古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙投開票日まで3週間を切った。全米各州で郵便投票や期日前投票が実施されている。期日前投票や郵便投票はこれまでも実施されてきたが、今回は新型コロナウイルス感染拡大を受け、ソーシャリー・ディスタンスを保つということもあり、これらを利用する人たちが増えているそうだ。

 これまでアメリカ大統領選挙のニュースが報じられるたびに、日本からの記者が投票所の前に長い列を作る人々の前から報道をしている姿を見た人も多いだろう。日本では投票に関しては本人確認と候補者の氏名の記入、投票はスムーズであり、そんなに時間がかからない。それでも投票率が上がれば並ぶことになるが、それでも30分も1時間もということはほぼない。しかし、アメリカでは本人確認から投票まで時間がかかり、投票所の前には長い列ができてしまうことになる。

 郵便投票や期日前投票はそうしたことがないので、有権者にとっては楽だ。しかし、大変なのは投票を受け付ける選挙管理委員会の方だ。一部の州では11月3日の投開票日まで郵便投票の封筒を開けて仕分けをしておくことはできない。また、郵便投票の到着期限が投開票日当日というところもあり、こちらも負担が増える。そもそも今回は通常に比べて数倍の郵便投票となっており、その対応だけでも大変な負担だ。2016年の大統領選挙では全投票のうちの約20%が郵便で投票されたものだった。今回、全得票数が変わらないということになれば、郵便投票の割合は2倍や②.5倍に増えることが考えられ、全得票の半分は郵便投票だったということも起きるだろう。

 そうした中でどうしても起きるミス、間違いは出てくるだろう。トランプ大統領はこれらを「選挙妨害」「不正投票」ということで、裁判に訴えるという姿勢を示している。そのために、「自分の投票をきちんと数えて欲しいので当日に投票所に行って投票する」という有権者も多い。郵便投票、更には選挙の投開票自体に対する疑念を持つ有権者は一定の割合存在する。今回、トランプ大統領は投開票所を監視するようにミリシア組織に訴えた。これはこうした不信感を基礎にしたものだ。

 武装したミリシア組織が選挙関連施設の周囲に存在するとなれば、これらに反対する人々や組織もまた対立する形で出てくることになる。危険な兆候が見られれば、州軍やアメリカ軍の派遣ということにもなるだろう。そこで何か起きれば、撃ちあいで死亡者でも出れば、事態はもう「内戦(civil war)」である。

 デモクラシーの総本山、アメリカでデモクラシーが崩れつつある。そうした中で、アメリカがデモクラシーを「輸出」しようとして誰がありがたがるだろうか。「お前の国の中を見てみろよ、それは欠陥商品じゃないか」と鼻で笑われてしまうのが関の山だ。

(貼り付けはじめ)

分析:1400万人以上のアメリカ国民が期日前に既に投票を済ませている(More than 14 million Americans have cast ballots in early voting so far: analysis

ザック・バドリック筆

2020年10月14日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/state-watch/521114-more-than-14-million-americans-have-cast-ballots-in-early-voting-so-far

アメリカ大統領選挙投開票日まで数週間を残す段階で、1400万人が既に大統領選挙で投票を済ませた。アメリ合衆国選挙プロジェクトの分析で明らかになった。

2016年の総得票数のうち、不在者投票と投票所での期日前投票は約10%を占めていた。いくつかの個別の州ではその割合は高くなった。2016年、ヴァーモント州では、総得票数が9万5885票であったが、そのうちの約30%が不在者投票と期日前投票が占めていた。

一方、ウィスコンシン州、サウスダコタ州、ヴァージニア州では、前回の大統領選挙のレヴェルの約25%に達している。

ジョージア州では2016年に比べて40%以上も増えた。バズフィード・ニュースの報道によると、期日前投票の初日となった月曜日に12万8590名が投票した。

テキサス州とケンタッキー州では、火曜日に期日前投票初日を迎え、多くの投票が行われた。テキサス州ハリス郡では6万8000人が投票したがこれは初日の記録となった。

火曜日はまた、カンザス州、オレゴン州、ウエストヴァージニア州、ヴァージニア州という複数の州で、同日に有権者登録と投票ができる最終日となった。ヴァージニア州の有権者登録システムはケーブルが切断されてから数時間機能不全に陥った。州政府の高官たちはこの事故が偶然に起きたと述べている。投票権グループはヴァージニア州内で裁判を起こし、有権者登録の期限を48時間延長するように求めている。

フロリダ大学教授マイケル・マクドナルドはアメリカ合衆国選挙プロジェクトの部長を務めている。マクドナルドは9月末にNPRに出演し、新型コロナウイルス感染拡大によって各州が投票のオプションを拡大したことで、選挙投開票日以外での投票は伸びていると述べている。

マクドナルドは次のように述べている。「期日前投票を増やす要因は3つあります。その一つは各州が法律による制限を緩めていることです。おそらく法律が既に変更されている、もしくは新型コロナウイルス感染拡大を受けての緊急措置が講じられている可能性があります。新型コロナウイルス感染拡大に関して言えば、多くの人々が、社会的な距離を取るために郵便投票や期日前投票を請求しています。もう一つの主要な要因は多くの人々が投票したいという熱意を持っていることであり、そうした人々が期日前に投票をしているのです」。

(貼り付け終わり)

(終わり)

amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側