古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

カテゴリ: 日米関係

 古村治彦です。

 日本の安倍晋三政権とアメリカのドナルド・トランプ政権との間で貿易交渉が行われ、アメリカ側に得るところが多く、日本側に得るところがほとんどない内容で合意がなされた。日本側はアメリカ側の農産品に対する関税を段階的に引き下げる一方、アメリカの自動車輸出に関して関税引き上げをしないというアメリカ政府からの確固とした言質を取ることに失敗した。
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アメリカはTPPから脱退したが、TPPに入っていた場合と同等の日本への悪説のしやすさ(関税の引き下げ)を手にすることができた。日本の完敗ということになる。安倍晋三首相が何とかしようとアメリカのドナルド・トランプ大統領から何とか妥協を引き出そうと媚態を駆使していたことは外側から見るとよく分かるようだ。
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 下の記事は、日米交渉について網羅されている。貿易交渉と共に日本駐留の米軍に対する日本政府からの「思いやり予算」の4倍増(20億ドルから80億ドル)の話も絡めて書かれている。簡単に言えば、日本側はアメリカら押されっぱなしということである。アメリカ政府は韓国政府に対しても、駐留経費負担の増額を求めたが、韓国政府は明確に拒絶した。

 日本にとっての生命線は自動車輸出だ。アメリカへの輸出の20%を占めているし、自動車会社が支えている人々の数を考えると、まさに日本経済を支える柱だ。トランプ政権は、日本からの自動車輸出を「国家安全保障上の脅威」と言い出し、だから関税を引き上げることもありうると日本側に脅しをかけている。その脅しに屈した形だ。貿易合意の中で、確固とした文書で関税引き上げを行わない、という一札を入れさせることができなかった。と言うことは、これからも貿易交渉があれば、自動車への関税引き上げを脅しとして使われることだろう。

 また、日本側からの思いやり予算の4倍増もアメリカから脅されて無理やりにでも飲まされることになるだろう。6000億円の増額ということになる。日本周辺の脅威を過剰に煽り立ててアピールすることで、日本側から金を引き出すという、チンピラまがいのやり方をアメリカ側はしている。アメリカも昔ほど余裕はなくなり、背に腹は代えられないとばかりにこうした脅しをしてくる。

 こうした脅しに対しては、粘り強く交渉を長引かせるということが大事だ。そうしたことが1980年代まではできていたが、今では日本側の交渉担当者が一体どちらの味方なのか分からないという状況になっている。脅しに対しては「柳に風」「気に入らぬ風もあろうに柳かな」という態度で接するべきだろう。しかし、今の日本の状況ではそういうことができる人材もいないし、最高指導者層もとうに諦めているし、こうした上級国民がアメリカの手先となっている。年末に来年のことを話してももう鬼が笑うこともないだろうが、日本の将来はますます暗くなるということだけは確かだ。

(貼り付けはじめ)

日本は貿易に関してトランプ大統領を信頼して後悔している(Japan Regrets Trusting Trump on Trade

―貿易交渉によって日本政府はより多くを与え、より少なく手に入れた

ウィリアム・スポサト筆

2019年12月5日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2019/12/05/tokyo-abe-japan-regrets-trusting-trump-on-trade/

日本は、アメリカ大統領ドナルド・トランプと交渉をしようとする際のリスクを人々に改めて思いをいたさせる。日本側はアメリカのドナルド・トランプ大統領との交渉を使用とする場合のリスクについて気づくことができなかった。しかし、日本は交渉を行い、合意に達した。日本はアメリカとの貿易交渉で何も獲得しないままで合意に達したように見えたが、日本政府は今になって更に駐留アメリカ軍基地の特権に対する支払いについて交渉を行うように求められている。

貿易と駐留米軍基地に関して、日本は切り札が少ない中でできるだけ努力をしなければならないという難しい仕事をこなさねばならなかった。貿易に関する合意の中で、日本はアメリカからの農産物輸入に門戸を開放した。これによって門戸が閉ざされてきた市場(訳者註:日本)にアクセスできることでアメリカの農業従事者たちにとって利益となる。この市場(訳者註:日本)では消費者たちは平均よりも高い値段を払っていた。一方、日本は何も持ち帰ることがなかった。アメリカ政府が日本からの自動車の輸入を国家安全保障上の脅威とはとらえないと明言して欲しいと日本側は望んでいたが、曖昧な約束がなされただけだった。アメリカ政府は日本の自動車輸出を国家安全保障上の脅威と捉え、懲罰的に25%の関税をかけることを検討している。

一方でアメリカは満足して交渉の場を後にした。テーマとなった多くの物品において、アメリカ国内の製造業者たちは12か国による環太平洋経済協力協定(Trans-Pacific PartnershipTPP)内と同様のアクセスを確保できることになった。トランプ大統領は就任直後にTPPからの離脱を決定した。今回の貿易合意は牧場経営者たちにとって恩恵となった。彼らは中国との貿易戦争に苦しんだが、日本の国内産牛肉よりもより低いコストを武器にすることができる。アメリカ側は低い関税率は年に70億ドル分の農産物にかかることになると述べている。しかしながら、利益はすぐに出る訳ではない。牛肉にかかる関税はこれからの15年間で現在の38.5%から段階的に9%にまで引き下げられることになる。ブドウ園にとっては、ワインに対しての関税率が2025年までに現在の15%が撤廃されることで牛肉農家よりもより大きな利益を得ることになる。

他方、日本にとっての利益はアメリカに比べてかなり不透明だ。蒸気タービン、楽器、自転車のようないくつかの特定の製品の関税引き下げは別にして、日本の安倍晋三首相が日本国内に示すことができるものは多くはない。

日本側からの主要な要求は、トランプ大統領が日本からの自動車輸出に対して関税を引き上げるという脅迫を実行しないという保証を得るというものだった。今年5月にトランプ政権は日本とヨーロッパからの自動車輸入はアメリカにとって国家安全保障上の脅威となるという決定を下した。従って、関税引き上げの可能性は消え去っていない。日本側にはトランプ政権に対する疑念が存在する。しかし、長年にわたり日米安全保障関係は最強のものだということは考えられてきた。

日本からアメリカへの自動車輸出は1986年の段階に比べて半分程度になっている。1986年の段階では日本の自動車各社は北米で巨大な生産設備を備えていなかった。日本からアメリカへの自動車輸出は、日本からアメリカへの輸出の20%を占めている。トランプ大統領が引き上げると脅している関税率のレヴェルになってしまうと、日本からアメリカへの輸出には大きなダメージとなる。

日本側はこの微妙なテーマについて確固とした内容の文書を得ることができなかった。ただ、「日米両国はこれらの合意の精神に反する手段を取ることはしない」というあいまいな文が書かれているだけだった。日本の茂木敏光外務大臣が交渉を監督していた。茂木外相は記者団に対して、トランプ大統領は安倍首相に対して「合意内容が真摯に実行される限りにおいて」関税引き上げを行うことはしないという口頭での約束を与えたと述べた。

トランプ大統領やアメリカ側への信頼感が低下していく中で、多くの疑問が出てきている。日本のマスコミは、安倍首相がトランプ大統領の歓心を買うために配慮を行ったがそれで日本側に利益がもたらされたのかどうかという疑問を呈している。安倍首相はトランプ大統領をいち早く支持し、少なくとも表面上は忠実な支持者であり続けてきた。トランプ大統領の予想外の選挙での勝利の後、安倍首相は外国の指導者の中で最も早く面会した。それから少なくとも10回は2人で会談を持った。今年5月、日本の徳仁天皇が即位して最初に会談を持った外国の指導者という名誉をトランプ大統領は与えられた。

このことは日本国内で議論を巻き起こした。日本のリベラル派はポピュリスト的でナショナリスティックな政策を強く主張している。日本の保守派はトランプ政権の反移民、反中国政策により共感を持っている可能性はあるが、しかし同時に、こうした人々は日本の指導者が公の場で媚びへつらう姿を見せることを目撃することを嫌う。

トランプ大統領は安倍首相のごますりを額面通りには受け取っていないようだ。2018年、トランプ大統領は次のように警告を発した。「私は日本の安倍首相やそのほかの人々と会談を持つ。安倍首相は素晴らしい人で、私の友人だ。彼らの顔には笑いはほとんど出てこないだろう。そして、彼らが笑う時は“アメリカを長い間利用して自分たちの利益を得ることはできないと確信した、そんな日々はこれで終わりだ”と感じる時だ」。

そして予想された通り、トランプ政権はギアをすぐに入れ替え、貿易問題から、アメリカ軍将兵と基地への日本側の支払いという微妙なテーマに重点を移した。アメリカ軍は5万4000名の将兵を日本に駐留させている。その約半分は沖縄に駐留している。沖縄本島の18%を使用している。沖縄の住民たちから長年にわたり怨嗟の声が上がっているのは当然のことだ。

アメリカ軍の大型駐留は日米軍事同盟の大きな部分である。日米軍事同盟は1960年に公的に成立し、定期的に更新され、範囲が拡大している。日米同盟によって、日本側にはアメリカによる防護が与えられる約束が与えられている。それには核の傘が含まれている。これは日本の平和主義憲法を保ち、核武装の意図を放棄するための重要な要素である。

アメリカにとって、日米軍事同盟の意義は、ロシア、中国、北朝鮮といった核武装している近隣諸国の中で裏切る可能性のない同盟国を獲得したということになる。加えて、日本側は米軍基地の土地を提供したが、これらの基地は朝鮮戦争やヴェトナム戦争にとって便利な場所になった。そして現在、アメリカが中国を次の軍事上のライヴァルと捉えている中で戦略上の恩恵となっている。しかしながら、トランプ大統領にとっては、韓国国内同様、日本国内の米軍基地はコストであり、これをアメリカのバランスシート上の利益に変えたいと望む存在である。

『フォーリン・ポリシー』誌で既に報じられているように、アメリカ政府は日本側からの貢献額を20億ドルから8億ドルへと4倍増するように求めている。これに加えて、日本は間接的なコストの支払いをしているが、その額は推定で12億ドルだ。それは基地建設のコストも入っている。日米両国政府はコストの詳細な内容を発表していないが、日本がこれ間に支出したのは推定で全コストの75%に上ると推定されている。これが意味するところは、貢献額の4倍増はアメリカ側にとっては素晴らしい利益となるということだ。米軍関係者が日本からの利益からのボーナスを受け取ることが出来るかどうかという問題は置いていても、より明確になったのは、アメリカ外交は取引でいかようにも変わる性質を持っているということだ。

ドル(もしくは日本円)によって動かす外交は日本側にとって新奇な概念ではない。日本側は外交を経済的な利益を拡大するために長年にわたり利用してきた。貿易交渉の中で、媚びへつらう態度を取ることが日本の自動車会社を守るための低コストの方法であることを示している。安倍首相はアイゼンハワー政権のチャールズ・E・ウィルソン国防長官の国家と資本主義を結合させることについての有名な(しかし誤って引用されている)発言を引用し、トヨタにとって良いことは日本にとって良いことだと結論付けた。この文脈の中で、自分をゴルフ友達だと卑下することに終始した不快な時間はどんな意味を持つだろうか?

貿易交渉において、日本側は「吠えなかった犬(訳者註:あって当然のものがないことを重要視する)」について重点を置くことが可能だった。トランプ大統領にアメリカの農業従事者の利益について自慢させながら、日本側は日本円の価値について何も言及していないという事実について沈黙を守った。

2012年に安倍首相が就任して以来、日本銀行は貨幣量の拡大を通じて経済を再膨張させるという前代未聞の施策を実行してきた。これによって日本円の価値は極めて低くなった。安倍首相が就任当時には1ドルが86円だったものが現在では109円になっている。

日本政府はこれについて様々な形で正当化をしている。日本銀行の施策は25年も続く経済におけるデフレーションと戦っていると主張している。同時に、円の価値低下は輸出業者にとっては追い風となっている。これによってトヨタをはじめとするその他の輸出企業がアメリカの輸出する際に価格を24%引き下げることができるようになった。

日本側は将来の自動車輸出への関税についての明確な約束を得ることに失敗したが、関税引き上げが行われる可能性をとにかく低くすることはできた。ここ3年間でトランプ大統領について1つ明確になっていることは、その瞬間の状況に合わせることに躊躇しないということだ。最終的に、交渉力は政策の公平性よりも重要だということになる。

日本にとってより不気味なことは、日米両国は交渉を継続することに合意していることだ。そこで日本政府は自分たちが良く知っているゲームを再び行うことになるだろう。それは交渉の相手側がうんざりするか、交渉のテーマとなった問題が亡くなるまで交渉を長引かせるという日本側得意の戦略を再び持ち出すことだ。モトローラ社の携帯電話を日本で販売できるかという問題は1980年代を通じて長く続いた問題となった。これは長年続いた交渉の後に、歴史的な補足となって日本側に残った。日本の経済産業省の官僚たちは、どんな合意も最終的なものではなく、長くゆっくりと続く交渉買い手の準備をするという考えを持っていた。

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(終わり)

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 古村治彦です。

 

 今回は、ドナルド・トランプ大統領の支持基盤を形成する石油・天然ガス業界とエタノール業界・トウモロコシ農家の分裂についての記事をご紹介します。

 

 トランプ大統領は石油・天然ガス業界とエタノール業界の間で板挟みということになっているそうです。その発端は、トランプ大統領が、環境保護局による小規模の石油精製業者にガソリンにエタノールを混合する義務を免除するという決定を行わせたことです。アメリカではガソリンにエタノールを混合することが法律で義務化されているそうで、今ではE-15といってエタノールが15%混合されているガソリンもあるそうです。

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小規模の石油精製業者にはこのエタノール混合が負担らしく、混合しなくても良いということになったのですが、これにエタノール業界とトウモロコシ農家が反発しました。これはまあ分かりますね。

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エタノール製造業は農業州で発展しています。エタノールの原料はトウモロコシなので、その生産地に近い場所にエタノール製造工場があります。農業州はトランプ大統領に投票しました。しかし、今年8月には集会でエタノール業界団体、農業団体の指導者たちの一部が「投票したことを後悔している」と発言するほど激怒しました。

 

一方の石油・天然ガス業界はできればエタノール混合を止めて欲しいのですが、石油依存からの脱却という大義名分でジョージ・W・ブッシュ時代にエタノール混合が義務化されており、これを急に廃止することは難しいということになります。それで小規模業者のエタノール義務免除を何とか勝ち取ったということになります。

 

石油・天然ガス業界とエタノール業界の両方を満足させる解決策はなかなか見つかりそうにありません。石油・天然ガス業界はそこで、ガソリンのオクタン水準を上げる法案を応援しています。エタノールを混合しながらオクタン水準を上げることは可能だとしています。一方、エタノール業界はこの法案がエタノール混合義務付けの解除につながる可能性があるとして危機感を持っています。なかなか解決策は見つかりません。トランプ大統領はどっちつかずの態度を取っているので、業界同士の反目が高まっているそうです。

 

 トウモロコシ農家にとってはトウモロコシが売れさえすればよいということになりますから、エタノール製造に回る分が減るならば、他の販売先を見つければよいということになります。人口で言えば中国が有力な輸出先ですが、現在の米中貿易戦争でこれは難しいということになります。そこで、白羽の矢が立ったのが日本ということなのでしょう。アメリカの国内政治が日本に影響を及ぼす、だからアメリカ政治にも関心を持つ必要があるということが良く分かる事例です。

 

(貼り付けはじめ)

 

エタノールを巡る争いはトランプ大統領の支持基盤を形成している主要なグループを分裂させる(Ethanol fight divides key groups in Trump's base

 

レベッカ・ベイツク筆

2019年9月2日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/energy-environment/459485-ethanol-fight-divides-key-players-in-trumps-base

 

トランプ大統領は間もなく、どの支持者のグループをより好むかを決めねばならないであろう。農家か石油・天然ガス産業か、どちらかに決めねばならない。

 

エタノール製造業者と石油・天然ガス産業との間の分裂は深まっている。これは、一人の政治家の支持基盤において相反する利益を持つ団体をどのようにして満足させようとするのかという設問に対しての格好の事例研究(ケーススタディ)となる。そして、トランプ政権の2019年8月の動きは両者を怒らせるだけに終わってしまった。

 

トランプ大統領は複数の石油精製業者に対して、彼らの製品にエタノールを混合しなくてよいという許可を出す決定を下した。これに対してトウモロコシ農家は反発した。反発を受けてトランプ政権は忠実な支持基盤を宥めなければならなくなった。

 

トランプ大統領は木曜日、ツイッター上で次のように書いた。「私たちがエタノールについて行っていることを見て農家は幸せを感じるだろう。年間を通じてE―15ガソリン(訳者註:エタノールが15%分入っているガソリン)を販売できる。これは既に実施されている。より大きな計画も実施される準備が出来ている!同時に私は小規模の石油精製業者を廃業から救うことが出来た。全員にとって素晴らしい結果だ!」。

 

しかし、石油精製産業にとっては、全ての人々にとって素晴らしい結果とはならなかった。

 

ホワイトハウスはエタノール製造業を強化することを目的とする提案を行う予定になっている。石油・天然ガス産業は特にこの提案に反対している。

 

石油・天然ガス産業の各業界団体は連名でトランプ大統領に書簡を送った。その中には「大統領はウィン・ウィンとなる解決法を見つけたいと示唆してきた」と書かれており、大統領が行う予定の農家への提案は農家と石油・天然ガス産業両者にとって利益となるものでなければならないと主張している。

 

書簡に署名しているのは、石油会社と天然ガス会社を代表するアメリカ石油協会(API)と石油精製会社を代表するアメリカ燃料・石油化学製造業協会(AFPM)だ。

 

アメリカ燃料・石油化学製造業協会会長チェット・トンプソンは記者たちからの電話取材に対して次のように述べた。「この政権で農家優遇が終わらない限り、私たちの活動は終わらない。私たちは、私たちの考えを理解してもらい、できれば大統領を説得するために活動を続けている」。

 

これら石油・天然ガス産業の諸団体は、トランプ大統領が常に主張している「エネルギー支配(energy dominance)」の大きな部分を占めている、しかし、トランプ大統領のエタノールについての動き、エタノール混合率が高いE-15ガソリンの年間を通じての販売を許可すること、石油精製業者のエタノール混合の免除について再考すること、は、トランプ大統領がトウモロコシ農家もまた自身の支持基盤の重要な要素であると考えていることを示している。

 

エタノール産業を代表する再生可能燃料協会(RFA)会長ジェフ・クーパーは、全米に150以上のエタノール製造工場があり、エタノール製造工場がある郡では2016年の米大統領選挙でトランプへの投票がヒラリー・クリントンを上回った、と発言した。

 

クーパーは次のように述べた。「アメリカ中西部のエタノール産業が存在する地域はトランプ大統領の支持基盤になっているのは明らかだ。しかし、トランプ政権の再生可能燃料とバイオ燃料に対する態度を見ると、この地域に住む人々は鞭で打たれたような、また、一貫しない政策で不安な気持ちを持っている」。

 

シンディ・アクスネ連邦下院議員(アイオワ州選出、民主党)はトランプ政権の諸政策は資金に余裕のある大規模な石油会社を利するものだと主張している。アクスネ議員はトランプ大統領による石油精製業者のエタノール混合免除が発表された後、農家たちの反応を取りまとめる際に尽力した人物だ。アクスネ議員は、新しい計画には少しは改善が見られるだろうが、トランプ大統領が公の場で農家の窮状について懸念を持っていると述べていることに疑義を呈した。

 

アクスネ議員は本誌の取材に対して次のように述べた。「トランプ大統領が行ってきたことを振り返ると、アイオワ州での支持率が下がるまで、アイオワ州の農家について何も考えていなかったことは明らかだ」。

 

2019年8月9日に環境保護庁(EPA)から石油精製業者に31のエタノール混合免除許可が発行された。これに対してアイオワ州の農家は激怒した。この夏の初め、トランプ大統領がアイオワ州を訪問した際に、エタノール混合免除プログラムを見直すと約束した。しかし、それから2カ月後、トランプ大統領はEPAが免除条項を提出した小規模の石油精製業者たちに混合免除を許可することにゴーサインを出した。

 

アイオワの農家たちは記者会見を開き、トランプ大統領が約束を反故にしたことを非難した。また、エタノール業界の指導者たちの中には、トランプに投票したことを後悔していると表明する人たちも出た。

 

クーパーは次のように述べた。「アメリカの農家は既に米中貿易戦争によって痛みを感じ、輸出市場を失った。農家は、エタノール混合免除が発表された時、大変に怒り、不満を持った。農家は負担に耐え切れなくなり、堪忍袋の緒が切れた。ここ数週間、私たちは私たちの希望を実現するために努力を続けている」。

 

農家からの批判を受けて、トランプ大統領は農家に対して、石油精製業者に対してガソリンに混合するエタノールの量を増やすことを義務付ける可能性があると示唆した。

 

アメリカ石油協会の流通担当副会長フランク・マチアロラは、現在ガソリンにエタノールを混合しなければならないという規定になっていることについて、本誌に対して「現在の規定は中途半端だと私たちは考えている」と述べた。

 

「負担は年を追うごとに重くなっている。現在の規定は市場を動かすが、最終的には製品を追い出すことになる。エタノール混合プログラムが始まって15年が過ぎたが、首尾一貫しない政策が続いている。今必要なのは明瞭さである。政策が首尾一貫しないのは、エタノール産業の気まぐれのためだ。小規模の石油精製業者がエタノール混合免除を受けるたびに政策を見直さねばならないということを続けねばならないのだろうか?」

 

エタノール産業もトランプの計画については態度を明確にはしていない。

 

エタノール産業側は法律で定められているように環境保護局に対してエタノール混合免除を受けた会社の製品にもエタノールを混合させるようにして欲しいと望んでいる。

 

クーパーは「これはエタノール産業にとって大きな利益となるものではない。農家にとってもそうだ。これはただ法律書に載っている法律を実行するだけのことだ」と述べた。

 

クーパーは「トランプ政権によって政策変更が続いているが、これはエタノール産業の長期的な利益には合致するが、私たちには緊急的な支援が必要なのだ」と述べた。

 

クーパーは「政策を変更してもらうことは素晴らしいことだ。しかし、政策変更は長期的な効果のためであり、私たちはこれ以上エタノール製造工場を閉鎖させないために注力している」と述べた。

 

石油・天然ガス産業とエタノール産業の両者を喜ばせる中間的な解決策があるとすれば、それはすぐには出てこないものだ。

 

アメリカ燃料・石油化学製造業協会は、ガソリン内のオクタンのレヴェルを高くすることを義務化する2018年に議会に提出された法律案を解決策として挙げている。

エタノールを混合してもオクタンのレヴェルを引き上げることはできる。

 

アメリカ燃料・石油化学製造業協会会長チェット・トンプソンは「関与する全ての業者や組織が内容を完全に理解すれば、この法案こそがトランプ大統領が求めているウィン・ウィン関係をもたらすことになるだろう。これに反対する人たちはいないだろうと思う」と述べた。

 

しかし、クーパーは、エタノール製造業者はこの法律案が機能するとは考えていないと述べた。その理由として、この法律案が成立すると、多くの添加物やプロセスを通じてオクタンレヴェルの高いガソリンを製造できるのに、エタノール混合の義務化が終了してしまう可能性が高いことを指摘している。

 

クーパーは、これから数日もしくは数週間後に発表されるであろうトランプの計画が石油・天然ガス産業に大きく影響されたものであろうと述べた。

 

クーパーは石油・天然ガス産業について次のように述べた。「もちろん、私たちは思い込みに陥らないようにしている。私たちとしては事態を注視している。計画が実際に公表されるまで、私たちは積極的な反応は控える」。

 

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 古村治彦です。

 

 安倍晋三首相は2019年4月26日にメラニア・トランプ大統領夫人のバースディーパーティーに出席し(おそらく昭恵夫人も)、翌日(2019年4月27日)にはドナルド・トランプ大統領とゴルフを行うという計画だそうです。もちろん首脳会談は行われるでしょうが、その時間はどれくらいあるのか、と疑問を持ってしまいます。1万キロを往復して、いったい何時間首脳会談が行われ、有益な話が出来るのだろうか、疑問です。


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 安倍晋三首相は、外国首脳との個人的な友情関係を外交の一つの重要な要素と位置付けているようですが、トランプ大統領には偏愛的なまでの努力を傾注しているようです。しかし、それがうまく機能しているのだろうかというと、そうではないというのが答えです。

 

 そもそも最高首脳の鶴の一声で外交方針が大転換するというのは、民主政治体制に即した動きではありませんし、個人的な関係で成果を得るというのはもちろん存在する方法ではありますが、それが常道、王道になってはいけません。個人の友情で国歌の方針がぶれるなどということはあってはならないことですし、民主国家同士なら尚更です。

 

 わざわざ喧嘩をする必要はありませんが、へいこらして、「仲良くしてください、何かあったらご憐憫の沙汰をお願いします」とやることは外交ではありません。トランプ大統領も世界各国の指導者たちと会って値踏みをしているでしょうが、安倍晋三という人物には「使い勝手の良い捨て駒」以上の評価はしていないでしょう。「ちょっと脅せば、何でも買うし、金も出す」というのは友人同士でもありません。

 

 そもそもが2016年の米大統領選挙で民主党のヒラリー・クリントンが勝利すると見越して、そちらの方ばかりに注意を向けていたために、番狂わせでトランプ大統領が当選してしまったことで、安倍首相と日本政府は大分慌てたようです。アメリカ国内、世界中でトランプ当選を予想していた人たちは少ないのですから、それ自体は責められませんが、その後の慌てぶりは酷いものでした。

 

 結果として、その慌てぶりをトランプ大統領側に利用されるような形になっています。やらなくても良いことをわざわざやって、自ら墓穴を掘っているようです。


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 それにしてもトランプ大統領に何とか取り入ろうとしている姿は見苦しい限りです。孫娘が日本大使館に来ると分かったら、慌てて、その女の子がお気に入りのピコ太郎を呼ぼうとして失敗したり、ほぼ成果がないのに北朝鮮との外交を理由にしてノーベル平和賞にトランプ大統領だけを推薦したり、そんなに阿諛追従をしなければならないのかと情けなくなるばかりです。


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 個人的な友情関係を外交に展開するということは、一歩間違えば、相手の侮蔑を買い、かえって舐められて終わりということになります。安倍首相が身をもって教えてくれるこの事実を日本はこれから教訓として活かしていかねばなりません。

 

(貼り付けはじめ)

 

最高級ゴルフクラブと誕生日の豪華なパーティー:安倍首相のトランプ大統領の機嫌の取り方(Gold-plated golf clubs and birthday bashes: How Abe courts Trump

―他の世界の指導者よりも、その結果は複雑なものではあるが、日本の首相はドナルド・トランプ大統領との関係を近づけようと努めている。

 

エリアナ・ジョンソン筆

2019年4月17日

『ポリティコ』誌

https://www.politico.com/story/2019/04/17/trump-shinzo-abe-melania-birthday-japan-1278635

 

日本では2019年5月1日に新しい新天皇が即位する。この時、日本の安倍晋三首相は少し時差ボケを感じているかもしれない。

 

現代の日本にとって最も重要な儀式の一つのわずか4日前、安倍首相は世界中ジェット飛行機で飛び回り、重要な使命のために日本に戻る計画になっている。天皇の即位はローマでの新法王の選挙と同じである。彼の旅の目的は、ドナルド・トランプ大統領との関係を維持するということだ。

 

安倍首相の36時間、6700マイルを越える旅の内容について、計画に詳しい2人の取材源は次のように語っている。2019年4月26日の金曜日にメラニア・トランプ大統領夫人の49回目の誕生日のお祝いに出席し、翌日には大統領とゴルフをプレーする。これは安倍首相がアメリカ合衆国大統領との関係を構築しようとしてきた長年の努力を象徴するものである。

 

安倍首相は2012年に首相に就任し、米日同盟関係を強化することを決意し、アメリカ大統領との個人的な友情関係を構築することが外交上の妥協を得るための方法だという確信を得た。2年以上にわたるご機嫌伺いの中で、安倍首相はトランプタワーで大統領選挙当選直後のトランプに面会した際に最高級のゴルフクラブを贈った。また最近では、トランプ大統領のツイッター上の投稿での情報でしかないが、安倍首相は北朝鮮との核兵器をめぐる外交交渉を理由にして大統領をノーベル平和賞に推薦したということだ。

 

これらの動きは、安倍首相とトランプとの関係において、安倍首相の方に大きな利害があることが反映している。彼が率いる島国である日本は台頭する中国からの防衛をアメリカに依存している。トランプが導入すると主張している自動車輸入への関税に恐怖し、鉄鋼とアルミニウムに既に課されている関税を撤回させようと努力している。

 

日本はアメリカとの貿易交渉を開始している。日本の代表団はワシントンに到着し、月曜日と火曜日にトランプ政権の通商代表ロバート・ライトハウザーと会談を持った。安倍首相はトランプからの関心を維持しようと努力を増大させている。トランプ大統領は5月と6月に続けて日本を訪問することで日本側の恩義に報いようという計画を立てている。日本政府の関係者たちは、気まぐれな大統領がどういった人々に依存しているのかということを理解し、接触しようと試みている。

 

東アジア専門家で政治学者でもあるワシントン・カレッジのアンドリュー・L・オロスは次のように語っている。「安倍首相の政策ティームは長い時間を割いてトランプ大統領の発言、ツイートも含めて言葉遣いを詳細に調べ上げている。政策ティームは、安倍首相と日本の代表団に対して話す際のポイントをトランプ大統領の言葉遣いを真似て指南している。これは、交渉の準備をする際に政策にかかわる問題のニュアンスや詳細について指南する従来のやり方は対照的なものである」。

 

安倍首相の目的の一部は経済的厄災を避けることだ。貿易に関する交渉、そして大統領が日本に自働車に関税をかけてダメージを与えるかどうかを決断することは、お友達関係を維持するか、壊すかの重要な問題となる。

 

戦略国際問題研究所(CSIS)のアジア担当上級副所長で日本部長であるマイケル・グリーンは次のように語っている。「安倍首相の周辺が私に語っているのは、トランプ大統領が自動車関税を導入するなら、安倍首相は必ず反撃をするということだ。これについては日本側を非難できない。これまでトランプ大統領が日本にやってきたこととは異なり、これは日本に対する侮辱であり、日本にダメージを与えることである」。

 

日本にダメージを与える決断が行われることを防ぐ、加えてその他の政策目的を達成するために、安倍首相と安倍首相周辺は非公式のトランプ専門学者(Trumpologists)となっている。日本政府高官たちに実際に接触のあった学者たちによると、彼らはアメリカの学者たちに対して、トランプ大統領を喜ばせる最善の方法は何かを教えてくれるように依頼している、ということだ。学者たちから得た助言には以下のようなものがあった。トランプ大統領に最も近いアドヴァイザー陣の中にいる大統領の家族に接触する。

 

グリーンは、日本政府は当初、トランプ大統領の娘婿で上級顧問のジャレッド・クシュナーが中国の大富豪たちとクシュナー家の不動産ビジネスを通じて緊密な関係を持っていることで、地域のライヴァル国である中国がトランプ政権と緊密な関係を築くことを懸念していたと述べている。グリーンは次のように述べている。「日本政府関係者たちはニューヨークに在住する中国人の大富豪たちと不動産ビジネスを通じて大変に緊密になっていることを懸念していた。アメリカへの偏愛と戦略的な関心は、中国がトランプ政権にとって最大の関心を勝ち取ることを阻止するということにつながった」。あるホワイトハウス関係者は「ジャレッドは中国の大富豪たちと同様に多くの日本の大富豪たちとも親しい。彼との関係で彼の政府で行う仕事に何かしら影響を与えることが出来ると考えるのは馬鹿げている」と述べている。

 

トランプ大統領の周囲を喜ばせようとして、日本政府は、2017年にワシントンの日本大使館で催された桜まつりのお祝いに、エンターテイナーの「ピコ太郎」をわざわざ招待した。ピコ太郎はトランプの孫娘アラベラ・クシュナーのお気に入りであった。この催しにはイヴァンカと2人の子供も出席した。その中にはアラベラも含まれていた。ピコ太郎は渡米が出来ず、ヒットした歌をその場で披露することが出来なかったが、イヴァンカ・トランプとあるアラベラのために撮影したヴィデオ映像が流された。

 

日本の外交官たちは、トランプ大統領が2019年5月末に訪日し即位したばかりの新天皇と会見することになっているが、この時にホワイトハウスの高官たちとアメリカの学者たちにどうすれば大統領の印象に残るかということを問い合わせている。ちなみに天皇の即位は1989年以来のことだ。アイディアには以下のようなものがある。トランプ大統領夫妻を東京の中心部にある皇居でのお茶会に招待する、そして、天皇の神聖な邸宅である皇居に立ち入ることを許されている人はほぼいないが、トランプ大統領夫妻に対して、特別に内部を見学するツアーを行う。

 

6月末にG20先進国サミット年次総会が、安倍首相がホストとして大阪で開催される予定で、トランプはこの時に日本に戻る予定だ。

 

安倍首相の個人的な外交関係のモデルは、アジア、中東、ヨーロッパ各国の指導者たちの外交姿勢を反映している。指導者たちはトランプ大統領を追いかけ、深い個人的なつながりを構築し、それを外交につなげようとしている。このようにしてトランプ時代に形が変わった政治のやり方をやっていこうとしている。,個人的な関係と大袈裟な甘言が国益をめぐる戦略に組み込まれている。

 

これらの国々の間には競争心が存在する。トランプ大統領が日本を訪問する際、安倍首相と側近たちは地域のライヴァルである中国に勝ちたいと願っている。中国はトランプ大統領が大統領就任後初の外遊先として2017年に訪問した国だ。この時、習近平主席はトランプ大統領夫妻に紫禁城内部を案内した。その後、夫妻は一流の中国のオペラとアクロバットを鑑賞した。

 

ホワイトハウスに勤務していたある人物によると、中国訪問後にトランプ大統領は「私たちは中国を警戒する必要があるようだ」と述べたということだ。余り感動することがないトランプ大統領は中国で見た、中国の子供たちと中国の伝統衣装を着たパフォーマーたちによるオペラとパフォーマンスを見て驚いたようだ。アメリカにも同じくらいのものがあるはずだと大統領は考え、「そうだ、アメリカのロケッツ(Rockettes、訳者註;ニューヨークを拠点とするダンスティーム)みたいだ・・」とつぶやいた。

 

ここで出てくる疑問は、日本側はその努力に見合った見返りを得ているかどうか、ということだ。安倍首相を批判する人々は、安倍首相の阿諛追従は成果を生み出していないとこき下ろしている。トランプ大統領は2018年3月に数か国に対して鉄鋼とアルミニウムの輸出に関税をかける際に、日本を除外することを拒絶した。安倍首相と周辺の人々は、トランプ大統領が北朝鮮の指導者金正恩委員長との外交で手のひら返しに恐怖感を持っている。トランプ大統領は金委員著を「リトル・ロケットマン」と酷評していたのに「大変に頭の切れる」指導者と称賛するようになった。安倍首相率いる日本政府は、日本上空を通過するミサイルテストを複数回にわたって実行した金委員長に対して信頼感を持っていない。そして、金委員長が核兵器開発プログラムを放棄することを望んでいる。そして、日本の要求とは見合わない内容の合意をトランプ大統領が北朝鮮側と結ぶのではないかという恐怖心を持っている。

 

そのため、トランプ大統領が2019年2月に、安倍首相が金委員長との核兵器をめぐる外交を行ったことを理由にしてトランプ大統領をノーベル平和賞に推薦したことを発表した後、安倍首相はそのこと自体を否定しなかった。安倍首相は疑念を持った国会議員たちに対して、「トランプ大統領とは緊密に協力している」が、「そのことは事実ではない、とは言わない」と発言した。

 

安倍首相を擁護する人々は、トランプ大統領が行っていない行為について指摘している。2016年の大統領選挙期間中、トランプは日本が自国の防衛力の構築に失敗していると非難し、日本と韓国は核兵器の開発を考慮すべきだと提案した。

 

トランプは2016年3月に『ニューヨーク・タイムズ』紙とのインタヴューで次のように語った。「北朝鮮が頭を上げるたびに、日本からの救助要請を受ける。その他のあらゆる場所からも要請を受ける。そして、何かして下さいと言われる。しかし、いつか私たちには何もできない日が来るだろう」。

 

トランプ大統領は左派である韓国の文在寅大統領とはより冷たい関係になっている。トランプ大統領はオーヴァルオフィス(大統領執務室)から韓国を批判している。一方、日本に対しては国防費の増額の要求を止めている。

 

現代アジアを専門とするスタンフォード大学フーヴァー研究所研究員マイケル・オースリンは次のように語っている。「トランプ大統領は日本との同盟関係で日本側に対して更に予算を出すように求めたことはない。韓国との同盟に関してはそのように述べたことはあるが、日本に関してはない。従って、日本政府はトランプ大統領を伝統的な日米関係の枠組みの中に入れ込むことに成功しているのだ」。

 

オースリンは、2016年の大統領選挙でヒラリー・クリントンが勝利して大統領になると予想してそのための準備をしており、クリントンのアドヴァイザーたちとの関係を構築しながら、トランプのティームは無視したために、トランプ勝利後は、最大限の両手を挙げての最大限の暖かい抱擁を行うしかなかった、と述べている。オースリンは、トランプが勝利したので、安倍首相は「行き着くところまで登るしか選択肢がなくなった」と述べている。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


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 ホワイトハウスは2019年4月26日、27日に安倍晋三首相夫妻がホワイトハウスを訪問し、5月25日から28日までドナルド・トランプ大統領夫妻が国賓として訪日すると発表しました。2019年6月にはG20サミットが大阪で開催されるため、トランプ大統領は短期間で2度の訪日となります。

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 詳細はまだ明らかになっていませんが、以前にはトランプ大統領が大相撲5月場所で優勝力士を表彰するというプランが出ているという報道がありました。5月場所の千穐楽は5月26日ですからこれは可能なプランです。また、安倍首相お得意のゴルフも計画されているという報道もありました。


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 2019年6月のG20で訪日するのに、その前にも訪日するというのはどういうことだろうかと不思議ですが、2019年5月1日に新天皇が即位し、初めての国賓がトランプ大統領夫妻となることがポイントのようです。トランプ大統領が当選直後に、世界の首脳で安倍首相が初めてトランプタワーで会談を持ったということはニュースになりました。

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 ですから、高い地位に就いた人物が誰と初めて会うのか、ということは意味を持つことなのでしょう。日米同盟関係の深化のための演出として、トランプ大統領訪日と新天皇との会談は重要な意味を持つのでしょう。また、中国やロシアに対するけん制という意味もあるのでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプ大統領は5月に訪日し、安倍首相と新天皇と面会(Trump to visit Japan in May to meet with Abe, new emperor

 

ブレット・サミュエルズ筆

2019年4月18日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/439668-trump-to-visit-japan-in-may-to-meet-with-abe-new-emperor

 

ホワイトハウスは木曜日、トランプ大統領は今月下旬に日本の安倍晋三首相をホワイトハウスに迎え、5月下旬に大統領が日本を訪問すると発表した。

 

安倍首相と昭恵夫人は2019年4月26日と27日にホワイトハウスを訪問する。そこでトランプ大統領と安倍首相は現在続いている朝鮮半島の非核化の努力と貿易について議論することになる。

 

トランプ大統領とメラニア・トランプ夫人は2019年5月25日から28日まで国賓として日本を訪問する。トランプ夫妻は、来月日本で皇位が譲られ、徳仁天皇(Emperor Naruhito)即位が行われた後、初めての国賓となる。

 

ホワイトハウスは、トランプ大統領は天皇と面会し、安倍首相と一対一の会談を行うと発表した。

 

ホワイトハウスのサラ・ハッカビー・サンダース報道官は声明の中で、「トランプ大統領夫妻の国賓としての日本訪問はアメリカ国民と日本国民との間の緊密関係を深化させ、同盟関係とパートナー関係の継続的な重要性を明確にするだろう」と述べた。

.

トランプ大統領夫妻の国賓としての日本訪問は、2度にわたる日本訪問の1つとなる。2019年6月には大阪で開催されるG20サミットでも日本を訪問する予定になっている。

 

安倍首相はトランプ大統領にとって世界各国の指導者の中でも最も緊密な協力者である。両首脳は個人的な関係を強めている。

 

前回トランプ大統領が日本を訪問したのは2017年11月で、アジア各国訪問の一環であった。安倍首相はこれまで複数回にわたりアメリカを訪問している。

 

安倍首相はトランプ大統領とホワイトハウスで会談し、大統領が所有するマーラーゴ・リゾートに滞在した。リゾートで両首脳は、貿易やその他のテーマに関する一対一の会談を行い、その合間に一緒にゴルフをプレーした。

 

トランプ大統領は日本との間の貿易に関する合意の更新を進めている。これは世界各国との貿易に関する合意の再交渉の一環である。大統領は交渉を行っている間、日本車への新たな関税を課してはいない。

 

日本は、北朝鮮の指導者金正恩委員長に核兵器を放棄させるためのアメリカの試みにおいて、主要なパートナーとなっている。トランプ大統領は先月ヴェトナムで金委員長と首脳会談を行ったが、非核化についての進展はないままに終了した。

 

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 今回は、ドナルド・トランプ大統領が、大口献金者であるシェルドン・アデルソンのために日本でのカジノ建設に関して、安倍晋三首相に「厳命」したという報道が出たことに関して、記事をご紹介します。

 

 日本ではIR法案が可決し、カジノ建設が本格化することになりました。カジノの本場ラスヴェガスでカジノを運営している各企業も日本でのカジノ建設、運営のために熱し選を送っています。日本政府からの免許取得のために競争状態になっているようです。

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安倍首相とトランプ大統領
 

 ここで重要になってくるのが、ドナルド・トランプ大統領との近さということになります。そこで出てくるのが、シェルドン・アデルソンと彼が率いるラスヴェガス・サンズです。アメリカで出た報道によると、トランプ大統領が安倍首相との首脳会談の席上で、カジノ建設に関して、LVSからの免許申請についてしっかりと考慮して欲しいと述べたということです。現職の大統領が自分の後援者のために首脳会談の席を利用した、ということになります。

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ドナルド・トランプとシェルドン・アデルソン
 

 IR法案とトランプ、シェルドン・アデルソンについてはこれまでにも何度かこのブログでも取り上げましたが、これほど具体的に、トランプが露骨に日本でのカジノ建設でシェルドン・アデルソン率いるラスヴェガス・サンズ(LVS)が有利になるように働きかけを行っていたとはと少し驚いています。

 

 今年6月にシンガポールで行われたドナルド・トランプ米大統領と金正恩朝鮮労働党委員長との米朝首脳会談で、その前夜、金委員長がシンガポールを散策したことが話題になりました。この時、金委員長が訪問したホテルが、LVSが運営するマリーナベイサンズでした。アデルソンはシンガポールのマリーナベイサンズが日本のIRのひな型となる、具体例になると発言していますが、そこを金委員長が訪問したということはそれだけで大きな意味があります。金委員長がトランプ大統領の意向を受けたのか、忖度したのかは分かりませんが、大きな宣伝効果になったでしょうし、それ以上のこともあったでしょう。北朝鮮でのカジノ建設ということも視野に入っているでしょう。

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マリーナベイサンズ訪問中の金正恩
 

 以下の記事に書かれているように、アデルソンは日本との関係も深いようです。孫正義氏との関係もあるようです。

 

 トランプ大統領が首脳会談で、商談のようなことを行うというのは、彼の真骨頂でしょう。アメリカ大統領の力を持って「厳命」されれば、LVSに日本でのカジノ建設・運営の免許はスムーズに出されるでしょう。そして、東京・お台場に「○○(トーキョーベイのような言葉)・サンズ」というホテルが出来るでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

トランプ大統領は日本の安倍首相に対して、自身の大口献金者アデルソンのカジノ建設新設について考慮するように要請した(Trump told Japan’s Abe to consider donor Adelson’s casino bid: report

―シェルドン・アデルソン率いるラスヴェガス・サンズは日本でのカジノ建設を巡り同業他社と競争している。

 

『マーケット・ウォッチ』誌

2018年10月10日

https://www.marketwatch.com/story/trump-told-japans-abe-to-consider-donor-adelsons-casino-bid-report-2018-10-10?link=sfmw_fb

 

ドナルド・トランプ大統領は、昨年日本の首相と会談を行った際に、大富豪の大口献金者のビジネス上の利益に関してロビー活動を行ったという報道がなされた。

 

トランプ大統領は日本の安倍晋三首相と2017年2月にフロリダで会談を行った。その際、トランプ大統領は安倍首相に対して、「シェルドン・アデルソンが経営する会社からのカジノ建設申請についてしっかりと考慮して欲しい」と語った、と『プロプブリカ』誌が水曜日に匿名の取材源の話を基に報道した。

 

トランプ大統領が外国の首脳に対して直接自身の大口献金者の個人的なビジネスの利益について話をするというのは長年の規範を破るものだと報じられている。

 

アデルソン率いるラスヴェガス・サンズ(LVS)と各ライヴァル企業は、日本でカジノを建設するための限られた数の免許をめぐって競争を続けている。日本はカジノを合法化する動きの中にある。カジノ業界から見ると、日本は世界で最後の手つかずの市場ということになる。日本市場は年間250億ドルを生み出す可能性があると見られている。

 

プロパブリカ誌は、トランプはLVS以外にも少なくとももう一つのカジノ会社について言及したと報じているが、それはMGM・リーゾツ・インターナショナル(MGM)であったという説と、ウィン・リゾーツ(WYNN)であったという説に分かれている。ウィン・リゾーツはこちらもトランプの大口献金者だったスティーヴ・ウィンが2017年まで経営していたが、2018年2月にCEOと会長職を辞任した。日本政府高官は、トランプがカジノについて切り出したことに驚き、うまく答えることが出来なかった、と報じられている。

 

LVSCEOであり会長であるアデルソンと彼の妻は大統領選挙の際にトランプに2000万ドルを献金した。更にはトランプの大統領就任の際のイヴェントに500万ドルを出した。

 

ホワイトハウスとLVSにコメントを求めたが、反応はなかった。

 

LVSの株価は水曜日、1.6%下落し、MGM・インターナショナルの株価は1.1%下落し、ウィン・リゾーツの株価は横ばいであった。

 

=====

 

ラスヴェガス・サンズは日本との関係をカジノ建設の免許を得るための財産だと考えている(Las Vegas Sands sees Japan relationship as asset for possible casino license

 

『ラスヴェガス・レヴュー・ジャーナル』誌

2018年7月25日

https://www.reviewjournal.com/business/casinos-gaming/las-vegas-sands-sees-japan-relationship-as-asset-for-possible-casino-license/

 

ラスヴェガス・サンズ(LVSCEOのシェルドン・アデルソンは水曜日、日本と数十年にわたり関係を持っており、日本のカジノ建設を巡る競争で、LVSは優位な立場にあると述べた。

 

LVSの第二四半期の利益発表の席上、アデルソンはウォール街のアナリストたちに対して、「日本の関係者、ビジネス関係者、銀行など全ての人々が、LVSは日本においてリードしている立場にあると言っている。その理由として彼らは私のバックグラウンドがあると言っている」と述べた。

 

金曜日、統合型リゾートの一部として3つのカジノを建設することを認める法律を国会が可決した。これによって、日本は世界で最大のギャンブル市場となるであろう。専門家たちは、2020年代半ばには、年間210億ドルを生み出すギャンブル市場になるだろうと予測している。

 

この法律の可決後すぐに、ラスヴェガス・サンズ、ウィン・リゾーツ、MGMリゾーツ・インターナショナルとシーザース・エンターテインメントは、日本でのカジノ経営の免許取得を目指すと発表した。

 

ラスヴェガスを本拠とするLVSが日本で免許が取得できるのかという質問に対して、アデルソンは、自分が日本でComdex(国際的なコンピューター製品の展示会)を開催したことに注意して欲しいと述べた。アデルソンは後にComdexを日本のソフトバンクに8億ドルで売却した。

 

アデルソンはまた、1980年代に東京近郊の千葉市長がアデルソンを訪問し、幕張メッセのデザインについて議論したことがあると述べた。

 

利益発表の席上、LVSがシンガポールにおいて統合型リゾートを成功させていることを強調し、これが「大規模統合型リゾートに関する法律を作ろうとしている日本にとって、強力な具体例」となる、日本の政府当局への後押しとなると述べた。

 

日本はマカオに次いでアジア第2位の巨大市場になるであろう。ここに参入することで、ラスヴェガスを拠点とする複数のカジノ運営会社は成長し続けることになる。

 

LVSの今年の第二四半期の純利益は6億7600万ドルで、前年比5.8%増となった。これは、マカオへの訪問者数が増加したことになる。

 

アデルソンは更に、マカオで運営しているホテルの客室の稼働率は、今年の第二四半期において平均で94%に達しており、記録的に高い数字となっていると述べた。

 

マカオでのビジネスの成長は、一般的な客よりもより富裕なギャンブル愛好者たちの数が増えていることによる、とLVSの幹部は述べている。

 

利益発表の席上、アデルソンと最高執行役員(COO)のロバート・ゴールドスタインは、「大変に富裕な」客の多くは、香港と広東省以外から来ており、滞在日数も長い、と述べた。

 

政府の統計によると、昨年、広東省以外からの客数は17%増加し、中国全土からの客数も12%増加した、ということである。

 

ゴールドスタインは次のように語った。「私たちは今年以降もビジネスを成長させるために必要な重要な要素を見つけたと確信している。私たちは強気に攻勢をかけるつもりだ」。

 

LVSの経営陣は、LVSは現在、マカオに所有しているホテルの改修のために資金を投入している、それは、「大変に富裕な」客層を獲得するためだ、と語っている。ヴェネティアン・マカオは今年初めに改修を完了した。一方、パリジャン・マカオの改修は継続中だ。

 

アデルソンは次のように語った。「私たちはマカオへの投資を続けていくつもりだ。なぜなら私たちはマカオ市場に対して長期にわたる、ゆるぎない関与を続けていくだからだ」。

 

LVSの株価は今年の第二四半期の純利益を発表した後に下落した。それはウォール街の専門家たちの予測を下回ったからだ。LVSの一株当たりの利益は70セントであったが、アナリストたちの予測は80セントであった。

 

(貼り付け終わり)

 

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