古村治彦です。

 2020年10月15日(日本では16日)に、2階メイの大統領選挙候補者討論会がフロリダ州マイアミで開催予定だった。前回は司会者が候補者一対一の討論を仕切る形式であったが、2回目はタウンホールミーティング形式で実施される予定だった。タウンホールミーティング形式とは舞台上に候補者がおり、聴衆から質問を受けて答えるというスタイルだ。

 しかし、10月上旬にドナルド・トランプ大統領とメラニア・トランプ夫人の新型コロナウイルス陽性反応という診断が出て、それ以降もホワイトハウスの高官たちの間で陽性者が出たこともあり、討論会運営委員会はヴァーチャル形式の討論会に変更予定という発表を行った。これに対して、トランプ大統領がそのような形式変更ならば討論会に出席しないと反発し、民主党のジョー・バイデン前副大統領は当初は出席意向だったが、トランプ大統領が出ないならば、自分も同日の別のイヴェントに出るということを表明していた。

 結局のところ、最終的に大統領候補者討論会運営委員会は2回目の討論会の中止を発表した。

 大統領候補者討論会運営委員会には元連邦議会議員などがメンバーで入り、民主党と共和党が同数の委員を出している。名誉議長には存命中の大統領経験者たちが就任する。この人たちは実質的には何もしていないだろうから、委員会の幹部会が重要な決定をしているだろう。

 1996年の大統領選挙で共和党の候補者となったボブ・ドール元連邦上院議員(カンザス州選出)がツイッターで、運営委員会が偏っている、運営委員会に参加している共和党側の委員が誰もトランプ大統領を支援していない、という投稿をした。

 運営委員会の委員になるような共和党側の元政治家はトランプ大統領を支持していない。トランプ大統領は共和党所属であるが、共和党内部の既存の政治家たちからは嫌われている。そのことが如術に表れている。トランプ大統領は既存政治に対するアメリカ国民の不満に乗って当選した。従って、共和党内部の主流派、エスタブリッシュメントもまた敵となる。そうした中で大統領選挙を戦わねばならない。

 トランプ大統領は討論会で混乱を招いており、敷衍していれば、トランプ大統領がアメリカ社会に分裂と混乱を招いている。そのような主張の先に、今回の討論会中止がある。これに対して私が言いたいのは、トランプ大統領がアメリカに分裂と混乱をもたらしたのではない、アメリカの分裂と混乱がトランプ大統領を生み出したのだ、ということだ。

(貼り付けはじめ)

討論会運営委員会は10月15日のトランプ・バイデン討論会を中止(Debate commission cancels Oct. 15 Trump-Biden debate

ジョーダン・ウイリアムズ筆

2020年10月9日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/520448-debate-commission-cancels-oct-15-debate

大統領選挙候補者討論会運営委員会(CPD)は10月15日に予定されていたトランプ大統領と民主党候補者のジョー・バイデンとの間での2回目の討論会を正式に中止した。この決定は、両候補者が共に討論会の形式についての論争が起きている中で、討論会開催予定日の別のイヴェントに出席する計画であることを示唆した後で発表された。

トランプ大統領が新型コロナウイルス陽性という結果を受けての医療面からの懸念から討論会運営委員会が討論会をヴァーチャル形式に変更するという計画を立てそれに対してトランプ大統領が拒否を表明したことで、「次週の討論会は変更された形で実施されるのかどうか」という懸念と論争が起きた。今回の中止決定発表はこうした論争に終止符を打った。

バイデン選対は最初討論会に参加する意思を継続して持っていると主張していたが、木曜日午後になって、トランプ大統領がヴァーチャル形式の討論会に参加しないということになり、バイデン選対はABCニュースが主催するペンシルヴァニア州でのタウンホールミーティング形式のイヴェントに出席する計画であることを発表した。

金曜日夜に大統領選挙候補者討論会運営委員会は声明を発表し次のように述べた。「10月15日に討論会が開催されないということは明確だ。そして、討論会運営委員会は10月22日に開催予定の最後の大統領候補者討論会の準備に関心を向けている」。

運営委員会は10月22日に予定されているテネシー州ナッシュヴィルにあるベルモント大学での討論会は開催予定であり、開催にあたっては医療的安全について考慮し、コロナウイルス対策ガイドラインを遵守すると述べている。

トランプ選対は来週開催予定の討論会は元々の計画通りに人々が出席しての形式にするようにとこれまでずっと主張してきた。しかし、先週になってトランプ大統領の新型コロナウイルス陽性という診断が下され、それ以降にトランプ大統領が陰性になったという検査結果の証明が出ていないことで、運営委員会の担当者たちは人々が出席する形での討論会の開催に疑問を呈してきた。

トランプ選対の広報担当ティム・マータウは本誌のコメント依頼に対して次のように答えた。「10月15日にマイアミで開催予定の討論会を中止する医療的な理由は存在しません。それは大統領が既に健康であり、討論会の準備ができているからです。ジョー・バイデンが元々同意していたように、大統領選挙候補者討論会を3回もすべきではないなどと考える理由は存在しません」。

マータウは続けて次のように述べている。「バイアスのかかった委員会がバイデンを守り続けることを止めるべきです。そして、大統領選挙の候補者2人の言葉を有権者が聞くことを妨げることを止めるべきです」。マータウは更に選挙戦は、「委員会の割り込みなし」にバイデンとの討論会がなされるようにすべきだとも述べている。

本誌はバイデン選対にコメントを求めているところだ。

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ボブ・ドールは委員会に属する共和党員たちが誰もトランプを支援していないと主張(Bob Dole claims no Republicans on debate commission support Trump

ジョーダン・ウイリアムズ筆

2020年10月9日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/520442-bob-dole-claims-no-republicans-on-debate-commission-support-trump

共和党所属の連邦上院議員(カンザス州選出)であったボブ・ドールは金曜日、ツイッターに投稿し、大統領選挙候補者討論会運営委員会の共和党側委員は誰もトランプ大統領を支援していないと主張した。

ツイッターへの投稿は次のようなものだ。「大統領選挙候補者討論会運営委員会は超党派であり、共和党側と民主党側の委員が同数所属している。私は委員会に属する共和党側の委員全員を知っており、そのほとんどは友人だ」。ドールは続けて、委員の誰もトランプを支援していないことを憂慮していると述べた。「バイアスがかかった討論会運営委員会は不公平だ」。

ドールのツイートは、トランプ大統領と側近たちが繰り返し委員会を非難している中で投稿された。大統領たちは、委員会は無党派であると述べているが、実際には民主党の候補者ジョー・バイデンを助けようとしていると非難している。こうした主張は、これから実施される予定の大統領選挙候補者討論会においていくつかの変更を委員会が実施しようとしている中で、起きている。

運営委員会の役員会議には共和党所属で連邦上院議員を務めたジョン・ダンフォース(モンタナ州選出)とオリンピア・スノウ(メイン州)が含まれている。存命中の大統領経験者は全員が名誉共同議長となっている。

トランプ大統領は木曜日、運営委員会が10月15日の討論会をヴァーチャル形式にするという決定について、これはバイデンを守るためのものだと述べた。今回の決定はトランプ大統領の新型コロナウイルス陽性の中でなされたものだ。

トランプ選対の責任者ビル・ステピエンもまた木曜日の決定を批判した。彼は「ジョー・バイデンを必死に守ろう」とするための「病的な」試みだと発言した。

最初の討論会でバイデンと司会者だったクリス・ウォレスに繰り返し割り込んだことを受け、運営委員会はより秩序立たせるために変更をしようとしているが、それを受けて、トランプ選対はこうした主張を繰り返してきた。トランプ選対は運営委員会がこうした変更をバイデンのためにやっていると非難している。

この時、ステピエンは、運営委員会は非党派の組織ではない、なぜなら委員会のメンバーの一定数が民主党側に肩入れし、トランプ大統領に対する批判を表明しているからだ、と主張した。

トランプ選対の上級顧問ジェイソン・ミラーは様々な変更は「単純にバイデン選対とバイデン選対を支援する運営委員会のメンバーたちによって進められた」と述べている。

本誌はバイデン選対にコメントを求めている。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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