古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

カテゴリ: アメリカ政治

 古村治彦です。

 アメリカが堅持してきた二大政党制が崩壊する可能性が高いと私は考えている。今回の大統領選挙をめぐるこれまでの動きの中で、共和党内に大きな亀裂が生まれている。民主党はエスタブリッシュメント対進歩主義派という対立構造があったが、「アメリカの敵・ドナルド・トランプとトランプ支持者たち(本当は民主党が助けなくてはいけない人たちのはずだが)」という共通の敵を作り上げて、今のところは一枚岩だ。

外国に敵を作って、皆でまとまろうという策謀と全く同じ構造だ。これで、「アメリカの融和」などと寝ぼけたことを言っているのは笑止千万だ。これに協力している、進歩主義派も結局、エスタブリッシュメント派の軍門に下り、ワシントンでの楽しい生活を謳歌している。私は大きく失望している。中世ヨーロッパの言葉に「都市の風は人間を自由にする」というものがあるが、それをもじって言えば、「ワシントンの風は人間を徹底的に堕落させる」ということなのだろう。進歩主義だ、貧しい人々のためだ、と意気揚々とワシントンに乗り込んでみたら、取り込まれて、堕落してしまう。その点で、ドナルド・トランプという人物は最後まで、ワシントンの「部外者(アウトサイダー)」だった。

 共和党に目を移せば、「エスタブリッシュメント派対トランプ・ポピュリズム」という対立構図になる。このブログでも紹介したが、共和党支持の有権者たちの間でのトランプ支持は根強い。この有権者たちにそっぽを向かれれば共和党の議員たちは落選して、ただの人となり、楽しいワシントンでの生活からオサラバしなければならない。

 2020年の選挙では連邦上院では共和党と民主党が50対50となり、連邦上院議長は副大統領が務めるので、民主党が過半数を握ることになった。連邦下院では民主党が過半数を維持したが、共和党が議席数を伸ばした。2022年の中間選挙では共和党が議席数を伸ばすことが見込まれている。

 共和党側は、民主党側に対して、「民主党は社会主義の方向に進んでいる」という宣伝戦略を展開している。2022年に向けてもこの戦略を採用しようとしている。これで消極的な民主党支持者たちを取り込もうとしている。民主党側では、進歩主義派の勢力が大きく、バイデン政権と連邦議会民主党執行部としても無視できない。そこで、「大きな政府」政策を実行すると、共和党側の宣伝戦略にはまってしまう。

 一方、共和党側でも「トランプ・ポピュリズム派」は、民主党側からの攻撃目標にされてしまうだろう。「あの連邦議事堂襲撃事件を起こしたトランプを支持する政治家たちを当選させてはいけない」という戦略で共和党攻撃を行うだろう。民主、共和両党はお互いの「急進派」を標的にして攻撃する戦略で2022年の中間選挙を戦うことになる。両党にとって、「急進派」は重要な存在である。そう簡単に切ることができない。このかじ取りが2022年の選挙の結果を左右することになるだろう。

(貼り付けはじめ)

共和党は2022年に連邦下院で過半数を獲得する道筋を見ている(GOP sees path to House majority in 2022

ジュリー・グレイス・ブラフケ筆

2020年11月18日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/house/526444-gop-sees-path-forward-to-house-majority

共和党は今週連邦議事堂に戻って来た。共和党は予想を裏切り、選挙投開票日に連邦下院での議席を増やして戻って来た。2022年の中間選挙で過半数を獲得する見通しを持っている。

共和党所属の連邦下院議員たちは木曜日、連邦下院少数党(共和党)院内総務ケヴィン・マッカーシー連邦下院議員(カリフォルニア州選出、共和党)をはじめとする連邦下院共和党指導部をそのまま再任することで、その功績に報いた。共和党は、分裂した投票行動を行った有権者たちから支持を受けた。この有権者たちはトランプ大統領をホワイトハウスから追い出しながら、連邦上院と連邦下院の選挙の共和党の候補者たちを支持した。

選挙結果はアメリカ国民が捻じれた政府(訳者註:ホワイトハウスは民主党、議会は共和党)を認めたということであり、共和党側は2年後の中間選挙において連邦下院で過半数を奪還することができるという手ごたえをつかんでいる。中間選挙はこれまで、ホワイトハウスを掌握している政党が連邦議会で議席を減らすということになっている。

まだ結果が出ていない複数の州で共和党の候補者たちが優勢であり、それらを入れて、共和党は20議席近く増やそうとしている。共和党は今回の選挙結果でも過半数まで17議席足りないままである。しかし、民主党側から見れば、第二次世界大戦以降、最も議席差が少ない連邦下院ということになっている。

連邦下院少数党(共和党)幹事ステイ―ヴ・スカリス連邦下院議員(ルイジアナ州選出、共和党)は全米を駆け回って再選を目指す現職たちのために応援演説をしていた。スカリスは本誌の取材に次のように答えた。「今回の選挙で私たちは接戦の選挙区において多くの議席を獲得したことで、多くの人々に衝撃を与えることができました。しかし、私たちはこれからもやらねばならないことがたくさんありますが」。

スカリスは続けて「私たちが接戦で敗れた選挙区においても素晴らしい候補者たちがいるということを既に伝えられています」と述べた。

共和党指導部は2022年の中間選挙について楽観的になることを戒めていると述べている。彼らは現在の状況について良くなっていると感じているが、連邦下院で過半数を奪還するためにはこれからも戦い続けねばならないだろうと述べている。

トム・エマー連邦下院議員(ミネソタ州選出、共和党)は連邦下院共和党の選対委員長を務めたが、共和党は今回の選挙で予想を超える結果を得たが、連邦下院で過半数を奪還できなかったことについては「失望している」と述べた。

共和党全国選挙対策委員会(The National Republican Campaign CommitteeNRCC)委員長エマーは、議席増を当然のこととは考えておらず、過半数奪回に目を向ける必要があると述べている。また、2018年の中間選挙で民主党側の攻勢によって民主党が基盤を築いた選挙区での議席獲得のための道筋はあるとも述べている。

共和党はマイアミで複数の議席を獲得し、失うと予想されていたテキサス州での複数の議席を維持した。しかし、エマーはアリゾナ州、ミシガン州、ニューハンプシャー州、ペンシルヴァニア州の各州で逆転できる可能性があったと述べている。

エマーは本紙の取材に対して次のように述べた。「今回の選挙で私たちがいささか成功したが、これは偶然の産物ではないということを共和党全体が理解しなければなりません。私たちは努力を続けたので、成功するだろうと言われていました。これからも挑戦は変わりません。より努力をしなければなりません」。

エマーは「人々がどんなことを言っても、簡単なことではないのです。世論調査の専門家や予言者の言うことなど聞きません。選挙の結果は全て候補者たち次第なのです。幸運は自分の力で引き寄せねばならないのです」と述べた。

エマーは、共和党が強力な、そして多様性のある候補者たちを登用したことと、民主党内の分裂によって、共和党が民主党の有名議員たちを落選させることができたと述べている。今回の選挙で民主党側は中道派の議員たちが多く落選した。エマーは、共和党全国選挙対策委員会の戦略として、民主党側の進歩主義的な政策を際立たせながら、接戦の選挙区に照準を定めるという戦略を採用するとしている。

エマーは「穏健派・中道派は残っていません。話は変わりますが、民主党がナンシー・ペロシを議長にとどめるならば、それは私たち共和党にとっては悪いことではありません」と述べた。

連邦下院民主党は水曜日、連邦下院議長ナンシー・ペロシ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)をこれからの任期2年間、民主党のトップに据え続けることに決定した。ペロシは1月の全連邦下院議員からの投票で、過半数の支持を必要としている。2019年の連邦下院議長選挙で、民主党所属の連邦下院議員15名が反対票を投じたが、来年の議会に戻ってくるのはそのうちの10名だ。民主党は議員の数を減らしている。それでも、ペロシの再選にとっては高いハードルにはならない。

民主党側で議席を失うことになる5から15議席の議員たちの中には、長年議員を務めたヴェテランや注目を集めつつあったスター議員たちが含まれている。それらの中には、マイアミ・デード郡の選挙区から出ており、クリントン政権で保健福祉長官を務めたドナ・シャレイラ連邦下院議員(フロリダ州選出)、スタテン島の一部が選挙区になっているマックス・ローズ連邦下院議員(ニューヨーク州選出)、共和党が優勢な選挙区で15期にわたって議員を務め、連邦下院農業委員会委員長を務めたコリン・ピーターソン連邦下院議員(ミネソタ州選出)が含まれている。

歴史的に見て、ホワイトハウスを握っていない側の政党は中間選挙で過半数を獲得している。民主党所属の連邦議員の中には、2022年中間選挙に向けて戦略を再検討する必要があると述べている。

ある民主党連邦議員は、共和党側の民主党と社会主義を結び付けるメッセージ戦略について、民主党はこれに対して戦わねばならず、ペロシ議長は、こうした攻撃のために劣勢に立つであろう民主党の議員たちの敗北に責任を持つことになる。

この議員は次のように述べた。「私が言いたいのは、2022年の中間選挙において私たちは良い立場にはいないということです。私たちは劣勢に立っているんですよ。ペロシ議長が議長職にとどまるというのは全くもって不公正なことです。彼女はこれから2年間議長職にとどまりますが、その後の2022年、私たちは大惨敗を喫する可能性が高いのです」。

「私たちが10から15議席を失うだけでなく、連邦下院民主党は過半数を失うことにもなるでしょう。2020年の中間選挙は、民主党側では共和党から議席を獲得し、過半数の議席数を拡大する機会にもなるはずでした。しかし、私たちはこの機会を無駄にしました。私たちは2022年に議席数の減少を阻止するための堤防を築くために、2020年の選挙がどれほど重要なのかはわかっていました」。

流れは共和党に有利な方向に流れているようではあるが、共和党は今回の選挙での躍進を当然のことだと思ってはならず、連邦下院での過半数奪回のためにはこれからいくつもの高いハードルを越えていくことになるだろうと気を引き締めている。

連邦下院共和党筆頭副幹事長ドリュー・ファーガソン(ジョージア州選出、共和党)は次のように語っている。「もし現在の流れについて考えるならば、私たちは歴史的な勝利を収めたと言えるでしょう。私たちは民主党の本性を明らかにしました。民主党はこの国を社会主義の方向に進めようとしているのです。しかし、私たちはいささか押し戻すことができました。人々は考えを変え、戦うために外に出ました。そして、僅差で多数となっている人々が、人々をまとめる方法を主張しています」。

ファーガソンは続けて次のようにも述べた。「従って、私たちはより一生懸命に努力しなければなりませんし、資金集め、良い政策作り、メッセージの発信など全てのことに注力し、これまでの2倍努力しなければなりません。私たちはそれができると確信しています。しかし、それはドアを通って歩いていけば自然に手に入るものではなく、私たちは勝ち取りに行かねばならないのです」。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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アメリカ政治の秘密
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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 ホワイトハウスを去ったドナルド・トランプが新党を結成するかもしれない、というニュースがしばらく前に出た。その後、続報を聞いていなかったが、世論調査で凄い事実が明らかになった。サンプル数や方法に問題があり、信頼性がそこまで高くないとは言え、『ザ・ヒル』誌が実施した世論調査で、「トランプ新党」の支持率が高いことが分かったのだ。

 「トランプが新党を作ったら」という質問に、共和党支持者の64%がそちらを支持する、そのうちの半分32%はぜひとも支持すると答えた。支持政党なしは28%、民主党支持で15%がトランプ新党を支持すると答えた。そして、有権者全体にすると、37%がトランプ新党を支持すると答えたのだ。

 アメリカの有権者の3分の1以上がトランプ新党を支持するというのは、民主、共和両党にとって衝撃だ。共和党は党内にエスタブリッシュメント派対トランプ・ポピュリズム派の分裂を抱えているが、トランプ支持の有権者たちが離れてしまえば、共和党は選挙で勝てないどころか、第三党に転落してしまう。二大政党制(Two-Party System)の一方の雄、と威張っていたのに、そこから追い落とされる。そうなれば末路は哀れ、消滅してしまう可能性もある。

 トランプは「いつでも新政党をつくるぞ」という姿勢を見せながら、駆け引きができる。エスタブリッシュメント派はトランプにそっぽを向かれたら選挙に負けるということになる。トランプの影響力は大きいままで維持される。

 民主党側は高みの見物を決め込めるかというとそうでもない。民主党内部もエスタブリッシュメント派対進歩主義派の対立を抱えている共通の敵、トランプをとりあえずホワイトハウスから追い出すことができて良かったね、ということで今は対立は激しくないが、進歩主義派の要求にエスタブリッシュメント派は応えたくないということもでてくる。

また、2016年の大統領選挙民主党予備選挙でのヒラリーを勝たせるための民主党全国委員会の不正問題もある。トランプが影響力を行使する、もしくは新党を作るという行動に出た場合、進歩主義派も同様の手段でエスタブリッシュメント派を揺さぶるということも考えられる。

 トランプ新党の具体的な計画はまだ出ていない。しかし、その名前だけでもこれだけの有権者が期待を寄せている。せっかく協力してトランプをホワイトハウスから追い出すことに成功した、民主、共和の既成の二大政党にとっては深刻な問題は続く。

(貼り付けはじめ)

世論調査:共和党支持の有権者の64%がトランプ率いる新党に参加したいと答えた(Poll: 64 percent of GOP voters say they would join a Trump-led new party

ガブリエル・シュルト筆

2021年2月5日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/hilltv/what-americas-thinking/537442-poll-64-percent-of-gop-voters-likely-to-join-a-trump-led-3rd

最新のヒル・ハリスXの共同世論調査の結果によると、共和党支持の有権者の多数が、もしトランプ前大統領が新しい政党を立ち上げたら、それに参加したいと答えた。

1月28日から29日にかけて実施された世論調査で、有権者登録済の共和党支持の有権者たちのうち64%がトランプ前大統領が新政党を立ち上げるならばそれに参加したいと答えた。そのうちの32%はぜひとも参加したいと答えた。

対照的に、共和党支持の調査対象者の36%が「全く」「それほど」支持しないと答えた。

支持政党なしの28%、民主党支持の15%がトランプ率いる第三党支持に回るだろうと答えた。

調査対象者全体の37%が、もしトランプが新政党を立ち上げたら、支持するだろうと答えた。

先月、トランプ派新しい政党をスタートさせるというアイディアについて話したという報道がなされた。しかし、トランプ率いる第三党に関する具体的な計画は浮上していない。

ハリスXCEO兼主席世論調査分析者のドリタン・ネショーは本誌に対して次のように語った。「議事堂進入という事件はあったが、トランプは政治的な力を維持し、それは真剣に興梠しなければならない程のものだということをこれらの数字は示している。彼は多様な支持基盤から支持を集め、有権者全体の3分の1の支持を集めている。これらの有権者は多くの問題に関して、トランプに魅力を感じている人たちである。これらの問題は民主党と共和党のエリートたちは適切に認識ておらず、対処もしていない」。

ネショーは続けて「トランプが共和党から離れて自分自身の政党を創設したとします。世論調査の結果から見ると、彼はアメリカで第2位の政党を創設するということになります。共和党は第3位に転落します」と語った。

最新のヒル・ハリスXの共同世論調査はオンラインで945名の有権者登録済の人々に対して実施された。その内の340名が共和党支持者であると申告した。今回の世論調査の誤差は3ポイントだ。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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アメリカ政治の秘密
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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

人類は歴史上経験のない「高齢化社会」に突入している。もちろん、この高齢化に貢献しているのは、先進諸国だ。その中でも日本は既に「高齢化」の段階を過ぎて、「高齢社会」に突入している。そこに少子化という現象もくっついている。あからさまに言えば、日本は加齢臭と老醜と死臭に満ちた国ということになる。

 「今のお年寄りは元気ですよ」という言葉も聞かれる。確かにそうかもしれないが、それでも高齢となれば死亡するリスクは高まる。また、脳の働きが衰え、感情のコントロールができなくなる、判断力が衰えるということは起きる。

 政治の世界に目を転じてみれば、日本でも80歳に近い政治家たちがいまだに権力の座にしがみついて惨めで醜い姿を晒している。しかし、アメリカでもそれは同じだ。世界唯一の超大国の大統領に選挙で当選したとされるジョー・バイデンがそうだ。彼は現在78歳、大統領の任期の4年間で80歳を超える。先日は犬と戯れていて足を骨折したなどという、なんとも締まらないニュースも報道された。

 アメリカの一部では、「バイデンはとても4年間持たない。そうなれば、副大統領のカマラ・ハリスが大統領に昇格する。そうなればアメリカ初の女性大統領だ。早くそうならないかな、そうなって欲しい」という声がある。副大統領の大統領への昇格の可能性は、これまでの歴代政権に比べて、バイデン政権はダントツに高い。
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 副大統領から大統領に昇格となれば、多くのスタッフはそのまま留任させることになるだろうが、彼女の側近たちはそのまま重要ポストに入る可能性がある。今から、ハリスがどんな人物を自分に近いポジションに登用しているのかを見ることは、これまで以上に重要だ。

 全体的に見て、ハリスは自分の周辺を女性で固めた。しかも非白人のマイノリティを多く登用している。これは女性やマイノリティを大事にする、リベラルな民主党らしい布陣だということになるだろう。しかし、大事なのはこの人たちが何をするかだ。女性やマイノリティだから失敗をしない、世界に厄災をもたらさないなどと言うことはできない。

 また、ハリスを含めて、アメリカ東部の名門大学8校で構成するアイヴィーリーグの出身者はほとんどいない。ここまでアイヴィーリーガー(アイヴィーリーグの大学の卒業生)がいないというのも珍しい。彼女たちは揃って民主党エスタブリッシュメント派に属し、きれいごと大好きの現代風のリベラルの人々だ。
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ハーティナ・フロノイ

副大統領首席補佐官にはハーティナ・フロノイ(Hartina Flournoy)が選ばれた。フロノイは64歳のアフリカ系アメリカ人女性。直前までビル・クリントン元大統領の首席スタッフを務めている。ジョージタウン大学で学士号と法務博士号を取得し弁護士となった。ビル・クリントン元大統領の後輩ということになる。

 全米教員組合委員長公共政策担当アドヴァイザーなどを務め、その後民主党全国委員会入りした。1992年には民主党全国党大会の事務局長を務め、クリントン・ゴアの政権以降ティームに入り、クリントン政権下のホワイトハウスに入った。2000年の大統領選挙ではアル・ゴア陣営の財務担当部長を務めた。

 2004年、民主党全国委員長に選ばれたハワード・ディーン(元ヴァーモント州知事、2004年の大統領選挙で民主党予備選挙に出馬し一時は支持率トップとなった)の委員長就任時の引継ぎに貢献した。

 フロノイは民主党全国委員会に長く参加していたこと、クリントン政権にも参画していたことから、エスタブリッシュメント、ヒラリー派に属する人物である。

国内政策担当補佐官にはロヒーニ・コソグル(Rohini Kosoglu)が起用される。スリランカ系アメリカ人である。父親は医師で、スリランカでの大学生時代にはクリケットの有力選手として知られていた。父親が1980年代にアメリカに移住して、ロヒーニが誕生した。コソグルはミシガン大学で学士号を、ワシントンDCにあるジョージ・ワシントン大学で修士号を取得した。その後は、政治の世界に入り、マイケル・ベネット連邦上院議員やデビー・スティーブナウ連邦上院議員など、連邦議員たちの選挙などで組織運営の仕事を行っていた。また、オバマケア成立にも尽力した。

2017年からは連邦上院議員に当選したばかりのカマラ・ハリスの上級補佐官となった。2020年の大統領選挙民主党予備選挙では、首席スタッフとなった、ハリスは早々に撤退を余儀なくされた。コソグルは300名のスタッフがいた選対全体を統括し、討論会、政策、予算などを一手に管理した。政権移行ティームではハリスの上級補佐官と連邦上院議員首席補佐官を務めている。ハリスの大統領選挙対策委員会では国内政策アドヴァイザーを務めた。コソグルはハリスの側近中の側近だ。

 ハリスがインド系であり、コソグルがスリランカ系ということで、南アジアにルーツを持つ2人ということになる。スリランカではコソグルのホワイトハウス入りが大きく報じられた。コソグルはアメリカ国内政策担当であるが、彼女の存在は対外的に意味を持つ。対中国、対ロシアの戦略において、インドとスリランカはアメリカにとって重要になってくる。「自由なインド太平洋」を守るという概念を持ち出し、Quad(クアッド、アメリカ、日本、オーストラリア、インド)という協力関係を構築している。これは、中国の「真珠の首飾り」戦略に対抗するものだ。そうした中で、スリランカの重要性は高まる。そうしたこともあり、コソグルの登用は意味を持つ。
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ナンシー・マクエルダウニー

 国家安全保障担当副大統領補佐官にはナンシー・マクエルダウニー(Nancy McEldowney)が就任する。マクエルダウニーは、ジョージ・W・ブッシュ政権下では駐ブルガリア米国大使を務めた。フロリダ州のニュー・カレッジ卒業後、コロンビア大学国際公共政策大学院(School of International and Public AffairsSIPA)とアメリカ国防大学(National Defense University)でそれぞれ修士号を取得後、1986年に国務省に入り、外交官となった。

2001年から2004年にかけては駐アゼルバイジャン米国大使館首席公使(Deputy Chief of Mission)、2005年から2008年にかけては駐トルコ米国大使館首席公使を務めた。

マクエルダウニーは2009年から2011年にかけてヨーロッパ問題担当筆頭国務次官補代理を務めた。そして、2011年から2013年にかけては国防大学の学長代理と上級副学長を務めた。その後、フォーリン・サーヴィス・インスティテュート(FSI)の部長を務めた。FSIは国務省に採用された若手職員たちに、外国語や指導力など外交官としての訓練を施す機関だ。2017年からはジョージタウン大学ウォルシュ外交大学院の外交官養成系修士号プログラムの責任者に就任した。2010年以降は現場の第一線から外れて、教育畑に移った印象だ。ジョージタウン大学外交学部は外交官を多く輩出している機関であり、国務省ともつながりが深い。また、繰り返しになるが、ビル・クリントン元大統領の母校でもある。

 国務省のキャリア外交官であり、人脈的にヒラリー派ということになる。専門は、トルコとアゼルバイジャンということになる。対イラン戦略でどういう役割を果たすのか、注目される。
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シモンヌ・サンダース

 シモンヌ・サンダース(Symone Sanders、1989年-)は上級補佐官と首席報道官を務めることになる。1989年にネブラスカ州で生まれた。まだ31歳だ。ネブラスカ州にあるイエズス会系の学校であるクレイトン大学を卒業後、ネブラスカ州オマハ市長の広報担当からキャリアをスタートさせた。2015年には大統領選挙民主党予備選挙候補者バーニー・サンダースの選対に入り、広報を務めた。2016年には選対から離れ、CNNのコメンテイターとなった。2019年、バイデン陣営に上級顧問として入った。

 サンダースはハリスと直接関係があったのかどうか不明だ。サンダース陣営の広報担当を務めたという経歴があるが、今回の大統領選挙では、バーニー・サンダースが再び出馬したというのに、バイデン陣営に入った。2016年の大統領選挙でサンダース陣営の広報として脚光を浴び、その後CNNでコメンテイターとなったということを考えると、エスタブリッシュメント派に取り込まれたということが考えられる。
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アシュリー・エティエンヌ(Ashley Etienne、1978年-)は42歳の若さで広報担当副大統領補佐官を務める。エティエンヌは30代で、バラク・オバマ政権で特別補佐官を務め、その後はナンシー・ペロシ連邦下院議長の報道担当と上級補佐官を務めた。広報担当として大変有能な人物のようだ。

 エティエンヌはテキサス州のサム・ヒューストン州立大学を卒業し、その後、ジョンズ・ホプキンズ大学で政治コミュニケーションの修士号を取得した。その後は、政治コミュニケーションの分野で活動した。2001年から2013年までアメリカ連邦下院監視・政府改革委員会のコミュニケーション担当を務め、そこで、イライジャ・カミングス連邦下院議員(メリーランド州選出、2019年に没)と知り合った。

 2008年にはバラク・オバマの大統領選挙の選対に入り、広報担当を務めた。オバマ政権では広報担当部長と特別補佐官を務めた。その後、ナンシー・ペロシ連邦下院議長の広報部長と上級補佐官を務めた。2020年の大統領選挙ではバイデン選対に入り、戦略立案担当の上級顧問を務めた。

 ハリスの周囲は女性とマイノリティで固められている。こうしたこれまでワシントンで男社会の壁に阻まれてきた人たちが活動する機会が与えられるのは結構なことだが、あまりに偏り過ぎているようにも感じられる。これまで男社会で男ばかりに偏っていたではないか、という批判はその通りであるが、「偏り」という悪習を男社会から踏襲するのもおかしい。

 バイデンがいつまでもつだろうか、ということがアメリカ国民の一部の関心事だ。「早く女性大統領が誕生して欲しい」という声がある。その声の通りに、ハリスが大統領に「昇格」ということになれば、ハリス副大統領の周囲を固めている女性たちも一緒により重要なポジションに昇格する可能性が高い。これまでよりも「副大統領のスタッフ」に対して注目する必要がある。そして、この必要性こそがバイデン自身とバイデン政権が内包する「瓦解の芽」である。

(貼り付けはじめ)

Harris assembles staff as she builds her vice presidential portfolio

Jasmine Wright

By Jasmine Wright, CNN

https://edition.cnn.com/2020/12/03/politics/kamala-harris-staff/index.html?utm_content=2020-12-03T14%3A05%3A07&utm_source=twCNNp&utm_term=image&utm_medium=social

(CNN)Vice President-elect Kamala Harris is constructing the key team of senior staffers who will accompany her to the White House, announcing Thursday the hiring of three top roles including chief of staff.

The staffers, all of whom are women and two of whom are people of color -- highlight the incoming administration's commitment to diversity.

Harris tapped Hartina Flournoy, a Black woman, as her incoming chief of staff. She currently serves as chief of staff to former President Bill Clinton.

"Tina brings a strong commitment to serving the American people, and her leadership will be critical as we work to overcome the unprecedented challenges facing our nation," Harris said in a statement.

News of Flournoy's hiring was first reported by journalist Yashar Ali late Monday night, and confirmed by CNN shortly after.

Rohini Kosoglu, a longtime Harris aide who currently serves as senior adviser to Harris on the transition team and held chief of staff titles in both the incoming vice president's Senate office and past presidential campaign, will be her domestic policy adviser. And Ambassador Nancy McEldowney will be Harris' national security adviser. McEldowney has an extensive career in foreign service including serving as the US ambassador to Bulgaria during the George W. Bush administration.

"Together with the rest of my team, today's appointees will work to get this virus under control, open our economy responsibly and make sure it lifts up all Americans, and restore and advance our country's leadership around the world," Harris said.

The all-women, majority of color trio will join at least two other women of color holding senior roles in Harris' office, in the latest high-profile appointments for an administration that has pledged to have its ranks reflect the diversity in America. That includes Symone Sanders, an incoming senior adviser and chief spokesperson for the vice president-elect, and Ashley Etienne, who will serve as communications director for Harris.

The official announcement, first shared with CNN, is an early look at who Harris is surrounding herself with at the start of her new role, as she begins to build out her portfolio.

Building out her team

Harris has known Flournoy for a number of months, but it is a relatively new relationship, a source close to Harris told CNN. The vice president-elect spoke to Flournoy soon after she was selected by President-elect Joe Biden in August, during a series of phone calls to various leaders and Democratic operatives.

At the time, Harris, 56, leaned on her for advice, telling Flournoy, "I hope that you will help me find good staff people, including yourself," according to the source.

Harris interviewed numerous leaders virtually, both men and women, in what those familiar called a "rigorous process." She both identified individuals who she wanted to interview for the job and interviewed some provided to her by the transition team.

"She did not start out saying, 'I want a Black woman.' She started out saying, 'I want the best person qualified for this job. And that person just happens to be Black," Minyon Moore, a veteran political operative and current transition adviser tapped to help build out the vice president-elect's staff, told CNN in an interview.

And in the end, Harris chose Flournoy, a well-respected Black woman and Democratic operative with decades of experience in Washington, DC, and an aligning vision that reflected the priorities of the administration and values Harris is looking to bring to her office.

Flournoy is part of the "Colored Girls," a crew that stormed presidential politics in the late 1980's, that includes Donna Brazile, Moore, Leah Daughtry and Yolanda Caraway.

"When they start speaking, everybody shuts the hell up," said a source close to the campaign told CNN earlier this year.

Before her current role with Clinton, Flournoy, a graduate of Georgetown Law, served in several roles in the Democratic Party, including senior adviser to then-Democratic National Convention Chairman Howard Dean in 2005. She was the traveling chief of staff to 2000 Democratic vice presidential nominee Sen. Joseph Lieberman, finance director for then-Vice President Al Gore's 2000 presidential campaign and deputy campaign manager in the 1992 Clinton and Gore Presidential Transition Office and served in the White House Office of Presidential Personnel, according to her Georgetown University biography.

Kosoglu, who will be Harris' domestic policy adviser, has played a crucial part in her national political career, serving as a senior adviser since 2017 and sowing deep connections with her boss. A Sri Lankan-American, she became the first South Asian American woman to serve as chief of staff in the US Senate -- working for Harris, the first South Asian-American senator. Kosolglu was a spring 2020 Harvard University Institute of Politics fellow and before joining Harris' campaign, held senior leadership positions with Sens. Michael Bennet of Colorado and Debbie Stabenow of Michigan.

As the primary campaign's chief of staff, Kosoglu was instrumental in filling the team so it intentionally included a diverse group and shaped policy, a source familiar with campaign matters told CNN. During the general election, Kosoglu often traveled with the then-vice presidential nominee.

In her statement, Harris nodded to Kosoglu's vital role calling her, "an expert on some of the most important issues facing the American people, but also one of my closest and most trusted aides from the Senate and presidential campaign."

The third member of the team that Harris announced Thursday, McEldowney has served more than 30 years as a career foreign service servant and was also the chargé d'affaires and deputy chief of mission in Turkey and Azerbaijan as well as the State Department's director of the Foreign Service Institute, where she led the foreign affairs training facility for the US government, according to her Georgetown biography.

Building her portfolio

While no official policy designations have been set, sources say Harris wants to be a part of the administration's rebuilding of small and medium businesses stripped by the pandemic, in part because they disproportionately affect women and people of color.

The vice president-elect is also eyeing a role in the administration's education platform -- as many children without proper access to broadband during the pandemic have fallen behind.

Harris has long focused on the welfare of children throughout her prosecutorial career, in the Senate and during her own presidential campaign. Her first major policy proposal last year during the campaign pledged to boost teacher pay.

Over time, she'll look to solidify her foreign policy and national security accolades, leaning on her four years of experience as a member of the Senate Intelligence Committee, a source adds.

That is in addition to Harris' possible role in any criminal justice and climate justice reform, drawing on her years as California's attorney general and San Francisco district attorney.

The arsenal of key staff that Harris is surrounding herself with will be essential in securing the work that rounds out her record.

For her part, Flournoy has prior relationships with many top Biden advisers, having worked with them in her different capacities in Washington.

McEldowney, a veteran in the foreign policy arena, has deep ties to the community as well. Kosgoulu, who spent many years on Capitol Hill, could serve as an emissary for Harris who, once inaugurated, will become the president of the Senate.

But the most important relationship of them all, is the one Harris builds with the President-elect.

"The first obligation is to do what is asked by the President of the United States," Moore, who served as director of White House political affairs to Bill Clinton and watched his relationship to Gore flourish, said.

Harris has often called Biden a "model" for how she would shape her own vice presidency, calling his leadership on significant issues to support then-President Barack Obama an inspiration for how she will do her job.

Moore said from what she's witnessed, the pair have been open and trusting.

"Her voice is heard. She has a complete seat at the table, not a half seat. A complete seat. Shirley Chisholm said if you don't have a seat, bring a folding chair. Well, she has a hard chair," Moore said.

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 ドナルド・トランプ前大統領は最後までワシントンのアウトサイダーだった。よそ者だった。そうだったからこそ、ワシントンの大掃除、「ドレイン・ザ・スワンプ」をやろうとした。しかし、それに反対したのは、ワシントンの住人たちであり、そこに民主党、共和党の違いは存在しなかった。

 トランプ大統領は在外米軍の削減を進めようとした。それに対して、民主、共和両党から当然のように反対論が噴出した。バイデン政権の国務長官であり、バイデンの長年の側近であるアントニー・ブリンケンも反対を表明した。共和党内からは、リズ・チェイニー連邦下院議員が激しく反対した。

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父ディック(左)とリズ・チェイニー
 リズ・チェイニーは、ディック・チェイニーの長女だ。ディック・チェイニーは、ジョージ・
HW・ブッシュ(父)政権で国防長官(1989-1993年)を務め、ジョージ・W・ブッシュ(子)政権では副大統領(2001-2009年)となった。アホ息子ブッシュ政権では、ネオコン派の総帥として、実質大統領として、イラク戦争を主導し、アメリカを泥沼に引きずり込んだ張本人だ。リズはその父親の影響を強く受けている。

 父親ディックが父ブッシュ政権で国防長官を務めていた時期、国務省と米国国際開発庁(USAID)に勤務していた。その後は、父親とはネオコン仲間のリチャード・アーミテージが作ったコンサルティング会社アーミテージ・アソシエイツに入社した。

 父親がブッシュ(子)政権で副大統領になると、国務次官補代理(近東担当)となり、2004年の大統領選挙では父親の選対に入り、その後2005年には、筆頭国務次官補代理(近東担当)として国務省に復帰した。2014年にワイオミング州選出連邦上院議員選挙に出馬しようとして断念したが、2016年の選挙で連邦下院議員選挙に当選した。ワイオミング州は人口が少なく、連邦上院議員は2名配分されているが(連邦上院は各州2名と決められている)、連邦下院議員は州全体で1名である。その1名にリズは当選した。これはもちろん、父親の威光がある。

 リズの父親ディックもワイオミング州選出の連邦下院議員を6期務めた。その前にはジェラルド・フォード政権でホワイトハウス次席補佐官(1974―1975年)と首席補佐官(1975-1977年)を務めた。連邦下院議員在任中(1979-1989年)、連邦下院共和党指導部序列3位の共和党連邦下院議員会長(1987-1989年)、序列第2位の連邦下院少数党(共和党)院内幹事(1989年)をそれぞれ務めた。

 娘リズは現在連邦下院議員の3期目(2017年初当選)を務めているが、2期目の2019年から序列3位の議員会長を務めている。父親よりも共和党指導部での昇進が早い。これはもちろん、父親ディックの存在がバックにあるからだろう。

 リズは共和党保守派の若きホープとなっている。彼女もまた父親の系譜に従って、ネオコン派である。そして、この親子2代のワシントンの住人は、トランプ大統領を激しく攻撃した。民主党ならばともかく、共和党内部にも敵を抱えていたとランプ大統領は四面楚歌状況であった。そして、ワシントンのアウトサイダー、トランプ大統領による大掃除は失敗に終わった。

(貼り付けはじめ)

トランプ:リズ・チェイニーの選挙についての発言は米軍の帰還Trump: Liz Cheney's election remarks sparked by push to bring US troops home

ザック・バドリック筆

2020年11月22日

https://thehill.com/homenews/house/527055-trump-liz-cheneys-criticism-sparked-by-push-to-bring-us-troops-home

トランプ大統領は共和党連邦下院議員会会長リズ・チェイニー連邦下院議員(ワイオミング州選出、共和党)が「トランプ大統領は大統領選挙の結果を受け入れるべきだ」と提言したことについて反撃を行った。大統領は、「私がアメリカ軍を国内に戻していることについて、チェイニーは“大いに不満”なのだ」と述べた。

トランプは土曜日に次のようにツイートした。「悪いね、リズ、投票に関して多くの不正なカウントがあったので、選挙の結果を受け入れることができないんだ。これらの不正のおかげで選挙の結果は簡単に覆されるんだ」。トランプは、『ポリティコ』誌の記事に掲載されたチェイニーのコメントに反応しながら、広範な選挙不正という根拠のない主張を繰り返した。トランプは「あなたは、私がアメリカ軍の将兵を自分たちが属する国に戻していることに大いに不満なんだろう」とツイートした。

このツイートは、不正選挙についての論争を巻き起こす主張を封じ込める際に、SNSで目立つことになった。

チェイニーは大統領選挙勝利者であるバイデンを勝者として認めてはいないが、先週、大統領は不正の証拠の提供、さもなくば敗北受け入れ宣言を行うようにすべきだと述べた。チェイニーは金曜日に声明を発表し、次のように述べた。「アメリカは法の支配によって統治されている。大統領と彼の顧問弁護士たちは犯罪と広範な選挙不正という主張を行っている。彼らはこうした犯罪と不正が選挙結果に永居を与えたと非難している。彼らはこうした不正の明確な証拠を持っているのなら、彼らはそれらをすぐに裁判所とアメリカ国民に提示する義務がある。トランプ大統領はこうした主張の正当性を証明できない、もしくは選挙の結果を変更することができる証拠を見せることができないのなら、我が国の選挙のプロセスの尊厳を尊敬するという形で、アメリカ合衆国健康を維持し、守るという大統領就任時の宣誓を実行すべきだ」

トランプの弁護士ティームは、激戦州におけるバイデンの勝利に対して法的な手段で対抗している。ペンシルヴァニア州での提訴は土曜日、連邦判事によって棄却された。オバマ前大統領が任命したマシュー・ブラン判事は、トランプ選対の裁判提起は、「法的根拠がなく、きちんと実証された告発」ではなく、「有権者の公民権はく奪を正当化できず、全米第六位の人口を誇る州の有権者の公民権をはく奪することもできない」と発言した。

トランプ大統領は「終わりのない戦争」からアメリカ軍将兵をアメリカに戻すという公約を掲げて選挙運動を行った。1月中旬までにアフガニスタンとイラクから米軍将兵2500名を撤退させるように国防総省に命じてから数日経って、トランプ大統領は一連のコメントを出した。

トランプ大統領とディック・チェイニー元副大統領の娘であるリズ・チェイニーは過去に衝突したことがあった。

2019年、リズ・チェイニーは、トルコの計画的な侵攻に先立ち、アメリカ軍将兵のシリアからの撤退をトランプ大統領が計画したことについて、「破滅的な誤り」だと評した。

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チェイニーは連邦下院の保守派との間の緊張関係を和らげようとしている(Cheney seeks to cool tensions with House conservatives

ジュリー・グレイス・ブルフケ筆

2020年11月18日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/house/526588-cheney-seeks-to-cool-tensions-with-house-conservatives

連邦下院共和党議員会会長リズ・チェイニー(ワイオミング州選出、共和党)は月曜日、連邦下院フリーダム・コーカス(議員連盟)との会談の席上、これからは現職議員に対抗して予備選挙に出馬する候補者たちに政治献金を行わないと約束させられた。これは保守派の議員たちとの緊張関係を緩和しようとするものだ。

チェイニーは会談の中で2020年の中間選挙に向けて党のまとまりの必要性を主張した。会談には連邦下院少数派(共和党)院内総務(House Minority Leader)ケヴィン・マッカーシー(カリフォルニア州選出、共和党)と連邦下院少数派院内幹事(Minority Whip)スティーヴ・スカーリスも出席した。連邦下院指導部3名は連邦下院指導部を維持することを計画していた。共和党所属の連邦下院議員たちは火曜日、投票で指導部をそのまま維持することを決めた。

会談に出席した人々のうち、3名が取材に答えた。取材源の人々は、チェイニーが現職に対する挑戦者に対して資金援助を与えないと約束したことは、保守派の連邦議員たちの間での懸念を和らげるための誓いなのだと述べた。

チェイニーと保守派の連邦議員たちとの間の摩擦は今年7月に非公開で行われた会議の席上で激しいやり取りが行われた後に発生した。

チェイニーに批判的な人々は彼女の指導者としてのスタイルを攻撃し、トランプ大統領に対する忠誠を疑問視し、トーマス・メイジー連邦下院議員(ケンタッキー州選出、共和党)の予備選挙の対抗馬に資金提供を行うとした決定を激しく批判した。チェイニーは、トッド・マクマーティーが過去にSNSに行った人種差別的な投稿が発見された後、マクマーティーへの支持を取り消し、寄付を返還してもらった。

共和党のある幹部は、フリーダム・コーカスに対しての発言がなければ火曜日の共和党指導部選びにおいて、チェイニーは困難に直面したはずだと述べた。

この人物は、「フリーダム・コーカスのメンバーの中に、共和党連邦下院議員会長の投票の際に、チェイニーに対して懲罰を与えるような投票をしようと計画していた人たちがいる」と述べた。

マーク・グリーン連邦下院議員(テネシー州選出、共和党)は会談の中で、チェイニーに対して、彼女の統一に向けたメッセージには評価するが、「あなた自身はそのメッセージ通りに行動せずに、私たち現職議員の対抗馬に対して資金を提供するという裏切り行為を行った」と発言した。会談に同席したある人物は本誌の取材に対してこのように発言した。

チェイニーは、自分は、トランプ大統領がメイジー議員に落選して欲しいというツイートをした後で、対抗馬に献金をしただけだと釈明した。2020年春にトランプ大統領の肝いりのコロナウイルス対策の経済回復政策について連邦下院で投票が行われる際、メイジー議員はその投票を遅らせるための手段を取るとトランプ大統領を脅すような発言をし、大統領を怒らせた。

チェイニーは議員たちに対して、メイジー議員に謝罪したことを明らかにした。彼女は更に、これからは現職議員を追い落とすような行動は慎むと述べ、2022年の中間選挙で共和党が連邦下院で過半数を奪回するために党内融和に貢献することに注力すると約束した。

チェイニーはトランプ大統領や保守派議員たちといくつかの問題について立場を異にしている。その中にはトランプ大統領がアフガニスタンとイラクからの米軍撤退を支持していることも含まれている。

しかし、共和党の幹部職員は、このような緊張関係は和らげられつつあると述べた。

この人物は次のように述べた。「7月以来続く敵意はなくなりつつあります。共和党の中には、チェイニーがメイジーの対立候補を支持したことやトランプ大統領についての批判をツイートしたことを怒っている人たちもいたが、それも沈静化しつつあります。チェイニーは私たちと進んで協力する姿勢を見せていますし、疑問を投げかけられても、それに応えることに躊躇していません」。

会談について詳しいある人物は取材に対して、「チェイニーは国家安全保障政策についてこれからも主張し続けると明確に表明し、出席者たちが自分たちの間で合意に達していない諸問題が存在することに合意した」と述べた。フリーダム・コーカスは国家安全保障について議論するための会議にチェイニーを招待すると表明した。

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チェイニーがトランプと戦う(Cheney takes on Trump

-この動きによって、リズ・チェイニーがトランプ後の共和党の中でより高い指導的な地位に上昇するする可能性がある。

メラニー・ザノナ筆

2020年6月30日

『ポリティコ』誌

https://www.politico.com/news/2020/06/30/cheney-takes-on-trump-346089

リズ・チェイニーは突如としてドナルド・トランプへの共和内部の批判者の仲間入りを果たした。

更に驚くべきことは、ワイオミング州出身の共和党所属連邦下院議員であるリズ・チェイニーはこれまでトランプ大統領から激しい反撃を受けていないということだ。

トランプ批判に関して言うと、連邦下院共和党の序列3位の地位にあるチェイニーは突然批判を始めたわけではない。しかし、チェイニーはトランプ大統領に対して、彼の外交政策の決定と新型コロナウイルス感染拡大期間中の指導力について徐々に批判を強めていった。トランプ大統領に対して批判を行うことは現在の共和党においてはリスクの高い動きである。トランプ大統領との確執があると、共和党内部の予備選挙で挑戦者を勢いづかせるか、ツイッター上でのトランプ大統領からの激しい攻撃を受けるかということになるからだ。

しかし、チェイニーが発見したバランスの取れた行動を取ることができる共和党員はほとんどいない。トランプ後の共和党の姿について考えられ始めている今、トランプ大統領から比較的距離を取っているチェイニーは、共和党指導部の中でその地位を上昇させていくことだろう。

ジョン・シムクス連邦下院議員(イリノイ州選出、共和党)は「彼女は確固とした価値観を持っている、ガッツも持っている。彼女は自分の考えをはっきり述べる。こうしたことが多くの人々を惹きつけるのです」と述べている。

チェイニーはトランプに対する最も新しい批判の中で、「ロシア政府がアフガニスタンの武装勢力の人員に対してアメリカ軍将兵を殺すと賞金を出す」という布告を出しているという報告をトランプ大統領は知っているのかと疑問を呈している。そして、トランプ政権はロシア政府に対してより攻撃的な姿勢を取るように求めた。

そしてその数日前、チェイニーは、トランプに対して間接的な攻撃を行った。チェイニーはマスクをしている写真に、「ディック・チェイニーはマスクをつけようと言っている。#realmenwearmasks」というキャプションをつけてツイートをしたのだ。同様のフレーズをナンシー・ペロシ連邦下院議長も使って、トランプ大統領を厳しく批判した。このフレーズはトランプ大統領にとって触れて欲しくないテーマを含んでいる。それは、「彼の男らしさ(manhood)」da.

チェイニーの同僚政治家たちは、彼女がトランプの怒りから免れているのは、彼女の経歴やトランプ大統領と戦う際には戦略的な動きをしていることがある、と述べている。チェイニーという名前は保守主義を意味するものだ。

加えて、チェイニーはホワイトハウスを維持するという点では、トランプ大統領を強力に擁護している。弾劾の際にはチェイニーはトランプ大統領を擁護した。そして、ペロシや中国といったトランプがよく攻撃している対象を、チェイニーも攻撃している。こうして、チェイニーは共和党内部において、トランプ支持者たちから遠ざかることもなく、また、自身の本物の右派としての矜持を捨てることなく、自身の居場所を確保している。

引退を表明しているグレッグ・ウォールデン連邦下院議員(オレゴン州選出、共和党)は「これまでの連邦下院議員会会長の中で、彼女ほどプロらしくそして思慮深く自分の考えを述べる人はいませんでした」と述べている。しかし、ウォールデン議員は、「チェイニーはトランプ大統領と合意ができている点では彼を強力に擁護しています。それがワイオミング魂ということなのかもしれませんね」とも述べている。

チェイニー議員事務所は議員へのインタヴュー依頼を拒絶した。そして、今週、連邦議事堂内で本誌の取材に対して回答を拒否した。

チェイニーの協力者や友人たちは、彼女のトランプ大統領に対する公式の場での批判について、それは自分自身の政治上の野心からではなく、信念からであると述べている。

それでも、共和党所属の連邦議員やストラティジストの中には、チェイニーとトランプとの間には距離があると指摘する人たちがいる。連邦下院共和党の指導部の、カリフォルニア州選出のケヴィン・マッカーシー議員やルイジアナ州選出のスティーヴ・スカーリス議員とは対照的である。こうした人々は11月の大統領選挙が近づけば、トランプ大統領を支援することになるだろう。

共和党所属のストラティジストであるダグ・ヘイは次のように述べている。「選挙結果が現在と同じように共和党に不利なものとなれば、批判はすぐに起きるだろう。そうなれば、チェイニーのような人物たちにとって、トランプ大統領の政策の大部分は支持できるだろうが、共和党が必要としている真実を語る刃部としての役割を果たすことになる」。

加えて、匿名を条件にある共和党所属の連邦議員は次のように率直に述べた。「彼女は自分自身の将来のために道筋を敷こうとしていると思いますよ。彼女はトランプ大統領と彼の同調者たちから離れようとしているんですよ」。

リズ・チェイニーは、ディック・チェイニー元副大統領の長女であり、共和党内でも国家安全保障政策について最もタカ派の主張を行っている。リズは、高齢男性たちが長年占めてきた共和党の指導部での地位を急速に高めていった。

53歳のリズ・チャイニーは連邦下院議員の2期目を務めているが、共和党所属連邦下院議員会長を務めるように同僚たちから奨められた。この地位は連邦下院共和党内部で主張を行う重要な地位である。特に共和党が過半数を失っている現在においてはそうである。

チェイニーはまた、彼女自身の政治上の将来、どこを目標にしているかを示唆している。チェイニーは、ワイオミング州選出の連邦上院議員が引退をした際に、その人物に代わって出馬することを否定した。チェイニーは連邦下院共和党の指導部に留まり、いつの日か、連邦下院議長になるためにまい進することを選んだのだ。

連邦下院共和党筆頭副幹事長であるドリュー・ファーガソン連邦下院議員(ジョージア州選出)は、「いいですか、彼女は連邦上院議員選挙に出馬する機会もありましたが、連邦下院議員であり続けることを選びました。連邦下院こそが彼女が情熱を傾ける場所なんだと思いますよ」と述べた。

2017年に連邦下院議員になってから、チェイニーは共和党のメンバーと衝突をする人物だという評価を獲得している。当時の連邦下院議長ポール・ライアン連邦下院議員(ウィスコンシン州選出)とは国防予算をめぐって対立した。イランに対する軍事行動をめぐっては、ランド・ポール連邦上院議員(ケンタッキー州選出)と衝突した。スティーヴ・キング連邦下院議員(アイオワ州選出)については、人種差別的発言に関連して辞職を促し、出身州であるワイオミング州選出の連邦上院議員マイク・エンツィに対しては、自身が予備選挙に出るという動きもした。

従って、チェイニーの同僚にしてみれば、彼女がトランプ大統領と対立するということについては何の驚きもなかった。しかし、ここ数カ月、トランプ大統領に対する、チェイニーの公の場での批判は大きくなっていった。

先月、重要な出来事が起きた。トランプと緊密で、トランプからは「私のケヴィン」と呼ばれている、マッカーシー議員は、トランプ大統領がMSNBCの番組司会者ジョー・スカーボローが女性のアシスタントを殺害したという根拠のないツイートを複数回行ったことについて、記者会見で繰り返し質問されたが、かわし続けた。一方、チェイニーは、彼女自身が感じたことをそのまま表明した。チェイニーは厳しく、大統領の攻撃について同意しないと述べた。

記者会見終了後、チェイニーは記者団に対して次のように述べた。「トランプ大統領はジョー・スカーボローについてのツイートを止めるべきでしょうね。私たちは感染拡大の真っただ中にいるのですから。トランプ大統領は我が国の最高司令官の地位にいるのです。そして、亡くなった若い女性の家族に対して大きな苦痛を与える原因となっています」。

これは、チェイニーが、アレクサンダー・ヴィンディマン少佐とマリー・ヨヴァノヴィッツ元大使のために立ち上がったことを思い出させる。2人はトランプ大統領の弾劾の際に証人となり、ツイッター上でトランプ大統領から攻撃を受けた。

コロナウイルス危機が発生した際、チェイニーは共和党内において理性的であることを主張する立場を取った。トランプ大統領が4月上旬までに経済を再開すると述べた際、チェイニーはそれに反対すると発言した。また、右派の多くがアメリカの感染症に関する専門家のトップであるアンソニー・ファウチ博士を攻撃した際には、チェイニーはすぐに彼を擁護した。

チェイニーは次のようにツイートした。「ファウチ博士は我が国のこれまでの公僕の中でも最も良い仕事をしている公僕の一人だ。彼は党派的ではない。彼が唯一関心を持っているのは人々の命を救うことだ。このウイルスを倒すために、私たちは彼の専門性と判断を必要としている。全てのアメリカ国民は、彼に感謝すべきだ。それも毎日」。

外交政策と国家安全保障政策に関する諸問題についてチェイニーはより声高に主張する。チェイニーはトランプが最近になってドイツ駐留米軍の削減計画を発表したことについて、「危険なほどに見当違い」であると評した。また、トランプ大統領がタリバンの指導者たちをキャンプ・デイヴィッドに招いて和平交渉を行うという考えを激しく非難した。また、アメリカの謀略調査用のドローンが撃ち落されたことについて、イランに対する報復をしないのなら、「それは深刻な過ち」となるだろうと述べた。

しかし、トランプ大統領を非難している他の共和党の政治家たちと違うのは、チェイニーがトランプ大統領を非難しても選挙の地盤は傷つきにくいということだ。トランプ大統領の支持基盤は外交政策では全く動かない。

そして、トランプ大統領は二期目の連邦下院議員であるチェイニーをことあるごとに褒め、ホワイトハウスでのイヴェントにたびたび招待し、チェイニーには「無制限の未来」があり、ワイオミング州の代表が彼女であることは州民にとって「幸運だ」と発言している。

ファーガソンはチェイニーのトランプ大統領に対する批判について次のように述べている。「彼女の批判については、決して個人的な感情から出ているものではありません。政策について彼女がどのように感じているかについての正直な議論を行っているだけなのです。大統領の個人的な部分を攻撃する人は多くいますが、彼女はそうではないのです」。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 私がウェブサイト「副島隆彦の学問道場」内の「重たい掲示板」に投稿した、「[2823]トランプを「反逆者」に仕立て上げて、押し込め、解職を行う。ワシントン・インサイダーズによるクーデターである 投稿者:古村治彦(学問道場)投稿日:2021-01-07 15:38:28」に加筆したものを掲載する。

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2021年1月6日(現地時間)、アメリカ連邦議会(Congress)の上院(Senate)と下院(House of Representatives)が共同会議(joint session)を開き、2020年11月3日に実施された、大統領選挙の結果を承認することになっていた。共和党所属の議員たちの中には、選挙結果、特に激戦州の選挙結果に異議を唱える人々がおり、そのために、通常であれば、1時間もかからないで終わる儀式が長引くと見られていた。

 共和党内部では、上下両院の共和党のトップである院内総務(Leader)とナンバー2である院内幹事長(Whip)は共に、「選挙結果に反対する動きを支持しないように(選挙結果を受け入れるように)」と呼びかけていた。トランプ支持の議員たちは、「反対の動きを支持しないなら、次の選挙の予備選挙(共和党の候補者を選ぶ選挙)で対抗馬を出して、お前たちを落としてやる」と対抗していた。大統領選挙の結果をめぐり、共和党内部は分裂をしていた。

※共和党内部の分裂についてはこのブログで紹介した↓

<a href="http://suinikki.blog.jp/archives/83787986.html">http://suinikki.blog.jp/archives/83787986.html</a>

 いよいよ共同会議が開かれるという時に、「連邦議事堂(Capitol Hill)にトランプ支持の暴徒(mobs)が侵入して、会議が開けなくなった」という報道がなされた。連邦議事堂に周囲に、トランプ大統領支持の議員たちを激励するために集まっていた人々が、窓ガラスを壊して侵入するという出来事が起きた。
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 今回の議事堂占拠という出来事で、思い起こされるのは、日本の60年安保の際の、デモ隊による国会議事堂への突入である。これは、暴れ者の学生たちが興奮して、建物に向かって突撃したなどという単純な話ではない。

 この国会突入は仕組まれたものだ。このことは副島隆彦著『日本の秘密』でも詳しく検証されている。デモ隊の中に、権力側と通じていた人間、スパイが潜り込んでおり、煽動して、最前線にいるデモ隊がいつの間にか国会に突入、飛び込むことになってしまった。この国会突入と東大生・樺美智子の死によって、盛り上がった60年安保運動はぺしゃんこになって、落ち着いてしまった。

 今回のトランプ支持者たちによる議事堂占拠も仕組まれたものであると私は見ている。こう考える理由はいくつかある。まず、トランプ支持の集会が開かれ、多くの支持者が集まることはあらかじめ分かっていた。前日のワシントンからの中継を見たが、議事堂につながる道路には大きなトラックが何台も並べられ、バリケードのようになっていた。警察側はトランプ支持者たちが近づけないようにしていた。

 警察は準備をしていたはずなのに、丸腰の人々に議事堂に入られてしまった。この点も不可解である。議事堂前に集まった人々は殺傷能力の高い武器を所持しているようには見えなかった。警察は暴動鎮圧用の装備を整えているはずだ。それなのに、簡単に侵入を許した。こんなことでもし再びテロ攻撃があったら大丈夫なのか、と皮肉の一つも言いたくなる。あんな丸腰の人間たちを「テロリスト」呼ばわりは何とも情けなくなる。

 更には、議事堂占拠などと聞くと、数時間も続いている、占拠した側が立てこもって、武器を使って激しく抵抗しているとも思われがちだが、議事堂に入った人々の退去は既に済んで、議場での会議が再開されている。大きな破壊もなく、長時間の選挙や立て籠もりもなかったということだ。もちろん銃撃戦とか派手な殴り合いも起きていない。

 これは、わざと人々を議事堂の中に入れて、引き入れておいて、一網打尽に捕まえたということだ。後から簡単に逮捕できるくらいの人々の侵入をなぜ許したのか、と考えなければならない。

耄碌し果てたジョー・バイデンとアホのジョージ・W・ブッシュ元大統領は、今回の議事堂選挙について、「反乱(insurrection)」という言葉を使った。この言葉遣いが重要だ。普通の家宅侵入は「trespassing」という言葉を使う。それを大げさすぎるほどの言葉である「反乱」を使った。
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今回のたいしたことのない出来事を、「アメリカ史上最悪の反乱、国家への反逆行為」「デモクラシーを破壊する行為」とすることで、とランプ大統領とトランプ支持者を「国家の敵」に認定し、葬り去るシナリオができていた、仕組まれていたということだ。

この点では、ワシントンのインサイダーたちやエスタブリッシュメントは、党派や立場の違いは関係なく、「トランプと民衆をワシントンから追い出す、政治に関わらせない、自分たちの既得権益や秘密を守る」ということで一致していた。トランプは最後まで、「ドレイン・ザ・スワンプ(Drain the swamp)」を実行した、ワシントンの部外者、アウトサイダーだった。民衆・大衆の支持を唯一の武器として戦ったポピュリスト(Populist)だ。

 アメリカ連邦議会では早速、トランプ大統領に対する「弾劾(impeachment)」をやれという声が出ている。弾劾は、まず、連邦下院が弾劾訴追をするかどうかを決める。これは連邦下院の過半数の賛成があればできる。そして、連邦上院は弾劾裁判所となって、審議をし、3分の2以上の賛成があれば弾劾が成立し、大統領は失職となる。アメリカ大統領の任期は4年ごとの1月20日までだ。残り2週間で弾劾作業をやろうというのは無理がある。

しかし、民主党進歩主義派でアレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員の仲間である、イルハン・オマル下院議員が「既に弾劾決議案条文の準備をしている、起草している」とツイートしている。あまりにも手回しが良すぎる。アメリカ合衆国憲法の弾劾に関する条項には、「国家反逆(treason)」という言葉が入っている。大統領が国家反逆行為をしたら弾劾の対象になる、ということだ。今回の議事堂占拠が仕組まれていた、トランプ断崖まで進めようとして計画されていたことを示す証拠だ。
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今回の議事堂占拠を行った人々を「反乱(insurrection)罪」で検察官が訴追する、そして、この反乱を主導したとランプ大統領を「国家反逆(treason)」で弾劾訴追する、という形で、「トランプとトランプを支持する人々は、アメリカを攻撃した反逆者」というレッテルを貼って葬り去ろうというワシントンのインサイダー、エスタブリッシュメントたちの動きだ。デモクラシーの総本山と世界に対して威張りながら、最後はデモクラシーを守るということで、抑圧をする、そのような設計になっている。

 ワシントンの住人である共和党の政治家たちも、トランプが「国家反逆者認定」されるならば、トランプ追い落としに進んで加担することができる。「トランプ大統領が国家反逆者になってしまった以上、これ以上は擁護できない」と言いながら、進んで弾劾に賛成する者たちが続出するだろう。

更に恐ろしいのは、「アメリカ合衆国憲法修正25条第4項を適用して、即座にトランプ大統領を解職しろ」という主張も出ている。この条項は、「第4 副大統領および行政各部の長官の過半数または連邦議会が法律で定める他の機関の長の過半数が、上院の臨時議長および下院議長に対し、大統領がその職務上の権限と義務を遂行することができないという文書による申し立てを送付する時には、副大統領は直ちに大統領代理として、大統領職の権限と義務を遂行するものとする」となっている。

簡単に言えば、副大統領と閣僚の過半数が連邦議会に対して、「大統領は職務不能状態です」という文書を送れば、副大統領は大統領代理になる、ということだ。今回のことで言えば、とランプ大統領の権限が取り上げられ、ペンス副大統領が大統領代理になるということだ。

トランプは「国家に対する反乱行為を促した国家反逆者なのだから、職務不能者として権限を取り上げろ」ということだ。

 トランプ大統領は「議事堂の中に突入しなさい」という明確な命令も奨励も出していない。その疑いがあるならば、きちんと裁判を提起して証拠を集めて、裁判所が判断を下すということがそもそも手続きだ。それを乱暴に、憲法の条文を自分たちに都合の良いように解釈して、適用して、「トランプを押し込めて、職務不能ですと副大統領と閣僚たちが声をそろえて宣言して解職に追い込む」ということこそが、クーデターである。アメリカが州国憲法の条文を悪用したクーデターであり、国家反逆行為そのものだ。

 ナンシー・ペロシ連邦下院議長の動きは錯乱し、舞い上がっている。トランプを「国家の敵」に認定し、即時罷免を求めている。更には、「トランプに核攻撃をさせない」という訳の分からない理由で、核兵器が使えないようにしようとしている。トランプが錯乱し、狂っているというのならば、言葉は悪いが、それは就任直後からだ。彼は自分の考えや姿勢を変えていない。そんな人物をほぼ4年間野放しにしておいて、最後の最後で、一気に「最終処分」しようとしているのは、滑稽というよりも、恐ろしいものを感じる。

大統領の権限を取り上げようというのはまさにクーデターだ。それを、マイク・ミリー統合参謀本部議長も協力しようとしているのは、米軍もこのクーデターに参加しているということになる。

(貼り付けはじめ)

トランプ氏の核攻撃阻止を軍トップと協議 ペロシ氏が表明

202119 5:27 発信地:ワシントンD.C./米国 [ 米国 北米 ]

トランプ氏の核攻撃阻止を軍トップと協議 ペロシ氏が表明‹

https://www.afpbb.com/articles/-/3325340

19 AFP】米民主党のナンシー・ペロシ(Nancy Pelosi)下院議長は8日、「錯乱」した状態にあるドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が残りわずかとなった任期中に核ミサイルを発射する事態を避けるため、米国防総省のマーク・ミリー(Mark Milley)統合参謀本部議長と協議を行ったと明らかにした。

 合衆国憲法で定められている大統領権限の制限について米軍制服組トップと協議を行ったと公に認めるのは異例。トランプ氏の任期終了までの期間をめぐり米政界で緊張が高まっていることを示している。

 ペロシ氏は民主党議員への書簡で、「この錯乱した大統領の状況は危険極まりなく、わが国と民主主義に対する彼の情緒不安定な攻撃から米国民を守るため、われわれはあらゆる手段を講じなければならない」と説明。

 さらに、トランプ氏が辞任せず、マイク・ペンス(Mike Pence)副大統領と閣僚が合衆国憲法修正25条で定められた大統領罷免の手続きを開始しないならば、弾劾手続きを開始する準備があるとも言明した。

 米首都ワシントンでは6日、ジョー・バイデン氏の次期大統領への当選確定を阻止しようとしたトランプ氏の支持者らが連邦議会議事堂に乱入する事件が発生。警察官1人を含む5人が死亡した。民主・共和両党の議員はこの事件を反乱だと非難。トランプ氏が暴力を扇動したとの批判も高まっている。(c)AFP

(貼り付け終わり)

 

 議事堂選挙という事件を利用して、連邦議員たちやワシントンのインサイダーたちが、一気に「悪者たち」「国家の敵」との戦いを行おうとして、恐ろしいまでに急速にかつ、これまででは考えられない範囲での攻撃をトランプ側に加えている。この人々は、「デモクラシーが攻撃された」「私たちの(逸脱した)行為に反対する者は、悪者たち、国家の敵と同じだ」という論理で、反対の声を封じて、逸脱行為を行っている。これは「ショック・ドクトリン」と呼ばれる手法そのものだ。

 デモクラシーは迂遠とも思われる手続き論を大事にするのではないか、更には疑わしきは罰せずということもあるのではないか。トランプ側を攻撃する、ワシントンのインサイダーやエスタブリッシュメントたちは、自分たちにかかっている制限や縛りを取っ払うために出来事を利用して、クーデター、国家反逆を行っている。

(終わり)

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