古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙民主党予備選挙は2020年3月10日からは三つ巴の戦いとなる。ジョー・バイデン、バーニー・サンダース、トゥルシー・ギャバードが現在選挙戦を継続中だ。しかし、実質的にはバイデン対サンダースの一騎打ちである。

3月10日にはアイダホ州、ミシガン州、ミシシッピ州、ミズーリ州、ノースダコタ州、ワシントン州で予備選挙と党員集会が実施される。合計で352名の代議員が配分される。代議員数ではミシガン州が125名、ワシントン州が89名、ミズーリ州が68名、ミシシッピ州が36名、アイダホ州が20名、ノースダコタ州が14名となっている。
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現在の宣誓済み代議員数はバイデンが664名、サンダースが573名でその差は91名だ。サウスカロライナ州での予備選挙の前にはスーパーチューズデーを終えてサンダースが100名以上の差をつけているだろうという予測がなされていた。それが逆にバイデンが100名近い差をつけてリードしている。サウスカロライナ州での勝利は予測不可能なほどの効果を乗数的にもたらした。
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 サンダースはここで引き離される訳にはいかない。実は3月17日には4つの州で合計577名の代議員が決まる。最大の州であるフロリダ州(219名)では現在のところ、バイデンが50ポイント近いリード(バイデンが61%、サンダースが12%)している。3月10日の結果次第では、サンダースがリードしているイリノイ州(155名)も分からない状況になる。3月10日でサンダースは何とか勢いを取り戻したいところだ。
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 前回の結果などから、バイデンがミシシッピ州とミズーリ州、サンダースがアイダホ州とノースダコタ州で勝利する可能性が高い。各種世論調査を見ると、代議員数が多いミシガン州とワシントン州は大接戦である。ただ、各候補者の撤退があってからは、バイデンが勢いを伸ばしているという感触である。サンダースはできればミシガン州とワシントン州で大差をつけて勝利したい。しかし、それが難しい状況だ。下に掲載した世論調査の数字ではバイデンが一歩リードとなっている。

3月10日の選挙まで時間がない。ミシガン州では、彼の支持基盤である若い人々とヒスパニックよりも、トランプ大統領を当選にまで押し上げた白人労働者たちの方が人口も多く、投票率も高い。サンダースはこの人々に訴えていくしかない。そのための「メディケア・フォ・オール」だ。

2019年3月15日にはアリゾナ州フェニックスで民主党討論会が開催される。サンダースが乾坤一擲の大逆転を目指すならここである。3月17日の予備選挙で何とか勝負をするためにも、バイデンと一騎打ちになるこの機会を利用するしかない。ここで、バイデンは改めて「メディケア・フォ・オール」の優位性についてアピールをすべきだ。「国民皆保険」はアメリカ全体を守る手段なのだ、ということを新型コロナウィルス感染拡大が続くアメリカで訴える。これは説得力がある。

 ウイルスは全ての人が感染する可能性のあるものだ。大富豪であっても大統領であっても低所得者であっても誰でも感染可能性を持つ。その時に医療を受けられるかどうか、が非常に重要だ。金持ちだろうが貧乏人だろうが、医療を受けられる制度こそがアメリカを守る安全保障制度なのだ。ウイルスとの戦いには残念ながら世界一優秀なアメリカ軍の武力は役に立たない。金持ちにしても貧乏人の分を負担することになっても、社会を守り、ひいては自分を守ることになる国民皆保険は魅力的だと言える。

 サンダースが3月10日が終わり更に差を広げられているようだとそこで選挙戦は事実上の終焉となり、それからサンダースが選挙戦を続けても、バイデン勝利はほぼ確定ということになるだろう。

(貼り付けはじめ)

ミニ・スーパーチューズデー:バイデンとサンダースの各種世論調査の結果はどのようになっているか(Mini-Super Tuesday: Where Biden and Sanders stand in polls

タル・アクセルロッド筆

2020年3月6日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/486372-where-biden-sanders-stand-in-march-10-polls?rnd=1583533280

ジョー・バイデン前副大統領とバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)は今度の火曜日に6つの予備選挙と党員集会を迎える。今年のスーパーチューズデーでバイデンが10州で勝利を収めてから民主党予備選挙での動向が大きく変わってから1週間経って投開票が実施される。

バイデンはスーパーチューズデーでの勝利を受けて勢いを上げているが、サンダースは、ミシガンやその他の州でバイデンを破ることで、選挙の様相を再び変化させようと狙っている。

二人の候補者は、アイダホ州、ミシシッピ州、ミズーリ州、ノースダコタ州、そしてワシントン州で戦う。3月10日に予備選挙が実施される各州の代議員数を合計すると352名となる。

今度の火曜日に予備選挙が実施される各州での各種世論調査について見ていく。

●ミシガン州
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ミシガン州は今度の火曜日で予備選挙が実施される各州の中で最も多い代議員が配分されている。125名の代議員が配分されている。

バイデンとサンダースは、選挙の結果を左右する白人の労働者階級の有権者たちからの支持を集めようとミシガン州で激しい戦いを行っている。白人労働者階級の有権者たちは、2016年の大統領選挙本選挙で、ミシガン州とその他のラストベルトの各州で民主党優勢が覆され、トランプ大統領が勝利を収めることができた。

両候補は各種世論調査でリードを奪い合う展開となっている。ウィスコンシン大学とステイト・ジャーナルの共同世論調査の結果では、サンダースが9ポイントの差をつけた。デトロイト・ニュースとWDITテレビの共同世論調査ではバイデンが6ポイントの差をつけた。しかし、サンダースがリードという結果が出た世論調査は、バイデンがサウスカロライナ州とスーパーチューズデーで大きな勝利を収める前に実施された。

バイデンはミシガン州の政治家たちの多くから支持表明を受けている。ミシガン州知事グレッチェン・ウィットマー、元知事ジェニファー・グランホルム、デトロイト市長マイク・ダガン、そして複数の連邦下院議員たちがバイデンを支持している。

バイデンはミシガン州の重要な人口グループに関しても優位となっている。ミシガン州の人口では、バイデンのスーパーチューズデーでの勝利に貢献したアフリカ系アメリカ人有権者と白人の郊外居住者が大きな割合を占めている。

サンダースはヒスパニック系と若い有権者の間でより高い支持率を記録しているが、ミシガン州の人口においてはラティーノ系が占める割合は無視できるほどの小さなものである。また、サンダースが予期しているよりも、18歳から29歳までの有権者たちの得票数は小さいものとなっている。

サンダースは、2016年の時にはヒラリー・クリントンに僅差で勝利した。

●ミシシッピ州

ミシシッピ州の予備選挙に関しては、最近世論調査が行われていない。しかし、アフリカ系アメリカ人有権者の間でバイデンへの支持はかなり高い。

2016年の時にはクリントンがサンダースに65ポイント以上の差をつけて圧勝した。この火曜日にこれと同じような結果にならないということは考えにくい。

バイデンは、ミシシッピ州で唯一の民主党所属の連邦議会議員である、ベニー・トンプソン連邦下院議員から支持表明を受けた。

ミシシッピ州の予備選挙には36名の代議員が配分されている。

●ミズーリ州
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今週エマーソン大学が発表した最新の世論調査によると、バイデンはサンダースに対して4ポイントの僅差をつけてリードしている。白人有権者たちの間での支持はバイデンとサンダースは同率であった。しかし、非白人の有権者たちの間では、バイデンが14ポイントの差をつけてリードしている。

ミズーリ州の予備選挙では68名の代議員が配分されている。2016年の時には、サンダースはクリントンに2000票以下の差をつけられて惜敗という結果だった。

●ワシントン州
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サンダースはミシガン州に力を注いでいる。ミシガン州は大統領選挙本選挙において重要な激戦州である。しかし、サンダースが大勝を収めることができる可能性が最も高いのはここワシントン州である。

最近の2つの世論調査ではいずれもサンダースがリードという結果が出た。しかし、同州の予備選挙は世論調査の数字よりも厳しい戦いになるだろう。

エルウェイ・ポール社の世論調査ではサンダースが6ポイントの差をつけてリードしている。1月に発表されたキング・テレビとサーヴェイUSA社の世論調査ではサンダースが5ポイントの差をつけていた。しかし、2つの世論調査では、ニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグとエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)がそれぞれ2桁の支持率を記録していた。2つの世論調査は両候補が大統領選挙から撤退する前に実施された。

ブルームバーグがバイデンへ支持表明をし、木曜日にウォーレンが選挙戦から撤退したばかりだ。ウォーレンは誰を支持するかを決めていないと発言した。

その他の要素は何か?ワシントン州は2016年に党員集会を実施したが、今回から予備選挙形式に変更した。

サンダースは2016年の同州での党員集会では手際よく勝利を収めたが、予備選挙方式になればより厳しい戦いとなるだろう。

ワシントン州の予備選挙には89名の代議員が配分されている。これは3月10日に投開票が実施される中で2番目に大きな数字である。

●アイダホ州

アイダホ州の予備選挙に関して、世論調査は最近行われていない。アイダホ州には20名の代議員が配分されている。

サンダースは2016年にクリントンに55ポイント以上の差をつけて勝利した。

●ノースダコタ州

ノースダコタ州の党員集会に関して、世論調査は最近行われていない。ノースダコタ州には14名の代議員が配分されている。アメリカ本土にある州の中ではワイオミング州と並んで最小の代議員である。

2016年の時にはサンダースがクリントンに40ポイントの差をつけて勝利した。

(貼り付けはじめ)

(終わり)

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