古村治彦です。

 いよいよ民主党予備選挙の山場であるスーパーチューズデーが始まる。3月3日に14の州と1つの自治領(アメリカ領サモア)で予備選挙が実施される。ここで宣誓済み代議員の約3分の1にあたる1344名の代議員が決まる。これまでの4つの州の合計代議員が155であることを考えると、スーパーチューズデーの重要性が分かる。中でもカリフォルニア州には415名、テキサス州には228名、ノースカロライナ州には110名と1つの州で100名を超える配分がなされている巨大州での動向が重要である。
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 先ほど、エイミー・クロウブシャーが選挙戦からの撤退とジョー・バイデン支持を表明した。その前にはピート・ブティジェッジがバイデン支持を表明した。バイデンは「ピートは私の亡くなった息子ボウを思い出させてくれる」と称賛した。また、選挙戦からかなり前に撤退していたビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)も地元テキサス州でバイデン支持を表明した。一気にサンダース包囲網が形成されつつある。サンダースはこの包囲網を食い破ることができるかということが焦点になる。
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 最新の世論調査の結果では、サンダースがリードを保っている。カリフォルニア州でもテキサス州でもバイデンにある程度の差をつけてリードしているが、楽勝ムードではない。サンダースとしてはウォーレンが邪魔になりつつあるが、ウォーレンはスーパーチューズデーで地元マサチューセッツ州での予備選挙の結果を見て撤退するということになるだろう。バイデンとしてもマイケル・ブルームバーグが邪魔であるが、ブルームバーグの討論会での酷いパフォーマンスや金持ちが資金力で選挙を買っているという批判も高まっており、支持率は下がっている。バーニー・サンダースの狂信的な支持者である若者たちは、ウォーレンには選挙戦から降りるように攻撃を仕掛けつつ、ブルームバーグには頑張って欲しいと応援するというような動きをすることも考えられる。

 サンダースがカリフォルニア州でバイデンに大きな差をつけられず、サンダースがカリフォルニア州でバイデンに大きな差をつけられず、テキサス州でバイデンが1位ということになるとサンダースの先頭走者の位置も危うくなる。
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 更に、ウォーレンが選挙戦から撤退して、サンダースを応援するのかどうかということも不透明である。ウォーレンが誰も支持しない、もしくはバイデンを支持するということになれば、サンダース包囲網は完成ということになる。そうなれば、完全な分断状態ということになるだろう。サンダース支持者たちは「予備選挙において宣誓済み代議員獲得数で1位であれば、たとえ全国大会の1回目の投票で過半数が取れなくても1位の候補者が党の指名候補となるべきだ」と主張しているが、こういう状況になってくると、バイデンが過半数を取れないで1位で全国大会に臨むという可能性も出てきた。その時にサンダース支持者がどうするかということが注目だ。暴れて1968年の全国大会以来の流血の惨事ということも考えられる。スーパーチューズデーは要注目であるが、結果が出るまで時間がかかることは覚悟しておかねばならない。国内で3時間の時差があるのに、東海岸のマサチューセッツ州から西海岸のカリフォルニア州で選挙、アメリカ領サモアでは党員集会が開かれる。

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(貼り付けはじめ)

サウスカロライナ州での勝利の後バイデンの支持率が全国規模の調査で7ポイント上昇(Support for Biden rises 7 points nationally after South Carolina win

ザック・バドリク筆

2020年3月2日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign-polls/485507-support-for-biden-rises-7-points-nationally-after-south-carolina-win

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)は全国規模の世論調査で民主党予備選挙候補者の中でトップに立っているが、「モーニング・コンサルト」社の最新の世論調査の結果によると、ジョー・バイデン前副大統領が土曜日のサウスカロライナ州での予備選挙で圧勝してから7ポイントも支持率を上げていることが分かった。

全国規模の世論調査の結果では、サンダースの支持率は29%で、対するバイデンは26%である。続くニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグの支持率は17%で、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)の支持率は11%だ。

同社がサウスカロライナ州での予備選挙の前に行った世論調査では、サンダースの支持率は32%で、バイデンの支持率は19%だった。

インディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジとエイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)は共に既に選挙戦からの撤退を表明したが、最新の世論調査が実施された時点ではまた発表がなされていなかったために、それぞれの支持率は10%と3%だった。

前回の世論調査ではアフリカ系アメリカ人の間での支持率でサンダースは単独トップだったのだが、今回の世論調査では31%でバイデンと同率首位となった。バイデンはヒスパニック系有権者の間での支持率を9ポイント伸ばして21%したが、それでもサンダースは誌パニック系有権者の間での支持率で圧倒的な差をつけてリードしている。ヒスパニック系有権者はスーパーチューズデーで投開票が実施されるテキサス州とカリフォルニア州で重要な役割を果たすことになる。

スーパーチューズデーで投開票が実施される14州の世論調査の結果の平均では、サンダースが大差でリードしている。サンダースの支持率が33%に対してバイデンは24%だった。しかし、ここでもバイデンは支持率を7ポイント伸ばしている。ブルームバーグはこれまでの4つの予備選挙では候補者登録をしておらず、火曜日が公式に初めての選挙ということになるが、支持率は4ポイント下落して16%となった。

今回の世論調査は2020年2月23日から27日にかけてと3月1日に2656名の民主党予備選挙戦か予定者を対象に実施された。誤差は2ポイントだ。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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