古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

カテゴリ: 本の紹介

 古村治彦です。 

 2021年1月16日に『今、アメリカで起きている本当のこと 大統領選〝不正選挙〟から米国内戦へ』(副島隆彦・ベンジャミン・フルフォード著、秀和システム)が発売されます。まえがき、目次、あとがきを下に掲載いたします。是非お読みください。
imaamericadeokiteiruhontounokoto001
今、アメリカで起きている本当のこと 大統領選〝不正選挙〟から米国内戦へ

(貼り付けはじめ)

 まえがき

 この本が編まれている最中(さなかに、アメリカ大統領選挙(11月3日)があって、ここで巨大な選挙不正(voter fraud [ヴォウターフロード])が行われた。その証拠がたくさん挙がって、アメリカ国民は驚愕(きょうがく)した。この大(だい)犯罪を実行あるいは加担している者たちは強大な支配者の勢力である。彼らは世界支配をこのまま継続する気だ。彼らは、まさしくディープ・ステイトthe Deep State「裏に隠れた影の政府」である。

 この本は、ベンジャミン・フルフォード(日本国に帰化したので今は古歩道[ふるほどう]ベンジャミン)氏と私の初めての対談本である。

 トランプ大統領を酷(ひど)く嫌って「政権転覆クーデター」を仕掛けた、悪魔のような勢力と対決して、ドナルド・トランプを先頭に多くのアメリカ国民が勇敢に立ち上がった(スダンド・アップ)。この時、世界(史)の地軸(アクシス)が動いた。人類史は新しい時代に突入した。おそらくアメリカは内戦(ないせん)(シヴィル・ウォー civil war )に突入する。もはやアメリカ合衆国の動乱と分裂は止(と)まらない。

 日本のテレビ、新聞、大出版社は「不正選挙の証拠は何もない」、「トランプ氏は確証

もなく喚(わめ)いている」と見事(みごと)に足並みを揃(そろ)えて虚偽報道(フェイク・ニューズ)を続けて、日本国民への洗脳を行っている。この者たちの背後に潜む巨大な悪の組織が、今、私たちの目の前に露出しつつある。

 私はこの齢(今67歳)まで生きてきて本当によかった。ちょうどこの時、ベンジャミン・フルフォード氏という、不屈に真実を探求する国際ジャーナリストと、目下、人類の大問題に立ち向かえて私は嬉しい。

 フルフォード氏と私は、考えが大きく一致して団結している。今度こそ、バイデン=

ヒラリーに代表される悪魔教を信奉する大(だい)悪人たち、これまでずっと人類の裏側に隠れて潜(ひそ)んで大悪事を働いてきた勢力を、白日(はくじつ)の下に引きずり出したいと、私たち2人は考えている。

 トランプ大統領とアメリカ国民には決死の戦いをやってもらいたい。そして権力犯罪者たちを何万人も捕まえて刑務所に入れてほしい。ディープ・ステイトの正体を、満天下に暴いて欲しい。

 この間(かん)の日本のメディア(マスゴミ)の報道は、本当にヒドいものだった。一方にだけ偏(かたよ)った偏向(へんこう)報道などというものではない。どこかに司令本部があって、上意下達(じょういかたつ)でそこからの命令で、一斉にテレビ・新聞の報道内容が決められている。ディープ・ステイトの忠実な子分たちが日本にもたくさんいるということだ。

 私たちがハタと気づくことだが、昨年(2020年)2月からのコロナウイルス騒ぎも、よくよく考えてみれば米大統領選挙に照準をピタリと合わせて、トランプ政権に大(だい)打撃を与えトランプを潰すために、初めから画策してディープ・ステイト(ここではビル・ゲイツの資金力が原動力)が、撒(ま)いたものであった。中国の武漢で撒いたものとはまた別のウイルスである。

 フルフォード氏は、私たち日本人にこれまで多くの貴重な知識を教えてくれた。本当に有難いことである。彼がいてくれたから、それに後続する私たちの、言論の自由(何でも書いてよい)が守られ、切り開かれた。氏は、2002年に『日本がアルゼンチンタンゴを踊る日』と『ヤクザ・リセッション』(いずれも光文社刊)を書いて日本の言論界に登場した。彼は米フォーブズ社の日本支社長であり、欧米主流メディアの花形ジャーナリストだった。そのあと日本人に世界の大きな真実を教えるべく独立した。日本人と一緒に闘うと決めたからだ。世界中に英語でも発信している。 

 フルフォード氏はこの本の59ページで次のように言っている。

  BF ただこの人たちは、普通の人たちと違って、カルトですからね。そのカルトがかなり悪質なことをやる。私はこのことを長く調べてきました。簡単に言うと、古代カルタゴの末裔なんですよ。カルタゴは、当時のローマやギリシャの歴史学者の書いたものや、発掘現場から出てくる証拠ではっきりしているんだけど、子どもを生贄(いけにえ)にするんですよ。

  実際問題として、FBI統計でアメリカで年間40万人ちょっと、子どもが行方不明になっているんですよ。このうちほとんどはちょっとした家出とかで、まもなく帰ってくる。ただ毎年4万人強の子どもは永遠に消えていなくなる。もし、これだけの子供が、この人たちによって殺されていたとすれば、それはただじゃすまない。

 このようにはっきりと書いている。これが今のアメリカの超エリートたちディープ・ステイトがやっていることである。誘拐されて行方不明の毎年4万人のアメリカの子どもたちは、果たしてどんな儀式(ライト)で使われて、生贄(サクリファイス)されたのか。

 何故、彼ら悪魔教(サタニズム)の秘密結社に入る欧米のエリートたちは、こんな残虐なことをするのか。その理由は、そうしないと自分が支配階級に属する人間として、出世や金儲けができないからだ。

 この悪魔教のカルトと対決して、トランプ大統領を先頭にして真面目で健全なトランプ派の白人たち(1億人のアメリカ国民)の怒りがついに爆発した。アメリカ国民は、これまでヒソヒソと話し合いながら何でも知っている。彼らの激しい正義の怒りが世界中に伝わってゆく。私たちも腹(はら)をすえて、決意してこの戦いに参加しなければいけない。 

 私は、自分が生きている間に、人類の悪魔退治(たいじ)の戦いを目撃し、それに参加できるとは思わなかった。

 欧米白人のエリート(エスタブリッシュメント)たちは、大学に入った時からこの儀式に加わることで秘密組織のメンバーになる。ここでの儀式に参加した者たちは、30歳で大企業の副社長(ヴァイス・プレジデント)になり、裁判官や一流ローファーム(法律事務所)などの法曹(リーガル・ギルド)で出世の道に入り、一流研究所の研究員や大学教授になる。あるいはメディア界で花形ジャーナリストになる。このようにして彼らは特別な出世栄達の道を保証される。

 この過程は、彼らが一流大学のフラターニティ( fraternity 学生結社の学寮)に入った時から決まる。女子にもソロプチミスト(ソロリティ)の組織がある。しかし、もし組織を裏切ったら、それは死で償うことになる。

 これを陰謀論だ、などともう言わせない。私は、英語の「コンスピラシー・セオリ

ー」conspiracy theory を、陰謀論ではなく、○「権力者共同謀議[きょうどうぼうぎ](は有る)論」と言え、とずっと主張してきた。権力者共謀(きょうぼう)論でもいい。「権力者共同謀議」は今の世界に確実に存在するのである。日本でSNS(エスエヌエス)を見る若い人たち数百万人が真実に薄々と気づいた。彼らに対して、私とフルフォード氏がこれまで蓄えてきた知識と理論を与える番である。

 この腐り果てた超エリートたちが、アメリカに何と百万人もいる、と本書でフルフォード氏が書いている。この者たちの全体像が、今度こそ明らかにならなければいけない。

 なぜこれほどにディープ・ステイトの勢力は強いのか。私には今まで分からなかった。トランプを支えるアメリカ白人大衆の決起で、私は大きな真実に到達できた。

 私が独自に探究して到達した結論は、ディープ・ステイトの総本山で最高司令部は、ヨーロッパ各国の王室(王族)たちと大(だい)貴族たち(今も世界中に広大なビルと不動産を持っている)である。中国共産党ではない。だから、今度のトランプ革命は、第2次のアメリカ独立革命戦争(インデペンデント・レヴォルーション・ウォー)なのである。

 フルフォード氏は、私たち日本人に、大きな真実を伝えるために長年奮闘してきた。そのことは本書の中でも繰り返し具体事例を挙げながら強調されている。

 独立ジャーナリストとしての氏のこれまでの優れた言論活動に私たちは深い敬意を表し、感謝する。

 フルフォード氏が、自分で日本語で書いて発表してきた100冊の本の真実性が、今、アメリカで勃発(ぼっぱつ)したトランプたちの戦いによって、大きく証明されようとしている。こんなに感動的なことはない。

 2020年1217

副島隆彦
soejimafullford001

 =====

 『今、アメリカで起きている本当のこと』◆ 目次

 まえがき(副島隆彦) 1

 第1章 2020年アメリカ大統領選〝不正選挙〞の真実 15

 〝不正選挙〟が勃発した 11月4日午前4時半 16

トランプがキッシンジャーの首を切った 38

〝クラーケン(海の怪物)〟が解き放たれた 49

これは第2次アメリカ独立戦争だ 65

70パーセントの票はトランプに入っていた」 74

アメリカは国家分裂するか、さもなくばアメリカ大陸で統一される 82

戒厳令が発令される 88

 第2章 知られざる世界支配者の悪魔崇拝 107

コロナウイルスと5G電磁波 108

「親中」と言われて 120

世界の支配者と悪魔崇拝 129

日本の優れた経済システムは意図的に壊された 145

 第3章 民衆支配の恐るべき洗脳と暴虐の実態 159

菅新政権について 160

日本がアメリカに取られた1200兆円は戻って来ない 173

マレーシア航空機撃墜事件の真相 182

「陰謀論」という言葉を使う者こそ悪のディープ・ステイト側 190

ユダヤ教、キリスト教、ユニテリアン 205

 第4章 世界の近未来図はどうなるか 221

アメリカは関税をかけてもダメ、新通貨発行しかない 222

アメリカ3分裂か、それとも世界7分割か 229

「トランプが必ず勝つ」で一貫するエポックタイムズグループ 234

ハンター・S・トンプソンの銃射撃 238

 あとがき(ベンジャミン・フルフォード) 245

 =====

 あとがき

 今回、日本における〝真実言論〟のトップランナーである副島隆彦氏と対談する機会に恵まれ、私は自分でも驚くほどの貴重な体験をさせていただいた。

 対談本は、これまでも結構な数を出版してきた私だが、今回の副島氏との対談ほど、「対話」が成り立ったと感じたことはない。対話―英語で言えば dialogue だが、これは dia through「~を通って」 logue logos「言葉」であり、文字通り、二人の言葉と思考が通(かよ)い合って、それによって話題がどんどん発展していかなければならない。これまでは、ともすると、互いに言いたいことの言いっ放しで終わる対談も多かったのだが、副島氏との対談で私は、かつて味わったことのない質の高い意見交換ができたと感じている。

 本書をお読みくださった読者にはすでにお分かりのとおり、副島氏と私の考えには共通する部分と、意見を異にする部分がある。

 しかし、新型コロナ・インフォデミック( infodemic )に始まり、まだ結果の見えないアメリカ大統領選で終わろうとしている2020年という年は、「あのとき歴史が変わったのだ」と後に必ず言われるようになる、人類の歴史上での大転換の年になる。この点において、私と副島氏の認識は一致している。我々は世界史上の大革命の最中(さなか)にいる。

 そして私は、これから1年後の2021年末までの間に、我々がびっくり仰天するような大きな発表があると確信している。

 それまでの間、我々はこの大転換の歴史の生き証人として、革命の行方に注目するしかない。私はそのための情報発信をこれからも続けていく。

 対談後に入った情報で2点補足しておく。

 CIAの東アジア担当から、CIA長官のジーナ・ハスペルについて返事(44頁参照)があった。それによると、フランクフルトの選挙八百長に使われた施設で、銃撃戦があった末に、特殊部隊を含めて5名が死亡した。その際、ハスペルも軽い怪我をして拘束された。ハスペルは司法取引に応じようとして、あらゆる汚い秘密ファイルのことなど、何でもぺらぺら話したが、あまりにも内容が酷いために、結局それでも、ハスペルは処刑された。だから、今後ハスペルの映像が出たとしても、それはCGでしかないとCIAの人間が言っている。

 次に12月8日のペンシルベニア州、11日のテキサス州での最高裁判決でトランプ側の訴えが退けられた件について、私は事前にペンタゴン筋から、最高裁判事の陣容が現在トランプに有利になっているので最終的にトランプに有利な結果が出ると言われていたが、ふたを開けてみたら、最高裁もトランプを裏切った。その理由は、アメリカが倒産しているのみならず、今後ますますひどい財政・経済状況が確実視されているため、このままトランプではアメリカはやはりそれを乗り切れない。たいへんなことが起きる、それで、最高裁は裏切ったという情報をもらった。そして今、本文でも述べたが、トランプでもバイデンでもない第3の男が現れてくる公算が一番大きくなっている。

  最後に、本書の校正作業が手離れする寸前の段階での最新情報を、私のメルマガ(VOL587)から転載したい。

最後の米大統領選となるか、米国と世界のこれから

《2020年1214日/VOL587》

 今回の2020年米大統領選は、アメリカにおける最後の大統領選となる可能性が極めて高い。なぜなら、次のアメリカ大統領がバイデンになろうがトランプになろうが、アメリカ経済そのものが数学的に考えて修復不可能なほどに破綻しているからだ。

 これからの問題は「アメリカと世界が、その後どうなっていくのか」ということ。将来的にアメリカがソ連のように複数の国家に分裂するのか、もしくはカナダや中南米の諸国と合体して南北アメリカ大陸を跨(また)ぐ巨大国家となるのかは、今後の戦いや交渉で決まることになる。

 【アメリカの破綻】

  はじめに、アメリカがすでに倒産状態にあることを再確認しておこう。

 まず、米財務省が1212日に発表した10月の財政赤字は前年同月比111%増の2840億ドル。10月としては過去最大の赤字となった。

 ちなみに、2020年度(2019年10月1日~2020年9月30日)の米政府の支出は6・5兆ドル。財政赤字は通期で3・1兆ドルとなり、前年の3倍以上にのぼった。

 FRBや米政府機関などの試算によると、米政府の累積財政赤字や対外貿易赤字、これから支給予定の年金……等々の合計はアメリカGDPの約10倍、200兆ドルをはるかに超えている。ようするに、どう計算してもアメリカには倒産(デフォルト)を宣言する他に選択肢はないのだ。

  https://jp.reuters.com/article/usa-economy-budget-idJPL4N2HZ14M

  https://www.nextgov.com/cio-briefing/2020/12/federal-government-spendingnearly-

twice-much-its-taking/170681/

 すでに、アメリカ国内では5000万人以上もの人々が酷い食糧不安に陥っている。しかも、今回の危機は食糧の供給不足によるものではなく、米金融経済制度の崩壊とそれに伴う大衆の貧困化だ。そのため最近では、食品やその他の必需品の万引きが大幅に増加し、社会問題となっているほどだ。

 https://www.zerohedge.com/personal-finance/ominous-sign-americans-havebegun-

stealing-food-survive

 現在、全米でアメリカ人世帯の4割が実際に家賃や住宅ローンを支払えていない。凶悪な犯罪も急増し、また産業空洞化もますます加速している。今のアメリカがFailed State(崩壊国家)であることは紛れもない事実だ。

 今回の2020年米大統領選は「破綻したアメリカの今後」をめぐる戦いである。そして、それはすなわち「世界の今後」を決める戦いでもあるのだ。

 この戦いは、大きく分けて「スイスに本部を置く13血族と呼ばれる欧米の特権階級」対「世界各国の軍や司法当局、諜報機関などの改革派」という構図で見ていくのが分かりやすいだろう。

  まず、欧米エリートの頂点に君臨する13血族は、世界の多国籍企業の9割を実質支配している。その多国籍企業が毎年スイスのダボスに集結して世界運営について会議を行うわけだが、そうした企業による社会支配のことを英語ではファシズムと呼ぶ。彼らの権力の源泉は「おカネ」と「脅迫や賄賂で手懐けた政治家」、「プロパガンダ部隊の大手マスコミ」である。英王室筋によると、彼らは今、もはや〝お荷物〟となったアメリカを早々に複数の国に解体してしまいたいと考えているという。

 一方の改革派のグループは、能力主義と民主主義を基本理念に掲げて動いている。ただ資金が豊富ではないため、中には賄賂攻撃に屈する人間も少なからずいる。また大手マスコミのプロパガンダに対抗するため、独立系ジャーナリストや各当局による記者発表で真実を発信しているので、情報戦においては接戦といったところだ。しかし、いざ武力戦となれば、当然ながら圧倒的に強い。彼らは、南北アメリカ大陸を1つの巨大国家にしたいと考えている。

【米大統領選の行方】

 今回のアメリカ大統領選でジョー・バイデンの裏にいるのが13血族のグループだ。彼らは自分たちの思惑通りに世間を動かすために各国指導者の影武者やディープフェイクなどのCG技術を駆使して情報を操作し、世界人類から己の存在を隠している。たとえば、左記リンクの2つのバイデンの画像だが、耳たぶの形が明らかに異なる。

 https://foimg.com/00006/Twdt0g

 https://foimg.com/00006/f2Ql63

twobidens001
  
これを見る限り、この世に少なくとも〝2人のバイデン〟が存在していることが分かる。米民主党の全国党大会などバイデン陣営の選挙キャンペーンも、ほとんどがリモートで開催されたヴァーチャルだった。ようするに、〝バイデン〟という大統領候補は、広告代理店などの企業が作り上げた〝イメージ指導者〟なのだ。

そしてドナルド・トランプの背後にあるのは、やはり軍や司法当局、諜報機関などの改革派と国民世論の大多数だ。米軍や司法当局は今回の大統領選におけるバイデン陣営の不正の証拠を山ほど握っている。しかし、彼らは最高裁判所の動きについて大誤算したようだ。

 というのも、先週8日、米最高裁はペンシルベニア州での投票結果の承認の差し止めを求めていたトランプ陣営側の訴えを退け、さらに11日にはトランプが敗れた4州(ミシガン、ジョージア、ペンシルベニア、ウィスコンシン)の選挙結果を無効とするよう求めていたテキサス州の訴えも退けた。となると、従来のアメリカのしきたりで行くならば、バイデンの勝利は確実なものとなる。

 しかし、ペンタゴン筋に連絡をしてこれについて尋ねたところ、以下のような答えが返ってきた。

 《現在、米軍のすべての特殊部隊がトランプ大統領の直轄に置かれ、アメリカ国内での武力行使を承認されている。また腐敗した軍幹部のパージも現在進行中だ。たとえばアフガンに派遣されていた軍の司令官は皆、〝アヘン資金〟絡みの汚職を理由に、すでに権力の座から追われた。

 米軍は今、CIAとの協力関係を打ち切り、バイデンを担ぎ上げて選挙泥棒を働いたカルト集団(ハザールマフィア)とアメリカ国内で戦う準備をしている。》

 さらにCIA筋にも尋ねたところ、同筋は「CIAのジーナ・ハスペル長官は軍に連行され、司法取引を持ちかけた際にすべての汚い秘密やファイルを手渡したが、それでも彼女は処刑された」と話した。同筋によると、最近CIAからは他にもたくさんの人間が消えているのだという。

 いずれにせよ、複数の筋からの情報と、すでに公開されている情報を総合すると、米軍がアメリカ国内で動きを活発化させているのは間違いない。ペンタゴン筋は「バイデンの裏にいるハザールマフィアに勝つのは確実だ」と言っている。そして彼らは、その後に破綻したアメリカを不死鳥のごとく蘇らせるために、これまで〝国家安全〟の名目で封印してきたパテントの技術を解禁して人類に公開するつもりなのだという。

 ただし、今の膠着状態は少なくとも年内いっぱいは続く公算が大きい。しばらくは、これを静観するしかない。

2020年1217

ベンジャミン・フルフォード

(貼り付け終わり)

(終わり)

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

bakabusubingounawatashitachiwomatsufujimori001
馬鹿ブス貧乏な私たちを待つ ろくでもない近未来を迎え撃つために書いたので読んでください。

 藤森かよこ氏の最新刊『馬鹿ブス貧乏な私たちを待つ ろくでもない近未来を迎え撃つために書いたので読んでください。』が発売になりました。前作『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』は重版を重ねるベストセラーです。最新刊は新型コロナウイルスバカ騒ぎの中で書かれたものです。以下にまえがき、目次、あとがきを掲載します。是非手に取ってお読みください。

(貼り付けはじめ)

やはり長いまえがき

●本書はコロナ危機に対する著者の不安と恐怖解消活動の副産物

 こんなことを書くのは実に不謹慎なのだが、二〇二〇年二月から三月にかけて、私は生まれて初めて経験するパンデミックにわくわくしてしまった。三月の初めの頃に東京に行ったら、名古屋駅も東京駅も新幹線のホームに人がいなかった。なんという新鮮な清々(すがすが)しい風景。

 と同時に、私の心理状態は不安定になった。生まれて初めてのパンデミックは面白いと同時に、やはり不安だった。

 不安なときや、恐怖に駆られたときは、自分が怖いと思っている対象について徹底的にリサーチするに限る。

 私が生まれて初めて痴漢に遭遇(そうぐう)したのは、高校三年生のときだった。国立大学を受験する朝の電車の中であった。ショックだった。

 しかし、私は、その痴漢の気持ちの悪い顔の残像(ざんぞう)から逃げなかった。敢えて何度も何度もその痴漢の気持ちの悪い顔を思い出して記憶に刻み込んだ。折りたたみナイフをポケットに入れ、今度会ったら刺してやると決めた。私に痴漢をした男の顔というものを心の中で何度も凝視(ぎょうし)しているうちに、私の痴漢に対する恐怖はじょじょに薄れていった。なんだ、ただのクズじゃん。

 怖いなら、逃げずにリサーチだ。コロナが怖いなら新聞を読み、関連図書を読み、ネットで調べる。

 新型コロナウイルス感染症拡大危機(以後、コロナ危機と書く)が、その到来を加速させるろくでもない類の近未来が怖いならば、その近未来に起きるであろうこと(大恐慌や監視管理社会の到来や戦争や、ほとんどの人間が無用となるデジタルワールドなど)について調べる。その近未来を迎え撃つための方法を考える。

 本書は、私のコロナとコロナ危機に対する不安と恐怖解消のためにしたリサーチの副産物だ。

●コロナ危機は世界を強引に「ある方向」に進ませる

 リサーチ、リサーチ。まずは、私は購読している新聞(「日本経済新聞」)のコロナ関連記事を切り抜いてクリアファイルに入れるようになった。四〇枚ポケットのクリアファイルはあっという間に増えて、三月から九月の間に二二冊になった。

 こんなことを言うのは、年甲斐もなくナイーヴに過ぎるが、紙媒体の新聞というものは電子新聞より面白い。あらためて丹念に読むと貴重な情報満載だ。

 と同時に、新聞というものは、わりとあからさまに読者を誘導しているということにも今更ながら気がついた。「新聞は日付け以外はみな疑え」と、どこかに書いてあった言葉を思い出した。

 また、コロナ危機に関連して、新聞記事やインターネットに氾濫する記事や動画を漁(あさ)っているうちに、事態は単なる感染症騒ぎではなさそうだと思うようになった。「ある方向」へ世界を引っ張っていく力が働いていると感じるようになった。「シナリオ」があるような気がした。

 シナリオといっても、生身の人間が考えたシナリオだから、そのシナリオどおりに事態は進行しない。想定外のことは起きる。明日、宇宙から超巨大な隕石が海に墜落し、恐竜が滅びたようなプロセスで、世界を支配している人々もろとも人類全体が滅びるかもしれない。またシナリオは事情に応じて何回も書き換えられる。しかし大筋は変わらないだろう。進行方向は同じはずだ。

 その進行方向が見えるような気がした。そうか、世界はそちらに向かうのか。

 ここで私を「陰謀論者」と呼ばないでくださいね。副島隆彦(そえじまたかひこ)が『陰謀論とは何か―権力者共同謀議のすべて』(幻冬舎新書、二〇一二)で提案したように、ちゃんと正確に「権力者共同謀議論者」と呼んでください。

 そういえば、前著『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』に関するアマゾンのレヴューに「陰謀論的考えがよくない」というコメントがいくつかあった(レヴューを書いてくださったみなさま、ありがとうございました!)。

 今どき、「権力者共同謀議」の存在を否定する人間がいることに驚いた。共同謀議は存在するに決まっている。国策でも企業の方針でも、ほんとうのところは五人ぐらいの話し合いで決まる。小学校の学級会じゃあるまいし、多数決の民主主義で決まると思ってんの?

 ただ、コロナ危機までの私は、その「権力者共同謀議」というものを、あくまでも他人事(ひとごと)にしか感じていなかった。庶民の私とは直接には関係のない「社会の裏事情(うらじじょう)」だと思っていた。勝手にやってろ、と思っていた。

 ところが、それまではどうでもいいと思っていた「権力者共同謀議」によって引き起こされ増幅(ぞうふく)されたらしきコロナ危機のせいで、私が『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』において書いたことが通用しない状況になってしまったことに気がついた。

 これが問題。なんという迷惑な。前著を書き直すわけにはいかないので、私は前著の補足版を書くことにした。それが本書です。

●コロナ危機によって「遠い未来」が「近未来」になった

『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』を書いていた二〇一九年においても、今の時代が大きな大きな変化を前にした階段の踊り場ような時期であることは、わかっていた。

 大きな大きな変化とは、どのような変化だろうか。

 内閣府や省庁のウエッブサイトには、数年前から「Society 5.0」だの「スーパーシティ構想」だの「ムーンショット目標」だの、政府が一〇年後二〇年後に実現させるつもりのヴィジョンが開示されていた。それらを読むと、まるでSFだった。「アバター」なんて言葉が普通に出てくるのだ。

 官公庁のウエッブサイトは面白い。あれを丹念に読めば、卒業論文程度ならば、ネタ探しに事欠かない。資料も無料でいくらでも手に入る。

 日本政府が、主体的に「Society 5.0」だの「スーパーシティ構想」だの「ムーンショット目標」だの考えるはずがない。どこからか指令が来ているに決まっている。日本は属国としての歴史が長すぎる。

 指令しているのは(世界を動かす超特権的支配層の走狗(そうく)的機関である)「世界経済フォーラム」(WEF/ The World Economy Forum /ダボス会議)らしい。パソナグループ取締役会長の竹中平蔵がこの組織の評議員を長く務めている。このWEFは「第四次産業革命」をめざしている。AI化ロボット化が普通になる世界が二〇五〇年頃までに実現すると断言している。

 この世界を動かす人々は、人類が抱える諸問題は、SFのように見える手段によって解決すると思っているらしい。

 それも一理ある。人類の精神の進化に期待しても、その歩みは遅々(ちち)としている。遅すぎる。キリスト教諸国も仏教諸国も、キリストや釈迦の教えをいまだに実現できていない。遺伝子の突然変異による人類の精神の進化にも期待できない。突然変異なんて滅多に起きないのだから。したがって、科学技術の発展で人類の限界を広げるしかないというのは、わかる。

 加えて、人類にとっての人跡未踏(じんせきみとう)の希望の地はサイバー空間しかないようだ。それ以外は、もう地球上には残っていない。どこかの惑星に移住して人類社会のやり直しを試みることもできそうにない。巨大な宇宙ステーションを構築して、そこに選ばれた人類のみが住むというプランを持っている人々もいるが、それも、今の人類の身体条件のままでは無理だろう。ほんとうは、人類は月面着陸さえしていないらしいではないか。

 もはや、科学技術の発展を加速化させ、オンライン化AI化ロボット化を進め、人類の限界を突破し、エネルギー問題や少子高齢化問題や階級格差や教育格差を解消するしかないのだ。

 科学技術の発展(正確にいえば軍事技術の民間への放出なのだが)によって、現代世界が抱える問題を解消させる未来を実現させることは、ある種の政治エリートや科学者にとっては最重要課題であった。二一世紀に入ってからは、そのような科学的啓蒙書(けいもうしょ)もいっぱい出版されるようになった。

 しかし、そのようなAI化ロボット化によって、普通の女性どころか普通の男性の仕事も消える。少なくとも、「今ある仕事」のかなりが不要になる。雇用が消えたら収入も消える。

 いくらAI化ロボット化によって商品やサービスの生産性が高まっても、商品やサービスを買うことができる人間がいなくては意味がない。だから、国民が消費力、購買力を持てるようにユニバーサル・ベイシック・インカムが導入されるべきだと論じる本の出版も、二〇一〇年代になってから目立つようになってきた。

 しかし、AI化ロボット化によって雇用が消え、ベイシック・インカムの導入が本格的に論議されるのは、まだまだ先のことだと私は思っていた。

 大企業はいざ知らず、日本の企業の九割以上を占める零細中小企業は、コスト面でAI化ロボット化する余裕がない。AIもロボットもメインテナンスには費用がかかる。ならば機械ができることでも人間にさせておくほうが低コストだから、あと三〇年は現状維持に近いだろうと私は甘く見積もっていた。

 特に、日本の役所や企業や学校は、変化に対してシレっと抵抗し、素知らぬ顔して旧態依然(きゅうたいいぜん)を反復する傾向が大きい。だから普通の女性の雇用についても、何とかなるだろうと私は思っていた。

 ところが、コロナ危機のために、「普通のそのへんの女性(と男性)の雇用が消える未来」が近くなってしまった。

 普通のそのへんの女性が多く雇用されている職場は、正規雇用にせよ非正規雇用にせよ、対面型接触型サービス業が多い。観光業や宿泊業の従業員に、小売店の店員や飲食店のホールスタッフに、航空会社のフライトアテンダントに、セックスワーカーを含む歓楽系接待業が多い。

 コロナ感染拡大を防ぐには、人間と人間が接する機会を減らすしかないのだから、緊

急事態宣言発出(はっしゅつ)以後の外出自粛期間には、これらの職に従事する女性たちは休業や自宅待機を強いられた。

 二ケ月近い休業要請による経済活動の強制停止により、多くの零細中小企業は苦しい経営を強いられ倒産も増えた。エリートではない普通の女性を雇用している職場は、日本の企業の九割以上を占める零細中小企業が多いので、女性の雇用がさらに収縮する。

 コロナの襲来は第二波も第三波もあるらしい。今回のウイルス騒ぎが収束するのは二〇二二年になるという予測もある。つまり、コロナ危機による休業要請などは今後も繰り返される可能性が高い。となると倒産閉店はこれからも増え、失業者は増加する。

 大企業勤務の女性も安穏(あんのん)とはしていられない。リストラも多くなる。在宅勤務のリモートワークやオンライン化が、ウイルス感染拡大を招く三密状態を回避するために急いで導入されたので、そのために雇用形態の変化も起きる。

 経営者は、「職務定義書(しょくむていぎしょ)」(job description)を明確にすれば、社員が在宅勤務でも同じような成果が出せるとわかった。週五日出勤体制は無用だとわかった。高い賃料を払って都心のオフィスを確保しなくてもいいとわかった。社員食堂も用意しなくていいとわかった。

 ついでに、「職務定義書」が明確であれば外注できるから、正社員を雇用しなくてもいいということもわかってしまった。

 ひいては、企業に必要なのは、株主と経営者と具体的な実働(じつどう)要員(タスク・フォース)に明確な課題や指示を出すことができるだけの管理職がいればいいとわかった。鳥のような俯瞰(ふかん)的視野と虫のように細部を見る目を持った優秀な管理職さえいれば、他の社員は全員派遣でもいいとわかってしまった。この管理職でさえ、「ビッグデータを随時更新して自己学習する人工知能」ができれば無用になるかもしれない。

 この動きは止まらない。世の中というのは変わるときにはサッと変わる。

 人間が余る。人間の在庫が多くなる。

 人間の在庫が多くなる近未来を、馬鹿ブス貧乏な女性は生き抜けるのか? ただでさえ、私を含む馬鹿ブス貧乏な女性にとっては、生き難い世界なのに。

●ほとんどの人間が「無用者階級」になる近未来

 私たちが生きている資本主義社会というのは、資本家がコスト削減し、利潤拡大し、蓄積された利潤を増大(ぞうだい)させるために投資を繰り返す運動だ。一番のコストは人件費だ。労働者に支払う賃金だ。資本家にとって賃金を支払わずに済む労働力が理想だ。だから、可能ならばAI化ロボット化に移行するのは当たり前だ。資本主義は不可避にその方向に行く。

 コロナ危機は、その動きを加速させた。コロナ危機は、今までの世界のビジネスのあり方や仕事のあり方を激変させたというよりも、前々から予測されていたことの実現を速めることになった。そういう時代は、それに応じて人間の生き方も変わることになる。

 だから、イスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラリ(Yuval Noah Harari,1976-)は、『ホモ・デウス―テクノロジーとサピエンスの未来』(柴田裕之訳、河出書房新社、二〇一八)の下巻一四七頁の「無用者階級」というセクションにおいて問題提起したのだ。

「二一世紀の経済にとって最も重要な疑問はおそらく、厖大な数の余剰人員をいったいどうするか、だろう。ほとんど何でも人間よりも上手にこなす、知能が高くて意識を持たないアルゴリズムが登場したら、意識のある人間たちはどうすればいいのか?」(『ホモ・デウス』下巻一四七頁)と。

「アルゴリズム」というのは、問題を解くための数学的計算手順のことだ。プログラミング言語を使って、問題の解決手順を記述したものをコンピューターのプログラムと呼び、それを実行すると、有限時間内に解が得られるものが正しいアルゴリズムである(二〇〇七年版『知恵蔵』筑波大学名誉教授星野力の解説より)。

 ほとんどの人間は、今まではプロレタリアート(Proletariat)、「無産階級」であることで苦しんできた。とはいえ、「無産」でも労働すれば賃金を得ることができた。しかし「無用者階級」になったら、どうすればいいのか。無用者階級でも死ぬまでは生きている。死ぬまでの時間を合理的に(=自己に真に利益があるように)使わねばならない。

 賃金労働は最も合理的な暇潰(ひまつぶ)しであった。賃金労働は最も効果的な学習機会であった。賃金労働が消えたら、人類は、どうやって暇潰しをするのだろう。

 これは人類史始まって以来の大衝撃で大変化だ。人類に突き付けられた大挑戦である。うまくいけば、全人類が賃金労働から解放され、真に自分のしたいことができる時代が来るのかもしれない。そのときには労働すら余暇活動になるのかもしれない。

 ただし、そういうチャンスに満ちた未来の到来の前に「過渡期(かとき)」というものがある。

この過渡期は二〇年間くらいだろう。長くて三〇年。つまり、二〇四〇年までか五〇年までは過渡期だろう。あなたが生きる時代は、もろこの過渡期にはまる。

 この過渡期は、ほぼ混乱状態でろくでもないだろう。おそらく、未来の「全人類が労働から解放され、真に自分のしたいことができる時代」の到来の前には、人口削減(さくげん)時代があるに違いない。

 人口削減は戦争によるのか、より平和的に非暴力的にパンデミック襲来の反復によるのか、あるいは死という副作用のある類のワクチンによって実現させるのか、福祉政策を捨てるのか、人工気象装置で大地震でも起こすのか、それはわからない。

 なぜ人口削減されることになるのか。よりマシな時代にするには人類が多すぎるから。人間の在庫が多すぎるから。ここらあたりの事情は、副島隆彦の『余剰の時代』(KKベストセラーズ、二〇一五)を読んでください。

 ほんとうは、人間は余っているのです。その証拠に、少子化対策など日本政府は本気でしていないでしょう? 反対に、結婚も出産も育児もしにくい社会を放置しているでしょう? ほんとは、少子化でいいのです。

 ともかく、普通の庶民は、この過渡期にさんざん翻弄(ほんろう)され、「無用者階級」確定だ。難儀(なんぎ)なことだ。

 二〇四〇年に生きていれば、私は八七歳。その頃には、日本でも生と死に関する哲学

も進化して、「安楽死」が合法(ごうほう)になっていればいいのだが。しかし、まだまだ日本人はその段階には達していないかもしれない。

 二〇四〇年では、庶民が身体を機械化して老いの不快さや不便さを解消できるサイボーグになれる状態を享受(きょうじゅ)できるほどには、科学技術が安価に利用できる段階にも至っていないだろう。そうなると、八七歳の私は三〇〇%「無用者階級」だ。

 ハラリのような高名な学者が、私のような余った人間を「無用者階級」と呼ぶことについては、どうでもいい。問題は、私にとっては、私自身は無用じゃないということだ。どんな時代になろうと、人間は自分自身の尊厳を否定できない。

「こんな人生なんて、こんな私なんて」と思っても、人間は自分自身のことを唯一の宝物(たからもの)だと思っている。その宝物が傷つくし苦しむから辛い。人間は、他人から「無用者階級」に分類されても、「無用者階級」ではいられない。無用者階級になってたまるか! 世界が私を必要としなくても、私自身は世界に居座る。

 本書の目的は、来(きた)るべきろくでもない近未来と、もうちょっと先の面白い(かもしれない)未来において、「無用者階級」と処理される「馬鹿ブス貧乏な普通のそのへんの女性」が、自分で自分を無用者階級にしないための対策を考えることにある。

 ここで、あらためて私が意味するところの「馬鹿ブス貧乏」の定義を、もっと露骨に明確にする。

「全人口のうち上位三%の知力の持ち主でなければ馬鹿」です。「知力」の定義が難しいですが、まあここは適当に考えて下さい。一九四六年にイギリスで創設されたメンサ(MENSA)の条件は、全人口のうち上位二%の知能指数の持ち主が会員の条件だそうだから、メンサよりは条件が緩いかもしれません。

「美貌やプロポーションの良さだけで高収入を得ることができないならブス」です。

「どんな政治的社会的変動があっても、生活が安泰な超富裕層以外は貧乏」です。

 つまり、普通のそのへんの人間は、全人口の九七%くらいの人間は、みな「馬鹿ブス

貧乏」です。不愉快でも受け容れてください。

●本書の構成

 本書は、一五の章に分かれている。本書に収録された文章のほとんどは、KKベストセラーズ社のウエッブマガジンBEST T!MESに、二〇二〇年三月から一〇月の間に発表したコロナ危機関連の文章に加筆したものだ。

 インターネットでは長い文章は、あまり読まれない。タブレットやスマホの画面で読める文章の字数には限りがある。だから、BEST T!MESに掲載された記事の文字数は長くても六〇〇〇字が限度だった。ほんとうは二〇〇〇字くらいが妥当らしい。

 だから、書いても割愛(かつあい)せざるを得なかった部分が多かった。私が考えていることは、世間(せけん)一般からすると不快で危ないことが多いので、そのあたり最少にするためにも割愛した部分が多かった。本書に収録するにあたって、それら割愛した文章を思いっきり復元させた。まったくの書(か)き下(お)ろしは、最終章の第一五章だけである。

 各章の記述には繰り返しがちょっと散見される。その点は、反復されることによって理解が深まると前向きに解釈していただければ、ありがたいです。

 また、各章の最初に、その日付の累積コロナ感染者数と累積死亡者数が記されている。その数字は、厚生労働省が毎日正午に発表したものだ。

 日本におけるコロナ危機の最初の段階では、外国人観光客の感染者が多かったので、累積コロナ感染者数のうちの日本国籍者数を厚生労働省は発表していた。四月に入ったあたりから、累積コロナ感染者数のうちの日本国籍者数は発表されなくなった。だから、本書でも、途中から累積コロナ感染者数のうちの日本国籍者数を記入していない。

 さて、どこからでも、ご興味のおありになるところから、読んでやってください。てっとり早く結論を知りたいと思う方は、最終章からお読み下さい。できれば順番に読んでいただきたいです。今回のコロナ危機が、自然発生的なものではなく、世界をある方向に引っ張っていくための操作だと私が思うことに、あなたも共感してくださると思うからです。そして未来がどういう世界になるのか、イメージが明確になると思うからです。

 これから、大変な時代が来ます。しかし、あなたの生き方によっては、退屈しない面白い時代が来ます。その時代を迎え撃つための準備として、本書が少しでもあなたのお役に立つのならば嬉しいです。

=====

やはり長いまえがき …………18

本書はコロナ危機に対する著者の不安と恐怖解消活動の副産物 …………18

コロナ危機は世界を強引に「ある方向」に進ませる …………20

コロナ危機によって「遠い未来」が「近未来」になった …………22

ほとんどの人間が「無用者階級」になる未来 …………28

本書の構成 …………33

 

1 コロナ危機があらわにした日本の家族の問題 …………37

11 前代未聞(ぜんだいみもん)! 学校が一斉休校になった! …………38

12 現代日本の学校は学校以上「デイケアセンター」 …………39

13 ほんとうは日本人は子どもが嫌い? …………41

14 育児に要求されることが多い現代 …………45

15 中産階級が生まれた近代から子育ての苦労は生まれた …………46

16 古代から親の三〇%(?)は毒親 …………49

17 一九九〇年代から可視化された毒親問題 …………51

18 悪魔のような親は存在する …………53

19 残虐(ざんぎゃく)な事件の実態は報道されない ………… 54

110 古代からあった家族内性的虐待 …………57

111 毒親もいれば「毒子」もいる …………61

112 あらためて認識された学校給食の決死的重要性 …………66

113 日本の家族の機能不全を受容するしかない …………68

2 コロナをめぐる権力者共同謀議論を漁(あ)さる …………71

21 ウイルス発生源をめぐるネット界の噂 …………72

22 ウイルスが中国製だろうがアメリカ製だろうが …………74

23 ウイルスワクチン販売促進のための都市封鎖? …………77

24 グローバリズムはパンデミックを不可避に生む …………80

25 経済危機の犯人をコロナのせいにするための都市封鎖? …………83

26 混沌とした世界を理解する一助としての権力者共同謀議論 …………84

3 アフターコロナには監視管理社会になるらしい …………87

31 国際的知識人の見解にご用心 …………88

32 ユヴァル・ノア・ハラリは監視管理国家を予測する …………90

33 コロナ危機で強化される国民監視体制を暗に支持? …………91

34 自由より安全を選べば監視管理社会になる …………94

35 未来予測なのかシナリオなのか? …………96

4 剰余価値も生み出せない生産性のない労働者だった自分に気がつく …………97

41 コロナ危機での各国政府の巨額財政負担は大丈夫なのか? …………98

42 前例(ぜんれい)のない大盤振舞(おおばんぶるま)いをする各国政府 …………100

43 日本の財政出動もすごい …………102

44 各国の大型財政支援はMMTの正しさの証明か? …………103

45 MMTが官僚支配の社会主義に見えてしまう私 …………106

46 副島隆彦の『経済学という人類を不幸にした学問』の衝撃 …………109

47 どんな経済政策でも失敗すると想定しておく …………115

48 経済学的には「無用者階級」である自分にあらためて気がつく …………118

5 高等教育のオンライン化は教育格差解消に貢献できる …………121

51 コロナ危機前から大学はすでにオンライン化が進行していた …………122

52 アメリカには完全オンラインで学位取得できる大学は四〇〇以上 …………123

53 日本の完全オンライン大学は二〇二〇年現在二大学のみ …………126

54 オンライン大学講座ならば日本でも盛んである …………128

55 高等教育のオンライン化が進むべき理由 …………129

56 現代大学生のお金事情―奨学金という借金 …………132

57 オンライン化の問題もある …………137

6 章官公庁のサイトには公開されているけれど国民の多くが知らない国策 …………141

61 小中高のオンライン化はコロナ危機前からの国策 …………142

62 補正予算二三一八億円規模の「GIGAスクール構想」 …………144

63 Society 5.0時代に適応できる国民を育成すること …………146

64 Society 5.0時代の暮らしを想像する …………148

65 Society 5.0は国民のデータを集める監視管理社会でもある …………150

66 あまりにタイムリーなコロナ危機 …………152

7 コロナ危機は「第四次産業革命」実現のための布石(ふせき)…………155

71 田中宇(たなかさかい)の「新型コロナウイルスの脅威を誇張する戦略」説 …………156

72 WEFの第四次産業革命 …………157

73 日本政府の未来目標は第四次産業革命の焼き直し …………160

74 「ムーンショット目標」の驚愕(きょうがく)する中身 …………161

75 石黒浩の『アンドロイドは人間になれるか』を読むべし! …………164

76 人類に残されたフロンティアはサイバー空間だけ …………168

77 二〇二一年のWEFのテーマは「グレート・リセット」! …………170

8 世界支配層御用達(ごようたし)機関と御用学者が奇妙に道徳的になっている …………173

81世界支配層の代理人たちが道徳を唱え始めたほど世界は危機に瀕している …………174

82 「資本主義ではなく才能主義へ」と言うWEF会長 …………175

83 クラウス・シュワブとジャック・アタリの奇妙さ …………176

84 『2030年ジャック・アタリの未来予測』は利他主義を説く …………179

85 国連は一七の持続開発目標SDGsを掲げる …………183

86 未来世界の企業はCSRの実践があたりまえ? …………186

9 アフターコロナの雇用収縮は女性にとってこそ大問題 …………191

91 コロナ危機は「女性の最後の職業」をも脅かす …………192

92 対面型接触型サービス業で食べていくのは無理かもしれない …………194

93 コロナ危機により促進される在宅勤務と雇用形態の変化 …………196

94 メンバーシップ型雇用からジョブ型雇用へ …………198

95 限りなく派遣に近いタスク型雇用 …………202

96 Society 5.0における働き方 …………205

97 有史以来の女性の危機はチャンスでもある …………207

10 不穏な盛夏にアフターコロナ対策本出版ラッシュ …………213

101 不穏さを秘めた盛夏 …………214

102 アフターコロナ対策本出版ラッシュ …………216

103 タフなフリーランスが期待される被雇用者 …………217

104 幅広く深い教養を持つことが期待される被雇用者 …………218

105 リベラルアーツとAIリテラシーを身に付けるのが期待される被雇用者 …………220

106 雇用消滅後の人生にこそリベラルアーツ …………222

11 章近未来は最悪を予想しておくぐらいが丁度よい …………225

111 近未来予測動画が伝えるのは大恐慌と預金封鎖と監視管理国家の完成 …………226

112 某有料会員制セミナーの未来予測は人口削減で「新世界秩序」完成 …………229

113 来るべき食糧危機に備えよ …………230

114 地球の支配者は宇宙人だという説もある …………231

115 「ディープ・ステイト」の現在 …………235

116 米中戦争は二〇三〇年? …………237

117 未来は独居高齢者見守りロボットで孤独死問題は消える …………238

118 近未来の庶民の暮らしはどん底 …………241

12 消える仕事ではなく「今ない仕事」を考える …………243

121 「今ない仕事」を想像する楽しさ…………244

122 二〇三〇年には、あなたはアバターを駆使できる…………246

123 職種は永遠ではない…………247

124 人間至上主義(西洋近代啓蒙思想)は失敗したのか?…………249

125 人間の社会性と創造性を全開させるのはこれから…………251

126 私が欲しい「今ない仕事」…………254

127 私が欲しい今ない仕事「サイコパス出生防止技師」を弁明する―中絶合法化がアメリカの犯罪者を減らした …………256

13 デジタル化の必要性を真に日本人が認識していないのが問題だ …………261

131 菅政権「デジタル庁」創設…………262

132 デジタル化が必要な真の理由はコロナ危機でも資本主義のコスト削減でもない…………265

133 デジタル化してこそ人類に未来がある …………268

134 機械が人類を滅ぼすより、人類が人類を滅ぼす可能性のほうが高い …………271

135 身体の機械化への抵抗が小さくなりつつある現代 …………272

136 肉体にうんざりしつつある人類 …………275

137 テレワークに向いた回避型人類 …………276

138 霊肉分離の兆候 …………279

139 女性こそICTスキルを学ぼう …………282

14 コロナ危機のために女性の自殺者が増えている! …………285

141 七月からずっと女性自殺者数が増加している …………286

142カネも気晴らしもない鬱屈と未来への不安と孤独感は特に女性を蝕(むしば)む …………287

143 反出生主義者で「地球は地獄だ」と思う私 …………290

144 私が自殺しなかった理由 …………292

145 ダメもとで他人に助けを求める …………298

15 無用者階級になってたまるか! …………301

151 ICTスキル学習 …………302

152 困窮したら公的支援について調べ利用する …………302

153 平々凡々な日常生活を楽しむ達人になる…………306

154 食糧難に備えて小食を習慣にし、自分で食料生産してみる …………309

155 信頼できる人を気長に見定め確保する …………312

156 学び続けていれば怖くない …………315

157 「ほんとうに好きなこと」を見つける …………316

158 魂の不滅を信じる蛮勇を持つ …………319

159 無用者階級に甘んじたくないなら読むべき二冊 …………323

あとがき …………326

文献リスト(紹介順) …………328

=====

あとがき

 本書は、私のコロナとコロナ危機に対する不安と恐怖を敢えて追いかけた記録でもあるし、コロナ危機によって状況が変わり、前著『馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください。』で書いたことが通用しなくなったので、前著の補足版でもあることは、すでに書いた。

 しかし、この出版不況の時代に、そんなものを書籍にする意味はあるのだろうか? 売れるとも思えない。コロナの襲来が反復されれば、書店はまた休業してしまうのに。

 しかし、KKベストセラーズの編集者である鈴木康成氏は蛮勇を振るって、「出しましょう!」と言ってくださった。ありがとうございました! またも大変にお世話になりました。

 KKベストセラーズのWEBマガジンBEST T!MESの担当編集者の山﨑実氏にも、お世話になりました。ありがとうございました! ネットコラム記事にしては長い原稿ばかりを送りつけて申し訳ありませんでした。

 前著と同じく、本書の素敵な装丁を担当してくださった大谷昌稔(おおたにまさとし)氏に感謝いたします。ありがとうございました!

 前著と同じく、本書の不思議な気の明るさのあるカバーイラストを担当してくださった伊藤ハムスター氏に感謝いたします。ありがとうございました!

 そして、私の第二作である本書を読んでくださったみなさまに、この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました!

 正直言って、二〇二〇年はくたびれた。

 さてさて近未来は、さらにくたびれるのだろう。それでも、迎え撃つしかない。退屈しなくていい。

二〇二〇年秋
(貼り付け終わり)
(終わり)

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。

 副島隆彦・佐藤優著『』(日本文芸社)が発売になりました。以下にまえがき、目次、あとがきを掲載します。是非手に取ってお読みください。
uirusugakaetasekainokouzou001

ウイルスが変えた世界の構造

(貼り付けはじめ)

「まえがき」

 バイデン政権下、米中緊張が一層強まる

                 佐藤優(作家・元外務省主任分析官)

 副島隆彦氏との共著は、これで6冊目になる。

 2020年は、歴史に残る年だった。この節目の年に副島氏と日本と世界の現状と近未来予測について、徹底的に議論することができた。

 政治情勢や国際関係の評価について、2人の評価が異なる部分があるが、その人の持つ情報、人生経験によって、同じ出来事が異なって見えることがあるので、この点については知的異種格闘技として楽しんでいただきたい。

 本書を読むにあたって押さえておいていただきたいのが時間概念だ。物事を観察し、理解する上で時間概念が死活的に重要である。副島氏も私も欧米的な時間概念で物事を見ている。なぜならそれがグローバル・スタンダード(世界基準)だからだ。

 ギリシア語では、2つの時間概念が存在する。第1は、流れる時間を表すクロノスだ。英語のタイムになる。第2は、ある出来事が起きる前と後では、歴史に断絶が生じるという意味の時間を示すカイロスだ。英語だとタイミングに相当する。

 日本にとって、2020年は3つの意味でカイロスだった。

 第1はコロナ禍だ。コロナ禍により、グローバリゼーションに歯止めがかかり、国家の壁が再び大きな意味を持つようになった。ステイホームで、経済が停滞した。リモートワークが導入されたが、その結果、成果主義が強まった。

 また、リモートワークができない職種に従事する人々の負担も増加した。教育でも一斉休校やリモート化によって、学校間の格差が拡大した。

 コロナ禍によって、国家間、地域間、階層間、ジェンダー間の格差が拡大した。この傾向は今後も続く。特に構造的に弱い立場に置かれた人が、社会的底辺に追いやられ、這い上がれなくなった。

 第2は、アメリカ大統領選挙で民主党のバイデン候補が当選したことだ。

 この対談は1年以上準備して行なったものだ。当初、われわれはトランプ氏が大統領に再選されるものと考えていた。しかし、コロナ禍によって状況が変わった。

 開票が終了し、バイデン氏が当選したとの公式結果が出てもトランプ大統領が不正が行なわれたと主張し、任期が終了した2021年1月20日以降もホワイトハウスに籠城するという見方をする人がいるが、その可能性は極めて低い。

 大統領任期を過ぎればトランプ氏はただの人になる。トランプ氏が権力の座に居続けようとすると、ホワイトハウスを、同氏を支持する人々と反対する人々が取り囲み、流血の危険が生じる。大統領警護部隊(シークレットサービス)や大統領の指揮命令下にあるコロンビア特別州の州兵が、違法行為となるリスクを冒してトランプ氏を防衛することは考えられない。

 トランプ氏は頭が良いので、そのような事態になる前にホワイトハウスから出て行く。米国の政府機構は権力の移行を淡々と行なうことになると思う。

 バイデン氏が大統領に就任しても米国内政の混乱は収まらない。トランプ氏を熱烈に支持した人々はバイデン大統領の正統性を認めない。さらに民主党支持者に関してもトランプ氏という共通の敵を失った後、団結が難しくなる。

 なぜなら民主党がアイデンティティーの政治を追求しているからだ。黒人、ヒスパニック、ジェンダー、エスニック・グループなど、自らが帰属する集団のアイデンティティーを最優先する人々が団結するのは至難の業だ。米国の社会的分断はさらに加速すると思う。外交に関して、米国と中国、北朝鮮との関係は、現在よりも緊張するであろう。民主党は、自由や民主主義という、人権といった価値観を軸に外交を展開する。

 トランプ大統領の場合、価値観よりも、自らの権力基盤を強化するための取引(ディール)を重視する。この例が、トランプ氏と北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との3度の首脳会談だ。その結果、朝鮮半島での武力衝突を回避することはできたが、北朝鮮の核保有を米国が事実上、容認することになった。また、米国は北朝鮮の新型弾道ミサイル開発を阻止することもできなかった。

 バイデン氏は、トランプ政権よりも強硬な態度を北朝鮮に対して取ることは間違いない。北朝鮮も対米対決姿勢を強めるであろう。

 トランプ政権時代の対中国経済制裁は、バイデン政権になっても継続される。さらに中国におけるウイグル人への人権抑圧、非公認のキリスト教会に対する弾圧について、人権を重視する立場から、米国は中国に対する批判を一層強めるであろう。

 7月24日に在ヒューストン中国総領事館が閉鎖された際の米高級紙『ウォール・ストリート・ジャーナル』の社説が情勢分析の上で参考になる。

 〈1つ懸念されるのは、中国政府が米国の新たな姿勢をトランプ大統領による選挙戦略の1つだ として切り捨てる恐れがあることだ。/それは過ちになるだろう。例えば、民主党は米国の対イラン措置を厳しく批判しているものの、トランプ政権が中国政府を攻撃しても、それを支持したり、黙認したりする姿勢を示している。

 この新たな姿勢は、ブルーカラーの有権者から産業界および安全保障分野のエリートに至るまでの層の間で、中国があまりにも長い間、罪を逃れ過ぎているとのコンセンサスが生まれつつあることを反映している。

 ジョー・バイデン氏が次の大統領になったとしても、その政権は、西太平洋の緊張した状況と、米国内における中国の影響力を標的として進められている多数のスパイ防止活動や刑事捜査を受け継ぐことになる〉

        (7月27日付『ウォール・ストリート・ジャーナル』日本語版)

 新型コロナウイルスによる感染症が中国の武漢から拡大していたことによって、米国の一般国民の対中感情が悪化した。それが政治問題と結びつき、中国を懲罰するタイミングに至ったとのコンセンサスが米社会で形成されている。バイデン政権下、米中緊張が一層強まる。日本との同盟関係を重視するという米国の基本的姿勢に変化はない。ただし、慰安婦問題や徴用工問題に関して、韓国のロビー活動に対する米政府の姿勢に変化が生じる可能性がある。

 ロシアとの関係についても、バイデン政権がウクライナ問題やベラルーシ問題を巡ってプーチン政権と緊張を高めるであろう。その結果、北方領土交渉の環境が悪化する可能性がある。もっとも米国は、トランプ大統領により生じたコロナ対策の混乱を収拾するのに今後2年間は集中し、日ロ関係に介入する余裕はないと思う。

 この時間を最大限に活用して、菅義偉首相がロシアのプーチン大統領と鋭意交渉を進めれば、北方領土問題解決の突破口が開けるかもしれないと私は考えている。

 第3は、8月末に安倍晋三首相が健康上の理由で突然辞意を表明し、菅義偉官房長官が首相に就任したことだ。菅氏は、安倍氏と比較すると、イデオロギー色が稀薄だ。プラグマティックな観点から生産性向上を志向することになろう。

 新自由主義的な規制緩和政策を菅政権が採択し、格差が拡大し、社会の分断が高まる可能性がある。さらに司法権、立法権に対する行政権の優位性が高まり、民主主義が機能不全に陥る可能性がある。

 以上の3点が現下日本の大きな問題であるという点については、副島氏も同じ認識と思う。ただし、個別の出来事に関する分析と未来予測はかなり異なる。読者にはこの差異を楽しんで欲しい。

 本書では、イエス・キリストの神性を認めないユニテリアンという教派について多くの頁が割かれている。ユニテリアンを理解することが国際政治の本質を掴む上で重要だという点で、副島氏と私の認識は完全に一致している。

 本書を上梓するに日本文芸社の水波康副編集長とグラマラス・ヒッピーズの山根裕之氏にたいへんにお世話になりました。

 白熱し、時には極論の応酬になった対談を見事に書籍にまとめあげることは、至難の業だったと思います。腹を割って話すだけでなく、腹の底にある宗教や信念体系にまで踏み込んだ議論をしてくださった副島氏にも敬意を表します。どうもありがとうございます。また、このチームで仕事をしたいです。

     2020年11月16日、曙橋(東京都新宿区)の書庫にて    佐藤優

=====

ウイルスが変えた世界の構造 もくじ

 まえがき バイデン政権下、米中緊張が一層強まる 佐藤優  1

 

1部 パンデミックで変わった世界 近代500年の終わりと内向の時代

アメリカに勝利した中国の全体主義 16

「アメリカの世紀の終わり」を発信した中国官営メディア 16

「自粛」という形で大政翼賛運動をやった日本 21

ショック・ドクトリンで脅された世界の民衆 27

カミュの小説『ペスト』から「神義論」を考える 32

ウイルスはどこからやってきたのか34

石正麗亡命説の真実 34

新型コロナウイルスの人工、人造説 40

余裕がなかったヨーロッパの対応 44

アフターコロナで世界はどう変わるか 49

コロナ後の金融危機と日本の政局55

菅義偉内閣はどうなるか 55

河井夫妻逮捕の裏側 62

日本共産党は赤旗を捨てよ 76

裏金作りの温床となる怪しい国際機関 81

北朝鮮情勢とアメリカのディープ・ステイト88

『愛の不時着』で描かれた『三丁目の夕日』の世界 88

北朝鮮と統一教会の濃厚な関係 95

チュチェ思想における初期マルクスの影響 99

ボルトンが暴いたトランプ政権の内幕 103

アンティファを操るのは誰か 114

アメリカ大統領選とアメリカ政治の行方125

アメリカ没落後の基軸通貨はどうなるか 125

飽きられ始めたトランプの「下品力」 137

トランプを支えるサザンバプテストたち 143

ヒラリー派は現在のリンカーンナイト 150

2部 アメリカの「国教」 ユニテリアンとは何か 世界帝国を支えた宗教思想の秘密

アメリカを作ったユニテリアンたち154

CIA職員に多いユニテリアン 154

ユニテリアンは教派横断的に存在する 164

長老派と会衆派から成る合同改革教会 169

アメリカ独立戦争に金を出したカルヴァン派 175

世界宗教というのは全て体制側にある 180

イギリスが日本の天皇を「神」にさせた 184

クエーカーは良心的兵役義務拒否の思想の原型 188

クエーカーから人類の最先端のテーマが現れた 191

自己防衛も否定するメノナイト 197

非暴力、不服従の思想の凄さ 202

〝坊主〟を作らなかったアナバプテストとクエーカー 206

現代のあらゆる思想の源流となったユニテリアン212

牧師から演説家となったエマーソン 212

マルクス主義もユニテリアンから生まれた 220

福澤諭吉もユニテリアンだった 226

フリーメイソンとユニテリアン 230

ユニテリアンの発想で世界を理解する237

内村鑑三の無教会主義の問題点 237

内村鑑三の背後にはアメリカ帝国がいた 241

社会主義と分裂した内村鑑三 246

AIにもつながるユニテリアンの発想 254

コロナ禍の時代には神学的な思考実験が重要になる 261

あとがき 悪による支配こそ人類の原理 副島隆彦 264

=====

あとがき    副島隆彦

 「 悪による支配こそ人類の原理、ではない 」       

 この対談本で6冊目になる。本書の第2部の、私と佐藤優氏の宗教についての部分をこそ先に読んでほしい。

 佐藤優氏は、2020年9月16日の菅義偉政権誕生で、自民党と公明党(創価学会)をつなぐ最高顧問のような立場に登った。宗教家(信仰を持つ人)として今や高い境地に達している佐藤優氏こそは、創価学会の次の教主になるべき人だ、と私は本書で彼に説いた。仏教とキリスト教では宗派がちがう、は理由にならない。本書を真剣に読めばその理由が分かる。

 宗教(信仰)とは、人間の魂を救済(サルヴェイション)することである。生きることの苦しみを真剣に受け止めて今の自分の生を肯定することである。そのための道をしっかりと指し示すことができる人が指導者である。

 それに対して私は、ますます偉人、西郷隆盛に似てきた小沢一郎を支持し続け、言論人としては冷や飯喰いのままだ。アメリカ帝国の支配から出来る限り脱出して、日本国の独立自尊(これも偉人 福澤諭吉先生のコトバ)を意地でも追求する立場だ。

 生き方上手は私が取る道ではない。竹中平蔵のような浅ましい策士が、時の顕職に登ることが何ほどのことだろう。あと10年ぐらいで私たちの生も終わる。

 歴史に例を捜すと。五代将軍綱吉の側用人として権勢を振るった柳沢吉保に、見出されて悪知恵の儒官となった荻生徂徠だ。徂徠は、政治学者の丸山眞男が書いた『日本政治思想史研究』(東京大学出版会、1952年刊)によって、日本のマキアヴェッリだと評価された。

 マキアヴェッリは、その『君主論』“Il Principe, 1513”(刊行は1532年)によって、冷酷な現実主義を政治思想に持ち込んだことで、〝近代政治学の祖〟と呼ばれる。君主(統治者)は、民衆に愛されるよりも、恐れられる方がいい。即ち政治は、悪が支配してこそ自然である、という思想の元祖である。

 今では、ちょっと知能の有る人ならこのことを知っている。「支配権(権力者)は民衆に愛されるよりも恐れられる方がいい」と。

 この世を実際に支配するのは悪であって善ではないという思想だ。民衆に嫌われる悪人政治家ほど実力を持つ、という近代政治学の原理がこのとき出現した(1513年)。佐藤優は、本書P32で、このことをキリスト教神学の「神義論」でそれとなく教える。神がこの世界の全てを作ったはずなのに、悪魔の発生には関わらない。無関係であるという詭弁、に読み代えた。キリスト教神学とはこういう議論をすることらしい。

 マキアヴェッリは、若くして天才の頭脳をしていたので、フィレンツェ国の高官を務めた。ところが、共和政が倒れた(1512年)。このあと、失職したマキアヴェッリが、何故、「悪こそが人民統治(ガヴァメント)の技術である」と、『君主論』で書いたか。

 共和国フィレンツェは当時世界一の繁栄した大都市だった。パリもロンドンもウィーンもまだ田舎都市だった。共和政とは、君主(国王)の存在を許さない国家体制のことだ。共和政から、のちに民主政も派生した。

 マキアヴェッリは、支配権を取り戻したメディチ家にすり寄って、何とか顕職に有りつこうと猟官運動をした。

 フィレンツェは共和国からトスカーナ公国という小さな大公国に転落した。それでもメディチ家の大公(国王)は、同時代のガリレオが火刑(焚刑)にカトリック教会から処せられそうになったのを、なんとか救い出して守ったから偉いことは偉い。

 卑屈で卑しくなったマキアヴェッリが、己の就職活動用に書いたのが『君主論』である。

 このことは今のヨーロッパ知識人によく知られている。日本にこの事実を伝えたのは、ガリガリの現実保守の歴史学者である塩野七生女史だ。彼女が、『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる冷酷』(新潮社、1970年刊)を書いて教えてくれた。「残虐な支配者であることこそが、有るべき人民統治者だ」をチェーザレ・ボルジアの元をマキアヴェッリ自らが訪ねて目撃した。

 チェーザレ(小カエサルの意味)の実の父親は、(叔父ということにしていた)教皇グレゴリウス7世だ。この頃もローマ教皇たちは腐敗していて隠し子を作った(重大な戒律違反)。この極悪人の父教皇の威を借りて、一時期(しかしたったの10年)、北イタリアで次々と都市領主たちを殺害して覇を唱えたのがチェーザレ・ボルジアだ。

 為政者(権力者、大企業経営者も含む)は、国民と従業員に酷薄であればあるほど権力を維持できる、という考えをチェーザレ・ボルジアが体現した。

「菅首相に、入れ知恵しているのは竹中平蔵である」とすぐにメディアで報じられた。

 表に出る悪の権化の竹中平蔵(荻生徂徠)と、それとは異なり身を隠す善の姿の佐藤優の二重重ねで、今の日本の政治は動く。国民にはいよいよ厳しい。

 ただし。チェーザレ・ボルジアは、父教皇が死んだら、後ろ盾を失い憎しみを買って、スペインの山中(ナヴァラ国)まで追いかけられて殺された(31歳)。このマキアヴェッリの、「悪こそ人類の原理である」を、己の金科玉条にすることに、人生経験の中でたどり着いた者たちは、ここまで知った上で、悪の技術を実践するがいい。

 マキアヴェッリより少し前の〝壮麗なるロレンツォ〟(ロレンツォ・イル・マニフィコ。1449─1492)のとき、共和国フィレンツェは、都市自治の人類の理想の頂点を築いた。ロレンツォ・デ・メディチは、民衆に真に愛された。このロレンツォがミケランジェロの育ての親である。ミケランジェロは、復活した共和政のソデリーニ政権でフィレンツェの城壁の防衛責任者となった(1527年)。そして教皇軍・神聖ローマ皇帝国と戦って敗北してローマに逃げのびた(1530年)。

 このことを私たち日本の知識人層に真に教えてくれたのは、碩学・羽仁五郎である。彼の『ミケルアンヂェロ』(岩波新書、1939年刊)と『都市の論理』(勁草書房、1968年刊)である。今なお人類最高の芸術家はミケランジェロである。

 羽仁五郎と比べたら、日本のマキアヴェッリである、荻生徂徠を持ち上げた丸山眞男と、その先生の南原繁は、ワル(悪)の碩学である。丸山は戦後岩波左翼の主座の地位に登って私たちの世代までも幻惑し欺いた。事実は、南原繁(戦後は東大総長という顕職)は、内務省警保局特高警察の系統である。この事実が最近ようやく露呈しつつある。羽仁五郎は、講座派歴史学の志を貫いて『ミケルアンヂェロ』を出版して、北京まで逃げたが特高警察に捕まった。

 私は今これらのことを大きく理解し描くことが出来る。真実を大きく見抜く。

 これが出来ないなら、外務の行政官(官僚)として、民衆への悪を、若くして手づかみで実践して来た佐藤優氏と、渡り合うことはできない。私は、悪の側に身を売らない。私は、変人、狂人、世捨て人となってひとり山に籠る方を選ぶ。時代の顕職など何するものぞ。

 どうせわずか10年、20年のことではないか。牛と豚と羊はメーメー鳴きながら、愚かにも全員マスクをしたまま屠殺場(今は食肉加工場)に送られる。そして、また戦争に連れてゆかれる。この哀れなる国民を茫然と眺めて、隠遁者を気取るしか他にすることがない。人助けと、民衆救済はどうせ出来ない。それよりは、己れひとりを助けて山中(ただし崖下に海が広がる)に閑居する。海から朝日が出る。私は太陽神を崇拝する。

 再び日本文芸社 水波康副編集長と、グラマラス・ヒッピーズの山根裕之君の手をわずらわせた。記して感謝します。本書の書名は、「佐藤優と副島隆彦の宗教問答(あるいは対話)にしなさい。その方が超然として、本が売れますよ」と、私は執拗に粘ったが、ダメでした。勝手にしなさい。

                 2020年10月    副島隆彦

(貼り付け終わり)

(終わり)
bakabusubingounawatashitachiwomatsufujimori001
馬鹿ブス貧乏な私たちを待つ ろくでもない近未来を迎え撃つために書いたので読んでください。

</p><img  src="https://livedoor.blogimg.jp/hfurumura/imgs/f/7/f7d039a0.jpg" width="186" height="270" border="0" alt="amerikaseijinohimitsu019" hspace="5" class="pict"><br /><img  src="https://www16.a8.net/0.gif?a8mat=2ZCK40+D8W8C2+2HOM+BWGDT" height="1" width="1" border="0"><a  href="https://www.amazon.co.jp/gp/product/4569804829/ref=as_li_tl?ie=UTF8&amp;camp=247&amp;creative=1211&amp;creativeASIN=4569804829&amp;linkCode=as2&amp;tag=harryfurumura-22&amp;linkId=1717d9f592a211e974b9a526220fb267" target="_blank">アメリカ政治の秘密</a><img  style="border:none !important; margin:0px !important;" border="0" height="1" width="1" src="//ir-jp.amazon-adsystem.com/e/ir?t=harryfurumura-22&amp;l=am2&amp;o=9&amp;a=4569804829"><br /><img  class="pict" hspace="5" alt="harvarddaigakunohimitsu001" border="0" height="249" width="186" src="https://livedoor.blogimg.jp/hfurumura/imgs/c/f/cf6d305d.jpg"><br /><a  href="https://www.amazon.co.jp/gp/product/4569816428/ref=as_li_tl?ie=UTF8&amp;camp=247&amp;creative=1211&amp;creativeASIN=4569816428&amp;linkCode=as2&amp;tag=harryfurumura-22&amp;linkId=8299316c55f380d28cf9e97acdf7c40f" target="_blank">ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側</a><img  style="border:none !important; margin:0px !important;" border="0" height="1" width="1" src="//ir-jp.amazon-adsystem.com/e/ir?t=harryfurumura-22&amp;l=am2&amp;o=9&amp;a=4569816428">



<iframe src="https://rcm-fe.amazon-adsystem.com/e/cm?o=9&amp;p=6&amp;l=ez&amp;f=ifr&amp;linkID=324383329331c3e42be4031850bf8aa6&amp;t=harryfurumura-22&amp;tracking_id=harryfurumura-22" width="120" height="150" scrolling="no" border="0" marginwidth="0" style="border:none;" frameborder="0"></iframe>

このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。
副島先生新刊書影

金とドルは光芒を放ち 決戦の場へ (単行本)

 今回は、副島隆彦先生の最新刊『金(きん)とドルは 光芒(こうぼう)を放ち決戦の場へ』(祥伝社、2020年11月)をご紹介します。発売は2020年11月1日です。以下にまえがき、目次、あとがきを貼り付けます。是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。

(貼り付けはじめ)

まえがき

 金(きん)の値段が、私が予測(予言)したとおり、この7月に大きく上昇した。

 私の言うことを聞いて、今年の5月にさらに金を買い増した(あるいは買い直[なお]した)人たちまでは大きな利益を出した。他の人たちのことは知らない。人それぞれがすることだから、千差万別(せんさばんべつ)である。

 人々の金銭欲望はすさまじい。「あのとき(手持ちの金[きん]を)売らないで、ずっと持っていたら今ごろ1億円になっていた」、「副島先生の言うとおり、金を早めに買い戻しておけば儲(もう)かったのに」と、悔やんでいる人たちの話は私の耳に入っている。

 私は一体、こういう欲ボケ人間たちのために、ずっと自分の金融本を23年間も書いてきたのか。きっとそうだ。誰でも分かるとおり、私は〝金買(きんか)え評論家〟であるから、みんなの期待を裏切ってはいけない。ただし、私の本を買って読んでくれる人たちだけの世界のことである。今ごろ急に、初めて私の本に近寄ってきて「金(きん)を買っておけばよかった」と言う人たちのことなんか知らないよ。

 でも私は、今年、降って湧いたコロナ馬鹿(ばか)騒ぎの中で、店のドアをそっと開けて入ると中にお客がたくさんいるレストランのオヤジ(経営者)のような気持ちで、ずっと金融本を書いてきた。朝、シャッターをガラガラと開けながら「今日は何十人、客が来るかなあ」と空の天気を見ながら、その日の仕入れや算段(さんだん)を立てている店主と、まったく気持ちは同じで、もの書き業をやっている。

 この半年間で私が一番大事だと思うのは、4月27日に、日銀・黒田東彦(くろだはるひこ)総裁が、「(市場から、いや本当は日本政府から)国債を無制限に購入する。必要なだけいくらでも買う」(新聞各社が報道)と言い切ったときだ。このことは1章で論じるが、こんな「いくらでも買って、お札(さつ)(現金、日銀券)を渡す。だから、財投債(ざいとうさい)でも大企業の社債でもCP(シーピー)(コマーシャル・ペーパー)でも、いくらでも持ってこい。無利子・無担保で、無制限に買ってやる」と言ったのである。このことの重要性を、ちょっとでも頭のしっかりした人は本気で考えなければいけない。

 日本経済に大変なことが起きている、という自覚がないなら金融や経済のことを考える資格も知能もないということになる。金融や経済の専門家ぶって、偉そうなことを言っているんじゃない! 世界の時流(じりゅう)に乗ってMMT(エムエムティ)(現代金融理論)に嵌()まるしかない若手の経済学者たちへの対応は、本書ではあまりできなかった。だが、彼らの国家社会主義[こっかしゃかいしゅぎ](ムッソリーニ主義)への危険な道を、私は見抜いている。

 CPというのは、例えば三井(みつい)物産や大成(たいせい)建設の本社の資金部が、ガチャンガチャンと、約束手形(プロミサリー・ノート)の用紙1枚に、2000億円とかを打ち込んで、そのまま日銀に持ち込むということだ。ただの約手(やくて)だ。そうしたら無審査で、手数料ただで、2000億円の現金が大企業の口座に振り込まれる、ということだ。民間銀行だったら、日銀に有()る自分の口座に自動的に付け替えられる。これが〝無利子(ゼロ金利)・無担保〟の時代だ。企業財産に抵当権を付けられることがないということなのだ。

 こんな恐ろしく馬鹿げたことを、米、欧、日の先進国の〝ダンゴ3兄弟〟はやっている。それを今や堂々と、恥ずかしげもなくやっている。中堅企業や中小企業であっても、県の財政局に「助けてください。資金繰(しきんぐ)りができない」と言いさえすれば、無利子・無担保で5億円ぐらいはすぐに下()りる。

 私は何も憂国(ゆうこく)の士()ぶって、現世(げんせ)を嘆き悲しんで、悲観して屈原(くつげん)が汨羅(べきら)の淵(ふち)に身を投げた、というようなドラマチックを装(よそお)わない。さっさと行くところまで行けばいい、と冷ややかに見ている。

 たった従業員5人、10人の製造業や流通業にも、無利子・無担保で7000万円の県の融資が下りたようだ。「そのお金で先生。オレは金(きん)を買ったよ。何に使ってもいい(使途[しと]を問わない)と言われたからさ」と聞いて、その社長と私は2人で笑った。世の中こんなもんだ。「まあ、5年で(元本[がんぽん]だけ)返せばいいんだから。その間に金(きん)がグーンと上がれば、我が社は儲かるよ」と言われた。「先生の予言は大丈夫でしょうね」と念を押された。私はギクッとしたが、今さら後(あと)には退()けない。ただ、「法人買()いの場合は、危ないから、急激に値上がりしたところで手放しなさいよ」と忠告した。

 私はこの本で、金(きん)を社長、経営者が、個人ではなく法人(会社、企業)でも買う、という人たち向けにも初めて書く。私が何も威張(いば)っているわけではないと分かるでしょ。

 もうすでに金融評論家たちは全滅していなくなった。金融や経済の本は、もう書店に並んでいない。私には競争相手がいない。自分の客(読者)になってくれる人たち相手に、さらに本当のことをガリガリ書くだけである。

副島隆彦

=====

目次

まえがき

1章 目先の目標は、金1gグラム 1万円だ 

金は1グラム8000円近くまで上がった 

日銀は730トンあるはずの金を、手元に持っていない 

2024年に金融体制の大変動が起きる 

金とドルは、4年後の「決戦の場」へ 

ゴールドマン・サックスが受けた打撃 

金は5倍に値上がりする 

円ドル相場の歴史から分かること 

金を売るときの課税はどうなるのか 

今の株価は吊り上げ相場である 

アメリカ(FRBと財務省)も日本(日銀)も資金を無制限供給 

1オンス=2300ドルという予測 

MMT理論と「ベイシック・インカム」が結びついた 

アメリカの世界支配の終わり 

2章「金の取引停止」が迫っている 

これからの金の値段 

「リデノミ」は金にどんな影響を与えるか 

アメリカで金の取引が禁じられた歴史 

ヘッジファンドの主宰者が警告する「金が買えなくなる動き」 

金地金と金貨が足りない 

飛行機で現物を運べば大金が稼げる 

金先物もの市場は崩壊する 

法人で金を買う 

税務署が嫌がることとは 

「客が選別される時代」が始まった 

金きんの代替物としての銀

金貨(コイン)も買う 

もはや不動産は優良なものしか資産にならない 

3章 国に狙われる個人資産 

バフェットはなぜ金鉱山の株を買ったのか 

「中間業者」に金を売る 

財産税が狙う国民の個人資産 

国の標的は小金持ち層(資産家)だ 

世界の中央銀行3つの「資金の動き」が分かる 

米、欧、日で〝資産総額〟は2400兆円! 

金融秩序が破壊される 

「バーゼル・クラブ」の秘密 

4章 次の株価暴落を予言する 

これから株価はどうなるのか 

10年の「輪切り」で日本の株価を考える

金融大変動の〝法則〟が見えてきた 

巨大バブルのあとの30年間、日本はデフレのままである 

HFT(超高速取引)も追いつけない暴落が来る 

「GAFA+M(マイクロソフト」の動き 

ソフトバンクグループの株投資の限界 

MMT理論の源流はミルトン・フリードマンである 

ファシズムの復活 

人類を不幸にした経済学 

5章 国民を一元管理する菅政権 

菅義偉政権はどこへ向かうか 

私が1年前に予言したこと 

日本の首相はアメリカが決める 

首相の背後にいる男 

悪の思想と秘密結社 

国民を一元的に管理して飼い殺しにする政策 

コロナ対策という〝ショック・ドクトリン〟 

世界の動きを読む 

中国はコロナを「迎撃」した 

あとがき 

巻末特集 金融恐慌にも動じない鉱物資源株25

=====

あとがき

 金(きん)の値段が、今年3月に、1オンス(31・1グラム)1500ドルから、2000ドルまで上がった(P17のグラフ参照)。今は1900ドルぐらいだ。これが1800ドルを割るようなら直ちに買い増し(ヽヽヽヽ)なさい。と言われても、何のことだか分からない人が今も大半だ。

 それなら、日本円で金(きん)の「国内小売(こうり)価格」が1グラム5000円から8000円近くまで行った。今は7200円ぐらいだ(P5のグラフ参照)。これが1グラム7000円(小売)を割るようだったら、急いで買い増ししなさい。

 これなら分かるだろう。ただし、卸売(おろしうり)(業者間[かん]での値段)は、これから1グラム700円を差し引いたものだ。だから、現在は、1グラム6500円である。

 こう書くと、もう分からなくなる。私は今や〝金買(きんか)え評論家〟であるから、どうやって人々に「金の買いどき、売りどき」を説明するか、で苦労してきた。ちょっと難しいことを書くと、もう読者は分からなくなる。わかったふりをして読み飛ばす。それでもP5などのグラフを見ると、それだけで、金(きん)の値動きが一目瞭然で分かる。そのとき私の説得はホントウ(真実)なのだと分かる。ここに私の本を読む効用がある。だから買って読みなさい。ネットでチャラチャラ、金融情報を拾い読みしてもダメです。それだと思考に体系性(システム)を獲得できない。

 私は、今も、一体どこまで分かりやすく書いたら、皆にこの世の大きな真実を分かってもらえるかで、苦心惨憺(さんたん)している。もの書き業の苦しさは、一旦(いったん)世に出たあとは、このことに尽きる。もうプロのもの書きになって36年になるが、今もこのことで嫌(いや)になるほど苦しんでいる。いくつになっても、人生、楽になるということがない。人(ひと)それぞれの苦しみがあるだろう。

 私は、自分の書く本の客(読者)になってくれる人たちのために頑張り続ける。それ以外の目標はない。この世の隠された真実を暴き立て人々に知らせること。これ以外に私にはすることがない。ただし、その真実は、「世の中(世界)の大きな枠組(わくぐ)みの中の真実」を表(おもて)に出すこと、でなければならない。私の苦闘はあと暫(しばら)く続く。

 この本も祥伝社の岡部康彦氏の手を煩(わずら)わせた。社長になった辻浩明氏から「本を書いてくださいよ」と頼まれたのが1997年だったから、今年で23年になる。この本の表紙に「エコノ・グローバリスト・シリーズ23」と打ち込んでいるのは、この本が23冊目であることを示している。頭はまだ大丈夫だが、体のほうにガタが来()始めた。何とかこれを修理しながら、時代に合わせて前に前に進まなければ(マルシオン、マルシオン)ならない。記して感謝します。

2020年10月

副島隆彦

(貼り付け終わり)

(終わり)

amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

 古村治彦です。
 『ザ・フナイ』2020年11月号に拙文を掲載していただきました。タイトルは「二〇二〇年アメリカ大統領選挙が迫る―「ジョー・バイデン有利」という報道に騙されないために」です。
thefunai202011
ザ・フナイvol.157(2020年11月号)  
  アメリカでも日本でも「今回の大統領選挙(2020年)では民主党候補者のジョー・バイデン前副大統領が圧倒的に有利」という報道がなされています。拙文では、アメリカ大統領選挙の動向を分析し、ドナルド・トランプ大統領の再選の可能性について言及しています(まだ暑くてセミも鳴いていた8月上旬に書きました)。実際に、選挙が近づくにつれて、トランプ大統領が各種世論調査の数字で持ち直し、バイデン前副大統領を追い上げています。  是非手に取ってお読みください。よろしくお願いいたします。
(終わり)
amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック

このページのトップヘ