古村治彦です。

 テキサス州の司法長官(Attorney General)が「ジョージア州、ミシガン州、ペンシルべニア州、ウィスコンシン州が新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)に乗じて大統領選の手続きを不当に変更し、選挙結果をゆがめた」という理由で、これらの州を連邦最高裁に提訴した。そして、このテキサス州の動きに17の州が追随し、トランプ大統領も呼応している。

 「これではレッドステイト(共和党優位州)とブルーステイト(民主党優位州)の分裂ではないか、第二次南北戦争ではないか」というのが私の感想だ。アメリカは各州が「state」であって、ほぼ国なので(外交権はない)、大変に権限が強い。州兵という形で武力も持っている。そして、それらが集まっているのが「United States」である。この一つにまとまっている状態を「Union」とも言う。この統一が壊れたのが1861年から65年にかけての南北戦争の時だ。

 この南北戦争は英語では「The Civil War」だ。「civil war」と小文字で書けば、一般的な名詞である「内戦」という意味になる。「内戦」とはいくつかの勢力が政治権力を掌握することをめぐって武力で戦うことを意味する。そうなればどんな国だって、まとまりや統一はなくなる。

 アメリカの歴史上、最も偉大だと言われる大統領は、エイブラハム・リンカーンだ。それは何故か?それは、リンカーンがアメリカの統一を守ったからだ。リンカーンと言えば、奴隷解放を行った偉人ということで、日本でもよく知られている。しかし、リンカーンが偉大なのは、「アメリカの統一(Union)を守ったこと」が理由なのである。

 アメリカの首都ワシントンDCにあるリンカーン記念堂(Lincoln Memorial)には、巨大なリンカーン像が安置されている。その台座には次のような一節が彫り付けられている。

「この殿堂の内部において、アメリカの統一(Union)を守った人物の記憶が人々の心の中に残っているように、エイブラハム・リンカーンの記憶は永久に顕彰される。("In this temple, as in the hearts of the people for whom he saved the Union, the memory of Abraham Lincoln is enshrined forever.")」

 リンカーンの偉大さはこの言葉に集約されている。それほどに、アメリカ人にとって統一は重要なことなのだ。

 テキサス州による提訴は、連邦最高裁に一種の踏み絵を突き付けたと言える。また、最高裁を困難な状況に陥れたとも言える。ここで連邦最高裁が安易にテキサス州や他の州の提訴を退けてしまえば分裂は加速する。人々の間での争いやいさかいはエスカレートし、暴力の程度も高まっていく。そうなれば、連邦最高裁が分裂状態に関して、火に油を注いだという非難が出てくる。偉大なリンカーンの裏返しで、お前たちは何をやっているだということになる。

 そうなると、連邦最高裁の判断は慎重にならざるを得ない。連邦最高裁の判決が分裂、更には騒乱状態をもたらすならば、トランプ大統領は治安回復のために、戒厳令(もしくは制限された戒厳令)を布告するということも考えられる。右のミリシア、左のアンティファ、どちらが騒いでも、戒厳令布告の理由付けにはなる。

 どちらにしても、アメリカは今やDividing States of Americaになりつつある。

(貼り付けはじめ)

米ミズーリなど17州、大統領選巡るテキサス州の提訴に追随

12/10() 0:31配信 ロイター

https://news.yahoo.co.jp/articles/fc2be62252b3f165f3f7bac0aa25dc20ac0520cc

 米テキサス州のパクストン司法長官(共和)が大統領選の手続きに不当な変更を加えたとして激戦4州を連邦最高裁に提訴した裁判に、他17州が9日、追随する方針を表明した。写真はトランプ大統領。8日撮影(2020年 ロイター/TOM BRENNER

[ワシントン 9日 ロイター] -     米テキサス州のパクストン司法長官(共和)が大統領選の手続きに不当な変更を加えたとして激戦4州を連邦最高裁に提訴した裁判に、他17州が9日、追随する方針を表明した。

これら17州にはミズーリ州のほか、アラバマ、アーカンソー、フロリダ、インディアナ、カンザス、ルイジアナ、ミシシッピ、モンタナ、ネブラスカ、ノースダコタ、オクラホマ、サウスカロライナ、サウスダコタ、テネシー、ユタ、ウエストバージニアの各州が含まれる。

各州とも共和党関係者が原告で、17州中14州の州知事が共和党員。

ミズーリ州のシュミット司法長官(共和党)が主導して提出された文書によると、各州の弁護士は最高裁に対し、テキサス州の訴訟内容を吟味するよう要請した。

テキサス州のパクストン司法長官は前日、連邦最高裁にジョージア州、ミシガン州、ペンシルべニア州、ウィスコンシン州が新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)に乗じて大統領選の手続きを不当に変更し、選挙結果をゆがめたとして提訴した。   

ジョージア州、ミシガン州、ペンシルべニア州、ウィスコンシン州の当局者はこの訴訟は民主党への攻撃だと批判した。

専門家は、テキサス州がこの訴訟で勝利する可能性はほとんどなく、訴訟には法的価値もないと指摘する。ロヨラ・ロー・スクールのジャスティン・レビット教授は、最高裁がこの案件を受理する可能性はほぼないとの見方を示した。

トランプ大統領はこの日、テキサス州の提訴に支持を表明し、介入する構えを鮮明にした。

トランプ大統領は「われわれはテキサス州(さらに他の多くの州)の裁判に介入する。これは重要な案件だ。米国には勝利が必要だ!」とツイッターに投稿した。

*内容を追加して再送します。

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●「接戦4州の大統領選無効を求める訴訟、トランプ氏が参加申し立て」

12/10() 13:08配信 読売新聞オンライン

https://news.yahoo.co.jp/articles/35f0ae6714a362d9c50c63ce76f8feb0f64d3af5

 【ワシントン=蒔田一彦】米大統領選の敗北を認めていないトランプ大統領は9日、テキサス州が接戦州4州の選挙結果を無効とするよう連邦最高裁判所に求めた訴訟について、原告に加わることを申し立てた。全米50州と首都ワシントンは既に選挙結果の認定を終えたが、トランプ氏は選挙結果を覆すことを狙った徹底抗戦の構えを崩していない。

 訴訟は、テキサス州の州務長官が7日、ペンシルベニア、ジョージア、ミシガン、ウィスコンシンの4州を相手取って起こした。4州の選挙手続きが米憲法の規定に違反していたとして、バイデン次期大統領が勝利した選挙結果を無効とし、州議会が新たに選挙人を任命することを認めるよう求めている。

 4州の選挙人計62人が無効となれば、バイデン氏は今月14日の選挙人投票で当選に必要な過半数の270票を獲得できなくなる。ただ、大統領選を巡る各地の訴訟でトランプ氏側の訴えは軒並み退けられており、今回の訴訟を最高裁が審理するかどうかは不確かだ。

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●「米共和党指導部、バイデン氏を次期大統領と認める決議退ける」

12/9() 17:03配信 CNN.co.jp

https://news.yahoo.co.jp/articles/a9535640cffb9a57582228e0de1b1f0cbaeea5b7

マコネル院内総務(右)ら共和党指導部が、バイデン氏を次期大統領と認める動議を拒絶

ワシントン(CNN) 米連邦議会の共和党の指導部は8日、大統領就任式両院合同委員会の非公開会合で、バイデン前副大統領を次期大統領と認める決議を退けた。共和党議員らは、先月の大統領選でトランプ氏の敗北が明らかになった後も、その結果を受け入れるのを拒み続けている。

下院民主党のホイヤー院内総務が提案した動議の内容は、バイデン次期大統領とハリス次期副大統領の就任式の準備が進んでいることを確認するというものだった。

上院共和党のマコネル院内総務、上院議事運営委員会のブラント委員長、マッカーシー下院院内総務が動議を妨げ、同委員会が就任式がバイデン氏のためにあると公に認めることを阻んだ。

前出のホイヤー氏に加え、議事運営委員会のクロブシャー民主党筆頭幹事、ペロシ下院議長は動議に賛成した。

同委員会でこのような決議案が出されるのは異例で、民主党の動きは共和党員を驚かせた。民主党関係者は共和党員がバイデン氏を次期大統領と認めるかを記録に残すのが目的だったと語った。

ブラント氏は会議開始のわずか8分前に民主党から決議案を知らされたと述べ、こうした決議を行うのは通例ではないと言及した。

ホイヤー氏は声明で、これほどまでに共和党議員らが選挙結果を受け入れず、バイデン氏とハリス氏をそれぞれ次期大統領、次期副大統領と認めないのは「驚くべきことだ」と指摘。「彼らはなおもトランプ大統領の選挙後の癇癪(かんしゃく)に配慮している。こうした態度は我が国の民主主義を脅威にさらし、選挙制度への信頼を損なう」と批判した。

一方、反対票を投じたブラント氏は声明で、選挙のプロセスを先回りして誰が大統領となるかを決めるのは就任式両院合同委員会の職務ではないと強調。同委員会のメンバーが長年の伝統を尊重し、党派を超えた協力の下で眼前の作業に注力することを望むと語った。

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●「テキサス州がジョージアなど4州を連邦最高裁に提訴、選挙結果巡り」

12/9() 1:43配信 ロイター

https://news.yahoo.co.jp/articles/eedd65e0e31673c7a9a883d3033bb887f3cc8119

米テキサス州のパクストン司法長官は8日、新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)に乗じて大統領選の手続きを不当に変更し、選挙結果をゆがめたとして、ジョージア州、ミシガン州、ペンシルべニア州、ウィスコンシン州を相手取り連邦最高裁に提訴した。ネバダ州ラスベガスで10月撮影(2020年 ロイター/BRIDGET BENNET

[ワシントン 8日 ロイター] -     米テキサス州のパクストン司法長官(共和)は8日、新型コロナウイルスの世界的大流行(パンデミック)に乗じて大統領選の手続きを不当に変更し、選挙結果をゆがめたとして、ジョージア州、ミシガン州、ペンシルべニア州、ウィスコンシン州を相手取り連邦最高裁に提訴した。

不正投票の横行により「信頼が崩壊し、選挙の安全性や公正性が損なわれた」とし、4州の選挙人(62人)を選挙人団から除外するよう要請。また14日に予定されている選挙人団による投票の延期も求めた。

パクストン氏は「4州が正規の議会によって制定された法令に違反し、憲法にも違反した。州法と連邦法の両方を無視することで、当該州における投票の公正性を汚しただけでなく、テキサス州を含むあらゆる州における投票の公正性も汚した」とした。

連邦最高裁は、トランプ氏が指名した3人の判事を含め6対3で保守派が多数を占めている。最高裁にこの訴訟を審理する義務はない。

ジョージタウン大学ロースクールの教授で選挙法の専門家でもあるポール・スミス氏は、テキサス州には訴訟の正当な根拠がないと指摘。「他の州がどのように票を数え、どのように選挙人の票を投じるかについて、テキサス州に文句を言う資格があるとは考えられない」と述べた。

またオハイオ州立大学のネッド・フォーリー教授(憲法学)は、選挙の問題について、議会が選挙人投票を正式に集計する来年1月6日の段階で、議会によって解決することになっており、「裁判所としては途中経過の問題に引きずり込まれたくないと考えるのではないか」とした。

ミシガン州のネッセル司法長官(民主)は、テキサス州の訴訟が「売名行為であり、真面目な申し立てではない」と批判。ペンシルべニアのシャピロ司法長官(民主)も「公正で自由な選挙制度への継続的な攻撃は無意味かつ無謀だ」と非難した。

*内容を追加しました。     

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(貼り付け終わり)

(終わり)

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