古村治彦です。

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 2020年大統領選挙民主党予備選挙は2020年2月3日のアイオワ州での党員集会(caucus)から始まる。民主党もそして共和党も予備選挙(primary)には党員集会(caucus)と予備選挙(primary)の2種類がある。各州でどちらの方式を使って行うかが決まっている。党員集会は近所の民主党員で世話役の家に党員が集まり、自分が支持する候補者について話し、その後にそれぞれどの候補者を支持するかを表明する。その数が集計されて結果が出る。予備選挙は普通の選挙の形式を取る。党員しか参加できない州と党員でなくても参加できる州がある。アイオワ州で最初に予備選挙が始まるのが伝統になっている。
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 アイオワ州での党員集会、その次のニューハンプシャー州での予備選挙は予備選挙序盤の勢いを示す大事な選挙になる。アイオワ州とニューハンプシャー州でトップ、もしくは上位につけることで選挙を生き残ることができるが、そうでなければ選挙戦撤退も視野に入ってくる。

 アイオワ州で実施された最新の世論調査の結果では、ピート・ブティジェッジがトップに立った。僅差でジョー・バイデンとエリザベス・ウォーレンが追いかける展開になっている。ブティジェッジは中道派で幅広い層から支持を集めている。サンダースは少し支持を下げている。ブティジェッジが中西部のインディアナ州を地盤にしているということもあり、同じ中西部のアイオワ州で支持を伸ばしているということもあるだろう。

 しかし、アイオワ州の有権者はこれから考えを変えるということも言っており、まだ確定ではない。他の候補者たちの巻き返しもあるだろう。しかし、ブティジェッジがトップ集団に食い込む形になり、カマラ・ハリスは脱落していくという流れは変わらない。ブティジェッジが存在感を増していけば、選挙戦での合従連衡も複雑化していくことになる。

(貼り付けはじめ)

 世論調査:アイオワ州の民主党予備選挙でブティジェッジがリード(Poll: Buttigieg leads Democratic field in Iowa

マックス・グリーンウッド筆

2019年11月12日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/470079-poll-buttigieg-leads-democratic-field-in-iowa

マンモス大学の世論調査の結果が発表され、アイオワ州の民主党予備選挙において、インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジがトップに浮上した。来年2月に全米で最初に予備選挙となる党員集会を前にしてブティジェッジが上昇局面を迎えつつあるということを示している。

世論調査の結果では、アイオワ州の党員集会参加予定者の間でブティジェッジは22%の支持を集めた。これは8月の世論調査の結果に比べて14ポイントの上昇となった。第2位には支持率19%のジョー・バイデン前副大統領、第3位には支持率18%のエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)がつけた。

上位3名以外に支持率二桁を記録したのはバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)で支持率が13%だった。

世論調査の結果を見ると、2020年米大統領選挙民主党指名候補選挙で最初に投票となるアイオワ州の党員集会では、ブティジェッジ、バイデン、ウォーレンが一団を形成している。

37歳のブティジェッジは若さを強調し、バイデンにとって代われる人物だという印象付けを行おうと努力しており、その結果としてここ数か月、アイオワ州での支持率を上昇させてきた。バイデンは民主党内の中道派のほとんどの支持を集めている。

ブティジェッジは予備選挙で上位につけている進歩主義派のウォーレン、サンダースと自分自身との間の際を際立たせようとしてきた。そして、「メディケア・フォ・オール」に関する提案について、マサチューセッツ州選出の連邦上院議員であるウォーレンに対して提案の詳細を攻撃している。

マンモス大学世論調査研究所所長のパトリック・マレーはアイオワ州でのブティジェッジの支持率の急上昇は党員集会参加予定者の中で幅広い層やグループの支持を集めていることを示している、そして、特定のブロックやグループの支持だけではないと指摘している。

マレーは次のように語った。「ブティジェッジはアイオワ州の民主党員と民主党支持者の中で幅広い人々にとっての第一の選択肢となって台頭している。ブティジェッジは高齢者の間で支持率を伸ばしている。しかし、彼の支持基盤を特定の一つのグループに限定することはできない。ブティジェッジは有権者の教育程度やイデオロギーに関係なく多くの有権者の支持を集めている」。

カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)はここ数か月で選挙戦略を変更し、アイオワ州に特に力を注ぐようになっている。それでもここ数か月のマンモス大学の世論調査の結果の支持率が急落している。8月には12%あったがそれが11月には3%になった。結果として、支持率5%を記録し第5位となったエイミー・クロウブッシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)に追い抜かれた。

それでもアイオワ州の選挙は流動的だ。マンモス大学の世論調査の結果によると、党員集会参加予定者の60%以上が現在支持している候補者以外でも党員集会の夜に師事する可能性があると答えている。16%が党員集会までに考えを変える可能性が極めて高いと答えている。

28%、3分の1弱の有権者が2月3日の党員集会で支持する候補者を既にしっかりと決めていると答えた。

マレーは次のように述べている。「アイオワ州の党員集会参加予定者はいつもそうだが最後の瞬間に考えを変えることが殆どだ。実際、参加者の中には党員集会の夜までじっくり考えて支持する候補者を決めるという人たちも多いのだ。こういうことから、アイオワ州の予備選挙は極めて流動的であり、それが2月3日まで続く」。

党員集会参加者の過半数は党員集会の夜までに考えを変える可能性があると答えている。第二の候補者として有権者の中で名前が挙がっている候補者たちも上位に入ってくる可能性は十分にあるということになる。

世論調査対象者の17%がウォーレンは第二の選ぶ候補者だと答えた。15%がブティジェッジを第二の候補者に選ぶと答え、12%がサンダース、10%がバイデンと答えた。

マンモス大学の世論調査は2019年11月7日から11日にかけてアイオワ州の党員集会参加予定者451名を対象に実施された。誤差は4.6ポイントだ。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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