古村治彦です。
アメリカ大統領選挙の投開票日まで3週間ほどを残すだけになった。現状では、民主党のジョー・バイデン前副大統領が有利という報道がなされている。確かに各種世論調査の結果ではバイデンがドナルド・トランプ大統領をリードしている。しかし、日本で報道されるのは、全米規模での世論調査の数字である。
アメリカ大統領選挙の方式は各州に選挙人が配分され、各州の得票数で多かった候補者が選挙人を総取りする、選挙人の獲得数で勝敗が決するものとなっている。全米規模での単純に総得票数が多い候補者が勝利ということにはならない。
従って、しつこく繰り返し述べることになるが、各州の動向を見てみなければならない。しかし、アメリカにあるすべての州とワシントンDCについて調べる必要はない。そもそも共和党が優位で選挙結果が動かない共和党優位州(レッドステイト)と民主党優位州(ブルーステイト)がある。合わせて40州程度はそうだ。残りの10州が激戦州(スイングステイト)の動向を見ておかねばならない。
私が特に注目しているのはフロリダ州とテキサス州の動向だ。前回の大統領選挙では両州共にトランプ大統領が勝利した。今回の大統領選挙の世論調査の結果で見ると、テキサス州ではトランプ大統領がややリード、フロリダ州では大接戦となっている。私はトランプ大統領がこの両州を今回取れなければ、かなり厳しい状況になると考える。両州共にトランプ大統領が取れれば、アメリカ北部の五大湖周辺州で決戦ということになる。
大統領選挙ではまずフロリダ州とテキサス州の結果にご注目いただきたい。
(貼り付けはじめ)
世論調査:フロリダ州とアリゾナ州でバイデンはトランプと接戦(Poll: Biden
neck and neck with Trump in Florida, Arizona)
ジョセフ・チョイ筆
2020年10月7日
『ザ・ヒル』誌
水曜日に発表されたロイター社とイプソス社の共同世論調査の結果によると、民主党候補者のジョー・バイデンはフロリダ州とアリゾナ州という激戦州でトランプ大統領をリードしている。
この世論調査では、バイデン前副大統領はフロリダ州で4ポイントのリードをつけており、支持率はバイデンが49%、トランプが45%だった。アリゾナ州では、バイデンはトランプに2ポイントの差をつけている。支持率はバイデンが48%、トランプが46%となっている。
両州でのバイデンのリードは世論調査の誤差の範囲内にとどまっている。
2016年の大統領選挙では、トランプはフロリダ州とアリゾナ州を僅差でものにした。フロリダ州では1.2ポイントの差をヒラリー・クリントン元国務長官につけた。トランプはアリゾナ州では3.6ポイントの差をヒラリーにつけた。
今年の11月の選挙でバイデンがアリゾナ州で勝利ということになると、1996年にクリントン元大統領が勝利を収めて以来、初めて民主党の候補者が勝利を収めるということになる。
ロイター社の世論調査によれば、フロリダ州の調査参加者の50%がバイデンの方がより良く新型コロナウイルス感染拡大に対応するだろうと答え、41%がトランプの方がより良く対応すると答えた。
新型コロナウイルス感染に関すると、アリゾナ州の調査参加者の49%がバイデンの方が感染拡大により良く対応するだろうと答え、43%がトランプの方がより良く対応するだろうと答えた。
今回の世論調査はトランプ大統領が新型コロナウイルス陽性という診断が出て6日後に発表された。トランプ大統領とその他の共和党幹部たちは新型コロナウイルスに感染した。その中には、ニュージャージー州前知事クリス・クリスティ、大統領上級補佐官ホープ・ヒックス、大統領元顧問ケリアン・コンウェイが含まれている。
トランプ大統領は火曜日夜に新型コロナウイルス関連経済対策交渉を打ち切った。連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)と民主党側が経済刺激策について「真面目に」交渉していないとトランプ大統領は主張している。トランプ大統領は後に水曜日になって交渉打ち切りを撤回し、連邦議会に対してより小規模の経済刺激策法案を可決するように求めた。
キュニピアック大学の最新の世論調査の結果が水曜日に発表され、フロリダ州ではバイデンがトランプ大統領に11ポイントの差をつけてリードしており、過半数がトランプに投票すると答えたということだ。
水曜日に発表されたラスムッセン社の全国規模の世論調査では、バイデンがトランプ大統領に12ポイントに差をつけている。
バイデンに対する支持は大きくなっており、これはト先週火曜日に実施されたランプ大統領とバイデンとの間の混乱に満ちた討論会の後に出てきている。オハイオ州で実施された討論会で、司会者でフォックスニュースのキャスターであるクリス・ウォレスは両者の会話が脱線しないように苦労し、何度も割り込みされた。その割り込みのほとんどはトランプ大統領によるものだった。
ロイター通信・イプソス社がアリゾナ州とフロリダ州で実施した世論調査は、英語とスペイン語で実施されあt。
フロリダ州での世論調査は9月29日から10月6日にかけて実施された。1100名の成人、その内の678名は必ず選挙に行くと答えたが、これらの人々からの回答を集めた。誤差は4ポイントだ。
アリゾナ州での世論調査は9月29日から10月7日にかけて実施された。1099名の成人、その内の663名は選挙に必ず行くと答えたが、これらの人々からの回答を集めた。誤差は4ポイントだ。
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最新のキュニピアック大学の世論調査で、フロリダ州ではバイデンが11ポイントの差をつけてリード(Biden holds 11-point lead over Trump in Florida in new Quinnipiac
poll)
マックス・グリーンウッド筆
2020年10月7日
『ザ・ヒル』誌
https://thehill.com/homenews/campaign/520032-biden-holds-11-point-lead-over-trump-in-florida-in-new-quinnipiac-poll
水曜日に発表されたキュニピアック大学の最新の世論調査の結果によると、民主党候補者のジョー・バイデンはフロリダ州でトランプ大統領に11ポイントの差をつけてリードしている。
今回の世論調査では、フロリダ州の有権者の51%がバイデンを支持し、40%がトランプを支持している。
That’s a remarkably wide margin for a state
where elections are typically decided by only a few points.フロリダ州で最近行われた各種世論調査の結果ではもっと接戦になっている。
先月実施された、キュニピアック大学のフロリダ州での世論調査では、バイデンはトランプに対して3ポイントの差をつけていた。「ファイヴサーティーエイト」の最新の各種世論調査の平均では、バイデンはトランプに対して3.7ポイントの差をつけている。
水曜日に発表されたキュニピアック大学の世論調査では、ペンシルヴァニア州ではバイデンがトランプを54%対41%、アイオワ州では50%対45%でリードしている。
キュニピアック大学の世論調査アナリストであるティム・マロイーは次のように述べている。「程度の差こそあれ、アメリカ国内の全く別の場所と地域にある3つの重要な州で同様の不吉な結論を示しています。トランプ大統領の再選の希望は一日一日暗くなっています」。
バイデンがフロリダ州で勝利することはトランプ大統領の再選の機会に対しての致命的な打撃となるだろう。トランプ大統領は2016年の大統領選挙で10万票以内の僅差で勝利を収めた。フロリダ州は再選に向けての中心的な要素となる。大統領は昨年、フロリダ州を居住州とした。
キュニピアック大学の世論調査では、フロリダ州在住の有権者の48%がバイデンに好意的な意見を持っており、41%が好意的ではない意見を持っていると答えた。対照的に、トランプに対する好意は水準を下回っており。38%が好意的な意見を持っており、54%が好意的ではない意見を持っていると答えた。
医療制度を含む諸問題について、特にアメリカの新型コロナウイルス感染対応と最高裁判事の指名について、世論調査の結果によると、バイデンはトランプに比べかなり高い評価を受けている。経済に関してだけは、有権者たちはトランプの方がより良い候補者だと考えている。経済について、トランプの支持率は50%、バイデンの支持率は44%だった。
キュニピアック大学の世論調査は、2020年10月1日から5日かけて1256名の「選挙に行く」と答えた有権者から集めた回答を基にしている。誤差は2.8ポイントだ。
(貼り付け終わり)
(終わり)



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