古村治彦です。

 2024年はアメリカ大統領選挙の年だ。アメリカ大統領選挙は、まず民主、共和両党の候補者を決める予備選挙が実施される。その後に本選挙が実施され、大統領が決まる。各党の予備選挙は党員集会形式と予備選挙(選挙)形式の2種類がある。予備選挙は来年2月から始まり、だいたい各党の氏名候補者が決まるのが夏頃、その後に選挙戦があって、11月初めに本選挙の投開票が実施される。今年(2023年)いっぱいは予備選挙のための選挙運動期間ということになる。

 現職のジョー・バイデン大統領は2期目を目指して選挙に立候補する公算が高い。現職大統領が2期目を目指す選挙だと現職が圧倒的に有利だ。まず党の予備選挙では有力な対抗馬が出ないので、活発に活動しなくても、ほぼ自動的に指名候補になる。今回、民主党はバイデンが立候補すれば討論会を行わず、予備選挙を簡単に済ませようとしている。「民主」という言葉が付いている政党にとってあるまじきことだ。「他に有力な候補者が出ないんだから仕方がない」というのを理由にするだろうが、それは間違っている。バイデンが未だに立候補表明しないのは、他の有力な人物たちを動けないようにするためだ。そうしておいて、頃合いで自分が立候補して「有力候補は自分だけだから予備選は簡単に」なるように狙っている。それに立ちはだかるのがロバート・F・ケネディ・ジュニアだ。
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 ロバート・F・ケネディ・ジュニアの出馬は、民主党側からも「アメリカ・ファースト」の動きが出てきたということになる。「アメリカ・ファースト」とは「外国のことではなく、アメリカ国内のことを第一に考えよう、アメリカ国内の諸問題を解決しよう」ということであり、「アメリカ国民の生活が第一」ということになる。2010年代前半の日本の民主党もそうであったが、「国民の生活が第一」というグループと裏では自民とつながって財務省の言いなりで国民を見捨てるグループ(こちらが主流)に分裂したが、それと似たような状況になっている。国民生活を第一に考える政治家たちが少数派となり、自分たちの権力維持と良い生活の維持しか考えない政治家たちが主流派となる。アメリカ民主党も昔は庶民の党であったが、今や表面上だけ貧乏人の味方をするエリートたちの政党になっている。それに対する戦いが民主党内で始まろうとしている。ロバート・F・ケネディ・ジュニア待望論は高まりつつある。
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(貼り付けはじめ)

ロバート・F・ケネディ・ジュニアが2024年米大統領選挙民主党指名候補者になる私が考える理由(Why I believe RFK Jr. will be the 2024 Democratic nominee

ダグラス・マッキノン筆

2023年5月27日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/campaign/4020920-why-i-believe-rfk-jr-will-be-the-2024-democratic-nominee/

2016年大統領選挙のドナルド・J・トランプの当選という衝撃が私たちに教えているのは、有権者の動きは予測不可能であり、世論調査ではつかめないものだということ、そして、数百万の有権者たちが、民主、共和両党の考えが凝り固まったエリートたちはもはや自分たちの声に耳を傾けることはない、そして自分たちのための語ったりはしないという確信を持っているということだ。

有権者たちは自分たちの新しい保護者を探し続けているところだ。ロバート・F・ケネディ・ジュニアはそのような保護者になれるだろうか? 私はなれると考えている。少なくとも民主党予備選挙が実施される限りにおいては。

民主党予備選挙のプロセスが最終的に終了し、全米各州での予備選挙と党員集会の総投票が集計された時、私はケネディが2024年の大統領選挙の民主党氏名候補として浮上すると確信を持っている。

笑い声と侮蔑の声が聞こえてきそうだ。多くは左派からだが、右派からもある。両極化が進む現在においては、全てがイデオロギー、部族主義、怒り、憎しみ、そして自分とは反対の声を真っ向から否定するプリズムを通して物事が見られている。しかし、そのような歪んだプリズムを捨てて目を開けば、あまり目立たない(あるいは最も嘲笑される)ものが正解かもしれないという事実、数字、現実的な理由がまだ存在するのである。

私がケネディの大統領選挙候補者指名を予想する第一の理由は、ジョー・バイデン大統領が本当に再選を目指して出馬するとはまだ思えないということである。

バイデンの年齢が2024年の選挙戦の障害となることについては、『フィナンシャル・タイムズ』紙の「ウィークエンド・フェスティヴァル」欄でこのことについて質問された元民主党大統領選挙候補者のヒラリー・クリントンが、「彼の年齢が問題だ(His age is an issue.)。そして、人々はそれを考慮する権利がある(And people have every right to consider it)」と発言している通りだ。

今週発表されたキニピアック大学の世論調査では、有権者の65%がバイデン(現在80歳)は2期目を迎えるには年を取りすぎていると思うと回答している。この比率は今後も上昇する可能性がある。

しかし、今のところ、バイデンは再選を目指して出馬する意向を表明している。そこに、私が最終的にケネディが候補者になると考える2つ目の理由がある。バイデンが予備選挙に出馬する態度を取り続けることで、カマラ・ハリス副大統領、カリフォルニア州知事ギャヴィン・ニューサム、ピート・ブティジェッジ運輸長官、あるいはミシェル・オバマ元大統領夫人など、態度を表明していない民主党候補のチャンスを損なうことになる。

バイデンが他の可能性のある候補を迷わせている間、ケネディは全米を飛び回り、与えられたほとんど全てのメディア機会、特にフォックス・ニューズや『ニューヨーク・ポスト』紙のような右派のメディアからの取材を受け続けることができる。

もちろん、ケネディが保守的なメディアに登場する理由の1つは、今や活動家のようになっている主流メディアの多くが彼に登場する機会と場所を与えることを拒んでいるからだ。

1975年、76年、元ジョージア州知事ジミー・カーターが、ホワイトハウスを目指す、可能性の低い選挙戦を展開した時、メディアの一部は、カーターに場所と時間を与えることを拒否した。しかし、それはカーター元知事の選挙戦を冗談としか思っていなかったからであり、個人的あるいは思想的にカーターの政策に反対していたからではない。

今日、多くのメディアがケネディの出演を拒んでいるのは、彼が新型コロナウイルスをきっかけに行われたロックダウン、マスクとワクチンの義務付けに対して、敢えて疑問を呈したことに憤慨しているからだ。加えて、彼らの多くはバイデン率いるホワイトハウスのために、ケネディ・ジュニアを邪魔しようとして干渉しているだけだと私は考える。

しかし、繰り返しになるが、イデオロギー的な目隠しを顔に永久に装着して妄信したままで、政治プロセスを見ることは、本当に危険だ。最高裁判事ニール・ゴーサッチは最近、タイトル42(公衆衛生法第42条)の公衆衛生命令をめぐる訴訟で、新型コロナウイルス感染拡大時に市民の自由がいかに踏みにじられたかを痛烈に慨嘆する声明を発表した。

「アメリカの平和な時代の歴史の中で、市民的自由に対する最大の侵害を経験した」かもしれないとロバート・F・ケネディ・ジュニアは書いている。彼は続けて「知事や地方自治体の指導者たちは、人々に自宅での生活を強いるロックダウン命令を出した。公的・民間を問わず、企業や学校は閉鎖された。教会も閉鎖され、カジノや他の嗜好に関する商売は許されても、教会は閉鎖された。違反者には民事罰だけでなく、刑事罰も科すと脅された」と書いている。

現在、ケネディ・ジュニアを「反ワクチン主義者」と非難する左翼の多くにとって見れば、これらの強権的な行動に何の問題もないのかもしれない。しかし、どうだろうか? 何千万人ものアメリカ人にとっては問題だったし、今もそうだ。

このようなアメリカ人は、リベラル・メディアのブラックアウトに直面しながらも、全米を席巻するケネディの声を聞くことに非常に前向きだ。

ケネディ・ジュニアが勝利すると私が信じる次の理由は、彼がメディアの一部で信じられている「ワンイッシュー」候補とはかけ離れている存在だということだ。ケネディ・ジュニアは、有権者の大多数が解決を望んでいる複数の問題、つまり、長年にわたって彼らの生活の質を狂わせてきた問題に取り組んでいる。

ケネディの "エース "は、シンプルなキャンペーンメッセージかもしれない: それは「真実を語れ(Tell the Truth)」だ。ケネディは、1960年代に父親が行ったように、ワイシャツの袖をまくり上げ、国民と正直に対話することを約束している。

次に、ケネディという名前と、彼自身が表明している価値観から、ロバート・F・ケネディ・ジュニアは、民主党支持層の大部分を占める黒人、ヒスパニック、権利を奪われた有権者たちに多大な影響を与えるだろう。

ケネディがニューヨーク・ポストの編集委員会と会見した後、編集委員会は「ケネディには真の信念とカリスマ性があり、民主党に君臨する多くの信条から大きく独立している。それら全てが魅力的だ」と書いている。

モンマス大学の最新の世論調査では、アメリカが正しい方向に向かっていると答えた回答者はわずか16%であることを考えると、ケネディ・ジュニアのメッセージは最も魅力的であるはずだ。

わずか16%なのだ。

そのニューヨーク・ポストの社説の見出しはこうだ。「バイデンはロバート・F・ケネディ・ジュニアの挑戦を無視する愚か者(a fool)だ」。その「愚か者」のリストに、私は活動家的なメディアと民主党を加えたい。ケネディを非難するのは自由だが、ケネディの現実的な声は、保護者を求めるより多くのアメリカ人に届き続けているため、バイデンに対してすでに20%の支持を獲得している世論調査の結果も出ている。

※ダグラス・マッキノン:政治・コミュニケーションコンサルタント。ロナルド・レーガン、ジョージ・HW・ブッシュ(父)時代のホワイトハウスのスピーチライティング・ティームの一員。ブッシュ(父)政権の最後の3年間は国防総省の政策・コミュニケーション分野の特別顧問を務めた。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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