古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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カテゴリ: 本の紹介

 古村治彦です。

 

 2019年4月26日に副島隆彦先生の最新刊『絶望の金融市場──株よりも債券崩れが怖ろしい』が発売になります。

 

 以下にまえがき、目次、あとがきを掲載します。参考にしていただき、是非手に取ってお読みください。

 

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 絶望の金融市場 株よりも債券崩れが怖ろしい


(貼り付けはじめ)

 

まえがき

 

私は、『「トランプ暴落」前夜』を前年10月に書いて予言を当てた。そして今年である。

 

トランプが「株高[かぶだか](だけ)は死守せよ」に動けば、その周まわりに危機(危険)がはみ出す。

 

株ばっかりを、政治の力で無理やり吊つり上げると、ジャンク債ボンド(ボロくず債[さい])市場が崩れる。ジャンク債ボンドとは、ハイイールド債(さい)であり、各種の高危険[こうきけん](ハイリスク・ハイリターン)債である。日本も含めて投資家たちは、株の儲(もう)けに飽(あ)き足らずに、これらの高ハイリスク危険の仕コンポジット組み債(さい)に手を出している。これらは、株式(ストック)のお化ばけ、である。ETF[イーティーエフ](上場投資信託)やら「インデックス型投信」やら、「BB(ダブルビー) 格(かく)以下の低(てい)信用債券」と言ったりもする。

 

今の世界の金融・経済は、アメリカのトランプ大統領の決断で動いている。彼がズルズルと引きずり回している。

 

年明けにトランプが、FRB[エフアールビー](アメリカの中央銀行)のパウエル議長を、脅し上げて政策金利(短期金利)の利上げをやめさせた(1月30日)。この日からすべてがガラリと変わった。

 

2月27日には、パウエル議長は、議会証言で「(2019年の)年内で、FRB資産の縮小計画を終了する」と言った。すなわち、「FRBが抱える米国債の売却方針を撤回して、このまま抱(かか)え続ける」と発表した。パウエルは今にも泣き出しそうな顔だった。いじめっ子のジャイアンのトランプに、教室でカツアゲを喰くらったノビ太くんのような感じだ。

 

これは米トランプ大統領による〝トランプ独裁(どくさい)〟だ。

 

世界の金融・経済の流れがガラリと大きく変わった。今年の1月からだ。トランプがもの凄すごい剣幕でジェローム・パウエルを脅迫して「コラー、利上げするな。量的引き締め(クオンティテイティブ・タイトニング、quantitative tightening)もするな。緩和[かんわ](イージング・マネー)を続けろ」「私に逆らうと首を切るゾ」と本当に圧力をかけた。前代未聞(ぜんだいみもん)の激しさであった。

 

このために、FRBのそれまでの、①利上げと②通貨量(マネーサプライ)引ひき締しめへの転換の大方針が、ひっくり返った。2015年初めからのFRBの大だい方針が大だい転換した。

 

FRB(連邦準備制度理事会)は、政府から独立した組織である、ということになっている。民間銀行です、というフリまでする。政府の銀行ではありません、と。ここに秘密がある。ここへ豪腕(ごうわん)大統領から、「お前たちが利上げを公表する度(たび)に、株(かぶ)が暴落するじゃないか。それで景気が悪くなる。利上げをやめろー、これ以上景気が悪くなるのを喰くい止めるんだ」と怒鳴られるものだから、FRBの理事や各[かく](全米に12行ある)連銀(れんぎん)の総裁たちが、この剣幕(けんまく)にすっかり脅おびえてしまって、ホワイトハウスに屈服してしまった。

 

昨年12月20日に、パウエルは「来年は予定通り2回、利上げをする」と威厳をもって発表した。

 

そうしたら、12月24日に、クリスマス・イブ暴落が起きた。NY株は3000ドル落ちた。顔色(がんしょく)を無くしたパウエルは、1月30日に、FOMC[エフオーエムシー](米連邦公開市場委員会)のあとの記者会見で、ボッキリと背骨を折られて、利上げと量的引き締め政策を放棄した。

 

アメリカは景気がいい。そしてその頂点(ピーク)にある今のうちに、どんどん金利を上げて、景気を引き締めて過剰資金(加熱した投機、バクチの資金。すなわち過剰流動性[かじょうりゅうどうせい])を、金融市場から奪い取らなければいけないのである。FRBにしてみれば、何も間違った金融政策の舵取りはしていない。おかしいのはトランプの方だ。確かにそうなのだ。トランプの方がメチャクチャだ。だが、このトランプの商売人(都市開発デベロッパー) 上(あが)りの、ドウ猛な決断にも一理ある。アメリカの景気をここで崩したら、あとが大変なことになる。空(カラ)の、見せかけの景気回復であるが、トランプが、この2年間で、自力(じりき)で手塩(てしお)にかけて無理やり作ってきた景気だ。

 

2月27日のパウエル議長の議会証言は、2014年まで続けていた(前の前のバーナンキ議長の)金融緩和[かんわ](イージング・マネー)の方針を復活させる。これからアメリカは、ジャブジャブ・マネー(QE[キューイー]政策)に戻ることを意味する。利上げどころか、利下げをするだろう。ジャブジャブ・マネーの市場への放出もする。「行くところまで行けー」だ。そしてそのあと、この危険な政策が、どのような激しい副作用を起こして、大きな歪(ゆが)みがどこに出てくるか。私たちは凝視するべきだ。行け、行け、どんどんは有あり得えない。調子に乗ると、また、ハシゴを外はずされる。

 

トランプたち(彼への助言者たちも)は、「株価さえ吊(つ)り上げておけば、アメリカ国民は安心する。景気がいいという気持ちになる。FRBよ、邪魔するな」とFRBを脅した。

 

金融引き締めをやらないで、現状のまま金融市場に溢(あふ)れ返る余(あま)った資金で、巨大な金融バクチを、ヘッジファンドどもや、HFT(エイチエフティー)、超(ちょう)高速度株(かぶ)取引業者たち(後述する)に続けさせる。株価をハネ上げ(急上昇)させたり、急に下落させたりして、これで市場参加者(ステイク・ホールダー)たちに儲(もう)けさせる、ことを続ける。

 

“トランプ独裁”の決断は、政治の力で株価を操作、操縦[そうじゅう](マニュピュレイション)しながら、見せかけのアメリカの繁栄をなんとか続けることである。

 

しかし、それでも世界経済は暗雲が立ち込める。今にもどこかで金融危機(ファイナンシャル・クライシス)が起きそうだ、と投資家たちがソワソワして不安がっている。この動物的な心理と反応が正しい。

 

私は、逆張り人間のヘソ曲がり(contrarian、コントラリアン)であるから「反対に反対する」という考え方をいつもする。すると、どういう結論になるのか。元に戻るのか。いや、そうではない。ただちには分からない。私は権力者(支配者)と世の中の大勢(たいせい)が言うことを信じない。自分が持つ予知(よち)能力(近[きん]未来を予言する力)を信じて、次々と押し寄せる新しい事態に、慎重に備える。

 

この国で、ずっと、もう20年間、「もうすぐ金融危機が来る。大恐慌が近づいている」と、書いてきたのは私だ。この私が、大きく態度を変えて、「日本もアメリカも、経済(景気)はしばらく大丈夫です。安心して、さらに値上がり利益を待ちましょう」と言う訳(わけ)がないだろう。私は、「金融市場に対する根本的(根源[こんげん]的) 悲観(ひかん)主義者」だ。

 

私は、「そろそろ危ない。危機が迫っている。用心しなさい」と、本に書いて、金融崩れ、株崩れを事前に警告を発してきた。だから、私の新刊本を買ってササッと読む賢明(けんめい)な人々は、早めにポジション(建たて玉[ぎょく])を手仕舞(てじま)って、大損(おおぞん)を出さないで、ここまで生き延びてきた。

 

だから、今の私は、トランプが号令をかけるアメリカの「行け、行け、どんどん、どこまでも」に反対はしない。あいつらにやらせるしか、ないではないか。どこまでもドンドンやりなさい、その先に地獄が見えるだろうから、と私は唱える。かつ、日本国内でもどうせトランプに追随するから、私が強く主張するのは、「政府や日銀は、金融市場への規制を強めるべきだ」ではない。その反対に「規制をするな。一切するな。全くするな」である。「このままドンドン、ガンガン、行けるところまで行け。地獄まで行け」だ。

 

市場取引に規制をかけると、投資家心理が冷え込んで、株が下落して、それでさらに景気が悪くなる。と、政府(財務省)も日銀もトランプに右に倣ならえ、で思っている。大勢[たいせい](=体制) 順応が彼らの習性だからだ。アメリカのトランプ独裁の影響で、日本もゼロ金利(長期金利市場なら「マイナス金利」)を継続し、金融引き締めをしない(ジャブジャブ・マネーのまま)だ。

 

私が守ればいいのは、私の本を買って読んでくれる人(読者、お客さま)だけだ。

 

私は自分の読者だけをひたすら守る。彼らに間違った判断をして大損をすることをさせない。そうやって、20年間、ここまで、地道に築いて来た自分の信用だ。私は自分の読者(お客)だけは何があっても守る。

 

=====

 

絶望の金融市場──株よりも債券崩れが怖ろしい[目次]

 

まえがき─2

 

第1章 〝トランプ独裁〟が経済を変えた

 

アメリカの金融崩れが阻止された─22

フラッシュ・クラッシュの激震が為替市場を襲った─25

これからは債クレジット券市場が危ない! 32

バフェットまでもが株で大損した─44

ヘッジファンドが〝踏み上げ〟を喰らった─54

ニューヨークの株式市場は大爆発寸前で生き延びた─58

ロシアは米国債を売却して金(ゴールド)を買い増した─62

〝トランプ独裁〟で金融緩和の再開が決まった─65

私たちは危険な投資の時代に突入している─67

 

第2章 金融理論はみんなゴミだった

 

金融理論は全部ゴミくずだったことがバレた─70

トランプは若い頃から民主党リベラル─74

ジャブジャブ・マネーの洪水に呑み込まれる世界─80

もうすぐ何か巨大なことが起こる─103

 

第3章 株よりも債クレジット券市場の崩落が恐ろしい

 

レバレッジをかけてパワーアップした株もどきの金融仕組み債─106

ノックイン債でノックアウトされる恐怖─112

あまりにも危険な不動産担保抵当証券が平気で売られている─114

企業の債務不履行リスクをも対象にする金融派生商品CDS 122

“ヘッジファンドの皇帝”が鳴らす警鐘─124

 

第4章 ボロくず債の暴落から恐慌突入

 

ボロくず債崩れが国債市場をぶち壊す─130

パウエルFRB議長はジャンク債の暴落が怖い─136

日銀黒田総裁は誰と闘っているのか─141

「それでも金融市場は、しばらくは大丈夫。狼狽えるな」─146

ソフトバンク株の上場は二重評価のインチキだ─148

粉飾決算をしてでも株価を維持しようとする社長たち─151

買えなくなるから、今こそ金を買い増すべきだ─154

人騙し業界人のポジション・トークに乗せられるな─160

本当に危険なのはトランプの任期が終わる2024年─166

大戦争か大恐慌か──80年周期で大きな危機が来る─172

 

第5章 経済学はYイールド= Mマネーですべて分かる

 

経済学の理論はたった一つの公式で説明できる─180

「フィッシャーの交換方程式」がマネタリズムを生んだ─185

ケインズの偉大さは過剰生産の発見にある─191

Y = C + I という人類の大原理─197

 

第6章 「政府マネー」は間違っている

 

貨幣数量説は嘘っぱちのインチキ理論─204

マネタリズムに屈服したニューケインジアン─207

インタゲ論は完全に敗北した─210

スイスの国民投票で否決された政府マネー─214

米ドルの信用力が落ちてきた─224

通貨発行は中央銀行の役割でなければならない─227

皇帝や将軍たちも金貸し業をやっていた─233

国民負担率が5割を超したら江戸時代の「五公五民」だ─236

やっぱりケインズが偉大だ─241

第7章 アメリカは北朝鮮を押さえ込む

 

2月28日の米朝会談(トランプと金正恩)の決裂、もの別れ─248

ディールとネゴシエイションの違い─259

トランプはじわじわと金正恩を追い詰める─263

 

あとがき─269

 

【特別付録】隠れたお宝のモノづくり企業 厳選14銘柄─272

 

=====

 

あとがき

 

私の最新作の、この『絶望の金融市場 株よりも債券崩れが怖ろしい』を書き上げる時に、私は大きな謎をひとつ解いた。

 

アメリカは、自国の景気(経済)を必死で維持するために、〝トランプ独裁〟で無理やり利下げと量的緩和[りょうてきかんわ](イージング・マネー。ジャブジャブ・マネー)の再開に舵(かじ)を切った。

 

現代の欧米経済学の根底にあるのは、①実じつ物ぶつ経済(もの、財[ざい]の市場)と②金融(おカネ)経済との関係をどのようにとらえるか、である。

 

私はここで、Y=Mというたったひとつの数式(公式)で、理論経済学はすべてを書き表わしてきたのだ、という秘密を大発見した。

 

Y(もの)=M(お金)という一行の式(方程式)で、経済学(エコノミックス)なるものの謎は解けた。このことを本書の第5章で、大急ぎで書いた。

 

マネタリズム(シカゴ学派)も、ケインジアンも、マルクス経済学も、すべてY=Mで出来ていた。

 

このことが分かれば、日本人の鋭い、生来頭のいい人たちは、「理論経済学という暗黒大陸(あんこくたいりく)」に踏み込んでゆける。日本人にこの100年間、解けなかった西洋人の近代学問(サイエンス)というものの真髄に触れることができる。私が勢い込んで何を一体、書いているのか、分からなくていいですから、どうか、第5章の私の大発見を読んでください。

 

本書をたった一カ月の急ごしらえで(構想には半年かかっている)作るに当たって、徳間書店学芸編集部の力石幸一氏から、いつもながらの強い支援をいただいた。記して感謝します。

 

2019年4月

 

副島隆彦 

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


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 古村治彦です。

 

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激変する世界を先読みする

 

 今回は、副島隆彦先生と佐藤優先生の最新刊『激変する世界を先読みする』をご紹介します。目次を読んでいただくと分かりますが、最新の世界情勢から猫の話まで幅広いテーマが網羅されています。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

 

(貼り付けはじめ)

 

はじめに──混沌とする国際情勢を大胆に予測する_佐藤

 

 国際情勢は実に混沌としている。一方において、アメリカと北朝鮮の関係は劇的に改善している。他方において、日本と韓国の関係が急速に悪化している。

 

 日本とアメリカは軍事同盟国で、韓国とアメリカも軍事同盟国である。国際関係においても、従来は「友達の友達は友達」というルールで動いていた。

 

 しかし、それが現在では、このルールが適用できなくなっている。この関連で興味深いのは日露関係だ。ロシアとアメリカ、ヨーロッパ諸国の関係は非常に悪い。1991年12月にソ連が崩壊した後に限って言えば、ロシアと西側諸国との関係は、現在がいちばん悪い。

 

 しかし、2018年11月14日にシンガポールで、安倍晋三首相とロシアのプーチン大統領が会談した後、北方領土交渉が本格的に動き始めた。こういう現象の背後にある歴史のダイナミズムをとらえることを、この対談で副島隆彦氏と私は試みた。

 

 歴史のダイナミズムについて、私の個人的体験に即して少々語ることをお許し願いたい。

 

 1987年8月に、私が外交官としてモスクワの日本大使館に赴任した時点で、近未来にソ連が崩壊すると考えていた国際政治の専門家はいなかった。

 

 1991年3月17日には、ソ連維持の賛否を問う国民投票が行なわれた。投票者の76・4%がソ連維持に賛成票を投じた。それにもかかわらず、同年12月25日に、ソ連は崩壊した。ソ連が人造国家で、武力を背景にリトアニア、ラトビア、エストニアのバルト三国を併合したことに無理があった。

 

 バルト海沿岸の三国から始まったソ連からの分離、独立運動が、ソ連崩壊の原因となった。バルト三国の人々の自己決定権確立に向けた意思が、歴史をダイナミックに動かしたのである。

 

 北方領土交渉についても、私には歴史のダイナミズムが皮膚感覚でわかる。

 

 2000年4月4日、モスクワのクレムリン宮殿で、鈴木宗男衆議院議員(当時)が大統領選挙に当選したばかりのプーチン氏と会談した。

 

 この会談を取り付けるうえで、私はそれなりの働きをした。森喜朗首相(当時)からも当時の外務事務次官からも「よくやった」と労いの言葉をかけられた。それが2年後の2002年に事態は暗転し、鈴木氏と組んで、北方領土の四島一括返還を放棄したとバッシングされ、私も鈴木氏も東京地方検察庁特別捜査部によって逮捕された。

 

 それから17年を経た現在、日本政府は、当時、鈴木氏や筆者が進めていた路線よりも、ロシアに対して譲歩した北方領土交渉を行なっている。

 

 具体的には、「主権に関して、歯舞群島と色丹島は日本、国後島と択捉島はロシアにあることを確認して、日露間の国境線を画定し、平和条約を締結する。ただし、国後島と択捉島に関しては、日本人に特別の想いがあることを考慮して、往来・経済活動などについて日本国民のみを対象とした特別の仕組みを作る」という内容に収斂する方向で交渉が進んでいる。

 

 国後島と択捉島に関しては、1855年に、日本とロシアが初めて国境線を画定した際に日本領となった。その後、1945年8月に、ソ連軍が占領するまで、外国の領土であったことはない。

 

 この歴史的経緯があるにもかかわらず、1951年のサンフランシスコ平和条約2条c項で、日本は国後島と択捉島を含む千島列島を放棄した。さらに、それにもかかわらず、日本政府は、1955~56年の日ソ国交回復交渉の過程で、サンフランシスコ平和条約で放棄した千島列島に国後島と択捉島は含まれないという立場に転換した。

 

 アメリカが、日本が歯舞群島と色丹島の返還のみで、ソ連と平和条約が締結されるならば、沖縄をアメリカ領に併合すると圧力をかけてきた。

 

 また、当時の日本の内政を見ると、日本共産党だけでなく社会党も革命を主張していた。歯舞群島と色丹島の返還が実現すると、日本国民の親ソ感情が強まり、革命が起きることを政府は心配した。

 

 そこで、ソ連側が絶対に呑むことのない四島(歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島)一括返還という要求を突きつけ、共産主義の影響力が日本に浸透することを阻止したのである。

 

 四島一括返還とか、北方領土とか、わが国固有の領土というのは、1950年代後半以降に日本政府が作った神話なのである。言い換えると、当時の日本のエリート層が共謀して、日ソ接近を避ける理論を作ったのだ。

 

 副島氏は、世界的規模でも日本国内でも、権力者による共同謀議によって政治や経済が動いていると主張するが、確かにそのような現実が存在することを私は目の当たりにした。だから、副島氏との意見交換から、私は大きな知的刺激を受けているのである。

 

 現下の国際情勢は、極めて複雑だ。2019年末の国際情勢を正確に予測することができると主張している人は、情勢がまったくわかっていないか、嘘つきであるかのいずれかだ。

 

 もっとも正確に予測することはできないにせよ、大きな傾向をつかむことは可能だ。その際には、預言のような大胆な予測が必要とされる。

 

 ちなみに予言と預言は異なる。予言とは、未来に起きることについて述べることだ。対して預言とは、神から預かった言葉を述べることだ。預言には未来予測も含まれるが、それよりも重要なのは、現状に対する批判と人間に対する悔い改めの要請だ。

 

 副島氏は、自らを預言者と呼んでいるが、この規定は正しいと思う。現下の日本と世界の状況に対して警鐘を鳴らすと同時に、われわれ一人ひとりに悔い改めよと要求しているのだ。

 

 私は副島氏の預言を虚心坦懐に受け止めて、悔い改めている。ときには意見が異なり、激しい議論になることもあるが、神の預言を人間の限られた知恵で完全にとらえることはできないので、預言の解釈をめぐって議論が分かれるのは当然のことだ。

 

 いずれにせよ、2019年の世界が、本書に書かれたテーマを中心に動いていくことになる。

 

 本書を上梓するにあたっては、日本文芸社書籍編集部の水波康氏、副島精神を体現している優れた編集者で作家の山根裕之氏にお世話になりました。どうもありがとうございます。

 

2019年2月28日、曙橋(東京都新宿区)の書庫にて 佐藤優 

 

=====

 

激変する世界を先読みする もくじ

 

はじめに混沌とする国際情勢を大胆に予測する 佐藤優       1

 

1章 世界エネルギー覇権と日本の安全保障

 

カルロス・ゴーン逮捕にちらつく産油国の影             18

世界官僚同盟による統制が始まる   18

日産幹部の憎しみを買ったゴーン   23

ゴーン逮捕で普及が遅れる電気自動車          25

無理やりストーリーを作る特捜の手口          29

ゴーン事件は鈴木宗男事件と似ている          32

北方領土交渉と日本のエネルギー戦略          35

米軍基地が北方領土問題の障害となる          35

日本の主権と「属国・日本論」      40

ロシアは2島を返還する気はあるのか          45

国際法と国連憲章から見た北方領土問題      50

色丹島のロシア住民3000人の行方          54

ロシアの天然ガスは日本にとって重要          56

サウジアラビア王家内紛の裏側      59

カショギ事件ではめられたサウジアラビア王太子      59

サウジの宮廷革命を支援したトランプの娘婿             62

国家の悪は裁けるのか      65

世界情勢と日本のエネルギー安全保障        68

 

2章 北朝鮮問題から解読する 極東のパワーバランス

 

金正恩をたらし込んだトランプの「カジノ外交」      72

これからの極東地域の大きなトレンド          72

金正恩が進める北朝鮮カジノ計画   75

予測は「逆問題」で組み立てる      81

ポンぺオ米国務長官をめぐる騒動   83

世界政治におけるトランプの意味   86

核ミサイルは「張り子の虎」か      90

中国が新帝国主義時代の勝者となる             93

北朝鮮空爆回避から見えたアメリカの終焉   93

中国の弱点はどこにあるのか          96

ロシアは中国の怖さを一番知っている          98

オバマ前政権はステルス的な帝国主義だった             102

衰退する日本は中国と韓国に呑み込まれる   104

日韓関係悪化の本当の理由           104

最先端技術はほとんど中国に盗まれた          107

中国の宇宙開発は急速に進んでいる             111

 

3章 安倍政権と忍び寄るファシズム

 

終わりが見えてきた安倍独裁政権   114

官邸は2019年にダブル選挙を仕掛ける   114

ポスト安倍政権は大混乱になる      116

ヘラヘラした柔構造でできている安倍政権   118

『政権奪取論』に見え隠れする橋下徹の野望             120

野党再編で政権交代の可能性もある             122

公明党が憲法を守る勢力の最後の防波堤になる          125

世界政治の背後で蠢く統一教会      128

現代によみがえるファシズムの亡霊             130

ファシズム思想の先鞭をつけた高畠素之とムッソリーニ          130

ムッソリーニはマルクス主義者だった          133

「1人は万人のため、万人は1人のため」   136

反グローバリズム運動にもファシズムの影   142

国家社会主義を体現している橋下徹は素晴らしい      145

「維新八策」から消えた「相続税の100%課税」   149

「寛容」の精神こそがファシズムを乗り越える          153

生理的な次元から生まれる不寛容性             153

徹底的な殺し合いから寛容という思想が生まれた      155

寛容とは一種の棲み分けである      157

 

4章 平成から新時代へ 天皇と近代日本の実像

 

天皇の生前退位と新たな易姓革命の予兆      162

いまの日本を覆う〝穢れ〟の思想   162

秋篠宮発言から見えてきた官邸と皇室の対立             165

天皇は、いまなお現人神か             169

『愚管抄』と『神皇正統記』の思想             171

「譲位」が歴史の分節を変えてしまった      174

啓典(キャノン)がない神道          177

世界政治に騙された昭和天皇と大日本帝国   181

最後まで戦争の指揮をしていた昭和天皇      181

独ソ開戦で真っ青になった松岡洋右外相      184

四国同盟案は米英に筒抜けになっていた      190

現代ロシアの地政学にも通じる四国同盟論   192

やがて歴史は繰り返す      195

 

5章 これからの世界潮流を読み解く

 

ついに資本主義の崩壊が始まった   200

ソフトバンク「二重評価」のインチキ          200

あと2年でアマゾン時価総額は半分に落ちる             205

資本主義社会では誰もが拝金教を信じている             208

ロシアの仮想通貨はどうなるか      211

国家を超える権力を作ろうとしているエリート層      215

現代の労働者階級に未来はあるのか             218

『資本論』は資本家見習いのための本          218

企業経営も国家戦略の中で動かされる          222

現在の労働者はプロレタリアート以下の存在             226

サラリーマンは洗脳された現代の奴隷          230

黄色いベスト運動にも公安が潜り込んでいる             233

ヨーロッパでは生きているアナーキズム      236

人権宣言以来、人類を支えた理念が壊れ始めた          240

『サピエンス全史』と『ホモ・デウス』は人種主義の復興か   240

権力分立を信じていなかったモンテスキュー             244

人間の「工場化」が進行している   247

ベジタリアンとビーガンという思想の本質   249

猫は人間を裏切らない      252

 

おわりにこの世のすべての虚偽を手加減せずに暴く 副島隆彦          256

 

=====

 

おわりに──この世のすべての虚偽を手加減せずに暴く_副島隆彦

 

 本書、『激変する世界を先読みする 沸き起こるファシズム』は、佐藤優氏と私の5冊目の対談本である。

 

 最初の1冊は『暴走する国家 恐慌化する世界』(2008年12月、日本文芸社刊)で、鳩山由紀夫(友紀夫)の民主党政権が出来る(2009年9月)前年だった。2冊目が、『小沢革命政権で日本を救え』(2010年6月刊)だった。あのとき、これで日本の政治が変わる、と皆が期待した。

 

 だが、アメリカと旧態依然の日本国内の現実主義の勢力によってガラガラと壊されていった。私は、現実政治にキレイごとは通用しない、という政治という悪の本態をまざまざと見せつけられた。あれから10年が経った。

 

 佐藤氏が、本書の「はじめに」で「預言とは神から預かった言葉を述べることだ……副島氏は自らを預言者と呼んでいる」とあるが、これは誤解である。いくら私でも自分を預言者とまでは自称していない。

 

 私はこれまで慎重に、自分は予言者(近未来の予言をする者)ではあるが、預言者だと言ったことはない。私は、自分を預言者だとそこまで懼れ多いことを言わない。

 

 佐藤氏はこのことを十分に承知している。それなのに佐藤氏は私を買い被って、わざと私を預言者に祀り上げてくださった。

 

 予言者〔プレ(前もって)ディクター(言う人)〕というコトバでさえ、当今でも十分に誤解を招き、いささか奇矯に見られる。このことを十分に承知のうえで、私は、言論商売人としての自分自身に、厳しい試練を与えようとして、この言論予言者を自称している。

 

 それは、千年の昔から日本にもいた、占い師(これが予言者だ)と、呪い師(悪霊を祓う職業)の列に、私は連なりたいからだ。

 

 だが私は、宗教は嫌いだ。この地上のすべての宗教を疎んじる。なぜなら私は、新左翼思想という政治イデオロギーに若い頃から囚われて、ずいぶんと苦しんだからだ。そういう人は私の世代にたくさんいる。

 

 イデオロギーideologyなどと、荘厳そうに(元)ドイツ語(さらにはギリシア語)で言えばいいかと思っている。これも本当は、宗教(人類救済の信念、願望)の一種でしかなかった。

 

 自分たちはインテリ(ゲンツィア)だから、宗教という低レベルの確信ではない、などと思い上がった左翼、リベラル派全体への、私からの厳しい視点である。

 

 イデオロギーも宗教である。さらには、社会主義どころか、資本主義もまた、宗教である。このことが、どうもはっきりしつつある。

 

 資本主義だって滅ぶかもしれないのだ。さらには科学(現代学問)でさえ、宗教の一種だろう。人間(人類)が確実にわかったことはほんのわずかだ。宇宙についても生命についても物質についてもいくらも解明されていない。

 

 もう一つ奇怪な現代宗教がある。それは「自分は(生まれながらの、強固な信念の)反共産主義(者)だ」という信念である。この反共主義もまた、まさしく歪んだ宗教である。

 

 反共(反ロシア、反中国)をブツブツ毎日唱えてさえいれば、自分は正義の人で、愛国者だなどと信じ込める。その偏屈な神経もまた宗教である。私は彼らから斬りかかられたら必ず斬り返す。

 

 佐藤優は、驚くべきことに、「創価学会の池田大作名誉会長(まだ存命なのだろう)は本当の宗教家であって、自分も池田先生のようになりたい」(引用は不詳)というようなことを言った(書いた)。宗教者、信仰を持つ者というのは、いつかこのような相当な深い境地に到達するものらしい。佐藤氏は篤い新教徒のキリスト者である。

 

 佐藤氏は、本書の中で、「創価学会・公明党のような中間団体がいてくれることが、憲法改正(戦争ができる体制に変わること)を食い止める。副島さんの『学問道場』も、この中間団体です」と言ってくれた。私はこの言葉をありがたく受け止めた。こうやって私も佐藤優の戦略図式の中に組み込まれる。

 

 それでも、私が宗教団体もどきを作るときは、「真実暴き教と名乗る」と、20年昔から決めている。教義(ドグマではない)は、「この世にあるすべての虚偽を、気づき次第、手加減せずにすべて暴くべきである」のたったこの一条である。このことを私は弟子たちに言い聞かせている。

 

 天皇、皇后(もうすぐ譲位する)は、昭和天皇の遺志を堅く受け継いで、いまの平和憲法を擁護している。特に、美智子皇后は、仄聞するところでは、安倍首相に向かって、「あなたたちは、憲法を改正して、また戦争をする気ですか」と厳しく問い詰めたらしい。

 

 私は、いまの皇室(次の天皇、皇后も)の、この堅い憲法擁護(護憲)の立場はきわめて正しく、立派であると思う。天皇制(皇室伝統)が、いまも生きながらえているのは、時の今上天皇の、真面目な不断の行ないへの、国民の信頼が有るからである。

 

 人はそれぞれ、何ものかに囚われて生きる愚かな生き物である。ある年齢に達すると、自分(己)の過去の愚かさに恥じ入りながら生きるようになる。

 

 佐藤氏が、私に対して忝なくも、「預言が……重要なのは、現状に対する抑制と人類に対する悔い改めの要請だ。……私は副島氏の預言を虚心坦懐に受け止めて、悔い改めている」と書いてくださった。このときハッと思って自分のこの国における役割、責務、天命を思い知る。

 

 佐藤氏と私は、2人でこんなエールの交歓のようなホメっこをして遊んでいるのではない。私たちの、この国における生来のサヴァン症候群savant syndromeの保有者としてのズバ抜けた頭脳が、他の、もっと若い知識人、有能の士、優れた読書人たちへの嚮導となることを願っているのである。螺子曲がった精神で知識や言論などするべきでない。

 

 私と佐藤氏(私より6歳下)は、やり(語り)残した仕事がある。それは、前記した宗教(キリスト教、ユダヤ教、仏教、イスラム教)についての論究と、マルクス主義(共産主義、『資本論』、左翼思想全般)についての論究である。それと猫ちゃん(動物)論だ。次作で屹度やります。

 

 この対談本を編んでくれたおふたりには、先に佐藤優氏がお礼を書いたので、私も同感とする。

 

2019年3月 副島隆彦 

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 今回は副島隆彦先生の最新刊『生命保険はヒドい。騙しだ』(幻冬舎新書、2019年3月)をご紹介します。発売は2019年3月28日です。

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 生命保険はヒドい。騙しだ (幻冬舎新書)

 

 本書は副島先生の実体験に基にして、生命保険について分かりやすく、そして詳しく説明したものです。既に生命保険に加入されている皆さんは、本書を読んで、より自分に有利な契約に見直すようにできると思います。

 

 以下にまえがき、目次、あとがきを貼り付けます。参考にしていただき、是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

 

(貼り付けはじめ)

 

まえがき

 

日本の生命保険は、客(契約者)の取り分(利益)がものすごく小さい。

 

日本の生保(せいほ)は、欧米のものに比べてヒドい、という話を私が耳に挟んだのは、15年ぐらい前だった。日本の生命保険は、外国に比べて契約者(お客)への償還率(しょうかんりつ)が非常に低い、悪い、とそのとき聞いた。香港に行ったとき、現地の生保(せいほ)の代理店の人に聞いた。ところが、私は、この話を真(ま)に受けなかった。真剣に受け取らなかった。

 

だから私は生保(せいほ)の掛金(かけきん)を25年間も払い続けて、ヒドい目に遭(あ)っていることに気づかないまま、今日まで来てしまった。

 

ようやく「日本の生保はヒドい」という話が、最近、私の周(まわ)りで聞こえるようになった。しまった。と気づいたときには、もう遅かった。大きく騙(だま)されていたのは、この私自身だった。ああ私はバカだった。

 

私は、この25年間、毎月56000円の掛金[かけきん](保険料)を払い続けて(現

65歳)、そして、ほとんど何も貰(もら)えない。ほとんど何も返って来ない。ごく普

通の「死んだら5000万円が払われる」という生命保険に入っている。68歳の満期(?)まで、あと3年だ。80歳で契約終了(?)だ。

 

私は、まだ死なない。死ぬ予定もない。死ぬ気もない。体のどこも悪くない。病気もない。ちょっと病気したが大(たい)したことはなかった。元気そのものだ。

 

だから、おそらく死なない。健康体だ。あ、しまった。謀(はか)られた。私はまんまと騙されたのだ。この「死んだら5000万円の保険」は、大きな罠(わな)だった。私は25年間も騙され続けたのだ。

 

=====

 

生命保険はヒドい。騙しだ/目次

 

まえがき 3

 

序章

25年間、騙され続けた。 私はバカだった 11

満期が近づき、ハッと気づいた自分の被害 12

満期で下りるお金もない。ちょっとのサービスも、私の積み立て金からだ 17

長年、保険料を払い続けた客が大事にされていない現実 20

騙しの手口はこの2つにある 24

金融評論家の私が、足元の騙しに気づかなかった 30

なぜ保険会社に都合のいい情報ばかり溢れているのか 31

「保険とはそういうものなんだ」という世間の反論にも私は反論する 34

 

1章 私は生保にひどい目に遭った 41

 

生命保険はひどい 42

68歳で切り替えで、保険料を月16万円払えと保険会社が言い出した 46

1400万円払い続けて、戻るのは100万円。ぼったくりじゃないか 52

「返し戻し金」と書いて「返戻金」だそうだ 54

こんな長生き時代になるとは誰も思っていなかった 58

生命保険の保険料のうち6割は、社員の経費に消えている 63

ファイナンシャル・プランナーもひどい 68

もう解約すべきなのか…… 72

 

2章 契約内容のおかしさを 保険会社に訴えた 79

 

まず、3度も転換していた私の保険内容を確認した 80

保険料が見直しのたびに上がっていた。保険会社の言いなりだった 87

更新、見直し、切り替え……なんなのかと聞いた 90

お客様係と名乗る人間は、苦情件数も答えなかった 98

 

3章 私が保険会社に詰問した 4つの主張 101

 

主張1 「主契約がたった100万円で、特約が4900万円というのは異常だ」102

主な契約という「主契約」の割合が、なぜこんなに低いのか 102

私のメリットはどこにあるのか 108

主張2 「保険料が急に3倍になる根拠を教えなさい」 112

満期から急に保険料が上がるのはなぜなのか 112

3倍になると計算した人間を出せ、という話が通じない 116

なぜ急に支払いが3倍になるのか 122

誰のための保険なのか 131

主張3 「配当金が20年間でたったの28000円。安すぎる」 135

客の利益を考える発想はとうに消えていた 135

生命保険は単なるバクチ、金融商品だ 139

主張4 「今から終身保険の額を大きくして、かつ掛け金を7万円程度に抑えられるのか」 142

終身保険の額=返ってくるお金を大きくできるか 142

県民共済はえらい 147

 

4章 「転換」という仕組みにダマされた 151

転換というひどいサギ 152

転換すると前までの契約が下取りになる。ここがサギだ 160

保険の転換と予定利率の関係 169

 

5章 私たちは長生きする。保険はどうなる 175

 

満期の人が大量に出る問題を保険会社はどうするのか 176

結局、毎月の払いが3倍になるのは、死亡率が高まるから、らしい 178

「転換でお得」とは、同じ年齢で他の会社に新たに入り直す金額との比較 181

私は総額1460万円払っていた。解約したらパーだ 182

生保レディがとうとう会社を訴えた 186

 

あとがき 195

 

=====

 

あとがき

 

私が、「あ、騙された。生命保険は騙しだ」と気づいたのは、20183月だった。奥さんから、「早く契約(の見直し。転換)をしないと、もういい条件では入(はい)れないのよ」とせかされたときだ。そのとき「ご提案プラン」の紙を渡された。私はこれまできちんと、この手の勧誘もののパンフレットとかを真面目に(つまり真剣に)読んだことがなかった。

 

生命保険のことは奥さんに任(まか)せっきりで、手をつけようとしなかった。私が(事故か病気で)死んだら、保険金5000万円は奥さんにおりる。それしか考えなかった。それで24年間が過ぎていた。

 

ところが、毎月5万6000円の掛け金(保険料[りょう]という)が「163000円になる」と書いてあった。一体、誰が、こんな高額な保険料を毎月払えるというのだ。私は一瞬でカッとなった。奥さんに「こんな高い金を払える人がいるか。どうなっているの」と怒鳴った。これが小さな夫婦ゲンカになった。

 

この時から、私のニッセイとの闘いが始まった。痩(や)せても枯(か)れても私は金融評論家だ。〝お金(かね)の専門家〞である私が、こんなヒドい騙(だま)され方をした。私は激しく怒った。そして半年、私はニッセイの社員たちと話し合いを重ね、自分でも「生命保険のしくみ」の勉強や調査研究を始めた。たくさんの資料を読んだ。

 

そして、ついに彼らの〝ダマシの手口〞をいくつか発見した。これには、法律学(民法学)の知識と確率[かくりつ]probability プロバビリティ)と統計[とうけい]statistics

タティスティックス=日本国民はどれぐらいの割合で死ぬか)の知識が必要だ。なぜなら生命保険の料率決定には、確率微分(びぶん)方程式の曲線が使われているからだ。

 

だが、私に対面したニッセイの「お客様サービス係」の職員たちには、この知識はない。「副島さまの払い込んだ原価[げんか](原[げん]資金)の配分先(どのように使い込まれてしまったか)については情報を開示できないかもしれません」の一点張りで、ついに私の保険料(1400万円ぐらい払った)が積み立てられていたはずの原資(げんし)は、無惨にもコウカツにも、「3回の転換(見直し)」で、使い込まれてほとんど残っていない私は68歳の契約終了時に、ポイされる。今解約しても「返戻金(へんれいきん)はゼロです」と言われた。

 

「終身(しゅうしん)部分」のたったの100万円が、私が死んだときにおりる(ニッセイから払われる)らしい。何ということだ。私は激しく怒った。

 

「いや、生命保険というのは元々そういうものだよ。自分の命を賭けたバクチなのだから」と冷ややかに、この本で細かく書かれた言動を突き放す人もいるだろう。

 

だが、セイホの真実はそんなものではないのだ。皆さんも、きっと保険でダマされている(セイホに入っていない賢い人は別)。だから、私のこの本を読んでください。

 

20192月 副島隆彦

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 今回は、2019年3月7日に発売となる、副島隆彦先生の最新刊『国家分裂するアメリカ政治 七顚八倒(しちてんばっとう)』(秀和システム)をご紹介します。本書は副島先生の最新のアメリカ分析本です。是非お読みください。よろしくお願いいたします。

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国家分裂するアメリカ政治 七顚八倒


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(貼り付けはじめ)

 

まえがき

 

 私は日本人としては有数のアメリカ政治の研究者(エキスパート)である。この私がアメリカ政治のことを書く、というのだから、〝堂に入っている〟。

 

だから、この本の書名も「トランプのアメリカ政治」と決めた。

 

ところが、出版社から「トランプはやめてください。書店に並べたとき本が売れないので」と言われた。

 

失礼な話である、この私に向かって。トランプ大統領のことを含めて私が、アメリカの最新の知識で書く、というのだから、そのまま通る、と思っていたら、これである。私はヘソを曲げた。

 

だから、そのあと1カ月、私はこの本を書くことを放ったらかした。

しかし、それでは担当編集者が出版社との間で板ばさみになって困っている。何とかせねば。それで急遽、えーい、分かったよ。それならこうする。で、“ The US is divided. ”「ザ・ユーエス・イズ・デヴァイデッド」「アメリカは国家分裂しつつある」をドカーンと書名に持って来ると、決めた。

 

「アメリカ国民は2つに分裂している」というのは本当である。「国論が2つに分裂している」と訳すべきだろう。どこの国でも国論は、たいてい右(保守)と、左(リベラル派及び左翼)で分裂している。だから、何を当たり前のことをお前は言う(書く)か、と言われるだろう。

 

だが、本当にアメリカ合衆国(ユナイテッド・ステイツ)は、2つに分裂している。いや、今やアメリカは国家として、3つに分裂しそうな勢いになっているのだ。まさか、そんな、と皆さんは思う。だが、本当だ。アメリカ国民自身が、“ The US is diveided, and the US will really be disbanded(ディスバンデッド). “「アメリカは近い将来に国家分裂するだろう」と言いだしている。これがアメリカ合衆国の最〔さい〕最新情報だ。今は、トランプ支持派 対 反〔はん〕トランプ派で分裂して激しく対立している。

 

それにしても、この私に向かって、「トランプと付く書名の本はヤメてくれ」と言う出版社も問題だ。一体、何の見識を持っているのか。ただ本を売りたい、儲けたいの業者根性か。

だから、苦労の果てに、ご覧のとおりの書名になった。七顚八倒(しちてんばっとう)したのは、私だ。

 

だが、本当に、本が書店で売れない時代になった。私の本でも、こういう分野の本は1万部がやっとだ。新聞宣伝なんかしたって、いくらの効果もない。だが、〝文化と教養を売ってます〟と、出版業界人は気取りたいので、こういう紙の本の慣行が今も続いている。かなり追い詰められてきた。いつまで保(も)つものやら。

 

アメリカ合衆国はやがて世界覇権(ワールド・ヘジェモニー world hegemony )を失う。そのとき、アメリカ合衆国は分裂国家(おそらく3つに)になる。としても、それは10年先のことである。The US shall be disbanded.「ザ・ユーエス・シャル・ビー・ディスバンデッド」とも言う。ニューヨークを中心とした「東部〔イースト〕アメリカ」。ヨーロッパ白人世界と生きてゆく。ここには、シカゴを含めた中西部(ミッドウエスト)の北の方が入る。テキサス州を中心とした農業国の「中央(センター)アメリカ」。ここで、〝ブルーステイト〟(米民主党支持者が多い)であるケンタッキー州とサウス・カロライナ州がのどっちに付くか、でモメるだろう。南北カロライナ州は合体する(元に戻る)だろう。

 

実は、ノース・カロライナ州とサウス・カロライナ州は、南北戦争(ザ・シヴィル・ウォー。1861‐1865)の時に、それぞれ北軍(連邦派。フェデラル)と、南軍(南部同盟。コンフェデレット)側に付いて分裂した。あの南北戦争(ザ・シヴィル・ウォー。内乱、内戦)のときの影がいまもこの国に深く差しているのだ。

 

③ カリフォルニア州を中心とした「西部(ウェスターン)アメリカ」。太平洋側に面してアジア諸国に近いので、そこからの移民が多い。このの国は、大衆的リベラル派としてアジア諸国と付き合い(貿易)しながら、生きてゆくだろう。

 

「トランプと表紙に付けるな。本が売れない(アメリカと付くだけでさえ売れないのに)」と言われたら、実は、本当にそうなのだ。日本のちょっとだけ知的で本を買って(あるいは公共図書館で借りて)読もう、というほどの知的な人々(今や国民の1パーセントの120万人)でも、表紙に「アメリカ」と付く本は読みたがらない。日本人は、アメリカさまが嫌いなのだ。屈従してべったりくっ付いているくせに、嫌いなのだ。あるいは、厭〔あ〕き厭〔あ〕きしている。いつもいつも頭ごなしに、私たち日本国に対して上から威圧して威張っている。

 

「敗戦後、日本はアメリカ帝国の属国である」と書いて、今や、国民的評価を得ているのは私だ。『属国・日本論』という。1997年に書いた本だからもう22年前の本だ。

 

 さて、どんなに紙の本が売れなくなっても、私は紙の本を自分の最期〔さいご〕(死ぬとき)まで書き続ける。もう他の職に転職できる齢ではない(65歳だ)。みんなもそうだ。ただ一筋の、自分の生業(なりわい)に細々と精を出すだけだ。哀れなものだが、これが人間の生きる道だ。

 

   2019年2月20

 

                                   副島隆彦

 

=====

 

【目次】

 

まえがき

 

第1章 アメリカ合衆国が分裂する日

  10年後、アメリカ合衆国は3つに分裂する

  ウィスコンシン州が台風の目だった中間選挙

  スコット・ウォーカーの州知事選敗北の原因は〝フォックスコン〟

  ウィスコンシン州でのフォックスコン工場建設計画

  トランプより一枚上手だったテリー・ゴウ

  孫正義‐トランプ会談の真相

  中国人はアメリカ人に騙〔だま〕されない

  ナンシー・ペロシがトランプと組む

  思いやりのある保守主義

  下院議長ナンシー・ペロシという女性

  日本の官僚たちをどなりつけたウィルバー・ロス

 

第2章 トランプ政治、七顚八倒

  トランプを支える議員たち

  増える、人種が混ざった議員たち

  〝レーガン・デモクラット〟と同じ動き

  民主党員だったトランプ

  キーストーンXL計画

  環境保護団体との闘い

  共和党なのにトランプを支持しない議員

  男たちの「ミー・トゥー」唱和が起きるほど凶暴なヒラリー系過激派

  本当は悪い男だったリンカーン大統領

  共和党の若手有望株3人にかかった恐ろしい圧力

 

第3章 ヒラリーを逮捕し裁判にかけろ!

  中間選挙で「半分勝って、半分負けた」トランプ

  「ドレイン・ザ・スワンプ」

  トランプがキッシンジャー宅を訪問したとき「トランプ大統領」が決まった

  ヒラリー・クリントンがどれほど悪い女か、日本人はいまだに分かっていない

  つい本音を漏らしてしまうトランプ

    トランプの実業家人生

  「ディープ・ステイト」

  ミカ・ブレジンスキーのポンペイオ=オカマ発言の衝撃

  2024年から世界大恐慌

 

第4章 「人権尊重、平等、人種差別しない」の大思想が滅びつつある

  政治家としての王道を歩いているトランプ

  アメリカ国民に職を

  トランプの政治思想

  米国の反移民問題

  欧州の反移民問題

  英国がブレグジットを選んだ理由

  「人類の指導理念」の崩壊

  日本にとっての戒律=日本国憲法

 

(貼り付け終わり)

 

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 古村治彦です。

 

 副島隆彦先生の『思想劇画 属国日本史 幕末編』が復刊されます。

 

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思想劇画 属国日本史 幕末編


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本書は早月堂書店から2004年に刊行された『思想劇画 属国日本史 幕末編』の復刊です。今回の復刊にあたり、加筆訂正と、新たに「QA」という形の解説が加えられています。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

 

(貼り付けはじめ)

 

思想劇画 属国日本史 幕末編 目次

 

プロローグ

 

第1章 文久2年の巨大な謎

 

1 おかしいじゃないか! 攘夷志士の海外渡航

2 怪しすぎるッ! 長崎グラバー商会

3 寺田屋事件で明らかになった「ケダモノ」薩摩

4 血みどろの「天誅」

5 なんかヘンだぞ、生麦事件

 

第2章 外国は、日本を支配しにやってきた!

 

1 不愉快きわまりない脅し外交

2 ペリー以来変わらぬアメリカの日本観

3 ヨーロッパの日本支配計画

4 アーネスト・サトウという日本管理用の戦略外交官

5 日本を操ったイギリスの戦略外交官

 

第3章 坂本龍馬と秘密のインナー・サークル

 

1 ジョン万次郎という男

2 イギリスの工作員としての「龍馬がいく」

3 薩長同盟を成立させたのは龍馬ではなく背後にいたイギリスだ!

4 大村益次郎と後藤象二郎

5 最後に切り捨てられた龍馬

 

第4章 幕末ゲバゲバ・尊皇攘夷事件クロニクル!

 

1 幕末尊皇攘夷思想の誕生

SEA OF BLOOD 幕末血みどろ事件簿

3 腐り果てる尊皇攘夷

4 幕末最強部隊・水戸天狗党

5 尊皇攘夷の悲劇

 

第5章 幕末に英雄はいない!

 

1 宿命のライバル 勝海舟と小栗忠順

2 吉田松陰の行動力こそ評価すべきだ

3 鍬を刀に持ちかえた新撰組

4 二人の男の死 小栗と勝の最期

5 伊藤らのイギリス再訪

 

付録 Q&A

 

幕末略年表

 

人物プロフィール

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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