古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。よろしくお願いします。

カテゴリ: 日米関係

 古村治彦です。

 

 先日、安倍晋三首相がバラク・オバマ米大統領と共にハワイのパールハーバーを訪問しました。「謝罪」ではなく、「慰霊」のための訪問ということでした。そして、2人は演説を行いました。

 

安倍首相の演説では、和解、友情といった言葉が並べ立てられていましたが、全く心に響きませんでした。日本の演説の中に、わざわざ英語の「power of reconciliation」「the Brave respect the brave」を入れたのは、この点をアメリカ人にも分かって欲しかったからだと思われますが、「和解の力」「勇者は勇者に敬意を表する」というのは、いかにもアメリカ人に媚びた言葉であると思います。

 

 安倍首相はここから始まった戦いとも述べましたが、1941年12月8日は、15年間も続いた、アジア・太平洋戦争の終幕の最後の約4年間ということになります。それ以前の11年間に日本は既に多くの犠牲をだし、かつ多くの犠牲を強いていました。この11年間の戦いに関する和解は進んでいるかと言えばそれは残念ながら続いていません。ハワイのパールハーバーという軍港を宣戦布告なしに攻撃したことは卑怯なことですが、それ以上に、謀略や恫喝を駆使して満州から華北地域を侵略し、占領したということははるかに多くの犠牲と傷を中国に強いました。日本軍は立派だった、日本が支配した方が良かったなどと言うのは欺瞞であって、それは戦後日本に進駐してきたアメリカ軍が立派だった、アメリカの支配が良かったという心性の裏返しに他なりません。

 

 安倍首相が仕えた小泉純一郎元首相でさえ(と敢えて書きますが)、謝罪はしませんでしたが、盧溝橋事件の現場を訪れました。安倍首相が戦後を終わらせると大見得を切るのなら、ある意味では「楽な道」であるアメリカとの和解演出などではなく、北方領土問題やアジア諸国との和解を行うべきですが、そちらはうまくいっていないというのが現状です。

 

安倍首相のパールハーバー訪問が終了するのを待っていたかのように、今村雅弘復興相が靖国神社を参拝しました。そして、「時期が重なった安倍晋三首相の米ハワイ・真珠湾での慰霊に関し『(み霊に)報告しておいた』と語った」ということです。また、ハワイから帰国したばかりの稲田朋美防衛相が靖国神社を参拝しました。

 

 国内リヴィジョニストにしてみれば、してやったりでしょうし、既に退任まで1カ月を切っているオバマ政権は怖くないのですから、こういうことができたのでしょう。安倍首相をはじめとする人々は、「次のトランプ大統領は日本の防衛負担の増加や核武装の可能性まで言及した。これを利用して日本の防衛予算の増大と核武装の準備も行えばよい」と単純な頭で考えているようです。米中露韓北朝鮮台湾に囲まれた中で、日本が貧乏くじを引かされないために、最悪の事態に追い込まれないために、アメリカの政権交代を利用して何ができるかという思考が、日本の軍事力強化ではあまりにも単純すぎる話です。

 

2017年、超大国アメリカの指導者がドナルド・トランプに代わります。トランプは、オバマ政権とは違う新機軸を打ち出そうとしています。外交面で言えば、オバマ民主党政権を結局のところ引きずっていってしまった、人道的介入主義派の政策とは違う、リアリズム(現実主義)的、アイソレーショニズム(アメリカ国内問題解決優先主義)的政策を実施することになるでしょう。世界各国に介入・干渉することを手控えるようになるでしょう。そして、アメリカとは体制が違う国々、具体的には中国とロシアとの関係を改善していくことになります。もちろん、何でも仲良しという関係にはなりませんし、貿易問題や資源問題などではバチバチやり合うことになるでしょう。そのためには大変複雑で難しい駆け引きが行われるでしょう。その一環として、トランプは台湾に肩入れする姿勢を見せ、中国を慌てさせながら、中国のアメリカにおける代言者とも言うべき、ヘンリー・キッシンジャーを重用し、汗をかいてもらうことをしています。「相手とは最終的な手切れにならないようにし、基本的に仲良くしながら、しかし、安心させない」ということをやっているように思います。

 

そうした中で、トランプに最初に会談相手に「選ばれ(御しやすい、ちょっと強く言えばアメリカの軍需産業から戦闘機やらを買うだろうと値踏みされて)」、オバマ大統領には広島に行ってやったのだからお前はハワイに来いと言われればホイホイと行って、和解だ、友情だの薄っぺらい三文芝居をやりながら、「これでお許しが出たし、国内向けのこともある」と閣僚が2人早速靖国神社に訪問する、中国との関係は改善の兆しも見えない。ロシアのプーティン大統領を日本に招きながら懸案の北方領土問題で、大見得を切った割には何も進展させることができなった。アメリカ、中国、ロシア、台湾、韓国といった国々に囲まれて、丁々発止の複雑な外交交渉や政策を実施して、国益を守らねばならないというのに、この程度の指導者をいただきながら、抱えながら、私たちは2017年を迎えなければならない、というのは何とも悲しいことです。

 

(終わり)





アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22


 

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 古村治彦です。

 

 いよいよ2016年も最後の週に入ります。今年はイギリスで国民投票が行われ、イギリスのEUからの離脱が過半数の支持を得ました。また、アメリカではドナルド・トランプが大統領選挙で勝利を収めました。

 

 ドナルド・トランプが大統領になることで、世界はどうなるかということがやかましく言われています。「どうなるか」というのは受け身です。「どうするか」ということが重要だと思いますが、日本はどうしても主体的に動けるアクターではなく、どうしてもアメリカの意向や状況から影響を受けてしまいますから、「どうなるか」という思考になります。

 

 以下の記事は、日本の防衛予算が5年連続で増加していること、そして、日本版国家安全保障会議(NSC)が自衛隊の活動範囲を増大させることを決めたということを紹介しています。そして、日本のこうした動きは、トランプ政権誕生に合わせたものだと分析しています。もっとも防衛予算の今年の増加はトランプ政権誕生と関連があるかもしれませんが、5年連続増加というのは、トランプ政権誕生とは関係ありません。

 

 今回のトランプ政権誕生をどのように「利用」するか(「どうするか」)では、2つの考えがあるようです。トランプは同盟諸国がアメリカに対して十分なことをしていないとし、日米同盟見直し、在日米軍撤退論までぶち上げています。これに対して、「それならば彼の主張を利用して、これまでの日米同盟を見直して、在日米軍を縮小してもらいましょう」というものと、「日米同盟見直しは大変だ、日本はもっとお金と実際の行動でアメリカにもっと貢献しないといけない」というものの2つの考えが出ています。

 

 日本の予算決定の過程を考えると、トランプが大統領選挙に当選したから、あわてて防衛予算を増額したということは考えられません。今回の国防予算の増加はヒラリーが当選しようが、トランプが当選しようが、決まっていたことです。そして、日本政府はヒラリー当選を予想していたようですから、この場合には、「アメリカが人道的介入をする場合にその手助けができるように、また、中国に対する牽制」ということが理由としてアメリカ側に説明されて、「愛い奴じゃ」ということになったでしょう。

 

 トランプ政権が誕生しても、安倍政権は続けて国防予算の増額を続けるでしょう。「日本はきちんとお金と人員を出して、アメリカに貢献しますし、アメリカから武器を購入することでアメリカ国内の軍需産業にも貢献します」ということをお題目にするでしょう。トランプ大統領が日米同盟見直しということを言っているのなら、更に貢いで満足してもらわねばならない、ということを理由にするでしょう。そこには、「日米同盟見直しということなら、日本の負担を減らすための動きができるはずだ」という思考は全くありません。

 

 このような単純極まりない、危険なリーダーを抱えて、私たちは年を越して新しい年を迎えねばなりません。

 

(貼り付けはじめ)

 

国防費の歴史的な上昇によって、日本は更に平和主義から遠のく(With Historic Defense Spending Boost, Japan Turns Further Away from Pacifism

 

ロビー・グラマー筆

2016年12月22日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2016/12/22/with-historic-defense-spending-boost-japan-turns-further-away-from-pacifism-tensions-south-china-sea-senkaku-islands-dispute/

 

木曜日、日本の内閣は5年連続で国防予算の増額を認めた。日本は中国との緊張関係を高め、また、近隣には好戦的な北朝鮮が存在する。こうした状況の中で国防予算を増加させ続けている。同時に、日本の国家安全保障会議(NSC)は平和時に同盟諸国を防衛するために自衛隊(SDF)の能力の範囲を拡大させるという決定を下した。現状を考えると、これらの動きは、第二次世界大戦以降の70年間の軍事上の平和主義から日本が遠のくことを強く打ち出す動きということになる。

 

国防予算の総計は5兆円超、約440億ドルとなり、国防費の増大分は、新しい潜水艦の導入、アメリカからF-35の6機購入、ミサイル防衛システムの改良などに割り当てられることになった。この国防予算が決定されたのは、安倍晋三首相が尖閣諸島における日本の沿岸警備隊(海上保安庁)の存在を強化すると発言した次の日のことであった。尖閣諸島は中国もまた領有を主張している地域である。

 

2012年の就任以来、安倍首相は自衛隊の能力と活動範囲の拡大に努力してきた。彼の努力は文化的に平和井主義を堅持してきた日本国内での政治的な戦いを激化させている。

 

日本は第二次世界大戦終結以降、正式な軍隊を保持していない。1947年にアメリカの占領下で作られた日本国憲法は、日本は「国の主権としての戦争を永久に放棄」し、「陸海空の軍隊や戦力を保持」しないと宣言した。

 

軍隊に代わり、日本は自衛隊を保持している。これは他国における軍隊と同じ存在だ。しかし、いつ、どこで、どのように実力を行使するかについては厳格な規則が定められている。しかし、第二次世界大戦が歴史上の記録となるほど遠ざかり、近隣諸国との地政学的な緊張が高まる中で、安倍首相率いる日本政府は、2015年に半軍隊的存在である自衛隊の地位を再解釈するための法律を国会で通過させた。この法律では、アメリカやその他の軍事同盟を結んでいる同盟諸国が攻撃を受けた場合に自衛隊がそれを援助することが可能となった。

 

そして、木曜日、自衛隊は活動範囲を広げることになった。日本の国家安全保障会議は、平和が保たれている時であっても、自衛隊がアメリカの海軍部隊を防衛することを可能とする新たなガイドラインを認めた、と朝日新聞は報じている。

 

この発表の後に行われた記者会見で稲田朋美防衛大臣は「日米同盟の抑止力は更に強化されるだろうし、日本の平和と安全は更に確実なものとなるだろう」と語った。

 

日本は、最大の同盟国であるアメリカと中国との間の外交的な十字砲火の真っただ中に置かれる可能性がある。特にドナルド・トランプ次期大統領が正式に大統領に就任した後はそうなる可能性が高い。トランプは台湾と貿易問題について早速中国と外交的な鞘当てを開始した。これは結果的にアジア太平洋地域における緊張を高めることになる。

 

日本政府が自衛隊に更なる能力を与える決定をしたことはトランプ次期政権の要求を満たすことを意味している可能性がある。トランプは選挙期間中に、アメリカの同盟諸国は自国の防衛について十分なことをやっておらず、アメリカによる防衛に対して更にお金を支払うべきだと主張した。専門家の中には、トランプのこうした発言を受けて、日本がトランプ大統領の下でのアメリカとの関係について懸念を持っていると指摘している人々もいる。

 

テンプル大学教授ジェフ・キングストンは、11月に安倍首相とトランプの初会談が行われた後にCNBCに出演して次のように語った。「アジア地域に住む人々の多くは、アメリカが頼りにならない同盟国だと考えている。トランプはこのような認識をさらに強めることになるだろう。トランプは更にアジア地域における外交に多くの不確実要素を導入してしまうだろう。アジア地域は多くの緊張を抱えている。だから、安倍首相はニューヨークに行き、トランプとの連帯を示したのだと思う」。

 

(貼り付け終わり)

(終わり)



アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22





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 古村治彦です。

 

 先月、安倍晋三首相は世界の首脳の中でいち早くドナルド・トランプ次期大統領と会談を行いました。この実質的な首脳会談がどうして実現できたのか、が明らかになりました。私は、外務省はヒラリー・クリントン勝利を予測しておりトランプ陣営とは全く連絡がなかったと思っていましたが、これは半分当たって、半分間違っていました。

 

 佐々江賢一郎駐米大使は、ある人物を通じて、トランプ周辺、娘イヴァンカとその夫ジャレッド・クシュナーとの関係を構築し、首脳会談を実現させたそうです。

 

 その人物は村瀬悟弁護士という日系三世の人だそうです。村瀬弁護士はニューヨークの著名な弁護士事務所の幹部であり、大企業の顧問弁護士や代理人を務めているそうです。また、笹川良一が創設したUS-Japan Foundation(日米財団)の理事も務めているそうです。

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村瀬悟弁護士

 

 2つ目の記事は、村瀬悟弁護士の父・村瀬二郎弁護士が亡くなった際の追悼記事です。村瀬次郎氏は日系二世の弁護士で、日本とアメリカの政界で幅広い人脈を持っていたそうです。そして、興戦時中、村瀬二郎氏は日本の旧制中学校に通っており、その後帰国して、アメリカの名門ジョージタウン大学ロースクールで学びながら、ヴォイス・オブ・アメリカの編集と翻訳の仕事をし、その時に、テープ・レコーダーの売り込みに来ていたソニーの創業者盛田昭雄氏と知り合い、その後、多くの日本企業のアメリカ進出の手助けを行った(「日本株式会社の顧問弁護士」という異名)という日米関係の結節点のような存在です。

 

 興味深いことは、村瀬二郎氏は息子の村瀬悟氏を中学校から高校まで東京の成蹊学園で学ばせていたということ、そして村瀬悟氏は安倍氏の中高の1年後輩になるということです。私は一度成蹊大学での勉強会に出席したことがあります。成蹊学園は、小学校から大学・大学院まで同じ敷地内にあり、家族的な雰囲気のある学校だなと感じました。このような家族的な雰囲気で先輩・後輩の間も親密であったと思われます。

 

 また、安倍晋三首相は、大学卒業後に渡米し、南カリフォルニア大学に遊学しましたが、その後、神戸製鋼に入社し、ニューヨーク事務所に勤務しました。この時、村井悟弁護士(成蹊中高の後輩)と邂逅したのだろうと思われます。

 

 この村井悟氏が今回、安倍晋三首相がトランプとの会談を行う際にその仲介役を務めたということです。これで、「外務省は失敗したのに(この表現は半分正しくて半分間違っていました)、どうして安倍晋三首相はトランプと会談が出来たのか」という疑問の答えが出ました。

 

 村瀬家には、幕末の悲運の幕臣・小栗上野介忠順の一族の女性が嫁いでいるということです。小栗は先見性があり、大隈重信は、「明治新政府の近代化政策は、小栗の模倣を下に過ぎない」と発言したことでもその偉大さは証明されています。小栗は徳川幕府の遣米使節団に参加し、ニューヨークも訪問しました。その際に、小栗の優秀さをアメリカ人も称賛したということです。

 

 こうしてみると、村瀬家は150年の日米関係を象徴する存在ということになります。そして、日本がこのような存在をアメリカ国内に持っていることは素晴らしいことです。しかし、私が憂慮するのは、アメリカ以外の外国に対して、このような存在まででなくても、国交の結節点のような存在、もしくは日本と外国を両方理解できる人材を持っているかということです。

 

 このような存在を作り上げるには一夕一朝ではできません。ですから、まずはスタートすることだと思います。

 

(記事貼り付けはじめ)

 

国際・外交アメリカ

【スクープ!】安倍・トランプ会談を仲介したスゴ腕弁護士の正体とは

1955年生まれNY在住の日系3

歳川 隆雄ジャーナリスト

「インサイドライン」編集長プロフィール

http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50422

 

 

村瀬悟とは何者なのか

 

ニューヨーク在住の日系3世弁護士、村瀬悟氏の名前を知る人はそれほど多くない。全世界に2000名近くの弁護士を擁する米国有数のモルガン・ルイス&バッキアス国際法律事務所に所属、現在はパートナーの地位にいる。

 

その村瀬悟弁護士が、実は1117日(現地時間)にニューヨークのトランプタワーで安倍晋三首相がドナルド・トランプ次期米大統領と会談した仲介者である。

 

118日の大統領選本選直前、佐々江賢一郎駐米大使がトランプ陣営に接触、トランプ氏が大統領選に勝利したら安倍首相からの祝意を伝える電話を入れたいと申し入れたのがそもそもの「トランプ・アプローチ」の始まりだった。

 

佐々江大使は村瀬弁護士を通じて、先ず長女のイバンカ・トランプさん、次に主人のジャレッド・クシュナー氏を交えて会い、ファミリーとの関係を確立した。

 

そして安倍官邸はそのホットラインを通じて、1110日の電話会談と17日のトランプタワー訪問を実現したのである。

 

安倍首相が世界の首脳に先駆けてトランプ次期大統領との「良好な関係」を築くことができたのは、村瀬弁護士の存在なくしてはあり得なかった。

 

では、村瀬悟氏(1955年生まれ)とはいかなる人物なのか。

 

20148月、86歳で亡くなった父・村瀬二郎氏が超大物日系2世の弁護士であった。カーター民主党政権下で大統領通商諮問委員に就任、その後も国務省多国籍企業諮問委員に就くなど政府の各諮問委員会メンバーを歴任した。

 

民間組織では、デイビッド・ロックフェラーが創設したトライラテラル・コミッション(日米欧委員会。現三極委員会)委員を務めた。

 

日本との関わりで言えば、ソニー創業者の盛田昭夫元会長との長い交誼は有名であり、1980年代になって同氏の政財界人脈を頼って米国進出の商社、自動車、電機など大手企業が村瀬事務所に日参したほどだ。

 

安倍首相の1年後輩

 

政界では福田赳夫元首相との関係が際立っており、当然にも自民党清和会(現細田派)を福田氏から引き継いだ安倍晋太郎元外相とも大変親しかった。

 

ということは、その関係は安倍首相にも継承されている。

 

ところが、それだけではない。村瀬悟氏は、父・二郎氏の命によって青春期は日本で教育を受けるべしということから、中学1年から高校3年まで東京の成蹊学園で学んだ。そして安倍首相が1学年上に在籍していたのだ。

 

外見的には全くの日本人であるが、発想からライフスタイルは典型的な米国人である。成蹊高校卒業後、ボストンのハーバード大学に進み、1979年に卒業。その後はワシントンのジョージタウン大学ロースクールに入学、1983年終了の法学博士号取得者だ。

 

日本で同氏の名前が取り沙汰されたのは、皮肉にも経営危機に陥ったソニーが、ダニエル・ローブ氏率いる投資ファンド「サード・ポイント」の株主提案に翻弄された時のことである。村瀬氏が同ファンドの顧問弁護士として登場したからだ。

 

「ハゲタカ・ファンド」と同一視されるのを嫌った同氏は旧知の政府系金融機関トップの紹介を得て首相官邸を始め、経済官庁のトップ、大手銀行経営者を回って「物言う株主」の重要性を説いて回った。

 

従って、日本を筆頭にアジア、そして欧州の主要企業をクライアントに持つ村瀬氏が、リバタリアンとしても知られる、「アメリカン・ドリーム」の体現者ドナルド・トランプ氏と親しくなるのは必定であった。

 

安倍首相とトランプ次期大統領との会談があった1117日夜、首相の宿舎「インターコンチネンタル・ニューヨーク・バークレー」のスイートルームで村瀬氏が目撃されたのは当然である。

 

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「日本株式会社」の顧問弁護士

追悼 村瀬 二郎氏(日系二世の米国人弁護士)

 

201410月号 LIFE [ひとつの人生]

https://facta.co.jp/article/201410019.html

 

 

85日、ニューヨーク市内の病院で、86歳の日系人弁護士がひっそりと息をひきとった。222日に妻由枝(享年88歳)の最期を看取ってからおよそ5カ月、妻の後を追った。村瀬二郎。知る人ぞ知る日本の戦後史の生き証人である。

 

「昭和元禄」――皮肉を交えた造語にかけては右に出る者がなかった元首相、福田赳夫(故人)が、戦後奇跡の復興を成し遂げつつあった日本経済と社会の奢侈と安逸を諌めたのは、日本が初の東京五輪に沸いた1964年のことだった。 

 

その後、日本経済は80年代末のバブル絶頂期まで、拡大の一途をたどった。それに伴い、日本企業は海外進出を加速させ、ジャパンマネーの洪水に日米経済摩擦が深刻な政治問題となっていった。

 

当時、米国進出を考える企業も、米国で問題を抱えてしまった企業も、さらに日米経済交渉に携わる官僚や政治家たちが、こぞって頼りにしたのが移民二世の日系米国人、村瀬だった。

 

彼は、高度成長時代の「日本株式会社」の顧問弁護士のような存在だった。

 

7781年のカーター民主党政権下で大統領通商諮問委員に就いたのを皮切りに、国務省多国籍企業諮問委員、日米欧委員会(現三極委員会)委員などを歴任。米国の政財界に強い影響力を持った最も成功した弁護士の一人だった。

 

その影響力を頼って、日本の総合商社はもとより、米国に進出している電機、自動車などの大手企業や政治家たちがひっきりなしに村瀬の事務所を訪ねた。この中には、安倍晋三首相の父、晋太郎やソニー創業者、盛田昭夫もいた。

 

村瀬が盛田と邂逅したのは、まだワシントンの名門ジョージタウン大学に在学していた50年代に遡る。ロースクールに通いながら、村瀬は国務省のラジオ放送「ヴォイス・オブ・アメリカ」(VOA)で編集兼翻訳を務めていた。そこに大きなリール式のテープ・レコーダーを抱えて売り込みに来たのが盛田だった。

 

「これを使ってみてくれ、すべて日本製の録音機だ」

 

名刺にはソニーの前身、東京通信工業と印刷されていた。盛田が持ち込んだ録音機を見て、放送局のエンジニアたちは「日本にこんなものは作れない。ドイツ製の部品を組み立てただけだ」と鼻で笑ったが、分解した結果、日本製ということが分かり、村瀬は我がことのように盛田の手を取って喜び合った。

 

村瀬は盛田の語るソニーの未来像、そして日本の将来像に共鳴し、それから2人の親交は40年以上に及んだ。89年、ソニーは大手映画制作会社コロンビア・ピクチャーズの買収に乗り出す。凄まじいジャパン・バッシングの嵐の中、日米関係を憂慮した村瀬は、ワシントンなどに何度も足を運んでは日本の真意を説き、火消しに走り回った。

 

それからおよそ四半世紀。出井―ストリンガーと続いた経営失敗の後遺症で苦境に喘ぐソニーは、ダニエル・ローブを総帥とする米国投資ファンド「サード・ポイント」の株主提案に翻弄される。このファンドの代理人弁護士を務めたのが村瀬の長男悟(55年生まれ)なのだ。

 

昨年、来日したローブの傍らに悟の姿があった。悪名高い「ハゲタカファンド」と同一視されるのを嫌ったローブは、官邸、日銀、財務、経産、大手銀行などを回っては「物言う株主」が日本の企業体質を改善し、経済に貢献することになる

 

などと説いて回った。その際、父二郎から受け継いだ人脈が悟を助けたのである。

 

村瀬の父九郎がニューヨークの土を踏んだのは1911年(明治44年)。日露戦争に軍医として従軍したが、麻酔もなく手足を押さえて手術し、阿鼻叫喚となる日本の医学の後進性を痛感し、ニューヨークのメディカル・スクールで最新の医療技術を学ぼうと渡米したのである。

 

実は村瀬の義母は、幕末に幕府の勘定奉行や江戸町奉行、外国奉行として辣腕を振るった幕臣、小栗上野介(忠順)の一族から嫁いだ女だった。慶応4年に処刑された小栗を司馬遼太郎は「明治の父」と讃えたが、薩長政権のもとで小栗は逆臣の代表だった。小栗一族を嫁にした九郎に栄達の道は閉ざされていた。それが渡米を決意したもう一つの理由である。

 

夫婦2人で新天地をめざしたが、妻は世界的に流行したスペイン風邪に感染し、出発を目前に急逝してしまう。

 

大恐慌を目前にした28年、後妻みよの二男として村瀬は生まれる。4歳で目撃した大恐慌のニューヨークは、ボロをまとった子供たちが物乞いする光景だった。

 

それを村瀬は終生忘れない。

 

日本で教育を受けさせたいという父の強い願いから、村瀬は兄とともに、サンフランシスコから船で日本に渡航する。いったん帰国したが、36年から再び日本に戻り、終戦を母方の実家のある兵庫県芦屋で迎えた。当時は旧制芦屋中学の生徒だった。

 

日本を愛してやまない村瀬は、日本を敗戦に追い込んだ米国に畏敬の念を持ち、その自由な気風を尊んで、米国人としての祖国愛は誰にも負けなかった。

 

村瀬も長男悟を中学1年から高校3年まで東京の私立成蹊学園で学ばせた。誰もが顔見知りのような学園で1学年上に在籍していたのが安倍晋三だった。その父晋太郎が率いる福田派「清和会」の外交アドバイザーを村瀬は引き受けることになり、安倍家と村瀬家との交わりは以来30年余になる。

 

客をしゃれたラウンジに招待しては、村瀬自らマイクを握って「アメリカ・ザ・ビューティフル」を朗々と歌ったが、その一曲を終えると、軍歌「月月火水木金金」が続いた。最後にマイクを強く握りしめ、遠くを見つめて歌うのが童謡や唱歌だった。

 

村瀬が歌う「鯉のぼり」は、祖国日本を思う愛惜の情に溢れていたという。

 

(記事貼りつけ終わり)

 

(終わり)














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 古村治彦です。

 

 2016年11月17日(日本時間では18日)に、安倍省はニューヨークに立ち寄り、ドナルド・トランプ次期大統領と会談を行います。食事を摂りながらの会談になると言われています。

 

 トランプが当選し、「青菜に塩」の状態になっていた、マイケル・グリーン先生は以下のような論稿を発表しています。

 

 

「青菜に塩」という言葉を使ったマイケル・グリーン

 

 マイケル・グリーンは、トランプはアジア諸国に対する戦略を明確にしていないので、安倍首相が聞き役に回り、なだめすかしながら、トランプのアジア戦略の輪郭を明確にすべきで、それが出来たら、他のアジア諸国やトランプ自身に対しての大きな貢献となる、と述べています。

 

 トランプから最初に言質を取っておく、日本やアジアの防衛から手を引かないということを明言させるのが安倍首相の役割だとマイケル・グリーンは述べています。これは、「自分はトランプに散々反対してきたから、彼に近づけないので、安倍さん、どうかトランプからこれからも日本を守るという言葉を引き出して、私の関与する場所を確保して欲しい」という願望が下敷きとしてあるのではないかと思います。

 

 日本を操るジャパン・ハンドラーズの若きリーダーがこの自信なさげな感じというのは何とも新鮮です。しかし、恐らくはグリーン先生の思っておられるようにはうまくいかないでしょう。入門編として、日本の首相が一番やりやすい相手でしょう。トランプは選挙期間中にメキシコを訪問して、手痛い反撃を受けていますが、日本に、そして安倍首相にそこまでのことはできないでしょから、慣らし運転という点では最適の相手、露骨に言えば「噛ませ犬」として最適だと判断されて、あべ主将は外国の首脳では初めてトランプ次期大統領と会うということになったと思います。

 

 また、マイケル・グリーンは、「日本の反米主義者、極右、極左がトランプの当選を歓迎している」と書いています。マイケル・グリーン先生に褒めていただいて、大変光栄だと思っておられる日本人もたくさんおられることでしょう。私もその末席を汚す者でありますが。

 

(貼り付けはじめ)

 

ドナルド・トランプの安倍晋三の会談:アジアに関する最初のテスト(Donald Trump’s Meeting With Shinzo Abe: First Test on Asia

 

マイク・グリーン筆

2016年11月15日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2016/11/15/donald-trumps-meeting-with-shinzo-abe-first-test-on-asia/

 

2016年11月17日、ドナルド・トランプ次期大統領は、ニューヨーク市のトランプ・タワーで日本の首相である安倍晋三と会談する予定となっている。今回のアジアの指導者との事実上の首脳会談は、11月9日に安倍からの気軽な電話での提案から実現したものだ。2人は昼食か夕食を共にする。安倍首相はアジア太平洋経済協力機構の年次総会でペルーに向かう途中にニューヨークに立ち寄る。アジアとヨーロッパの各国はこの会談を注視するだろう。

 

私は、安倍首相はトランプと協力関係を築けるかどうか疑問に思っている。安倍首相は、最初は聞き役に回るだろう。彼の友人は、モディ、プーティン、ネタニヤフ、エルドアンといった世界各国で強い権力を持っている人たちばかりだ。 安倍首相は反エリートの波によって権力を握った人物ではない。2009年、日本では中道・左派の民主党が選挙で大勝し、権力の座に就いたことがあった。安倍首相は彼独自のナショナリスト的主張を持っている。彼は決断をできる人物だ。トランプはそのことをすぐに認識するだろう。日本は、これからも友好的な姿勢を崩さないであろうが、その表面の裏では、日本は、日本以外のアジア諸国、更には世界と同様、中国と北朝鮮による脅威が増大していく中で、トランプ新大統領は自国の安全保障にとってどんな意味を持つのかについて懸念をも持っている。

 

この不安は、大統領選挙後に日本で行われた世論調査の結果にも出ている。約7割の日本人がトランプ大統領に否定的な見方をしている。選挙前の世論調査でオーストラリア国民の半数は、トランプが当選したらアメリカから距離を置くべきだと答えた。同じ世論調査で、米豪同盟についてはこれまでで最高の支持率を記録したにもかかわらず、だ。トランプの主要なアドヴァイザーの中には、ワシントンにあるアジア諸国の大使館に対して、アメリカ軍の前方展開部隊の駐屯について再考することになる、もしくは国内のテロリズムと経済に関する問題に集中するためにアジア諸国から手を引くと語った人々がいる。 トランプは環太平洋経済協力協定(TPP)に反対してきた。そのため、安倍首相のこの秋の国会運営は難しいものとなる可能性がある。アメリカ国内でTPPに対する支持がしぼんでいく中で、安倍政権はTPPの勢いを持続させるためにTPPの批准を国会で通過させることに注力している。日本国内の反米の主張をする人々、極右、極左は、トランプ当選を歓迎している。そして、アメリカからの更なる別離を主張している。同様の動きは、オーストラリア、韓国、アジア地域のアメリカの同盟諸国で起きている。

 

他方、日本とアジア諸国にとっては、安心感を持てる兆候も存在している。シカゴ外交評議会が行った最新の世論調査では、アメリカ国民の3分の2は、グローバライゼーションは素晴らしいと考え、6割が自由貿易を支持しているという結果が出た。ピュー・リサーチセンターの世論調査では、大多数のアメリカ国民が、日本と韓国が攻撃された場合に、両国を防衛するべきだと答えている。こうした動きが示しているのは、反エスタブリッシュメントの選挙結果は、自国問題解決優先主義(アイソレイショニスト)的な有権者の感情によってもたらされたものではないということだ。マイク・ペンスが副大統領に、レインス・プリーバスが大統領首席補佐官にそれぞれ選ばれたことは、ケリー・アヨッテ、スティーヴ・ハドリー、ボブ・コーカーのようなより常識的な国家安全保障観を持っている人々が、もちろんまだ確定している訳ではないが、国家安全保障を担当するポジションに登用されるという希望を膨らませてくれる人事であった。投開票日の1日前、トランプのアドヴァイザーであるアレクサンダー・グレイとピーター・ナヴァーロは、『フォーリン・ポリシー』誌に、オバマ大統領のアジア回帰政策に対する批判論文を発表した。フォーリン・ポリシー誌には私たち専門家が「シャドウ・ガヴァメント」欄で多く論稿を発表してきた。

 

共和党が過半数を占めている連邦議会は、予算管理法と予算の上限を破る姿勢を示している。そうした中で、日本の防衛省の幹部たちは、アジアの軍事バランスの変化のためにJapanese defense officials also see the prospect of real resources emerging for the military aspects of the rebalance to Asia. グレイとナヴァーロは論稿の中で、アジア地域にあるアメリカの同盟諸国は、防衛負の負担増加を「尊敬を持って」新政権から求められることになると指摘した。しかし、こうした主張は選挙期間中のトランプの発言からかけ離れたものだ。選挙期間中、トランプは、アメリカにたかりきっている同盟諸国など防衛しないと主張し続けた。安倍首相は日本国憲法の解釈を変更することで、日米同盟においてリスクを更に分担することで面目を施すことになると指摘するであろうが、安倍首相はトランプを楽しませねばならない立場に置かれるだろう。もし指導者2人が会談から積極的な結論を得たいと望むならば、協力できる共通の地盤を数多く持つことだ。

 

つまり、日本国民は、トランプが選挙期間中に行った発言を忘れることはないだろう。トランプの一連の発言によって、日本国民のアメリカに対する信頼は揺るがされることになった。日本の官僚たちの中には、安倍首相に対して、TPPと日本の駐留米軍の負担の分担について、トランプに反論するように主張している人々がいる。安倍首相は言いたいことを後ろに隠して、日米関係とアジアに関するトランプの戦略の輪郭を明確にすることに集中するだろう。現在まで、トランプはこれらについての戦略を示していない。こうしたことができれば、安倍首相はアジア諸国とトランプ次期大統領に対して大きな貢献をしたことになる。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)









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 古村治彦です

 

 トランプ政権の閣僚に誰がなるか、が現在の注目の的となっています。

 

 アメリカでは大統領府に属する閣僚級の幹部と、連邦政府を構成する各省のトップである長官(セクレタリー)が、政権最高幹部ということになります。江戸時代の例で考えると、将軍に直属する「御側」「御用取次」「側用人」が「奥の役人」、「三奉行(寺社・江戸町・勘定)」「大目付」「若年寄」「老中」が「表の役人」と呼ばれました。大統領府に属する政権幹部は奥の役人、行政府の閣僚は表の役人ということになるでしょうか。江戸時代は、奥の役人は政治に直接かかわることは、建前上は禁止されていましたが、現在のアメリカでは奥の役人は大統領に属し実際の政策立案に閣僚たちと共に関わり、閣僚たちは、官僚を指揮してその政策を実行するということになります。

 

 しかし、表遠くの役人同士で争いが起きるのは古今変わらないようです。五代将軍徳川綱吉の寵臣、柳沢吉保(元々は保明という名前だったが、綱吉からを賜り吉保と改名)は側用人でした。十代将軍徳川家治の側用人は、有名な田沼意次でした。側用人が権勢をふるうということはよくありました。私たちも日本史の授業で、「側用人政治」と言う言葉を習いました。

 

側用人とよく似て、大統領首席補佐官(Chief of Staff)が大統領執務室前に陣取って、大統領のスケジュールや面会の管理をするので、力を持つ場合があります。オバマ政権初期の大統領首席補佐官ラーム・エマニュエル(現シカゴ市長)はそうでした。

 

また、国家安全保障問題担当大統領補佐官(National Security Advisor)は大統領に直属し、毎日、国家安全保障と外交に関して助言を行うことをしており、大変重要なポジションです。国家安全保障会議という大変重要会議にも出席します。ジミー・カーター政権時代、イランでイスラム革命が起き、アメリカ大使館が学生たちに占拠され職員たちが多数人質にされるという事件が起きました。この時、人質救出の方法を巡って、ズビグニュー・ブレジンスキー国家安全保障問題担当大統領補佐官とサイラス・ヴァンス国防長官の間で対立が起きました。ブレジンスキーが軍のエリートによる突入、ヴァンスはそうした強硬策に反対しました。そして、ブレジンスキーが勝ち、ヴァンスは国防長官を辞任しました。

 

 また、沖縄返還に関しては、佐藤栄作首相の意向を受けて密使として交渉にあたった、若泉敬・京都産業大学教授(当時)の著書『他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス』には、交渉相手として、リチャード・ニクソン大統領国家安全保障問題担当補佐官として、若泉の友人であったウォルト・ロストウとロストウの後任のヘンリー・キッシンジャーが出てきます。

 

 以下の記事2本では、これまでトランプを支えてきた人物たちの名前が出てきています。選対本部にいて選挙を取り仕切った人たちはスタッフとして大統領府に入ることが予想されていますが、どのような配置になるか、こちらもまだ決まっていません。

 

 以下の記事では出てきませんでしたが、国家安全保障問題担当大統領補佐官には軍人出身のマイケル・フリンの名前が挙がっています。また、国防長官の名前として、ジョージ・W・ブッシュ大統領の国家安全保障問題担当大統領補佐官スティーヴン・ハドリーの名前が挙がっています。

 

 記事を読むと、今回の人事に関する考え方として、「ワシントンの連邦政府(行政府)を変えるために連邦議会(立法府)からその分野に精通した人物を登用する(ジェフ・セッションズやボブ・コーカー)」というものと、「これまでの共和党政権(主に前回のジョージ・W・ブッシュ政権)での経験を持っている人を登用する(ジョン・ボルトンやスティーヴン・ハドリー)」というものの2つがあるようです。

 

 日本関係で重要なのは、国務長官や国防長官とその下の副長官、次官、次官補、国家安全保障問題担当大統領補佐官、国家安全保障会議アジア部長、国務省日本部長、国務省政策企画局長といったポジションです。こういったポジションにどういう人たちが就任するのか、更に言うと、トランプに反対していた、マイケル・グリーンさんがどういう地位に就かれるのかが注目です。

 

(貼り付けはじめ)

 

準備段階での名簿がトランプ政権の閣僚候補者たちの名前を示す(Preliminary list shows potential Trump Cabinet picks

 

ニキータ・ヴラディミロフ筆

2016年11月9日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/305354-buzzfeed-obtains-preliminary-list-of-trump-cabinet-picks

 

ドナルド・トランプの政権移行ティームは、彼が率いる次期政権の閣僚になる可能性がある人々の名簿を用意している。

 

ウェブサイト「バスフィード・ニュース」が入手した名簿には、ベン・カーソン、ニュージャージー州知事クリス・クリスティ、マイク・ハッカビー、ニュート・ギングリッジなどの名前が挙げられ、その中には一人の人物が複数のポジションの候補者になっている人もいる。

 

名簿には全部で41名の人物の名前と14の行政を構成する各省が記載されている。名簿を提供した人物は、バズフィードの取材に対して、この名簿は最終版ではなく、変更される可能性が高いと語った。

 

司法長官の候補者として、クリス・クリスティ、ジェフ・セッションズ、そしてルディ・ジュリアーニの名前が挙げられている。

 

国務長官の候補者として、ニュート・ギングリッジ、ジョン・ボルトン、ボブ・コーカーの名前が出ている。

 

大統領首席補佐官(首席スタッフ)の候補者には共和党全国委員会委員長レインス・プリーバスの名前しか挙げられていない。大統領府に属する行政管理予算局長として、セッションズの名前が出ている。

 

商務長官候補には、クリスティとハッカビー、教育長官にはベン・カーソンの名前が挙げられている。

 

国土安全保障長官としてクリスティの名前が、保健福祉長官としてカーソン、ギングリッジ、フロリダ州知事リック・スコットの名前が挙がっている。

 

サラ・ペイリンの名前が名簿に出ているのはサプライズであった。ペイリンは、内務長官の候補者の一人として名前が挙がっている。

 

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トランプは複数の共和党所属の連邦議員たちを閣僚に起用している(Report: Trump eyeing GOP lawmakers for Cabinet posts

 

ハーパー・ニーディグ筆

2016年11月9日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/305348-report-trump-eyeing-gop-lawmakers-for-cabinet-posts

 

水曜日、『ブルームバーグ・ポリティックス』誌は、マイケル・マコール連邦下院議員(テキサス州選出、共和党)、ボブ・コーカー連邦上院議員(テネシー州選出、共和党)、ジェフ・セッションズ連邦上院議員(アラバマ州選出、共和党)が次期ドナルド・トランプ政権の閣僚の候補者となっていると報じた。

 

トランプの考えをよく分かっている人に取材をし、ブルームバーグ誌は、連邦下院国土安全保障委員会委員長マコールは、国土安全保障長官に最有力候補だと報じた。

 

連邦上院外交委員会委員長のコーカーと、ジョージ・W・ブッシュ政権で国連大使を務めたジョン・ボルトンは、国務長官候補として名前が挙がっている。

 

セッションズは国防長官になるだろうと言われている。トランプはこれまで繰り返し、アラバマ州選出の上院議員であるセッションズを閣僚に起用するだろうと述べている。

 

ブルームバーグ誌によると、元ニューヨーク市長ルディ・ジュリアーニは司法長官の最有力候補だと報じている。

 

これまでに名前が挙がっている人々は全てトランプ支持者である。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)







 
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