古村治彦です。
2024年元旦にあたり、本ブログをお読みいただいている皆様にご挨拶を申し上げます。新年あけましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。本年もよろしくお願いいたします。
個人としましては、昨年、新型コロナウイルス感染で体調を崩しましたが、同時期に書籍出版のお話をいただき、無事、2023年12月27日に4冊目となる単著『バイデンを操る者たちがアメリカ帝国を崩壊させる』(徳間書店)を刊行することができました。私が代表を務めています、「副島隆彦の学問道場」のホームページの全面リニューアルも同時期でありましたので、昨年後半は色々と大変なことがありましたが、皆さまのお力添えをいただき、何とか乗り越えることができました。ありがとうございます。
日本国内と世界に目を向けますと、大変化が起きる予兆が起きていると感じています。最新刊でも書きましたが、西洋支配の終焉と非西洋世界の勃興、西洋支配が成立前の状態に戻るということが起きつつあります。そうした中で、様々な出来事や事件が起きました。それらを大きく見て指し示す方向性は、簡単に言えば、戦後のアメリカ支配体制の終わりと中国の勃興から世界覇権国への変化です。
日本国内ですが、既に衰退に向けて進んでおり、その速度が上がっています。日本は先進諸国の中で、衰退への道の先頭を走っています。日本は30年間も成長がなかった国であり、世界から取り残された国です。私が昨年読んだ論稿の中で「中国は刑務所、ヨーロッパは美術館、日本は老人ホーム」というフレーズが言いえて妙で、今でも忘れられません。日本は、これから人類史上初の「超高齢社会」となり、人口減少と産業の衰退を経験します。
そうした中で、戦後社会も終わり、格差社会と貧困、道徳の崩壊といったことを経験することになるでしょう。小室直樹博士が紹介した、エミール・デュルケームの提唱した概念「急性アノミー(acute anomie)」が重要な分析概念となるでしょう。価値観や規範の崩壊によって、社会が不安定になり、暴力や殺人、自殺が増加すると考えられます。人口減少もあり、量的には犯罪件数自体が減るでしょう。しかし、質として、低程度の暴力、肩がぶつかっても謝らない、暴言を吐くと言ったものが拡散し、警察の統計に入らない暴力が社会の後半に拡散し、それによって常に「不機嫌な社会」となります。結果として、ブレーキや歯止めがきかずに些細なことからの事件も増えていくでしょう。私たちはこれから生きづらい生活を生き抜いていくこと、まずは生きていくこと、これが基準となると考えます。
この生きづらい世の中で、自分を保つことが難しい中で、私たちはそれでも生きていく。よりむき出しの生を生きていくことになるでしょう。
元旦にこのような挨拶になりましたが、本年もお付き合いのほど、よろしくお願いいたします。
(終わり)
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