古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

カテゴリ: 東アジア政治

 古村治彦です。

 

 今回は少し古い記事になりますが、「金正恩は何をどう考えるか」ということをテーマにした記事をご紹介します。

 

著者のロバート・マニングはジョージ・W・ブッシュ政権下で国務省に入り、2001年から2004年まで国務次官特別顧問を務め、2004年から2008年まで国務省政策企画局に勤務しました。現在はアトランティック・カウンシルの上級研究員を務めています。

 

 マニングは金正恩の意図について、「何とか核兵器を全て放棄することなく、安全保障を得て、経済成長をする」という「二兎追う」作戦を実行しようと考えているとしています。

金正恩は、経済発展のために支援を得つつ、アメリカに見つからないようにして、核兵器とミサイルを隠し持ちたいと考えているとしています。そのために核開発の「凍結(これ以上進めない)」という言葉を使って、「進めないけど、これまでの成果は保持する」

 

しかし、マニングの論の進め方で肯定しにくい部分は、金正恩が核兵器を隠し持つということを選択するのかということです。今回、うまく合意を結んだとして、もし核兵器を持っているということが明らかにされてしまえば、何の言い訳も聞かれることなく、金王朝は「お取り潰し」となります。アメリカの国家安全保障上の脅威と認定されている核兵器とミサイルを、アメリカを欺いて隠し持っていたとなれば、問答無用ですし、これではロシアも中国も肩入れできません。

 

 アメリカが考えるとすれば、北朝鮮を信頼することなく、自分たちの利益を得るということです。それは、核兵器とミサイルの完全放棄とその保証ということになるでしょう。この保証を中国とロシアに担当させて、もし北朝鮮が破れば(ごまかして核兵器とミサイルを秘密裏に保持する)、中国とロシアが厳罰を下し、それで足りなければアメリカが攻撃するということになるでしょう。

 

 しかし、金正恩が米朝首脳会談の実現と成功を望むながら、核兵器とミサイルの完全放棄は条件となります。ですから、ここで下手な小細工をしてごまかしても、次に「核兵器とミサイルを持っている」ということを明らかにしたら、その時点で、アウトということになります。

 

 

 ここで考えてみたいのは、そもそもどうして北朝鮮は、巨額の資金と膨大な労力をかけて核兵器を保有することになったのか、ということです。核兵器で脅しても周辺諸国はお金をくれる訳ではなく、かえって厳しい経済制裁を科されるということになりましたし、韓国は核兵器を持っていない訳ですから、持つ必要があったのかどうかということになります。

 

 結局、これは、下の論文にもありますが、「アメリカと合意を結んでも、それは破られてしまう。だからリスクヘッジのために持つしかない」ということが最大の動機ということになります。そう考えると、そもそも論として、アメリカが海外に過度の介入を行い、気に入らない政権を転覆させた来た、という歴史が生み出した、「自業自得」のもの、バックラッシュということになります。

 

 

 

(貼り付けはじめ)

 

ある独裁者の頭の中:金正恩の思考プロセスを把握してみたい(Inside the mind of a dictator: trying to grasp Kim's thought process

 

ロバート・マニング筆

2018年3月16日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/opinion/national-security/378769-inside-the-mind-of-a-dictator-trying-to-grasp-kims-thought-process

 

北朝鮮の李容浩外相はスウェーデンを電撃訪問した。米朝間に国交がないためスウェーデンは平壌においてアメリカの利益を代表している。これはトランプ大統領と金正恩委員長による米朝首脳会談の実現に向けた計画の遂行が行われており、李外相の訪問はその初期段階であることを示している。この訪問でアメリカ政府と韓国政府の中で、何が出来て、何ができないかについて議論が沸騰している。

 

このだらだらと続くバブルに欠けているのは、米朝最高首脳会談を成功させる、もしくは失敗させることになる2つの重要な疑問である。

 

おそらく最も重要な疑問は、「金正恩は“鄧小平になる瞬間”を持てるのだろうか?」というものだ。これまでにないほどの厳しい経済制裁で北朝鮮の経済が破壊され始めている事態に直面し、エリートたちに対して褒賞を与える力が削がれている。金正恩は中国が経済制裁を支持し、トランプが軍事攻撃を行うという脅しを行っているということを認識した。金正恩は、並進路線(Byungjin、核武装力と経済発展)を考え直さねばならない状況に追い込まれている。

 

金正恩が自分の中で自己と行う対話の論理は次のようなものとなるだろう。

 

「私は圧力を受けている。並進路線(Byungjin、核武装力と経済発展)は危機に瀕している。私は現在34歳だ。私はこれから30年から40年は生きていたい。バスケットボールとウィスキーのシングルモルトが好きだ。私はより発展した、ハイテクの統一された朝鮮半島を見てみたい。統一された朝鮮半島は緩やかな連合となるだろう。その中に私の占める位置が存在する」。

 

「経済改革と共産主義に基づく権威主義的支配は、中国とヴェトナムで機能している。両国はそれで豊かになっている。私は両国の誤りを避けることが出来る。私は韓国政府をうまく利用することが出来るだろう。それで私は支配し続けることができる」。

 

「しかし、私がその代償として支払わねばならないのは私が持つ大量破壊兵器をすべて放棄するというものだ。“ビッグバン”のような衝撃的な合意によって中国が改革開放で進めた経済改革が我が国でもすぐにスタートするだろう。そして、経済成長は私の統治の正統性を担保するのに十分なものとなるだろう」。

 

「北朝鮮と韓国が平和条約に向けて前進し、平和条約締結後にアメリカが朝鮮半島に関わらなければ、私に核兵器など必要ないのだ。アメリカは私の持つ核兵器の所在地全ては知らないはずだ。私は核弾頭の1発か2発かはアメリカが見つけられない場所に保管できるだろう」。

 

「平和条約締結と核兵器を隠し持つことは試してみる価値がある。私は南北首脳会談で核開発の凍結を提案できる。文在寅大統領は核開発の凍結を非核化に向けた“一時的なステップ”と考えるはずだ。しかし、私はこの条件として国連による制裁の解除を主張できる」。

 

「このようにして圧力を解除できれば、我が国はパキスタンのような通常国家として受け入れられるだろう。そして、核開発の凍結以上よりも先に進まないための言い訳を探すことが出来る」。

 

「アメリカが反対するならば、少しずつ譲歩する。私の核兵器と大陸間弾道ミサイルを放棄するための代償を釣り上げることが可能だろう。エネルギー援助と現金がとりあえずすぐに必要だ。ロシア極東からの水力発電も必要だ。北東アジア地域における統一的なエネルギー供給システムの一環として石油と天然ガスのパイプラインが必要だが、北朝鮮国内にそれらを通して、賃貸料を受け取ることもできるはずだ」。

 

「2005年の合意の時と同様、私は米朝関係の正常化を要求できる。そして、アメリカ、ロシア、中国の3か国による安全保障も求めることが出来る。これによって、リスクを減らし、外国からの投資に門戸を開くことが出来る。私は朝鮮半島再建基金のために200億ドルを要求し、それを中国が主導する「一帯一路計画(BRI)」の一環であるアジアインフラ投資銀行に要求する」。

 

このようなシナリオはある種の賭けを行い、中国型の改革を行うことがあれば実現する可能性がある。しかし、アメリカと北朝鮮が誠心誠意話し合い、合意に達するにしても、2つ目の疑問がこのシナリオの実現可能性を低めてしまう。

 

それは「いかなる合意が出来たとしてもその実行をどのように検証するのか?」というものだ。

 

北朝鮮は極秘のうちに1990年代に高濃縮ウランプログラムをスタートさせた。これは1994年の合意をアメリカが破ることを想定してそのための備えとしてであった。また、北朝鮮は極秘のうちにシリア国内に核関連施設を建設した。そのため、北朝鮮政府に対する信頼はほぼゼロだ。トランプ大統領は、北朝鮮は、冷戦期におけるレーガン大統領のゴルバチョフへの対応と似た対応を取ることになるだろう。それは、信頼はしないが、検証はする、というものだ。

 

北朝鮮がこれまで繰り返してきた違反行為や虚偽はこの際脇に置いておく。それでもまだ大きな問題が一つ残る。私たちは金正恩がどれくらいの数の核兵器を保有しているのか正確に知らないし、それらがどこにあるかを正確に把握していない。私たちは中距離、長距離の移動式ミサイルがどれほど存在しているのかを正確に知らないし、どの山やトンネルに隠されているのか分かっていない。高濃縮ウラン施設の数と場所についても正確に把握していない。

 

通常であれば、合意に至るまでに、北朝鮮政府は国際原子力機関(IAEA)に核兵器プログラムの詳細を明確にし、報告しなければならない。IAEAは核関連施設を監視し、調査を実施することになる。しかし、徹底した調査を行うとしても、金正恩が核兵器とミサイルを完全に放棄しどこか見つけられない場所に隠してなどいないと確信を持てる人はいるだろうか。

 

これらの合意は全て完璧という訳にはいかない。アメリカ政府は北朝鮮政府がごまかしを行うということを前提にしなければならない。しかし、アメリカはどれくらいのごまかしまでは許容できるだろうか、私たちが知らないことをどのように私たちは知ることが出来るようになれるだろうか?

 

現在のところ、金正恩が戦略的な選択をし、「鄧小平となる瞬間」を持つという考えには論拠となる証拠はあまり存在しない。今年1月1日の演説以降の金正恩の行動はこれまでになく合理的だ。アメリカ政府は「金正恩が合理的に行動している」という前提についてテストをしてみる必要がある。

 

武器の放棄の確認をどのように行うかという問題については、私は考えつかないが、アメリカが許容できる実行可能な形式が存在する可能性はある。これまで文中で提起した疑問に答えを出せる人はノーベル平和賞を受賞できるだろう。そのほかの問題は比較してみて大した問題はないということになる。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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今の巨大中国は日本が作った

※私の仲間である石井利明さんのデビュー作『福澤諭吉フリーメイソン論』が2018年4月16日に刊行されました。大変充実した内容になっています。よろしくお願いいたします。

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(仮)福澤諭吉 フリーメイソン論

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古村治彦です。

 3月に入り、国際情勢が大きく動いています。このことを受けて、日本国内の内政問題に関して、「そんな大したことのない問題にかかずらうな」という声も出ていますが、日本は主要なアクターではないので、まずは主要なアクターとなれるように、内政問題をきちんと解決するところから始めねばなりません。

 韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領の安全保障担当補佐官である鄭義溶(チョンウィヨン)国家安保室長が3月5日に北朝鮮を訪問し、北朝鮮の最高指導者である金正恩労働党委員長に会見しました。この時、南北首脳会談の実現と米朝による対話の促進が確認されました。

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この直後、3月8日、鄭義溶韓国国家安保室長らが大統領特使としてホワイトハウスを訪問しました。アメリカのドナルド・トランプ大統領、マイク・ペンス副大統領、ハーバート・R・マクマスター大統領国家安全保障問題担当補佐官にこれまでの経過を報告しました。そして、金正恩委員長による米朝首脳会談実現提案があったことを伝えました。そして、トランプ大統領も提案を受け入れ、5月いっぱいまでに米朝首脳会談実現したい旨を述べた、と鄭室長はメディアの前で発表しました。その後、サラ・ハッカビー・サンダース報道官は楽観的な見方を否定する記者会見を行いました。


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 一つ気になったのは、鄭義溶がホワイトハウスの外で会見をした際に、アメリカ側のカウンターパートは誰も立ち会っていなかったということで、これはアメリカ側としては事前に米朝首脳会談提案について聞いておらず、トランプ大統領はその場では受け入れるということを述べましたが、トランプ政権としては事前に聞いておらず、態度を決められないので、賛意も反対も示すことができず、

 

3月13日にレックス・ティラーソン国務長官を解任、後任にマイク・ポンぺオCIA長官を指名しました。3月6日(ゲイリー・コーン国家経済会議議長解任の日)と13日にジョン・ボルトンとホワイトハウスの大統領執務室で会い、3月22日に、ハーバート・マクマスター陸軍中将を解任し、ジョン・ボルトンを後任にすると発表しました。

 

3月25日から28日にかけての金正恩労働党委員長の訪中、習近平国家主席との会談はこのような流れの中で実現しました。中朝首脳会談についての分析記事は既にこのブログでご紹介しました。29日にはトランプ大統領は演説の中で、トランプ大統領は「在韓米軍は負担になっている」と述べました。在韓米軍の削減、もしくは撤退に向けた動き(ジミー・カーター大統領時代も検討された)ではないかとも考えられます。

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 こうした動きの中で、中国の習近平国家主席が3月9日に米中韓朝4か国による朝鮮戦争休戦協定の平和協定への移行をトランプ大統領に直接提案したという報道が出ました。この時、トランプ大統領は「聞きました」という態度であったということです。

 

 3月上旬、韓国が「外交攻勢」を強めており、南北首脳会談の実現、米朝交渉の促進で主導権を取っています。同時期、中国の習近平国家主席が朝鮮戦争休戦協定を平和協定に変更するという提案を行いました。1953年の朝鮮戦争休戦協定の署名者はアメリカ(国連軍)、北朝鮮、中国です。韓国はこの時署名者にはなっていません。ですから、休戦協定を変更するためにはアメリカを通さねばなりません。習近平国家主席は、中国、アメリカ、北朝鮮に韓国を加えた新しい枠組みで平和協定を締結することを提案しました。

 

 韓国は同盟国であるアメリカ、そして日本と緊密に協力していくとしながらも、裏では中国とつながり、中国を利用して北朝鮮問題において改善を図ろうとしているように思われます。また、中国も韓国を引き入れて、北朝鮮問題を解決しようと考えているようです。これに対して、アメリカ側、トランプ大統領は、本当は何を考えているのか、肚の底を見せずに、ある意味で不気味な沈黙というか、穏やかな姿勢を保っています。しかし、軍事行動を主張する強硬派、超タカ派(uber-hawk)のマイク・ポンぺオ、ジョン・ボルトンの起用をしてみせて、決して、中韓の考えている路線には同調しないという姿勢を見せました。しかし、在韓米軍がアメリカにとって負担という発言もし、新しい平和枠組みに乗るかもしれないと思わせ、巧みに周囲を翻弄しているのはトランプ大統領の真骨頂が発揮されています。

 

 中国と韓国が北朝鮮問題について本腰を入れ始めることはアメリカにとって歓迎すべきことですが、あくまで主導権と決定権はアメリカになければなりません。北朝鮮の核兵器がアメリカの国家安全保障上の問題にまで深刻化してしまった以上、照明付きの完全な廃棄、しかもそこには何の前提条件もないということがアメリカにとっての重要なことです。

 

 金正恩としては体制保障が確実にならなければ核兵器を放棄することはできません。アメリカとの約束もどうなるか分からないのはリビアのカダフィ大佐の最期を見れば明らかです。アメリカだけでは不安となれば、中国をそして韓国、できればロシアも体制保障の枠組みに入れたいところです。金正恩は中韓朝の枠組みを構成するという動きをうまく利用していると言えます。

 

 最後の米朝首脳会談でどうなるかということですが、米朝首脳会談自体の準備が進んでいるのかどうか、いまだに分からない状況というのが事態を不透明にさせています。アメリカとしてはあらゆる可能性をシミュレーションしているでしょうし、国内政治、中間選挙も絡んで複雑な方程式を解かねばならないというところでしょう。

 

 人々を一番驚かせる内容は米中韓朝の平和協定が成立して、韓国からアメリカ軍が撤退、韓国は米中との間で友好を維持しつつ、北朝鮮を少しずつ経済発展と自由化の方向に勧める、これに中国とアメリカ、ロシアも協力する、ということになることでしょう。韓国から米軍が撤退する場合、日本はアメリカの橋頭堡、不沈空母として存在し続けねばならず、自衛隊の米軍との共同運用の増加、駐留米軍への負担の増加といったことが起きる可能性があります。日本はこれからも蚊帳の外に置かれながら、負担だけは重たくなっていくという厳しい状況のままに置かれることでしょう。これは国民の無関心と無知、政治家の覚悟のなさが原因であり、自業自得と言わざるを得ません。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「習氏、トランプ氏に新安保を提唱 米中南北の平和協定も」

 

2018/4/1 02:01

©一般社団法人共同通信社

https://this.kiji.is/352860349210477665?c=39546741839462401

 

 【ワシントン共同】中国の習近平国家主席が39日にトランプ米大統領と電話で北朝鮮情勢を協議した際、朝鮮戦争の主要当事国である米中と韓国、北朝鮮の4カ国による平和協定の締結を含む「新たな安全保障の枠組み」の構築を提唱していたことが31日、分かった。複数の米中外交筋が明らかにした。

 

 国連軍と北朝鮮、中国が1953年に締結した朝鮮戦争休戦協定の平和協定への移行を念頭に置いているとみられる。習氏は日本に言及しておらず、南北、米朝の首脳会談後の交渉を、4カ国を中心に進める考えを示唆した可能性がある。

 

 トランプ氏は明確な賛否を示さず、圧力維持を習氏に求めたもようだ。

 

=====

 

●「「金正恩氏、トランプ氏との面会熱望」 訪米の韓国高官」

 

朝日新聞 ワシントン=香取啓介2018391147

https://www.asahi.com/articles/ASL393CHCL39UHBI00R.html

 

 米ホワイトハウスで8日、韓国大統領府の鄭義溶(チョンウィヨン)・国家安保室長が記者団にした説明は以下の通り。

 

 本日、トランプ米大統領に対して、私の最近の北朝鮮・平壌訪問について、報告する栄誉にあずかった。トランプ大統領、副大統領、私の友人のマクマスター将軍(国家安全保障担当大統領補佐官)をはじめとする素晴らしい国家安全保障スタッフにお礼を言いたい。トランプ氏のリーダーシップと、国際社会と連帯した「最大限の圧力」政策によってここまで来られたと説明した。そして、トランプ氏のリーダーシップに対する文在寅(ムンジェイン)大統領の感謝をお伝えした。

 

 我々との会談で、北朝鮮指導者の金正恩(キムジョンウン)氏が非核化に取り組むと言ったことをトランプ氏にお伝えした。金氏は北朝鮮がこれ以上の核実験やミサイル発射実験を控えることを約束した。また、通常の韓米合同軍事演習が続けられることに理解を示した。そして金氏は、トランプ氏にできるだけ早く面会することを熱望していると表明した。

 

 トランプ氏は報告に感謝し、恒久的な非核化のために、金氏と5月までに会うと言った。韓国は米国、日本、その他の多くの世界のパートナーとともに、朝鮮半島の完全なる非核化に断固として取り組んでいく。

 

 トランプ氏とともに、我々は平和的解決の可能性を探る外交プロセスが続くことを楽観している。韓国と米国、我々のパートナーはともに立ち向かい、過去の過ちを繰り返さないと強調する。そして、北朝鮮がその言葉に見合う具体的な行動をするまで圧力をかけ続ける。(ワシントン=香取啓介)

 

=====

 

●「「北朝鮮の具体的行動」なければ首脳会談せず 米報道官」

 

朝日新聞 ワシントン=峯村健司20183101207

https://www.asahi.com/articles/ASL3B2VQ5L3BUHBI00M.html

 

 米ホワイトハウスのサンダース報道官は9日の会見で米朝首脳会談の開催合意について、「北朝鮮が言葉通りの具体的行動をとるまでは会談することはない」と述べた。米政府当局者は9日、朝日新聞の取材に対し「北朝鮮側が約束を履行するかどうかを注視している」と説明した。

 

 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は8日に韓国高官を通じて米側に対し、非核化に取り組むことや、核実験や弾道ミサイル試射を凍結すると伝えた。サンダース氏は、北朝鮮側が「具体的措置をとるという前提で要請を受け入れた」と説明。首脳会談の時期や場所、議題などは決まっていないとした。

 

 一方、ペンス副大統領は9日、「北朝鮮が核開発終結に向けた永続的かつ検証可能で具体的な行動をとるまで、すべての制裁と最大限の圧力は続く」とする声明を発表。首脳会談が実現しても、北朝鮮に核放棄を求める圧力を緩めない考えを改めて強調した。

 

 トランプ大統領は9日、自身のツイッターで「北朝鮮とのディール(取引)は進展しており、うまくいけば世界にとってすばらしいものになる」と語った。(ワシントン=峯村健司)

 

(貼り付け終わり)

※私の仲間である石井利明さんのデビュー作『福澤諭吉フリーメイソン論』が2018年4月16日に刊行されます。大変充実した内容になっています。よろしくお願いいたします。

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(仮)福澤諭吉 フリーメイソン論

 

(終わり)


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 古村治彦です。

 

 北朝鮮の金正恩労働党委員長の訪中に関しての最重要の言葉は「非核化(denuclearization)」でした。私たちはこの「非核化」という言葉を聞いて、「北朝鮮が核兵器を放棄することだな」と考えますが、ここで気をつけねばならないことがあります。それは、金正恩が「朝鮮半島の非核化(denuclearization on Korean Peninsula)」という言葉を使ったことです。

 

 現在、朝鮮半島は北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)と韓国(大韓民国)に分かれています。韓国は核兵器を保有していません。韓国駐留アメリカ軍は冷戦期、核兵器を配備していましたが(アメリカ政府は核兵器配備を公式に肯定も否定もしなかった)、1991年に当時のジョージ・H・ブッシュ大統領が核兵器を引き上げたことで、韓国国内には核兵器は存在しません。2017年になってアメリカ政府は韓国国内の駐留米軍基地に核兵器を再配備することを検討しましたが、実現には至っていないようです。

 

 ですから、韓国にはないのだから、「朝鮮半島の非核化」ということは、北朝鮮国内の核兵器の廃棄ということになります。しかし、金正恩が述べている「朝鮮半島の非核化」は、アメリカが核の傘で韓国を守ること、駐留米軍を撤退させることも含まれた概念ということになります。金正恩は「故金日成国家主席と故金正日総書記の遺志に従って朝鮮半島の非核化に努力する」と述べました。「祖父の代から準備して、親父の代に加速して、自分で核兵器を作っておいて非核化とはおこがましい、何を言っているんだ」と私は思いました。

 

 しかし、金一族の考えからすれば、韓国が先に「核武装化化(アメリカ軍が核兵器を配備しアメリカの核の傘に入った)」して現在もその状態は続いている、私たちは後発で自力で核兵器を保有するに至った、だから、朝鮮半島の非核化というのは、北朝鮮が核兵器を廃棄することと、アメリカ軍が撤退することなのだ、ということになります。

 

 アメリカは、北朝鮮の核兵器に関して、前提条件なしで完全な廃棄を求めています。経済援助といったものも認めないでしょう。米朝首脳会談が実現して、金正恩がドナルド・トランプ大統領に対して、こんな廻りくどい「朝鮮半島の非核化」の話をしても、「うるさい、お前は核兵器を捨てるのか、捨てないのかどっちだ」と一喝されて終わりになるかもしれません。

 

 しかし、トランプ大統領は「韓国駐留米軍はアメリカにとって負担になっている」とも述べました(2018年3月31日付読売新聞 http://www.yomiuri.co.jp/world/20180330-OYT1T50081.html?from=ytop_main3)。北朝鮮が核兵器を完全に放棄し、それを中国が担保し、中国がきちんと北朝鮮を管理できるならば、在韓米軍の撤退ということもあり得ます。

 

 北朝鮮国内では金正恩が「朝鮮半島の非核化」について語ったという報道話されていないということです。北朝鮮が核兵器を放棄し、アメリカが韓国から撤退ということが実現された場合、北朝鮮国内で故金日成国家主席以来の念願を孫である金正恩委員長が実現させたというような報道がなされて、金正恩支配の正統性を増すような動きが活発になるでしょう。

 

 かなり飛躍した推測になりますが、トランプ大統領の在韓米軍に関する発言は、中国政府や習近平からのかなり詳しい報告とそれに関する分析がなされての発言ではないかと思います。これについて2つの解釈が成り立つと私は考えます。一つは金正恩の朝鮮半島の非核化について、中国に責任を分担させることを条件にして受け入れ、これを機会に在韓米軍を撤退させようとしている、というものです。もう一つは、金正恩の朝鮮半島の非核化という考えを受け入れた姿勢を見せながら、実際の米朝首脳会談で、「韓国には核兵器は1発もないのだから、朝鮮半島の非核化というのは北朝鮮の核兵器廃棄しかありえない、その他のごちゃごちゃした解釈は認めない」と肘鉄を食らわせて、屈服させる、もし屈服しないなら、約束違反、朝鮮半島の非核化に努力していないのは北朝鮮だとして攻撃する理由とする、というものです。

 

 4月末に南北首脳会談もありますが、この時まで北朝鮮、中国、ロシア、アメリカ、韓国がどのように動いていくかを注視する必要があります。日本は残念ながら主要な登場人物とはなれません。お金が必要な時に呼ばれるだろうとは思いますが。

 

=====

 

・現在の北朝鮮をめぐる外交は伝言ゲーム(game of telephone)をしているかのようだ。

・韓国大統領特使が平壌で金正恩と夕食を共にし、その後ワシントンDCに向かった。韓国大統領特使は金正恩の「非核化」に関する交渉を行いたいという希望をアメリカに伝えた。トランプ大統領は今年の春に金正恩と会談を持つことに同意した。これを受けて金正恩は今週になって列車で北京に向かい、中国の習近平国家主席と会談を持った。習近平はトランプに金正恩訪中の最新情報を伝えた。トランプ大統領はツイートで、「中朝首脳会談はうまくいき、金正恩は私との会談を楽しみにしていると聞いた」と述べた。

 

・北朝鮮自体は沈黙を守っていた。

・朝鮮中央通信は金正恩の訪中と韓国との対話などは伝えたが、北朝鮮の非核化への努力については報じなかった。

 

・金正恩の非核化の約束は二次的な手段で伝えられた。中国国営新華社通信が報じたものしかない。新華社通信は金正恩の2つの発言を引用している。

・一つ目は核兵器プログラムについての金正恩の立場は父親と祖父の遺志に沿ったものだという発言。

・二つ目は朝鮮半島の非核化の問題は、韓国とアメリカが善意を持って北朝鮮の努力に応えること、平和を実現するための進歩的で同僚的な方法を採る間は平和と安定の雰囲気を作ることで、朝鮮半島の非核化の問題は解決可能となる、という発言。

 

CIAの元朝鮮半島担当分析官でCSIS上級研究員スー・ミ・テリーの分析は次の通り。

・金正恩が北朝鮮から核兵器を除去すると発言せず、「朝鮮半島の非核化」という言葉を使ったことが重要だ。「朝鮮半島の非核化」という枠組み提示は金政権にとっては「新しいものではない」。

・北朝鮮はこれまで安全保障のために、朝鮮戦争を完全終結させるための平和条約締結、韓国からの米軍の撤退、米韓軍事同盟の終結(アメリカの核の傘による韓国の防衛の終結)を求めてきた。

・韓国が核兵器を保有していないのに朝鮮半島の非核化という話になるのはこのためだ。

 

・北京訪問中、金正恩は安全保障に関する保証について言及しなかった。テリーはこの点について北朝鮮からの更なる報道を待ちたいとしている。

・北朝鮮は核兵器プログラム廃棄と引き換えでアメリカが韓国を見捨てること(アメリカ軍の撤退)以上のことは求めていない。

 

・韓国とアメリカからの譲歩があれば、韓国とアメリカから「善意、好意」を示すこと、「平和の雰囲気」を作り出すこと、「同調的な方法」を取ることでのみ非核化が進むと金正恩は述べたとテリーは分析している。

・韓国とアメリカからの譲歩とはトランプ政権が北朝鮮に科した国際的な経済制裁の緩和である。

 

・「たくさんのことが話されたが“明確”になったことは何もない」とテリーは述べた。

・北朝鮮は核兵器プログラムを放棄する用意があるとはなっていない。北朝鮮はいつでも撤退できるように保険を掛けた言葉遣いをしている。

・北朝鮮は核実験とミサイル実験を停止しアメリカと核兵器に関して直接交渉するという戦術に変更した。

・アメリカの経済面での圧力と軍事力の脅威によって金正恩が「動揺」し、「時間を稼ぐ」ために緊急的な動きを見せた。しかし、これらが戦略上の大転換であることを示す兆候はない。

 

・トランプは何かを話すときでも彼が本当に考えていることは明確にしない。

・トランプはアメリカ本土に直接届く長距離ミサイルに核弾頭を乗せて飛ばす能力を北朝鮮が持つことを明確に拒絶している。

・マイク・ポンぺオ(次期国務長官)を含むトランプ大統領の補佐官たちはより強硬な路線を主張している。それはこれまである国一国(南アフリカ)だけが成し遂げたことだ。それは、開発した核兵器を「完全に、証明付きで、再開できないような形」で放棄するということだ。

 

・トランプが大統領国家安全保障問題担当補佐官に指名するほんの数日前、ジョン・ボルトンは、「金正恩が核兵器プログラムを放棄し、それをアメリカに確約するという、2004年のリビアの行ったことをやらなければ、トランプは交渉をすぐに打ち切り、北朝鮮の核兵器が世界に脅威を与える前に核兵器プログラムを消滅させるために軍事力行使を真剣に考えるべきだ」と述べた。

・ボルトンは北朝鮮に経済援助を与えるべきではないとも述べた。北朝鮮は数十年に渡り経済援助を手にしつつ、核開発を止めなかった。また、金正恩との間で平和条約を蒸すムベキではないともしている。

・予備的な力を残したままの北朝鮮を信用できないとボルトンは述べた。

 

・金正恩が訪中で語った言葉が示しているのは、北朝鮮とアメリカとの間で、「非核化」という言葉についての定義がかけ離れているということだ。

 

(貼り付けはじめ)

 

What Does 'Denuclearization' Mean to Kim Jong Un?

A close reading of what the Korean leader reportedly told Xi Jinping in Beijing

 

URI FRIEDMAN 5:29 PM ET   GLOBAL

https://www.theatlantic.com/international/archive/2018/03/kim-jong-un-china-xi-jinping-train-nuclear-trump-summit/556679/?utm_source=atltw

 

One of the oddest things about the current flurry of diplomacy with North Korea is that it has played out like a game of telephone: South Korean officials dined with Kim Jong Un in Pyongyang and then flew to Washington, D.C., bearing a message that Kim was willing to discuss “denuclearization,” which inspired Donald Trump to agree to an unprecedented summit this spring with the North Korean leader, which motivated the North Korean leader to hop on a train to Beijing this week, which prompted Chinese President Xi Jinping to update Trump on how the visit went, which led the American president to tweet this morning that he’d heard the meeting “went very well and that KIM looks forward to his meeting with me.”

 

Through it all, North Korea itself has remained conspicuously silent, at least in public. Hopes for a resolution to the North Korean nuclear crisis have thus largely been pinned on a stream of whispers. As of this writing, the North’s state-run Korean Central News Agency features news of Kim’s trip to China and dialogue with South Korea, of the issuing of tea-themed postage stamps, and the invention of a fancy new “automatic meteorological observation device,” but no mention of any North Korean commitments to denuclearization.

 

Kim’s promises this week were conveyed second-hand through a report from China’s state-run news agency Xinhua, which includes two direct quotes from Kim Jong Un. In the first, he stated that his position on his nation’s nuclear-weapons program is in line with that of his father and grandfather: “It is our consistent stand to be committed to denuclearization on the peninsula, in accordance with the will of late President Kim Il Sung and late General Secretary Kim Jong Il.” In the second, he declared that the “issue of denuclearization of the Korean peninsula can be resolved, if South Korea and the United States respond to our efforts with goodwill, create an atmosphere of peace and stability while taking progressive and synchronous measures for the realization of peace.”

 

For a guided reading of Kim’s rare public remarks, I turned to Sue Mi Terry, a former Korea analyst at the CIA who is now a senior fellow at the Center for Strategic and International Studies. She said it’s significant that Kim spoke not of removing nuclear weapons from North Korea, but rather of the “denuclearization of the Korean peninsula,” as a whole. That formulation by the Kim government is “not new,” Terry told me, and has been accompanied in the past with demands for measures to preserve the regime’s security such as the signing of a peace treaty to finally end the Korean War, the withdrawal of U.S. troops from South Korea, and the end of the U.S.-South Korean military alliance, which in turn would terminate the protection the United States extends to South Korea through its nuclear weapons. Hence, talk of a nuclear-free peninsula despite the fact South Korea doesn’t have nuclear weapons. (In this respect, Kim was right to assert that he was simply echoing the policies of his father, who was also quoted by Chinese media as committing to the denuclearization of the peninsula even as he persisted in developing the nation’s nuclear-weapons arsenal.)

 

While it’s notable that Kim didn’t specifically reference security guarantees during his trip to Beijing, Terry said she’d need to see more statements from North Korea, and not just a one-off quote filtered through the censored Chinese press, to conclude that the North is now willing to trade away its nuclear program for anything less than the United States abandoning South Korea.

 

Terry interpreted Kim’s call for South Korea and the United States to exhibit “goodwill,” establish an “atmosphere of peace,” and take “synchronous measures” as a suggestion that he would only move towards denuclearization in response to concessions from both South Korea and the United States—specifically, relief from the severe international sanctions that the Trump administration has imposed on North Korea. 

 

 There’s a lot there” and none of it is particularly “revelatory,” Terry said. It’s not “North Korea is willing to give up its nuclear-weapons program.” Instead, it’s hedged language that the North can always retreat from. North Korea has shifted tactics in pausing its nuclear and missile testing and agreeing to direct nuclear talks with the United States, perhaps because U.S. economic pressure and threats of military force “spooked” Kim and made him scramble to “buy time,” Terry explained. But there aren’t strong signs yet of a strategic shift.

 

Trump also hasn’t clarified what he has in mind when he speaks, as he did on Wednesday, of “peace and the denuclearization of the Korean peninsula.” So far, he has focused on denying North Korea the capability of placing nuclear warheads on long-range missiles that can reach the United States. But his advisers, including Mike Pompeo, the man slated to become his next secretary of state, have staked out an even harder line, insisting that North Korea do what only one other country in history has done before: give up nuclear weapons it developed in a manner that is “complete, verifiable, and irreversible.”

 

Just days before being named Trump’s new national-security adviser, John Bolton said that if Kim Jong Un isn’t willing to relinquish his entire nuclear program and ship it off to the United States, the way Libya did with its far less advanced program in 2004, Trump should immediately end the negotiations and seriously consider using military force to eliminate North Korea’s nuclear weapons before they can threaten the world. He argued that the United States should not provide economic assistance, which North Korea has pocketed for decades without ceasing its nuclear activities, and certainly not sign a peace treaty with Kim. (Trump has at times seemed more willing to withdraw U.S. military support to South Korea.) The North Koreans are “lucky to have a meeting with the president of the United States,” he said. “Are we content with a resolution of this crisis that leaves North Korea with the technology to have nuclear weapons?” Bolton asked Larry Kudlow, Trump’s incoming director of the National Economic Council, during a radio interview in August. “I wouldn’t trust the North Koreans with a spare electron.”

 

There would, of course, be nothing to negotiate if negotiations began with the parties in perfect agreement about what they wanted out of the talks. But what Kim Jong Un’s comments in China this week indicated is just how far apart North Korea and the United States are on the definition of one hugely consequential word: “denuclearization.”

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 今回はアメリカの『ジ・アトランティック』という雑誌に掲載された金正恩朝鮮労働党委員長の訪中に関する分析記事の内容を抜粋してご紹介します。

 

 北朝鮮の指導者金正恩朝鮮労働党委員長は3月25日から28日にかけて、中国の北京を訪問しました。指導者になって初めての外国訪問となりました。中国の習近平国家主席の招待を受けての非公式訪問でしたが、最大級の歓迎ぶりでした。金正恩訪中についてはこのブログでも前回ご紹介しました。

 

 今回の金正恩訪中では、「朝鮮半島の非核化(denuclearization on Korean Peninsula)」という言葉がキーワードとなります。金正恩委員長は習近平国家主席に対して、祖父である金日成国家主席、父である金正日総書記の遺志を引き継いで、朝鮮半島の非核化に努力すると述べました。

 

 これは北朝鮮と韓国両国で核兵器は持たないということを意味する言葉です。韓国は核兵器を保有していませんが、韓国国内の米軍基地には1991年まで核兵器が配備されていましたが、ジョージ・WH・ブッシュ大統領(当時)が撤収を表明しました。昨年から韓国への核兵器配備を検討という動きがアメリカにあります。

 

 金正恩は核兵器を保有しているということを表明しつつ、韓国との関係改善を演出することに成功しました。そして、韓国を通じてアメリカに非核化について話し合いたいという希望を伝え、トランプ大統領も同意しました。

 

 金正恩としては非核化をできるだけ高く売りつけたい、少なくとも体制保障、あわよくば経済援助を引き出そうということを考えているでしょう。しかし、アメリカと約束をしても、リビアのカダフィ大佐のように、約束を反故にされて殺されてしまう危険性があります。

 

 そこで、関係を悪化させていた中国の後ろ盾が必要となります。金正恩は、中国とつながっていた叔父の張成沢を粛清し、中国が保護していた金正日の長男で、兄である金正男を殺害しました。このように中国に対して反抗的な態度を取ってきました。しかし、

 

 金日成が存命中、金正日が実務を継承した1982年に中国を訪問したことがありました。金正日は鄧小平を含む中国指導部と会談を持ち、中国国内を視察しました。帰国後、金正日は中国指導部について「修正主義者」だと批判しました。このことが中国指導部に極秘裏に伝えられ、鄧小平は激怒し、金正日を「黄嘴郎(嘴の黄色い青二才)」と呼び、「金正日のために北朝鮮は存亡の危機に瀕するかもしれない」と嘆いたと言われています。

 

 現在で言えば、金正恩が「黄嘴郎」であり、習近平は鄧小平と同じ立場にあり、「青二才である金正恩には困ったものだ、北朝鮮は潰れるぞ」と嘆いていることでしょう。それでも改善の傾向があります。金正恩は習近平との会談中に熱心にメモを取りながら話を聞いていたということです。また、金正恩が北京の駅に着いた際、出迎えたのは序列5位、中国共産党中央政治局常務委員である王滬寧(おうこねい、ワン フーニン、1955年―)中央書記処書記・中央精神文明建設指導委員会主任でした。王滬寧は中国屈指の戦略家としてヘンリー・キッシンジャーにも擬せられる人物で、習近平の側近です。

 

私は王滬寧が北京滞在中の金正恩に最新の世界情勢の情報と分析を教え、また、経済再建のための方策、権威主義的開発独裁について講義を行ったのではないかと考えています。そこで、「大変なことになるので、きちんと対応してほしい、経済発展も中国モデルを教えるから」ということになったのだろうと思います。

 

 金正恩としては、アメリカだけではなく中国からも体制保障を引き出し、二重の保険を掛けるということをやりたかったのだろうと思います。ただ、アメリカは前提条件なしで核兵器の放棄を迫るでしょう。核兵器の放棄に見返りを与えるという前例が出来てしまうのは好ましくありません。

 

 金正恩としてはアメリカからは核兵器放棄に伴う体制保障、中国からは体制保障と経済援助を引き出して、自身の支配体制を盤石なものにしたいと考えているのではないかと思います。そのためには恭順の意を示し、自分から戦争を仕掛けることはしないということを改めて中国側に確約したのだろうと思います(北朝鮮が戦争を始める場合には中国は支援しない)。

 

 習近平はアメリカに会談の様子を詳しく伝達したようです。アメリカは前提条件なしの核兵器放棄をさせて、その後のことは中国とロシア、韓国に任せるということになるのだろうと思います。ただ、北朝鮮がアメリカに対して何らかの前提条件を求めるとなると、交渉は決裂ということになるでしょう。

 

 朝鮮半島情勢は5月まで目が離せません。

 

=====

 

■記事の抜粋

 

・2018年初頭のスピーチで金正恩は核抑止力を保有したと述べ、かつ、冬季五輪大会への北朝鮮の参加に関心を持っていることを表明した。

・平昌五輪に北朝鮮からの代表団が訪問、金正恩と韓国大統領の特使の会見、同じ韓国大統領特使がトランプ大統領に対して金正恩からの会見の提案を伝達、トランプが受け入れ、といった順序で進んでいる。

 

・3月25日、金正恩は指導者となって初めての外遊として列車で中国の北京を訪問した。

・金正恩は習近平国家主席に対して、韓国大統領の特使にアメリカと核兵器に関して交渉をする用意があると述べたということを報告した。

・「故金日成国家主席と故金正日総書記の遺志に沿って朝鮮半島の非核化に取り組むという姿勢は一貫している」

 

・今回の中朝会談によって、中国は脇役にはならないということが示された。

・習近平は国際外交の世界で手腕を発揮している。

 

・今回の中朝会談はなぜこの時期に行われたのか?

・金正恩は時間を必要としていた。権力を掌握し、基盤を強化し、核抑止力を手に入れてやっと外国に行けるようになったと感じた。

・中朝関係はうまくいっていなかったが改善する方向にある。

・過去中国が国際的なイヴェントを開催した時に北朝鮮はミサイルを発射し、中国政府をイライラさせたが、党大会と全人代開催中、北朝鮮は静かだった。

 

・中国と北朝鮮は「唇亡歯寒」(毛沢東)と形容されるくらいに緊密で相互依存関係にある。

・中国は北朝鮮の輸出の90%を占めている。

・1961年の中朝友好条約には相互防衛上皇が存在する、現在では北朝鮮が攻撃を受けた場合に中国が援助するということになっている。北朝鮮が戦争を始めた場合には中国は支援しないことになっている。

・中国にとって北朝鮮は韓国龍柱米軍3万人に対する有効な緩衝材となっている。

 

・中朝首脳会談をアメリカ政府はどのように解釈すべきか?

・北朝鮮と中国はこれからも長期的な戦略目標を共有する。

・中朝両国とも金正恩体制の崩壊を望んでいない。

・中朝両国ともにアメリカが北東アジア地域の同盟諸国からの米軍撤退を望んでいる。

・北朝鮮政府の考える「朝鮮半島の非核化」はアメリカ政府が求める核兵器の「完全な、照明付きの、再開できない」廃棄ではない。

・北朝鮮の求める朝鮮半島の非核化は北朝鮮が核兵器の廃棄をする代わりに、朝鮮半島から「核兵器による盾」を除去することである。これは中国政府の目的にも適う。

 

・これからの数カ月は予測不能でかつ重要だ。習近平は金正恩からの招待を受けて北朝鮮を訪問することを承諾した。

・ホワイトハウスは混乱の中にあり、ジョン・ボルトンが新たな大統領国家安全保障問題担当補佐官となる。

・ジョン・ボルトンは外交や非武装化交渉には興味がない。米朝首脳会談は開催の時点でもう意味がないもの(dead on arrival)となっている可能性がある。衝突に向けた危険な道を進むことになる可能性がある。

 

・トランプは水曜日、金正恩が非核化を行い、外交政策を成功させる「十分な可能性」があるツイートした。

・トランプ大統領は金正恩が交渉を求めているのは「最大限の圧力」キャンペーンが奏功しているからだとしている。

・金正恩の年頭の演説は強硬な姿勢を示していることも忘れてはならない。

・金正恩が非核化をしたいとのべているが、これはアメリカが支払いたくない代償を支払った後に行うというものである。

 

・これからの状況は4月末の南北首脳会談にかかっている。

・南北首脳会談で穏健な前提条件を基礎にしたしっかりとした中身の非核化に関する声明が出れば、これがトランプ政権に対して北朝鮮と交渉が出来て生産的な結果を得られる道を進むことが出来るということを示すものとなる。

・生産的な道のりを進むことが出来れば、アメリカ政府が求める北朝鮮の核兵器の「完全な、照明付きの、再開できない」廃棄と破滅的な核戦争を回避できる。

 

(貼り付けはじめ)

 

Why Did Kim Jong Un Just Visit China?

His surprise visit to Beijing underscores China’s influence.

 

ANKIT PANDA 11:47 AM ET   GLOBAL

https://www.theatlantic.com/international/archive/2018/03/kim-jong-un-china/556670/

 

For months, China seemed to be a side player as relations improved between North Korea and South Korea. Kim Jong Un, the leader of North Korea, kicked off the year with an address celebrating the completion of his nuclear deterrent after months of boasting about his increasing nuclear capability. In his speech, he also expressed interest in North Korea’s participation in the Winter Olympics. That, in turn, provided Moon Jae In, the president of South Korea, with the diplomatic opening he sought. What followed: an exchange of conciliatory gestures at the Winter Olympics in PyeongChang, which set the stage for a meeting in Pyongyang between Kim and a team of South Korean envoys. Those same envoys then presented an invitation from Kim to meet with President Donald Trump, who had threatened North Korea’s total destruction; Trump immediately accepted. Seoul, it seemed, was in control of the fate of the Korean Peninsula.

 

Then, on Monday, speculative reports observed that an armored train from North Korea was en route to Beijing. Eventually, state media in China and North Korea confirmed that the visitor aboard the armored mystery train from North Korea to Beijing was none other than Kim Jong Un. For the first time in his six-year reign, Kim had finally left North Korean soil to meet the leader of his country’s oldest benefactor, China. During the visit, Kim reportedly told Xi Jinping, the president of China, what he had told South Korea’s presidential envoys: that he was ready to talk to the United States about his nuclear weapons. “It is our consistent stand to be committed to denuclearization on the peninsula, in accordance with the will of late President Kim Il Sung and late General Secretary Kim Jong Il,” Kim was quoted as having said, according to Xinhua.

 

The Beijing meeting showed that whatever may come of the upcoming inter-Korean and North Korea-U.S. summits, China will not be a peripheral player. Xi Jinping, fresh out of the National People's Congress with an open-ended mandate as president of the People’s Republic, has flung himself into international diplomacy with gusto.

 

After news of the Xi-Kim meeting broke, one of the obvious questions was: Why now? (For comparison: Kim’s father, Kim Jong Il, also waited six years before leaving North Korea to engage the outside world.) Kim likely just needed time. After eliminating his rivals, consolidating power, and achieving what he likely saw as the completion of a sufficiently credible nuclear deterrent, Kim finally felt ready to go abroad. Recent events also suggest that the Beijing-Pyongyang relationship, which is often strained, is on the mend. North Korea withheld from any ballistic missile provocations during China’s 19th Party Congress. Kim also congratulated Xi both after the Party Congress and the recently concluded National People's Congress. In the past, by contrast, North Korea launched missiles as China held a range of significant international events, embarrassing and annoying Beijing.

 

But no matter the tensions of the moment, China and North Korea are as close and interdependent as “lips to teeth,” as Mao Zedong put it. Whatever the temporary hiccups in their relationship, China accounts for 90 percent of North Korea's external trade, giving it extraordinary leverage over Pyongyang. The two countries also share a tight historical bond: Chinese soldiers fought, bled, and died on North Korean soil during the Korean War. Their 1961 Treaty of Friendship includes a mutual defense article—one that is thought to only apply now in the case that North Korea is attacked by an aggressor. (China would not back North Korea should it initiate a war.) Finally, for China, North Korea represents a useful buffer, separating it from the nearly 30,000 U.S. troops based on South Korean soil. Kim’s time with Xi underscored the unshakeable bond between Beijing and Pyongyang.

 

How should Washington interpret the Beijing meeting? For one thing, it should make abundantly clear to the Trump administration that, no matter what, North Korea and China will continue to share long-term strategic objectives. Neither country wants to see the end of the Kim regime, and both Beijing and Pyongyang seek to evict the United States from its alliances in Northeast Asia. It’s also worth remembering that Pyongyang’s interpretation of a “denuclearized Korean Peninsula” is not one where its arsenal has been “completely, verifiably, and irreversibly” dismantled as Washington would like, but one where it gives up its weapons in exchange for the United States withdrawing its nuclear shield from the Peninsula and leaving altogether. This would comport well with Chinese objectives.

 

The next few months are unpredictable and critical. Xi has accepted an invitation from Kim to visit North Korea. Meanwhile, the White House remains in chaos, anticipating the arrival of John Bolton as Trump's new national security advisor. Bolton, infamous in North Korea for his disinterest in good-faith diplomacy and disarmament talks, could leave the U.S.-North Korea summit dead on arrival, potentially paving a dangerous path for the president toward conflict.

 

Trump, meanwhile, said in a tweet on Wednesday that he believes there is a “good chance” that Kim will denuclearize and give him a foreign policy win that evaded his predecessors. He attributes Kim’s willingness to talk to his “maximum pressure” campaign. But Kim’s post-New Year’s overture is one borne of a position of strength, not weakness—something the White House must recognize. When Kim tells Trump that he’s willing to denuclearize, he’ll likely follow that up with a price that the United States should not be willing to pay.

 

Much will depend, too, on the success of the late-April summit between Moon and Kim. If this meeting produces a concrete statement on denuclearization, with moderate preconditions, it could show the Trump administration that there may be a productive path forward with North Korea. Where might this path lead? To a destination somewhere between “complete, verifiable, and irreversible denuclearization” and a disastrous nuclear war.

 

(貼り付け終わり)

 

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 古村治彦です。

 

 『ウォールストリート・ジャーナル』紙が、トランプ政権幹部たちが北朝鮮に対する攻撃を検討したという報道を行ったということです。

 

 全面戦争ではなく、核兵器やミサイル関連施設に対する攻撃だそうで、これを「“鼻血”戦略(bloody nose strategy)」と呼ぶようです。刺し殺すとか、立ち上がれないくらいに殴りつけるということではなく、まず、先制攻撃的に鼻面を殴って相手の戦意を喪失させる、ということのようです。

 

 現在のところ、韓国と北朝鮮による南北交渉が行われ、平昌オリンピックに関しては、平和に開催されそうです。トランプ大統領も北朝鮮の選手団が参加することを歓迎する、という考えを表明しています。

 

 しかし、これで北朝鮮に対するアメリカ、そして中国の膺懲的な侵攻の可能性が亡くなったということは早計です。アメリカと韓国がここまで融和的な姿勢を見せてもなお核兵器とミサイルを放棄しない、アメリカを攻撃できると言い続ければ、それでは仕方がない、国連決議をもらって攻撃しよう、国際的な約束を破って大量破壊兵器を持つに至った北朝鮮は国際的な安全上の問題なので、膺懲するということになって、北朝鮮攻撃が起きる可能性があります。

 

 太平洋戦争直前の日米交渉において、アメリカ側はのらりくらり、日本側に融和的な姿勢を示したり、厳しい態度を示したりしながら、蛇の生殺しのようなことをしました。日本国内では結局、いくつかの考えに分裂し、最終的には一番強硬な手段が選択されるに至りました。追い込まれました。北朝鮮も同じ轍を踏まないということはありません。

 

 オリンピックまでは何もないと思いますが、北朝鮮が何らかの攻撃的なアクションを示すならば、事態はまた一気に緊張を増すでしょう。現在のような雪解けムードの後だけに、緊張感は一気に上がると思います。そうなれば不測の事態が起きてもおかしくありません。

 

 アメリカ軍が、あまり兵員が死傷しない形で北朝鮮攻撃ということになると、軍事産業や補給関連、食糧、衣服繊維、薬剤といった産業の株式が高騰するでしょう。アメリカはほぼ被害がなく、アメリカの企業にお金が落ちるということになりますから。日本は直接の被害のようなことがあれば、2011年の東日本大震災の時と同じような動きがあるのではないかと思います。今の日本株を買っているのは外国人投資家とGPIFです。外国人投資家からすれば、安くなったところで買って、大きく儲けると考えるでしょう。

 

 アメリカによる北朝鮮侵攻ということも頭に入れて今年の動きを考えるということが重要ではないかと思います。最悪の事態を考えていれば、少なくとも致命的な損失を負うことはないと思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプ政権幹部たちが北朝鮮に対して攻撃対象を絞った「鼻先を殴りつけ鼻血を出させる」戦略を議論した(Trump officials debate targeted N. Korea strike in ‘bloody nose’ strategy: report

 

レベッカ・サヴランスキー著

2018年1月9日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/international/368046-trump-officials-debating-possibility-of-targeted-strike-against-north

 

 

アメリカ政府の高官たちが北朝鮮国内の複数の施設に対する攻撃対象を絞った攻撃を行う「鼻先を殴りつけ鼻血を出させる」戦略の可能性について議論した、と報じられている。

 

『ウォールストリート・ジャーナル』紙は、核兵器もしくはミサイル試験への対応として北朝鮮国内の施設に対する攻撃対象を絞った攻撃を行うという戦略について報じた。

 

この攻撃は、全面戦争へと進むことなく、北朝鮮に対して自分たちの行動の結果がどのようなものになるのか、その可能性を見せつける試みとなるであろう。

 

ウォールストリート・ジャーナル紙の報道によると、トランプ政権幹部たちはこのアイディアが実現可能かどうか議論したということだ。

 

複数のメディアが火曜日になって報じたところでは、北朝鮮は、今年韓国の平昌で開催される冬季オリンピック大会に代表団を派遣すると発表したということだ。

 

北朝鮮は韓国との交渉の中で、選手、政府高官、応援団をオリンピックに派遣すると述べた。

 

先週末、トランプ大統領は来るべき冬季オリンピックに北朝鮮が参加するのを見たいものだと述べた。

 

北朝鮮と国際社会との間の関係は、北朝鮮による一連の大陸間弾道ミサイル反射によって、ここ数カ月緊張が高まっていた。先月、国連安全保障理事会において、無記名の投票が行われ、北朝鮮の経済を弱めるための経済制裁を科すことが決定した。

 

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