は調査対象とする有権者の数が多く、誤差も1ポイントということで信頼性が高い。こうして見ると、バイデンが独走状態であるが、下に掲示したグラフを見ると、ウォーレンは着実に支持を伸ばしている。

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 ウォーレンは法学専攻の大学教授としての経歴が長い。現在は民主党中道左派に分類されているが、長年共和党に投票してきた人物でもある。共和党の誤りに気付いて民主党に属するようになったが、民主、共和両党どちらにも優劣はないという立場である。

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 ウォーレンは選挙戦でも次々と政策提案を行い、「大学院生が提出している課題みたいだ」という陰口をたたかれているが、民主党左派で、サンダースは過激すぎるとして応援しない人々からの支持を集めている。2016年の大統領選挙ではヒラリー・クリントンを応援するなど、民主党主流派、エスタブリッシュメントとも関係が悪くない。

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 今回の記事で興味深かったのは、バーニー・サンダースを支持する有権者たちは第二選択としてジョー・バイデンを選び、エリザベス・ウォーレンを支持する有権者たちは第二選択としてバーニー・サンダースを選んでいる、という点だ。政策の面で言えば、サンダース支持者はウォーレンを第二の選択肢とするかと思ったが、バイデンという結果が出た。ウォーレン支持者は予想通りサンダースを第二選択としている。これをどのように解釈できるか。

 サンダース支持者はウォーレンをサンダースの支持を食いつぶすライヴァルとして敵視し、サンダースの邪魔をするウォーレンなど応援できない、それなら民主党の指名候補となるであろうバイデンを応援するという考えを持っているのだろうと私は考える。一方、ウォーレン支持者は政策面で近いサンダースをより好ましく思っているのだろう。サンダース支持者はサンダース個人を支持するが、彼の指名獲得の可能性がなくなれば、後は誰でも良いという、一種の個人崇拝的であり、ウォーレンの支持者たちは、政策を重視しているように思われる。

 民主党予備選挙の状況は3強が形成され、その中で2、3位争いが激化している。共に民主党左派であるウォーレンとサンダースはお互いに支持を競い合い、バイデンは高みの見物という状況であるが、ウォーレンが一歩抜け出ると、バイデンにとっては厄介な存在になるだろう。サンダースとウォーレンを比べれば、過激さはサンダースであるが、現実的という点ではウォーレンということになる。バイデンがこれからの選挙戦や討論会で失言や失敗をすれば、どうなるかは分からない。

(貼り付けはじめ)

 全国規模の世論調査の最新結果でウォーレンがバイデンを僅差で破りトップに(Warren edges past Biden in new national poll)

レイチェル・フラジン筆

2019年9月25日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/462924-warren-edges-past-biden-in-new-national-poll

キュニピアック大学が水曜日に発表した世論調査において、民主党支持の有権者と民主党寄りの無党派の有権者の間で、ウォーレンの支持率は27%となり、バイデンは25%となった。

ウォーレンは8月から支持率を8ポイント上昇させ、バイデンは7ポイント下落させた。

最新の世論調査の結果では、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)は民主党支持と民主党寄りの有権者の間で支持率16%を記録した。インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジは7%、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は3%となった。

キュニピアック大学は、世論調査を開始した2019年3月以降、バイデン以外がトップに立ったのは初めてとなったと発表した。

キュニピアック大学の世論調査分析専門家ティム・マロイーは声明の中で次のように書いている。「民主党予備選挙の中で、3月以来、バイデンには2桁の差をつけられ続けてきたが、ついにウォーレンがバイデンを捕らえた。現在の選挙戦の状況は、トップの2人がリードし、その他の候補者たちが団子状態になっている」。

キュニピアック大学の世論調査は、民主党支持と民主党寄りの無党派の有権者561名を対象に2019年9月19日から23日にかけて実施された。誤差は4.9ポイントだ。

ウォーレン選対はここ数か月で重要な局面を迎えている。最近の状況では、複数の世論調査でウォーレンがバイデンをリードしているという結果が出た。それでも多くの世論調査ではこれまで通りバイデンがリードしているという結果が出た。

2020年の大統領選挙民主党予備選挙には20名以上の候補者が立候補している。

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世論調査:ウォーレンが3位に僅差で2位に上昇する中で、バイデンは12ポイントの差をつけている(Poll: Biden holds 12-point lead over Democratic field as Warren edges up to second)

ジャスティン・コールマン筆

2019年9月24日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/462806-poll-biden-holds-12-point-lead-over-democratic-field-as-warren-edges-up-to

月曜日に発表された最新の世論調査の結果によると、ジョー・バイデン前副大統領は2位につけたエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)に12ポイントの差をつけてリードしていることが分かった。

モーニング・コンサルト社の世論調査では、民主党予備選挙に参加予定の登録済み有権者の中で、バイデンは32%の支持率を獲得した。

ウォーレンの支持率はこれまでに大きく上昇している。今回の世論調査では20%を記録した。先週に比べて2ポイント上昇させた。そして、支持率19%のバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)を僅差で抑えた。

カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)とインディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジは上位3名から引き離され、それぞれ支持率が6%と5%を記録した。

好感度ではサンダースが73%を獲得しトップとなり、バイデンは71%で僅差の2位となった。

上位5名の候補者の中で、ウォーレンは彼女以外の候補者バイデン、ハリス、ブティジェッジを支持する有権者にとって最有力の「第二選択」となっている。ウォーレンの支持者は第二選択としてサンダースを挙げている。一方、サンダースの支持者の第二選択はバイデンとなっている。

アイオワ州、ニューハンプシャー州、サウスカロライナ州、ネヴァダ州といった早期に予備選挙が実施される各州の有権者の間では、バイデンの支持率は34%を記録し、ウォーレンの支持率は17%、サンダースの支持率は16%だった。

モーニング・コンサルト社の世論調査は、民主党の予備選挙に参加予定の登録済みの有権者1万7377名を対象に2019年9月16日から23日にかけて実施された。誤差は1ポイントだ。

早期に予備選挙が実施される各州の有権者700名も実施され、誤差は4ポイントだ。

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ウォーレンは彼女の支持基盤を拡大させているという兆候を示している(Warren shows signs of broadening her base)

ジョナサン・イーズリー筆

2,019年9月19日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/462072-warren-shows-signs-of-broadening-her-base

エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)はあ日理化系アメリカ人有権者たちからの支持を増やしている。アフリカ系アメリカ人有権者からの支持拡大によってウォーレンの選挙運動が少しずつ盛り上がっている。

NBCと『ウォールストリート・ジャーナル』紙の共同世論調査の最新結果によると、アフリカ系アメリカ人有権者の間の支持率13%で第2位を記録した。この数字はウォーレン自身の最高の記録となった。7月の前回調査では8%だったので数字を伸ばしている。5ポイントの上昇というのは世論調査の誤差の範囲内となっている。

水曜日に『エコノミスト』誌と「ユウ・ガヴ」の共同世論調査の最新結果が発表され、アフリカ系アメリカ人有権者におけるウォーレンの支持率は11%だった。7月に比べて5ポイント上昇した。『ポリティコ』誌とモーニング・コンサルト社の共同世論調査の最新結果では、ウォーレンのアフリカ系アメリカ人有権者の支持率は5ポイント上昇した。

ジョー・バイデン前副大統領はアフリカ系アメリカ人有権者から多くの支持を集めている。ウォーレンが支持を伸ばしていると言っても、アフリカ系アメリカ人有権者のバイデンへの支持は確固たるものとなっている。NBCとウォールストリート・ジャーナル紙の共同世論調査の結果では、49%のアフリカ系アメリカ人有権者がバイデンを支持しており、ウォーレンを36ポイントもリードしている。

しかし、アフリカ系アメリカ人有権者の間でウォーレンが支持を伸ばしているという兆候は最近の世論調査からもうかがえる。これまでの世論調査ではウォーレンの支持率は1桁から伸びがなかった。この状況に対して、「ウォーレンがアピールできるのは白人のリベラル派に限定される」という批判が出ていた。

複数の民主党系ストラティジストは最近の世論調査の結果から、アフリカ系アメリカ人有権者は少なくともウォーレンの候補者指名について考慮していることが分かるとしている。ウォーレンが上昇の潮流を維持できれば、今後、アフリカ系アメリカ人有権者の支持を得ることが出来る絶好の位置につけることができる。

NBCとウォールストリート・ジャーナル紙の共同世論調査では、誰を支持するかを既に決めていると答えたのは有権者の9%に過ぎなかった。そして、ウォーレンは有権者にとって「第二選択」の一番手である。

民主党系のストラティジストを務めるアントジュアン・シーライトは、「ウォーレンは支持基盤を拡大しつつある。これは彼女の戦略とメッセージが有権者に届いていることを示している。彼女が構築した下からの、草の根型の選挙運動がこれを支えている」と述べた。

ウォーレンの選挙運動はうまくいっている。こうした中でウォーレンの支持率上昇を示す最新の世論調査の結果も出ている。

「ワーキング・ファミリー・パーティー」はウォーレン支持を表明した。この団体は2016年の大統領選挙ではバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、民主党)を支持した。

月曜日の夜にニューヨークのマンハッタンで開催された選挙集会には2万人以上の人たちが集まったとウォーレン選対は発表した。トランプ大統領はこの発表に注意を向け、否定的なコメントを出した。彼は「誰もそんなことはできない」と述べた。

ウォーレンはメディアの関心を集めてきた。彼女が発表する政策提案に対しては、熱心な批評と暖かい分析がなされてきた。また、ウォーレンは選挙集会の後に支持者たちとの写真撮影で数時間を費やしている。

ウォーレンは左派陣営の中で主要なライヴァルであるサンダースと自分自身を区別しようとしている。

NBCとウォールストリート・ジャーナル紙の共同世論調査の結果では、バイデンの支持率31%、ウォーレンの支持率25%、サンダースの支持率14%を記録した。この世論調査では、ウォーレンはヒスパニック系有権者の間で支持率29%を記録しトップとなり、サンダースを上回った。サンダース陣営は、彼の支持基盤の多様性を示す証拠として、ヒスパニック系有権者から支持を集めていると主張している。

「フォーカス・オン・ルーラル・アメリカ」がアイオワ州で実施した世論調査の結果では、バイデンの支持率が25%、ウォーレンの支持率が23%となり、サンダースは支持率8%で5位となった。

インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジとカマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)などの候補者たちの支持率低下の恩恵をウォーレンは受けている。

世論調査専門家のマーク・ペンは次のように語っている。「ウォーレンとバイデンで進歩主義的な考えを持つ有権者たちを分け合っていると思う。ウォーレンの支持率上昇は、バイデンではなく、サンダースとその他の中位グループの支持率低下のお蔭である。バイデンの支持基盤は堅固さを保っている」。

ウォーレンにはまだ解決すべき課題も残っている。

彼女の支持者の多くは大学教育を受けた白人、もしくは「大学教授クラス」の人々だ、と民主党員の多くは指摘している。

各種世論調査で明らかになっているように、ウォーレンは白人有権者とリベラル有権者の間で支持率トップを記録している。こうした中で、「ウォーレンはバイデンに追いつくために、バイデンのアフリカ系アメリカ人有権者の間での支持率のリードを縮めることが出来るか」という疑問が残る。

ウォーレンは白人が過半数を占める州であるマサチューセッツ州選出であり、ハーヴァード大学法科大学院教授という前歴が示すようにアイヴィーリーグとのつながりも深い。アフリカ系アメリカ人有権者は白人有権者に比べてリベラルではない。2016年の大統領選挙民主党予備選挙でサンダースがヒラリー・クリントンと戦う際に、このことは乗り越えられない大きな障害となって立ちはだかった。

アフリカ系アメリカ人の民主党員たちの多くがバイデンに対して今でも忠実な支持を誓っている。バイデンはアメリカ史上初のアフリカ系アメリカ人大統領の副大統領を務めたのだ。オバマ政権下、副大統領だったバイデンは頻繁にサウスカロライナ州を訪問した。サウスカロライナ州は民主党の予備選挙に参加予定有権者の50%以上をアフリカ系アメリカ人有権者が占めている。

今週発表された『ポリティコ』誌とモーニング・コンサルト社の共同世論調査では、全国規模でウォーレンはアフリカ系アメリカ人有権者の支持率10%を記録した。4月から5ポイント上昇させている。しかし、バイデンの支持率は31ポイント差の41%であり、サンダースの支持率は11ポイント差の21%となっている。

シーライトは次のように述べている。「人々が忘れているのは、ジョー・バイデンはアフリカ系アメリカ人有権者と深い関係を結んでいるだけでなく、彼は“中流階級のジョー”と呼ばれているということだ。中流階級と労働者階級の有権者たちはアフリカ系アメリカ人でも白人でも、バイデンを強力に支持している。バイデンは深いつながりを持っている」。

しかし、民主党の関係者たちは、ウォーレンが全米で最初に予備選挙が実施されるアイオワ州で勝利を得るにあたり、アフリカ系アメリカ人有権者からの支持率第1位を記録する必要はないと指摘している。

白人のリベラル有権者がウォーレンを支持することで、アイオワ州とニューハンプシャー州での勝利の可能性は大きくなる。この2州で勝利を収めると、3番目に予備選挙が実施される、アフリカ系アメリカ人有権者が多いサウスカロライナ州でウォーレンが勝利する可能性も出てくる。

NBCのスティーヴ・コルネッキはツイッター上に次のように指摘している。2004年、当時マサチューセッツ州選出の連邦上院議員であったジョン・ケリー元国務長官は予備選挙開始直前の時点で、NBCが行った世論調査の結果でアフリカ系アメリカ人有権者の支持率は1%だった。ケリーはその後、アイオワ州とニューハンプシャー州での予備選挙に勝利し、サウスカロライナ州ではアフリカ系アメリカ人有権者の支持率34%を獲得するまでになり、最終的には全国規模でアフリカ系アメリカ人有権者の支持率56%を記録した。

サウスカロライナ州在住の民主党員の一人は次のように述べている。「アフリカ系アメリカ人有権者は現実的ですよ、他の人たちと同じく皆、勝ち組になりたいですからね」。この党員は、ウォーレンの選挙集会に参加している支持者たちは、民主党予備選挙の候補者たちの集会の中で、最も多様性に富んでいるとも述べた。

この人物は続けて次のように語った。「ウォーレン上院議員は重要な局面を迎えています。選挙戦を見れば、どこにエネルギーが溜まっているか分かりますよね。エネルギーの行き先はウォーレン議員であり、彼女はエネルギーを利用するために必要なことを全てやっています。彼女は政策の提案をし、メッセージを送り、人々と一対一でつながっています。どの候補にも言えることですけど、一緒に写真の自撮りを4時間もやってくれたら、多くの人たちにとっては特別なことであり、ファンになりますよね」。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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決定版 属国 日本論