古村治彦です。

 スーパーチューズデーが終わり、次は2020年3月10日に予備選挙が実施される。ここで大きいのはミシガン州とワシントン州だ。ミシガン州ではバイデンが若干のリード、ワシントン州はサンダースが大きくリードという展開になっている。サンダースとしては、前回2016年の大統領選挙本選挙で民主党が失ったミシガン州で強さを見せつけたい。そこでサンダースは支持拡大に躍起になっている。

 私は何度もこのブログでも紹介しているが、バーニー・サンダースの支持者は若い人が多く、熱心だ。時に熱狂的になり、狂信的になる。そのために大変攻撃的になる。「自分たちの考えが絶対的に正しい。バーニーを支持しない奴らは無能で無知、どうしようもない奴らだ」ということで厳しい言葉で責め立てたり、説教をしたりする。そのために嫌われてしまう。

 サンダースの支持基盤は、縦に深く進むことはできるが、横に広く薄く進むことができていない。選挙になれば狂信的な支持者でも、政治に無関心な有権者でも1票は1票である。「君は熱心に選挙活動をしているから2票あげるね」ということにはならない。サンダース陣営の課題はどのようにして横に広がっていくかということだ

 そうした中で、サンダースは、アフリカ系アメリカ人からの支持を得られていないのは、「バイデンがオバマ前大統領を前面に押し出して選挙戦をしているためだ」と発言した。そのために人気を取られているというのだ。サンダースは自分の政策に自信があり、実際にアフリカ系アメリカ人にとってメディケア・フォ・オールは得になる政策なのだから政策を訴えながら、支持を拡大させることができるはずだが、うまくいっていない。それをバイデンがオバマとのつながりを強調しているからだ、と述べている。

 これも一歩進めて考えると、アフリカ系アメリカ人有権者は政策のことよりも、オバマとの関係が近いか遠いかで誰を支持するかを決めていると述べているのと同じで、アフリカ系アメリカ人を小馬鹿にした発言だ。「オバマに仕えた副大統領」というだけで、アンナに多くのアフリカ系アメリカ人がバイデンを支持するだろうか、は疑問だ。ここの点はこれからの研究や分析を待ちたいと思う。

 サンダース自身もサンダースの支持者たちもオバマ政権の8年間に関しては批判的で、オバマなんてのは共和党と一緒だと批判してきた。それなのに、スーパーチューズデーが振るわない結果に終わると、「オバマ大統領頼みのテレビ広告」を放映し始めた。バイデンもやはりオバマ頼みの広告を流しているのでおあいこだが、バイデンはオバマを批判したことはないが(当たり前だが)、サンダースはオバマを批判してきた。それがこのテレビ広告だ。

 

 オバマの発言を切り貼りした内容も出来も悪いテレビ広告だ。これを流して、オバマとのつながりを重視する有権者の支持を獲得できると考えているのならば、サンダースの先行きも不安なものとなる。何よりもサンダースを支え、オバマを批判している狂信的な支持者たちはこのテレビ広告をどう思うだろう。サンダースはさすが老練な政治家であり、活動家、革命家だと私は感心した。「目的は手段を正当化する」の言葉もあるが、彼は勝つためなら何でもやるということを明言している。最後はイデオロギーもくそもないのだ、ということを分かっている。若い奴らのことなんか知ったことか、だ。

 しかし、このテレビ広告は最悪のものだと思う。これで支持が伸びるとは思えない。有権者はサンダースの意図を見透かして嘲笑するだろう。もっと別の方法で横への支持拡大を目指すべきだ。サンダースをはじめ進歩主義派の政治家たちが使う映像制作会社「ミーンズ・オブ・プロダクション」が作ったのだとすれば失敗作だ。全く無名だったアレクサンドリア・オカシオ=コルテスを押し上げたコマーシャルの出来は素晴らしく、SNSで拡散された。

 おそらくミーンズ・オブ・プロダクション社は関わっていないだろう。あんな程度の低いものを作る訳がない。もしスーパーチューズデーの後に慌てて作ったのであれば、サンダース陣営は相当浮足立っているということになる。

(貼り付けはじめ)

オバマを出したサンダース陣営の新たな広告はこれから予備選挙が実施される各州で放映されている(New Sanders ad featuring Obama starts airing in next batch of primary states

マーティー・ジョンソン、キーラン・ディース筆

2020年3月4日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/485913-new-sanders-ad-featuring-obama-starts-airing-in-next-batch-of-primary-state

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)は水曜日、これから予備選挙が実施される各州で新たなテレビ広告を放映し始めた。バラク・オバマ前大統領とバイデンが近いことを印象付けようとするものである。

サンダース選対はジョー・バイデンとの厳しい一騎打ちのレースとなるか中で、広告を発表した。バイデンはスーパーチューズデーで予備選挙が行われた州の過半数で勝利を収めた。そして、獲得宣誓済み代議員数でサンダースを追い抜き、予備選挙の先頭走者となった。

「熱い炎を感じる(Feel the Bern)」と題されたテレビ広告は、2016年の民主党全国大会の一場面が使われている。その中でオバマはサンダースの政治家としてのキャリアを称賛する演説を行った。「熱い炎を感じる」は2016年の大統領選挙からサンダース支持者が使っている選挙スローガンだ。

オバマはテレビ広告で使われている演説の中で「バーニーは彼が神事で居ることを正確に述べる気概を持っている人物です。本物の誠実な政治家、大いなる情熱、恐れを知らない強さを持っています」と述べている。

テレビ広告は、サンダースとオバマが一緒に立って歩いている様子と、サンダースが政治家としてのキャリアの中で成し遂げた業績を示している。

オバマはテレビ広告の中で次のように語っている。「バーニーは復員軍人委員会の委員として、予算措置を講じました。人々は求めに応じて行動する準備ができていると思います。人々は自分たちのために動いてくれる誠実なリーダーを必要としています。人々は自分たちのために戦ってくる人物を望んでいます。人々はバーニーの中にそれらを見つけるでしょう。そうなんですよ、熱い炎を感じましょう!」。

今回の広告はサンダース陣営として初となるオバマに焦点を当てた内容となっている。対象としているのは、3月10日と17日に予備選挙が実施される、アリゾナ州、フロリダ州、アイダホ州、イリノイ州、ミシガン州、ミシシッピ州、ミズーリ州、オハイオ州、そしてワシントン州に住む有権者たちだ。

バイデン選対の緊急事態対策部長アンドリュー・ベイツは今回のサンダース陣営の出したテレビ広告について、発表した声明の中で次ように次のように述べた。「バラク・オバマはホワイトハウスでの8年間のパートナーとしてバイデン副大統領を選びました。オバマ大統領はバイデン副大統領を信頼し、景気後退から私たちの経済を救うための刺激策を監督管理し、患者保護並びに医療費負担適正化法(訳者註:オバマケア)実現のために連邦議会での可決のために動き、数えきれないほどの国家安全保障上の課題に一緒になって取り組んだのです」。

ベイツは更に次のように述べた。「対照的に、サンダース上院議員はオバマ大統領に対して予備選挙で挑戦をしてきた人物です。サンダース議員はオバマ大統領を“穏健な共和党員”と同じだとし、“進歩主義的”ではないと述べました。つい最近の歴史が証明しているように、テレビ広告の量で歴史を書き換えることはできません。そして広告をいくら流してみたところで、私たちが生きている時代における最良の大統領(訳者註:オバマ大統領)を復活させることはできませんし、その代わりになるようなこともありません」。

サンダース陣営の今回のテレビ広告はスーパーチューズデーでバイデンが南部諸州で大きな成功を収めた後から放映され始めた。バイデンは、ヴァージニア州、ノースカロライナ州、テネシー州、アラバマ州、アーカンソー州、オクラホマ州、テキサス州で勝利した。

今回のテレビ広告はまたバイデン陣営のメディアの放映時間の購入の増大の一部でもある。増えた中にはバイデンを批判する内容の広告も含まれている。バイデンは今年1月にオバマが彼の業績を称賛する部分を使ったテレビ広告を放映した。

オバマは民主党予備選挙が始まってからこれまでどの候補者に対しても支持表明を行っておらず、中立を保っている。

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バイデンがアフリカ系アメリカ人からの支持を得ているのは「オバマ大統領とのつながりの上で選挙運動を行っている」とサンダースが発言(Sanders says Biden winning African American support by 'running with his ties to Obama'

レベッカ・クレアー筆

2020年3月4日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/486055-sanders-says-biden-winning-african-american-support-by-running-with-his

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)は水曜日、民主党予備選挙で二対抗馬であるジョー・バイデン前副大統領がオバマ大統領とのつながりの上で選挙運動を行っているのでアフリカ系アメリカ人有権者の支持を勝ちっているのだと発言した。

MSNBCのレイチェル・マドウからアフリカ系アメリカ人有権者の支持を獲得できていないことについて質問され、自分はバラク・オバマとの関係を、選挙戦を通じて前面に押し出している人物に対抗して選挙戦を戦っているのだ、と答えた。そして、オバマ派は民主党員や民主党支持の有権者やアフリカ系アメリカ人有権者の大多数の間で「極めて人気の高い」存在だとも述べた。

サンダースは、「私が全く人気のない存在であるということではないのですがね、バイデンはオバマとのつながりを押し出して選挙戦を戦っています。そしてそれはうまくいっています」と語った。

2016年の大統領選挙予備選挙でもアフリカ系アメリカ人有権者からの支持を得られなかったことを突っ込まれると、サンダースは、あの時自分はヒラリー・クリントンと戦ったのだが、「全く無名の」候補者として戦ったのだと答えた。

そして、「私は今バラク・オバマの副大統領と戦っているんです」と述べた。

アフリカ系アメリカ人有権者からの指示によってバイデンはサウスカロライナ州で最初の勝利を挙げることができた。そして、スーパーチューズデーではその勢いに乗って南部各州で勝利を収めた。バイデンは獲得宣誓済み代議員数でサンダースを僅差でリードしているが、カリフォルニア州での結果が確定し、代議員配分が終了すれば再びバイデンを獲得代議員数でリードする可能性がある。

バイデンの躍進の大きな部分は連邦下院多数党(民主党)院内幹事ジム・クライボーン連邦下院議員(サウスカロライナ州選出、民主党)からの支持表明のためである。クライボーンはサンダースが自分に師事を求めてこなかったと述べチル。

サンダースはマドウに対して「それは本当だ」と述べた。

サンダースは次のように語った。「これは秘密の話でも何でもないんですけどね。ジムは本当に良い人ですよ。彼の主張している政策は私と同じではありませんがね。彼が私を支持してくれるなんてことは全くあり得ないことなんですよ」。

サンダースはバイデンがオバマとの関係を利用していると批判してきているが、自分自身

サンダースはマドウに対して、確かにオバマは自分にとっての「親友」ではないが、前大統領であるオバマに対しては大いなる敬意の念を持っている、と述べた。オバマは、党の候補者指名のプロセスが完了するまではどの候補者に対しても支持表明はしないと繰り返し明言してきた。

サンダースは次のように語った。「オバマにはバイデンを支持するようにという大きな圧力がかかっていると思いますよ。そして、いまだにオバマがそのようにしていないことに対して、私はオバマと周辺の人々に敬意を表したいと思います」。

サンダースはマドウに対して、オバマは、彼が選挙戦で戦っていると主張している、いわゆる「民主党エスタブリッシュメント派」の一員ではないと述べた。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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