古村治彦です。

 ロシアによるウクライナ侵攻は2週間ほどが経過し、ロシア軍の苦戦、ウクライナ軍とウクライナ国民の必死の抵抗が伝えられながら、事態はウクライナ側にとっては好転していない状況となっている。ウクライナ軍とウクライナ国民の戦いは歴史に残るものだ。しかし、ウクライナ軍の装備や武器、練度をロシア軍と比較するならば、劣勢に立たされているのも事実だ。ウクライナ軍とウクライナ国民が必死に抵抗を続ける中で、ウクライナ政府は、EUNATOをはじめとする西側諸国からの局面を打開する支援を求めている。飛行禁止区域の設定、更にはより強力な武器の供与を求めている。しかし、それらはことごとく、撥ねつけられている。率直なことを言えば、西側諸国は口では頑張れ頑張れと調子の良いことを言いながら、ウクライナを見捨てている。

 西側諸国を口先だけと責めることは簡単だ。しかし、もしアメリカ軍の将兵が派遣され、ロシア兵と交戦し、双方に犠牲者が出る場合、事態をコントロールして無事に終わらせることが確実ではなく、事態がエスカレートするという可能性も十分に考えられ、そうなれば第三次世界大戦となり、核戦争にまで発展するということもあり得る。そのリスクを西側諸国は追うことはできない。何とも厳しいジレンマに陥ってしまうが、それでも世界大戦を回避する方向に進むのが慎重な判断ということになる。

 下に貼り付けた一連の記事を見れば、イギリスがとんだ頓馬っぷりを遺憾なく発揮していることは明らかだ。他の西側諸国は慎重に行動しているが、イギリスはぱーぱー口先だけで勇ましい。それでコモンウェルスだ、大英帝国だとは笑止千万でしかない。ウクライナのゼレンスキー大統領はイギリス議会でインターネットを通じて演説を行ったようだが、そのセリフはウィンストン・チャーチルの有名な演説の一節をオマージュしたもので、それほどにイギリスに気を遣って頼っているが、イギリスは口だけだ。昔からそうだ。現在の中東情勢にしても、イギリスが原因を作ったようなものだし、もっと言えば、イギリスが現在の世界の紛争のいくつかの原因を作っている。

 今回、戦闘機も供与できない、飛行禁止区域を設定することもできないとなれば、ウクライナ側の劣勢を逆転する方法を見つけることはかなり難しい。ロシア軍に出血を強要して時間を稼ぐということしかないが、そうなればどれほどの犠牲と破壊が生じるかということを考えると、勇ましいだけが国家指導者の姿勢ではない。交渉の条件と戦いの潮時、そして何よりも国民の犠牲を考慮し判断を下すしかない。残念なことだがウクライナのゼレンスキー大統領は西側から逆転のための支援は期待できない。その点は大統領自身も分かっていると思う。後は彼がどのように判断し、決断を下すかだ。

(貼り付けはじめ)

●「米、ウクライナへの戦闘機提供を断念 ロシアとの緊張高めると判断」

3/10() 6:30配信

https://news.yahoo.co.jp/articles/32f69c7a5834c677d699293fe2c052e87166a885

 米国防総省のカービー報道官は9日、ポーランドが保有する旧ソ連製の戦闘機をウクライナに提供する計画への関与を断念する考えを表明した。ウクライナへの侵攻を続けるロシアとの緊張を高めるリスクが高いと判断したという。

【写真】ロシアの戦闘機。最新鋭の装備を持つのに、なぜ今も制空権を奪えないのか? 元米軍パイロットの分析は

 オースティン米国防長官が同日、ポーランドの国防相と協議し、米政府として戦闘機を提供する計画を「支持しない」と伝えた。ウクライナは戦闘機の提供を強く求めてきたが、これで計画は白紙となった。

 米国とポーランドの間では、ポーランドが保有する旧ソ連戦闘機「ミグ29」をウクライナに送る計画が検討されていた。だが双方とも、ウクライナへの提供役を担うことでロシアからの反発を呼ぶと懸念し、具体的な運搬ルートを決められずにいた。

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●「ウクライナ大統領、ポーランド戦闘機の早期供与訴え 独加は反対」

3/10() 1:28配信

AFPBB News

https://news.yahoo.co.jp/articles/4b7490a61b9beaa2d73a0d39f7b434d609308cfa

AFP=時事】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は9日、同国に戦闘機を供与するというポーランドの申し出について、早急に結論を出すように西側諸国に求めた。ただドイツとカナダは、この提案について否定的な見方を示した。

 ゼレンスキー氏はメッセージアプリのテレグラム(Telegram)で配信した動画で、「いつ決めるのか? われわれは戦争中なのだ」と述べ、決断を急ぎ戦闘機を送るよう訴えた。

 欧米の同盟諸国は、ウクライナに対戦車ミサイルや対空ミサイルなどの兵器を供与しているが、戦闘機についてはロシアとの対立拡大を恐れて供与に踏み切っていない。

 ポーランドは、同国保有の旧ソ連製戦闘機「ミグ29MiG29)」を独南西部ラムシュタイン(Ramstein)にある米空軍基地を経由してウクライナに輸送し、見返りに米国製戦闘機「F16」を受け取る案を提示。だが米国は8日、この提案を拒否していた。

 ドイツのオラフ・ショルツ(Olaf Scholz)首相は9日、首都ベルリンでカナダのジャスティン・トルドー(Justin Trudeau)首相と開いた共同記者会見で、戦闘機供与に反対の姿勢を表明。トルドー氏も、戦争を「拡大・悪化」させる恐れがあると警告した。【翻訳編集】 AFPBB News

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●「英「ポーランドを支援」 ウクライナへの戦闘機提供で」

3/8()  時事通信

https://news.yahoo.co.jp/articles/40e553bc8c368962d1bc4351c475cf246605642e

 【ロンドン時事】英国のウォレス国防相は8日、ポーランドがウクライナに戦闘機を提供すると決定した場合はそれを支援すると明言した。

 ロシア軍の侵攻を受けるウクライナへの軍事支援をめぐっては、ポーランドが米国からF16戦闘機を取得する見返りに、旧ソ連製の航空機をウクライナに送る計画が検討されている。

 国防相はスカイニューズとのインタビューで、「ポーランドがどんな選択をしても支援する。同じ北大西洋条約機構(NATO)加盟国として、ポーランドの側に立つ」と表明。一方、ウクライナに戦闘機を供与すれば「ポーランドがロシアやベラルーシとの直接の戦闘に巻き込まれる可能性もある」と述べ、実施に当たっては細心の配慮を払う必要があるとの認識も示した。 

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●「ウクライナ大統領、西側諸国の「約束」不履行を非難」

3/8() 20:38配信

AFP=時事

https://news.yahoo.co.jp/articles/ef4a7bc265a6720e4064753eec6488bc9b5fdd15

AFP=時事】ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は8日、ロシアの攻撃からウクライナを防衛するため西側諸国が行った「約束」が守られていないと非難した。

 大統領はテレグラム(Telegram)で配信した動画で「13日間、われわれは約束を聞き続けてきた。13日間、防空支援を受けられる、航空機が提供されると言われ続けてきた」と述べた。

 状況の打開につながっていないことについて大統領は、「その責任は、13日間で決断を下せなかった西側諸国の人々」や、「ウクライナ領空をロシアの暗殺者から守れていない人々」にもあると指摘した。【翻訳編集】 AFPBB News

(貼り付け終わり)

(終わり)

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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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