古村治彦です。

 ロシアによるウクライナ侵攻発生以降の西側諸国の右往左往ぶりには辟易する。対ロシア制裁でロシアを締め上げて、ロシア軍を敗北させるぞと意気込んでみたものの、ロシアのウラジミール・プーティン大統領が核兵器を使用するかもしれないという考えにブルってしまい、急にトーンダウンしてしまっている。ロシア軍が敗北するということはプーティン大統領にとっては大打撃であって、失脚することになる。そうなればロシアの政治体制が大きく変更されるなどと言うことは誰でも予想できることで、そこまで見越して対ロシア制裁をやっているのかと思えば、ロシアの政治体制変更は困るという訳の分からない対応になる。ロシアに西洋流の民主政治体制を構築することはアメリカのネオコンや人道的介入主義派の願いである。その通りになりつつあるが、彼らの危険性に今頃になって気づきましたでは笑止千万、話にならない。勢い込んでロシア制裁をやって団結して頑張りましょう!とお調子者がやってみたら、はっと気づいたら世界大戦の危機になっていました、である。馬鹿じゃないの、の一言だ。小林信彦だったか、太平洋戦争末期、空襲で焼け野が原になった日本国内、特に東京で流行した言葉に「みっともなくってしゃーねーな(みったしゃねー)」というものがあったと書いていた記憶がある。まさに「みっともなくてしゃーねーな」だ。

 レジーム・チェンジ(regime change)という言葉が使われているが、ここが日本語のいい加減なところ(良い意味でも悪い意味でも)と言うべきか、「体制転換」と「政権交代」の2つの訳し方がある。政権が交代することはトランジション(transition)という言葉が使われることが多く、レジーム・チェンジは体制転換が主な意味である。比較政治学の世界、特に最近では、体制転換とは多くの場合、非民主的な体制から民主的な体制に転換するということを意味する。民主化(democratization)という言葉にもなる。民主化には、「非民主政治体制の崩壊(breakdown of nondemocracies)」、「民主政治への意向(democratic transition)、「民主政治の確立(democratic consolidation)」という段階を踏む。

 サミュエル・ハンチントンは『第三の波―20世紀後半の民主化』(原著1991年、翻訳1995年)という著書の中で、世界規模で見ると、世界はこれまで民主化の波(wave of democratization)と民主化の引き波(reverse wave of democratization)を繰り返しており、1974年のスペインとポルトガルでの民主化から第三の民主化の波が始まったとしている。民主化は多くの場合、その国の国民の自発的な動きという装いがなされるが、多くの場合、外国、特にアメリカの介入によって引き起こされている。

 こうした内容は拙著『アメリカ政治の秘密』で説明した。このブログを読んでいる皆さんが私の本に全く興味を持っていないということはよく分かっているので、内容をかいつまんで書いた。愚痴を言うと、まぁこれだけ情報や分析を書いても私の本の売上にはつながらない(アマゾンでの順位を見る限り)というのは、よほどケチで情報をただ見して恬として恥じない方が読んで下さっているんだろうことが分かる。考えや感性は人それぞれなのでそれはそれで構わないが、自分がやっていることとは何なのか、徒労感がおおきくなっている。全部は自己満足であり、ただ書いておきたいということでもあるのだが。以上、愚痴でした。

 噺を戻すと、ジョー・バイデンの外交音痴ぶりと頭の悪さにも驚かされる。あれだけの政治経験があり、連邦上院議員時代には外交委員長も務めたはずなのに、言葉が軽く、非常にハラハラさせられる。アメリカの終わりの始まりを象徴するにはこれ以上ないじんぶつではあるが。

(貼り付けはじめ)

●「バイデン米大統領、プーチン氏巡る発言で釈明-同盟国からも苦言」

3/28() 7:25配信

Bloomberg

https://news.yahoo.co.jp/articles/b95b0090081cc6feaaaed6a3b861ae53580f4357?page=2

バイデン氏は、インフレ高進、ガソリン価格急騰、経済アジェンダの議会での行き詰まりなど、11月の中間選挙を前に国内の課題が山積している。そうした中で危険を招きかねないプーチン大統領との対立をさらにあおることはリスクを伴う。

バイデン氏の発言に対するロシア大統領府の公のコメントはほとんど出ていない。ただ、米国と同盟国はウクライナ侵攻をやめさせるだけではなく、プーチン政権の排除も目指しているとするロシア側の主張を後押ししかねないと、欧州の同盟国は警告した。

マクロン仏大統領は「言葉や行動で事態をエスカレートさせるべきではない」とフランスのテレビで発言。ザハウィ英教育相も、プーチン氏の将来は「ロシア国民が決めることだ」と述べた。

米外交問題評議会(CFR)のリチャード・ハース会長はツイッター投稿で、バイデン氏の発言が「難しい状況をさらに難しくし、危険な状況をさらに危険にした」と指摘。大統領はダメージの修復に動く必要があると述べた。

NBCニュースの世論調査によると、バイデン氏の支持率は欧州訪問前に過去最低の40%に低下。ウクライナ情勢に対するバイデン氏の対応を大いに信頼すると回答したのは12%にとどまった。80%余りはウクライナでの戦争が核兵器の使用につながるのではないかと心配しており、74%は米国がウクライナに戦闘部隊を派遣する可能性を懸念している。調査は成人1000人を対象に1822日に行われ、誤差率はプラスマイナス3.1ポイント。

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●「演説草稿になかった「権力の座に」発言 直後に波紋、軌道修正の実情」

3/27() 8:32配信

朝日新聞デジタル

https://news.yahoo.co.jp/articles/0950b1dcba7ce624c251e773770a5959b031d6e4

 ロシアのウクライナ侵攻をめぐり、バイデン米大統領は26日、訪問先のポーランドの首都ワルシャワで演説した。バイデン氏は「非難されるべき人物は、ウラジーミル・プーチンだ」などとロシアのプーチン大統領を厳しく批判したうえで、「この男が権力の座にとどまり続けてはいけない」と語った。

 バイデン氏は演説で、「帝国を再建しようと決心している独裁者であっても、人々の自由に対する愛を消し去ることは決してできない。ウクライナはロシアに絶対に敗北しない」と強調。「我々には民主主義に根差した明るい未来がある」と述べたうえで、プーチン氏について「権力の座にとどまり続けてはいけない」と語気を強めた。

 バイデン氏のこの発言は、米政権がプーチン政権の体制転換を目指しているとも受け取られかねず、演説直後から波紋が広がった。ロシアのペスコフ大統領報道官は、ロイター通信の取材に対し、プーチン氏が権力の座にとどまり続けるかどうかについては「バイデン氏が決めることではない。ロシア大統領はロシア人によって選ばれる」と反発した。

■「第3次世界大戦を招きかねない」

 米政権はウクライナを軍事支援しているものの、ロシアと直接対峙(たいじ)すれば第3次世界大戦が起きかねないとして米軍をウクライナに派遣していない。プーチン政権の体制転換も目指していないのが実情だ。

 波紋を広げた演説の直後、米ホワイトハウス当局者は声明を発表し、「バイデン氏の論点は、『プーチン氏は彼の隣国や地域で権力を行使することは許されていない』という点だった。バイデン氏は、プーチン氏の権力や体制転換について話していない」と軌道修正を図った。

 米メディアによると、バイデン氏の「この男が権力の座にとどまり続けてはいけない」という発言は、事前に用意されていた演説草稿にはなかったという。バイデン氏が故意で発言したのか、失言したのかは不明だが、ロシア側に「米政権はロシアの体制転換を図っている」という口実を与え、今後政治利用される恐れがある。

 バイデン氏は最近、プーチン氏への非難を強めており、「人殺しの独裁者」「悪党」「戦争犯罪人」と発言している。26日の演説に先立ち、ウクライナから逃れた難民たちが滞在しているワルシャワ国立競技場を訪問した際も、プーチン氏を「虐殺者(butcher)だ」と非難した。

(貼り付け終わり)

(終わり)


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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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