古村治彦です。
民主党側からは激しい非難がマンチンに対して向けられている。「裏切り者」「嘘つき」という激しい非難がなされている。現在、連邦上院は民主、共和両党で50議席ずつ分け合っている状態で、副大統領の議長決裁(tie-breaking vote)で何とか民主党が過半数を握っている状態だ。そのため、法案を可決させるためには民主党所属議員全員の賛成が必要ということになる。マンチンが気候変動と社会支出法案に反対を表明したことで、そのバランスが崩れてしまった。共和党が全員反対でマンチンが反対に回れば反対51、賛成49となる。
マンチン(左)とシューマー院内総務(民主党)
共和党にとっては今年の中間選挙で民主党に打撃を与え、連邦上下両院で過半数を奪還するチャンスと見ている。そして、ジョー・バイデン大統領に打撃を与え、2024年の大統領選挙でホワイトハウスを奪還する布石としたいとも考えている(共和党の候補者となる人物はまだ定かではないが)。
民主党指導部はマンチンに圧力をかけるために、敢えてビルド・バック・ベター法案の採決を行おうと考えている。しかも修正法案も含めて複数回にわたって採決投票を行おうとしている。民主党指導部は注目法案の採決投票を複数回行い、マンチンが反対票を投じ続けることを想定している。それによって地元の有権者に対して、マンチンが反対し続けたということをアピールして、次の選挙で民主党支持の有権者たちや組織団体からの支持を得られなくするという狙いがある。「裏切り者には落選という制裁を」ということになる。
マンチン(左)とマコーネル院内総務(共和党)
共和党側は以前からマンチンに共和党への入党を勧誘してきたようだ。2000年以降のウエストヴァージニア州の大統領選挙と連邦上下両院議員選挙の結果を見ると、マンチンを除いてほぼ共和党が勝利を収めている。ウエストヴァージニア州はレッドステイト(共和党優勢州)となっている。マンチンが共和党に入党すれば、現職の連邦上下両院の議員は全員共和党所属ということになる。更に、2020年の選挙で失った連邦上院での過半数を労せずして奪還できるということになる。しかし、マンチンは、「こちらに来ませんか」という共和党からの誘いを断っている。
更に言えば、民主党内の亀裂は深刻で、進歩主義派は「マンチンは酷い裏切り者だが、マンチンが裏切るということはあらかじめ分かっていたことで、それに対して何の備えもしてこなかった連邦議会民主党指導部にこそ問題がある」と主張している。進歩主義派は約2兆ドル規模の大型支出法案でも「規模が十分ではない」としながらも、連邦下院で賛成に回ったという経緯がある。元々は6兆ドル規模の支出を想定していたのだから、それが3分の1にまで削られたことは大いに不満だが、可決成立しないよりはましということで賛成に回ったのに、連邦上院で通らないとなれば、批判の矛先はどうしても民主党指導部に向く。進歩主義派からすれば、2020年の選挙で副大統領の議長決裁付ではあるが、民主党が連邦上院で過半数を握ることに成功したのに、民主党指導部は無能だということになる。
民主党内部の亀裂とまとまりのなさが今回の事態で明らかになった。これが今年前半も続けば、中間選挙の結果は厳しいものとならざるを得ない。
(貼り付けはじめ)
民主党はマンチンに対して厳しい態度で臨むことになる(Democrats set to
play hardball with Manchin)
アレクサンダー・ボルトン筆
2021年12月21日
『ザ・ヒル』誌
https://thehill.com/homenews/senate/586686-democrats-set-to-play-hardball-with-manchin
連邦上院民主党は、ジョー・マンチン連邦上院議員(ウエストヴァージニア州選出、民主党)に対して、民主党が主導する気候変動と社会的支出法案を支持するように圧力をかけるためにより厳しい態度で臨む意図を持っていることを示唆している。ここ数カ月、連邦上院民主党はマンチン議員からの支持を得るために慎重なアプローチで臨んできた。
民主党はマンチンとウエストヴァージニア州の低所得の有権者たちとの間にくさびを打ち込むことになると脅している。「ビルド・バック・ベター」法案が可決されれば、子供税額控除の強化、メディケアと交渉した処方薬価格の引き下げ、育児費用の補助など、何十億ドルもの連邦給付を受けられると有権者たちにアピールすることでマンチンから引き離そうとしている。
連邦上院多数党(民主党)院内総務チャールズ・シューマー連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は月曜日、マンチンはこれらの人気の高いプログラムへの反対を、連邦議事堂の議場で投票することで繰り返し守らねばならないと述べた。また、週末に「フォックスニュース・サンディ」に出演し、国の政策に影響を発揮しようとしている同僚マンチンを間接的に非難した。
民主党のスタッフたちは、マンチンはシューマーや他の民主党所属の連邦議員たちからより厳しい取り扱いを受けることになるだろうと予測していると述べている。民主党所属の連邦議員たちは、今年初めに公約として提示した「大規模なかつ大胆な」政策を実現することに失敗しつつあり、そのために、有権者たちから新たなプレッシャーを受けている。
民主党のあるスタッフは、マンチンが今年の秋にホワイトハウスとデラウェア州にあるバイデンの自宅でバイデンと友好的な会談を行ったが、望む結果を得られなかったことを受け、「マンチンにはまったくプレッシャーがかかっていない」と述べた。
この民主党スタッフは、「バイデンはマンチンの襟首を掴んで、『いいか、これはもう終わりだ』と言わなければならない」と述べ、「ビルド・バック・ベター」法案の可決が失敗すれば、2022年の中間選挙までに別の主要法案が通過する見込みはほとんどないと警告を発している。
民主党所属の複数の上院議員はここ数ヶ月前、「マンチンに大きな圧力をかけることは、それが裏目に出て、再生可能エネルギーへの大規模な新規投資やメディケア給付の拡大といった進歩的優先事項に対してより強固に抵抗するようになることを恐れて、消極的に対応するしかない」と述べていた。
また、マンチンが民主党会派を脱退し、無所属を宣言するかもしれないという脅威も迫っていた。上院少数党(共和党)院内総務のミッチ・マコーネル氏(ケンタッキー州選出、共和党)は休暇前に記者団に対し、マンチンが共和党会派に加わることを望んでいるが、その可能性が高いわけではないと述べている。
しかし、バイデン、シューマー、その他の民主党所属の連邦議員は、マンチンがフォックスニュースでビルド・バック・ベター法案に反対することを明確に表明した。バイデンたちの依頼を平然とはねつけ、無能と思われる危険を冒すことになった。
民主党系のストラティジストで、民主党連邦上院議員選挙委員会の顧問を務めたスティーヴ・ジャーディングは、「マンチンは大統領の政策を吹き飛ばそうとしているのだから、厳しい姿勢で臨まねばならない」と述べた。
ジャーディングは「マンチンは民主党指導部が無能だと見えるように行動している」とも述べた。
日曜日、ホワイトハウスのジェン・サキ報道官は、マンチンが10月にバイデンと達した合意から手を引いたとして、マンチンを非難する激しい声明を発表した。
サキ報道官は、マンチンは「インシュリンのために毎月1000ドル払っている家庭」、「仕事に復帰するために必要な手頃なデイケアを受けたいと考えている200万人の女性」、「先週期限切れとなった児童税控除のおかげで、貧困から脱した数百万人の子供たち」に対して法案への反対についてその理由を説明しなければならないだろう、と述べた。
翌日、ホワイトハウスはより柔らかい姿勢を取った。記者会見でサキ報道官はバイデンがマンチンと協力したいと考えていると述べた。
バイデンは9月末と10月末にホワイトハウスでマンチンと会談を持った。また、デラウェア州ウィルミントンのバイデンの指定でも会談を持った。しかし、これらの会談では主だった成果は出なかった。
ホワイトハウスは、シューマーも出席したデラウェア州での会談で、マンチンが1兆7500億ドルの枠組みに同意したと発表したが、マンチンは今週、何にも同意してはいないと反論した。
月曜日に各議員に送付された「同僚議員の方々へ」と題された書簡の中で、シューマーは、マンチン氏へ微妙なジャブを放ち、間接的に批判した。
シューマーは書簡の中で、「上院議員各位は、新年早々、連邦上院がビルド・バック・ベター法案について審議することを認識しておくべきだ。そうすれば、全ての議員がテレビだけでなく、連邦上院の議場で自らの立場を明らかにする機会を得られる」と言明した。
民主党の指導者であるシューマーは、「マンチンについては、バイデンの最優先事項に何度も反対票を投じさせるような形にして、ウエストヴァージニア州選出の中道派議員であるマンチンが、地元の低所得者救済を目的とした改革の邪魔をしているというメッセージを明確に打ち出すことにする」と警告を発した。
シューマーは「連邦下院で可決されたビルド・バック・ベター法案については、連邦上院で修正を加えて、それらについて投票を行う。何かを成し遂げるまで何度も投票を続ける予定だ」と書いている。
前述のスタッフとは別のある民主党スタッフは、シューマーの脅しは重要だと述べた。その理由は、数日前には、連邦上院多数党(民主党)院内幹事のディック・ダービン連邦上院議員(イリノイ州選出、民主党)をはじめとする民主党議員たちが、マンチンにビルド・バック・ベター法案の賛成投票をクリスマス前までに行うよう強要するよう働きかけていたのを、シューマーが押しとどめていたことだ。
このスタッフによれば、民主党内の進歩主義派の人々がマンチンに賛成させることができなかったことに怒っていることをシューマー知っており、来年のニューヨーク州の連邦上院議員選挙での自身の再選キャンペーンに向けて挑戦者となる候補に付け入る隙を与えないようにするためにシューマーは脅しを始めたのだということだ。
このスタッフは「これはパフォーマンスに過ぎない。上院議委選挙の予備選挙というレンズを通してみないということはできない」と述べた。
アレクサンドリア・オカシオ=コルテス(AOC)連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は連邦下院の中でも主導的な進歩主義派の人物だ。彼女は頻繁にマンチンを批判してきた。AOCは2021年8月、シューマーに対して連邦上院議員選挙民主党予備選挙で挑戦する可能性があることを排除しなかった。
AOCは月曜日、マンチンが「大統領の信頼を著しく損なう行為」を行ったと指摘し、「1カ月以上前に我々が警告していた通りの結果となってしまった」と述べた。
AOCはMSNBCの「モーニング・ジョー」に出演し、次のように述べた。「もちろん、ジョー・マンチンに激怒するのは当然のことだ。しかし、この岐路に立つことを決断したのは民主党指導部であり、今後どのように前進するかについては、民主党指導部が自由に使える非常に多くの手段を持っていると私は考えている」。
彼女は更に「問題について真剣に取り組むべき時だ」と述べた。
連邦上院の民主党進歩主義派の議員たちもまた、マンチンがフォックスの司会者ブレット・ベイヤーにビルド・バック・ベター法案に「ノー」だと言明したことについて、不満を爆発させた。
連邦上院予算委員会委員長バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)は月曜日、次のようにツイートした。「ウエストヴァージニア州の人々も、他の州の人々と同じように考えているのではないかと私は考えている。彼らは、処方薬のコストを下げたいと考えている。メディケアに視力、聴力、歯科の治療をカカヴァーして欲しいと望んでいる。子供一人につき月300ドルの手当を継続させたい。彼らは、富裕層が公正な負担分を支払うことを望んでいる」。
サンダースは、CNNの「ステート・オブ・ユニオン」に出演し、インタヴューの中で、有権者のニーズに応えられない、とマンチンに対する非難を繰り返した。
サンダースは次のように述べた。「マンチン議員は、ウエストヴァージニア州民を代表していると常々言っている。私はマンチン議員に、それでは、ウエストヴァージニア州でこの問題について世論調査をする費用を私が負担しようと言った。ウエストヴァージニア州の人々がどう感じているかを見てみよう」。
連邦上院のもう一人の主要な進歩主義的な議員であるエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)は、マンチンにビルド・バック・ベター法案への投票を強制する、それが複数回になるだろうというシューマーの約束を高く評価した。シューマーはフォックスの番組に出演し、「可能な限り全てのことをやってみた。しかし、私は思うような結果を得られていない」と述べた。それでも、ウォーレンはシューマーを高く評価している。
ウォーレンは次のようにツイートした。「アメリカ国民は、連邦上院が ビルド・バック・ベター計画を実現し、投票権を保護することを期待している。無為無策という選択肢はない。我々の民主政治体制は攻撃を受け、経済は労働者のために機能していない。お喋りはもうたくさんだ。今こそ投票する時だ」とツイートした
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民主党はマンチンの反対を受け、バイデン計画について厳しい選択を迫られる(Democrats
face tough choices on Biden plan after Manchin setback)
ジョーデイン・カーニー筆
2021年12月21日
『ザ・ヒル』誌
https://thehill.com/homenews/senate/586680-democrats-face-tough-choices-on-biden-plan-after-manchin-setback
民主党の指導者たちは、バイデン大統領が求める気候・社会支出に関する大規模な法案を前に、痛みを伴う決断と党内の緊張に直面している。
ジョー・マンチン連邦上院議員(ウエストヴァージニア州選出、民主党)は、「フォックスニュース・サンディ」に出演しインタヴューに応じ、下院が可決した約2兆ドルの法案に事実上終止符を打ち、議会民主党とホワイトハウスが、穏健派議員マンチンとの合意に至らなかったとして非難合戦を繰り広げることになった。
しかし、民主党の指導者たちとホワイトハウスは、自分たちの主要政策の重要な部分を救おうと、何が起こるかわからないという状況に直面しながらも前進することを誓っている。
パトリック・リーヒー連邦上院議員(ヴァーモント州選出、民主党)は、「この法案には、通過させたいものがたくさんある。この法案には、私が支持し、また大多数のアメリカ人が支持していると考えられるものがたくさん含まれている」と述べた。
法案を可決させてバイデンが署名して法律とするために、民主党は、自分たちの最大の優先事項のいくつかが危機に瀕していることを目撃している。保守的な同僚議員たちの動きにますます落ち着きを失っている。不満を募らせている進歩主義派の人々を遠ざけることなく、マンチンの反対に勝つことができる修正法案を考え出す必要がある。
連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は「まだ継続中の交渉は存在する。私たちはこの責務から逃げることはできない」と述べた。
民主党議員はここ約2週間、アメリカ各地に散らばっている状態だ。緊迫した1年を終え、互いに距離を置き、息抜きとブレインストーミングをする時間を得ている。しかし、「ビルド・バック・ベター法案のどの部分が生き残ることができるかを見極めるために、初心に帰る準備をしながら、彼らは既に次のステップの光景を思い浮かべているのだ。
連邦上院財政委員会委員長ロン・ワイデン連邦上院議員(オレゴン州選出、民主党)は、処方薬、クリーンエネルギー、子供税額控除の強化、オバマケア税額控除を結びつけたパッケージを提案している。ワイデンによれば、この法案は、ワイデンが委員長を務める財政委員会がより大規模な法案のためにすでにまとめたのと同じ財源によって、10年間にわたって恒久的に支払うことが可能である。
ワイデンは「民主党は、より多くの支援を必要とする家族に対して重要な公約を掲げている。ここで失敗することは許されない」と語っている。
ニュー・デモクラッティック・コアリション代表のスーザン・デルベネ連邦下院議員(ワシントン州選出、民主党)は声明を発表しその中で、自分たちのグループは、以前から、より少ない分野に焦点を当て、より長い期間資金を提供する法案を要求してきたと述べている。
デルベネは「このようなアプローチを採用することで、この法案を前進させる可能性があると確信している」と述べている。
しかし、デルベネたちが主張しているような小規模な法案がどのような内容になるのか、もしくは実行可能なのかどうかを見極めるのは口で言うほど簡単なことではない。
マンチンは、WVMetroNewsのホッピー・カーチヴァルとのインタヴューで、「喜んでいつでも話し合う用意がある」と述べ、2017年の共和党が連邦上院の各委員会での審議を経て行った税制法案の変更に焦点を当てた劇的な状況の好転を望んでいることを示唆した。ホワイトハウス首席補佐官ロン・クラインはマンチンのこのコメントに注目し、人々の目に留まるように強調した。
マンチンは「チャンスは一度きりだ、いいか?公平で公正な税制に修正するチャンスだ」と語った。民主党所属議員全員が「共和党の減税に関する和解に反対と言っているが、それならば、ただ座っていて公平で公正な税制を修正できるとでも思っているのか?」とも述べた。
ここ数週間、民主党指導部にはマンチン氏を取り込もうとする希望があったものの、ウエストヴァージニア州選出の上院議員マンチンは、両者が「哲学的にかけ離れており」、自分はいかなる社会改革に対しても「責任と説明責任」を求めると述べ、いかに対立しているのかを強調した。マンチンは、就労条件や所得制限の導入を強く求めている。
マンチンは「今、私の目の前にある、彼らが出し続けている法案は、最初は6兆ドル規模の法案だった」と述べた。更に臨時プログラムが延長された場合の推定費用にも言及した。
マンチンはラジオ番組でのインタヴューで、バイデンとの先週の交渉でおよそ1兆7500億ドルの法案について話し合ったことを認めた。『ワシントン・ポスト』紙によると、交渉が決裂する前のマンチンからの提案には、10年間の全幼児向け教育プログラム、オバマケアの拡大延長、気候変動対策への数千億ドルの拠出が含まれていたということだ。
しかし、マンチンからの提案には子供税額控除の延長が含まれていなかったために、ホワイトハウスと子供税額控除を法案に必須と考える多くの民主党議員は、マンチンからの提案を法案に盛り込む修正ができない。
マンチンと進歩主義派の間には深い不信感が既に存在し、気候・社会支出法案の後退は、今年(2021年)の大半を占めた両派の古傷に再び火をつけることになった。
マンチンと連邦議会進歩主義派議員連盟会長のプラミラ・ジェイパル連邦下院議員(ワシントン州選出、民主党)は月曜日に会談を持った。ジェイパルは記者団に対して、「マンチン議員には“誠実さが欠如”していると考える」と語った。
ジェイパルと議連のメンバーのほとんどは、超党派のインフラ法案に賛成票を投じた。この際には、マンチンを含む連邦上院議員のグループと交渉を行った。進歩主義派の連邦下院議員たちは、「バイデンが民主党所属の連邦上院議員50人全員を下院で可決させた大型支出法案に賛成させることができると理解した上で、インフラ法案に賛成票を投じた。
ジェイパルは記者団に対して次のように語った。「法案についての話し合いは今後も継続されるだろう。私たちもそれに関わり続けていく意向だ。しかし、人々を置き去りにし、気候変動のような重要な問題に取り組もうとしない、さらに小さなパッケージで満足しようとは誰も思わないはずだ」。
ジェイパル議員はバイデン大統領に対し、議会が通せない分野については、行政措置で対応するよう求めている。彼女は「私たちとの約束を守ることが大統領にとっての
“責務”である」と述べた。進歩主義派議連は、幹部会合がバーチャルに開催した後、バイデン大統領に何を要望するかについての詳細を発表する予定だ。
ジェイパル議員は次のように語った。「私たちはすぐに仕事を始めることになる。私たちはアメリカ全土のアメリカ国民の生活を改善するための広範な行動を要望することになるだろう。そして、化石燃料産業や大手製薬会社など、大統領の政策を阻止するために懸命に働いてきたロビイストたちに、アメリカ国民には勝てないということを思い知らせる」。
連邦上院多数党(民主党)チャールズ・チューマー連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は進歩主義派に配慮し、マンチンが今年初めに下院で可決された約2兆ドル規模の大型支出法案を支持できないと述べているにもかかわらず、ビルド・バック・ベター法案の複数回の投票を強行すると公言している。しかしながら、民主党は大型支出法案の可決に必要な50票を欠いたままの状態となっている。
シューマーは、「連邦下院で可決されたビルド・バック・ベター法案の修正法案を採決するつもりだ。何かを成し遂げるまで採決を続ける」と述べた。また、マンチンへの皮肉として、「テレビだけではなく、上院の議場で自分の立場を明らかにすべきだ」と異例の強い批判を含んだ発言をした。
シューマーは、法案を進めるのに十分な票数があるかどうかにかかわらず、法案について議場において投票するよう求める声が連邦議会内で大きくなっている中、確実に失敗すると思われる投票を進める決断をした。民主党はフィリバスター(議事妨害)を回避するために、調停制度(reconciliation)を利用するので、支出法案の審議を開始するためには50人の所属議員全員の審議開始への賛成が必要である。
連邦上院予算委員会委員長バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)は複数の同僚議員たちが求めている内容を繰り返して次のように述べた。「ジョー・マンチン連邦上院議員がビルド・バック・ベター法案に反対票を投じたいと望むならば、連邦上院が再開してすぐに議場で採決に投票する機会を得ることができるだろう」。
マンチンは月曜日にラジオ番組に出演し、インタヴューを受けた。その中で、マンチンは次のように述べている。「私は、サンダース議員やその他の同僚議員たちにビルド・バック・ベター法案について投票を行い、何が起きるかを見てみようと述べた。彼らは法案について何の行動も起こせない状況に不満を持っていた」。
「私の同僚議員たちは税印が大きな不満を抱えている。私はそれを理解できる。私は、紳士淑女の皆さん、投票を行う時が来ました、と彼らに言った。前もって何かを保証するなどことはできないが、投票が行われれば、私の居場所は分かるだろう」。
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共和党所属の連邦上院議員がジョー・マンチンに共和党入りについてテキストメッセージを送った(Republican senator texted Joe Manchin about joining GOP)
ジョーデイン・カーニー筆
2021年12月21日
『ザ・ヒル』誌
https://thehill.com/homenews/senate/586798-republican-senator-texted-joe-manchin-about-joining-gop
ジョン・コーニン連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)は火曜日、ジョー・マンチン連邦上院議員(ウエストヴァージニア州選出、民主党)が、連邦下院が可決した「ビルド・バック・ベター」法案への反対表明に対する激しい批判が起きている中、共和党に入ることを促した、と発言した。
コーニンはKXANの取材に対して、マンチンに「ジョー、あの人たちが君を望まないのなら、私たちは望んでいる」とテキストメッセージを送ったが、返事はなかったと述べた。KXANはテキサス州オースティンを本拠とするテレビ局であり、ネクスター・メディア・グループに属している。本紙もこのグループに属している。
コーニンは続けて次のように述べた。「彼がどのような決断を下すか分からない。しかし、ウエストヴァージニア州が共和党優位になっていることを私は良く知っている。だから、彼が共和党に入ることを歓迎する。それによって現在の連邦上院の過半数を持つ党派が変わることになる」。
連邦上院は現在民主、共和両党で50対50に分かれている。カマラ・ハリス副大統領が同数状態を打ち破ることができるため、民主党が過半数を握っている。マンチンが民主党を離れて共和党に参加するとなると、共和党が51議席、民主党が49議席となり、連邦上院少数党(共和党)院内総務ミッチ・マコーネル連邦上院議員(ケンタッキー州選出、共和党)が多数党院内総務となる。
マンチンが所属政党を変更するのではないかという疑いはここ数年、ワシントンで取り沙汰されてきた。
今年初め、マンチンは民主党から離れる意図はないが、自分が民主党に属していることで同僚たちを「困らせる」ようであれば、民主党を離党して無所属になると、同僚たちに述べたことを明らかにした。
しかし、無所属になっても、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出)とアンガス・キング(メイン州選出)のように、連邦上院で民主党の会派に参加するだろうとマンチンは述べた。そうであれば、民主党はギリギリで過半数を握ることになる。
月曜日に、WV Metronewsのホッピー・カーチェヴァルから、「民主党にあなたの居場所はまだあるか」と質問され、マンチンは「私のような感覚を持つ民主党員がまだいることを期待したい。私は、財政的な責任を果たし、社会的な思いやりのある行動を取ると言ってきた。今、そのような民主党員がいなければ、彼らは望むところまで私を押し切り続けることになるだろう」と答えた。
共和党は何年も前からマンチンを勧誘してきたが成功しなかった。
先週、マコーネルは記者団に対して次のように語った。「私は彼との話し合いを楽しんでいる。私は何年も前から、ウエストヴァージニア州のような赤の濃い州(共和党優勢州、red state)を代表しているマンチン議員が私たちの側に来るのは素晴らしいアイデアだと提案してきた。このことには皆さんも驚かないだろう。しかし、彼が共和党に入党するということは起きるとは私は考えていない」。
今週、フォックスニュース・ラジオの番組に出演した際、マコーネルは、民主党所属議員たちが、「マンチンに対して人々は大いに不満を持っている」と激しく非難していることについて疑義を呈し、「マンチンは同僚議員たちからの様々な暴言にショックを受けている。民主党の議員たちはマンチン議員を嘘つき呼ばわりしている」と述べた。
マコーネルは更に、「そのような行動は全くもって賢明とは言えない。現在の連邦上院の両党の議席数は50対50なのだから」と述べた。
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