古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

カテゴリ: 日本政治

 古村治彦です。

 

 JR東海によるリニア中央新幹線計画が進んでいます。早速、「入札談合」事件が起きました。総額9兆円という莫大な資金が動くプロジェクトで、安倍政権も力を入れて、財政投融資として3兆円が貸し付けられるということになっています。そうならば大小さまざまな人や企業が群がってそれを食い物にしようと考えるのは当然のことでしょう。

 

 JR東海、日本政府はともにリニア中央新幹線計画を前倒しで、少しでも早く実現しようと躍起になっています。これは、リニア技術をインフラ輸出の目玉としたいという思惑があるのでしょう。原発輸出は何かと批判が大きいですが、このような交通インフラであればそこまで批判を浴びることはありません。

 

 このようなインフラ技術を輸出するためには、実際に運用してみて(できるだけ条件の厳しい場所や状況で)、それで実績を見せる必要があります。日本のように山がちの複雑な地形で、きちんと運用できれば、それは大きなセールスポイントになります。東京から大阪までつなぐというのは大都市圏と地方、山がちな場所と言った場所での工事のデータや運用データが得られるという点でメリットがあります。

 

 新幹線技術とリニア技術の海外輸出ですが、これはアメリカにマージンが流れる構造になっています。JR東海(英語名はJR Central)とアメリカのUS-Japan High Speed Rail社とUS-Japan Maglev社との間で提携契約を結んでいます。以下のアドレス先をお読みください。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「2010年1月25日 高速鉄道の海外事業展開について」

https://jr-central.co.jp/news/release/nws000450.html

 

●「(別紙)USJHSRおよびUSJMAGLEVについて」

https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000007101.pdf

 

(貼り付け終わり)

 

「別紙」の中で、重要な分がありました。それらは以下の通りです。「USJHSRは、JR東海の世界レベルの技術を米国含めた海外市場に販売促進する独占的権利を有している」「USJMAGLEVは、JR東海の世界レベルの技術を米国含めた海外市場に販売促進する独占的権利を有している」。

 

 JR東海が新幹線技術とリニア技術を輸出する際に販売促進の独占的権利をアメリカの会社が握っているということです。JR東海が輸出する際に、これらの会社にお金が流れることになります。

 

 昨年、私は『ザ・フナイ』誌上で短期連載をさせていただきましたが、このことについて詳しく紹介しました。『ザ・フナイ』2017年7月号(ザ・フナイ 2017年 07 月号)と8月号(ザ・フナイ 2017年 08 月号 [雑誌])をお読みください。


 国策で急いでリニア中央新幹線計画を進めて、運用実績を作って、輸出をしてアメリカを儲けさせる、ということがあり、そのために資金を投入している、というのが属国日本の姿ということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

3兆円融資は忖度か リニア「国策化」の怪しいプロセス

 

201817日 日刊ゲンダイ

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/220745/1

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/220745/2

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/220745/3

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/220745/4

 

 東京地検特捜部が全容解明に向けて捜査を進めている「リニア疑惑」事件が今年、本番を迎える。総工費9兆円の巨大プロジェクトを巡る疑惑には、単なる「入札談合」では片づけられない「闇」が横たわっている。どう考えたって安倍政権のヨコシマな思惑への忖度がはたらいたとしか思えない――。そんな構図が浮かび上がってくるのだ。

 

 そもそもリニア中央新幹線の建設計画は、JR東海が全額自己負担を原則に進めてきた。政府もリニア計画に長年距離を置いてきたが、安倍政権がくちばしを入れ始めたのは、国が着工を許可した2014年のこと。

 

「JR東海が自力で行うとしていることも勘案しつつ、要望を受けて対応を考えていきたい」

 

 当時、世耕弘成官房副長官は、関西経済連合会のリニア新幹線「国家プロジェクト化」と「大阪・名古屋同時開業要望」に対し、そう語っていた。

 

「リニア大阪延伸の前倒しは関西財界の悲願でした。その意向を受けて積極的に“ロビー活動”を進めたのが、松井一郎大阪府知事であり、大阪市長時代の橋下徹氏です。2人は安倍首相と菅官房長官と定期的に会食する仲。その席でもリニア前倒しの話題を何度も伝えていたようです」(関西政界関係者)

 

 リニア大阪延伸の前倒しを決断したのは、ほかならぬ安倍首相だ。16年6月の「骨太の方針」の中で、国が低利で資金を貸し出す「財政投融資」を活用した財政支援を表明。さらに自民党は同年7月の参院選公約に、リニア大阪延伸の前倒しや整備新幹線の建設などのため、官民合わせて「5年で30兆円」の資金を投じることを掲げた。

 

 加えて同年11月には法改正し、リニア建設に財政投融資を活用できるようにした。その結果、すでに約3兆円がJR東海に貸し出され、大阪までの全線開通時期を当初計画の2045年から最短で8年前倒しされることになった。

 

■維新の要望の見返りに……

 

 安倍政権が横から口を挟み、成長戦略に取り入れたことで、リニア計画は文字通り「国家プロジェクト」に格上げされたのだ。政府が静観していたはずの民間の事業が、なぜ「国策」に格上げされ、法をねじ曲げてまで3兆円の国費を投じたのか。ここに、政権の意向をくんだ官邸や国交省などの「忖度」がはたらく余地がありそうなのだ。

 

「安倍政権が巨額の国費を貸し付けてまで、リニア大阪延伸の前倒しにこだわるのは、まず日本維新の会を味方につけたいためでしょう。リニアを含め、『大阪万博誘致』『大阪・夢洲のカジノ計画』という維新が公約に掲げた3点セットを支援する見返りに、政権運営で維新の協力を引き出す思惑です。事実、維新は与野党対立法案に軒並み賛成し、もはや政権の補完勢力です。9条改憲に公明党が難色を示す中、安倍政権と維新の蜜月はますます深まりそうです」(政界関係者)

 

リニア建設は南アルプスの巨大トンネルなど難工事が目白押し。ただでさえ建設業界全体が土木技術者の人手不足に悩まされる中、国がムリを重ねて工期まで縮小すれば、現場は地獄の苦しみである。もはや大手ゼネコンのキャパシティーさえ超え、業界関係者からは「限られた工期、対応できる業者の少なさ、工事の安心・安全などを考えれば、業者間の調整も仕方がない」という開き直った声も聞こえる。安倍首相のヨコシマなリニア国策化が談合の温床を生み出してもいるのだ。

 

 特捜部も野党も大手メディアも、「リニアの闇」に鋭いメスを入れるべきである。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)







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 古村治彦です。

 

 今回は少し遅くなりましたが、ヘリテージ財団のブルース・クリングナー上級研究員による先月の総選挙の結果に関する分析をご紹介します。

 

 クリングナーの分析を要約すると次のようになります。総選挙の結果、何も変化がなく、現状維持となり、安倍晋三政権が続投となった。良いタイミングで選挙ができたが、これは小池百合子東京都知事が失速したからである。アメリカにとって安倍晋三首相の勝利は歓迎すべきものであった。安倍首相は日本の海外における軍事的役割の増大を追求し、それに向けた改革を行っている。しかし、日本国民の抵抗もあって改憲は難しいと思われる。安倍政権は日米間の二国間の経済協力に関する合意でドナルド・トランプ大統領との関係を良好なものとしている。

 

 今回のトランプ大統領のアジア歴訪は日本から始まりました。日本では霞が関カンツリーでのゴルフとハンバーガーの昼食、ピコ太郎を招いた夕食会などが話題になりました。トランプ大統領は日本に対して対米貿易黒字(アメリカ側から見れば対日貿易赤字)の解消を迫る、そのために「日本の自動車会社にアメリカで自動車を作ってもらいたい」「日本の安全のために、アメリカから大量に武器を購入してもらいたい」と述べました。アメリカ大統領がここまで露骨に「武器のセールスマン」「死の商人」になったのは初めてのことでしょう。

 

 アメリカの貿易赤字の約半分は対中国で、対日は10%です。これも大きな数字ですが、1980年代の時の貿易戦争の時とは違います。それでも更なる貿易赤字縮小を目指して、アメリカの製品を買うように求めていますが、アメリカ製で日本が必要とするものは、農産物と武器くらいのものです。そして、アジア地域で不安定が続く限り日本は永久にアメリカから武器を買い続けなければなりません。そのような状態を脱するためには、アジア地域の安定を自分たちで実現することが必要ですが、そのように動けば邪魔をしてくるのがアメリカです。

 

 属国の悲哀、それをまた今回のトランプ大統領訪日でも痛感させられました。

 

(貼り付けはじめ)

 

日本の選挙結果がアメリカと東アジア地域に持つ意味(What Japan’s Election Outcome Means for the U.S., East Asia

 

「ヘリテージ財団」

2017年10月24日

ブルース・クリングナー(Bruce Klingner、北東アジア担当上級フェロー)

http://www.heritage.org/asia/commentary/what-japans-election-outcome-means-the-us-east-asia

 

●要点(KEY TAKEAWAYS

 

1.日本から遠く離れたアメリカからの視点からすると、日曜日に投開票された日本の総選挙は何も変化が起きなかった。

 

2.安倍首相の選挙の勝利は印象的なもので、日本の外交政策と安全保障政策にほぼ変化はないであろうが、選挙の結果はアメリカにとってありがたく、素晴らしいものであった。

 

3.アメリカは、固い決心を持つ日本の指導者安倍晋三氏の政権が継続することを歓迎する。安倍首相は北朝鮮に対する圧力を強めるうえで緊密なパートナーとしてやってきた。

 

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日本から遠く離れたアメリカからの視点からすると、日曜日に投開票された日本の総選挙は何も変化もなかった

 

日本の指導者は政権を維持し、与党は議会の絶対的過半数を維持し、日本の諸政策には何の変化も起きないだろう。

 

日本の有権者は現状維持の継続を選択した。しっかりとした経済成長の道筋を変更させたり、北朝鮮の脅威がこれまでになく高まっている中で試練を経ていない人物を新しい指導者に選んだりといったリスクを避けたのだ。

 

これは安倍晋三首相の支持者たちに安堵をもたらすことになるだろう。安倍首相の解散総選挙の決断は当初拙かったと考えられていたからだ。

 

安倍氏は今年初めから支持率の低下に苦しんでいた。それは、汚職に関する一連のスキャンダルと海外における日本の軍事的役割の拡大を許容するための憲法の変更を追求することが理由であった。

 

北朝鮮の好戦的な態度に対して安倍首相は決然とした態度を取っている。安倍首相は北朝鮮の核兵器とミサイル能力を向上させていることに対してより強力な手段を取ることを主張している。これによって支持率は改善しつつある。

 

安倍首相は、後ではなくこのタイミングで解散することはリスクが低いという結論を出した。このタイミングを逃すと支持率はさらに下がり、野党に共闘体制を築く更なる時間を与えることになった。

 

選挙に先立ち、小池百合子東京都知事は新党の創設を発表した。新党は与党と安倍氏に対する大きな挑戦として姿を現した。小池氏は次の選挙で総理大臣になる可能性があるとまで語られていた。

 

しかし、小池氏の輝きはすぐに消え去った。小池氏は選挙の結果を受けて、「今回の結果は完敗であるということを明確に述べたいと思います」という声明を発表した。

 

安倍首相の選挙の勝利は印象的なもので、日本の外交政策と安全保障政策にほぼ変化はないであろうが、選挙の結果はアメリカにとって素晴らしいものであった。安倍氏が長期政権を維持していることで安定をもたらしている。安倍首相以前の最近の首相は短期で後退していたので、安倍首相の長期政権は歓迎されている。

 

安倍首相は、国連安全保障理事会の決議を継続的に違反している北朝鮮に対しての圧力を高めることを信念固く主張し続けている。

 

日本は、北朝鮮が軍事力を増強し、日本政府が朝鮮半島有事の際にアメリカを炎暑するならば核兵器を使用すると繰り返し脅迫をしていることに対して、深刻な懸念を持っている。

 

北朝鮮は日本を飛び越えるミサイルを複数回発射した。これに対して日本は何もしなかった。これはこれまでと同じ対応だ。北朝鮮のミサイル発射によって日本においてミサイル防衛に関する議論が促進された。

 

安倍首相は防衛に対して様々な改革を行っている。これによって国際的な安全保障上の問題に対して日本の役割を拡大することができるようになった。これまでの防衛改革の中で最も素晴らしいものは集団的自衛政策を採用し、日本を防衛する米軍を日本が防衛することができるようになったことだ。

 

更に進めて、安倍首相は第二次世界大戦後の平和憲法を見直すための選挙を求めることになるだろう。しかし、改憲に対しては政治の世界と一般の人々の間に根強い反対があり、安倍首相はそれに直面している。安倍首相は彼が作り出した新たな現状維持を成文化させたいと思っているのか、それとも日本の海外での軍事的役割の拡大を追求したいと思っているのかは明確ではない。

 

安倍首相は、日本の人々の過半数がこのような変化に抵抗しているので、彼の意向に反して、大きな変化をもたらすことはできないだろうと思われる。

 

日本の近隣諸国もまた日本の海外における安全保障に関する役割が増大していることに懸念を持っている。これらの国々は日本の軍国主義的な過去が復活することに恐怖感を持っている。しかしながら、そのような恐怖感は、太平洋戦争後の日本の安全保障に対する姿勢に関する誤解から生じている。

 

北朝鮮がもたらす安全保障上の脅威は深刻化している。これに対して日本と韓国はより緊密に協力するようになっている。北朝鮮の脅威によって、両国は過去に関する論争を止め、現在の脅威を最重要課題とするようになっている。

 

安倍首相はドナルド・トランプ大統領と個人的、職務上の強固な関係を構築している。安倍氏は他の世界の指導者よりも緊密な関係をトランプ大統領と構築している。トランプは長年にわたり日本の制限された安全保障上の役割と貿易慣習に対して批判してきた。安倍首相はトランプ大統領からの批判を乗り越えることができた。安倍首相はアメリカの雇用と輸出を生み出す、大胆な内容の二国間の経済合意を提案した。これで批判をかわすことができた。

 

マイク・ペンス副大統領と麻生太郎副総理が主導した合意は、エネルギー分野と社会資本(インフラ)部門における協力を推進するというものだ。

 

アメリカは、固い決心を持つ日本の指導者安倍晋三氏の政権が継続することを歓迎する。安倍首相は北朝鮮に対する圧力を強めるうえで緊密なパートナーとしてやってきた。

 

安倍氏の再選はアジア地域のアメリカの同盟諸国の間で不安が広がっている中で行われた。同盟諸国は北朝鮮に対するアメリカの先制攻撃によって、自分たちが戦争に巻き込まれるのではないかという懸念を深めており、北朝鮮がアメリカを攻撃できる核弾頭を開発したら、アメリカは自分たちを捨てるのではないかという不安を持っている。

 

11月に行われるアジア歴訪中、トランプ大統領はアジアに関するより大きな戦略を明確に示すべきだし、日本と韓国に対して、アメリカが両国を防衛する責務を負っているということを再び確信させるべきだ。

 

※ブルース・クリングナー:北東アジア担当上級フェロー、朝鮮半島と日本を専門とする

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)









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 古村治彦です。

 

 総選挙が終わって、野党側のごたごたが続いている感じです。民進党はどうなるのか、ということが大きな問題です。無所属で戦った党籍を持つ衆議院議員と参院議員を合わせれば50名上の政党ですし、政党助成金を含めたお金も100億円以上残っているということでもあり、その行く末が気になります。前原誠司代表は代表を辞任し、希望の党へ参加することになるそうです。次の代表をどうするか、党の存続をどうするか、お金をどうするかということがこれからの焦点となります。

 

 2019年の参議院議員選挙の投開票と共に改憲の国民投票が行われるのではないかというのが現在の見通しです。安倍晋三首相の下、改憲が実現する可能性が出てきました。

 

 しかし、国民投票の実現はなかなかに大変なことです。まず、国民の考えと現在の政治状況が必ずしも一致していません。今回の総選挙では与党が3分の2の議席を占めましたが、得票率は4割台です。それで獲得議席数は7割台です。これが有権者の意図を正確に反映しているとは言いづらいです。これについて、与党で3分の2を占めるのは「多すぎる」、安倍首相について「不安を持っている」と考えているのが過半数という状況です。

 

 下の新聞記事にありますが、麻生太郎副総理は議席数から、「左翼が3割を切った」と述べましたが、得票数で言えば、麻生氏の発言は当てはまらないことになります。小選挙区制につきまとう死に票の多さということを無視した発言ということになります。

 

 改憲については、18歳から29歳までの年代では改憲に賛成の人が多く、その他の年代(有権者における年上の年代)は反対が多いという世論調査の結果が出ています。

 

 こうしたことから考えると、人々は与野党が伯仲している国会で厳しい審議が行われている状況が良いと考えていることが分かります。与野党伯仲状況になれば、改憲の発議はできないことになります。しかし、こうした人々の考えは国会の議席数に反映されていないことになります。

 

 選挙は小選挙区比例代表並立制というルールの下で行われていますから、このルールで最大の成果を得るように行動しなければなりません。しかし、野党側は共闘で一対一の勝負ができず、分立のために、敗北を喫しました。ルールの特性を活かした戦い方ができなかったのは野党全体の責任ですが、やはり、希望の党に大きな責任があったと言わざるを得ません。下の新聞記事でもありますように、安倍首相の側近である萩生田光一代議士が日本会議主催の会議に出席し、希望の党の政策協定書によって、野党側が分立したということを述べています。

 

 改憲に関して、行動を注視したいのは希望の党です。希望の党では立候補者に課した政策協定書の第4条で、「改憲を支持し」という文言が入っています。ですから、希望の党は改憲を前提にして国会論戦を行うことになります。しかも、党の創設者であり代表である小池百合子東京都知事は安倍首相とほぼ同じ考えを持っています。彼女はつい最近まで自民党所属の国会議員であり、自民党の幹部や大臣を務めました。安保法制成立時も自民党の国会議員です。こうなると、希望の党は改憲勢力に分類となります。ですが、国民の多くが改憲に反対、慎重な中で、結党からすぐに統制が振るわなくなってしまっている希望の党が自公と同調する動きをすることが果たして党のために良い事なのかという主張も出てくるでしょう。

 

 安倍首相としては、広範な支持によって改憲を発議し国民投票で多くの賛成を持って、改憲を成し遂げたいと考えているでしょう。この途中で大きな騒動が起きたり、国民投票で反対多数で否決されてしまったりといったことは望んでいないでしょう。そうなれば、どうしても微温的な内容の改憲となってしまうでしょう。そうなれば、改憲推進の日本会議としては不満な内容になるでしょう。しかし、改憲の国民投票を行っていくためにも、最初の改憲はその程度で良いと許容することになるでしょう。

 

 しかし、国民の側の現在の状況を考えると、改憲には困難なハードルが待っていることが予想されます。改憲に反対、慎重な考えを国民の多くが持っているということが最大のハードルになります。これに対して、どのようなアプローチ、切り崩しが行われるのか、ということですが、既に野党側にくさびを打ち込んでありますから、これをこれからぎりぎりと打ち込んで、分断を深めようとすることでしょう。

 

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●「与党で3分の2「多すぎる」51% 朝日新聞世論調査」

 

朝日新聞 201710242239

http://www.asahi.com/articles/ASKBS3PWGKBSUZPS001.html

 

 衆院選の結果を受け、朝日新聞社は23、24日、全国世論調査(電話)を実施した。自民党と公明党合わせて定数の3分の2を超える議席を得たことについて尋ねると、「多すぎる」が51%で、「ちょうどよい」32%を上回った。

 

 自民大勝の理由については「安倍首相の政策が評価されたから」は26%で、「そうは思わない」の65%を下回った。自民支持層でも「評価」45%、「そうは思わない」48%だった。立憲支持層では「評価」9%に対し、「そうは思わない」が89%に達した。

 

 自公で「3分の2」については、比例区で自民、公明に投じた人も、それぞれ3割が「多すぎる」と答えた。年代別では、18~29歳で「ちょうどよい」56%が「多すぎる」23%を上回ったが、他の年代は、いずれも「多すぎる」の方が多かった。60代は、69%が「多すぎる」と答えた。

 

 今後、安倍晋三首相の進める政策に対しては「期待の方が大きい」29%に対し、「不安の方が大きい」は54%にのぼった。自民支持層は「期待」58%、「不安」24%だったが、無党派層では「期待」11%、「不安」69%と逆の傾向になった。安倍首相に今後も首相を「続けてほしい」は全体で37%で、「そうは思わない」47%の方が多かった。

 

 野党第1党になった立憲民主党には49%が「期待する」と答え、「期待しない」41%を上回った。「期待する」は内閣支持層でも44%、内閣不支持層では63%に達した。年代別では、60代の期待が高く、62%が「期待する」と答えた。

 

 政党支持率は自民39%に次いで立憲17%。ほかは公明4%、希望3%、共産3%、維新2%、社民1%などだった。調査方法などが異なるため、単純に比較できないが、前回14年の衆院選直後の調査で、野党第1党の民主の支持率は7%だった。

 

 内閣支持率は42%(17、18日実施の前回調査は38%)、不支持率は39%(同40%)だった。

 

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●「安倍政権のもとで憲法9条改正に賛成?反対?多かったのは……(世論調査)

1829歳と他の年代で、違いが現れた。」

 

ハフィントンポスト(朝日新聞提供)20171025 0832

 

http://www.huffingtonpost.jp/2017/10/24/abe-ninth-article_a_23254665/?ncid=fcbklnkjphpmg00000001

 

 衆院選の結果を受けて、朝日新聞社が23、24日実施した全国世論調査(電話)では、安倍晋三首相が意欲を見せる憲法9条改正についても聞いた。「自衛隊明記」について、安倍政権での改正の賛否を聞くと、「反対」45%が、「賛成」36%を上回った。

 

 年代別では、18~29歳は「賛成」49%が「反対」34%を上回った。他の年代では反対の方が多かった。特に60代では反対54%に対し、賛成27%だった。男女別では、男性は45%が賛成だったが、女性の賛成は28%にとどまった。

 

 支持政党別にみると、自民支持層では賛成63%に対し、反対は22%だった。一方、立憲支持層では反対が88%にのぼり、賛成は8%。無党派層では反対44%、賛成21%だった。

 

 改憲の賛否別に、今回の衆院選の比例区投票先をみると、「賛成」の51%が比例区で自民に入れたと答えた。一方、「反対」は34%が立憲に入れ、12%は自民に投じた。

 

 安倍内閣の支持、不支持の理由を4択で聞くと、支持の理由は「他よりよさそうだから」が最も多く44%、続いて「政策の面から」が24%。不支持の理由は、最多が「政策の面から」の36%で、「首相が安倍さんだから」の27%が続いた。

 

(朝日新聞デジタル 20171024 2300)

 

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衆院選当選者、改憲「賛成」84%…読売アンケ

10/26() 7:19配信 読売新聞

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171025-00050196-yom-pol

 

 衆院選で、与党の自民、公明両党と、憲法改正に前向きな希望の党、日本維新の会の獲得議席が、改憲の国会発議に必要な3分の2(310議席)を大きく上回り、改憲論議に弾みがつきそうだ。

 

 読売新聞の立候補者アンケートで、当選した431人(当選者全体の93%)の回答を分析したところ、84%が改憲に賛成だった。ただ、改憲項目は、所属政党によってばらつきが目立っている。

 

 政党別では、維新の100%を筆頭に、自民は97%、公明は92%、希望は87%が改憲に賛成だった。野党第1党の立憲民主党は61%が反対した。安倍首相は立民にも協議を呼びかける考えで、与野党を通じた幅広い合意形成ができるかが注目される。

 

 改憲に賛成した当選者が挙げた改憲項目で最も多かったのは、「緊急事態条項の創設」の69%。以下、「環境権」(50%)、「自衛のための軍隊保持」「参院選の合区解消」がともに49%で続いた。政党別で最も多かった項目を見ると、自公が「緊急事態条項の創設」だったのに対し、立民は「首相の解散権の制約」、希望は「国と地方の役割」、維新は「教育無償化」と「憲法裁判所の設置」だった。

 

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●「憲法改正「天の時を得た」と改憲派 「日本会議」主導の集会で訴える」

「小池百合子さんのおかげで、(民進党が)真っ二つになった。こういう状況をつくってもらった」

 

20171026 0747 JST | 更新 22時間前

朝日新聞社

http://www.huffingtonpost.jp/2017/10/25/story_a_23256162/?ncid=fcbklnkjphpmg00000001

 

 憲法改正を掲げる運動団体「日本会議」が主導する集会が25日、東京都内であり、衆院選で大勝した自民党の国会議員が来賓として出席し、改憲発議に向けた取り組みを急ぐ必要性を訴えた。

 

 安倍晋三首相に近い衛藤晟一首相補佐官は、与党で国会発議に必要な「3分の2」を得たことを挙げ、「天の時を得た。発議ができるまで頑張っていきたい」と宣言。自民、公明両党に、日本維新の会と希望の党を加えると衆院で8割の議席を占める状況になったことを念頭に、「小池百合子さんのおかげで、(民進党が)真っ二つになった。(希望の党から立候補するための政策協定書に)憲法改正を認めるというハードルをつくり、こういう状況をつくってもらった」と述べた。

 

(朝日新聞デジタル 20171025 2124)

 

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●「麻生副総理「左翼が3割切った歴史ない。北朝鮮のお陰」」

 

201710262028

http://www.asahi.com/articles/ASKBV6JDNKBVUTFK014.html?ref=tw_asahi

 

 衆院選で、自民党は引き続き284議席をいただいた。衆議院(議員の定数)は(今回から)10議席減っており、占有率だと前よりはるかに良くなった。

 

 いわゆる左翼勢力が3割を切った歴史はこれまで1回もない。今回は共産党と立憲だか護憲だか知らないが、あの政党が左翼との前提で計算して、社民党が2議席で(立憲民主党と共産、社民の合計で)69(議席)。(定数)465分の69。2割切った。明らかに北朝鮮のお陰もある。特に日本海側で遊説をしていると、つくづくそう思った。(東京都内での講演で)

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)






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 古村治彦です。

 

 昨日、自由党の小沢一郎代表が立憲民主党の枝野幸男代表と会談を持ちました。昨日は立憲民主党が党本部をお披露目した日でした。

 

 自由党の小沢代表は明日の国会で行われる総理大臣指名選挙で枝野氏に投票すると決め、その旨を枝野代表に伝えました。

 

 今回の総選挙において、小池百合子東京都知事によって希望の党が結党され、民進党の前原誠司代表が民進党全員による合流という提案を行い、そこから野党が分立する形となり、民進党は、希望の党、立憲民主党、無所属の会(民進党の党籍を持つ衆議院議員)、民進党(参院議員)に分裂しました。選挙戦も野党分立となり、結果として、自公に勝利を許す結果となりました。

 

 希望の党結党からの動きに関しては、小沢一郎氏も関与しているという話も伝えられました。そして、自由党や小沢氏に近い人々が希望の党から立候補するということにもなりました。しかし、これらの人々は選挙間近での国替えを求められ、全く活動したことのない地域での選挙戦を余儀なくされ、落選することになってしまいました。

 

 希望の党の結党に小沢氏が関与していた、シナリオを書いていたという主張に関して、私は本当だろうかという疑問を抱いていました。もしかしたら、小沢氏は名前を利用されただけで関与していないのではないかと私は考えています。

 

 小沢氏は今回の総選挙で野党共闘によって安倍政権を退陣させるという目標をもって活動してきました。そのために、民進党、共産党、社民党と話し合いを続けていました。そして、野党共闘が成立しかけていた訳ですが、希望の党が結党され、この枠組みは崩壊することになりました。希望の党は公明党や日本維新の会に秋波を送りながら、立憲民主党の候補者が立候補した選挙区にことごとく候補を立てました。

 

 今回の小沢氏の枝野氏との会談は、小沢氏の凄みを示しています。民主党が政権交代を実現させたのは小沢一郎氏の功績です。しかし、党内の争いのために小沢氏グループは離党し、民主党は衰退の一途をたどることになりました。この党内の争いには当時の執行部であった枝野氏も関与していると思います(ご自身はレッテル貼りだと言われています)。

 

 しかし、選挙後、新たな野党共闘に向けて、恩讐を捨てて枝野氏と会談を持ち、枝野氏に投票するということを言える小沢氏はやはり大人物です。希望の党の立ち位置がいまいちはっきりしない中で、まずは野党第一党である立憲民主党と協力関係を築き、自分たちを接着剤として共産党、社民党とつなげていく、そして、無所属の会や希望の会とも連携していくというところまで、小沢氏の視野に入っていることでしょう。

 

 小沢氏は、自分の置かれた状況の中で、悲憤慷慨も有頂天になることもなく、「今自分がすべきことは何か」を把握し、それを淡々と行うことができる、日本人では稀有な存在です。おそらく政治生命が尽きる時(それが肉体的な生命が尽きる時と同じになる可能性が大いにあります)まで、自分がやるべきだと思ったことを淡々と実行していく人でしょう。

 

 この点では、小沢氏は西郷隆盛とよく似た人物と言えるでしょう(ご自身は大久保利通のほうが尊敬できる部分があると述べていたように記憶しています)。

 

 安倍政権退陣と自民党の傲慢さの解消のために、野党共闘2.0がこれから始動し、機能することを願うばかりです。この時には失敗をしても停滞があっても、我慢をして続けることが重要なのだろうと思います。そして、それができる粘り強さを持つのが小沢一郎氏なのだと思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

総理指名選挙 自由党は立憲・枝野代表に投票へ

10/30() 23:38配信 テレ朝 news

https://headlines.yahoo.co.jp/videonews/ann?a=20171030-00000057-ann-pol

 

 立憲民主党の枝野代表と自由党の小沢代表が会談し、自由党は来月1日に行われる総理大臣指名選挙で枝野氏に投票する方針を伝えました。

 

 立憲民主党・枝野代表:「首班指名で私の名前を書いて頂けると。大変光栄ですので、お礼を申し上げました」「(Q.小沢さんと枝野さんはかつて確執も?)それはマスコミが貼っているレッテルですから」

 

 会合は、小沢代表からの呼び掛けで行われ、立憲民主党からは枝野代表と福山幹事長が出席しました。枝野代表は、今後の自由党との連携について「今の政治状況を変えなければならないというのは同じ思いだ」と述べたうえで、「共通の目的があるので緊密に意見交換をしていきたい」と野党で連携して安倍政権と対峙していく考えを強調しました。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)








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自由民主党所属の衆議院議員・石崎徹氏のブログ「地元生まれ 地元育ち この街から未来のリーダーを」において、2017年10月26日13時16分に投稿された「113045票の重みと与党代議士としての大事な役割」というタイトルの記事に大変興味深い記述がありました。

 

石崎議員のブログのアドレスは以下の通りです↓

https://ameblo.jp/tohru-ishizaki/entry-12322977670.html

 

 石崎議員は慶應義塾大学法学部を卒業し、国家公務員一種試験を突破し、財務省のキャリア官僚となり、その後、2012年の自民党の公募に合格し、総選挙に立候補し当選した人物です。1984年生まれで当時は最年少の当選者だったそうです。まだ三十代前半で、自民党の若手のホープだともいわれているそうです。衆議院議員2期務め、今回の総選挙でも小選挙区では落選しましたが、北陸信越ブロックから比例復活当選を果たし、衆議院議員3期目を務めることになりました。

 

 石崎議員のブログの内容で看過できない部分は以下の一文です。

 

(貼り付けはじめ)

 

野党系が多数を占める新潟県において、「新潟県だけ」国の予算が下りてこない異常事態が続く可能性もあります。

 

(貼り付け終わり)

 

 新潟県にお邪魔したこともなく、新潟県に関しては詳しい知識や情報がないのですが、この石崎氏の記述は捨ててはおけない内容です。野党系の代議士が多い新潟県はこれまでも「国の予算が下りてこない」が、今回の総選挙でも野党系が勝利をしたので、「国の予算が下りてこない」異常状態が続く、ということになる、と石崎議員は述べています。

 

 3割自治などと呼ばれて、国の予算が地方自治体において大きな部分を占めている現状において、「国の予算が下りてこない」状態が「続いている」ことは異常事態です。石崎議員は財務省キャリア官僚出身でありながら、この状態を放置しているのでしょうか。いくら、「謙虚、謙虚」と鶯のように鳴くだけの自由民主党所属の議員だからと言って、「野党系に投票する人間が多い新潟だからそれくらいの懲罰を受けるのは当たり前だ」と思っておられるのでしょうか。

 

 石崎議員は「こんなひどいやり方は止めろ。私は自由民主党所属の衆議院議員だが、自民に投票する人が少ないからといって国からの予算が下りない状態を続けるのは止めろ」と財務省なり自民党本部なりに掛け合いに行かないものでしょうか。それとも、「与党系である候補者(=石崎氏)に入れない有権者が多いのだから、懲罰を受けて当然だ」と思っておられるんでしょうか。

 

 このように与党系でなければ予算を減らす、もしくは報復的に国の予算を降ろさない状態を続ける、ということは、デモクラシーの根幹を揺るがす大問題です。与党に入れなければ生活を脅かされる、ということになれば、人々は与党に入れるしか選択肢はなくなります。これで健全なデモクラシーと言えるでしょうか。これでは間接的に一党独裁を目指しているとしか思えません。

 

党名に「自由」「民主」とついている政党が懲罰的に野党に入れた有権者が多い場所に対して報復的に予算を下ろさないということであれば、いわゆる自由民主党は党名を変更して不自由独裁志向党とでも改名すべきでしょう。

 

(終わり)







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