古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

カテゴリ: 日本政治

 古村治彦です。

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 昨日、自由民主党の総裁選挙の投開票が実施されました。地方党員票405票、国会議員票405票の行方に注目が集まりました。事前の予想では、国会議員票は安倍晋三氏が8割を固め、更に支持を伸ばす(無派閥や自主投票の派閥を切り崩す)、石破氏は、50票は固めたので、上積みを目指す(できれば20票)、地方票では安倍陣営は、55%は取りたい(もともとは6割以降)とし、石破陣営は150票以上を取り、国会議員票と合わせて200票を目安としたいとしていました。

 

 9月20日午後に投開票が行われ、国会議員票は、安倍氏が329票(約81%)、石破氏が73票(18%)、地方票は、安倍氏が224票(約55%)、石破氏が181票(約45%)を獲得しました。合計は、安倍氏が553票(約68%)、石破氏が254票(約32%)、白票が3票(そのうちの1票は船田元衆議院議員と自ら公表)という結果になりました。

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 この結果について、「安倍氏がダブルスコアで圧勝、石破氏が惨敗、接戦、前線なんてとんでもない」という主張や、「事前の予想よりも石破氏が善戦した。国会議員票は事前予測よりも20票程度増えているし(安倍陣営の出陣式に出た議員数よりも獲得票数は少ない)、地方票はダブルスコアの差ではなかった、200票が目安だったがそれを50以上超えた」という主張が出ています。

 

 安倍陣営としては、今期(2021年9月まで)が最後の任期となるため、できれば圧勝、トリプルスコアかそれ以上で勝利を収めたかったはずです。最後の任期ということで、安部氏の求心力はどうしても低下してしまいます。アメリカ大統領の場合も三選はできないために、二期目の後半は力を失います。これをレイムダック現象と言います。安倍氏にとって最後の残る影響力維持の手段は、後継者指名ということになります。これをうまく使ったのが中曽根康弘元首相です。竹下登、安倍慎太郎、宮澤喜一の「ニューリーダー」たちを競わせて政権を最後まで運営しました。

 

 選挙前から、細田派(安倍派)、麻生派、二階派、岸田派、石原派、竹下派の一部が安倍氏支持を表明したために、勝負の行方は動きようがありませんでした。岸田派を率いる岸田文雄政調会長が安部氏支持を表明するのかどうかが注目されましたが、岸田氏が安倍氏支持を表明したことで、勝負の大勢は決しました。竹下派は竹下亘氏が石破氏支持を表明しましたが、自主投票となったために、分裂状態となりました。

 

 今回の総裁選挙は自民党の派閥の変質が顕著に表れたことです。自民党の派閥と言えば、総理総裁を目指す大物議員が物心両面で子分となる議員たちの面倒を見るというものでした。また、派閥の中には次を狙う若手(プリンス)がおり、協力と対立を繰り返してきました。総裁選挙となれば、次を狙う、次の次を狙うという大派閥の合従連衡があり、ポストを狙う中間派の派閥が誰を支持するかで冷徹な分析を行うということがありました。しかし、現在の派閥の多くは総理総裁を目指さない人物が派閥の長を務め、次の次を目指すプリンス不在状態の派閥が多いというのが現在の状況です。これが安倍一強状態を生み出している原因の一つと言えます。

 

 今回の自民党総裁選挙について、私は1970年の佐藤栄作首相の自民党総裁選四選の故事を思い出していました。宏池会の前尾繁三郎は佐藤四選に協力する代わりに人事で優遇してもらうことを約束して、総裁選挙出馬見送り、佐藤支持に回りました。小派閥を率いる三木武夫は負けることが分かっていながら総裁選挙に出馬しました。結果は、佐藤が当選しましたが、三木も善戦となりました。結果として、前尾は約束を反故にされ、派閥内で不満が高まり、大平正芳に派閥の領袖の座を譲ることになりました。一方、三木武夫は存在感を増し、「三大角福中(三木武夫・大平正芳・田中角栄・福田赳夫・中曽根康弘)」の一角を占める存在になり、後に総理総裁となりました。岸田氏と石破氏の決断が後々どのような結果を生み出すのか興味深いところです。

 

 党員票に目を移すと、47都道府県の中で、山形、茨城、群馬、富山、三重、鳥取、島江、徳島、高知、宮崎で石破氏が安倍氏を上回る得票を得ました。これらの県からは石破氏を支持する代議士が出ていることもあって、このような結果になったものと思われます。議員票で安倍氏が329票(81%、国会議員329名)を得たことを考えると、この329名が必死になって働きかけをしていれば、地方票の55対45という割合は変えられた可能性があります。もしかすると、必死に働きかけを行ってこの数字まで持って行ったということも考えられます。そうなると、安倍陣営が「地方の反乱」と驚愕した理由は分かります。

 

 今回の結果は、安倍氏にとって良かった点もあります。石破氏が善戦したことで、ポスト安倍の競争は厳しいものとなります。今の時点では、石破氏が一番手となります。ポスト安倍を目指して今回は出馬しなかった岸田氏は石破氏の後塵を拝することになります。そうなると、岸田氏にとっては、安倍氏からの後継指名が必要となります。安倍氏から後継指名を得るためには忠勤に励む必要があります。安倍氏は政権の基盤を固めるために、今回の石破氏の善戦を利用することが出来ます。


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 安倍政権の期限が最長で2021年9月までとなりました。この3年間で、改憲が最大のテーマとなります。改憲に関しては協力体制と共に日程も重要になってきます。日程がきつい、余裕がない中で、国民投票を実施することはかなり難しいことになりそうです。安倍政権下での改憲は厳しいということになります。99勝しながら最後の大事な戦いで負けてすべてを失ってしまった項羽のようになることもあるでしょう。憲政史上、最長の期間首相を務めながら、自身が掲げた最大のテーマを実現できなかった首相として退任してもらうことを私は個人的に望んでいます。

 

(貼り付けはじめ)

 

●改憲、険しい道のり=首相本腰も日程窮屈-自民総裁選

 

2018920日 時事通信

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018092000718&g=pol

 

 自民党総裁選で3選を果たした安倍晋三首相は、任期中の憲法改正実現に本腰を入れる構えだ。秋の臨時国会で9条に自衛隊を明記する自民党の条文案を提示し、国会での改憲論議を軌道に乗せたい考えだが、来年は参院選や天皇陛下退位など大型行事が目白押し。国会発議と国民投票を行うには日程が窮屈な上に、他党との協議も難航が予想される。国民的な議論が深まっているわけでもなく、道のりは険しい。

 

 「総裁選の最大の争点だった。結果が出た以上、大きな方針に向かって一致結束して進んでいかなければならない」。首相は20日の新総裁記者会見でこう語り、改めて改憲案提出を目指す考えを示した。

 

 首相は昨年5月、改正憲法の2020年施行を目指すと表明し、党憲法改正推進本部に改憲案のとりまとめを指示。同本部は今年3月、自衛隊の根拠規定追加を柱とする4項目の改憲案について一任を取り付けた。だが、森友・加計学園問題など一連の政権不祥事に野党が抵抗を強め、通常国会では論議は進まなかった。

 

 首相は総裁選で、改憲への機運を高めるため、自衛隊をめぐる違憲論争に「終止符を打とう」などと再三訴えた。改憲を3期目の主要課題に掲げ、求心力を維持する思惑もある。首相と連携する麻生派が8月、来年夏の参院選までの国民投票実施を提言したのもその一環とみられる。

 

 ただ、首相は総裁選で石破茂元幹事長の善戦を許した。石破氏は記者団に、改憲について「スケジュール感ありきでなく丁寧に説明すべきだ」と注文を付けており、条文案提出をにらんだ駆け引きが展開されそうだ。

 

 来年は4月に統一地方選と天皇退位、夏に参院選、10月には消費税増税が予定されている。国民投票には発議から60~180日以内に行うとの規定があるが、3月までは19年度予算案の審議が優先され、改憲論議に求められる「静かな環境」を確保しにくい。参院選の結果、自民、公明両党に日本維新の会などを加えた改憲勢力が発議に必要な3分の2を割り込めば、状況は一層厳しくなる。

 

 首相としては野党第1党の協力も得て進めたい考えだが、立憲民主党の枝野幸男代表は「安倍政権での改憲は阻止する」と公言している。公明党の山口那津男代表も19日の記者会見で「各種世論調査では優先順位は高くない」と慎重姿勢を示した。(2018/09/20-21:05

 

=====

 

●「安倍首相、伸び悩んだ党員票 自民幹部「地方の反乱だ」」

 

与党担当キャップ・佐藤徳仁20189201529

https://www.asahi.com/articles/ASL9N4G34L9NUTFK00T.html?ref=yahoo

 

 自民党総裁選は、安倍晋三首相が石破茂・元幹事長を破り、連続3選を果たした。しかし、国会議員票で8割の支持を得ながら、世論に近いとされる全国の党員らの支持が5割半ばにとどまった。首相陣営から聞こえるのは歓声ではなく、驚き、当惑だ。

 

 今回の総裁選では、派閥がこぞって首相支持を表明し、2012年の政権復帰後に進んだ「安倍一色」に染まる党内状況を反映する展開をたどった。首相陣営は当初、党員票でも国会議員票に匹敵する7割以上の得票を目指した。

 

 ところが、7日の告示以降は、「石破氏が6年前に獲得した55%は超えたい」(陣営事務総長の甘利明・元経済再生相)と予防線を張るようになった。6年前の総裁選は安倍、石破両氏を含む5氏による争いだったため、一騎打ちとなった今回とは比較にならない。55%はかなり低めの目標と受け止められたが、結果はその55%をわずかに上回ったに過ぎなかった。

 

 首相陣営からは「ショックだ」「参院選が心配だ」との声が相次ぎ、自民党幹部は「地方の反乱だ」と語った。

 

 8割を超えた国会議員票でも、両陣営ともに50票台とみてきた石破氏が73票を獲得。表向きは首相支持を表明しながら、逆の投票行動を取った議員が複数いることをうかがわせる結果となった。

 

 来年に統一地方選と参院選を控えるなか、首相の評価をめぐる国会議員と党員の意識のズレは、今後の政権運営の大きな不安定要素となり得る。首相が手にした新たな3年間は、波乱含みのスタートとなる。(与党担当キャップ・佐藤徳仁)

 

=====

 

●「安倍氏、東京・大阪などで上回る 地方票の開票結果」

 

20189201600分 朝日新聞

https://www.asahi.com/articles/ASL9N546XL9NUTFK01M.html?ref=yahoo

 

 自民党総裁選で地方票の開票の結果、石破茂・元幹事長の得票が安倍晋三首相を上回ったのは山形、茨城、群馬、富山、三重、鳥取、島根、徳島、高知、宮崎の10県だった。一方、安倍氏は政権幹部の地元である福岡や神奈川、和歌山のほか、東京、大阪などで石破氏を上回った。

 

      安倍晋三氏   石破茂氏

 

北海道   11711   9819

 

青森県    3480   2517

 

岩手県    2568   2170

 

宮城県    4299   3301

 

秋田県    3229   2843

 

山形県    3172   4402

 

福島県    5209   4368

 

茨城県    9927  13951

 

栃木県    6257   5124

 

群馬県    6802   7847

 

埼玉県   12177  10257

 

千葉県    9131   8238

 

東京都   33351  24110

 

神奈川県  20901  13371

 

新潟県    8880   7384

 

富山県    9452  10685

 

石川県    9161   4936

 

福井県    4786   2791

 

山梨県    6902   5310

 

長野県    5406   5391

 

岐阜県   10955   9630

 

静岡県    9410   6916

 

愛知県   14611  12122

 

三重県    3437   4194

 

滋賀県    4056   2991

 

京都府    5073   3807

 

大阪府   11813   7620

 

兵庫県    8193   7063

 

奈良県    3332   1674

 

和歌山県   8698   2003

 

鳥取県     421   7933

 

島根県    2257   7748

 

岡山県    7060   5218

 

広島県   15095   6171

 

山口県   12488   1760

 

徳島県    2925   3963

 

香川県    6752   4783

 

愛媛県    6945   5581

 

高知県    1499   3778

 

福岡県   10442   5883

 

佐賀県    3343   3149

 

長崎県    7167   4704

 

熊本県    6143   5011

 

大分県    5768   3542

 

宮崎県    3112   4380

 

鹿児島県   5938   4478

 

沖縄県    1753   1086

 

計    355487 286003

 

(自民党本部の発表による)

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 カジノ法案が参院で可決しそうな状況です。不急不要の法案であると思いますが、下に貼り付けた東京新聞の記事はその背景を分かりやすく書いています。簡単に言えば、トランプとシェルドン・アデルソンのためにカジノ法を急いで作らねばならないということです。

 

 ドナルド・トランプ、シェルドン・アデルソン、コーク兄弟というのが2010年代になって、反民主党、反バラク・オバマ大統領を標榜する共和党への大口政治献金を大富豪ということになっていました。その後、2016年の米大統領選挙では、ドナルド・トランプが実際に立候補、シェルドン・アデルソンがトランプ支援、コーク兄弟はトランプに対して批判的という構図となりました。コーク兄弟は自分たちで構築した大富豪たちの大口献金者ネットワークから多くの閣僚をトランプ政権に送り込みました。その代表がマイク・ポンぺオ国務長官であり、ベッツィー・デヴォス教育長官です。

 

 トランプ政権は北朝鮮に対して宥和的な姿勢を取りつつ、イランに対しては強硬な姿勢を取っています。これは、アデルソンが代表するユダヤ系アメリカ人の一部の強硬な姿勢を反映しているものです。アメリカにいるユダヤ人の一部には、実際にイスラエルに住んでいる訳ではないのに、イスラエルに対して「中東諸国に対して強硬な姿勢を取れ」と主張し、そうさせている人々がいます。現在のイスラエル首相ベンジャミン・ネタニヤフがそうした人々の意向を受けて行動しています。トランプの女婿ジャレッド・クシュナーもそうした中に入っています。しかし、北朝鮮に融和的な姿勢を示してしまった以上、イランに対して強硬な、攻撃を辞さないという姿勢を示すことは不合理です。

 

 コーク兄弟はこれまでにもご紹介してきたように、アメリカの海外での戦争には反対ですから、東アジアで戦争が起きることに反対していることは容易に想像できます。ですから、アデルソンとコーク兄弟は奇妙な形ですが、東アジアでの戦争に反対し、トランプとポンぺオはそれに同調したということになります。

 

 彼らの東アジア地域に求めるものは「お金儲けのためのビジネスチャンスと安定した環境」ということになります。

 

 以前の記事でもご紹介しましたが、ドナルド・トランプ大統領は金正恩委員長に対して、北朝鮮の海外線の景観の良さを褒め、「最高級のコンドミニアムを建設すればいい」と発言したということです。北朝鮮では共産主義でありながら、カジノ建設を進めようという動きも出ているようです。清津、羅先の羅津地区、新義州といった中国国境に近い沿岸の都市にカジノ建設の動きがあるようです。

 

 アデルソンたちは中東では商売にならないので、東アジアでの商売を目論んでいるのでしょう。世界における経済成長のセンターは日本を除く東アジアと東南アジア地域です。具体的には中国をはじめ各国で誕生している中間層、ミドルクラス相手に商売をするということ、更には富裕層には資金の逃げ場所を作るということではないかと考えています。

 

 富裕層は北朝鮮という独立国にあるカジノで遊ぶという名目で、多額の資金を持ち込む。カジノで遊ぶ人に資金を貸し付ける名目で外国の金融機関が支店を設ける。そこに口座を開く、貸金庫を借りるなどで資産を国外に逃がすということが横行するのではないかと思います。そして、日本にできるカジノもそのような使われ方をするのではないかと私は考えます。

 

 カジノ法案を急いで可決成立させねばならないのは、アメリカからの圧力もあるでしょうし、日本側としても、東京オリンピック後の観光の目玉としてできるだけ早く準備を進めたいということもあったでしょう。

 

 さて、6月12日の共同宣言によって最終的に勝利を収めたのは中国ということは多くの方が同意なさるのではないかと思います。これで在韓米軍の撤退が始まり、完全に撤退するとなれば、中国としてはだいぶ時間がかかりましたが、アメリカ軍を朝鮮半島から追い落とした、つまり朝鮮戦争で勝利したということになります。

 

 こうなると米軍としてはますます日本に固執することになるでしょう。やりたい放題が出来た上に、自分たちの経費を払ってくれるあほみたいに素晴らしい国である日本を手放すという選択肢はありません。「中国が怖いぞ」「ロシアだって怖いぞ」という恐怖感を煽りながら、日本に居座り続けるでしょう。それで実際に何か起きても助けてくれるという保証はありません。下の記事にもあるように、日本政府に対応しているのは制服の軍人たちで、沖縄返還時にこのことを変えようとした米国務省の動きはとん挫しています。

 

 制服の軍人たちが政府に対応するというのは、満洲国と関東軍の関係とそっくりです。日満関係は関東軍司令長官が駐満州国日本大使、関東庁長官を兼務するといういびつな形でした。日米関係も実はこれと同じということになります。

 

 日本は、カジノでむしり取られ、米軍には居座られる、という最悪の展開になりつつあります。しかし、アメリカの衰退は大きな流れで止めようがありません。日本はアメリカと一緒に衰退していくという運命にありますが、それでもアメリカが衰退すれば、日本に覆いかぶさっていた大きな影響力も小さくなることでしょう。日本がアメリカのくびきから脱する(逆に言えば捨てられる)時の国際情勢を予測しながら、その時に日本はどのような立ち位置を獲得すべきかということをこれから考えることが必要になっていくでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

●IR整備法案 参院内閣委で可決

 

NHK 2018719 1831

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180719/k10011540021000.html

 

カジノを含むIR=統合型リゾート施設の整備法案は、19日午後、参議院内閣委員会で採決が行われ、自民・公明両党と日本維新の会の賛成多数で可決されました。法案は20日、参議院本会議で可決・成立する見通しです。

 

カジノを含むIR整備法案を審議している参議院内閣委員会は、19日の質疑に先立って理事会を開き、与党側は質疑終了後、直ちに採決したいと提案しましたが、野党側は「審議が深まっておらず、時期尚早だ」と主張し、断続的に協議が行われました。

 

その結果、同日午後開かれた理事会で、参議院野党第1党の国民民主党が、付帯決議を行うのであれば、採決するのはやむをえないという考えを示し、19日の委員会で採決を行うことが決まりました。

 

そして、法案の採決が行われた結果、自民・公明両党と日本維新の会の賛成多数で可決されました。

 

法案は施設の整備区域について、当面は全国で3か所までとし、最初の区域認定から7年後に見直すとしているほか、事業者に対してカジノの収益の30%を国に納付することを義務づけています。

 

さらに、カジノに関する規制として、入場料を6000円とし、入場回数は1週間で最大3回、4週間で10回までに制限することや、事業免許を不正に取得した場合の罰則などを盛り込んでいます。

 

19日の委員会では、施設の整備区域数の見直しは、経済効果や治安などの負の影響を検証して慎重に検討することや、ギャンブル依存症対策の実効性を検証し、必要な措置を講じることなど、31の項目を盛り込んだ付帯決議も採択されました。

 

これを受けて、参議院議院運営委員会の理事会は、20日の本会議で、IR整備法案の採決を行うことを決めました。

 

法案は、与党などの賛成多数で、可決・成立する見通しです。

 

自民 藤川氏「災害対応優先の思い受け止める」

 

与党側の筆頭理事を務める自民党の藤川政人氏は記者団に対し、「大変な採決だった。豪雨災害のさなかであり、災害対応を優先すべきだという思いは、われわれも、真摯(しんし)に受け止めなければならない。法案としての完成度が低いという声もあったが、付帯決議の内容を、政府にもしっかり申しつけたい」と述べました。

 

立民 蓮舫氏「急ぐ理由分からない」

 

立憲民主党の蓮舫参議院幹事長は、記者団に対し、「今の国会で無理に強行採決しなくても、次の国会で継続審議にすればいいと思っていたので、急ぐ理由がわからない。優先すべきは人命で、豪雨災害の被災地の対応を急げば、助かる人がいる。安倍政権や自民党と公明党の議員の考えは全く理解できない」と述べました。

 

国民 舟山氏「付帯決議にこだわった」

 

国民民主党の舟山参議院国会対策委員長は記者会見で、「『優先すべきは、豪雨災害の対応だ』という思いはあるが、数の力で強行採決される中、懸念事項を突きつけ、ブレーキをかけることしか野党には出来ないので、付帯決議にこだわった」と述べました。

 

一方、舟山氏は、採決の際に一部の野党議員が、委員長席に詰め寄り、抗議したことについて「委員長席のマイクを奪うことで、採決が無くなり、廃案になるのなら、喜んでやるが、聞き捨てならないようなやじなどの品格を落とす行為は、いくら反対であっても、同じ立法府の人間として、残念に思う」と述べました。

 

 

=====

 

●「カジノ法案にトランプ氏の影 きょう参院審議入り」

 

201876日 朝刊 東京新聞

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201807/CK2018070602000130.html

 

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案は、六日に参院での審議に入る。カジノ解禁を安倍政権が急ぐ背景には、米カジノ業界から支援を受けるトランプ米大統領の影が見え隠れする。ギャンブル依存症の増加など多くの懸念が指摘される法案は結果的に、日本参入を目指す米側の要求が反映された。 (中根政人)

 

 二〇一七年二月十日朝。米首都ワシントンに前夜到着した安倍晋三首相は、米国商業会議所での朝食会に出席した。昼には、前月大統領に就任したばかりのトランプ氏との初めての日米首脳会談を控えていた。

 

 出席した米国のビジネスリーダーは十四人。金融や軍事産業などのほか、米国を代表するカジノ企業トップ三人もいた。今年六月にシンガポールで開かれた米朝首脳会談の前夜、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が視察したカジノ入りの高級ホテル「マリーナベイ・サンズ」などを経営する「ラスベガス・サンズ」会長の「カジノ王」シェルドン・アデルソン氏も含まれていた。

 

 アデルソン氏は、トランプ氏の有力支援者。大統領選で四十億円近い資金援助をし、今秋の中間選挙でも共和党に資金提供を約束していると報じられる。政権の政策にも大きな影響力を持つ。イスラエルのネタニヤフ首相の支援者でもあるユダヤ系で、米大使館のエルサレム移転を歓迎し、費用の寄付も申し出ている。

 

 安倍首相は朝食会でアデルソン氏らを前に、前年十二月に公明党幹部の反対を押し切って強硬に成立させたカジノを含むIR整備推進法が施行されたことを「手土産」にアピールした。

 

 「IRは観光立国を目指す日本にとって有益だ」「IRへの社会的懸念など課題解決に貢献したい」。米側が日本進出への意欲を口々に語った様子を、首相自身が今年六月の国会で紹介。ただ、朝食会から三時間後のトランプ氏との首脳会談では、カジノの話題は一切出なかったと答弁した。

 

 アデルソン氏は一七年九月、カジノ誘致を目指す大阪府庁を訪問。記者団にIRの採算が取れなくなると強調、カジノに厳しい面積規制を導入しないよう求めている。

 

 「在日米国商工会議所」も昨年、意見書を公表。カジノ客への金融サービス実施や面積規制の緩和も求めた。その後、政府案に当初盛り込まれていた面積の上限の数値は消え、カジノ事業者が顧客に賭け金を貸し出すことも認めた。米側の要求と一致したと国会でも指摘されたが、政府は日本の政策判断だと強調する。

 

 だが、立憲民主党の枝野幸男代表は「米国カジノ業者が子会社をつくり運営し、日本人がギャンブルで損した金を米国に貢ぐ。国を売る話だ」と厳しく批判している。

 

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●「軍主導の日米合同委見直し提起 72年に米大使、米軍抵抗で頓挫」

 

201813 06:30

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-640527.html

 

日米合同委員会 米軍 日本復帰 沖縄 米国務省 日米地位協定

 

 1972年5月の沖縄の日本復帰を節目として、在日米大使館が同月、「占領期に築かれた異常な関係が存在する」として、日米合同委員会の体制見直しを米国務省に提起していたことが、機密指定を解禁された米公文書で分かった。日米合同委は米軍駐留の条件を定めた日米地位協定の運用を協議する機関。国務省側も提案を支持したが、米軍の抵抗に遭い、軍部主導の枠組みは温存された。大使館の提案は、在日米軍副司令官が合同委の米側代表を務める枠組みを変える内容。日本側は全ての委員を文民が占めていることから、米側も代表権を大使館の公使に移し、米軍は技術的見地から大使館側を「補佐」する内容を提起していた。

 

沖縄の日本復帰を機に日米合同委員会の米側代表者を軍部から大使館に移すべきだと米国務省に報告する在日米大使館発の「秘密」扱いの公電

 

 合同委では現在、米側が代表者をはじめ委員6人のうち5人を軍人が占めている。日米間の協議の場で「軍の論理」が最優先されていると指摘されてきたが、米政府の内部からも軍部主導の運営に批判が上がっていたことになる。

 

 在日米軍の2002年7月31日付の通知は、在日米軍副司令官は合同委で「米国防総省や米軍のみならず、米政府全体を代表する立場にある」と明記している。さらに合同委の場で「米側を代表する発言または行動を認められた唯一の人物」と位置付けており、現在も米軍が強大な権限を持っていることを示している。

 

 72年5月にインガソル駐日米大使が国務省に宛てた秘密扱いの公電は「沖縄返還を機に合同委の在り方を再検討する必要がある。制服の軍人が日本政府と直接やりとりし、大使館は対応方針に異論を唱える余地がない状況になるまで素通りされている」と不満を示し、見直しを提起した。

 

 これを受けた同じ5月の国務省の秘密扱いの返信は「合同委員会の枠組みは他の多くの国におけるものと整合せず、現在の日本の状況下では正当化できない」と大使館に賛同した。

 

 だが米太平洋軍や在日米軍が「軍の柔軟性や即応性を維持する必要がある」「合同委員会はうまく機能しており、日本側から変更を求める兆候もない」などと抵抗したことが、72年6月の米大使館発「秘密」公電に記録されている。

 

 これに対し大使館は72年6月の「関係者限り」の文書で「占領期に築かれた、軍部と背広組が直接やりとりする異常な関係だ」と現行の枠組みを批判した。その上で「安全保障を巡る日本との関係は経済や政治的側面に影響されるようになった」とし、大使館への代表権の移管を求めた。

 

 だが72年8月の米大使館発公文書は、大使館の公使を在日米軍副司令官に次ぐ「代表代理」に任命し、また政治的に敏感な問題に関する情報を早めに提供するなど、米側内部の運用を変更する形で大使館と米軍の交渉が最終的に決着した経緯を記している。

 

 在日米大使館発の公電は米国立公文書館所蔵。(座波幸代本紙ワシントン特派員、島袋良太)

 

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●「対米従属の極み ポンコツ兵器押し売りにダンマリの日本」

 

2018217日 日刊ゲンダイ

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/223397/1

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/223397/2

 

 ヤクザにたかられる“カモ”と一緒である。日本政府が米国から「イージス・アショア」や戦闘機などの防衛装備品を購入する「有償軍事援助」(FMS)をめぐり、改めてその問題が浮き彫りとなった。

 

 FMSは「価格および納期は米政府の見積もり」「代金前払い」「米国側から契約解除可能」――など、米国側にとって極めて都合のいい条件が設定されている。その上、代金を支払った分の装備品も注文通りに納入されているわけではないから驚きだ。

 

 会計検査院の調べによると、納入された装備品のうち「不具合」が見つかったのは、2005年度~16年度で107件、金額で約2300億円にも上る。01年度、03年度~11年度、13年度では、米国から送付されてくる装備品の金額を掲載した「計算書」と、実際に日本側が受け取った「受領検査調書」の内容が一致しないケースが64件、約671億円あった。

 

14日の衆院予算委でも無所属の会の原口一博議員が「トランプ米大統領に『日本はあなたの財布じゃない』と言いたい。米国のずさんな管理で現場が苦労している」と安倍首相に迫ったのも当然だ。

 

 FMSをめぐっては、前払い金と実際の購入費用の差額である「余剰金」について、米国からの返還が滞っている上、昨年度の「未精算額」が約623億円、「未納入額」が約189億円に上る。こうした数百億円ものカネが毎年、米国の精算手続きの遅れから宙に浮いたまま。米国から見れば、契約段階で言い値のカネを支払う日本は“カモ”だが、不良品をつかまされる現場の自衛隊員はたまったもんじゃない。元外交官の天木直人氏がこう言う。

 

「多額の税金が装備品の購入に費やされ、その上、ポンコツ品を買わされている現状は、深刻ですよ。日本は米軍基地の負担や武器購入などで多額のカネを払っているにもかかわらず、トランプ大統領は日本を『ドロボー』呼ばわり。それでも、安倍政権は何ら抗議することなく唯々諾々と従っている。対米従属ここに極まれり、です」

 

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●「米軍に国内法が原則適用されず 独伊と差」

 

毎日新聞2018418 0119(最終更新 418 0227)

https://mainichi.jp/articles/20180418/k00/00m/010/166000c?fm=mnm

 

 相次ぐ米軍機の事故やトラブルで、在日米軍の権利などを定めた日米地位協定が改めて注目されている。米軍が特権的に振る舞う根拠となっている協定の改定を求める沖縄県は、日本と同じく第二次大戦の敗戦国であるドイツとイタリアの地位協定を調査した。その結果、不平等な協定に甘んじる日本の特異性が浮き彫りになった。

 

 沖縄県知事公室の職員3人が2月上旬、米空軍基地がある両国の4市町を訪問し、首長らへの聞き取り調査を実施。報告書を3月末に公表した。

 

 ドイツ南西部、在欧州米空軍司令部が置かれるラムシュタイン基地。米軍にもドイツの航空法が適用され、午後10時~午前6時は原則として飛行が制限される。基地内にドイツの警官2人が常駐して警察権を行使するほか、「騒音軽減委員会」が設置されている。

 

 同委には米軍司令官や周辺5自治体の首長、市民団体の代表者ら20人以上が参加し、米軍から深夜・早朝の航空機の離着陸回数などのデータが報告される。地元市長は沖縄県の調査に「米軍の騒音軽減の取り組みにはポジティブな印象を持っている」と語った。

 

 ドイツは駐留米軍の訓練・演習について許可・承認する権限も持つ。沖縄県の担当者は「米軍から自治体への飛行データの提供など沖縄では考えられない。日本では国にも提供されていないのではないか」と運用の格差に驚く。

 

 イタリアでは米軍基地はイタリア軍が管理し、同軍司令官が常駐している。北部の米空軍アビアノ基地があるアビアノ市副市長によると、イタリア航空法令が米軍に適用され、州レベルで地域委員会を設置。自治体の要望によって飛行ルートも変更されるという。

 

 両国とも、駐留当初から米軍が同様に対応していたわけではない。ドイツは1993年まで3回にわたって米国などとのボン補足協定を改定し、米軍基地がドイツの主権下にあることを明確化した。イタリアでは98年、米軍機がロープウエーのケーブルを切断して乗客ら20人が死亡した事故を機に、米軍機への規制を大幅に強化した。ランベルト・ディーニ元伊首相は沖縄県の調査に対し「ここはイタリアだ。米軍の全活動にはイタリア軍司令官の許可がいる」と言い切った。

 

 防衛問題に詳しいジャーナリストの布施祐仁さんは「地方自治体が他国の地位協定を現地調査したのは初めてだろう。本来は国が調べて公表すべき問題だ」と語った。

 

「騒音違反」も日本では常態

 

 これに対し、日米地位協定では原則、米軍に国内法が適用されない。航空法は地上の人や物、航空機の安全を確保するため最低安全高度(市街地300メートル)を定めているが、米軍機は対象外だ。政府には米軍の訓練・演習を規制する権限もない。全国の米軍専用施設の約7割が集中する沖縄では、騒音軽減のための日米合意さえも守られない状況が常態化している。

 

 96年、日米両政府は嘉手納基地(嘉手納町など)と普天間飛行場(宜野湾市)について、午後10時~午前6時の飛行を原則として制限する航空機騒音規制措置(騒音防止協定)に合意した。だが、防衛省沖縄防衛局の目視調査では、2017年度(今年2月末現在)の飛行制限時間帯の離着陸などの回数は1420回に上る。嘉手納町では騒音などへの住民の苦情件数が同期間で940件もあり、既に前年度の3.6倍に達している。町によると、最新鋭ステルス戦闘機F35A12機が嘉手納基地に暫定配備された昨年11月以降、苦情が激増している。町基地渉外課の我謝(がじゃ)治彦課長は「寝静まっている時間帯に米軍機が飛ぶことに住民は不満を抱いている。米軍へ抗議しても状況は変わらない」と話す。

 

 被害は沖縄だけにとどまらない。県西部の上空に米軍の訓練空域がある広島県。同県がまとめた17年度上半期の低空飛行訓練の目撃情報は814件で、4年ぶりに800件を超えた。うち8割近くは県西部の北広島町に集中。県などは中国四国防衛局に対応を申し入れているが、「訓練している部隊名を聞いても『承知していない』としゃくし定規の回答しかない」(美濃孝二町議)という。

 

 沖縄国際大の前泊博盛教授(基地経済論)は「対等な地位協定は民主主義を実現するための試金石だが、日本は主権国家の体を成していない。ドイツとイタリアは国民の安全や権利を踏まえて政府が米軍側と交渉しており、物言わぬ日本政府とは対照的だ」と批判。布施さんは「沖縄県の調査で、米軍の主権侵害とも言える日本の異常さが明確になった。憲法改正より先に地位協定の改定に取り組むべきだ」と語った。【福永方人、遠藤孝康】

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


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金儲けの精神をユダヤ思想に学ぶ (祥伝社新書)

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今の巨大中国は日本が作った


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真実の西郷隆盛
 

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迫りくる大暴落と戦争〝刺激〟経済
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 古村治彦です。

 

 安倍晋三首相が17日からアメリカを訪問し、フロリダでドナルド・トランプ大統領とゴルフをします。ついでに首脳会談もちょこっと行われるようです。安倍昭恵夫人、柳瀬唯夫経済産業審議官(元首相秘書官で加計学園問題の渦中にある)も同行するようです。逃避行か何かなんでしょうか。それともこれから大変だから少し羽を伸ばしてリフレッシュしなさいということでしょうか。

 

 安倍首相は世界の指導者の中で初めて当選直後のドナルド・トランプ大統領と直接面会し、それ以来、「蜜月関係」を築いてきたということになっています。他国の指導者が安倍首相にトランプ大統領との関係構築に関して助言を求めたという話は初耳でした。

 

 しかし、両者の蜜月関係は終わりを迎えつつあると記事では述べています。日本は北朝鮮に圧力をかける、「対話のための対話は意味がない」という強硬路線を堅持しています。韓国は北朝鮮との直接対話を志向しています。そして、アメリカは強硬路線、具体的には経済制裁を維持しながらも、トランプ大統領が金正恩委員長に直接会うということを発表しました。これで日本側のメンツが潰れてしまった、朝鮮半島をめぐる多国間交渉から排除されることになるという分析があります。

 

 これに加えて、鉄鋼とアルミニウム輸入に対する関税も安倍首相とトランプ大統領の関係を悪化させるものだと記事では述べています。関税の一時的な免除の対象国に日本は含まれず、また、トランプ大統領は安倍首相を友人で良い人物だと言いながらも、「アメリカをこれまでうまく利用してきたが、今後はそんな訳にはいかない、安倍首相と日本政府関係者の顔から笑顔が消えるだろう」と述べました。

 

 鉄鋼とアルミニウム関税についてですが、アメリカの輸入に占める日本産品の割合は高くないので、これらの製品についてはあまり影響が大きくありません。問題はこの関税をアメリカ側が利用して、別の条件を日本に呑ませるのではないか、撒き餌みたいなものではないかということです。

 

 トランプ大統領のやり方は相手の意表を突くというものですから、厳しい態度を見せておいて、実際には相手にも少しは利益があるような結果に落とし込む、もしくは逆のこともある、と考えられます。今回の日米首脳会談では日本の北朝鮮への強硬姿勢を評価しながら、安倍首相にお世辞的な言辞を与え、貿易問題の交渉で日本側に何らかの譲歩を迫るものと思われますが、日本側が譲歩できることがあるのか、ということは疑問です。また、拉致問題についてアメリカ側にも助力を求めるとなるでしょうが、これはただという訳にはいきません。

 

 安倍首相とトランプ大統領との関係が蜜月というのは恐らくゴルフ仲間としてであって、国際関係においては無条件の友情というのは存在せず、お互いに利用し利用されるという関係しかありません。日本は利用するよりも利用されるばかりで、利用するということができない、というのは悲しい属国の姿なのでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

週末のマーラゴ訪問はトランプ・安倍関係を救うことが出来るか?(Can a Weekend at Mar-a-Lago Rescue the Trump-Abe Relationship?

―日本の安倍晋三首相とアメリカのドナルド・トランプ大統領との間の蜜月関係は機能した、ある一時期に。

 

エミリー・タムキン、ダン・デルース筆

2018年4月13日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2018/04/13/can-a-weekend-at-mar-a-lago-rescue-the-trump-abe-relationship-japan-trade-tariffs-north-korea-nuclear-abductees/

 

米朝首脳会談が実現するかもしれないという話で驚かされ、貿易に関して非難されたが、日本の安倍晋三首相は次週フロリダを訪問し、ドナルド・トランプと会談する。安倍首相はトランプ大統領と築いた緊密な関係を維持できるのかどうかを見極めるためにも訪米する。

 

安倍首相の訪米はトランプ大統領との関係におけるターニングポイントとなる。安倍首相のトランプ大統領との関係は、政治的経験に乏しく、短気な大東柳雄との会話を成功させたいという他国の指導者にとってはモデルとなってきた。しかし、トランプ大統領が北朝鮮の独裁者と直接会談を持つというニュース、更にはトランプ大統領が最近のツイートで貿易に関して日本はアメリカをずるく利用してきたと述べたことで、両者の関係が蜜月であることに完全に油断していた日本は大きなショックを受けた。安倍首相はせっかくの好スタートを切りながら完全に失速してしまったかのよう見える。

 

スタートから、安倍首相はトランプ大統領との関係を構築しようと大胆な賭けに出て、成功したように思われた。安倍首相は2016年のアメリカ大統領選挙後に初めてトランプと直接面会した最初の外国の指導者となった。トランプが当選して1週間後にトランプタワーを訪問し、トランプと対面した。その後、2017年2月にはマーラゴを訪問し、トランプと会談を行った。両者を結び付けたのはゴルフで、この時にプロゴルファーのアーニー・エルスを交えて一緒にゴルフをプレーした。

 

昨年の安倍首相とトランプ大統領の関係について、ジョンズホプキンズ大学SAIS付属ライシャワー記念東アジア研究センターの研究員ダニエル・ボブは次のように語っている。「日本側は安倍首相がトランプ大統領と個人レヴェルで親しくなったことを喜んだと思う。世界の指導者の多くが安倍首相がトランプといかにして話をして、親しくなるかという方法を示したということで驚き、かつ肯定的に評価をした」。

 

ボブによれば、ヨーロッパのある国の首脳が安倍首相に電話をかけて助言を求めたということだ。この電話は安倍首相の訪問中にされたということだ。この時、安倍首相は、トランプ大統領をのせて、話題を絞り、同じ話題を繰り返す、という助言を行った。

 

昨年のフロリダ訪問の期間中、北朝鮮はミサイル実験を実行した。この時、安倍首相は自分が大統領の隣にいて非常に影響力がある立場にあると考えた。

 

外交評議会日本研究担当上級研究員のシーラ・スミスは「安倍首相がトランプ大統領と夕食を共にしている時に北朝鮮がミサイル実験を行ったという偶然の好機は、北朝鮮に関する議論において日本が影響力を発揮できる力を与えた」と述べている。この当時、韓国は国内の政治危機に忙殺されていた。

 

安倍首相とトランプ大統領の関係は当時の駐米日本大使の佐々江賢一郎の力も大きい。アメリカ国務省の高官たちとは異なり、佐々江はトランプ陣営を無視することなく、トランプ陣営の幹部や支持者たちとのコンタクトを絶やさなかった。

 

大統領選挙以降、日本政府の公式の説明では、安倍首相とトランプ大統領の間で20回の電話会談と6回の直接会談が行われた。1回目の電話会談と1回目の直接会談はトランプが正式に大統領に就任する前に行われた。

 

しかし、このような緊密な関係に綻びが目立ちつつある。トランプ大統領の北朝鮮との直接交渉を行うという決断は、北朝鮮政府が分裂を利用することを防ぐために、アメリカ、日本、韓国は一致して対処するという長年にわたって堅持してきた原理に反するものだ。しかし、最近の様々な出来事の結果、北朝鮮は米日韓の間にくさびを打ち込む機会を得た。そして、朝鮮半島に関する多国間交渉で日本を排除できる可能性が高まった。

 

バラク・オバマ政権でアジア政策に関与したエヴァン・メデイロスは次のように語っている。「日本は冷たい風の中に取り残されつつある。トランプ大統領は北朝鮮との直接交渉という決断を日本に相談することなく行った」。

 

「日本のより強硬な姿勢を受けて、北朝鮮は中国、韓国、アメリカを含む多国間交渉を促進することになるだろう。これでロシアと日本は外されることになる」とメデイロスは述べている。メデイロスは現在ユーラシア・グループの上級部長を務めている。

 

韓国の文在寅大統領は北朝鮮との外交交渉実現のために力を尽くしているが、日本政府は直接交渉に関しては懸念を持ったままだ。

 

ワシントンにある在アメリカ日本大使館の広報担当の島田丈裕公使は次のように述べている。「安倍首相自身は対話のための対話は何の意味もないと繰り返し述べている。私たちは金正恩の真の意図を監視し、研究したいと考えている」。

 

日本政府の高官たちはこれまで、いくつかの条件が満たされない限り、北朝鮮との交渉は望まないと繰り返し強調してきた。一方、アメリカ政府高官たちは、トランプ政権は韓国政府、日本政府と北朝鮮外交に関して定期的に意見交換をしていると述べている。

 

トランプ政権のある幹部は「アメリカと同盟国日本は北朝鮮に対する統一的な対応をするために緊密に協力を行っている」と述べた。

 

北朝鮮に対する姿勢の相違に加え、日本はアメリカ政府が課す鉄鋼関税にも直面している。先月、関税について発表した後、トランプ大統領はEUと韓国やそのほかの同盟国を含む6か国については関税を一時免除したが、日本には適用しなかった。

 

日本の産業界の指導者たちは、アメリカ政府は鉄鋼とアルミニウムの関税を交渉材料にして、より広範な貿易交渉を行おうとしてくると確信していると述べている。

 

日本からの鉄鋼に関税をかけるという決定が安倍首相との関係を悪化させるという主張について、トランプ大統領は否定した。トランプ大統領は関税に関する覚書に署名を行う際に次のように述べた。「日本の安倍首相を日本政府高官たちと私は話をする。安倍首相は素晴らしい人物で、私の友人だ。彼らの顔に笑顔が浮かぶことはほとんどないだろう。彼らが浮かべる笑顔は“なんてことだ、もうアメリカをうまく利用できなくなってしまうなんて信じられない”ということを意味するものになる。アメリカを騙してきた日々は終わりだ」。

 

トランプのコメントはあったが、北朝鮮に対する姿勢の違いと貿易問題は米日同盟を傷つけるものになる。特に安倍首相のトランプ大統領に対する影響力は消えつつあるように思われる。

 

カーネギー研究所アジアプログラムの上級研究員のジェイムズ・ショフは本紙の取材に対して次のように答えた。「時間が浪費された。トランプ大統領との間で安定した関係を維持している人物はほぼいないように思われる。ある意味で、これは避けられないことなのだ」。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


※私の仲間である石井利明さんのデビュー作『福澤諭吉フリーメイソン論』が2018年4月16日に刊行されます。大変充実した内容になっています。よろしくお願いいたします。

fukuzawayukichicover001
(仮)福澤諭吉 フリーメイソン論

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 古村治彦です。

 

 JR東海によるリニア中央新幹線計画が進んでいます。早速、「入札談合」事件が起きました。総額9兆円という莫大な資金が動くプロジェクトで、安倍政権も力を入れて、財政投融資として3兆円が貸し付けられるということになっています。そうならば大小さまざまな人や企業が群がってそれを食い物にしようと考えるのは当然のことでしょう。

 

 JR東海、日本政府はともにリニア中央新幹線計画を前倒しで、少しでも早く実現しようと躍起になっています。これは、リニア技術をインフラ輸出の目玉としたいという思惑があるのでしょう。原発輸出は何かと批判が大きいですが、このような交通インフラであればそこまで批判を浴びることはありません。

 

 このようなインフラ技術を輸出するためには、実際に運用してみて(できるだけ条件の厳しい場所や状況で)、それで実績を見せる必要があります。日本のように山がちの複雑な地形で、きちんと運用できれば、それは大きなセールスポイントになります。東京から大阪までつなぐというのは大都市圏と地方、山がちな場所と言った場所での工事のデータや運用データが得られるという点でメリットがあります。

 

 新幹線技術とリニア技術の海外輸出ですが、これはアメリカにマージンが流れる構造になっています。JR東海(英語名はJR Central)とアメリカのUS-Japan High Speed Rail社とUS-Japan Maglev社との間で提携契約を結んでいます。以下のアドレス先をお読みください。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「2010年1月25日 高速鉄道の海外事業展開について」

https://jr-central.co.jp/news/release/nws000450.html

 

●「(別紙)USJHSRおよびUSJMAGLEVについて」

https://jr-central.co.jp/news/release/_pdf/000007101.pdf

 

(貼り付け終わり)

 

「別紙」の中で、重要な分がありました。それらは以下の通りです。「USJHSRは、JR東海の世界レベルの技術を米国含めた海外市場に販売促進する独占的権利を有している」「USJMAGLEVは、JR東海の世界レベルの技術を米国含めた海外市場に販売促進する独占的権利を有している」。

 

 JR東海が新幹線技術とリニア技術を輸出する際に販売促進の独占的権利をアメリカの会社が握っているということです。JR東海が輸出する際に、これらの会社にお金が流れることになります。

 

 昨年、私は『ザ・フナイ』誌上で短期連載をさせていただきましたが、このことについて詳しく紹介しました。『ザ・フナイ』2017年7月号(ザ・フナイ 2017年 07 月号)と8月号(ザ・フナイ 2017年 08 月号 [雑誌])をお読みください。


 国策で急いでリニア中央新幹線計画を進めて、運用実績を作って、輸出をしてアメリカを儲けさせる、ということがあり、そのために資金を投入している、というのが属国日本の姿ということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

3兆円融資は忖度か リニア「国策化」の怪しいプロセス

 

201817日 日刊ゲンダイ

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/220745/1

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/220745/2

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/220745/3

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/220745/4

 

 東京地検特捜部が全容解明に向けて捜査を進めている「リニア疑惑」事件が今年、本番を迎える。総工費9兆円の巨大プロジェクトを巡る疑惑には、単なる「入札談合」では片づけられない「闇」が横たわっている。どう考えたって安倍政権のヨコシマな思惑への忖度がはたらいたとしか思えない――。そんな構図が浮かび上がってくるのだ。

 

 そもそもリニア中央新幹線の建設計画は、JR東海が全額自己負担を原則に進めてきた。政府もリニア計画に長年距離を置いてきたが、安倍政権がくちばしを入れ始めたのは、国が着工を許可した2014年のこと。

 

「JR東海が自力で行うとしていることも勘案しつつ、要望を受けて対応を考えていきたい」

 

 当時、世耕弘成官房副長官は、関西経済連合会のリニア新幹線「国家プロジェクト化」と「大阪・名古屋同時開業要望」に対し、そう語っていた。

 

「リニア大阪延伸の前倒しは関西財界の悲願でした。その意向を受けて積極的に“ロビー活動”を進めたのが、松井一郎大阪府知事であり、大阪市長時代の橋下徹氏です。2人は安倍首相と菅官房長官と定期的に会食する仲。その席でもリニア前倒しの話題を何度も伝えていたようです」(関西政界関係者)

 

 リニア大阪延伸の前倒しを決断したのは、ほかならぬ安倍首相だ。16年6月の「骨太の方針」の中で、国が低利で資金を貸し出す「財政投融資」を活用した財政支援を表明。さらに自民党は同年7月の参院選公約に、リニア大阪延伸の前倒しや整備新幹線の建設などのため、官民合わせて「5年で30兆円」の資金を投じることを掲げた。

 

 加えて同年11月には法改正し、リニア建設に財政投融資を活用できるようにした。その結果、すでに約3兆円がJR東海に貸し出され、大阪までの全線開通時期を当初計画の2045年から最短で8年前倒しされることになった。

 

■維新の要望の見返りに……

 

 安倍政権が横から口を挟み、成長戦略に取り入れたことで、リニア計画は文字通り「国家プロジェクト」に格上げされたのだ。政府が静観していたはずの民間の事業が、なぜ「国策」に格上げされ、法をねじ曲げてまで3兆円の国費を投じたのか。ここに、政権の意向をくんだ官邸や国交省などの「忖度」がはたらく余地がありそうなのだ。

 

「安倍政権が巨額の国費を貸し付けてまで、リニア大阪延伸の前倒しにこだわるのは、まず日本維新の会を味方につけたいためでしょう。リニアを含め、『大阪万博誘致』『大阪・夢洲のカジノ計画』という維新が公約に掲げた3点セットを支援する見返りに、政権運営で維新の協力を引き出す思惑です。事実、維新は与野党対立法案に軒並み賛成し、もはや政権の補完勢力です。9条改憲に公明党が難色を示す中、安倍政権と維新の蜜月はますます深まりそうです」(政界関係者)

 

リニア建設は南アルプスの巨大トンネルなど難工事が目白押し。ただでさえ建設業界全体が土木技術者の人手不足に悩まされる中、国がムリを重ねて工期まで縮小すれば、現場は地獄の苦しみである。もはや大手ゼネコンのキャパシティーさえ超え、業界関係者からは「限られた工期、対応できる業者の少なさ、工事の安心・安全などを考えれば、業者間の調整も仕方がない」という開き直った声も聞こえる。安倍首相のヨコシマなリニア国策化が談合の温床を生み出してもいるのだ。

 

 特捜部も野党も大手メディアも、「リニアの闇」に鋭いメスを入れるべきである。

 

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(終わり)







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 古村治彦です。

 

 今回は少し遅くなりましたが、ヘリテージ財団のブルース・クリングナー上級研究員による先月の総選挙の結果に関する分析をご紹介します。

 

 クリングナーの分析を要約すると次のようになります。総選挙の結果、何も変化がなく、現状維持となり、安倍晋三政権が続投となった。良いタイミングで選挙ができたが、これは小池百合子東京都知事が失速したからである。アメリカにとって安倍晋三首相の勝利は歓迎すべきものであった。安倍首相は日本の海外における軍事的役割の増大を追求し、それに向けた改革を行っている。しかし、日本国民の抵抗もあって改憲は難しいと思われる。安倍政権は日米間の二国間の経済協力に関する合意でドナルド・トランプ大統領との関係を良好なものとしている。

 

 今回のトランプ大統領のアジア歴訪は日本から始まりました。日本では霞が関カンツリーでのゴルフとハンバーガーの昼食、ピコ太郎を招いた夕食会などが話題になりました。トランプ大統領は日本に対して対米貿易黒字(アメリカ側から見れば対日貿易赤字)の解消を迫る、そのために「日本の自動車会社にアメリカで自動車を作ってもらいたい」「日本の安全のために、アメリカから大量に武器を購入してもらいたい」と述べました。アメリカ大統領がここまで露骨に「武器のセールスマン」「死の商人」になったのは初めてのことでしょう。

 

 アメリカの貿易赤字の約半分は対中国で、対日は10%です。これも大きな数字ですが、1980年代の時の貿易戦争の時とは違います。それでも更なる貿易赤字縮小を目指して、アメリカの製品を買うように求めていますが、アメリカ製で日本が必要とするものは、農産物と武器くらいのものです。そして、アジア地域で不安定が続く限り日本は永久にアメリカから武器を買い続けなければなりません。そのような状態を脱するためには、アジア地域の安定を自分たちで実現することが必要ですが、そのように動けば邪魔をしてくるのがアメリカです。

 

 属国の悲哀、それをまた今回のトランプ大統領訪日でも痛感させられました。

 

(貼り付けはじめ)

 

日本の選挙結果がアメリカと東アジア地域に持つ意味(What Japan’s Election Outcome Means for the U.S., East Asia

 

「ヘリテージ財団」

2017年10月24日

ブルース・クリングナー(Bruce Klingner、北東アジア担当上級フェロー)

http://www.heritage.org/asia/commentary/what-japans-election-outcome-means-the-us-east-asia

 

●要点(KEY TAKEAWAYS

 

1.日本から遠く離れたアメリカからの視点からすると、日曜日に投開票された日本の総選挙は何も変化が起きなかった。

 

2.安倍首相の選挙の勝利は印象的なもので、日本の外交政策と安全保障政策にほぼ変化はないであろうが、選挙の結果はアメリカにとってありがたく、素晴らしいものであった。

 

3.アメリカは、固い決心を持つ日本の指導者安倍晋三氏の政権が継続することを歓迎する。安倍首相は北朝鮮に対する圧力を強めるうえで緊密なパートナーとしてやってきた。

 

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日本から遠く離れたアメリカからの視点からすると、日曜日に投開票された日本の総選挙は何も変化もなかった

 

日本の指導者は政権を維持し、与党は議会の絶対的過半数を維持し、日本の諸政策には何の変化も起きないだろう。

 

日本の有権者は現状維持の継続を選択した。しっかりとした経済成長の道筋を変更させたり、北朝鮮の脅威がこれまでになく高まっている中で試練を経ていない人物を新しい指導者に選んだりといったリスクを避けたのだ。

 

これは安倍晋三首相の支持者たちに安堵をもたらすことになるだろう。安倍首相の解散総選挙の決断は当初拙かったと考えられていたからだ。

 

安倍氏は今年初めから支持率の低下に苦しんでいた。それは、汚職に関する一連のスキャンダルと海外における日本の軍事的役割の拡大を許容するための憲法の変更を追求することが理由であった。

 

北朝鮮の好戦的な態度に対して安倍首相は決然とした態度を取っている。安倍首相は北朝鮮の核兵器とミサイル能力を向上させていることに対してより強力な手段を取ることを主張している。これによって支持率は改善しつつある。

 

安倍首相は、後ではなくこのタイミングで解散することはリスクが低いという結論を出した。このタイミングを逃すと支持率はさらに下がり、野党に共闘体制を築く更なる時間を与えることになった。

 

選挙に先立ち、小池百合子東京都知事は新党の創設を発表した。新党は与党と安倍氏に対する大きな挑戦として姿を現した。小池氏は次の選挙で総理大臣になる可能性があるとまで語られていた。

 

しかし、小池氏の輝きはすぐに消え去った。小池氏は選挙の結果を受けて、「今回の結果は完敗であるということを明確に述べたいと思います」という声明を発表した。

 

安倍首相の選挙の勝利は印象的なもので、日本の外交政策と安全保障政策にほぼ変化はないであろうが、選挙の結果はアメリカにとって素晴らしいものであった。安倍氏が長期政権を維持していることで安定をもたらしている。安倍首相以前の最近の首相は短期で後退していたので、安倍首相の長期政権は歓迎されている。

 

安倍首相は、国連安全保障理事会の決議を継続的に違反している北朝鮮に対しての圧力を高めることを信念固く主張し続けている。

 

日本は、北朝鮮が軍事力を増強し、日本政府が朝鮮半島有事の際にアメリカを炎暑するならば核兵器を使用すると繰り返し脅迫をしていることに対して、深刻な懸念を持っている。

 

北朝鮮は日本を飛び越えるミサイルを複数回発射した。これに対して日本は何もしなかった。これはこれまでと同じ対応だ。北朝鮮のミサイル発射によって日本においてミサイル防衛に関する議論が促進された。

 

安倍首相は防衛に対して様々な改革を行っている。これによって国際的な安全保障上の問題に対して日本の役割を拡大することができるようになった。これまでの防衛改革の中で最も素晴らしいものは集団的自衛政策を採用し、日本を防衛する米軍を日本が防衛することができるようになったことだ。

 

更に進めて、安倍首相は第二次世界大戦後の平和憲法を見直すための選挙を求めることになるだろう。しかし、改憲に対しては政治の世界と一般の人々の間に根強い反対があり、安倍首相はそれに直面している。安倍首相は彼が作り出した新たな現状維持を成文化させたいと思っているのか、それとも日本の海外での軍事的役割の拡大を追求したいと思っているのかは明確ではない。

 

安倍首相は、日本の人々の過半数がこのような変化に抵抗しているので、彼の意向に反して、大きな変化をもたらすことはできないだろうと思われる。

 

日本の近隣諸国もまた日本の海外における安全保障に関する役割が増大していることに懸念を持っている。これらの国々は日本の軍国主義的な過去が復活することに恐怖感を持っている。しかしながら、そのような恐怖感は、太平洋戦争後の日本の安全保障に対する姿勢に関する誤解から生じている。

 

北朝鮮がもたらす安全保障上の脅威は深刻化している。これに対して日本と韓国はより緊密に協力するようになっている。北朝鮮の脅威によって、両国は過去に関する論争を止め、現在の脅威を最重要課題とするようになっている。

 

安倍首相はドナルド・トランプ大統領と個人的、職務上の強固な関係を構築している。安倍氏は他の世界の指導者よりも緊密な関係をトランプ大統領と構築している。トランプは長年にわたり日本の制限された安全保障上の役割と貿易慣習に対して批判してきた。安倍首相はトランプ大統領からの批判を乗り越えることができた。安倍首相はアメリカの雇用と輸出を生み出す、大胆な内容の二国間の経済合意を提案した。これで批判をかわすことができた。

 

マイク・ペンス副大統領と麻生太郎副総理が主導した合意は、エネルギー分野と社会資本(インフラ)部門における協力を推進するというものだ。

 

アメリカは、固い決心を持つ日本の指導者安倍晋三氏の政権が継続することを歓迎する。安倍首相は北朝鮮に対する圧力を強めるうえで緊密なパートナーとしてやってきた。

 

安倍氏の再選はアジア地域のアメリカの同盟諸国の間で不安が広がっている中で行われた。同盟諸国は北朝鮮に対するアメリカの先制攻撃によって、自分たちが戦争に巻き込まれるのではないかという懸念を深めており、北朝鮮がアメリカを攻撃できる核弾頭を開発したら、アメリカは自分たちを捨てるのではないかという不安を持っている。

 

11月に行われるアジア歴訪中、トランプ大統領はアジアに関するより大きな戦略を明確に示すべきだし、日本と韓国に対して、アメリカが両国を防衛する責務を負っているということを再び確信させるべきだ。

 

※ブルース・クリングナー:北東アジア担当上級フェロー、朝鮮半島と日本を専門とする

 

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