古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

カテゴリ: 東アジア政治

 古村治彦です。

 

 先週のヴェトナム・ハノイでの2回目の米朝首脳会談については既にこのブログでも書きました。ワーキングランチが取り止めになり、共同宣言発表もなくなり、何の成果もないままで終了ということになりました。金正恩委員長は不機嫌な態度で会場を後にし、その後、ヴェトナム政府が主催の公式行事には出席しましたが、その他の経済視察などは行いませんでした。前回は、夜のシンガポールに出て、トランプ大統領の支持者である、シェルドン・アデルソンが経営するマリーナベイ・サンズを訪問しましたが、今回そのようなことはありませんでした。

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 こうした中、北朝鮮政府の神経を逆なでする出来事がいくつか起きました。まず、2019年2月22日に、スペインの首都マドリードにある北朝鮮大使館に賊が侵入し、館員を一時監禁し、コンピューターなど情報機器が盗まれるという事件が起きました。

 

 諜報やスパイといった世界での暗闘の一部なのだろうと思いますが、大使館に賊が侵入するというのはよほどのことです。コンピューターなど情報機器が盗まれたということですが、これでは北朝鮮が在外公館で構築している情報ネットワークや使用している暗号などが流出したということになります。

 

 スペインは第二次世界大戦では中立国となり、マドリードでは各国の大使館が情報戦を戦っていた場所です。日本も須磨弥吉郎公使を中心とする東機関(とうきかん)を設立し、アメリカの情報を日本に送っていました。アンヘル・べラスコというスペイン人が日本のスパイとなっていました。マドリードという場所は今でもスパイ戦、諜報戦の第一線なのかもしれません。

 

 更に、1919年の三一運動から100年の今年3月1日、金正恩委員長の兄で、金委員長の移行で殺害されたとされる金正男(故金正日国防委員長の長男)の息子である金漢率(キム・ハンソル)氏を保護していると主張しているグループ「千里馬民間防衛(CCD)」が名前を「自由朝鮮」に変え、朝鮮臨時政府の設立を宣言しました。金漢率氏が首班にはなっていないようですが、外国に北朝鮮の亡命政府というか、臨時政府を設立すると宣言しました。


 

 2回目の米朝首脳会談の直後のタイミングというのが気になるところです。この自由朝鮮というグループの実態ははっきりしていません。しかし、故金日成国家主席の曾孫、故金正日国防委員長の孫であり、長男の長男である金漢率を擁しているということは重要なことです。血筋で見れば、金漢率氏の方が故金日成主席に近いということになります。




 この自由朝鮮の動きの裏に、アメリカ、特にアメリカのネオコン派がいるとするならば、この動きは北朝鮮政府にとっては神経を逆なでするものであり、金正恩委員長が外出を控えるようになったというのも、暗殺の危険を避けるためということになるのだろうと思います。

 

 米朝首脳会談の不調と朝鮮臨時政府の発足ということを結び付けて考えると、この先、米朝交渉が決裂せずに、だらだらとでも続いていくことは重要である、成果を急いで出そうとすると交渉が決裂し、最悪の場合にはアメリカによる北朝鮮攻撃という可能性が息を吹き返してくるということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

スペインの北朝鮮大使館、襲撃受ける=職員一時監禁

 

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https://www.jiji.com/jc/article?k=2019022800368&g=int

 

 【ソウル時事】28日付の韓国紙・朝鮮日報などは、スペインのマドリードにある北朝鮮大使館が22日、何者かの襲撃を受け、職員が数時間、監禁されたと報じた。職員3人が軽いけがをしたほか、コンピューターなど情報機器が盗まれたという。地元メディアなどを引用して伝えた。AFP通信によると、スペイン内務省スポークスマンは27日、「(事件を)捜査中だ」と述べた。

 

 朝鮮日報は、脱北者支援団体とみられる「チョルリマ・シビル・ディフェンス(千里馬民防衛)」が事件に関与したかどうかが注目されると指摘。同団体は金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄で、2017年2月にマレーシアで殺害された金正男氏の息子ハンソル氏の安全確保のために活動しているといわれる。(2019/02/28-09:41

 

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正恩氏一転、不機嫌に去る=トランプ氏「関係継続」

 

2/28() 17:08配信 時事通信

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190228-00000082-jij-kr

 

 【ハノイ時事】第2回米朝首脳会談は合意に達することができないまま幕を下ろし、わずか数時間で両首脳は劇的に表情を変えた。

 

日本「悪夢のような状況懸念」=米朝再会談で韓国TV

 

 会談2日目の28日午前、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長は「私の直感では良い結果が出ると信じている」とトランプ米大統領に語り掛け、余裕すらうかがわせた。しかし、午後に会場のホテルを後にする際は一転、不機嫌そうな様子を隠さなかった。一方のトランプ氏は、会談後の記者会見で「正恩氏との関係を継続したい」と未練をのぞかせた。

 

 28日午後、会談が行われたホテルを出発し、走り去る専用車では、後部座席に座る正恩氏の「仏頂面」が確認された。午前中、トランプ氏とホテルの中庭を散策しながら見せた柔和な表情とリラックスした雰囲気は消え、両国に依然大きな隔たりがあることを無言のまま世界に知らせた。

 

 中国を経由し専用列車でベトナム入りした26日、正恩氏は対中国境の越北部ドンダン駅前で、歓迎する地元の人々に専用車から手を振る気配りを見せていた。しかし、会場を後にした際の表情は、事実上物別れに終わった会談の雰囲気を反映して厳しかった。ベトナムで高まっていた正恩氏への好印象を吹き飛ばすように去って行った。 

 

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記事入力 : 2019/03/02 09:09

 

金正男氏息子救援団体「自由朝鮮」、臨時政府発足を宣言

 

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/03/02/2019030280008.html

 

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の腹違いの兄である故・金正男(キム・ジョンナム)氏の息子キム・ハンソル氏を支援する団体「千里馬民防衛」が1日「自由朝鮮の建立を宣言する」とした上で「この政府が北朝鮮人民を代表する単一かつ正当な組織だ」と主張した。団体名も「自由朝鮮」に変更し、自分たちを「臨時政府」と名乗った。この団体について一部では「北朝鮮の元政府高官だった脱北者を中心に組織されたのでは」との見方も出ている。

 

 「千里馬民防衛」はこの日ホームページを通じ「光復(植民地支配からの解放)という明るい光が平壌に届くまで、人民を苦しめる者たちに対抗してたたかう」などとする「自由朝鮮のための宣言文」を韓国語と英語で公表した。ソウル市内のタプコル公園とみられる場所で、白の韓服に黒いチマを着た女性がこの宣言文を読み上げる735秒の動画も公開された。この日が三・一節から100周年だったことを意識したようだ。団体は「過去数十年間、人道主義に反する莫大な犯罪を行ってきた北の権力に対抗するため立ち上がった」とも主張し、北朝鮮住民や国際社会などに賛同と連帯を呼びかけた。

 

 この団体は先月25日「今週中に重大発表を行う」と予告していた。時期的に考えると、この重大発表とは今回の宣言を意味するものと思われる。亡命政府の設立には北朝鮮住民と国際社会の後押しが必要となるため、団体は今後キム・ハンソル氏ら北朝鮮出身者を前面に出すとの見方もある。

 

 団体はこの日ソウル市内で撮影された動画を公開することで、関係者の一部が韓国国内にいることを暗に示した。元北朝鮮政府高官の脱北者は「金正恩体制に反旗を翻した元工作員たちの団体のようだ」との見方を示し「彼らは情報力も資金力もあるので、海外の情報機関と連携した反体制活動も可能だ」と指摘した。この脱北者はさらに「北朝鮮が工作機関を偵察総局に統廃合した2009年と、張成沢(チャン・ソンテク)氏が処刑された13年を前後した頃、複数の元北朝鮮工作員が亡命したと聞いている」とも伝えた。

 

 一方で韓国の中道系野党・正しい未来党の李彦周(イ・オンジュ)議員は1日「北朝鮮内の反独裁運動に関する特別法(仮称)」を国会に提出する方針を明らかにした。李議員は「北朝鮮の臨時政府や亡命政府を名乗る団体への支援策について議論すべき時だ」とコメントした。

 

キム・ミョンソン記者 , ユン・ヒョンジュン記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

 

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North Korea’s ‘government in exile’: who is the group dedicated to ‘restoring light to Pyongyang’?

 

    Little is known about CCD and it is unclear who is behind the organisation – although some have speculated it has links to South Korea’s spy agency

    The group emerged in 2017 when it said it had guaranteed the safety of Kim Han-sol, the son of Kim Jong-nam, who was murdered

 

 

Agence France-Presse 

Updated: Friday, 1 Mar, 2019 1:09pm

https://www.scmp.com/news/asia/east-asia/article/2188191/north-koreas-government-exile-who-group-dedicated-restoring

 

A shadowy group believed to be protecting the son of North Korean leader Kim Jong-un’s assassinated brother declared the formation of a government-in-exile on Friday, dedicating itself to the abolition of the “great evil”.

 

The Cheollima Civil Defence (CCD) organisation – which offers to assist people attempting to defect from North Korea emerged in 2017 when it posted an online video of Kim Han-sol, saying it had guaranteed his safety after his father was killed

by two women who smeared him with nerve agent.

 

In a lengthy statement posted on its website in both Korean and English on Friday – the 100th anniversary of a Korean movement against Japanese colonial rule – the group announced itself as a provisional government for the North called “Free Joseon”. Joseon is an old name for Korea.

South Korea’s Moon Jae-in may be the biggest loser of the Trump-Kim summit flop

 

We dedicate ourselves completely to the abolition of this great evil, a stain on the very soul of humanity,” it said in a statement, saying it will continue its campaign until “the day that light is truly restored to Pyongyang”.

 

It claimed to be “the sole legitimate representative of the Korean people of the north”, adding: “Joseon must and shall be free. Arise! Arise, ye who refuse to be slaves!”

 

The group posted a video of a woman – dressed in an old-fashioned black and white hanbok and her face blurred or only showing her back – reading out the statement in front of a traditional Korean pavilion in a field.

 

Little is known about CCD and it is unclear who is behind the organisation – although some have speculated it has links to South Korea’s

spy agency. It is named after a mythical winged horse.

 

CCD uses South Korean transliteration for its name, while some of the Korean text on its website reads as if it could have been a translation from English.

 

In the past the group has said it responded to urgent requests for protection from “compatriots” and has thanked countries including the Netherlands, China and the United States for their help.

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 2019年2月27日から28日にかけてヴェトナムの首都ハノイでアメリカのドナルド・トランプ大統領と北朝鮮の金正恩国務委員会員長の首脳会談が開催されました。昨年6月12日のシンガポールでの首脳会談に続く第2回目の会談でした。


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 今回の首脳会談では共同宣言に署名されることもなく、成果のないままに終了ということになりました。トランプ大統領は記者会見に応じ、これからも交渉を続けていくと述べました。それでもマスコミでは「物別れ」「決裂」という言葉が躍っています。

 

 前回の一回目の首脳会談では、共同宣言が出されました。その中には「トランプ大統領は朝鮮民主主義人民共和国に安全の保証を与えると約束し、金正恩委員長は朝鮮半島の完全な非核化に向けた断固とした揺るぎない決意を確認した」という一節があり、これでアメリカは北朝鮮を攻撃しないとし、北朝鮮は非核化に向かって進むということになりました。

 

 アメリカとしては、攻撃しないという保証を与えたのだから、アメリカの意向通りの非核化を行うべきだと考えている一方で、北朝鮮は安全の保証だけではなく、経済発展に向けた動きもついでに確保しよう、非核化をできるだけ高く売りつけようという考えのようです。中国とロシアの後ろ盾もあり、経済制裁も効果を上げていない(密輸などで)中で、北朝鮮は焦る必要はない状況です。そうした中で、アメリカの意向通りには物事は進まなかったということでしょう。

 

 それでも交渉は続けるということですし、交渉が続いている状況で、一回目の共同宣言の効力があるうちは、アメリカにとってはミサイルが飛んでこないということであり、北朝鮮にとってはアメリカから攻撃されないということで、この宙ぶらりんの状態はお互いに望ましいということになります。

 

 金正恩委員長が不機嫌なままで会場を去ったという報道が少しに気になります。笑顔がなくて外見上が不機嫌に見えたという印象論の報道ならまだ良いのですが、会談の席上でのトランプ大統領の発言のために不機嫌になったということなら問題です。私が懸念しているのは、現在の外交、安全保障を司っているアメリカの政府高官がそろいもそろってネオコン派であるという点です。

 

 そうした中で、トランプ大統領がアメリカによる北朝鮮攻撃、体制転換、政権交代などについて口を滑らせてぽろっとでも発言すれば、北朝鮮にしてみれば到底受け入れがたいことになります。

 

 日本政府について考えてみると、今回紹介している記事の内容から考えると、何も合意が出来なくてホッとしているということになるでしょう。日本が置き去りにされて、米朝が何か氏からの合意や進展をしてしまうということは、日本にとっては困ってしまう事態です。日本はアメリカとの関係に依存し過ぎているのに、アメリカは気まぐれで日本の利益を考えない行動をするということになったら、日本は損ばかりをしてしまうということになります。


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 また、日本が過度にアメリカ依存をしているということで、対中、対露、対北朝鮮についてはフリーハンドで動くことはできません。一方でアメリカはいざとなれば日本のことなど考慮しないということは可能です。日本は東アジア地域の大国ではありますが、北朝鮮をめぐる問題に関してはサイドラインに立たされたまま、ということになっています。

 

 北朝鮮も日本に関しては重視していないので、日本からの働き掛けもうまくいっていないのが現状です。

 

 こうして見ると、下に紹介した記事にあるように、日本政府にとっては今回の会談で何も成果が出なかったということは、「日本にとって何も悪いことが起きなかった」ということになり、胸をなでおろしているということになるでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

ハノイでの首脳会談で日本政府ははじき出されたと感じている(Hanoi Summit Has Tokyo Feeling Left Out

―日本はアメリカと北朝鮮が合意に至る中で、日本の利益が無視されるのではないかと懸念を持っている

 

ロビー・グラマー筆

2019年2月26日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2019/02/26/hanoi-summit-has-tokyo-feeling-left-out-japan-north-korea-shinzo-abe-kim-jong-un-nuclear-deal-trump-asia-security-denuclearization/

 

2018年9月、国連総会の席上、日本の安倍晋三首相は、北朝鮮との「相互不信の硬い殻を打ち破る」用意があり、北朝鮮の最高指導者金正恩国務委員会委員長との首脳会談を行う用意があると宣言した。

 

しかしそれ以降、アメリカと北朝鮮、韓国と北朝鮮、中国と北朝鮮といくつもの首脳会談が次々と開催される中で、日本はサイドラインから眺めることしかできず、ドナルド・トランプ米大統領が日本政府に相談することなく、北朝鮮と合意を結ぶのではないかという懸念を持ち続けている。

 

長年にわたり北朝鮮に対して強硬姿勢を保持してきた当の安倍首相は北朝鮮の金委員長との首脳会談を開くことができないままでいる。これはトランプ大統領が今週金委員長との2度目の会談を準備している中で、日本が不安定な立場に立っており、日本政府もそのことを認識していると専門家や日本政府高官たちは述べている。

 

ある日本政府高官は匿名で取材に応じ、「日本では、何か良いことが起きることを希望するよりも、何も悪いことが起きないことを人々は望んでいる」と発言した。

 

ヴェトナムでの首脳会談において、トランプ大統領と金委員長は非核化について北朝鮮による譲歩の可能性について議論することになるだろう。アメリカの同盟諸国は、金委員長がうまく立ち回り、トランプ大統領を出し抜き、政治上のまたPR上の勝利を勝ち取るのではないかという懸念を持っている。アメリカのマイク・ポンぺオ国務長官もまたこうした懸念を持っていると報じられている。大きな懸念としては、北朝鮮政府が非核化のための真のステップから外れるために自分たちの主張に固執するのではないかというものだ。アメリカの各情報機関のトップたちは、北朝鮮が核兵器プログラムを放棄したくないと考え、昨年シンガポールで開催されたトランプ・金会談以降の複数回の実務者協議は中断し、停滞しているのが現状だと発言している。

 

韓国では文在寅大統領は、南北関係を修復するために、金委員長の関係をこれまでになく強めている。文大統領と金委員長との間の一対一の会談は複数回開かれ、多くの場合、最後は両者が抱き合い、笑い合う様子を写真撮影することで終了している。

 

一方、北朝鮮政府は日本政府からの外交的な接触に対して反応をしていない状況下で、日本は韓国政府かアメリカ政府を通じて、トップレヴェルの関与を確保しなければならない。そのために、安倍首相は気まぐれな北朝鮮の最高指導者と向こう見ずで自由気ままなアメリカ大統領の間に挟まれ、身動きが出来ないようになっている。現在のアメリカ大統領は原稿通りに発言しないことと補佐官たちの助言を無視することを好む。

 

専門家の中には、北朝鮮は安倍首相と関与することを拒絶しているが、安倍首相がトランプ大統領と個人的な関係を持っているので、日本は外交上、強い立場にあると主張している人々もいる。しかし、安倍首相はハノイの首脳会談をサイドラインから眺めることを強いられている。

 

ヘリテージ財団研究員でCIA韓国部の副部長を務めたブルース・クリングナーは、「日本政府の高官たちと話をすると、彼らは懸念を感じ、孤立感を持っていることが分かる」と述べた。クリングナーは更に、トランプ大統領について、「日本政府高官たちは良くないサプライズが起きることを憂慮している」とも述べた。

 

トランプ大統領に対して日本政府高官が懸念を持つのはそれだけの理由があるからだ。

 

2018年の第一回目の米朝首脳会談の後、トランプ大統領は一方的に韓国との共同軍事演習の一部を修了すると発表した。これは同盟諸国と国防省内部に大きな衝撃を与えた。

 

2018年12月、トランプ大統領は、アメリカ軍のシリアからの完全撤退とアフガニスタンからの大幅な撤退を決断したと発表して、アメリカの同盟諸国を再び驚かせた。シリアからアメリカ軍を全員引き揚げさせるという決断(これは現在再考中ではある)によって、国防長官だったジェイムズ・マティスと対イスラム国特使だったブレット・マガークは辞任した。

 

ブルッキングス研究所の朝鮮半島研究部門の責任者ジュン・パクは、シリアとアフガニスタンに関する予想外の発表は東アジア全域を駆け巡り、アメリカの同盟諸国の神経を逆なでした、と述べている。パクは、東アジア地域のアメリカの同盟諸国に残されたものは、「不安定と不信感、不平不満の複雑に絡んだ状態である。これらはトランプ大統領の予測不可能性が原因の一部であると思う」と述べている。

 

中国の軍事的脅威が高まり、北朝鮮が核兵器とミサイル開発を放棄しない状況下で、それらに対処するために、日本はアメリカとの同盟関係に大きくい依存し続けている。日本の平和主義憲法は第二次世界大戦後に制定されたが、これは、純粋な防衛行動のみに軍事力を使用すると制限している。安倍政権は憲法の改定と日本の自衛隊を完全な軍隊にすることを推進中だ。

 

アメリカとの同盟に大きく依存しているということは、日本はアメリカ大統領の気まぐれの影響を受けてしまうということになる。現在のトランプ大統領は伝統的な同盟諸国との関係性の構造をはねつけ、これまでのアメリカの国際問題へのかかわりに疑問を呈している。

 

トランプ大統領が金委員長と合意に達することで、アメリカに対する脅威をなくす一方で、東アジア地位の同盟諸国を見捨てるのではないかというのが日本政府内に広がっている恐怖感だ、と日経新聞コメンテイターの秋田浩之と述べている。考えられる合意内容として、北朝鮮の長距離大陸間弾頭ミサイル開発に制限を加えながら、完全な非核化を行わず、アメリカ本土には脅威ではないが日本にとっては脅威となる短距離、中距離ミサイル開発も阻止しないというものがある。秋田は「これは日本にとって悪夢のようなシナリオだ」と述べている。

 

ランド研究所の研究員ナオト・アオキはハノイでの合意内容によって、日本の置かれている不安定な立場はより厳しいものとなるだろう、と述べている。トランプ・金会談の結果の一つの可能性として考えられる内容は、アメリカの交渉担当者たちが外交関係正常化に向けたステップの中で北朝鮮に、完全な大使館機能を備えてはいない連絡事務所を設置することを提案するということだ。東アジア地域の他の主要なプレイヤーであるロシアと中国は平壌に大使館を置いている。韓国は昨年9月に北朝鮮に連絡事務所を設置している。

 

青木は「アメリカが連絡事務所を設置するとなると、日本は東アジア地域で北朝鮮との間に、二国間で利用される存在もしくは外交チャンネルを持たない唯一の主要国となる」と発言している。

 

日本政府高官や専門家たちによれば、日本は複数回にわたり北朝鮮に接触を図った。2018年の国連総会の非公式な場面での接触や、2018年8月の東南アジア諸国連合の会合での日本の河野太郎外相と北朝鮮の李容浩外相との会談が 行われた。また、両国の情報機関の間で交渉が行われたとも報じられている。

 

青木は、これらの交渉や会談では「何も実質的な」ことには結びつかなかったようだ、と述べている。

 

外交評議会(CFR)のシーラ・スミスをはじめとする一部の専門家たちは、ハノイでのトランプ・金会談に至る過程で日本は孤立しているという考えに反論している。スミスは、トランプとポンぺオが東京を訪問したこと、北朝鮮との交渉について調整を行うために両者が安倍首相や河野外相と電話会談を行っていることを指摘している。

 

別の日本政府高官は匿名で、「非核化問題について私たちはアメリカと全面的に協調している」と述べている。

 

スミスは、2017年に北朝鮮が日本を飛び越えるミサイル実験を行った後、安倍政権は国連を含む、国際的な反応を引き出すために効果的に活動した、と述べている。スミスは「日本は国際的な舞台で活発な活動を続けている」と述べている。

 

しかし、トランプ大統領と安倍首相との個人的な友情がハノイでトランプが行う交渉に影響を及ぼすかどうかは不明確だ。秋田は、「(安倍首相の)個人的な関係が、日本にとって好ましくない妥協をトランプ氏が行わないようにするだけの効力を持つのかどうかは分からない」と述べている。

 

安倍首相は金委員長との直接の会談の際には、1970年代から1980年代にかけて拉致された日本国民について話をしなければならないと一貫して主張している。北朝鮮は17名の日本国民を拉致したことを正式に認めた。しかし、実際の数は不明確だ。日本人拉致問題は日本の外交問題の中で政治的に最も重要でかつ感情的に緊張をはらんでいるものだ。この問題に対する最後の大きな進展は2002年に起きた。この時、北朝鮮は拉致を認め、5名の拉致被害者を解放した。残る12名の運命については不明確なままであった。この人々が生存しているのかどうかも含めて不明確なままであった。しかし、拉致問題解決に向けて進展することは、北朝鮮国内で唯一求められている経済発展への道を開くことでもあるのだ。

 

安倍首相は日本史上4番目に長い在任期間を誇る首相である。彼は自身の政治キャリアを通じて拉致問題を主眼にしてきた。安倍首相は自身の外交政策上の成果を確固としたものにするために拉致問題を一気に全面解決したいと表明している。しかし、複数の日本政府高官たちは、アメリカ政府か韓国政府の仲介があっても問題解決は難しいと諦めている。

 

戦略国際問題研究所(CSIS)の北東アジア担当研究員のスー・ミー・テリーは、北朝鮮から見れば、拉致問題は、韓国やアメリカとの関係改善と比べて、取るに足らないものであると述べている。彼女は「関係改善に向かっている中で、拉致問題は現在のところ、金委員長にとって重要度の高い問題ではない」と述べている。

 

CFRのスミスは、安倍首相と金委員長との会談が行われる場合には、これらの実質的な諸問題についても話し合われなければならない、と述べた。

 

スミスは「そうでなければ首脳会談とは言えない。また、単なる写真撮影の機会でもいけない」と述べた。

 

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(終わり)




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 古村治彦です。

 

 2018年9月18日から韓国の文在寅大統領が北朝鮮を訪問し、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長と会談を行っています。本日、平壌共同宣言に両首脳が署名しました。南北の間で武力を使用しないこと、北朝鮮北部のミサイル施設を廃棄すること、寧辺の各施設も米国の出方次第で廃棄すること、年内に金正恩委員長が韓国・ソウルを訪問することが南北間で合意されました。今回の共同宣言によって、「朝鮮戦争は実質的に終結した」と韓国政府高官は強調しています。

 

 今回の共同宣言と南北の軍事分野での合意によって朝鮮戦争は「実質的に」終結した、という点は重要です。朝鮮戦争の休戦協定に署名したのは、中国人民志願軍司令員の彭徳懐と朝鮮人民軍司令官の金日成、国連軍総司令官のマーク・W・クラーク米陸軍大将です。韓国は署名の当事者ではありません。ですから、休戦協定と今回の共同宣言は全く別のものと考えるべきです。中国と国連軍(実質はアメリカ軍)が関係していないのですから。

 

 韓国が北朝鮮に対して武力を使用しない、北朝鮮も韓国には武力を使用しないということが今回合意された訳ですから、アメリカがもし北朝鮮に武力攻撃を行う際には、韓国は米軍と共同歩調を取らないということになります。そうなると、米韓両軍で行われる共同軍事演習も行われるのかどうか微妙ということになります。ですから、今回の共同宣言は韓国がアメリカ離れを進めていることの証左となります。

 

 アメリカが韓国内にある米軍基地を使って北朝鮮を攻撃することが出来るのか、ということも議論となってくるでしょう。韓国の最大の敵は北朝鮮ということでこれまでやってきたわけですが、お互いで武力行使をしないと決めた以上、米軍が韓国内にいる必要はありません。

 

 6月には米朝首脳会談が行われ、その際に米朝共同宣言が発表されました。その内容は曖昧でした。そのために、その後、米朝間の交渉はうまくいかないということになりました。アメリカは北朝鮮に安全の保証を与え、それで北朝鮮は核兵器とミサイルを放棄するということが大筋の合意内容ですが、米朝はその後、交渉を行っていますが、うまくいっていません。これは、アメリカが北朝鮮に騙された、出し抜かれた、ということになります。

 

 また、北朝鮮北西部にあるミサイル施設を廃棄するというのは、中国に対する配慮ということになります北朝鮮がアメリカを攻撃するならば、北朝鮮北東部にミサイル発射施設を建設するはずです。北西部ということは、その標的は中国ということになります。このミサイル施設が廃棄されるということは中国にとっては喜ばしいことです。

 

 こうして見てくると、北朝鮮と韓国、中国がひと塊となって、朝鮮半島での戦争が出来ない状況を作り出しています。今この状況でアメリカが北朝鮮に対して軍事力を行使するならば、アメリカは国際的に厳しい立場に置かれてしまいます。中朝韓が一緒になって、アメリカを封じ込めることに成功しました。トランプ政権は本質的に外国のことに関わりたくない、アメリカ・ファースト(アメリカ国内の問題を優先する、最初に解決する)ですから、そこを見切られての動きでしょう。

 

 アメリカのアジアからの撤退ということも視野に入ってきました。こうなってくると、日本の立場はどうなるかということになります。トランプ政権は日本に対して敵対的な姿勢を見せるようになっています。日本もアメリカ一辺倒に依存する状態から脱する方策を考える必要があるようです。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「北朝鮮、核施設廃棄の用意=南北が実質「終戦」宣言―正恩氏、ソウル訪問へ」

 

9/19() 16:41配信 時事通信

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180919-00000076-jij-kr

 

 【ソウル時事】韓国の文在寅大統領と金正恩朝鮮労働党委員長は19日、平壌の百花園迎賓館で2日目の会談を行い、合意文書「平壌共同宣言」に署名した。

 

 宣言は「朝鮮半島での戦争の危険除去や敵対関係解消」をうたい、北朝鮮が北西部・東倉里のミサイル施設を廃棄することを明記、米国の対応次第では、寧辺の核施設も廃棄する用意を表明した。正恩氏が近く、ソウルを訪問することも盛り込まれた。また、韓国の宋永武国防相と北朝鮮の努光鉄人民武力相は、宣言の付属文書となる軍事分野の合意書に署名した。

 

 正恩氏は共同記者会見で「朝鮮半島を核兵器、核脅威のない平和の地にするため積極的に努力することを確約した」と明言。文氏は正恩氏のソウル訪問について「特別な事情がなければ、年内という意味だ」と語った。北朝鮮最高指導者のソウル訪問が実現すれば分断後初めてで、南北関係や北東アジア情勢の重大な転機となる。

 

 韓国大統領府の尹永燦国民疎通首席秘書官は、宣言署名で「実質的に(朝鮮戦争の)終戦を宣言した」と強調。北朝鮮が核施設の廃棄の用意を表明した点には「核の無能力化の実践的段階に入った」という見方を示した。

 

 尹氏によると、文氏は23日から国連総会出席のため米国を訪問し、現地時間の24日にトランプ大統領と会談する予定。尹氏は「(南北首脳会談での)公開されていない話も(トランプ氏に)伝達するだろう」と語り、正恩氏の対米メッセージを伝えるという見通しを明らかにした。

 

 宣言はこのほか、条件が整えば、北朝鮮南東部・金剛山の観光や南西部・開城の工業団地を正常化させることも盛り込み、離散家族問題の解決のための協力強化も確認。さらに、2020年東京五輪などでの共同出場を積極的に進め、32年五輪の南北共催に向けた誘致活動も検討することを定めた。

 

 文氏は20日、正恩氏とともに北朝鮮北部の白頭山を訪れた後、ソウルに戻る予定。文氏はかねて、白頭山訪問に意欲を見せており、正恩氏が提案したという。 

 

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●「正恩氏、年内ソウルへ 寧辺核施設の廃棄用意 南北会談」

 

9/19() 12:19配信 朝日新聞デジタル

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180919-00000036-asahi-int

 

 韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は19日、平壌で前日に続いて首脳会談を行い、米国の対応次第で、北朝鮮が寧辺(ヨンビョン)核施設の廃棄などの追加措置を取ることなどを盛り込んだ「9月平壌共同宣言合意書」に署名した。正恩氏が年内にソウルを訪れることでも合意した。

 

 合意書は、北朝鮮が東倉里の弾道ミサイル発射台とエンジン実験場を、関係国の専門家の立ち会いのもとで永久廃棄するとした。北朝鮮は、米国が「米朝共同声明の精神に従った相応の措置」を取った場合、寧辺核施設の永久廃棄などの追加措置を引き続き取る用意があるとした。

 

 南北関係筋によれば、文氏は18日の会談で、「未来の核だけではなく、過去に生産した核を廃棄しなければ米朝対話は進まない」と指摘。米国の求める非核化対象リストや行程表の提出と検証に応じるよう、正恩氏の説得を続けたようだ。正恩氏は、豊渓里(プンゲリ)核実験場の爆破などを評価しない米政府の姿勢に不満を表明したという。

 

 トランプ米大統領は19日未明、「金正恩氏が核査察や、専門家同席のもとでの核実験施設やミサイル発射場の永久廃棄に合意した。とても素晴らしい」とツイートした。ただ米側は、リストの提出などを引き続き求めており、北朝鮮の非核化が直ちに進展するかは予断を許さない。

 

 合意書は、正恩氏が近い時期にソウルを訪れるとした。文氏は会見で、「特別な事情がない限り、年内という意味が込められている」と述べた。北朝鮮の最高指導者がソウルを訪れるのは初めてとなる。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 北朝鮮に関して、韓国の三星証券が報告書を出し、「北朝鮮は将来、自動車とITの生産拠点となり、かつ北東アジア地域の物流センターとなる」と結論付けているそうです。確かに地理的条件を考えると、韓国、日本、中国、ロシアとG20を構成する世界でも経済力の高い国々に囲まれており、それだけでも可能性を秘めているということが分かります。

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 韓国とは言葉の障壁はほぼない(方言や同じ物事を違う単語で言い表すなどで多少違うとは思いますが)ので、韓国にしてみれば、識字率が高く安い労働力や安い土地を利用して生産工場を数十キロ先(日本で言えば隣の町や県くらいの感覚)で確保できるという点で魅力的だと思います。三星証券の報告書の表紙には、朝鮮半島を虎に見立てたデザインがありますが、政治体制ではなく、経済体制で「南北合同」が実現すれば、中国、日本、何する者ぞ、という期待と気概が込められているように感じられます。

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 北朝鮮経済が「離陸」するためには外国資本による投資が必要不可欠です。特に韓国や中国からの投資は不可欠です。韓国や中国の企業は生産拠点として北朝鮮を見ているでしょうし、韓国からすれば、中国と陸路でつながるということも想定しているでしょう。しかし、北朝鮮のバラ色の未来は、今はまだ「絵に描いた餅」にすぎません。

 

 下の記事では、イランの事例が取り上げられています。イランではアメリカと核開発の合意を結んだ後に、経済制裁が緩和されて外国からの投資が増大するという期待が高まっていたそうですが、実際は期待以下で失望が広がっているのだそうです。イランに対する不安から外国企業が及び腰になったということです。

 

 石油輸出国であるイランですらこうなのですから、北朝鮮はもっと厳しいと考えねばなりません。外国からの投資を得るには、それこそ、アメリカがずっと求めている「完全な、検証可能な、後戻りできない非核化」を行い、その証明を得ることが必要です。

 

北朝鮮の非核化の証明はアメリカ政府にとってはアメリカ国民に対して「仕事をしています」という証明書になりますが、北朝鮮政府にとっては「核兵器に関して世界中にご迷惑とご心配をおかけしましたが今は一切持っていません」という証明書になって、この証明書が出て初めて外国企業も投資を検討できる、検討することを公表できるということになります。簡単に言ってしまえば予防注射を受けましたという証明書のようなものです。

 

 鄧小平が主導した中国の改革開放も外資導入が積極的に進められました。外資優遇と制度の明確化と厳格化が進められた訳ですが、北朝鮮もこれが必要となります。そのためには現在の体制ではまだ不安があります。少しずつでも変わりました、西洋諸国とまではいきませんがビジネスがしやすい環境になっています、ということを実現し、アピールしなければなりません。

 しかし、これが一番難しいことになります。北朝鮮の奇妙なスターリン主義的共産主義体制で、果たしてこんなことが出来るのか疑問に思います。外国からの投資や人の流入によって、北朝鮮人民に対して良い影響、悪い影響が浸透していくでしょう。金王朝とも呼ばれる個人崇拝の体制が継続できるのでしょうか。中東や中央アジアにも世襲制個人独裁体制の国々もありますが、現在のような個人崇拝と強制収容所、国民の貧困が共存している国はほぼないと言っていいでしょう。金一族が王族であるならば、個人崇拝も良いと思いますが、曲がりなりにも共産主義を標榜するということになると、そこに建前と本音のギャップが出て来て、そこから北朝鮮の変化が始まるということも考えられます。経済面においてのみ人々の自由な活動を最大限に守るということになれば、人々の生活が豊かになっていき、金正恩体制への支持が揺るがないということも考えられますが、経済活動の自由を得た人々がそれで満足し、それ以上を求めないということも考えにくいのです。

 

 朝鮮半島が統一して「虎」となるという理想が実現すればどんなに良いだろうとは思います。しかしその虎が、北朝鮮の持つ核兵器と韓国の持つ経済力が合同してできたものとなってしまってはいただけません。あくまで核兵器がない状態で、経済発展が出来るような状態になること、北朝鮮でも経済改革が進み、スターリン主義的な個人崇拝が緩和されることでの南北合同による経済発展であればどんなに良いだろうと思います。しかし、現在の状況では「虎」ではなく、「捕らぬ狸の皮算用」の狸になってしまっていると言わざるを得ません。

 

(貼り付けはじめ)

 

北朝鮮がいかにして隠者の王国から工場地帯に変化する可能性があるか(How North Korea Could Go From Hermit Kingdom to Factory Hub

―新たに発表された報告書で、経済制裁が解除された北朝鮮がいかにして豊かになるかについて詳細な見通しが示されている

 

エリアス・グロール筆

2018年6月28日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2018/06/28/how-north-korea-could-go-from-hermit-kingdom-to-factory-hub/

 

今月、シンガポールにおいて、ドナルド・トランプ米大統領と北朝鮮の指導者である金正恩委員長との間で首脳会談が行われた。トランプと金正恩がこれまで数十年行き詰っていた問題を解決し、世界で最も閉じられた経済を開放することができるという希望が大きくなっている。

 

このような考えは頼りない蜃気楼のような夢ではない、と北朝鮮の専門家たちが英語で発表した新しい報告書の中で述べている。韓国の三星証券による研究は、「米朝首脳会談と国際的な対北朝鮮経済制裁の終了によって、外国からの膨大な資本が北朝鮮に流入することで北朝鮮は隠者の王国から経済大国に変化する可能性がある」と結論付けている。

 

報告書で専門家たちは「韓国が国富と工業化のノウハウを北朝鮮の人的、物的資源と混合することで、南北両国の経済は長期間にわたり飛躍的進歩(quantum leap)を遂げることが可能となる」と書いている。

 

報告書は約200ページで、海外資本がいかにして北朝鮮の疲弊したインフラを復活させるか、鉱山業を強化するか、自給自足経済である北朝鮮が製造業と流通運輸の中心となるかについての青写真を提示している。北朝鮮は世界でも有数の経済力を持つ国々に囲まれているという地理的利点を持っている。三星証券の報告書のタイトルは、アメリカの北朝鮮の核兵器開発プログラムに対する「完全な、検証可能な、後戻りできない破壊(complete, verifiable, and irreversible dismantlement)」から借用し、「完全な、目に見える、後戻りできない繁栄(complete, visible, irreversible prosperity)」となっている。

 

報告書で検討された北朝鮮の可能性の実現にはいくつもの障害を乗り越えることが必要となる。まずは北朝鮮に対する多国間での経済制裁、不正なことが行われる経済に対して企業が参入することをためらってしまうこと、経済のほぼすべての面に対する国家の過剰な介入といったものが障害として挙げられる。

 

ワシントンにあるタカ派のシンクタンク「ディフェンス・フォ・デモクラシーズ」の経済制裁専門家ジョナサン・シャンザーは次のように語っている。「2016年にイランはアメリカとの間で核開発をめぐる合意を結び、その一環で経済制裁が緩和された。しかし、それでも海外からの投資は増えず、イランは失望している。イランの例は北朝鮮にも当てはまる」。

 

イランは、サイバー攻撃、人権侵害、中東における代理戦争のような様々な不正な活動を続けていた。そのためにイラン政府と合意内容の立案者たちが考えたようなレヴェルの海外投資を受けることはできていない。北朝鮮経済はイラン経済に比べてはるかに世界経済とのつながりを欠いており、海外からの投資を期待することはイランよりも難しいものとなるであろう。

 

シャンザーは「ならず者国家とビジネスを行う上での評判、法律、経済制裁などのリスクを何とかクリアできると外国企業が考えると想像するのは空想に過ぎる」と語った。

 

米朝首脳会談によって、長年閉じられた北朝鮮経済が再び復活する用意が出来るという希望が出て来ている。トランプ大統領は、アメリカとの緊張緩和によって、北朝鮮は「豊かに」なるだろうと約束した。また、北朝鮮の海岸線の不動産開発の可能性について金委員長に熱弁した。

 

トランプ大統領は金正恩委員長との首脳会談の後の記者会見で次のように語った。「北朝鮮には素晴らしいビーチがたくさんある。北朝鮮がミサイルを打ち上げるたびに素晴らしいビーチが映像に映るのをみんな見ているだろう。私は言ったんだ、“若者よ、君の国の海岸線の眺望に目を向けたまえ。最高級のコンドミニアムを建設したら素晴らしいじゃないか”と」。

 

金委員長自身も自分の政権では現在よりも少し開かれた経済というアイディアを受容する可能性があることを示す姿勢を示している。今年4月、金委員長は朝鮮労働党中央委員会で演説し、その中で「新しい戦略ライン」について示唆した。新しい戦略ラインは、核兵器を最重要視する姿勢から経済発展を最重要視する姿勢に変化するというものだ。

 

金委員長がシンガポールから帰国した直後、朝鮮中央テレビは45分間の驚くべきドキュメンタリー番組を放送した。このドキュメンタリー番組は金正恩委員長の経済改革を宣伝するものとなった。金委員長はシンガポール中心部のきらびやかな場所を歩き、代表団を引き連れてシンガポールのにぎやかな港をまわる姿が放映された。

 

三星証券の報告書は、北朝鮮が経済開放を進めれば持つであろう有利な点を強調している。北朝鮮は経済力を持つ国々に囲まれている。天然資源、特に地下資源が豊富にあり、識字率と技能の高い労働力が存在する。

 

最初に、海外からの資本はいわゆる経済特別区に流れ込んでくるだろう。金正恩政権はこの地区で実験的に限定的な経済自由化を行っている。経済特別区には金一族の故郷である元山も含まれている。金正恩は元山に観光客向けの施設を建設するように命じた。第一段階では、海外投資は北朝鮮国内の疲弊した社会資本(インフラ)の再建に集中せざるを得ない。発電所、鉄道、港湾の修繕が行われることになる。

 

報告書は、開城工業地域といくつかの観光地はすぐに再開されることになるだろうとしている。開城工業地域は南北の国境地帯に広がった韓国との合弁の工業団地である。

 

しかし、このような第一段階では十分ではない。CIAの東アジア分析官を務めたウィリアム・ブラウンによる分析には「北朝鮮を製造業の中心地に変えるためには、根本的な経済的改革が必要となる」と書かれている。経済改革リストの上位に位置づけられる項目は、信頼される貨幣と財政金融システム、所有権、「物価、賃金、利率、交換レートなどの国家が決めた数字と市場が決めた数字の大きな乖離を埋める、それぞれの単一の数字」である。

 

ブラウンは、このような経済改革への努力を続けることで、北朝鮮は世界貿易機関(WTO)に加盟するための道筋を進むことが出来ると主張している。そうなると世界との間での交易が拡大し、三星証券の報告書にある見通しが実現する可能性もある。三星証券の報告書には、「北朝鮮は自動車とITの工場と北東アジア地域の流通センターとなる」と書かれている。

 

しかし、こうした見通しはアメリカ政府と北朝鮮政府が現在行われている交渉を進展させるということに依存している。このような希望は以前に出たこともあったが、消えていった。これまでの数十年間、北朝鮮とアメリカは、北朝鮮の武器開発プログラムに対する国際社会の懸念を解決する寸前まで進んだこともあったが、結局、北朝鮮政府が尻込みし、悪い行いを続けることになって終わってしまった。

 

マイク・ポンぺオ米国務長官は来週ピョンヤンを訪問する予定だ。アメリカの外交官たちはシンガポールで署名された共同宣言の曖昧な内容を具体化させようとしている。トランプ大統領は北朝鮮の核兵器廃棄について急速な進展を公言しているが、ポンぺオ国務長官は期待値を下げようとしている。ポンぺオはCNNに対して、交渉のスケジュールの進展について何も言及しなかった。

 

ポンぺオは日曜日にCNNに対して、「私たちは物事を進展させるためにプロセスを進めることを希望している」と述べた。“

 

トランプ政権高官は、北朝鮮に対する経済制裁は続けられるが、シンガポールで開催された米朝首脳会談から続く良い雰囲気によって外交関係が開かれることになると強調している。史上稀に見る孤立の期間を経て、金正恩はこれからロシアのウラジミール・プーティン大統領をはじめとする世界の指導者たちとの首脳会談を行うことが期待されている。

 

ロシア政府はロシア東部と北朝鮮をつなぐ天然ガスパイプライン建設計画を検討することになるだろう。このプロジェクトの実現可能性については三星証券の報告書の中で詳細にわたって検討されている。

 

ロシアからのパイプラインのような諸計画は、外交関係の樹立と経済の自由化が同時に起きるであろうという希望を促進している。しかし、実現するには長い期間が必要となる。

 

前出のシャンザーは「長期的に考えればこうした希望が実現する可能性はあるが、中期、短期では厳しいと考えている」と述べている。

 

シャンザーは続けて次のように述べている。「健全な思考力を持った財政金融の専門家がこうした希望が実現するなどと楽観視しているとは想像しがたい」。

 

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(終わり)


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金儲けの精神をユダヤ思想に学ぶ (祥伝社新書)

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真実の西郷隆盛
 

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迫りくる大暴落と戦争〝刺激〟経済
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 古村治彦です。

 

アメリカのマイク・ポンぺオ国長官が先週末に北朝鮮の首都ピョンヤン(平壌)を訪問し、2日間にわたり複数回にわたり、北朝鮮政府の高官たちとの会談が行われました。ポンぺオ長官の訪朝は公式に発表されているだけで、今回で3度目となります。前回、前々回では、北朝鮮の最高指導者である金正恩朝鮮労働党委員長と会談しましたが、今回は金委員長との会談はありませんでした。

 

ポンぺオ国長官は記者団に対して、会談は「生産的(有意義)」で、進展があったと述べましたが、北朝鮮外務省は声明を発表し、アメリカ側が非核化について、「一方的で、ならず者のような態度で」交渉に臨み、交渉は残念な結果になったと非難しました。非核化に向けた意欲が米朝首脳会談後に比べて減退したという表現まで使っています。しかし、北朝鮮側は声明の中で、ドナルド・トランプ米大統領への信頼は失っていないともしています。

 

ポンぺオ長官に対応したのが、金委員長の側近で北朝鮮のスパイ網の元締めを務めたとされる金英哲朝鮮労働党副委員長でした。金曜日、ポンぺオ長官と金副委員長は3時間に及ぶ交渉を行い、金副委員長が「こちら側には明確にしておきたい事柄が多くある」と発言し、ポンぺオ長官も「私たちの側にも明確にしておきたいことがたくさんある」と応じたということです。金副委員長は2日目となる土曜日の会談で、ポンぺオ長官に対して、「非常に重要な問題について真剣に話をしたので、昨晩は良くお休みになれなかったのではないかと思います」と述べ、ポンぺオ長官は「よく休むことが出来ました」と応じたと報じられています。北朝鮮のペースで会談が行われていることが分かります。

 

6月12日のドナルド・トランプ米大統領と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との米朝首脳会談と2人が署名した共同宣言が発表されたことで、北朝鮮の核兵器開発問題は大きな進展があったということになりました。共同宣言は、アメリカが北朝鮮に対して無条件に安全の保証を与えることになり、北朝鮮は朝鮮半島の非核化に向けて努力するという内容になりました。

 

両国は「朝鮮半島の非核化」という言葉の定義をしていませんし、そうなると、朝鮮半島の非核化の道筋とタイムスケジュールも立てられません。アメリカは、朝鮮半島の非核化は単純に北朝鮮の保有している核兵器とミサイル兵器の廃棄としているでしょうが、北朝鮮は、韓国からのアメリカ軍の撤退と韓国のアメリカの核の傘からの離脱、という米韓安全保障関係の解消を意味しています。そうなると、まず、お互いが同じ言葉を違った意味で使っているので、話が噛み合うはずがありません。

 

お互いが話し合う中で、朝鮮半島の非核化の定義が出来上がっていくのでしょうが、北朝鮮はアメリカが北朝鮮を攻撃しないという言質を取っているので、強気で交渉が出来ます。自分たちの核兵器の放棄をできるだけ高値で売りつけるということに集中してくるでしょう。アメリカは北朝鮮はもうどうでもよいと思いながらも、核兵器の廃棄だけはさせないと、仕事をしなかったことになりますし、イランからも舐められるということになります。しかし、アメリカが大きく譲り過ぎたが故に、交渉はアメリカにとっては難事になるでしょう。

 

下に掲載した『ワシントン・ポスト』紙の記事では、「北朝鮮側の声明が意義ある交渉が失敗する可能性を示しているのか、それとも北朝鮮側の通常の交渉スタイルの一環なのか」ということについて、専門家たちの意見を紹介しています。

 

ビル・クリントン政権で国連大使やエネルギー長官を務め、北朝鮮との交渉を行った経験を持つビル・リチャードソンは、これはいつもの北朝鮮のやり方で、交渉は簡単には進まないし、進めないというメッセージだとしています。国務省で長年にわたり東アジアを担当した元外交官エヴァンス・リヴィアは、北朝鮮は本当に非核化をする意図はないかもしれないと指摘し、ポンぺオは言うべきこと、要求すべきことをきちんと言ったので北朝鮮はああいう批判を行ったとし、ポンぺオについて好意的に評価しています。

 

トランプ大統領が北朝鮮からの核の脅威は亡くなったと発言したために、ポンぺオには結果を出さねばならないというプレッシャーがかかっており、それが大きくなっていると記事は指摘しています。リチャードソンは、実際に結果が出るまで、トランプ大統領には「任務は完了した」というような発言を控えるという自制が必要だと述べています。

 

北朝鮮は経済制裁の解除をまず要求し、アメリカは非核化が完全に終わるまでは経済制裁を解除しないとしています。しかし、既に中朝国境では経済制裁が実質的に緩和されていると記事は指摘しています。

 

武器の専門家たちは、ジョン・ボルトン国家安全保障問題担当大統領補佐官の北朝鮮の非核化は「1年以内」やポンぺオ長官の「トランプ政権第1期以内(残り2年半ほど)」という発言について、アメリカが実際に行えば技術的には可能だと述べています。北朝鮮の保有する核兵器の数は多くない、と推定しているのでしょう。

 

しかし、非核化に向けた交渉は長い時間がかかり、成功するのかどうかは分からない、と専門家は指摘しています。米国務省のヘザー・ナウアート報道官は、ポンぺオ長官が、朝鮮半島の完全な非核化、安全の保証、アメリカ兵の遺体の返還という3つの目的に沿って会談を行ったと発言しています。

 

記事は、米国務省の複数の外交官は匿名を条件にして、「アメリカは、非核化の定義について北朝鮮と共通理解を得ることに苦労している」と発言していると伝えています。

 

アメリカの政府情報機関の分析では、北朝鮮の核兵器を廃棄する意向には疑問符が付くとしている、と記事では紹介しています。北朝鮮はできれば核兵器の廃棄をせずに、アメリカから安全の保証と経済援助(アメリカは日本に肩代わりをさせるでしょう)

 

記事の最後に武器専門家であるダリル・キンボールの次のような言葉が紹介されています。「北朝鮮の脅威は今でも存在しています。北朝鮮は自分たちの保有する武器を改善し続けています。今回の交渉は長いプロセスの始まりに過ぎません」。

 

米朝首脳会談と共同宣言が生み出した楽観的な雰囲気は長いプロセスで雲散霧消していくことでしょう。そうなれば残るのは大きな期待からの大きな失望であり、大きな失望からの憎悪ということになります。そうなれば、「歴史的な」という評価を受けた米朝首脳会談の評価もまた変化していくことでしょう。

 

米朝首脳会談までの道のり、更に現状は、アメリカの衰退を示唆しているものです。中国と韓国の後ろ盾を受けた北朝鮮がここまで有利に交渉を進めるというのは、結局のところ、「軍事力行使を封じられたアメリカは怖くない存在」ということであり、北朝鮮はそれを見切って、有利に交渉を進めていくことでしょう。そして、お金の話になれば、アメリカは、請求書を日本に回して知らんぷりをするということになるでしょう。

 

北朝鮮非核化と経済支援のためのお金は日本にとっての必要経費として支払うべきものであると私は考えますが、その分、安全になる訳ですから、防衛費を長期間にわたり少しずつ削減していけばいいと思います。また、日本駐留米軍も減らせると思いますから、思いやり予算も削減できるはずです。しかし、アメリカは日本にもっと国防予算を増加させ、アメリカ製の武器を買わせたいということになるでしょうから、それもできず、大きな負担だけが日本にのしかかってくるということになります。日本は世界でも有数な惨めな国ということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

North Korea calls U.S. attitude toward talks ‘gangster-like’ and ‘cancerous,’ rejecting

 

By John Hudson and Carol Morello

July 7 at 4:53 PM

https://www.washingtonpost.com/world/national-security/north-korean-negotiator-teases-and-flatters-as-pompeo-enters-second-day-of-talks/2018/07/07/d2a06324-8175-4589-bf08-def6e56aa962_story.html?utm_term=.5204e8bd99ad

 

TOKYO — In a sharp signal that denuclearization negotiations with North Korea will be drawn out and difficult, Pyongyang on Saturday lambasted the U.S. stance as regrettable, gangster-like and cancerous, directly contradicting Secretary of State Mike Pompeo’s rosy assessment that his two days of talks had been “productive.”

 

A harsh statement from an unnamed spokesman for the Foreign Ministry was carried on the state-run Korea Central News Agency just hours after Pompeo left Pyongyang on Saturday and told reporters that significant progress had been made “in every element” of what he characterized as “good-faith negotiations.” Pyongyang crushed that appraisal, saying the United States had betrayed the spirit of the June 12 Singapore summit between President Trump and North Korean leader Kim Jong Un.

 

The U.S. side came up only with its unilateral and gangster-like demand for denuclearization,” the statement said.

 

The issues the U.S. side insisted on during the talks were the same cancerous ones that the past U.S. administrations had insisted on,” it added.

 

Though North Korea still has faith in Trump, the statement said, it warned that the U.S. approach had brought the two countries to a “dangerous” stage that could “rattle our willingness for denuclearization.”

 

It was unclear whether the North Korean statement represented potential doom for meaningful negotiations, as some analysts believed, or was just Pyongyang’s standard negotiating style, as others asserted. It exposed the fragility of discussions at the center of Trump’s foreign policy and raised questions about Pyongyang’s intentions.

 

At the very least, the statement was an embarrassment for Pompeo, who has repeatedly said Kim has assured him personally that North Korea is willing to give up its nuclear weapons. But Pompeo did not meet with the North Korean leader on this trip, as he did on two previous visits and as some administration officials had hoped he would this time as well.

 

In its return to pre-Singapore bellicose rhetoric, the ministry’s statement also served as a rebuttal to Trump, who has declared the North Korean nuclear threat over and done with, even though nothing in the joint declaration signed in Singapore was definitive. The two countries do not even agree on what the concept of denuclearization means.

 

Some analysts saw no reason for alarm in Pyongyang’s downbeat version of events, considering it a routine North Korean negotiating tactic rather than a full-blown retreat from Pyongyang’s seeming commitments.

 

They’re upping the ante for what they want, and downplaying what we want,” said Bill Richardson, who has negotiated with North Korea for prisoner releases. “This is typical. They’re very skilled at sending messages. And their message is that this negotiation is not going to be easy. And it’s going to be very costly. So you’d better be prepared to deliver.”

 

But Evans Revere, a former U.S. diplomat with a long history of negotiating with North Korea, said it was evident that the talks in Pyongyang had not gone well — and that it appears North Korea may have no intention of actually denuclearizing in the way the United States would want.

 

Pompeo appears to have presented the North Koreans with some demands and requirements for real moves toward denuclearization, as opposed to the symbolic steps and empty language Pyongyang has been using so far. He deserves credit for doing so,” Revere wrote in an email.

 

But in doing so, he has elicited North Korean ire, and he has now seen the reality of North Korea’s game plan and intentions that many of us have been describing for some time,” Revere added. “Welcome to our world, Mr. Secretary.”

 

Pompeo has come under increasing pressure to produce results, with Trump having touted the summit as a game-changing moment that eliminated North Korea’s nuclear threat. The State Department announced the formation of a small working group to work on details. Richardson counseled patience, endurance ­­and restraint.

 

The president needs to restrain himself from declaring ‘Mission Accomplished’ when the mission hasn’t really started,” he said.

 

Pompeo went to Pyongyang hoping to formalize details of what actions North Korea is committed to taking to show its intention to denuclearize. Pyongyang has said it expects sanctions to be lifted in stages as it takes steps toward that goal, though Washington has insisted there will be no sanctions relief until the process has been completed. But the “maximum pressure campaign” the administration adopted to squeeze the North Korean economy through sanctions has eased somewhat already, particularly along the border with China.

 

Expectations were buoyed in part by national security adviser John Bolton, who said last week that North Korea could accomplish the “bulk” of its denuclearization within a year. Pompeo has been more circumspect, estimating that it will take until the end of Trump’s first term in office, or two and a half years.

 

The expectation that Pompeo was going to come home with a dramatic deliverable was unrealistic to start,” said Daryl Kimball, executive director of the Arms Control Association.

 

Yeah, technically, it could be done in a year if North Korea didn’t have its own ideas about the pace and what the United States needs to do to get there. What we’re seeing is the reality of negotiations. It’s not surprising to see the North Koreans push back in reminding the United States it has some steps to take in order to help build a peace regime on the Korean Peninsula.”

 

Analysts say that any final accord between the two nations to eliminate Pyongyang’s sophisticated nuclear and missile arsenal will be a long slog with no guarantee of success.

 

While we were hopeful there would be some sort of breakthrough, it seems both sides can’t even agree to what transpired after countless hours of talks — and that is a massive problem,” said Harry Kazianis, an Asia expert at the Center for the National Interest.

 

Pompeo told reporters Saturday that the two countries would soon hold working-level talks on the destruction of Pyongyang’s testing facility for missile engines. He also said Pentagon officials will meet with their North Korean counterparts on or around July 12 at the demilitarized zone between the Koreas to discuss the return of the remains of U.S. military personnel who died during the Korean War.

 

Last month, Trump told a crowd of supporters that the remains of 200 service members had “been sent back,” but U.S. military officials later said that was not the case. U.S. officials viewed the handing over of remains as an easy confidence-building measure for North Korea to demonstrate its sincerity, and they have been frustrated with the slowness of Pyongyang’s follow-through.

 

Ahead of the new round of talks, Kim Yong Chol, North Korea’s septuagenarian former spy chief, teased Pompeo, suggesting that the “serious” negotiations the night before may have caused Pompeo to lose sleep.

 

We did have very serious discussion on very important matters yesterday. So thinking about those discussions, you might have not slept well last night,” Kim Yong Chol said.

 

Director Kim, I slept just fine,” Pompeo responded, according to a pool report provided by reporters accompanying the secretary of state.

 

Kim Yong Chol, a regime hard-liner who is careful not to act outside Kim Jong Un’s instructions, said he needed to “clarify” aspects of his nearly three-hour negotiations Friday with Pompeo, a desire the top U.S. diplomat immediately echoed.

 

There are things that I have to clarify as well,” Pompeo said.

 

The display of small talk between North Korean and U.S. officials, a rarity given the infrequent contacts between the longtime adversaries, revealed both the tension at the heart of the nuclear negotiations and the increasing familiarity of the two men, who have become diplomatic counterparts during Pompeo’s three visits to Pyongyang and Kim Yong Chol’s visit to the United States in May.

 

State Department spokeswoman Heather Nauert said Pompeo had been “very firm” in seeking three basic goals from the visit: the complete denuclearization of North Korea, security assurances and the repatriation of fallen soldiers’ remains.

 

Diplomats, who spoke on the condition of anonymity to discuss sensitive conversations, said the United States continues to struggle to develop a shared understanding of what denuclearization means to North Korea. Maintaining even basic communications has been difficult.

 

Adding to the pressure on Pompeo is a leaked U.S. intelligence assessment casting doubt on North Korea’s willingness to relinquish its arsenal.

 

Nauert said Pompeo called Trump on Saturday morning to update him on the talks, a conversation that included Bolton and White House Chief of Staff John F. Kelly.

 

Analysts say there are likely to be many more calls like this in the months and probably years to come.

 

The North Korea threat still exists,” Kimball said. “North Korea continues to improve its arsenal. This is just the beginning of a long process.”

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


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