古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙本選挙まで5カ月を切った。共和党は現職のドナルド・トランプ大統領、民主党はジョー・バイデン前副大統領がそれぞれ候補者に内定している。どちらが勝つかという予言をすることはまだ尚早だと思うが、今回はテキサス州とフロリダ州の状況を見てみたいと思う。以下にテキサス州とフロリダ州の情勢についてまとめた記事を掲載する。

 テキサス州は共和党の金城湯池だ。前回民主党候補者が勝ったのは1976年のジミー・カーターが最後だ。カーターは南部アトランタ州出身ということもあっての勝利だったが、現職のジェラルド・フォード大統領(リチャード・ニクソン大統領の辞任によって昇格)相手に大接戦だった。それ以来、民主党候補者は勝てていない。1992年と1996年の選挙では南部アーカンソー州出身のビル・クリントンが善戦したが、それでも得票率で3%以上差をつけられて敗北した。バラク・オバマは得票率10%以上をつけられて惨敗した。共和党優勢州は共和党のイメージカラーである赤色にちなんで、「レッド・ステイト(Red State)」と呼ばれるが、テキサス州のように優位が動かない州は「ルビー・レッド(Ruby Red)」と呼ばれている。民主党優勢州はこちらも党のイメージカラーから「ブルー・ステイト(Blue State)」、どちらとも言えない州は赤色と青色が混ざった紫色、「パープル・ステイト(Purple State)」となる。

 それでは今回の大統領選挙も現職のドナルド・トランプ大統領が圧倒的に優位に立っているということになるが、必ずしもそうではないようだ。テキサス州は全米でも屈指の好景気の州だ。中国からの投資も盛んだ。生活費が安く、暮らしやすいということもあり、ヒューストン、ダラス、サンアントニオといった大都市やその周辺地域に新たに移り住む人々が増えている。そのために人口増加の規模が大きく、しかも増加のスピードも速くなっている。こうした人々が必ずしも共和党支持ではない、ということがテキサス共和党にとっては懸念材料になっているようだ。
2020texaspresidentalgeneralelectionpolls001
テキサス州の世論調査の結果

トランプ大統領は優勢であるが、大統領選挙と同時に実施される連邦上院議員選挙や連邦下院議員選挙で民主党に議席を奪われるのではないかという懸念が出ているほどだ。大統領選挙で接戦になるということは、民主党支持が増えているということで、他の選挙に影響を与えるということになる。これを「ダウン・バロット(down ballot)」という。 

 ドナルド・トランプ大統領はニューヨーク市で生まれ育ち、仕事をして財を成した。しかし、現在はフロリダ州の州民だと宣言している。ニューヨーク市にも居宅を持っているが、フロリダ州にも邸宅を構えている。トランプ大統領にとってフロリダ州は「地元州(home state)」となる。共和党としてはフロリダ州を落とせないと意気込んでいる。

 1990年代以降、フロリダ州での大統領選挙は大接戦となり、ドラマを生んだ。2000年の大統領選挙ではジョージ・W・ブッシュがアル・ゴアを僅か537票差で破り、フロリダ州での結果が決め手となって大統領になった。票の数え直しが行われたことを覚えている人も多いだろう。それ以降も常に得票率の差が1%から3%の中に納まるほどの大接戦が行われてきた。そして、1996年以降は常にフロリダ州での脱線に勝利した候補者が大統領になっている。その点でも激戦州フロリダ州で勝利することは重要だ。
2020texaspresidentalgeneralelectionpolls001

 フロリダ州の特徴は高齢の有権者が多いということだ。ある程度の成功を収めた高齢者たちが老後は気候が温暖なフロリダ州で過ごそうということで移り住んでくる。そのために、高齢者が選挙において重要な要素となる。今回の新型コロナウイルス感染拡大で、高齢者は健康リスクに直面した。70歳以上の死亡率はそれ以下に比べると高くなっている。そのためにアメリカの各種世論調査の結果では、高齢者たちの多くは「経済活動よりも新型コロナウイルスへの対応をやって欲しい」と考えているということが分かった。

 そうなると、下に掲載した記事にある、高齢者の間でバイデンへの支持率が高いということもうなずける話だ。トランプ大統領の新型コロナウイルス感染拡大への対応に不満を持っている高齢者たちがバイデンを支持するという構図になっている。

 現職のトランプ大統領がフロリダ州を落とすかどうか、11月の投開票日の一つの注目点ということになる。

(貼り付けはじめ)

バイデンはフロリダ州で勝利を収めることでトランプを倒そうとしている(Biden seeks to beat Trump by winning Florida

エイミー・パーネス筆

2020年6月17日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/503089-biden-seeks-to-beat-trump-by-winning-florida

ジョー・バイデンはフロリダ州で躍進を続けている。一方、トランプ大統領は、大統領選挙で必ず勝たねばならない、自身の裏庭とも言うべき州で守勢に回っている。

2016年の大統領選挙で、トランプ大統領は民主党のヒラリー・クリントンに対して、この勝者が入れ替わる州(swing state)で約10万票という僅差で勝利を収めた。しかし、バイデン陣営は、2008年と2012年の大統領選挙でオバマ・バイデンのコンビで勝利を収めたフロリダ州を奪還できると確信している。

最近になってフロリダ州で感染者数が増加している、新型コロナウイルス感染拡大への対処についてトランプ大統領をバイデンは一貫して攻撃している。選挙における重要な問題をはっきりさせることで、フロリダ州において状況を変えようとしている。

バイデンは今週になって、トランプ大統領がハリケーンに対する備えを怠っていると批判した。フロリダ州はこれからハリケーンが襲来してくるシーズンを迎える。

バイデンは『マイアミ・ヘラルド』紙の論説欄に文章を投稿した。その中で次のように書いている。「トランプ大統領は今回の新型コロナウイルス感染拡大に対する準備に失敗し、その影響を弱めるための決定的な行動を取らなかった。そのために危機的状況が継続することになっている。私たちのコミュニティは外部からの新たな脅威やハリケーンのような自然災害に対して危険なほど脆弱である。」

バイデン選対がフロリダ州の重要性をきちんと認識していることを示す証拠として、民主党は、フロリダ州選出のヴァル・デミングス連邦下院議員(民主党)をバイデンの副大統領候補として考慮している。

フロリダ州の政治を観察している人々は、バイデンが既にフロリダ州において優位性を持っているが、今回の新型コロナウイルス感染拡大によってその優位性は大きくなっていると述べている。

セントラル・フロリダ大学政治、安全保障、国際問題学部のバリー・エドワーズ教授は、「現在、フロリダ州での世論調査でバイデンがリードしているのには2つの理由がある。それは彼が、ドナルド・トランプではなく、またヒラリー・クリントンではない、というものです」と述べた。

エドワーズ教授は「新型コロナウイルス感染拡大は、フロリダ州の観光に依存している経済を破壊しました。人々はトランプ大統領が危機に対してうまく対応していると考えていません」とも述べた。

トランプ大統領は再選のためにはフロリダ州がいかに重要な存在かを分かっている。そして、トランプ大統領は自身の再選のための防波堤であるフロリダ州を守ろうとしている。

共和党全国委員会は先週、共和党全国大会の機能のほとんどをフロリダ州ジャクソンヴィルに移して開催すると決定した。8月の共和党全国大会でトランプ大統領は共和党による党候補者指名を受諾することになっている。

トランプ大統領は選挙集会を再開し、今週はオクラホマ州で実施する予定だ。再開後は、フロリダ州を繰り返し訪問することになると見られている。

トランプ選対はフロリダ州における選挙に関する状況について満足していると述べている。選対幹部たちは、2019年以降、フロリダ州で共和党支持と登録した有権者の数は約1万8000名であったと発表している。

トランプ選対の次席広報担当コートニー・パレラは「2015年以来、フロリダ州において私たちは有権者に関与することに成功しています」と述べた。

パレラは続けて次のように述べた。「私たち選対は昼夜兼行でトランプ大統領のメッセージをフロリダ州の有権者の皆さんに直接お届けできるように努力しています。そして、民主党側がたとえ追いつきたいと望んでも追いつけていない事実として、フロリダ州の有権者は2016年にトランプ大統領を信頼しそれを投票で示したということがあります。そして、大統領の素晴らしい成功の記録、特に“偉大なアメリカを取り戻す(The Great America Comeback)”は今年の秋の選挙で大統領の地元州での勝利を確実にするものです」。

最近の複数の世論調査の結果では、バイデンは僅差でトランプ大統領をリードしている。トランプ大統領は昨年、自身はフロリダ州の住民だと宣言した。

先週、共和党系の世論調査会社「シグナル」が発表した、大統領選挙の投票に必ず参加すると答えた有権者を対象にした世論調査では、民主党の大統領選挙候補者に内定しているバイデンがトランプ大統領を47%対44%でリードしている。

バイデンにとって重要なことは、いくつかの世論調査で、高齢者の間で、彼がトランプ大統領をリードしているという結果が出ていることだ。

4月末のキュニピアック大学の世論調査では、65歳以上の有権者の52%がバイデンを支持し、42%がトランプ大統領を支持するという結果が出た。

フロリダ州民主党の上級部長フアン・ぺナロサは次のように述べている。「高齢者はトランプ大統領から離れています。トランプ大統領を非難しています。私たちが話しをしてきた高齢者の皆さんは新型コロナウイルスへの接触を恐れています。高齢者の皆さんは家の中に閉じ込められた囚人のように感じ、孫たちに会えないことで怒りを持っています」。

バイデンはヒスパニック系の有権者たちの獲得を目指しているが、そうした中で、火曜日にはスペイン語の新聞『ディアリオ・ラス・アメリカス』紙にバイデンがマイアミ・ヘラルド紙に掲載した論説記事のスペイン語訳が転載された。

フロリダ州のバイデン選対の広報担当は、選対は「フロリダ州内の多様な各コミュニティに対する積極的な働きかけを拡大し続け、一票一票を掘り起こす」予定だと発表した。

エドワーズ教授は、トランプ大統領は既にフロリダ州において支持基盤を固めているが、バイデンはこれから民主党支持の有権者たちを動かすために強力な草の根の選挙運動を構築し、展開しなければならないと指摘している。

エドワーズ教授は次のように述べた。「バイデン支持者たちはフロリダ州で、トランプ支持者たちに匹敵するエネルギーと目立つ動きをする必要があります。ジョー・バイデンは“眠たげなジョー(Sleepy Joe)”というレッテルを剥がすためにエネルギーと熱意を見せねばなりません」。

バイデンとフロリダ州民主党の幹部たちは、フロリダ州全体での草の根運動と有権者の組織化のための努力を更に高めると述べている。共和党が圧倒的に優位な地域(ruby-red areas)にも浸透すると述べている。そして、有権者に対する電話かけ、Eメール、戸別訪問の数を増やしている。

例えば、先週末、バイデン支持者たちは、「ライディング・ウィズ・バイデン」キャラヴァンを組織した。そして、自動車で列を組んで、トランプ大統領所有の施設の中を行進した。その中には「トランプ・ナショナル・ドーラル・マイアミ・リゾート」も含まれていた。キャラヴァン参加者たちは自動車の中でポスターやバイデンの看板を振った。

ぺナロサは、フロリダ州における競争はこれまでになく激しくなっていると述べた。

ぺナロサは、「皆さんがやらねばならないことは、ここフロリダ州でのトランプの投資について見ることです。彼はここに移り住んだ。フロリダは彼にとって失うことのできない州なんです」と述べた。

=====

テキサス州において世論調査の数字が接戦となっていることで共和党関係者はイライラしている(Tight polls put GOP on edge in Texas

ジョナサン・イーズリー筆

2020年6月13日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/502533-tight-polls-put-gop-on-edge-in-texas

オースティン発。テキサス州の共和党関係者たちは現在ピリピリしている。複数の世論調査で、トランプ大統領と民主党大統領選挙候補者に内定しているジョー・バイデンが、選挙の投票日まで5カ月を切って、テキサス州で大接戦を演じていることが明らかになった。

テキサス州の共和党関係者の多くは現在でもトランプ大統領が11月の選挙においてテキサス州で勝利し、38名の選挙人を獲得する可能性が高いと見ている。しかし、1976年以来初めて、テキサス州の大統領選挙で民主党の候補者が勝利をするのではないかというわずかな可能性が少しずつ高まっている。

トランプ大統領がバイデンに対してつけている差が重要であり、共和党は大統領選挙において接戦となると、その他の選挙で民主党に敗れてしまうのではないかという恐怖感を持っている。

テキサス州選出の共和党所属連邦下院議員5名が年末の任期までで引退を表明しており、この5議席のうち、3議席が接戦、もしくは民主党有利という展開になっていると中立の「クック・ポリティカル・レポート」は評価している。

ジョン・クローニン連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)は再選に向けて準備をしているが、2020年の選挙は彼のキャリアの中で最も厳しい戦いとなる可能性が高くなっている。

バイデン選対はテキサス州においてトランプ大統領と競い合う意向を持っていると発表している。テキサス州民主党は全米でも最大規模を誇っている。テキサスの人口構成は急速に変化しており、それでテキサス州は共和党の圧倒的な優位州から激戦州に変化している。

オースティンに住む共和党系のヴェテラン選挙関係者ビル・ミラーは次のように述べている。「テキサス州の共和党にとって深刻な時期になっています。現状を深刻に捉えない共和党関係者は11月に悪い結果となって驚くことになるでしょう。共和党は深刻に考え、対策を練らねばなりません。そうしなければ、テキサス州で困った事態になるでしょう」。

先週発表されたキュニピアック大学の世論調査では、テキサス州ではトランプ大統領がバイデンに1ポイント差をつけてリードしていた。「リアルクリアポリティックス」が出している平均では、テキサス州ではトランプ大統領が2.2ポイント差をつけてリードしている。

テキサス州共和党は都市の郊外における状況について懸念を持っている。こうした地域では、トランプ大統領が就任して以来、女性と無党派層が共和党支持から離れている。

ヒューストン、ダラス、オースティン、サンアントニオといった都市部の周辺地域で共和党への支持は下がっている。これら4つの都市は全米でも最も大規模にかつ急速に成長している都市となっている。2018年の中間選挙では、ヒューストンとダラスにおいて、民主党側の候補者が長年の共和党の現職を倒した。

警察によるジョージ・フロイドの殺害をめぐる歴史的な市民的抵抗運動が起きている現状、トランプ大統領はテキサス州の都市部郊外に居住する有権者に対するアピールする機会を失っていると共和党員や支持者たちは発言している。

オースティンを拠点としている共和党系のヴェテランの選挙関係者コービン・キャスティールは「郊外は懸念材料となっています。常に長所というものは短所を示すことでもあります。郊外にテコ入れをする必要があります」と述べている。

キャスティールは次のように述べている。「ドナルド・トランプ大統領は現在のような状況において思いやりを見せることを手助けすることになるでしょう。テキサス州共和党員の大部分はキリスト教徒です。イエス・キリストを愛し、キリスト教徒らしい生活を送っています。そして、私たちの党の指導者が経済と雇用、保守派の判事たちを任命するなどで素晴らしい成果を収めたが、思いやりをもって国を導く機会を逃したことを見て失望しています。現在の人種差別をめぐる危機的状況の時期に、思いやりを持ちながら国を導くならば、トランプ大統領の得票数は大変高くなるだろうと考えます。そうすればテキサス州を失うことはないでしょう。私はトランプ大統領が負けることはないだろうと確信しています。しかし、長所をてこ入れする機会を失っています」。

キャスティールは2016年の大統領選挙においてテキサス州でのトランプ大統領の選挙運動を指揮した人物だ。キャスティールは、2020年の大統領選挙ではトランプ大統領がバイデンに6ポイントの差をつけて勝利すると予測していると発言した。この数字は現代のテキサス州での大統領選挙において最も僅差の数字ということになる。

2016年、トランプ大統領はヒラリー・クリントンに9ポイントの差をつけて勝利した。これはジミー・カーター元大統領(民主党)が40年以上前にテキサス州で勝利を収めた際のポイント差以来の最小の差での勝利ということになった。1994年以降、民主党の候補者でテキサス全州を対象にした選挙で勝利を収めた人物はいない。この共和党の連勝記録は全米で最長期間を記録している。

キャスティールは、トランプ大統領が予想よりも小さい差で勝利を収めるということが起きれば、それはテキサス州共和党と連邦下院議員選挙にとっては「破壊」を意味することになるだろうと懸念を表明した。

キャスティールは、全米規模のメディアにおいて、テキサスが転換かなるかという問題について、テキサス州における共和党の置かれている状況は過小評価されている可能性が高いと指摘している。

テキサス共和党の党員や支持者たちは、連邦下院議員選挙予備選挙で複数の新人が勝利を収めたことを喜んでいる。その中にはダラスの女性実業家ジェネヴィー・コリンズが含まれている。コリンズは、ダラスを地盤とする1期目を終えようとしている現職のコリン・アレッド連邦下院議員(テキサス州選出。民主党)と本選挙で対決することになる。

キャスティールは、選挙戦が激しくなっていけば共和党員や支持者たちはトランプ大統領当選に向けて選挙運動を激化させ、一方、ジョー・バイデンは人々の関心を集め、批判が大きくなるだろうと予測している。

キャスティールは次のように述べている。「テキサスっ子はトランプ大統領の経済政策を本当に気に入っているし、判事の任命についても賛成している。投票ブースに入って、レヴァーを引く時に、トランプ大統領に投票するというのは簡単な決心ということになる」。

オースティンに住む共和党系ストラティジストであるブレンダン・スタインハウザーは、大統領選挙においてテキサス州で民主党が勝利を収める可能性は33%だと述べている。

スタインハウザーは、クローニンは連邦上院議員に再選され、得票率ではトランプ大統領よりも5ポイント高いという結果になると予想していると述べた。クローニンの対抗馬となる民主党側の候補者は来月明らかになるが、現在のところ、元米空軍パイロットのMJ・ヒーガーとテキサス州上院議員ロイス・ウエストが決選投票に向かって戦っているという状況だ。

スタインハウザーは、バイデンがテキサス州で勝利を得るためには、トランプ大統領に不満を持つ共和党員たちが投票に行かないか、投票に行っても何も書かない、一方で連邦上院議員選挙ではクローニン、他の選挙でも共和党の候補者に入れるという行動を取ることだ、と述べた。

スタインハウザーは次のように述べている。「テキサス州は大きく動いており、大統領選挙の結果は僅差で決まると確信しています。つまり、トランプ大統領が勝利を得ると考えています。共和党員や支持者たちは今回の選挙について真剣に考えています。今回の選挙が接戦になることは分かっています。ビトー・オローク前連邦下院議員は、2018年の連邦上ン議員選挙で郊外に住む白人女性の票を多く獲得しました。もし民主党側が今回も郊外に住む白人女性たちの支持を得ることができれば、選挙戦は接戦になります。しかし、テキサス州において、共和党員や支持者の数は民主党側を上回っています。その多くがトランプに投票してくれば、とりあえずOKということになります」。

2018年の中間選挙では、民主党候補のオロークは、現職で共和党所属のテッド・クルーズ連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)を2.5ポイントの差まで追い詰めた。オロークは落選したが、2016年の大統領選挙で民主党候補ヒラリー・クリントンがテキサス州で得た票数を上回る得票数を記録した。

2018年の中間選挙で、テキサス州の民主党は共和党所属の現職が占めていた連邦下院議員の2席を奪い取った。6名の共和党所属の現職連邦下院議員たちは、5ポイント以下の接戦でようやく再選された。民主党連邦議会選挙対策委員会はテキサス州の各地に事務所を開設した。そして、民主党連邦議会選挙対策委員会は、全米で唯一、テキサス州だけで全力を投入する選挙運動を行った。

2018年のテキサス州議会選挙では、民主党は州下院議員選挙で12議席、州上院議員選挙で2議席を共和党から奪い取った。共和党はテキサス州下院では9議席のリードを保っているに過ぎない状況になっている。テキサス州民主党は、州下院の共和党が握っている議席のうち、22議席に関しては、世論調査によると一桁台の差となっており、民主党側が奪い取る可能性があると発表している。

テキサス州では2016年以来、有権者数が250万も増加した。テキサス州では有権者登録をする際に支持政党を登録することはやっていない。しかし、新たにテキサス州の有権者となった人々は、若年層、ラティーノ、カリフォルニア州、イリノイ州、ニューヨーク州といった民主党優位州(blue states)から移り住んできた人々であると考えられている。

テキサス州民主党の上級部長を務めるメルマニー・ガルシアは次のように述べている。「ジョージ・W・ブッシュの思いやりのある保守主義、ティーパーティー運動、トランプ運動を生み出すことに貢献した州ですよ。そして現在、これらすべての動きが新しい民主党運動へと急激に変化しているのです。共和党は怠慢になっており、テキサス州で物事が向かっている方向について、目を覚まさせる出来事について全く知ろうとしていません。人口増加によってテキサス州は全ての選挙のレヴェルにおいて、共和党優位が崩れているのです」。

(貼り付け終わり)

(終わり)

amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側