古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

カテゴリ: アメリカ政治

 古村治彦です。

 

 ドナルド・トランプ大統領の保護主義的貿易政策に対して、チャールズ・コーク、デイヴィッド・コークのコーク兄弟は反対を表明しています。政府が経済活動に介入することに反対し、全てを市場に委ねるリバータリアニズムの信奉者であるコーク兄弟としては当然の反応です。これに対して、トランプ大統領はツイッター上でコーク兄弟を非難しています。その言葉が「グローバリスト(globalist)」です。

 

 グローバリストという言葉は副島隆彦先生によって日本に紹介されましたが、世界を一つの価値観でまとめ上げる、具体的にはアメリカの価値観でまとめ上げることを目的に動く勢力のことを指します。そのために外国に積極的に介入します。介入主義者(インターヴェンショニスト、interventionist)とも言います。

 

 リバータリアニズムを信奉するコーク兄弟は、アメリカが外国に介入することに反対します。ですから、チャールズ・コークは古くからヴェトナム戦争に反対し、ジョージ・W・ブッシュ政権下でネオコンが主導したイラク戦争にも強く反対しました。

 

 コーク兄弟は、共和党を支持していますが、これは「民主党は全くもって問題外だが、共和党はまだまし」ということです。共和党内でリバータリアニズムに基づいた政策を支持する政治家を増やそう、それでリバータリアニズムに基づいた政策を実施させようということになります。ネオコンや妥協的な政治家たちを支援しないということで、コーク兄弟は反主流派ともなっています。

 

 現在のトランプ大統領もまた共和党主流派、体制派ではなく、人々の怒りを集めて大統領になったこともあって反主流派ということになります。トランプ政権で閣僚になった人たちの多くがコーク兄弟と関係が深いということは以前本ブログでもご紹介しました。トランプの減税政策はコーク兄弟の利益にも合致するものです。しかし、コーク兄弟は、「大企業優遇の減税は経済システムを歪めるものだ」「一般の人々のためのものではない」と批判しています。

 

 コーク兄弟に関して、トランプ大統領の「グローバリスト」という批判は当てはまりません。コーク兄弟が信奉するリバータリアニズムとトランプ大統領が代表するポピュリズムはともに海外へのアメリカの介入には批判的です。ここでの問題は経済活動に対して政府が介入すべきかどうかということであり、トランプ大統領の関税政策は経済の邪魔になる、市場によってコントロールされている経済を人為的に歪めるというのがコーク兄弟の主張です。この点で両者は対立しています。トランプ大統領としては雇用を生み出すということを公約にして当選している以上、貿易戦争にまで突っ走ってしまうのは当然ということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「トランプ、反保護主義掲げるコーク兄弟と対立 共和党支持組織を罵倒」

2018年7月31日 ロイター

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/08/post-10707.php

 

米共和党の強力な支持組織として知られるコーク・ネットワークが、トランプ米大統領の貿易政策に批判的な姿勢を示し、大統領が組織を公然と批判する騒ぎに発展している。

 

トランプ氏は31日のツイッター投稿で、大富豪のチャールズとデービッドのコーク兄弟が創設したこの組織について「本物の共和党サークルではまったくの冗談と化したグローバリストのコーク兄弟が、強固な国境、強力な貿易に反対している。私は彼らのカネやひどいアイデアを必要としていないので、一度も彼らの支援を求めたことがない」と罵倒し、ネットワークは「過大評価されている」と続けた。

 

これはコーク・ネットワークの一部幹部が、大統領の貿易政策が景気後退を招くとの懸念を示し、共和党候補への支持を取り下げたい意向だと報じられたのを受けた投稿。

 

コーク側は概ね批判を受け流しており、広報担当者は「われわれはすべての人の生活を向上させる政策を支持する」との声明を出した。

 

コーク財閥は未公開の企業としては全米2位の大きさで、企業寄りの政策やリバタリアン(自由至上主義)思想で知られている。減税、規制緩和、自由貿易を強く主張し、主義主張の近い共和党候補にこれまで数百万ドルを献金してきた。

 

コーク財団とその他自由貿易を支持する団体は、トランプ大統領の進める保護主義的な政策を敬遠しており、11月の議会中間選挙を控え、トランプ氏に同調する共和党候補への支持を見送る可能性が出ている。

 

2016年の大統領選では、コーク兄弟はトランプ氏のイスラム教徒に関する発言などを理由に同氏と距離を置いていたが、トランプ氏の大統領就任後は税制改革法案の成立を支持するなど、和解したように見えていた。

 

しかしその後、コーク・ネットワークはトランプ氏の関税政策に反対する数百万ドル規模のキャンペーンを開始した。

 

=====

 

サンダースは、コーク兄弟が「全ての人々のためのメディケア」に賛成する主張をしてしまったことに感謝(Sanders thanks Koch brothers for accidentally making argument for 'Medicare for all'

 

ブルック・シーペル筆

2018年7月31日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/healthcare/399625-sanders-thanks-koch-brothers-for-accidentally-making-argument-for-medicare

 

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)が火曜日、保守派の大口献金者であるチャールズ・コークとデイヴィッド・コークに対して、「全ての人々のためのメディケアに間違って賛成してしまった」ことに感謝を示した。コーク兄弟が資金を出した研究では単一支払者制度(single-payer health-care plan、訳者註:政府が保険料を徴収し、医療費の全てを支出する制度)のコストについて分析を行っている。

 

サンダースはツイッター上に掲載したヴィデオの中でコメントを発表した。サンダースは、ジョージメイソン大学メルカトスセンターのチャールズ・ブロハウスが発表した研究成果についてコメントをした。ジョージメイソン大学メルカトスセンターにはコーク兄弟が資金提供を行っている。

 

サンダースは次のように語った。「私はコーク兄弟、また、今回の研究に資金を出してくれた全ての方々に感謝したい。今回の研究では、全ての人々のためのメディケアは10年で2兆ドルものお金を浮かせることが出来るということであった」

 

ブロハウスは研究の中で、サンダースの主張する単一支払者制度では、2022年から2031年の期間、32兆6000億ドルもかかってしまうという結果を発表した。しかし、研究の中で、他の経済学者たちは同じ期間に2兆ドルのお金を浮かせることが出来るだろうという研究結果を発表している。

 

ヴィデオの中で、サンダースは、コーク兄弟が彼の主張している単一支払者制度でお金を浮かせることが出来ることを証明したことに謝意を示した。

 

全ての人々のためのメディケアはサンダースが2016年の大統領選挙で主要政策として主張したことで知られるようになった。全ての人々のためのメディケアは、自己負担や控除なしに全てのアメリカ国民の医療費を支払うことが出来るというものだ。

 

サンダースの提案は左派の人々から支持されている。しかし、その他の人々からは批判の対象になっている。批判者の中にはトランプ大統領も含まれている。トランプ大統領はかつて、単一支払者制度を「アメリカにとって呪い」となると批判した。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


アメリカ政治の秘密日本人が知らない世界支配の構造【電子書籍】[ 古村治彦 ]

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 古村治彦です。

 

 今回は民主党のライジングスターであるアレクサンドリア・オカシオ=コルテスについての記事をご紹介します。

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 アレクサンドリア・オカシオ=コルテス(Alexandria Ocasio=Cortez、1989年―)が全米の注目を浴びるようになったのは、今年6月、今年の秋に行われる中間選挙のニューヨーク州第14選挙区の連邦下院議員選挙の民主党予備選挙の時です。この選挙区には1999年以来、10期連続本選挙で当選してきたジョセフ・クローリーがいました。連邦下院議員は2年ごとに選挙があり、党の予備選挙と本選挙を勝ち抜いて議員になること、議員の座を維持することは大変です。常に挑戦者の存在に脅かされるということになります。

 

 逆に10期当選ともなると、実力者ということになり、連邦下院の中でも一目置かれるということになります。各所属政党の連邦下院議員の中でも幹部クラスとなります。「院内総務」という言葉をニュースで聞くことがあると思います。あれはmajority leaderminority leaderの訳語となります。共和党が過半数を握っている場合、そのトップは下院議長となり、その次がmajority leader(多数派の指導者)となり、民主党側のトップはminority leader(少数派の指導者)となり、それぞれを院内総務と訳します。

 

 民主党のナンシー・ペロシ連邦下院議員は、オバマ政権下で民主党が過半数を握っていた時には連邦下院議長(Speaker of the United States House of RepresentativesHouse Speaker)を務めましたが、現在は民主党が過半数ではないので、院内総務となっています。クローリーはペロシの次に連邦下院の民主党のトップになると目されてきました。

 

 今回の選挙でもクローリーは勝つだろうと見られていました。しかし、6月に入り、どうも対抗馬のアレクサンドリア・オカシオ=コルテスが追い上げているというニュースが出るようになりました。そして、6月末に行われた民主党予備選挙で大差をつけてアレクサンドリア・オカシオ=コルテスが勝利しました。大番狂わせ(huge upset)ということになりました。早速、ニュース番組に呼ばれることになりました。




アレクサンドリア・オカシオ=コルテスは1989年生まれの28歳です。日本で言えば平成生まれということになります。労働者階級の出身で、母親はプエルトリコ出身です。18歳の時に父親が病気で亡くなるという不幸にも見舞われています。アレクサンドリアは、家族の中で初めて大学に入学することが出来ました。入学したボストン大学(Boston University)では経済学と国際関係論を専攻し卒業しました。大学時代には、ボストンを地盤としたテッド・ケネディ(ジョン・F・ケネディ元大統領、ロバート・ケネディ元司法長官の弟)連邦上院議員の下でインターンをしていたそうです。

 

 大学卒業時はリーマンショックの後遺症もあり、アメリカ全体が不景気で、アレクサンドリアもバーテンダーなどの2つの仕事を掛け持ちし、1日16時間も働いていたということです。母親もバスのドライバーやお手伝いさんをしていたということですが、持ち家を競売にかけられそうになったという経験を持っています。彼女は地域のオーガナイザーの仕事をしていました(これはバラク・オバマ前大統領もそうでした)。

 

 2016年のアメリカ大統領選挙では、アレクサンドリア・オカシオ=コルテスは、民主党予備選で大統領候補として立候補したバーニー・サンダース連邦上院議員の選挙キャンペーンスタッフとして働いたそうです。そこでの人脈から、サンダースの選挙運動に参加した人々で結成した政治団体「ブランニュー・コングレス(Brand New Congress)」から予備選挙出馬を持ち掛けられ、選挙運動を開始して、まさかまさかの大番狂わせを演じるということになりました。最初は自分を含め3名だけで、ナップサックにパンフレットを詰め込んで、街頭に出てパンフレットを配るところから始めたということです。

 

 ニューヨーク州第14選挙区は民主党が圧倒的に優勢な選挙区で、民主党の候補者になるということはほぼ自動的に連邦下院議員になるということです。アレクサンドリア・オカシオ=コルテスはライジングスターということになり、サンダースと一緒に仲間たちの応援に回るようになっています。


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  今回のアレクサンドリアの大差での勝利は、クローリーが討論会に2度とも欠席したこと、ワシントンの政治に染まり切ってしまって自分たちの代表ではないと有権者に思わせてしまったことが原因として挙げられます。また、アレクサンドリアは、アメリカ民主社会主義者(Democratic Socialists of America)という団体のメンバーでもあり、進歩的な政策を掲げていました。

 

  アレクサンドリアの勝利は実は2016年のアメリカ大統領選挙でのドナルド・トランプの勝利と共通する現象です。それは、ワシントンの既成の政治、体制派に対する人々の怒りです。ジョセフ・クローリーは10期連続当選をする間に、ウォール街とも関係を深め、潤沢な政治資金を集められるようになっていました。クローリーも進歩的な政策を主張していたのですが、それなのにウォール街と関係を深めているのはどういうことだ、ということになり、また、討論会を2回とも欠席し、代理を出席させたことで、あの人は自分たちの代表ではない、自分たちのことを大事だとは思っていない、と有権者に考えさせてしまいました。既存のもの、体制的なものに対する反感が噴出しており、その点で、トランプの予想外の勝利とアレクサンドリアの勝利は共通しています。

 

 民主、共和両党ともに中道的、体制的とみられる人たちやグループには厳しい時代になっています。より激しい方向に引きずられているように思われます。

 

(貼り付けはじめ)

 

バーニー・サンダースはカンザスの聴衆に語る:「カンザス州は共和党の州のようには見えない」(Bernie Sanders tells Kansas crowd: This 'sure doesn’t look' like a GOP state

 

ジョン・ボウデン筆

2018年7月20日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/398155-bernie-sanders-tells-kansas-crowd-this-sure-doesnt-look-like-a-republican

 

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)は金曜日、アレクサンドリア・オカシオ=コルテスを連れてカンザス州で選挙運動を行った。アレクサンドリアはは先月のニューヨークでの連邦下院議員の予備選挙で、ジョセフ・クローリー連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党所属)を大番狂わせで破った。

 

サンダースはウィチタに集まった熱狂的な支持者たちに対して、「自分にとってカンザス州は“レッドステイト(共和党優勢の州)”のようには見えない」と述べた。彼は自分を民主社会主義者と形容する2人のカンザス州での人気の高さも指摘した。

 

AP通信は、サンダースは歓声を上げる長州に対して次のように語ったと報じている。「カンザス州は共和党の州だから行っても無駄だよと言う人たちがいました。しかし、実際はそんなことありませんよね」。

 

サンダースは続けて次のように語った。「ヴァーモント州、ブロンクス、カンザス州、どこに住んでいても、現状には怒り心頭だと思います。この国の3人の人物がアメリカの下半分の人々の総資産よりも多い資産を持っているのですよ」。

 

サンダースとアレクサンドリア・オカシオ=コルテスはカンザス州ウィチタで、民主党のジェイムズ・トンプソンを応援した。トンプソンはアレクサンドリアと同様、2016年の大統領選挙でサンダース陣営に参加して選挙運動を行った人物だ。トンプソンは、カンザス州第四区で現職のロン・エステス連邦下院議員(共和党所属)に対抗して出馬している。

 

アレクサンドリア・オカシオ=コルテスは28歳で、大番狂わせを演じ、現職大物を破り民主党の連邦下院議員候補となった。現職のクローリー議員を予備選挙で2桁の差をつけて破ってから民主党内部で人気を上昇させている。アレクサンドリアはカンザス州が行った、奴隷制度を維持するのではなく、自由州として合衆国に入るという歴史的な決断について語った。

 

アレクサンドリアは聴衆に対して次のように語った。「この決断はカンザス州にとって厳しい試練であり、カンザス州の魂です。その当時のカンザス州の人々はこの決断が我が国の重要な要素となると考えました。そして、現在のカンザス州の人々はまた重要な決断をしているのです」。

 

カンザス州第4選挙区は共和党が優勢な選挙区である。エステスは昨年の補欠選挙で6ポイントの差をつけて当選した。

 

トンプソンはまずローラ・ロンバードと戦わねばならない。ロンバードは昨年エステスに敗れた人物だ。11月の本選挙でエステスに挑戦するためには8月の予備選挙でトンプソンは勝利を収めねばならない。

 

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連邦下院の民主党幹部が予備選挙で敗北―社会主義者に(A top House Democrat lost his primary — to a socialist

―アレクサンドリア・オカシオ=コルテスはニューヨーク州選出の連邦下院議員ジョー・黒リーよりも左の立場で予備選挙に出馬し、勝利した

 

ケイ・スタイガー筆

2018年6月27日

『ヴォックス』誌

https://www.vox.com/policy-and-politics/2018/6/26/17506970/alexandria-ocasio-cortez-joe-crowley-primary-new-york

 

アメリカ連邦下院の民主党幹部ジョー・クローリー議員がニューヨーク州での予備選挙で敗北した。これは衝撃的な出来後であった。火曜日の夜、コミュニティ・オーガナイザーをしているアレクサンドリア・オカシオ=コルテスに対して敗北を喫した。

 

クローリーはニューヨーク州第14選挙区の予備選挙で300万ドルを集めて選挙運動を行った。しかし、初めて立候補した新人に大差をつけられて敗北した。アレクサンドリアが武器としたのはSNSで拡散したヴィデオ、彼女は「アメリカ民主社会主義者(Democratic Socialists of AmericaDSA)」という団体のメンバーであること、左翼的な政策を掲げたことであった。アレクサンドリアは国民全員への健康保険、連符政府による雇用保障、ウォール街に対する厳しい姿勢を打ち出して選挙戦を展開した。投票結果は午後10時前に出てアレクサンドリア・オカシオ=コルテスの勝利となった。

 

各種選挙戦を詳しく見ている専門家たちにとっては、今回の選挙結果は2014年に当時の連邦下院共和党院内総務であったエリック・カンターを予備選挙でデイヴィッド・ブラットが破って以来の大番狂わせということになる。ブラットは選挙戦で、カンターを選挙区の真の代表ではなく、ワシントンDCが生み出した別の生物のようなものだと訴えた。

 

今回も当時とよく似ている。クローリーは1999年に連邦下院議員に初当選した。そして、連邦下院の民主党内では4番目の地位にまで昇り詰めた。現在の連邦下院民主党院内総務ナンシー・ペロシの後継者になると考えられていた。クローリーはほぼ全ての問題で進歩的な主張を持っていたが、ウォール街とも緊密な関係を築いていた。ウォール街との関係もあり、クローリーは資金集めには苦労しなかった。このことをアレクサンドリア・オカシオ=コルテスは予備選挙で攻撃した。彼女は小口の献金者たちから約60万ドルを集めていた。

 

選挙区はブロンクスとクィーンズの一部から構成されており、民主党が大きく優勢な地域である。従って、アレクサンドリア・オカシオ=コルテスが11月の中間選挙において共和党の候補者との本選挙に勝利して連邦下院の新人議員になることはほぼ保証されている。

 

●アレクサンドリア・オカシオ=コルテスはどんな人か?(Who is Alexandria Ocasio-Cortez?

 

アレクサンドリア・オカシオ=コルテスの年齢が28歳という点が56歳になるクローリーとの最大の対比点となった訳ではない。彼女はブロンクスで労働者階級の両親の間に生まれた。彼女の母親はプエルトリコ出身だ。父親はサウスブロンクス出身だ。彼女は故テッド・ケネディ上院議員のスタッフを務めた経験を持つ。

 

アレクサンドリア・オカシオ=コルテスは自分自身を一般の人の中にいる女性だと形容している。彼女はSNSなどで急速に拡大していった紹介ヴィデオの中で、労働者階級の出身者であることを目立たせている。ヴィデオにはニューヨークの地下鉄に乗る様子やコミュニティ・オーガナイザーの仕事をしている様子が収録されている。ヴィデオを制作したのは、「ミーンズ・オブ・プロダクション」というメディア制作の会社でDSAのメンバーであるナオミ・バートンとニック・ヘイズが経営している。

 

進歩派の人々を最も喜ばせたのは、アレクサンドリア・オカシオ=コルテスがクリーリーよりもさらに左の立場で選挙戦を展開したことだ。DSAのメンバーとして、アレクサンドリアはウェブサイトに進歩的な政策を掲げている。彼女の掲げる政策は、国民全員への健康保険、住居と雇用の保証、銃規制、私営刑務所の廃止、アメリカ合衆国入国税関管理局(ICE)の廃止、ハリケーンによって大きな被害を受けたプエルトリコへの投資、である。

 

アレクサンドリア・オカシオ=コルテスはクローリーが犯したいくつかの大きなミスによって助けられた。クローリーは予備選挙の討論会に代理を出席させた。『ニューヨーク・タイムズ』紙はこれに対して手厳しい論説記事を掲載し次のように書いた。「今回の討論会はクローリー議員が出席しない二度目の討論会となった。クローリー議員の女婿の広報担当者はスケジュールが合わずに2度の討論会に出席できないと述べた。これに対して、有権者たちは、自分たちは“取るに足らない存在”と考えられているのか、という疑念を持った」。

 

●今回の当選が民主党にとって意味するものとは何か?(What does this mean for the Democratic Party?

 

アレクサンドリア・オカシオ=コルテスの勝利は独善的なエスタブリッシュメント派が有権者を軽視していることを示す物語だ。今回のアレクサンドリアの勝利は民主党が左に引っ張られていることを示す物語である。また、進歩的な政策だけではなく、非白人の人々が民主党の形を変えていることを示している。

 

アレクサンドリア・オカシオ=コルテスはクローリーよりも左の立場で選挙戦を展開することに徹した。彼女は民主党の政治家たちがどのようにして選挙を勝ち抜くかという戦術に関して大きな衝撃を与えた。それまで民主党の政治家たちは政治にはとにかく多額の資金が必要だと考え、悪魔との契約を結ぶことを余儀なくされた。共和党のライヴァルたちは民主党の政治家たちよりも多額のお金を使うことがしばしばであった。共和党には大口献金者がついている。民主党の政治家たちは共和党のライヴァルたちと互角に戦うためには大口献金者や企業とも関係を持たねばならないと考えるようになっていた。

 

しかし、今回、資金集めで上位に来ていて、ナンシー・ペロシの後継者と目された人物が予備選挙で敗北した。これは、民主党の政治家たちは資金集めについて考え直す必要が出てきたということになる。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


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思想劇画 仕組まれた昭和史 日中、太平洋戦争の真実
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 古村治彦です。

 

 今年の秋に中間選挙(連邦下院全議席、連邦上院3分の1の議席の改選)を控えていますが、これが終われば、ちょっとしてから2020年の米大統領選挙へと進んでいきます。こうしてみると、アメリカはいつも選挙ばかりという感じがしてきます。ですから世論調査というものが意味を持ってくるのでしょう。しかし、精密な世論調査といっても限界が出てきます。

 

 トランプ大統領は歴代の大統領に比べて支持率自体の数字は低いですが、最近になって支持率が上昇しているということだそうです。特に共和党支持者の間での支持が高いということです。トランプ大統領は保護主義的な貿易政策を実施し、それに中国が対抗しようとしています。GDPの差で言えばアメリカが100とすると中国は60くらいですから、中国にとっては痛手となります。中国としてはEUやロシアとの提携を深めつつ対抗しようというところでしょうが、アメリカはEUとの間で自動車などの関税を上げないという約束をしましたので、なかなかうまくやっています。

 

 このような保護主義的な政策は本来民主党系が主張するところであり、トランプ当選の原動力となったラストベルト(工業地帯)の労働者の人々(労働組合参加を通じて元々は民主党支持だった人々)の支持を集める政策ということになります。

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 中間選挙も終わっていないのに、2020年の大統領選挙の話をすると鬼も呆れるとは思いますが、早速、大統領選挙の話が出ているようです。民主党はジョー・バイデン前副大統領の名前が出ています。世論調査の結果では、トランプと一対一で戦ったら7ポイント差でリードするという結果が出たそうです。しかし、アメリカ大統領選挙は各州の選挙人の取り合いなので単純な世論調査の結果では判断が難しいところです。15ポイントから20ポイントくらの大幅な差がない限りは、トランプが有利と見た方が堅実だと考えます。

 

 民主党側も問題を抱えており、2016年の大統領選挙での分裂がいまだに解決できていないようです。民主党の候補者となり本選挙で敗れたヒラリー・クリントンと争ったバーニー・サンダース連邦上院議員が存在感を増しています。ニューヨークでサンダースの選挙運動を手伝ったアレクサンドリア・オカシオ=コルテスという女性が10期連続で連邦下院議員に当選し、次はいよいよ下院議長ではないかと言われていた現職を予備選挙で破り、民主党の連邦下院議員選挙候補者になるという大番狂わせが起きました。

 

 トランプへの支持とサンダースとオカシオ=コルテスへの支持は、「現体制派に対する怒り」が根底にあるという点で共通しています。国内問題を解決せよ、腐れ切ったワシントンを掃除せよ、という人々の怒りが共和党、民主党それぞれの極端な部分への支持となり、体制派の旗色が悪くなっているのが現状と言えるでしょう。

 

 そして、これはアメリカ帝国の衰退、そしてもっと言えば資本主義の終焉に向けた動きということが言えるのかもしれません。

 

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世論調査:2020年の仮定の選挙ではバイデンが7ポイントをリード(Biden tops Trump by 7 points in hypothetical 2020 matchup: poll

 

エミリー・バーンバウム筆

2018年8月1日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/399820-biden-tops-trump-by-7-points-in-hypothetical-2020-matchup-poll

 

『ポリティコ』誌とモーニング・コンサルタント社の共同世論調査によると、2020年の大統領選挙に関して本選挙の仮定の設定を行った場合、ジョー・バイデン前副大統領がトランプ大統領を7ポイント差でリードしているという結果が出た。

 

有権者登録をしている人の44%が次の大統領選挙ではバイデンが立候補するならばバイデンを支持するだろうと答えた。一方、37%がトランプの再選を支持すると答えた。

 

世論調査によると、有権者登録を行っている民主党支持者の間では、バイデンよりも今は無名な新たな候補者の方がトランプに対して優勢であるという結果が出ている。有権者登録を行っている民主党支持者の89%が自党の無名な新たな候補者を支持すると答え、80%がバイデンを支持すると答えた。

 

共和党支持者の78%がトランプの再選に投票するだろうと答えた。

 

バイデンはこれまで1998年と2008年の大統領選挙に出馬したが、両方ともにすぐに撤退する結果となった。バイデンは2020年の大統領選挙の有力候補と噂されている。6月の世論調査では、民主党支持者たちの間で最も高い支持を集めた。

 

トランプは6月にCBSニュースのジェフ・グロアのインタヴューを受けた際に、バイデンはトランプにとって「夢に見る」競争相手となるだろうと述べた。

 

トランプは次のように述べた。「私はバイデンについて夢を見る。確かに夢だった。いいかい、バイデンは3回も大統領選挙に出馬したんだ。それぞれで1%も支持を得られなかった。オバマ大統領がゴミの山からバイデンを引き出したんだ。オバマがやったことに国民全員が衝撃を受けた。私はバイデンが競争相手になったらいいのになと思っている」。

 

トランプとバイデンはここ数年の間に何度か言い争いとなった。トランプが女性に対して侮蔑的な発言を行った際、バイデンは「二人が高校生だったら彼をぶっ飛ばしているところだ」と述べた。

 

バイデンはこれまでに出馬をしないとは述べていないし、今年の年末までに有権者に出馬の有無を知らせることになるだろう。

 

『ポリティコ』誌とモーニング・コンサルタント社の共同世論調査によると、トランプ大統領の貿易政策に影響を受けるアメリカの農業に対して120億ドルの補助金を出すという計画に対して57%が支持すると答えた。共和党支持者の79%、民主党支持者の48%が支持すると答えた。

 

今回の世論調査は、7月26日から30日にかけて実施され、1993名が答えた。誤差は2ポイントである。

 

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●「トランプ氏支持率、最高の45% 共和党系の支持拡大=WSJ調査」

2018年7月23日 WSJ

https://jp.wsj.com/articles/SB12725973517339393911604584363582090165434

 

 ドナルド・トランプ米大統領はロシアのウラジーミル・プーチン大統領との首脳会談後に厳しい批判にさらされたにもかかわらず、直近の世論調査で支持率がやや上昇した。トランプ氏の独特な政治スタイルはさまざまな物議を醸してきたが、今回の米ロ首脳会談を巡る批判も深刻なダメージとはなっていないようだ。

 

 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とNBCニュースの共同世論調査によると、トランプ大統領の支持率は45%。6月の調査から1ポイント上昇し、就任以来最も高くなった。調査が行われたのは、米ロ首脳会談前日に当たる15日からの4日間。トランプ氏は16日、プーチン大統領との共同記者会見で、2016年の米大統領選にロシアが介入したとする米情報機関の結論に疑義を唱えた。

 

 同調査では、共和党支持者の88%がトランプ氏を支持した。直近4人の歴代大統領のうち、就任2年目の7月時点で与党支持者の支持率がこれより高かったのは、同時多発テロ(01911日)後のジョージ・W・ブッシュ元大統領だけだ。

 

 11月の中間選挙後にどちらの党が議会を制するべきかとの質問については、民主党と答えた人の割合が約49%と、共和党の43%を6ポイント上回った。民主党優位の差は6月調査(10ポイント)や4月調査(7ポイント)から縮小した。

 

 登録有権者全体で見たトランプ氏の支持率は依然、同時期としては現代の歴代大統領の中で最低の部類に入り、同氏にとって危険信号は消えていない。

 

 有権者の約51%が米ロ両政府の関係を支持しない姿勢を示し、トランプ氏はプーチン氏に友好的過ぎると答えた人の割合も増えた。ロシアが16年の米大統領選に介入したと信じている人の割合は65%で、176月調査時点から8ポイント上昇した。          

 

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 古村治彦です。

 

 今週末、2日間にわたり、アメリカのマイク・ポンぺオ国務長官が北朝鮮の首都ピョンヤン(平壌)を訪問し、北朝鮮政府高官たちと複数回にわたり、会談を行いました。金正恩朝鮮労働党委員長とは会談を行いませんでした。

 

 予定の会談が終了し、北朝鮮外務省は声明を発表し、会談は「アメリカが一方的に非核化を求めるばかり」で、先月シンガポールで開催された米朝首脳会談の「精神を裏切る」ものとなり、「残念な」ものとなったと批判しました。また、非核化に向けた北朝鮮の意向は首脳会談後に比べて弱まっているとも述べました。

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 一方、ポンぺオ国務長官は会談は生産的で、両方にとって進展があった、と記者団に述べました。北朝鮮外務省とポンぺオ長官の会談後の発言内容は全く違ったものとなっています。

 

 アメリカや世界各国では、米朝首脳会談、共同声明発表後から、「中身に具体性がない」「アメリカが譲歩しすぎて、北朝鮮に有利すぎる内容になっている」という批判が出ていました。それに対して、トランプ政権では細かい内容は今後詰めていくということで、早速実務者協議ということになりました。

 

 交渉事は、まずお互いの最大の利益(自分の利益が100で、相手の利益は0)のところを言い合い、そこから始まるものです。日本ではあまり値段交渉はしませんが、外国旅行で、値段交渉をして、慣れないことで疲れてしまったという経験をした人は多くいると思います。それと同じで、ポンぺオ長官はまずはアメリカの最大の利益となるところを述べたものと思います。これが実現できれば最良の結果ですが、その可能性は低いということは分かっていて述べたものと思います。

 

 北朝鮮としてはそれが分かっていて、それで牽制のために、強い言葉でアメリカ側を批判したということになります。非核化の意向が弱まった、などという言葉を使うのは強すぎるかなと思いますが、お互いが非難し合っても最後は米朝首脳会談を実現できたという実績があるので、思い切った表現を使ったものと思われます。

 

 アメリカとしては無条件の安全の保証を北朝鮮に与えることは既に合意し、トランプ大統領も署名しているので、北朝鮮は攻撃される心配はありません。そこから更に北朝鮮の利益をということになると、経済制裁の解除にとどまらず経済支援(アメリカはこの条件を飲んでおいて日本に出資させるでしょう)、しかも北朝鮮の政治体制や経済体制に口を出さないことを求めることになるでしょう。しかし、現体制を全く改革することなしに外国企業が北朝鮮に進出することは難しいです。やはり、人権状況が悪く、公開処刑や強制収容所が存在している以上、株式会社が進出した場合に、北朝鮮に対して批判的な株主や消費者たちから訴訟を起こされる可能性もあります。また、資本主義経済体制ではなく、所有権や税制も他国よりも確立しているのか不明な状況では進出しにくいということもあります。

 

 北朝鮮としては経済制裁の解除をまずは何よりも優先したいところです。非核化の交渉はぶらかし引き延ばしをして、その間に外国からの、特に韓国、中国、ロシアからの資本の流入を行って、できれば「核兵器を保有したまま」で経済支援を得たい、ということになるでしょう。しかし、これでは米朝共同宣言の条項に反することになります。ですから、非核化の交渉を引き延ばして、非核化を餌にして、どんどん追加の条件を付け加えたいというところです。しかし、アメリカとしては、非核化の道筋、スケジュールと方法が明確に決定されないうちは経済制裁を解除しないということは譲れない線ですから、ここで平行線になります。しかし、ここは北朝鮮も思案のしどころです。アメリカの求める方法とスケジュールで、完全に核兵器とミサイルの廃棄を行って、「証明書」をアメリカに発行してもらうことで、外国資本の流入の質と量が変わってくると思います。「非核化」を実現したというアピールになって、イメージの改善につながります。そうすれば、及び腰の外国企業も北朝鮮への進出を検討することになるかもしれません。

 

 実務者協議はまずは始まったばかりですから、これからどうなっていくか分かりませんが、アメリカはもう攻撃をしないと言っているので、北朝鮮としてはこの点を利用して、様々な方法で交渉を引き延ばし、自分に有利な条件を獲得しようとしてくるでしょう。アメリカはどこまで原理原則を明確にして臨むことになりますが、なかなか困難な道のりになるでしょう。北朝鮮には何より、「アメリカの攻撃を受けない」「中国と韓国の強力な後ろ盾がある」というカードがあるのですから。

 

(貼り付けはじめ)

 

北朝鮮はポンぺオとの会談を「残念な内容」と述べた(North Korea says talks with Pompeo 'regrettable': report

 

エイヴェリー・アナポール筆

2018年7月7日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/international/395925-north-korea-says-talks-with-pompeo-regrettable-report

 

 

北朝鮮はマイク・ポンぺオ国務長官との会談を批判し、土曜日に終了した2日間にわたる複数回の会談は「残念な内容」であったと主張した、と報じられている。

 

北朝鮮外務省の名前を明かしていない報道官は声明の中で、アメリカが北朝鮮に対して一方的に非核化を行うように圧力をかけ、先月ドナルド・トランプ米大統領と金正恩委員長との間で行われた米朝首脳階段の「精神を裏切るもの」だと批判した。

 

北朝鮮外務省の声明では、ポンぺオ長官と北朝鮮の政府高官たちとの複数回の議論は「懸念が残るもの」となっており、北朝鮮政府としては合意締結後に比べて核兵器を放棄するという考えが持てなくなっているとしている。

 

ポンぺオ長官は2日間にわたる議論について、北朝鮮政府とは異なった考えを示した。ポンぺオ長官は記者団に対して、会談は「生産的」で「誠意をもって行われた」ので、「大きな進展があった」と述べた、とAP通信は伝えている。

 

国務省のヘザー・ニュート報道官はツイッター上で、「ポンぺオ国務長官は記者団に対して、“我々は重要な諸問題のほぼすべてを進展させた”と語った」と述べた

 

今回の議論は、トランプ大統領と金委員長が共同宣言に署名して数週間後に行われた。共同宣言は、朝鮮半島の非核化と引き換えにアメリカが北朝鮮に対して無条件の安全の保証を与えるという内容であった。トランプ大統領に対して批判している人々は、合意が北朝鮮にあまりに有利な内容になっており、アメリカの安全が十分に保障されていないと主張している。

 

米朝合意には具体的な内容が含まれていなかった。今週末のポンぺオ国務長官の平壌訪問は合意の具体的な内容について議論することを目的としていた。ポンぺオは複数の北朝鮮の最高幹部と会談を持った。その中には金委員長の右腕であり北朝鮮の政府高官である金英哲も含まれていた。しかし、訪問中、ポンぺオが金委員長と会談を持つことはなかった。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


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 古村治彦です。

 

 今回は、マイク・ポンぺオ国務長官についての記事をご紹介します。


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ポンぺオと金正恩 

 今年の3月に前任のレックス・ティラーソンが本人に事前通告なしに(トランプ大統領がツイッター上で発表)更迭され、マイク・ポンぺオCIA長官(当時)が後任となるにあたり、いくつかのメディアで出た記事には、ポンぺオとコーク兄弟の関係が取り上げられています。

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チャールズ(左)とデイヴィッド 

 コーク兄弟とは、チャールズ・コーク、デイヴィッド・コークの兄弟で、アメリカの大富豪で、大企業コーク・インダストリーズの経営者です。コーク・インダストリーズは非上場で株式の8割をこの2人の兄弟が所有しています。コーク・インダストリーズは石油関連事業を中心に様々な事業を展開している巨大企業です。

 

 コーク兄弟は豊富な資金を政治家に提供して、政治に影響を与えています。彼らは様々な草の根組織を作り、更には自分たちと同じような大富豪を組織して、資金提供ネットワークを構成しています。コーク兄弟については、拙訳『アメリカの真の支配者 コーク一族』(ダニエル・シュルマン著、講談社、2015年)をお読みください。

 

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 アメリカの真の支配者 コーク一族


 マイク・ポンぺオは、2010年の中間選挙の連邦下院議員選挙でカンザス州第4選挙区から出馬し、当選しました。この時期、アメリカ政界に旋風を巻き起こした「ティーパーティー運動」の一員でした。ポンぺオはトランプ政権に入るまで連邦下院議員を務めました。過激な発言で人々の注目を集めました。

 

この選挙区にはカンザス州の最大都市ウィチタが含まれています。ウィチタにはコーク・インダストリーズの本社があり、総帥チャールズ・コークも居住しています。コーク兄弟はティーパーティー運動の資金源でした。ポンぺオはコーク兄弟のお膝元から政治家としてのキャリアをスタートさせています。そして、実際にポンぺオはコーク兄弟から多額の資金援助を受けています。

 

 しかし、コーク兄弟とポンぺオとのつながりはもっと昔に遡ることが出来ます。ポンぺオ(1963年生まれ)は陸軍士官学校をトップの成績で卒業し(1986年)、その後、1991年までアメリカ陸軍の機甲師団に勤務しました。1992年にハーヴァード大学法科大学院に入学しました。学内誌『ハーヴァード・ロー・レヴュー』誌の編集員を務めました。この経歴はバラク・オバマ前大統領と同じです。エリートということになります。

 

 1994年に法科大学院修了後、ポンぺオはワシントンDCにあるウィリアム・アンド・コノリー法律事務所に勤務しました。この法律事務所は200名以上の弁護士を抱える大規模な事務所です。そして、1998年にカンザス州ウィチタに移りました。ここで陸軍士官学校時代の友人たちと航空機の部品製造の会社を立ち上げました。この時にコーク・インダストリーズのヴェンチャービジネス投資専門の子会社から資金提供を受けました。この時に既にコーク兄弟との関係が出来たということになります。

 

 2017年1月から正式に発足したドナルド・トランプ政権にはコーク兄弟と関係の深い人々が多数入閣しています。その代表がポンぺオということになります。コーク兄弟は、リバータリアニズムという思想を信奉しています。リバータリアニズムは、アメリカが外国で戦争をすることに反対します(アメリカの領土に攻めてこられたら徹底的に戦うとしています)。

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 今回の米朝首脳会談から共同宣言へと進み、対話路線となったのにはトランプ大統領の意向が大きかったと思いますが、ポンぺオとコーク兄弟の関係、コーク兄弟の意向も働いたのではないかと考えます。

 

(貼り付けはじめ)

 

コーク兄弟は自分たちのための国務長官を手に入れた(The Koch Brothers Get Their Very Own Secretary of State

-レックス・ティラーソンの後任として、トランプは大富豪の使い走りを据える

 

ジョン・ニコラス筆

2018年3月13日

『ザ・ネイション』誌

https://www.thenation.com/article/the-koch-brothers-get-their-very-own-secretary-of-state/

 

2010年の中間選挙において共和党が勝利を収めた。この時、チャールズ・コークとデイヴィッド・コークがアメリカ政治における重要人物として登場した。この選挙で、コーク・インダストリーズから最大の寄付を受けたのがマイク・ポンぺオという名前の新人であった。8年前の連邦下院議員選挙の後、ポンぺオは「コーク兄弟の連邦議員」や「コークが送り込んだ連邦議員」と呼ばれた。

 

現在、ポンぺオはコーク兄弟の影響を受けた国務長官になるという立場に立っている。

 

ポンぺオはCIA長官としてトランプ大統領のイエスマンを1年ちょっと務めた。そして、トランプは無気力なレックス・ティラーソンの後任にポンぺオを据えた。

 

トランプ大統領とティラーソン国務長官はお互いが疎遠になっていった。ティラーソンは自身の解任を火曜日の朝にツイッターを通じて知ったことが明らかとなった。ティラーソンは側近からツイッターの画面を見せられ、トランプ大統領による更迭を教えられた。国務省が発表した声明は、ティラーソンが解任の理由について「知らない」ということを示唆している。

 

ティラーソンは、ロシアによるサイバー攻撃やサウジアラビアやカタールなどの国々に対する姿勢といった点でトランプとは別の方法を採用していた。

 

ポンぺオの政治的な寄付者に対する服従のパターンは、自己中心的なトランプ大統領には合うものである。ポンぺオはティラーソンに欠けていた外交上の立場を持ち込むことになるだろう。ポンぺオは外交政策に関してはタカ派で、イランとの核合意に強く反対し、アメリカ国内や海外に在住するイスラム教徒たちへの恐怖感を煽り、グアンタナモ基地の収容所の閉鎖に反対した。また、国家安全保障庁による憲法違反の調査プログラムを「素晴らしく重要な仕事」だと擁護した。ポンぺオはまた、NSAの内部告発者エドワード・スノーデンについて、「ロシアから連れて帰り、法的な処置を取るべきだ。そうすれば、適切な司法過程の結果として彼に死刑が宣告されるはずだと思う」という過激な発言を行った。

 

ポンぺオはプライヴァシー権や公民権を重視しない立場を公の場で見せている。また過激な言動や過激な政策を好む傾向にある。これは外交官に適しているとは言えない。過激な言動を好むポンぺオでは、レックス・ティラーソン国務長官よりもトラブルを引き起こす可能性が高い。ティラーソンは自分の世界観を持っているが、喧嘩をするような人物ではない。自分の影響力が低下している国務省のために喧嘩をするようなことはしない。

 

ポンぺオは短気であり、同時に闘争的な街であるワシントンにおいて最も闘争的な人物である。非上場で秘密主義の世界規模のビジネス帝国の支援のおかげで、ポンぺオは政治上のキャリアを上昇することが出来た。ポンぺオはカンザス州ウィチタ出身だ。ウィチタには石油と天然ガスを取り扱うコーク家のビジネス帝国が本部を置いている。ポンぺオはコーク・ヴェンチャー・キャピタルから設立資金の融資を受けて自身の会社を立ち上げた過去を持つ。

 

政治的により重要なことは、ポンぺオがビジネスの世界から政界に進出するにあたり、コーク兄弟とコーク・インダストリーズの従業員たちから大きな支援を受けた。カンザス大学政治学教授のバーデット・ルーミスは次のように語っている。「この点についてポンぺオは激しく反論するでしょうが、彼を“コークから送り込まれた連邦下院議員”と規定することは難しくありませんよ」。

 

実際のところ、「コークから送り込まれた」という特徴付けは、ドナルド・トランプが国務長官に据えようとしている人物にとっては適切なものである。コーク兄弟について考えてみると、彼らは漫画で描かれている姿よりもより繊細で抑制的である。『ジ・アメリカン・コンサヴァティヴ』誌のようなコーク兄弟を長年監視してきた人々や雑誌によれば、コーク兄弟から資金援助を受けてきた様々なプロジェクトは、激しい言葉遣いや戦闘的な保守主義とは一線を画するものばかりだ。しかしながら、コーク兄弟との資金と協力を得ている共和党の政治家の場合と同じく、それらのプロジェクトは、大富豪であるコーク兄弟と彼らの協力者たちの意向に沿った主張を行うものとなっている。多国籍企業に有利な国内向け、海外向けの政策を求める主張を行い、その点でポンぺオとそっくりなのだ。

 

非営利組織「センター・フォ・フード・セイフティ」は、食品表示問題でポンぺオと争った。食品表示問題は世界規模の農業ビジネスと食品小売りにとって大きな利益となる。「センター・フォ・フード・セイフティ」は2014年の文書の中で次のように書いている。

 

「マイク・ポンぺオ連邦下院議員は2010年の選挙においてコーク兄弟から最大の選挙資金の援助を受けた。コーク兄弟からの資金で選挙に当選した後、ポンぺオ議員はコーク・インダストリーズに勤務していた弁護士を議員事務所運営のために雇い入れた。『ワシントン・ポスト』紙によると、ポンぺオ議員はコーク・インダストリーズに有利になる法案を次々と提案し、コーク兄弟はロビイストたちを雇ってそれらの法案を支援した」。

 

2010年の中間選挙について、センター・フォ・レスポンシヴ・ポリティックスはつぎのように分析している。

 

「コーク・インダストリーズは、2010年のポンぺオ議員の選挙の時に投入した金額以上の資金を1人の候補者に提供したことはない。コーク・インダストリーズは総額で8万ドルをポンぺオに提供した。2012年の選挙ではポンぺオの選挙に11万ドルを提供した」。

 

2014年にポンぺオは再選を目指した。この時、ポンぺオはこちらもコーク家とつながりを持つライヴァルの共和党員と厳しい予備選挙を戦った。この時の選挙戦で流れを決定づけたのは、コーク家がポンぺオを支援するという姿勢を見せた時だ。 コーク・インダストリーズの政府・公共問題担当副会長のマーク・ニコラスは、『ポリティコ』誌の当時の取材に対して次のように答えた。「コーク政治活動委員会はマイク・ポンぺオを連邦議会に送ることを支援することに誇りを持っている。ポンぺオは市場を基礎とした政策と経済的自由を支持している。これらは社会全体に利益をもたらすものだ」。

 

コーク家はポンぺオを忠実に支援しているし、ポンぺオはコーク家に対して忠実だ。ポンぺオはコーク家が開催する非公開の集まりに定期的に出席している。また、コーク兄弟を擁護する発言をしている。ポンぺオは、「オバマ大統領と“ニクソン的な”民主党員たちは、チャールズ・コークとデイヴィッド・コークに対して不当な中傷を行っている」と発言した。

 

しかし、もちろん、巷間言われている悪口には、大富豪であるコーク兄弟が持つ影響力やコーク兄弟のアメリカの政治と統治に対する適切な疑問も含まれている。これは根拠のない疑念ではない。ポンぺオはアメリカ国内で最もコーク兄弟の支援を受けている政治家だと考えられている。ポンぺオは連邦下院議員になってわずか数週間後に、「コーク兄弟のビジネスの利益になるため」の法案を提出したと批判された。

 

『ワシントン・ポスト』紙は2011年に「その手段として、連邦下院で審議される連邦政府予算案におけるオバマ政権で始められた主要な2つのプログラムへの予算を大幅な削減が挙げられる。その2つのプログラムとは、安全ではない製品に対する消費者からの訴えを記録するデータベースと環境保護局による温室効果ガスを排出する企業や団体などの登録である」と報じている。この2つはコーク・インダストリーズにとって法律上重要なことである。公開された情報によると、コーク・インダストリーズはこれらに関して2008年から総計で3700万ドルの資金をロビー活動に投じている」。

 

「コモン・コウズ」のメリー・ボイルは「昔から変わらない。連邦議員が自身にとっての最大の資金提供者のために働くということは全く変わっていない」と非難している。

 

しかしながら、今回は全く別の内容の話になっている。ドナルド・トランプは「コークから送り込まれた連邦下院議員」を国務省の最高責任者に据えたいと考えている。更に考えると、アメリカ政府の世界との関わり方はコーク兄弟の利益となるようになるであろう。

 

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コーク兄弟のコントロールは像だし、16の連邦政府機関に拡大(Koch Brothers Growing Control Extends to 16 Federal Departments

―私たちの目に触れない裏側で、コークの力は増大している

 

2017年7月5日

『チェック・アンド・バランス』誌

https://checksandbalancesproject.org/koch-strength-increases/

 

アメリカはトランプ・サーカスによって立ち往生している。しかし、あまり知られていないが、コーク兄弟はより力を強めている。コーク兄弟は長年にわたり共和党内の経済哲学を軌道修正しようと努力してきた。そして、極端な、反政府的なリバータリアニズム哲学を信奉する組織を集めてきた。リバータリアニズム哲学はコーク兄弟に役立っている。

 

現在、コーク兄弟は16の政府機関の長官職を通じて政権をコントロールしている。長官職に就いている人々はコーク兄弟と長年にわたり緊密な関係を保ち、資金的な支援を受けてきた。

 

●コーク・インダストリーズのビジネスを守ることと成長

 

これまでの1年半、「チェックス・アンド・バランシズ・プロジェクト」はコーク・インダストリーズと私たちがコーク・アドヴォカシー・ネットワークと呼ぶネットワークについて詳しく調査を行ってきた。それで分かったことは、コーク・インダストリーズは、自分たちのビジネスを守り、成長させるために行動しているということだ。コーク兄弟の草の根団体ネットワークはコーク・インダストリーズを擁護し、成長させるために存在している。

 

コーク一族、その中でもチャールズとデイヴィッドはコーク・インダストリーズの株式の8割以上を保有し、1983年に反対派の株主たちから株式を買い取り、議決権株式の88%を取得した。コーク兄弟は複数の巨大な石油精製施設とパイプラインを所有しているが、コーク・インダストリーズは化石燃料を民生用の商品に加工して利益を得ている。

 

コーク・インダストリーズはアメリカの非上場企業では第2位の規模を誇る。60か国でビジネスを展開し、従業員数は12万以上である。2015年の年間の総売上は1150億ドル(約11兆5000億円)に達した。「ブルームバーグ・ビリオネア・インデックス」によると、チャールズ・コークとデイヴィッド・コークの兄弟は2人合わせると世界で最も富裕な人たちということになる。彼らの資産は960億ドル(約10兆5000億円)である。

 

コーク兄弟は長年にわたり、アメリカ政界を支配するために努力してきた。しかし、マイク・ペンスがドナルド・トランプの副大統領候補に選ばれてから、コーク兄弟にとっての新たな機会が開かれるようになった。

 

●副大統領による保証

 

ペンスは、政権以降ティームの責任者となってトランプ政権の主要なポジションに人々を推薦した。そして、現在は副大統領となっている。そのためにコーク兄弟の力は強まっている。

 

本誌はトランプ政権の16の省と連邦機関の長官についての情報を集めた。この人々はコーク兄弟と関係を持っている。その中の数名をご紹介しよう。

 

中央情報局(CIA)長官マイク・ポンぺオ。2010年の中間選挙の連邦議会選挙で躍進を見せた時、コーク・インダストリーズから最も支援を受けた人物が新人連邦下院議員として当選したマイク・ポンぺオだ。選挙後、ポンぺオは「コーク兄弟の連邦下院議員」「こーうから送り込まれた連邦下院議員」と呼ばれた。ポンぺオは連邦下院議員時代に連邦下院情報委員会の委員を務めた。そして、連邦下院情報委員会と連邦上院情報委員会の20名以上の委員を差し置いて、CIA長官に抜擢された。

 

保健福祉長官トム・プライス。連邦下院議員(ジョージア州第六選挙区、6期)時代、コーク兄弟の主要な政治団体「アメリカンズ・フォ・プロスペリティ」の立場を反映した法案への支持率は、2007年から2008年にかけては95%、2009年から2010年にかけては100%、2011年から2012年にかけては91%、2013年から2014年にかけては77%、2015年は100%であった。2016年のアメリカンズ・フォ・プロスペリティジョージア州支部の評価では、この数字は100%であった。

 

ネオミ・レオ情報規制局長官。レオはトランプ政権の規制に関しての最高責任者だ。約50名の部下を指揮して、コーク兄弟のお気に入りミック・マルヴァニーアメリカ合衆国行政管理予算局長官に報告をしている。ラオは連邦機関一つ一つが持つ規制に関する緩和計画を準備することになるだろう。レオは2015年9月にジョージメイソン大学行政学研究センターが創設され責任者になるまで、11年間ジョージメイソン大学ロースクール教授を務めた。ジョージメイソン大学ロースクールはアントニン・スカリア記念ロースクールと名付けられた。ジョージメイソン大学ロースクールは、コーク兄弟の慈善事業の最大の受益者となっている。2005年以降総額で4600万ドルがロースクールに提供された。

 

私たちの民主政治体制は世界で最も富裕な2人の兄弟に乗っ取られている。彼ら2人が持つ総資産の価値はビル・ゲイツを上回る。これまで彼ら2人のように私たちの政治システムと政府をコントロールした人物たちはほとんどいなかった。コーク兄弟の強さが増している中で、彼らの求める政策が既に実行されているのである。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)



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