古村治彦です。
2020democratiprimarysoutucarolinaresults001

 少し遅くなったがサウスカロライナ州での予備選挙に関する分析記事を2つ紹介する。サウスカロライナ州での予備選挙では、バイデンが圧勝、サンダースは2位に入ったが、代議員獲得はここまで(得票率15%以上が代議員獲得の条件)で、ウォーレン、クロウブシャー、ブティジェッジといった候補者たちは支持を伸ばすことができなかった。直後にブティジェッジが選挙戦からの撤退を表明し、その前にステイヤーも撤退を表明した。
2020democraticprimaryresultstosouthcarolina001

クロウブシャーも3月3日のスーパーチューズデーにおいて、ミネソタ州で予備選挙があるので、それを最後にして選挙戦から撤退するものと見られている。ウォーレンの地元マサチューセッツ州でも予備選挙が実施されるが現在、世論調査の数字ではウォーレンとサンダースはタイという結果が出ており、敗れるようなことがあればウォーレンの選挙戦からの撤退は決定的となる。
2020democraticprimaryresultstosouthcarolina002

スーパーチューズデーからマイケル・ブルームバーグが候補者登録しており、ブルームバーグがどのような結果を得るかが注目されている。バイデンが勢いを取り戻した状態でスーパーチューズデーに臨むことになり、ブルームバーグは討論会での酷いパフォーマンスもあって勢いは落ちている。サンダースもサウスカロライナ州では予想外の大きな差での敗北によって、改めてアフリカ系アメリカ人や穏健派や中道派から支持を得られていないということが明らかになった。
2020democraticprimarymorningconsultsupertuesdaystatespolls001

 それでもサンダースは、スーパーチューズデーで予備選挙が実施される、多くの代議員が配分されているカリフォルニア州やテキサス州で優位に立っている。東部の州から西部の州まで全米で横断して予備選挙の投開票が実施されるので全ての州で結果が判明するまで長丁場である。ここでサンダースがどれほどの差をつけるかが注目される。

(貼り付けはじめ)

サウスカロライナ州での予備選挙での勝者と敗者(Winners and losers from the South Carolina primary

ナイオール・スタンジ筆

2020年3月1日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/the-memo/485327-winners-and-losers-from-the-south-carolina-primary

サウスカロライナ州コロンビア発。土曜日、サウスカロライナ州で4番目の予備選挙が実施された。大統領選挙民主党予備選挙においてサウスカロライナ州の人々の声が聞かれることになった。

誰が大勝利を収め、誰が敗北したか?

●勝者

(1)ジョー・バイデン前副大統領

バイデンにとってとてつもなく大きな夜となった。

バイデンは大勝利を必要とし、それを得た。予想よりも大差で勝利を飾った。

土曜日の深夜、全選挙区の99%からの報告が上がってきた時点で、バイデンの得票率は48%強を記録し、2位のバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)に大差をつけた。その差はほぼ2対1というものであった。

これは、バイデンにしてみれば政治的な大復活のショーということになる。バイデンはアイオワ州とニューハンプシャー州での最初の2つの予備選挙で全く振るわず、3番目のネヴァダ州でも状況はあまり変わらなかった。

「ノックアウトされた、もしくは10カウントを取られた、もしくは見捨てられた人々」にとって希望を取り戻すことができる、復活の勝利をバイデンは収めた。

バイデンはこれまで、アイオワ州とニューハンプシャー州のようは白人が大多数を占める州が終わった後の予備選挙でより自分の強さを見せることができるだろうと主張してきた。出口調査の結果によると、バイデンはアフリカ系アメリカ人有権者の61%から支持を得ていた。サンダースは17%だった。

これに対する答えは率直に言って誰にも分からないが、重要な疑問となるのは、バイデン勝利がどれほど予備選挙全体の様相を変化させるかというものだ。特に約72時間後に迫ったスーパーチューズデーの結果をどう変えるか、というものだ。

バイデンが圧勝したことで、エイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)とインディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジのようなほかの穏健派の候補者たちは選挙戦からの撤退に追い込まれた。

しかし、全体としてはサンダースが強さを保っており、ニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグの名前が初めて予備選挙の候補者名簿に掲載されることも、バイデンにとって状況を複雑にさせる要素である。

それでもバイデンは素晴らしい夜となることを望み、実際に素晴らしい夜を迎えた。

(2)連邦下院多数党(民主党)幹事長(House Majority Whip)ジェイムズ・クライボーン連邦下院議員(サウスカロライナ州選出、民主党)

クライボーンは予備選挙実施直前でバイデン支持を表明した。選挙結果は、連邦下院多数党(民主党)幹事長であるクライボーンの地盤サウスカロライナ州での彼の政治的資本がどれほどあるかを示す指標となる。

有権者との会話、特にアフリカ系アメリカ人有権者との会話の中で、クライボーンの支持表明については何度も話題に上った。既にバイデン支持を決めていた有権者たちにとってもクライボーンの支持表明は、自分たちが正しい選択をしているというお墨付きを与えてくれるものと感じられた。

バイデンへの支持表明の中で、クライボーンはサウスカロライナ州でのバイデンへの支持を確固とするための行動も行った。彼は次のように発言した。「私はジョーを知っています。私たちはジョーを知っています。しかし、もっと重要なことがあります。それはジョーが私たちを知っているということです」。

土曜日の夜、クライボーンはバイデンの勝利集会で演説を行った。ずっとバイデンが演説を行う際には、ずっと傍らに立っていた。

「クライボーン議員は今回の選挙で私をご自身の方の上に立たせて押し上げて下さいました」とバイデンは語った。

(3)サウスカロライナ州

 今回のサウスカロライナ州での予備選挙は、投票の過程と結果の発表の両面でスムーズに進んだ。アイオワ州での党員集会で起きた大混乱に比べると際立つものとなった。

同時に重要なことは、サウスカロライナ州がこれまでの各州と違ってスムーズに結果発表まで行ったことで、州の特徴と優秀さにも注目が集まった。

サウスカロライナ州の民主党予備選挙参加の有権者たちは、アイオワ州やニューハンプシャー州に比べて全体として民主党予備選挙参加の有権者層をより反映したものである。

他の白人が多い各州は伝統に基づいて日程において人々の注目を集めているだけに過ぎないという議論は行うことも難しいのが現状である。

●敗者

(1)バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)

土曜日の午後、サウスカロライナ州コロンビアでの最後の選挙集会で、サンダースはサウスカロライナ州での勝利の可能性について言及した。

彼は常に楽観的であるが、今回のサンダースの惨敗は喜ばしくないサプライズとなった。

ネヴァダ州での大勝利を引っ提げてサンダースは選挙に臨んだが、バイデンにおよそ30ポイントの差をつけられて敗北した。

サウスカロライナ州での敗北の持つ危険性は過剰に強調されるべきではない。

サンダースはスーパーチューズデーで最も代議員数が多い州であるカリフォルニア州での世論調査で好調な数字を残している。そして、二番目に多い州であるテキサス州でも好調だ。サンダースはスーパーチューズデー全体で多くの代議員を獲得することが予想されている。

しかし、彼の敗北の度合いとアフリカ系アメリカ人有権者の支持獲得の失敗は、サンダースの民主党の候補者指名獲得についての疑義を新たにすることになる。

そして、アラバマ州、アーカンソー州、ノースカロライナ州、そしてテネシー州といったスーパーチューズデーで投開票が実施される南部の各州で良い結果を得られるようにしなければならないというサンダースへのプレッシャーが強まっていくだろう。

(2)ニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグ

ブルームバーグはサウスカロライナ州での予備選挙で候補者登録していなかった。しかし、彼としては今回とは全く異なる結果になって欲しかったであろう。

ブルームバーグにとっての最良のケースとは、サンダースが文句をつけようのないほどの先頭走者となり、中道派を支持する有権派の票が数名の候補者に割れることである。これはこれまでもそうであった。

土曜日の夜までは物事は彼にとって都合よく進んでいた。

しかし、現在、バイデンは復活し、他の穏健者の候補者たちは消えつつある。

「サンダースは左に寄り過ぎている」と考える有権者たちにとっての投票先は超大富豪のブルームバーグから前副大統領のバイデンになりつつある可能性が大きくなっている。

(3)エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)

ウォーレンにとって物事がこんな調子で続くべきではなかった。

ウォーレンは昨年秋に各種世論調査で支持率を伸ばし、ある時点では民主党指名獲得の極めて有力な候補者となった。

これまでの予備選挙で彼女が得てきた結果はこのような期待に副うものではなかった。最初の4つの予備選挙で、それぞれ3位、4位、4位と続き、土曜日には5位となった。

彼女が全く振るわない状況は中立的な立場の人だけではなく支持者たちも困惑させている。しかし、どのような理由であれ、ウォーレンが選挙を続けられるかどうか、差し迫った状況であることは間違いない。

スーパーチューズデーが彼女の道のりの最後になる可能性が高い。

(4)非バイデンの穏健派たち

土曜日はブティジェッジとクロウブシャーにとって悲しい日となった。

ほぼ全ての選挙区からの結果が報告されているが、ブティジェッジとクロウブシャーはそれぞれ4位と6位となった。ブティジエッジは得票率約8%、クロウブシャーは僅か3%を記録した。

こうしたことから、両者は共にこれまでに最高の瞬間を既に迎えてしまって、これ以上は伸びないように思われる。ブティジェッジの場合はアイオワ州での勝利、クロウブシャーの場合はニューハンプシャー州での予想外の3位が最高の瞬間であった。

バイデンとブルームバーグを追い越し、自分をサンダースに対する主要な対抗馬とするための道のりはどんどん狭くなっている。

そして、実業家トム・ステイヤーは選挙戦を全て終えた。

ステイヤーはサウスカロライナ州の多額の資金を惜しみなく投入してきた。しかし、それでも3位に入るのがやっとだった。結果が全て出る前に、ステイヤーは選挙戦からの撤退を発表した。

=====

サウスカロライナ州での予備選挙の5つの特徴(5 takeaways from the South Carolina primary

マックス・グリーンウッド筆

2020年2月29日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/485326-5-takeaways-from-the-south-carolina-primary

サウスカロライナ州コロンビア発。ジョー・バイデン前副大統領は土曜日、サウスカロライナ州での決定的な勝利を得た。苦しい時期が続いた大統領選挙運動は再び活性化された。

サウスカロライナ州での支持者が動き、それは極めて高い投票数として表れた。今回の予備選挙には50万人以上の有権者が参加した。2016年の約37万人を大きく超えた。オバマ前大統領が勝利を収めた2008年の予備選挙に迫るものとなった。

サウスカロライナ州での予備選挙は、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)が今年に入って初めて明白な敗北を喫したものとなった。バイデンは得票率でサンダースの倍を獲得した。

ここからサウスカロライナ州での予備選挙の5つの特徴を挙げていく。

(1)バイデンがサウスカロライナ州に賭けたのはうまくいった(Biden’s bet on South Carolina paid off

バイデンと側近の人々はここ数カ月、サウスカロライナ州はバイデンを救う場所になるだろうと主張してきた。たとえ最初の3つの予備選挙でうまくいかなくもてサウスカロライナ州で復活できると述べてきた。

土曜日、こうした主張が正しいことが証明された。

ほぼ全ての選挙区からの結果が報告されたが、バイデンは2位のサンダースにおよそ30ポイントの差をつけている。これは2008年にオバマがヒラリー・クリントン元国務長官につけた差に近いものであった。バイデンは自分を保守と自認する有権者、中道派と自認する有権者、アフリカ系アメリカ人有権者から支持を得た。そして、バイデンはサンダースのれっきとした対抗馬であるという主張に説得力を持たせてスーパーチューズデーに向かうことになる。

土曜日のバイデンの勝利に貢献した要素はいくつかある。まず、バイデンはオバマの後継者であることを繰り返し訴えた。また、バイデンはサウスカロライナ州の主要人物たちと何十年もの長きにわたって深い関係を築いてきた。その中にはジェイムズ・クライボーン連邦下院議員(サウスカロライナ州選出、民主党)との深い関係も含まれている。クライボーンは連邦下院において最も高い地位にあるアフリカ系アメリカ人の議員である。水曜日、クライボーンはバイデン支持を表明した。

それでもバイデンは3月3日のスーパーチューズデーに向けて多くの疑問に直面している。スーパーチューズデーでは12以上の州で予備選挙が実施される。バイデンの選対はこれらの州での選挙運動を活発化させるのが遅かった。また、バイデンは資金を自由に使えるニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグとも戦わねばならない。

しかし、それでもバイデンはサウスカロライナ州での勝利を楽しんでいる。

バイデンは土曜日の夜にサウスカロライナ州コロンバスでの集会で次のように語った。「数日前、メディアと専門家たちは、この候補者は死んだと宣告しました。現在、民主党の格である皆さんのおかげで、私たちは勝利を収めただけではなく、大勝利を収めました。そして、私たちは元気に生きているのです」。

(2)サウスカロライナ州の有権者たちは最も幅が広くそして穏健である(The electorate in South Carolina was the most diverse and moderate yet

アフリカ系アメリカ人で穏健派の有権者たちが土曜日に投票所に向かった。これがサウスカロライナ州でバイデンに圧勝をもたらした。

早い時間での出口調査では、予備選挙参加者の約55%がアフリカ系アメリカ人だった。この割合は2016年に比べて若干低いものであった。2016年の時にはサウスカロライナ州での予備選挙に参加した有権者の61%がアフリカ系アメリカ人だった。

この減少についてはいくつかの説明が存在する。1つの説明は、民主党も共和党も両党ともに予備選挙が白熱していた2016年の時とは異なり、共和党側では予備選挙が実施されなかった。サウスカロライナ州は誰でも予備選挙に参加できる形式を採用しているので、共和党支持の有権者、無党派の有権者も民主党の予備選挙に参加できる。それで、2016年に比べて今年の予備選挙では白人の有権者の参加が増えたということが考えられる。

今回の黒人の割合減少はまた、ここ数年の白人の州外からサウスカロライナ州への流入の事実からも説明ができるとも考えられる。

土曜日、バイデンはアフリカ系アメリカ人有権者から大きな支持を得た。NBCニュースの出口調査によると、バイデンはアフリカ系アメリカ人有権者の約60%の支持を得た。一方、サンダースは17%の支持獲得にとどまった。

サウスカロライナ州の有権者たちはこれまでの3つの州の有権者たちもよりも穏健であった。土曜日の予備選挙に参加した有権者のうち、自分のことを保守派、穏健派と考える有権者の割合は49%であり、リベラルと考える割合は51%だった。

この割合は、アイオワ州、ニューハンプシャー州、ネヴァダ州よりも高い。これら3つの州では、リベラルと考える有権者はほぼ3分の2となり、穏健派と保守派の割合は3分の1程度である。

サウスカロライナ州の予備選挙の有権者がより穏健であったことはバイデンの勝利を後押しした。自分を穏健派、保守派と考える有権者の約半分が土曜日にバイデンを支持したと出口調査で答えている。

(3)サンダースに弱点があることを示す兆候が出た(Sanders shows signs of vulnerability

サンダースはネヴァダ州の党員集会で前回2016年に続いての勝利、ニューハンプシャー州での勝利、アイオワ州での同率1位といった躍進を遂げて、民主党予備選挙の先頭走者の立場をバイデンから奪い取った。

サンダースの選挙運動は若者とラティーノからの支持で活発に行われてきた。サンダースは頻繁に「私は複数の人種、複数の世代からなる支持者の連合体を構築した」と述べてきた。

しかし、土曜日の選挙の結果を見ると、サンダースは民主党に最も忠実な選挙民たちからの支持を勝ち取っていないということになった。それはアフリカ系アメリカ人有権者だ。

アフリカ系アメリカ人有権者の間でのサンダースへの支持はバイデンには及ばない。サウスカロライナ州でのバイデンに大きく差をつけられての2位は、サンダースはアフリカ系アメリカ人有権者と穏健派の支持を勝ち取る能力を持っているのかという疑義に直面しながらスーパーチューズデーを迎えるということを意味する。こうした人々の多くは、急進的な変化と政治的革命というサンダースのメッセージに不快感を抱いている。

確かに、サンダースは多くの代議員が配分されているカリフォルニア州のようなスーパーチューズデーで投開票が実施される州で勝利が予想されている。しかし、サウスカロライナ州での勝利はヴァージニア州、ノースカロライナ州、テキサス州のような重要州においてバイデンに勢いをもたらす可能性が高い。これらの州ではサンダースが僅差でリードしている。

サンダースは投開票の直前、サウスカロライナ州の有権者を前にして、サウスカロライナ州では1位を獲得することは難しいと考えていると述べた。投開票日はヴァージニア州を訪問した。ヴァージニア州では3月3日に予備選挙が実施される。

(4)ブティジェッジとクロウブシャーは危難に直面(Buttigieg and Klobuchar are in trouble

インディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジとエイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)はバイデンと共に穏健者の有権者たちの支持を争っている。しかし、サウスカロライナ州で圧勝したライヴァルに比べて、穏健派の支持の点でかなり少ない得票しか得られなかった。

CNNの出口調査の結果を見ると、バイデンはサウスカロライナ州の穏健派有権者の過半数の票を得た。ブティジェッジは10%、クロウブシャーは一桁台であった。

同時に、ブティジェッジもクロウブシャーもアフリカ系アメリカ人有権者の支持も低かった。それによって幅広い支持の連合体を作り上げられるのかというこれまでの懸念を強めてしまった。これらの要素によって、両者はこれからも予備選挙だけでなく、本選挙でも戦い続けられるのかという疑問は大きくなっている。

ブティジェッジはアイオワ州で首位、ニューハンプシャー州では僅差で2位に入った。両州は共に白人有権者が大多数を占める。しかし、彼は人口構成がより多様な州では苦闘し、より人口構成が多様化する州での予備選挙が実施されるスーパーチューズデーに向かって状況が好転する兆候はなかった。

クロウブシャーはより厳しい立場に置かれている。彼女の最高の瞬間はニューハンプシャー州での3位であり、ブティジェッジ同様、スーパーチューズデーに向かって上昇する根拠はほとんど存在しない。彼女にとって良い点は、地元ミネソタ州で最後を飾ることができるかもしれないという点だ。

(5)ブルームバーグにかかるプレッシャー(The pressure is on for Bloomberg

ブルームバーグは昨年11月に民主党予備選挙に出馬した。そこには投票が始まればバイデンの勢いが弱まるという予想があった。そこにつけこめば、ブルームバーグがバイデンに代わって穏健派内での先頭走者になれるという期待があった。

しかし、バイデンのサウスカロライナ州での圧勝はブルームバーグの計画に狂いを生じさせた。

バイデンは勢いをつけてスーパーチューズデーを迎えることになる。そして、今年11月にトランプからホワイトハウスを奪い返すために民主党が必要としている広範な支持の連合を構築できる候補者はバイデンであるという根拠が与えられたのである。

ブルームバーグはスーパーチューズデーでの勝利を強調する戦略のために最初の4つの予備選挙で候補者登録をせず選挙運動をすることを拒否した。その彼は勢いを取り戻したバイデンと戦わねばならなくなった。しかし、ブルームバーグが、バイデンには当選可能性がないと主張することはどんどん難しくなっている。

元市長にして超大富豪のブルームバーグは、スーパーチューズデーでのライヴァルたちに比べて莫大な資金を既に使っている。彼は自分自身の財産から数百万ドルを出して、全米でのテレビ広告放映と組織作りに投下している。しかし、ブルームバーグは最近のラスヴェガスでの討論会での無様なパフォーマンスによって彼に懸念を抱いている有権者たちの信頼を取り戻す必要がある。彼は討論会で市長時代の記録と女性やマイノリティについての過去の発言に対する批判に反論するのに苦労した。

(貼り付け終わり)

(終わり)