古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。よろしくお願いします。

カテゴリ: アメリカ政治

 古村治彦です。

 

 少し古い記事ですが、『フィナンシャル・タイムズ』紙に掲載された優れた政治分析記事をご紹介します。これは昨年のアメリカ大統領選挙以来の世界的な政治の流れを的確につかんでいる記事だと思います。

 

 昨年の大統領選挙では、共和党のドナルド・トランプと民主党のヒラリー・クリントンの戦いとなりました。日本でも報道されましたが、トランプを支えたのは、ラストベルトと呼ばれるアメリカの工業地帯の白人労働者たちで、元は民主党を支持していた人々です。彼らは民主党の実像に失望し、民主党も含めて既存のワシントン政治を壊して欲しいということで、アウトサイダーであるトランプを応援しました。

 

 共和党は金持ちのための党、民主党は貧乏人や弱い人のための党というのがこれまでのイメージでしたが、これが崩れてしまいました。ヒラリー・クリントンは口を開けばきれいごとばかりでしたが、実際には史上最高額の政治資金を集め、しかもそれは一般国民からの少額のお金が多数集まったものではなくて、大富豪たちからのものでした。エスタブリッシュメントという言葉が日本でも報道されましたが、民主党はきれいごとを言って貧乏人や弱い人たちから票を集めながら、実際にはエリートや大富豪たちの意向が反映される党になってしまった、ということをアメリカの有権者、特に元々民主党を支持していた人々が見抜いてしまったのです。

 

 そうした人々にとっての希望はバーニー・サンダース連邦上院議員でした。サンダースは民主党員ではなく、彼もまたアウトサイダーでした。サンダース支持は広がり続けましたが、それに危機感を覚えたのがエスタブリッシュメントの意向を受けた民主党全国委員会でした。民主党全国委員長がサンダースの躍進に危機感を持って、その阻止のためにウゴていたということが民主党大会の前に暴露されました。これがヒラリー敗北の理由の1つであったと私は考えます。また、民主党の予備選の場合、特別代議員といって、連邦議員や州知事などが特別に代議員になれる制度があり、これもまた民主的ではないとして、顰蹙を買いました。

 

 民主党は敗北すべくして敗北しました。これは2012年の日本の民主党(当時)にも言えることです。「国民の生活が第一」というスローガンを掲げながら、それを裏切り、内紛ばかり起こし、結局、自民党にすり寄るような形になって、民主党政権は崩壊しました。その時の傷はいまだに回復していません。人々の期待を受け止めることができる態勢になっていません。

 

 イギリスの総選挙で労働党が社会主義者を自称するジェレミー・コービン党首の下、相躍進を遂げました。サンダースもそうですが、コービンもまた若者たちから支持を集めています。トランプもサンダースもコービンもエスタブリッシュメントに反対する人々の声をうまくすくい上げています。それは、自分たちの生活を少しでも良くしてほしいというものです。彼らは別に国家の威光を高めるとか、外国と戦争をするとかそんなことを望んでいません。そんなことに使う金があったら、自分たちに回して欲しい、そのようになるように既存の政治を変更して欲しいと望んでいます。日本でもそのような声が高まるでしょう。

 

安倍首相に対する逆風が大きくなっていますが、これは森友学園と加計学園の問題や、閣僚たちの相次ぐ不祥事だけでなく、アベノミクスになっても自分たちの生活が良くならないのはどうしてなのか、社会保障の負担だけは上がっていくのに、という不満が根底にあるように思います。

 

 そうした中で、民進党は「国民の生活が第一」路線に戻して、もう一度再分配見直しを主張すべきです。そこで、自民党との違いを打ち出すべきです。そこで参考になるのは、イギリスやアメリカで成功したケースです。

 

 トランプのスローガンで有名になった「アメリカ・ファースト」ですが、これは、「アメリカ国内にある多くの問題の解決を第一にしよう、最優先にしよう。アメリカ国民の生活を第一に考えよう」という意味です。ですから、2009年の民主党はこのことを先取りしていたのです、そして、途中で内部の無能な政治家たちにこのことを放棄させられたのですから、もう一度これを復活させるようにすべきです。そのために、古い革袋に新しい酒を入れるのではなく、新しい革袋に古い酒を入れる、つまり古くからいる執行部の面々の交代が必要だと考えます。

 昨日、民進党の蓮舫代表が辞任を表明しました。野田佳彦幹事長も既に辞任を表明しています。2人の決断に敬意を表したいと思います。民進党が新規まき直しで、自民党を追い込み、自民党に対抗できる受け皿となることを期待しています。野党共闘も含め、これからあらゆる戦術、戦略を駆使して、自公維新と対峙し、憲法改定阻止、そして将来的には政権の座を目指していただきたいと思います。


 
 

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民主党のポピュリスト左派への旅路(The Democratic journey to the populist left

―サンダースが優勢に立ち、クリントン流の漸進主義は死んだ

 

エドワード・ルース筆

2017年6月21日

『フィナンシャル・タイムズ』紙

https://www.ft.com/content/f69b4b68-55d0-11e7-9fed-c19e2700005f#myft:saved-articles:page

 

バーニー・サンダースが再び中心に戻っている。中道派の民主党員であるジョン・オソフが火曜日に開票されたジョージア州の連邦下院議員補欠選挙で勝利していたら、民主党のクリントン派(Clintonite)が本当の勝利者ということになったであろう。オソフは、「トランプをイライラさせてやる」と公約していた。しかし、結果はトランプを喜ばせることになった。民主党はドナルド・トランプに対して道徳的な勝利を得ようと躍起になっている。しかし、民主党はこれまで勝利を収められないでいる。補欠選挙の結果によって、混乱し、指導者不在の民主党をコントロールするための戦いに民主党が敗れたということが失望感を蔓延させている。t

 

民主党にとって最大の痛手となった攻撃はもちろん昨年11月のヒラリー・クリントンの敗北だ。彼女を支援した人々は今回のジョージアの補選に大量の資金を投入した。投入された資金量はアメリカ史上最高額となった。しかし、資金が情熱の代りをすることはできなかった。オソフが勝利をしていれば、民主党内部の、エマニュエル・マクロン流の実践的な派閥が勝利を得ることができたということになっただろう。そうすれば共和党の議員たちはトランプ大統領から離れる勇気を持つことができたことだろう。オソフが勝利していたら、トランプの健康保険改革は葬り去られていたことだろう。選挙の結果を受けて、健康保険改革法案は可決される可能性が高まった。こうした状況の中で、トランプ大統領は勝利を収め続けている。

 

それでは誰がトランプを止められるか?マクロン流の民主党員たちでないならば、ジェレミー・コービンのようなタイプの民主党員たちであろう。彼らの進む道にある障害物は取り除かれつつある。彼らの主要な協力者はトランプ自身だ。トランプ大統領は民主党に大打撃を与えたが、それと同じくらい共和党を破壊しつつある。トランプは自身の支持基盤からの熱烈な忠誠心と同じくらいのエネルギーを反対者たちからもたらされている。民主党のエスタブリッシュメントは機能不全に陥ったままで、崩壊に瀕している。エスタブリッシュメントの敗北は、トランプによるアメリカ政治の再構築の中で次に起きる重要な出来事ということになるだろう。

 

最近のイギリスの総選挙の結果は、アメリカ国内のコービンと似た人々にとって有益な示唆を与えている。専門家たちは、コービンが労働党にとって最終兵器になるということを理解できていなかった。専門家たちはこの現象を誤解していたようにも思える。アメリカにおけるコービンに匹敵する人物であるサンダースのように、労働党党首コービンは人々を熱狂させる。これは専門家たちの持つ知識や経験を超えるほどのものであった。彼らはその凄まじさを理解できなかった。 私は、強力な労働党が示しているのは、有権者たちが鉄道を再び国有化して欲しいと願っているということだとは思わない。民主党についても同様だ。しかし、私が分かっているのは、コービン重要な選挙で投票率を大幅に上昇させたということだ。対照的に、マクロン率いる政党はフランス史上最低の投票率の選挙で議会の過半数を握った。史上最高額の政治資金を受けたオソフ候補の応援のためにヒラリー・クリントンがジョージア州第六区を訪問しても、彼は勝利できなかった。

 

サンダースは若い人々を元気づけ、動員している。サンダースの存在の素晴らしさを知るためには、2020年の民主党の大統領選挙候補者となり得ると考えられている人々を見ることだ。その多くが若い連邦上院議員たちだ。ニューヨーク州選出のクリスティン・ジルブランドやカリフォルニア州選出のカマラ・ハリスといった人々だ。彼らはまだまだ経験不足であり、大統領選挙の予備選挙に出たことすらない。彼らは政治家であるから、人々の前で演説し、人々を盛り上げようとして腕を振り上げることはある。しかし、これはサンダースのやり方そのものだ。彼らの姿勢はこうしたものの真似だ。大学の学費無償化と国民皆保険は草の根運動の人々の要求だ。クリントン流の漸進主義は敗北したのだ。

 

アメリカのポピュリスト左派の台頭には1つの大きな問題が残っている。サンダースは次の選挙で79歳となる。彼は次の大統領選挙にも再び出馬したいと意欲を見せている。79歳と出馬となると、アメリカ史上最高齢の大統領、二期目終盤のロナルド・レーガンよりも高齢となってしまう。サンダースは彼の支持者の中にいる時と同じく、民主党エスタブリッシュメント1%の大富豪たちの中にいても、自分の持つ情熱を示し続ける。

 

サンダースが民主党の大統領選挙候補者に指名されるような状況ならば、第三党からの出馬ということも起こり得るだろう。前ニューヨーク市長マイケル・ブルームバーグは2020年にはサンダースよりも少し若い78歳となっている。トランプは74歳で彼らに比べて若い。この三つ巴の戦いとなったら、トランプの再選は固いだろう。

 

現在の政治は気まぐれで移り変わりの激しい状況にある。民主党のエスタブリッシュメントは崩壊に瀕しているのなら、どうしてサンダースを止めようとしないのだろうか。多くの大富豪たちが夢見ていることが、トランプの勝利で現実のものとなった。プロバスケットボールNBAのダラス・マーヴェリックスのオーナー、マーク・キューバンについて考えてみよう。フェイスブックの共同設立者マーク・ザッカーバーグはどうだろう。オプラ・ウィンフリーについてはどうだろう。ゲームのルールがこのような速度で変化し続けている状況で、木の葉がどこに落ちるかなんてことを予測することは無駄なことだ。

 

しかし、これは大変に興味深いことだ。現代は注意欠陥・多動性障害(流動性の大きい)の時代だ。そうした時代にアメリカは人々を楽しませることができる大統領を戴いている。民主党はトランプのそっくりさんを見つけることができるだろうか?当面の間、その人物はサンダースということになる。コービン同様、サンダースは真摯な態度を崩さない。屋根裏部屋に閉じこもっている奇矯なおじさんがそうであるように、彼は聴衆によって話す内容を変えるようなことはしないし、できない。サンダースの経済に関する考えは幼稚で危険なもののように見られるかもしれない。しかし、人々は彼が何のために戦っているのかを知っている。彼が話しているのを聞き始めたら、途中で止めることは難しい。もし読者であるあなたがお若い方なら、彼の理想主義に感銘を受けるだろう。

 

ここでの疑問はアメリカのポピュリスト左派が台頭しているのかどうかではない。誰がそれを主導するのだろうかというものだ。

 

(貼りつけ終わり)

 

(終わり)



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




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 古村治彦です。

 

 トランプ政権のアジア外交政策が混乱している、という内容の記事をご紹介します。私に言わせれば、既得権を持つアジア各国の従米エリートたちが混乱しているという方が正確ではないかと思います。特に、日本のエリート層の混乱ぶりはより大きいものではないかと思います。

 

 トランプの政策はアイソレーショニズム(アメリカ国内問題解決優先主義)であり、世界各国の問題には基本的に関与しないというものです。そして、そうした判断は国益にかなうかどうかで行う、というリアリズムです。それらと反対なのが、グローバリズム、インターヴェンショニズムであり、アイディアリズム(理想主義)です。

 

 アメリカ国内の勢力で分けるならば、リアリズムは民主、共和両党にまたがって存在します(国内問題では意見が異なる場合が多い)。リアリズムではない場合には、共和党はネオコン派、民主党は人道的介入主義派です。ネオコン派の第一世代はもともと民主党支持者たちですから、両者は本家と分家という感じです。

 

 アメリカ国内でトランプを批判しているのは、多くの場合、ネオコン派や人道的介入主義派ということになります。しかし、彼らの批判は今一歩、届きません。なぜなら、ネオコン派はアメリカをアフガン戦争とイラク戦争に引きずり込んだ張本人たちであるということから人々から嫌われてそのために2008年の大統領選挙ではリアリズムを掲げるオバマ大統領が当選しましたし、昨年の選挙では人道的介入主義派のヒラリー・クリントンが落選しました。アメリカ国民はグローバリズム(インターヴェンショニズム)とアイディアリズムを拒否する選択をしたということになります。

 

 ここで私たちは、それでは日本はどの様に行動すべきかということを考える必要があります。アメリカの衰退が既に始まっていますが、まだ時間的に余裕があります。GDPの世界に占める割合で見ると、アメリカは約25%、中国は約14%、日本は約6%であり、アメリカ衰退は確かですが、アメリカはまだまだ世界の超大国です。中国に完全に抜かれた、となるまでは後20年から30年かかるでしょう。中華人民共和国建国100年が、2049年ですから、それまではアメリカの優位は動かないものと考えられます。

 

 その中で、日本の世界における立ち位置と国内政策で何を重点とするかということが重要になります。国内で見れば人口減少と高齢化は現実ですから、新しい箱ものや大規模開発は必要ではなく、余裕のあるコンパクトということが重要になって来るのではないかと思います。そうした中で人間一人あたりにかけるお金を増やしていくということがメインになるべきだと考えます。

 

 外交では、日本は海外での武力行使はできないという立場を堅持し、わざわざ普通の国になる必要もなく、復興の時に最大の力を発揮するという方向に向かうべきです。アメリカと一緒に壊しに行くのではなく、破壊からの再生の際に力を発揮すべきです。自分たちも敗戦時には国土の多くが瓦礫となったがそこから立ち直った、それは自国の力もあったが他国の助けもあった、だから破壊を経験した国として、再建の手助けをするということであれば大いに感謝されるでしょう。そして、アジア地域では地域大国として先頭に立たずに二番手の位置をキープするということになるのだろうと思います。

 

 現在の国土以上を求めず、軍事力を求めず、世界と仲良く交易をして生活していく、これ以上のことは望むべきではないし、これ以上何を望むというのでしょうか。

 

 ですから、現在の世界のヒエラルキーが変化していくであろうここ数十年間で、硬直的にアメリカと一緒に心中していくような方向に進むべきではありません。ですから、中国や韓国とも関係を改善し、ロシアとは改善しつつある関係を後退させないようにするということになるのだろうと思います。

 

 変化に合わせて日本も変わっていかなければならない、と思います。

 

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トランプのアジア政策はこれまで以上に混乱している(Trump’s Asia Policy Is More Confused Than Ever

 

コリン・ウィレット筆

2017年6月12日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2017/06/12/trumps-asia-policy-is-more-confused-than-ever/?utm_content=buffer3b499&utm_medium=social&utm_source=facebook.com&utm_campaign=buffer

 

6月3日、ジェイムズ・マティス国防長官は、アジアの同盟諸国やパートナー国に対して、アメリカはこれまでの70年間行ってきたようにこれからも地域を安定させる役割を果たすということを再認識させるために大いなる努力を行った。マティスはアジアの安全と繁栄にアメリカがこれからも関与し続けると雄弁に述べた。また、第二次世界大戦以降のアジアの成功の基盤となってきたルールに基づいた秩序を守るためにアジア・太平洋地域各国と協力するための方法を見つける必要があるとも述べた。残念なことは、マティスの主張が説得力を持たないことで、それは、マティスが代表しているアメリカの政権がこの秩序を損なおうとしているからだ。

 

マティスの演説の数日前、大統領国家安全保障問題担当補佐官H・R・マクマスターと国家経済会議議長ゲイリー・コーンは、『ウォールストリート・ジャーナル』紙に論説を発表し、その中で、マティスが守りたいとしている「世界共同体」を明確に否定した。この論説は、これまでの考えを否定し、「独立独歩」政策を宣言したものとなった。この政策では、諸国家はむき出しの国家の力に基づいて、有利な立場と利益を得られるように争うようになり、同盟諸国やパートナー国を混乱させるだけでなく、アメリカの国家安全保障を損なってしまう。

 

この論説が発表される2日前、アメリカ海軍は南シナ海で航行の自由を守るための作戦訓練を実施した。これは、アメリカが、国際法が許す場所であればどこでも飛行し、航行する権利を守るという決意を示すものだ。このような行動の法的根拠は何か?国際社会で同意した国連海洋法条約(しかし、アメリカは批准していない)がそれだ。国連海洋上条約では、全ての国家が国際海洋上における権利と義務を保有しているとしている。国利欲に関係なく、一連のルールを遵守することは全ての国々の利益となるとしている。世界各国が相互に合意した国際ルールには不便であっても意味があるということを受け入れないということになるならば、アメリカ海軍は航行の権利を持つと主張することは、中国政府はアメリカ海軍の航行を阻害する権利を持つという主張となんら変わらないことになってしまう。マクマスターとコーンはこのようは合意や同意に疑問を呈している。

 

マティスが演説した同じ日、国連安全保障理事会は今年に入って9回目のミサイル発射実験を行った北朝鮮に対する政策を拡大することを決定した。どうしてこのような行動を取ることが可能になるのか?それは、「北朝鮮の核開発とミサイル開発プログラムは世界のルール、規範、条約に違反している」という国連という国際共同体による同意があるからだ。各国政府が、それがたとえ実行困難であり苦痛を伴うものであっても国際条約は彼らを縛り、守る必要があるのだという考えを受け入れないとなると、国連による制裁は、各国が意図的に利用しもしくは無視することができる道具となってしまう。

 

航行の自由や制裁だけでアジアの緊急の安全保障に関する問題を解決することはできない。しかし、これら2つは重要な道具である。国際的な連合が支援する場合、これら2つは国際的な規範を破る国々に対する圧力をかけるための重要な道具となる。

 

アジア各国はアメリカの複雑なシグナルから何を見出すであろうか?マクマスターとコーンが述べたように、アメリカは自国の直接的な利益が危機にさらされる場合にのみ国際社会と協力するのだろうか?もしそうであるならば、アメリカはアジア各国がアメリカに協力する理由を与えられないということになる。

 

北朝鮮、公海上の航行の自由、軍縮といった諸問題は、アジア諸国の多くにとって、現実的な生活にとって、さほど重要な意味を持たないものとなっている。これらの諸問題への対処のために協力することはコストがかかり、技術的に難しいものであり、時間だけを浪費することになる。しかし、ほとんどの国々が努力をするだろう。それは各国が基盤となっている原理に価値を見出しているからだ。その原理とは、各国の主権と諸権利を守っている国際システムは、自国の利益が危機にさらされていない場合でも各国が責任を果たすことも求めているというものだ。

 

アジアにおける私たちの同盟関係とパートナー関係は一つの考えに基づいて構築されてきた。それは第二次世界大戦後の法と規範のシステムは私たち全員に利益を与え、このシステムを防御するために協力することは、たとえそれが困難であっても、投資をするに値するものだ、というものだ。しかし、アメリカがそのような行動をとらないとなると、他国がそのような行動を取る理由があるだろうか?マティス国防長官はこのことを明確に理解している。しかし、彼が代表しているトランプ政権がこのことに同意しているのかどうかは定かではない。そして、アメリカの友人やパートナーである各国はこの乖離に鋭く気付いていることは疑いのないところだ。

 

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 古村治彦です。

 

 アメリカのCIAが冷戦期、世界各国でスパイ活動をしていたことはよく知られています。小説や映画に題材として数多く取り上げられてきました。また、反米的(と目されるばあいも含めて)、もしくは共産主義的な国家指導者や国家体制を転覆させるために、その国の軍部やゲリラなどに資金や武器を渡して、暗殺やクーデターを起こさせていたということはよく知られていました。しかし、アメリカ政府は、公式には、そうした暗殺事件やクーデターへの関与を否定していました。

 

 1953年、イランでは民主的に選ばれたムハマンド・モサデグ首相に対するクーデターが発生しました。そして、親米的なシャーによる王政が1979年のイラン革命まで続きました。1979年、有名なホメイニ師が主導するイラン革命によって、イランの王政は倒され、イスラム共和国が誕生しました。イラン革命の際、テヘランのアメリカ大使館に大学生たちが乱入し、大使館員などを人質にして占拠する、イラン人質事件が起こりました。人質事件はカーター政権内部に解決方法を巡って亀裂を生み(ヴァンス国務長官とブレジンスキー大統領国家安全保障問題担当補佐官の対立とヴァンスの辞任)、大きなダメージを与え、カーターは次の大統領選挙でロナルド・レーガンに敗れました。イラン革命以降、アメリカとイランは国交を断絶し、アメリカはイランの隣国イラクの独裁者サダム・フセインをけしかけてイラン・イラク戦争を起こさせました。

 

 イランの歴史に置いて大きな出来事であるモサデク首相に対するクーデター事件ですが、CIAの関与はほぼ間違いないと言われながら、アメリカ政府は公式に否定してきました。しかし、バラク・オバマ大統領がCIAの関与を認め謝罪し、また、最近、機密解除文書の公開によって、残された電報などから、CIAが関与していたということが明らかになりました。

 

 CIA本部はクーデターの試みが失敗したこともあって、クーデターに参加するなとイラン支局に電報を送っていましたが、現地では命令を無視し、結局、クーデターが成功してしまいました。現地の命令無視・独断専行があったということで、このことまでは推定されていましたが、それを示す証拠が出てきたということが重要です。

 

 また、1950年代に聖職者であり、政治家でもあったカシャニ師がモサデク追い落としに関与し、また、アメリカからの資金援助を要請していたということが明らかにされました。カシャニは現在でもイラン国内で尊敬を集めている人物ですが、そのような人物がアメリカからの援助を求めていたということはイランにとっては隠しておきたい事実だろうと思います。

 

 このように何十年経っても公文書が残されていれば、いつかは事実は明らかにされます。最近の日本の政治状況を見ていると、公文書を残しておくということの重要性を軽視しているように思います。この点はアメリカを見習うべきであろうと思います。

 

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64年経過して、CIAはついにイランでのクーデターに関する詳細を公開(64 Years Later, CIA Finally Releases Details of Iranian Coup

―新たに公開された文書によって、CIAが如何にして失敗に終わりかけていたクーデターへの参加を取り消そうとしていたか、そして、最後の最後である従順ではない一人のスパイによってクーデターが成功に導かれたが明らかにされた。

 

ベンサニー・アレン=エイブラヒミアン筆

2017年6月20日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2017/06/20/64-years-later-cia-finally-releases-details-of-iranian-coup-iran-tehran-oil/

 

機密解除された文書が先週公開された。これによって、1953年に発生したイラン首相ムハンマド・モサデクを追い落としたクーデターにおいて、中央情報局(CIA)が中心的な役割を果たしたことが明らかになった。このクーデターは、イランのナショナリズムの火に油を注ぎ、1979年のイラン革命を生み出し、21世紀になってもアメリカ・イラン関係を損ない続けている。

 

約1000ページの文書によって初めて、CIAが如何にして失敗に終わりそうであったクーデターへの参加を取り消そうとし、イラン国内にいる従順ではない一人のスパイによって最後の最後で成功に導かれたということが明らかにされた。

 

CIAの計画はエイジャックス作戦として知られている。CIAの計画は究極的に石油確保を目的とするものであった。西側の企業は長年にわたり、中東地域の石油生産と底からの富をコントロールしていた。サウジアラビアのアラビアン・アメリカン石油会社、イランのアングロ・イラニアン石油会社(イギリス)といった石油企業がコントロールしていた。1950年末、サウジアラビアのアラビアン・アメリカ石油会社は圧力に屈し、石油からの富をサウジアラビア政府と折半することになった。この時、イラン国内のイギリスの持つ石油利権もサウジアラビアでの先例にならうようにという厳しい圧力に晒されていた。しかし、イギリス政府は断固として拒否した。

 

1951年初め、人々の熱狂的な支持の中、モサデクはイランの石油産業を国有化した。激怒したイギリス政府は、モサデクの排除とシャーによる王政の復活のために、アメリカの情報機関と共謀し、計画を練り始めた。しかし、新たに公開された電報が示すところでは、アメリカ国務省の一部には、対立に対するイギリスの非妥協的な態度を非難し、モサデクとの協力を模索する人々がいた。

 

クーデターの試みは4月15日に開始されたが、迅速に鎮圧された。モサデクは関係者を逮捕した。共謀の首謀者であるファズラウ・ザヒィーディー将軍は身を隠し、シャーは国外に逃亡した。

 

CIAはクーデターの試みは失敗すると確信しており、クーデターへの参加を取り消すことに決定した。

 

新たに公開された文書によると、1953年8月18日にCIA本部はイラン支局長に次のような内容の電報を送った。「作戦は試され、そして失敗した。私たちはモサデクに敵対するいかなる作戦にも参加すべきではない。モサデクに敵対する作戦は継続されるべきではない」。

 

ジョージ・ワシントン大学のアメリカ安全保障アーカイヴでアメリカ・イラン関係プロジェクトの責任者を務めるマルコム・バーンは、「CIAのイラン支局長カーミット・ルーズヴェルトは、この電報を無視した」と述べている。

 

バーンは本誌に次のように語った。「カーミット・ルーズヴェルトが電報を受け取った時、部屋にはもう一人の人物がいた。この時、ルーズヴェルトは、“ダメだ、俺たちはここで何もやっていない”と述べた」。ルーズヴェルトはCIA本部からのクーデターの試みを中止するようにという命令を実行しなかったことは既に知られていた。しかし、電報自体とその内容については知られていなかった。

 

ルーズヴェルトの決断の結果は重大であった。電報を受け取った翌日の1953年8月19日、クーデターは成功した。CIAの援助によって準備されたと考えられてきた、「金を支払われていた」群衆の助けがあった。イランの民族主義の英雄モサデクは投獄され、西側に友好的なシャーの下での王政が復活した。アングロ・イラニアン石油(後にブリティッシュ・ペトロレアムに改名)は油田を回復しようと努めた。しかし、この努力は実を結ばなかった。クーデターは成功したが、外国の石油のコントロールの回復に対するナショナリストからの反撃は過激となった。ブリティッシュ・ペトロレアムやその他の石油メジャーはイラン政府と石油からの利益を分け合うことになった。

 

エイジャックス作戦はイランの保守派にとっては亡霊であった。しかし、これはリベラル派にとっても同様であった。クーデターは反西洋感情の炎に風を送った。ナショナリズムの最高潮が1979年に発生したアメリカ大使館人質事件、シャーの廃位、「大悪魔」に対するイスラム共和国の創設となった。

 

クーデターによってイラン国内のリベラル派も排除された。モサデクはイラン史上、民主的な指導者というものに最も近付いた人物であった。モサデクは民主的な諸価値を明確に称揚し、イラン国内に民主政治体制を確立したいという希望を持っていた。選挙を経て構成された議会がモサデクを首相に選出した。首相という職を利用して、モサデクはシャーの力を削いだ。その結果、この時期のイランは、ヨーロッパで発展した政治的伝統に最も近付いた。しかし、更なる民主的な発展は8月19日に窮地に陥った。

 

アメリカ政府は長年にわたり、クーデターへの関与を否定してきた。国務省は1989年にクーデターに関連した文書を初めて公開した。しかし、CIAの関与を示す部分は編集していた。人々の怒りを受けて、政府はより完全な文書を公開することを約束した。そして、2013年に文書が公開された。2年後、機密解除された文書の最終的な公開の予定が発表された。バーンズは、「しかし、イランとの核開発を巡る交渉のために準備が中断され、公開予定は遅れることになった」と述べている。文書は先週、最終的に公開された。CIAの電報の原本は紛失、もしくは廃棄されたものと考えられていた。

 

バーンは、公開が大幅に遅れたのはいくつかの要素のためだと述べた。バーンは、 情報機関は常に「材料と方法」を防御することに懸念を持つものだ、と語る。「材料と方法」とは、最前線で作戦実行を可能にする秘密のスパイ技術を意味する。CIAはイギリスの情報機関との関係を守る必要にも迫られていた。イギリスの情報機関は諜報に必要な人材などを守りたいと考えていたはずだ。

 

 

スタンフォード大学のイラン学教授アッバス・ミラニは、新たに公開された文書によって、CIAの関与以上に興味深い事実が明らかにされた、と述べている。聖職者のアボル=ガセム・カシャニ師の政治における指導的役割の詳細が明らかにされた。カシャニは1950年代に聖職者であり、指導的な政治家として活動した。

 

イスラム共和国では、聖職者は常に善玉である。カシャニはこの時期におけるナショナリズムの英雄であった。今年1月、イランの最高指導者は石油の国有化におけるカシャニの役割を賞賛した。

 

カシャニが最終的にモサデクと分裂したことは広く知られている。イラン国内の宗教指導者たちは共産主義のドゥデー党の台頭に恐怖感を持っていた。そして、モサデクは社会主義勢力の脅威から国を守るには弱すぎると確信していた。

 

新たに公開された文書によると、カシャニはモサデクに反対していただけではなく、クーデターまでの時期、アメリカ側と緊密に連絡を取り合っていたことが明らかになった。カシャニはアメリカからの財政的な援助を求めていた。しかし、彼が実際に資金を得ていたことを示す記録は残っていない。カシャニの要求はこれまで知られてこなかった。

 

ミラニは次のように語っている。「クーデターの成功を左右する日となった8月19日、カシャニの存在は重要であった。カシャニの武装勢力は完全武装してモサデク打倒のために出動した」。

 

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(終わり)





野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23


 古村治彦です。

 

 拙訳『アメリカの真の支配者 コーク一族』(ダニエル・シュルマン著、古村治彦訳、講談社、2015年)の主人公であるコーク兄弟について、日本でも少しは知られてきていますが、知名度はまだまだです。コーク兄弟は、今でも共和党にとって重要な資金源であり、トランプ政権になっても存在感は大きいのです。チャールズ・コーク(資産3兆円以上)は、2016年のアメリカ大統領選挙で、ドナルド・トランプを批判し、応援しないと明言しました。一方で、ヒラリー・クリントンについても応援しないということで、静観の構えということになりました。

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アメリカの真の支配者 コーク一族

 

 コーク兄弟の最近の動きについては、本ブログの以下の記事でもご紹介しています。オバマケアと呼ばれるアメリカの現行の健康保険制度について、トランプ大統領と共和党は撤回と代替法案を連邦議会で可決させようとしています。まず下院で議論され、採決が行われることになったのですが、3月の時点で、下院で賛成票が足りないということで採決が見送られることになりました。後に、ぎりぎりで可決することができました。


 

これは、連邦下院共和党所属議員の中に「フリーダム・コーカス」という議員グループがあり、このグループが下院に提出されていた法案に反対したからです。「同じ共和党が提出した法案にどうして共和党の議員が反対するのか?日本だったら大変なことになる」と不思議に思われるところですが、フリーダム・コーカスは、法案が「改革内容が不十分」ということで反対しました。アメリカでは日本と違い、党議拘束はなく、議員は個人の考えで採決に参加します。

 

 このフリーダム・コーカスの議員たちに支援を約束していたのがコーク兄弟です。コーク兄弟が「改革が不徹底だ」として議員たちに反対させたということになります。最後は妥協して可決しましたが、コーク兄弟の力を思い知らされることになりました。

 

2017年4月2日付「トランプ大統領vsコーク兄弟」

http://suinikki.blog.jp/tag/%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%80%E3%83%A0%E3%83%BB%E3%82%B3%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%82%B9

 

 今週末、コーク兄弟は、自分たちが率いる大口献金者ネットワークの会合のために、コロラド州を訪れていました。そして、同じくコロラド州訪問中であった、マイク・ペンス副大統領と会談を持ちました。ホワイトハウスは公式にはこの会談予定を発表していませんでした。ペンスはコーク兄弟とも親しい関係にあり、トランプ政権とコーク兄弟を繋ぐ存在になっています。また、トランプ政権にはコーク兄弟と関係を持つ人々が多く入っていたり、影響を与えたりしています。

 

 ペンス副大統領との会談後、コーク兄弟が資金援助をしているアメリカンズ・フォ・プロスペリティという団体の責任者が来年の中間選挙には4億ドルの資金を投入するという発表を行いました。これは、共和党、特に急進的な改革派に資金を提供する、そして、民主党の議席増を抑えるということです。

 

 コーク兄弟はトランプ大統領の発言などを批判していますが、彼が行おうとしている税制改革、健康保険改革、気候変動枠組からの離脱といったことは、コーク兄弟も主張していることで、方向性は同じです。ですから、共和党政権と連邦上下両院で共和党が過半数を握っている状態が存続すること、それから共和党を自分たちの思う方向に進めるということがコーク兄弟にとって大事になってきます。

 

 共和党としては、資金を提供してくれる大口献金者のネットワークを構築し、率いているコーク兄弟を無視することはできません。中間選挙に向けて存在感は大きくなっていくでしょう。

 

(貼りつけはじめ)

 

ペンスがコーク兄弟とコロラド州で会談(Pence meets with Koch brother in Colorado

 

リード・ウィルソン筆

2017年6月23日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/news/339283-pence-stops-by-koch-brothers-conference-in-colorado

 

金曜日、ペンス副大統領は保守派の政治活動家チャールズ・コークと会談を持った。この会談については公式に発表されなかった。会談は、コロラドスプリングスで開催されるコーク兄弟率いるネットワークの大口寄付者会議の前に行われた。

 

ペンスは、コーク・インダストリーズの会長であり、最高経営責任者であるチャールズ・コークと、コーク・ネットワークの主要なメンバーと会談を持った。ペンスはコロラドスプリングスでのキリスト教保守派グループ「フォーカス・オン・ザ・ファミリー」の40周年記念式典に出席することになっていた。

 

ホワイトハウスが木曜日夜に発表した副大統領の行動予定表に、コークとの会談は掲載されていなかった。

 

金曜日朝、副大統領の報道官は、本誌からの「ペンス副大統領はコーク兄弟が利いるネットワークの人々と会談を持つのか?」という質問に対して回答を拒否した。金曜日夜に報道官にコメントを求めたが返事はなかった。

 

コーク兄弟が率いるネットワークの報道担当ジェイムズ・デイヴィスは、ペンスとチャールズ・コークは税制改革や退役軍人省の改革などについて議論したと述べた。退役軍人省の改革については金曜日にトランプ大統領が署名した。デイヴィスは、会談は50分間にわたって行われたと述べた。

 

会談にはマーク・ショートとマーティー・オブストが同席した。ショートはホワイトハウス法律問題担当部長を務めており、ペンスが下院議員時代に首席スタッフを務めていた。オブストは長年にわたりペンスのアドヴァイザーを務め、大統領選挙においてペンスの政治行動員会の責任者を務めた。

 

コーク兄弟側の出席者は以下の通りだ。コーク・インダストリーズの上級顧問マーク・ホールデン、コーク兄弟が支援している団体「アメリカン・プロスペリティ」会長ティム・フィリップス、チャールズ・コーク財団とチャールズ・コーク研究所の会長ブライアン・フックス、そして、前述のデイヴィスだ。

 

トランプ大統領は、リバータリアニズム信奉者の大富豪コーク兄弟とほぼ関係を持っていないが、ペンスはチャールズ・コーク、デイヴィッド・コークとの間で長年にわたり関係を持っている。

 

アメリカンズ・フォ・プロスペリティはインディアナ州知事時代のペンスを支援した。ペンスの世論調査担当者だったケリアン・コンウェイはコーク兄弟率いるネットワークで働いた経験を持っている。コンウェイは現在、ホワイトハウスでトランプ大統領の上級顧問を務めている。ショートは現在のホワイトハウスの法律問題担当であり、ペンスの首席スタッフを務めた経験を持つ。ショートはコーク兄弟率いるネットワークの主要な構成団体であるフリーダム・パートナーズ商工会議所の運営責任者を務めていた。

 

ホワイトハウスが発表したスケジュールによると、コロラドスプリングス滞在中、ペンスはシュライヴァー空軍基地勤務の軍人たちと昼食を共にし、アメリカ宇宙防衛センターとシェイン・マウンテン空軍基地を訪問することになっている。

 

ペンスは、コロラドスプリングスのブロードモアホテルで開催される連邦上院議員コーリー・ガードナーの政治資金パーティーに出席する予定になっている。ガードナーは全国共和党所属連邦上院議員委員会の委員長を務めている。コーク兄弟率いるネットワークもまたブロードモアホテルで会議を開く予定になっている。ブロードモアホテルは豪華ホテルで、保守派の大富豪フィリップ・アンシュッツが所有している。

 

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2018年中間選挙でコーク兄弟は4億ドルを投じる(Koch brothers to spend $400 million in 2018 elections

 

オリヴィア・ビーヴァーズ筆

2017年6月25日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/339399-koch-brothers-to-spend-400-million-on-republican-candidates-in

 

今週土曜日、「チャールズ・コーク、デイヴィッド・コーク率いる富豪たちの寄付ネットワークは2018年の中間選挙において、保守的な政策の実現のために4億ドル(約440億円)の資金を投じることになるだろう」、とネットワークの責任者がフォックスニュースに対して語った。

 

保守派の大富豪コーク兄弟から資金を受けている団体「アメリカンズ・フォ・プロスペリティ」の責任者ティム・フィリップスは、「中間選挙では、私たちの政治信条や政策について、3億から4億ドルを投じることになる。金額の大きい方に近い額を出すことになるだろうと思う」と述べた。

 

「連邦上下両院の共和党所属議員たちに言いたいことは、大胆に、強く主張して行動して欲しいということだ」とフィリップは述べ、健康保険改革と税制改革を強調した。

 

フィリップは「そうすることで、2018年になった時に、共和党所属の議員たちが実績を誇る機会を与えることになる」と述べた。

 

政治と政策について資金を投入するという発表は、連邦上院の共和党が木曜日に、彼ら自身のオバマケア撤廃と新しい法案を木曜日に発表した。

 

保守派の多くはメディケイドの縮小や削減を望んでいる。メディケイドは、低所得の人々の多く、高齢者の一部と身体障碍者のための健康保険プログラムである。

 

チャールズ・コークと側近たちはコロラドスプリングスで大口寄付者たちと会合を持った。

 

彼らはメディアに対して、ホワイトハウスは、連邦上院の健康保険法案に対する彼らの情報や資金の投入を歓迎していると語った。今年の春に法案が可決される前に連邦下院で健康保険法案について議論がなされていた時期とは全く異なる対応だ。

 

コーク怯懦からの資源の投入という話では、コーク兄弟は、2018年に選挙を迎える下院議員で、連邦下院に提出された健康保険法案に反対する人々を支援していると報道された。

 

フィリップは続けて次のように述べている。「私たちが議員たちに覚えておいてもらいたいのは、これから行われる4回の選挙(2年おき)の間にオバマケアを撤廃するという約束をしたのだということだ。示威的な行動以上のことを行うことが重要だ」。

 

コーク兄弟と側近たちはオバマケアの撤廃と新しい法律可決よりも、見直しを望んでいる。同時に、彼らは健康保険法案についてトランプ政権と協力していると述べている。

 

連邦上院では共和党が過半数を占めている。そして、早ければ来週にも新しい健康保険法案について採決を行うことになる。

 

(貼りつけ終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 民主党は2016年の大統領選挙での敗北から立ち直ろうとしていますが、党の新しい顔、2020年の大統領選挙のスターはまだ見つけられないでいます。最新の世論調査では、ジョー・バイデン前副大統領、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員が大きな支持を集めているようですが、共に少々年齢を重ねて、しかも古顔という感じです。ここで名前が出てくるカマラ・ハリスは黒人女性で現在52歳、アメリカ初の女性大統領になるのでは、という期待の声も出ています。

 

 民主党はまずは2018年の中間選挙で、連邦議会で議席を増やさねばなりません。そのために、トランプ攻撃を行い、オバマケア廃止による無保険者の増加を材料にして議席獲得を目指すということになります。また、ロシアが選挙戦に介入し、操ったという疑惑や、政権内の人物たちが政権発足前にロシアと交渉したという疑惑も材料にしています。

 

 オバマケア廃止については、連邦下院では可決されましたが、連邦上院ではどのような形になるのかは不透明な状況です。

 

 こうした中で、ジョージア州とサウスカロライナ州の連邦下院議員補欠選挙で、共和党候補者が勝利しました。民主党としてはジョージア州の補選で勝利もしくは惜敗を目指して資金と人材を投入しましたが、敗北してしまいました。これは民主党にとっては痛手となります。

 

 民主党は昨年の大統領選挙でヒラリー・クリントンが一人勝ちするだろうと思われていましたが、民主党所属ではないバーニー・サンダース連邦上院議員が善戦しました。予備選挙中、民主党全国委員会がヒラリーを勝たせようとしていたことを示すメールも出てきて、民主党は分裂しました。ヒラリーが代表する富裕でグローバリズム、インターヴェンショニズムを望む支持者と、サンダースを押し立て、アイソレーショニズムを求め、社会主義とまでは言わないまでも、富の再分配を望む左派的な人々に民主党は分裂状態にあります。

 

 そうした中、ヒラリーが度々公の場に出てきて発言する訳ですが、発言内容が未来志向というよりも、昨年の選挙のこと、しかも他人に敗北の責任を押し付けるものということは既にご紹介しました。こうした状況では民主党も一枚岩で中間選挙に向かうことはできません。

 

 バーニー・サンダースとドナルド・トランプは全く違う姿勢を持っているように思われますが、政策は似ているものが多く、サンダースとヒラリーとの違いよりも小さいのではないかと思われるほどでした。

 

 サンダースを支持したような熱心な有権者たちが、ヒラリーを応援した議員たちを熱心に応援するだろうかというのは大きな疑問であり、その答えは限りなくノーに近いものです。オバマを応援することがそのまま民主党議員たちを応援することになった幸せな時代は過ぎました。ヒラリーはそれだけ大きな傷と分裂を民主党に残しました。

 

 トランプ批判が溢れかえる報道ですが、民主党も決して安泰ではありません。

 

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最新の世論調査で2020年の大統領選挙の民主党候補者希望でバイデンがトップに(Biden tops list of potential 2020 Democrats in new poll

 

ジュリア・マンチェスター筆

2017年6月19日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/338447-biden-tops-2020-dem-in-new-pollhttp://livedoor.blogcms.jp/blog/hfurumura/report/

 

最新の世論調査によると、2020年の大統領選挙の民主党候補者として、ジョー・バイデン前副大統領がリストの第1位となった。

 

月曜日に発表されたモーニング・コンサルトとポリティコの共同世論調査の結果によると、民主党支持者の74%がバイデンを支持した。エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が51%の支持を集め、バイデンに次いで2位となった。

 

バイデンは先週、NPRの取材に対して、「私は大統領選挙に出馬する意思を持っていないが、私は運命というものに大きな敬意を払っている」と述べた。

 

「私は現在、大統領選挙に出馬する計画を持っていないが、出馬しないと約束することもしない」とも述べた。

 

その他に名前が挙がったのは、それぞれ民主党所属の連邦上院議員であるアル・フランクリン(ミネソタ州選出)、コーリー・ブッカー(ニュージャージー州選出)、カマラ・ハリス(カリフォルニア州選出)であった。

 

今回の世論調査は6月8日から12日にかけて民主党支持者895名を対象に行われた。誤差は3%である。

 

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(終わり)






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