古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

カテゴリ: アメリカ政治

 古村治彦です。

 

 3月にいろいろなことが起きた北朝鮮情勢ですが、ここのところ少し落ち着きを見せていましたが、5月末に開催とされている米朝首脳会談ですが、6月初旬にずれ込むとトランプ大統領が明言しました。

 

 ここのところ、米朝首脳会談に向けてアメリカ、北朝鮮両政府の間で秘密交渉が行われているということが報じられています。先週末の各種報道では、「北朝鮮政府は非核化について交渉する用意がある」「北朝鮮は平壌での開催を求めているが場所はまだ決定していない」「モンゴルの首都ウランバートルも候補地」「マイク・ポンぺオCIA長官(次期国務長官)が秘密交渉の指揮を執っている」ということが報じられています。

 

 米朝首脳会談に向けて秘密交渉が行われており、北朝鮮側は、米朝首脳会談での「朝鮮半島の非核化」交渉を行う用意があると表明しているということです。「朝鮮半島の非核化」は、アメリカ軍の朝鮮半島(韓国)からの撤退を含んでおり、北朝鮮としては、自国の核兵器放棄の代償として、体制保障と在韓米軍の撤退を要求しているものと思われます。

 

 アメリカ側からの条件提示がなされているのかどうかはっきりしません。米朝首脳会談に応じるということは発表されていますが、日時も場所も形式もまだ決まっていません。北朝鮮からの話し合う議題についての提案があって、そのような提案があったことを確認しているということを明らかにしているだけです。

 

 トランプ大統領に平壌に来て欲しいという北朝鮮の要請ですが、北朝鮮はトランプ大統領が平壌訪問に同意したら、どのようなことをしても、トランプ大統領の身の安全を保障しなければなりません。しかし、アメリカとしてもただエアフォースワン(大統領専用機)だけで平壌を訪問することには難色を示すでしょう。アメリカ軍機のエスコートを要求すれば、北朝鮮はこれを受け入れがたいということになるでしょうから、そこでまずハードルとなります。

 

 米朝首脳会談まで漕ぎつけるためには、下交渉である程度の合意を形成しておかねばなりません。現在のところ、合意形成まで進んでいないのが現状なのだろうと思います。秘密交渉の指揮をマイク・ポンぺオが執っているとなると、北朝鮮側に甘い条件を出す訳もなく、「いざとなればこちらはいつでも交渉を打ち切ってもいいんだ」という態度でしょうから、交渉がポンポン進むことはないでしょう。

 

 アメリカ側からすれば、北朝鮮の「朝鮮半島の非核化」、北朝鮮の核兵器放棄の代償としての在韓米軍撤退と体制保障という条件闘争を許容しないのではないかと思います。「まずお前らがホールドアップしろ、話はそれからだ」「何を偉そうに俺たちに何かをするように言うのか、ふざけるな」となるでしょう。北朝鮮としては最低限のラインとして体制保障の言質が取れなければ核兵器の放棄はできないとなります。しかもアメリカは体制保障の約束をしても、裏で手をまわして、「民主化」運動を作り出して、金正恩体制を北朝鮮国民が打倒したという形をとって、体制保障の約束を反故にしてしまう可能性が高いのです。アラブの春やリビアのカダフィの例を見れば明らかです。

 

 米朝首脳会談は北朝鮮がまず無条件で核兵器を放棄するところからしか準備はスタートできないと思いますが、金正恩はそれをできるのかどうか、無条件降伏のようなことが出来るのかどうか、ということになります。アメリカ側にはいろいろなオプションが存在しますが、北朝鮮には全面降伏か、拒絶かしかありません。

 

 現在の北朝鮮の置かれている立場は戦争直前の日本にそっくりです。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「6月初旬までに米朝会談=トランプ氏、「非核化合意」を期待」

 

4/10() 1:00配信 時事通信

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180410-00000003-jij-n_ame

 

 【ワシントン時事】トランプ米大統領は9日、ホワイトハウスで開かれた閣議の冒頭、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との首脳会談について、「5月か6月初旬」になると述べた。

 

 その上で「北朝鮮の非核化で合意できることを期待する」と語り、会談の成功に意欲を示した。

 

 トランプ氏は316日に韓国の文在寅大統領と電話会談した際、米朝首脳会談を5月末までに開催する意向を明らかにしていたが、6月にずれ込む可能性を示した形だ。

 

 トランプ氏は「われわれは北朝鮮と接触している」と述べ、首脳会談に向けて米朝間で秘密接触していることを認めた。米CNNテレビによると、北朝鮮側は平壌での会談開催を求めているが、米国が受け入れるかは不明。会談場所の選定や議題などの準備に想定よりも時間がかかっている可能性もある。

 

 トランプ氏は「米朝関係が長年の(悪い)関係から大きく変わることを期待する」と強調。「世界中が非常に興奮することになるだろう」と述べた。 

 

=====

 

北朝鮮はアメリカと非核化について交渉する用意がある(North Korea ready to discuss denuclearization with US: report

 

ジュリア・マンチェスター筆

2018年4月8日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/administration/382191-north-korea-ready-to-discuss-denuclearization-with-us-report

 

複数の北朝鮮政府高官は、アメリカ政府の交渉担当者に対して、金正恩は朝鮮半島の非核化(denuclearization of the Korean Peninsula)に関して交渉することを望み、その用意があると述べた。『ウォールストリート・ジャーナル』紙が報じた。

 

ウォールストリート・ジャーナル紙はトランプ政権のある高官が「金正恩は朝鮮半島の非核化について交渉することを望んでいることをアメリカ政府は確認している」と発言したと報じた。

 

CNNは土曜日、アメリカ政府と北朝鮮政府は極秘に金正恩とドナルド・トランプの米朝首脳会談の準備を進めるために直接交渉を行っていると報じた。日曜日にウォールストリート・ジャーナル紙がCNNに続いて報じた。

 

アメリカ政府高官たちは、5月に予定されている米朝首脳会談に向けた秘密交渉の指揮はマイク・ポンぺオCIA長官(次期国務長官に指名済み)が執っていると述べたとCNNは報じている。

 

北朝鮮政府は首都平壌での米朝首脳会談開催を強く求めていると報じられている。しかし、トランプ大統領は平壌を訪問しても良いと考えているかは明らかになっていない。

 

CNNは、モンゴルの首都ウランバートルも米朝首脳会談の候補地として考慮されていると報じた。

 

トランプ大統領は、先月韓国大統領特使がホワイトハウスを訪問し、金正恩からの招待を伝えられて、この招待を受け入れると表明した。ホワイトハウスは、米朝首脳会談開催前に、金正恩が確実な「ステップ」を進めるように期待していると述べた。

 

ここ1年間、米朝両国の指導者はお互いに非難し合い、緊張感を高めた。

 

トランプは北朝鮮が大陸間弾道ミサイルの実権を行うたびに非難し、金正恩を「小さなロケット男」と呼んだ。

 

金正恩は国際社会からのミサイル実験停止要求を拒絶し、トランプ大統領を「老いぼれ」と呼んだ。

 

(貼り付け終わり)


※私の仲間である石井利明さんのデビュー作『福澤諭吉フリーメイソン論』が2018年4月16日に刊行されます。大変充実した内容になっています。よろしくお願いいたします。

fukuzawayukichicover001
(仮)福澤諭吉 フリーメイソン論

 

(終わり)


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 古村治彦です。

 

 ドナルド・トランプ米国大統領は次期大統領国家安全保障問題担当補佐官にジョン・ボルトンを指名しました。4月9日付で、ハーバート・R・マクマスター陸軍中将と交代します。マクマスターは補佐官辞任後に大将に昇進せずに退役するということになります。

 

 ボルトンの指名は外交関係者やアメリカ政治に詳しい人々を驚かせました。レックス・ティラーソン国務長官からCIA長官マイク・ポンぺオへの交代と併せて、トランプ政権の強硬姿勢を取ることを示すものです。

 

 ジョン・ボルトン(John Bolton、1948年―)は、歴代の共和党政権に参加しています。ドナルド・レーガン政権時代(1981―1989年)には米国国際開発庁と司法省に勤務しました。続く、ジョージ・HW・ブッシュ政権時代(1989-1993年)には国際連合担当国務次官補を務めました。ジョージ・W・ブッシュ政権時代(2001-2009年)には国務次官、2005年には米国国連大使を務めました。

 

 ボルトンはジョージ・W・ブッシュ政権の対外政策を牛耳ったネオコンの一人です。彼自身はネオコンと呼ばれることを嫌います。それは、ネオコンの第一世代が民主党員だった人たちが民主党に失望し共和党支持に転向した人たちであるのに対して、自分は一貫して共和党支持者であったということから、「転向者を源流とするグループに入れないで欲しい」という考えを持っているためです。しかし、外形的にはネオコンです。

 

 ネオコンはアメリカの価値観を世界各地に「輸出」し、世界中の国々を資本主義と民主政治体制の国々にすればアメリカに敵対する国はなくなるし、世界から戦争がなくなって平和になるという考えです。これは、共産主義を世界中に輸出しようとした旧ソ連の裏返し(ヨシフ・スターリンは一国社会主義建設を優先しましたが)ということが言えるでしょう。

 

 しかし、彼らはアメリカに友好的な非民主国家まで民主化しろとは言いません。ペルシア湾岸諸国や中央アジアには王政や独裁制の国々が多くありますが、それらの国々を攻撃して政権(体制)変更(転覆)しろとは言いません。あくまでアメリカに逆らう国々の政治体制を転覆させろということを主張します。

 

 2002年の一般教書演説で、当時のジョージ・W・ブッシュ大統領は、イラク、イラン、北朝鮮を「悪の枢軸(Axis of Evil)」と呼びました。そして、イラクには実際に侵攻し、サダム・フセイン政権を瓦解させました。フセインは最終的には死刑となりました。

 

 ブッシュ政権の後に成立したバラク・オバマ政権で起きたのがアラブの春です。アラブの春では偶発的な事件から反体制運動が北アフリカの国々で連鎖的に発生しました。この過程で、アメリカとヨーロッパに屈服し、大量破壊兵器とテロ活動を放棄していたリビアのムアンマール・カダフィが殺害されました。こうした動きを主導したのは、民主党内でネオコンのカウンターパートと言うべき、人道的介入主義派で、国務長官を務めていたヒラリー・クリントンでした。こうしたことは拙著『アメリカ政治の秘密』で明らかにしています。

 

 現在、悪の枢軸で残っているのはイランと北朝鮮です。北朝鮮に関しては急速な核開発を行い、アメリカにとって脅威となっています。それでも今年に入って、緊張緩和ムードになり、アメリカのドナルド・トランプ大統領と北朝鮮の金正恩国務委員長の首脳会談が開催されるということになりました。

 

 しかし、この開催の時期や場所がはっきりしない中で、国務長官がレックス・ティラーソンから現職のCIA長官だったマイク・ポンぺオに、大統領国家安全保障問題担当補佐官がハーバート・R・マクマスター陸軍中将からジョン・ボルトンに交代することになりました。ポンぺオもネオコンに近い人物であり、ネオコンによって対外関係の司令塔が独占されることになりました。トランプ大統領は常に2つの異なる考えを持つ人間たちをそれぞれ同様の力と権限を持つ役職に就けて、自分の考えを実行するときに2つの考えのうち、どちらかを選んで実行させるというやり方を取るということをやってきたと私は考えます。

 

 今回、国務省とホワイトハウスの対外関係部署をネオコンが抑えたということで、トランプ政権の対外姿勢は強硬になります。ボルトンは北朝鮮について強硬な主張をしていますので、緊張緩和ムードが大きく後退することになるでしょう。

 

 北朝鮮にしてみれば、ここで核兵器を手放すかどうかという決断を迫られますが、アメリカのこれまでの外交を考えると、核兵器を手放した時点で、金王朝は遅かれ早かれ崩壊させられるということを金正恩は考えるでしょう。手放してしまえば一時的な妥協が成立する(体制保障というアメリカの約束が反故にされる可能性が高い)、手放さなければまだアメリカがチキンゲームに負けて交渉に乗ってくる可能性がある(より良い条件で妥協が成立する可能性がある)となり、北朝鮮は核兵器を握りしめたままということになるでしょう。

 

 ボルトンは核兵器貯蔵施設や核開発関連施設に対する先制攻撃を主張しています。北朝鮮に対して先制攻撃であっても、先に攻撃をされてからの報復攻撃であっても、米軍が攻撃すれば、現在の北朝鮮の体制の転換というところまで進むことになるでしょう。

 

 ジョン・ボルトンの指名となってアメリカやヨーロッパでは、アメリカによるイランに対する攻撃があるのではないかという懸念の声が大きくなっています。イランに関しては、オバマ政権時代に核開発をめぐって合意が成立しました。しかし、ボルトンやポンぺオと言った人々はイランとの合意は失敗だったとしています。

 

 イランを怖がっているのはイスラエルで、核兵器を所有している両国間で戦争となれば核戦争まで行き着く可能性があります。イランがどれほどのミサイル能力を持っているのか分かりませんが、北朝鮮でもアメリカ本土に到達できるミサイルを開発できたとすると、イランも所有している可能性があると考えられます。北朝鮮もイランもロシアからの支援を受けているので、ある程度のミサイル開発技術をロシアからもらっているでしょう。

 

 中東での問題はより危険で複雑、ヨーロッパにも大きな影響を与えることから、トランプ大統領としては今の段階では関わりたくないでしょう。ですからボルトンとポンぺオの起用は対北朝鮮問題用のシフトということになります。

 

 私は北朝鮮問題が平和裡に解決できることを願っていますが、現実はその可能性が低くなっているのではないかと考えざるを得ない状況になっていると思います

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプは究極のタカ派(Uber-Hawk)のボルトンを大統領国家安全保障問題担当補佐官に指名(Bolton as National Security Adviser

―「爆撃、イランを爆撃」から北朝鮮に対する予防的先制攻撃まで、ブッシュ政権で高官だったボルトンはより好戦的な外交政策を主張している

 

コラム・リンチ、エリアス・グロール筆

2018年3月22日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2018/03/22/trump-taps-uber-hawk-bolton-as-national-security-adviser/

 

ボルトンは北朝鮮に対する予防的先制攻撃を明確に求め、イランの体制を変更させるために爆撃することを主張し、アフガニスタンにおける無制限の米軍駐留を求めている。ボルトンはまた台湾に米軍を駐留させるなど中国に対してより強硬な姿勢を取るように求めてきた。

 

ジョージ・W・ブッシュ政権に参加したボルトンを含む共和党所属のネオコンサヴァティヴの人々は2003年にイラクの指導者サダム・フセインを追い落とすように主張した。しかし、他のネオコンの人々とは対照的に、ボルトンは民主政治体制と人権のようなアメリカの価値観を輸出することに関心を持ったことはこれまでほぼなかった。ボルトンはブッシュ政権において国務省高官と米国国連大使を務めた。

 

ボルトンはトランプ大統領と同様に国際的な取り決めを無視し、国際連合やヨーロッパ連合(EU)のような多極的な組織を見下し、政治的な敵を激しく非難している。ボルトンは回想録『ジョン・ボルトン:降伏は選択肢に非ず』の中で、EU官僚たちを「EUの病人たち」と繰り返し揶揄している。

 

ここ数週間、ボルトンが指名されるという噂が流れた。実際にボルトンの指名が発表されるとアメリカとヨーロッパの外交関係者たちは驚きと不安の声を発した。彼らはマクマスターの辞任とボルトンの就任によってアメリカは複数の争いに関与する道を進むことになるという懸念を持っている。

 

外交評議会(CFR)のマイカ・ゼンコは次のようにツイートしている。「ジョン・ボルトンはこれまでアメリカが戦ってきた全ての戦争を支持した。彼はアメリカが戦う際に何の制限もつけるべきではないと考え、イランと核武装した北朝鮮との体制転換のための戦争を支持している。恐ろしいことだ」。

 

4月初め、ボルトンは現在の大統領国家安全保障問題担当補佐官を務めるHR・マクマスター陸軍中将と交代する。マクマスターは辞任と引き換えに大将に昇進させてもらえるという噂が流れたが、実際位は中将のままで退役することになる。ホワイトハウスの関係者は今回の交代は「常に憶測を呼ぶティームではなく、実際に行動できる新しいティームを結成する」ためのものだと述べている。発足して1年ちょっとのトランプ政権で、ボルトンは3人目の大統領国家安全保障問題担当補佐官となる。

 

ボルトンの補佐官任命は連邦上院の承認を必要としない。ボルトンの指名によって、トランプ政権のタカ派的な姿勢が強まることになるだろう。トランプは大統領選挙期間中、アメリカの海外における冒険主義を制限するという公約を掲げた。しかし、トランプは大統領就任後、アメリカの外交政策に関してより軍事中心的なものとなっている。トランプと同じく、ボルトンはヴェトナムでの従軍を忌避するために進学をした。ボルトンはヴェトナム戦争を支持した。

 

これから世界各地の諸問題について見ていく。ボルトンの政策に関する主張はアメリカの外交政策を大きく変化させる危険性がある。

 

●イラン爆撃

 

ボルトンが大統領国家安全保障問題担当補佐官に指名された。ボルトンは長年にわたりイランに対する軍事行動を主張してきた人物で、そのような人物がトランプの側近となる。トランプは国務長官をレックス・ティラーソンからマイク・ポンぺオCIA長官に交代させた。このようにイランに対してタカ派的な態度を取る強硬派を運転席につけたのだ。

 

2015年のニューヨーク・タイムズ紙に掲載した論説のタイトルの中で、イランとの戦争を主張した。ボルトンは「イランの核爆弾を止めるために、イランを爆撃せよ(To Stop Iran’s Bomb, Bomb Iran)」と書いた。ボルトンはこれまでイスラエルが近隣諸国の原子力施設に対して予防的先制攻撃を行ってきたことを支持してきた。また、核兵器関連施設に対する軍事行動を主張してきた。更にはイランの政権を打倒するために反対派勢力を支援することも主張してきた。

 

ボルトンはイランの体制変更を強く主張してきた。ボルトンはイランの過激な反体制派グループであるムジャヒディン・ハルクを支持してきた。ムジャヒディン・ハルクはアメリカ政府からテロリスト組織として認定されている。それでもこの組織を支持している。ボルトンに2011年にブリュッセルで開催されたイヴェントに出席した。ボルトンはこのイヴェントでムジャヒディン・ハルクが掲げるイランの体制変更を「無条件に」支持すると語った。

 

2009年、ボルトンはイスラエルがイランに対して核兵器を使用することを支持した。ボルトンはシカゴ大学での演説中に次のように語った。「イスラエルがイランの核開発プログラムに対して核兵器を使用する準備をしていなければ、イランは近い将来、プログラムで開発した核兵器をイスラエルに対して使用することになるだろう」。

 

●北朝鮮

 

北朝鮮は核兵器とミサイル技術を急速に開発している。これを受けて、ボルトンは北朝鮮国内の核兵器を除去するために予防的先制攻撃を行うことを主張している。

 

先月、ボルトンは『ウォールストリート・ジャーナル』紙に寄稿した。その中で、ボルトンは北朝鮮への攻撃の時は今だと主張した。ボルトンは19世紀の砲艦外交を使いながら次のように書いている。「危機はすぐそこまで迫っている。北朝鮮に関するアメリカの諜報不足という点からも考えて、私たちは攻撃開始を引き延ばすべきではない。攻撃を引き延ばせば北朝鮮はアメリカ本土を確実に攻撃できる核兵器を開発してしまう危険がある。それは現在よりも更に危険な状態となる」。

 

このような攻撃は北朝鮮の韓国や東アジア地域の展開する米軍基地に対する報復攻撃を誘発することになるだろう。米軍関係者は北朝鮮の報復攻撃によって数千名規模のアメリカ人が死亡し、ここ数十年では見られなかった規模の戦争が起きるだろうと警告している。

 

ボルトンの予防的先制攻撃という強い主張がトランプ大統領と北朝鮮の指導者金正恩との朝鮮半島の非核化について話し合う最高首脳会談の開催計画とどれほど一致するのかについては明確にはなっていない。昨年、ボルトンは北朝鮮との直接交渉を「オバマ政権時代の政策の継続」だと批判した。

 

●中国

 

ボルトンに対しては中国政府から疑念の目で見られている。ボルトンは台湾の自己決定を強く主張しており、トランプ政権に対して、これまでアメリカ政府が堅持してきた「一つの中国」政策を見直すように主張してきた。ボルトンはまた台湾に対するアメリカらの武器売却を増加させるように求めている。更にはアメリカ軍の台湾駐留も主張している。これは、ダグラス・マッカーサー元帥の掲げた中国沿岸の「不沈空母」という考えを思い出させる。

 

対照的に、中国政府は国交を開封したニクソン政権以来、アメリカとの国交に関して「一つの中国」政策は交渉の余地のない要素だと考えている。

 

今週、中国の習近平国家主席は中国の領土を「1インチでも奪われないように」防衛するという印象的な演説を行った。彼の語った中国の領土には台湾も含まれている。

 

●イスラエル

 

ボルトンはイスラエルに対して全面的な支持を与えることが予期される。マクマスターは保守派の一部からイスラエルに対して十分に支持していないという激しい非難を受けていた。元イスラエル米国大使ダン・ジラーマンはある時、ボルトンを「イスラエルにとっての秘密兵器」と形容した。

 

●国際機関

 

ボルトンはアメリカにおいてマルタイカルチュアニズムに対して厳しい批判を行う人物の一人だ。また、アメリカの武器制限条約への参加やアメリカの軍事能力を制限することになるだろう国際的な協定について繰り返し疑問を呈している。ボルトンは西サハラ領有権・独立問題に関して国連から交渉担当として派遣されたことがある。彼は国連について発言し、その発言が有名になった。ニューヨークにある国連の書記局ビルは38階建てだ。もしその10階分が失われてもこれまで変わらずに業務は行われることだろう」。

 

回想録の中でボルトンは次のように書いている。「国際刑事裁判所を創設するためのローマ規定に“署名をしない”となった時が国務省時代で私が最も幸福な日であった。私はコリン・パウエルに子供の時のクリスマスの日のようにウキウキした気分だと言った」。

 

ボルトンの国際条約に関する姿勢はトランプ大統領とほぼ同じだ。ボルトンはかつ手口のように語った。「条約はアメリカの目的にかなうときにだけ法律と同様の効力を持つ。国際的な状況においては、条約は法的な強制力を持つものではなく、単純に“政治的な”ものとなる」。

 

ボルトンは国際秩序の擁護者たちに対して最大級に見下している。EUと国務省の官僚たちを特に見下している。ボルトンは彼らについて背骨がないふにゃふにゃしていると非難している。

 

ボルトンは回想録の中で次のように書いている。「病気のようなEUの外交官たちの間で広がっているのが道徳的な優位性など存在しないという考えだ。これは高学歴者が陥りがちな病気のようなものだ。感染力が強いもので、国務省の官僚たちが感染しつつある」。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


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 古村治彦です。

 

 アメリカでは喜ばしいことに、国務省とUSAIDの予算削減をトランプ大統領は提案していますが、予算を決める連邦議会では削減を止めさせようという動きもあります。この動きは民主、共和両党にあります。また、元米軍の司令官クラスの人々も予算削減に反対し、懸念を表明しました。

 

 国務省、USAID、米軍は「世界中にアメリカと同盟諸国に対する様々な脅威が存在する」ということを理由にして多額の予算を分捕ってきました。そして、世界各国の政治に介入し、それらの国々を不幸にしてきました。日本もその中に入っています。日本の場合は、それに加えてお金の貢がされ係をやらされています。米国債の購入と為替市場への介入を通じて日本のお金をアメリカに貢いでいます。

 

 国務省の予算に関しては各国にある大使館や政府機関の出先の保護のために4割以上が割かれ、外交に使われているのが55%だということです。大使館の警備はアメリカ海兵隊が行っていますが、警備に対する予算が増えるということは海兵隊の仕事と予算が増えるということです。ですから、国務省の予算が減らされ、対外活動が減らされると海兵隊の食い扶持が減るということになります。

 

 米軍の大将クラスだった人々が連名で国務省とUSAIDの予算削減に反対しているのは、こうしたこともあってのことでしょう。また、アメリカが対外活動を行えば衝突や摩擦が起き、それを解決するために米軍が出るということになります。従ってアメリカの対外活動が減れば、米軍が今のような巨大な組織である必要もなくなる訳ですが、そうなれば、米軍の食い扶持や予算は減らされるということになります。国務省と米軍は一蓮托生な訳です。

 

 ですが、アメリカは既に力を失いつつあります。いつまでも膨大な数の米軍を外国に置いておくことはできませんし、米軍にかかる莫大な予算を支えられなくなっています。こうして帝国は衰退していくのでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

国務省とUSAIDは大幅な予算削減に直面(State Department, USAID Face Drastic Budget Cut

-民主、共和両党が政府予算における妥協が成立し、政府機関の閉鎖は終わった。しかし、アメリカの外交と国際開発プログラムの予算は削減されることになる。

 

ダン・デルース、ロビー・グラマー筆

2018年2月12日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2018/02/12/state-department-usaid-face-drastic-budget-cut-congress-military-generals-admirals-warn-against-slashing-diplomacy-budget/

 

国務省と米国国際開発庁(U.S. Agency for International Development、USAID)は先週民主、共和両党の間で成立した予算をめぐる合意を受けて、大幅な予算カットに直面している。先週の合意によって政府機関の閉鎖は終了した。連邦議会議員たちは税収不足を埋める更なる財源を探して苦闘している最中だ。

 

約88億ドルの税収不足を補うために、アメリカの外交団と国際開発プログラムに対して、1990年代以降で最大の予算削減が課されることになるだろう。与作削減によって国務省の士気の低下が起こり、外交官たちは「ドナルド・トランプ大統領は外交に対して熱心ではないのだ」と認識するようになっている。

 

民主、共和両党の連邦議会議員たちは国務省に予算をつけようと必死になっている。一方、トランプ政権の幹部たちは国務省の予算に関する議論には参加していない、と連邦議会関係者は語っている。

 

国務省と米国国際開発庁(USAID)の予算不足は2018年度、更には2019年度の各事業に影響を及ぼす。連邦議会の指導者たちとホワイトハウスとの間で先週に成立した予算に関する合意によって政府機関の閉鎖の長期化を避けることが出来た。合意は2018年度と2019年度の支出レヴェルを設定することで締結された。しかし、予算に関する合意によって米軍予算は増加したが、海外緊急活動作戦(Overseas Contingency Operations)における非防衛関連予算は削減された。海外緊急対応作戦予算の3分の1はこれまで国務省とUSAIDの予算として供給されてきた。

 

その結果、2018年の政府予算における国務省予算を増額させる方法を探すのに数週間残っていないという状態になった。2019年の予算に関しても同様のことが起きるであろう。

 

一方、トランプ政権は月曜日、2019年の連邦政府予算要求を提出することになる。2019年の予算に関して、ホワイトハウスは国務省の予算を削減するのかどうかは明確になっていない。

 

2018年の外交関係予算が削減される可能性が高いという観測を受けて、151名の退役した将官クラスの高級軍人たちが共同して懸念を表明した。この中には陸軍、海軍、空軍、海兵隊、特殊部隊の司令官クラスだった人物たちが多数含まれている。彼らは、「アメリカの国家安全保障に対する世界規模での脅威が高まっている中で、このような予算削減を行うとアメリカの世界に対する影響力が落ちてしまう」という警告を発した。

 

元将官たちが連邦議会の指導者たちに宛てた書簡の中には、「私たちは現在のような不安定な時代において世界をリードする能力を減退させることはすべきではない」という文言もある。この書簡は「USグローバル・リーダー・シップ・コアリション」という組織によって出された。この組織は、軍部、ビジネス、宗教各界に、国務省とUSAIDを支持することを求めるために活動している。

 

高級将官であった人々は、重要な外交職の多くが空席になっていることに懸念を表明し、また、「アメリカの安全を維持するために国防と共に外交と開発援助を強化することが重要だという確信」を持っていることを表明した。

 

イスラム国が戦場で敗北を喫している状況下で、イラクとシリアにおけるアメリカの外交と両国の再建支援は特に重要度を増している、と元将官クラスの人々は主張している。彼らは次のように書いている。「ISISに対して軍事的に優勢になっているが、疑問なのは戦場で勝ち得た勝利を守る準備が出来ているのか、悪者たちが空白に這いこまなうように防げるかどうかということだ」。

 

国務省の予算を2017年並みに戻すために、連邦議員たちはこれから難しい決断をしなければならないだろう。彼らは国内の他の優先問題と折り合いをつけねばならない。連邦議会両院の予算委員会は、2018年の予算において630億ドルの一任された予算を分割することになるだろう。しかし、約210億ドルは医療研究、対麻薬研究、退役兵士やその他に分野に投じられることになる。

 

連邦上院外交委員会の民主党側幹部委員であるボブ・メネンデス連邦議員(ニュージャージー州選出)は、金曜日書簡を発表した。書簡の中で、メレンデス議員は同僚議員たちに向けて、国務省とUSAIDの予算を現在のレヴェルに回復させるように予算を見直すことを求めた。

 

メネンデス議員は次のように書いている。「アメリカは世界各地で複雑化した多くの問題に直面している。この世界はアメリカの確固とした指導力を必要としている。国際問題に関連する予算はこうした必要に応えるものとならねばならない」。

 

本誌が入手した書簡は、リンゼイ・グラハム連邦上院議員(サウスカロライナ州選出、共和党)とパトリック・リーリー連邦上院議員(ヴァーモント州選出、民主党)宛であった。2人は、国務省の予算を監視する連邦上院歳出小委員会の委員長と民主党側幹部委員だ。

 

予算に関する議論をフォローしているあるロビイストは次のように語っている。「安全保障支援から伝染病や飢饉対策までアメリカは関わっている。これらに関する予算が大幅に削減されるとアメリカの外交と国際援助プログラムに大きな影響が出るだろう」。

 

国務省の報道官は本誌の取材に対して次のように述べた。「国務省は2018年度の超党派の予算案について特定のコメントをする立場にない。私たちは、決定者たちが政府に対する予算の配分をするであろうと認識している」。

 

国務省の予算の中で実際に外交に使われている金額について正確に伝えられていない。世界各地の米国大使館の警護にかかる経費は増大し続けている。この経費は国務省全体の予算の中で割合を大きくしている。司法省、国土安全保障省、その他の連邦政府機関が世界各国にある米国大使館で業務を行っているのがその理由となっている。そして、国務省はこれらの帰還の保護のために予算を使わねばならなくなっている。

 

アメリカ外交協議会のデータによると、2008年、国務省は「外交と領事プログラム」関連予算の17パーセントを警備に使っていた。2018年の予算請求の中で、警備関連予算は「外交と領事プログラム」予算の45パーセントを占めるまでになっている。「外交と領事プログラム」の予算の55パーセントだけが実際の外交に使われることになる。

 

USグローバル・リーダー・シップ・コアリションの会長兼最高経営責任者リズ・シュレイヤーは「アメリカと同盟諸国は様々な脅威に直面している。アメリカ政府は世界から撤退することはできない」と語っている。

 

1年前、トランプ政権は国際問題に関連する予算の30パーセント減額を提案し、元高級外交官や軍人たちから激しく批判された。民主、共和両党の連邦議員たちはこの提案を退けた。

 

シュレイヤーは、連邦議会が今回の大きな予算カットに対して同様の反応をしてほしいと望んでいる。シュレイヤーは本誌の取材に対して、「私は、今度も前回と同様の大きなそして明確な反対の声が上がり、国務省とUSAIDに対して超党派の支持があるものと考えている」と述べた。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


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 古村治彦です。

 

 2018年3月22日、アメリカのドナルド・トランプ大統領が4月9日付で、大統領国家安全保障問題担当補佐官にジョン・ボルトンを任命すると発表しました。現在のハーバート・R・マクマスター補佐官は辞任となります。マクマスター補佐官は現役の陸軍中将ですが、辞任に伴い、陸軍からも退役するということです。

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ジョン・ボルトン
 
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ハーバート・R・マクマスター

 2018年3月6日、ゲイリー・コーン国家経済会議委員長が辞任を発表しました。この時にメディアでは同じ日に、ジョン・ボルトンがホワイトハウスの大統領執務室でトランプ大統領と会談したというニュースも流れました。この時に既に今回のことは決まっていた可能性があります。

 

 ジョン・ボルトンはジョージ・W・ブッシュ政権時代に政権内の外交と軍事を牛耳ったネオコン派の一人です。トランプ大統領はブッシュ時代のイラク攻撃を批判していましたが、マイク・ポンぺオ国務長官、ジョン・ボルトン大統領国家安全保障問題担当補佐官という陣容を組みました。ポンぺオもまたネオコンに近い人物です。

 

 トランプ大統領はジェローム・パウエルFRB議長を起用し、アメリカ経済の引き締めを行おうとしています。その結果として過熱していた株価は調整され下がっていくことになるでしょう。実際にFFレートの利上げが発表され、NYダウは大幅に下げました。トランプ景気をひと段落させるにあたり、募る不満を対外関係に逸らせるということをトランプ大統領は考えているかもしれません。

 

 ポンぺオ国務長官、ボルトン大東両国家安全保障問題担当補佐官という布陣は北朝鮮に対して強硬な姿勢を取るということを鮮明に示しています。米軍による北朝鮮攻撃の可能性が高まりました。ジェイムズ・マティス国防長官は、北朝鮮攻撃と決まれば反対はしないでしょう。次はジョン・ケリー大統領首席補佐官の動向が注目されるところです。

 

(貼り付けはじめ)

 

諸問題についてのジョン・ボルトンの発言(John R. Bolton on the Issues

 

アシシュ・クマー・セン筆

2018年3月22日

「アトランティック・カウンシル」

 http://www.atlanticcouncil.org/blogs/new-atlanticist/john-r-bolton-on-the-issues

 

ドナルド・J・トランプ米国大統領は2018年3月22日に、4月9日付でジョン・ボルトンが次期大統領国家安全穂所問題担当補佐官に就任すると発表した。ここ数年の重要な外交政策問題に関してのボルトンの立場を彼の発言から見てみよう。

 

●北朝鮮について(On North Korea

 

・「北朝鮮の核兵器開発によって現在生じている事態に対して、アメリカが先制攻撃を行うことで対応することは完全に正当なことなのである」(2018年2月28日付『ウォールストリート・ジャーナル』紙)

 

・「問題:北朝鮮の政権が現在嘘をついているとどのようにして知ることが出来るか? 答え:彼らの唇が動いていることで知ることが出来る。(訳者註:北朝鮮は嘘ばかりをついているという意味)」(2018年3月9日付フォックスニュース[テレビ番組]

 

●イランの核開発に関する合意について(On Iran nuclear deal

 

・「オバマ大統領が交渉して引き起こした外交上のワーテルローの戦いの結果(惨敗)はまだ癒されないだろう」

 

・「トランプ大統領はオバマ前大統領が結んだ合意を戦略的に大きな間違いだと正確に見破っている。しかし、トランプ大統領の周囲にいる補佐官たちはどうした訳だか、この合意から撤退しないように大統領を説得している」(2018年1月15日付『ウォールストリート・ジャーナル』紙)

 

・「残された時間は大変に短いが、(イランの核開発施設)への攻撃はまだ成功できる可能性を残している。このような攻撃はイランに敵対している国々や勢力に対するアメリカの巨大な援助と共に実行されるべきだ。そして、こうした動きの目的はイラン政府の政権転覆(体制変更、regime change)だ」(2015年3月26日付『ニューヨーク・タイムズ』紙)

 

●アフガニスタンとパキスタンについて(On Afghanistan/Pakistan

 

・「アフガニスタンに関してはパキスタン次第で勝利もできるし、敗北をしてしまうこともある」(2017年8月21日付フォックスニュース[テレビ番組]

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


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 古村治彦です。

 

 拙著『アメリカ政治の秘密』で取り上げました、アメリカの「民主化」の尖兵となってきた機関に対する予算が縮小されるそうです。全米民主体制のための基金(National Endowment for DemocracyNED)と言いますが、その下に、全米民主研究所(National Democratic InstituteNDI)と国際共和研究所(International Republican InstituteIRI)があります。それぞれ自分たちはきれいなNPOでございます、というふりをしていますが、大きな間違いです。

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アメリカ政治の秘密

 

 NDIIRIは、それぞれ民主党、共和党の下部組織です。民主党(Democrats)と共和党(Republicans)のDRがそれぞれについています。これらは、両政党の中でも、「民主化」に熱心な、人道的介入主義派(Humanitarian Interventionists)とネオコン派(Neoconservatives)の牙城になっています。それぞれにお金を流すために、NEDという組織があって、これに毎年約200億円の国家予算が投じられていましたが、この予算が6割以上カットされるそうです。非常にめでたいことです。

 

 これはそもそも上部団体である国務省(United States Department of State)とアメリカ国際開発庁(United States Agency for International DevelopmentUSAID)の予算500億ドル(約5兆3000億円)が37%削減されて315億ドル(約3兆4000億円)になったことを受けてのことです。ドナルド・トランプ大統領が国務省とUSAIDの予算を大幅削減すると聞いたとき、私は「さすがトランプ大統領、よく分かっている」と感心しました。私がトランプ大統領を支持する理由はまさにここです。

 

 拙著『アメリカ政治の秘密』でも書きましたが、アメリカが進めてきた世界各地の民主化(Democratization)は、世界を不幸にしました。「世界中の全ての国々が民主国家になれば戦争はなくなる、不幸はなくなる。そのためにアメリカは与えられた使命を果たさねばならない」という恐ろしい考えで世界各地にアメリカは介入していきました。最近では「アラブの春」という茶番劇が思い出されます。このアラブの春を演出したのは国務省であり、USAIDであり、NEDでした。私は『アメリカ政治の秘密』の中で証拠付きでこのことを明らかにしています。

 

 私は下に掲載している記事のタイトルである、「トランプ政権「世界の民主化運動を支援するお金はもうない」」も大変気に入っています。アメリカが衰退していることを明確に表しているからです。

 

 こうした動きに対して、人道的介入主義派とネオコン派はトランプ政権をしてくるでしょう。トランプ政権内部の動きについてはこれからも注視していく必要があります。

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプ政権「世界の民主化運動を支援するお金はもうない」

Trump State Department Accused of Abandoning Global Democracy in New Budget

 

201838日(木)1920

カルロス・バレステロス

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/03/post-9693_1.php

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/03/post-9693_2.php

 

<アメリカ政府の手先、と疑いの目を向けられながらも、旧共産圏諸国の民主化を支援するなど功績のあったNEDがなくなる?>

 

米国務省が、全米民主主義基金(NED)の予算を大幅に削減しようとしている。親米の民主主義を広げるため、世界中のメディアや労働組合、人権団体に資金提供を行ってきたNPOだ。

 

ドナルド・トランプ米政権が2月に発表した2019会計年度(1810月~199月)の予算教書に沿って、国務省はNEDの予算を2018年度の16800万ドルから6700万ドルへと3分の1まで縮小する方針だ。さらに、全米民主研究所(NDI)や国際共和研究所(IRI)などNEDの中核となってきた組織に個別に割り当ててきた予算も、今後は米国務省の一般予算に組み入れたい、としている。

 

NEDの予算削減や見直しを、米議会が承認するかどうかは不明だが、もし認められれば、トランプ政権は海外の民主化運動を見捨てた、という誹りを免れないだろう。

 

「今回の削減案は大打撃だが、驚きはない。最終的に決めるのは議会だ」と、NEDのカール・ガーシュマン会長は本誌に語った。「ただNEDを骨抜きにすれば、ロナルド・レーガン元米政権のレガシー(遺産)を葬り去ることになり、政治的にも将来的にもあまりに短絡的だ」

 

「オープンなCIA」の位置づけ

なぜなら、NEDの予算が削減されれば「海外で同じ価値観を共有し、権力と戦う勇敢な民衆の支援からアメリカが手を引いた、というシグナルを世界中に送ることになる」さらにガーシュマンは米紙ワシントン・ポストの取材に語った。

 

トランプ政権は米国務省の2019年の予算を2017年度比で25%削減する方針だ。

 

NED1983年にレーガン元米大統領の特命で設立された。当時、米中央情報局(CIA)などの米政府機関は、海外の親米派への資金提供や援助を秘密裏に行ってきたとして、激しく批判されていた。

 

「今我々がやっていることは、25年前にCIAが秘密裏にやっていたのと同じことだ」と、NEDのデービッド・イグナシウス会長代理は1991年のインタビューで語っている。「当時と今の最大の違いは、大っぴらに活動しているので、後で批判される可能性が少ないということ。オープンであることは即ち、自己防衛だ」

 

NEDは設立以来、民間NGOの扱いだが、実際には活動資金の大半を米議会から受け取っている。NEDのホームページによれば、年間の資金提供は1200件、1件当たりの平均は5万ドルだ。

 

NED1980年代に共産主義政権の終焉に貢献したとして、その功績が認められてきた。特に1989年に民主化したポーランドへの支援では力があったとされる。

 

一方、アメリカ政府の手先として非難を浴びることも依然、多い。

 

2002年には、ベネズエラで民主的に選ばれたウゴ・チャベス大統領の政権転覆を図った反政府団体に資金提供を行ったと批判された。

 

2005年にジョージ・W・ブッシュ元米大統領がNEDの予算倍増を要求した時には、米共和党のロン・ポール下院議員(テキサス州選出)はこう批判した。「NEDはアメリカの意向に沿う海外の政党や運動に米国民の税金を垂れ流すことで、民主主義を転覆している団体だ」

 

(翻訳:河原里香)

 

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