古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

カテゴリ: 国際関係論

 古村治彦です。

 

 今年の6月に米朝首脳会談が行われ、共同宣言が出されました。「これで、北朝鮮はすぐに核兵器を放棄する、良かった良かった、金正恩もドナルド・トランプもいい人じゃん」という雰囲気が醸成されました。これ以降、どのような進展があったのか、よく分からない状況です。北朝鮮が積極的に核兵器放棄に向けた動きを行っているようには見えません。

 

 マイク・ポンぺオ国務長官が4度目の訪朝をするという発表がなされました。アメリカという国家のこれほどの高官がこのような短期間でこれほどの頻度で北朝鮮を訪問するというのは異例なことでした。しかし、直前になって、トランプ大統領がポンぺオ長官の訪朝を中止させました。

 

 トランプ大統領は北朝鮮との交渉が進展しておらず、それは中国の責任だというツイートをしています。しかし、これは、6月の米朝首脳会談と共同宣言を発表した時点で、中国が北朝鮮への制裁を骨抜きにすることは容易に予想が出来たことで、もしトランプ大統領がそのことを今頃になって怒っているということであれば、それはトランプ大統領の不明ということになります。

 

 ですから、トランプ大統領の中国に対する発言は、中国に対して北朝鮮に対してもっと強く影響力を行使して、とりあえず、核兵器関連を急速に解決できる方向に勧めて欲しいという意図があると考えられます。中国を批判しているように見せながら、何とかならないかとお願いというか、依頼、説得をしているということだと思います。中国がこれでどう動くかが注目されます。

 

ポンぺオ国務長官は、幻と終った訪朝発表の際に、スティーヴン・ビーガン(Stephen Biegun)という人物を特別代表に任命して、帯同させると発表しました。これからビーガンがアメリカの対北朝鮮交渉で重要な役割を果たすことになるという意味の発表でした。

stephenbiegun001
スティーヴン・ビーガン

 

 ビーガン(1963年生まれ)は、自動車メーカー大手のフォード社の外国政府担当副社長を務めています。ですが、政府機関で仕事をしていた時期が長い人物です。1984年にミシガン大学を卒業、専攻はロシア語と政治学だったそうです。その後、1992年から1994年まで国際共和研究所(International Republican InstituteIRI)のロシア駐在部長を務めました。IRIは共和党系のNGOで、はっきり言えば、世界各国で民主化(democratization)を進めるため、NGOの外見を持った準政府機関です。民主党系には全米民主研究所(National Democratic InstituteNDI)というNGOがあります。

 

 IRINDIに資金を提供しているのは、こちらもNGOの外見を持っているが、実質的にはアメリカ連邦議会から資金を提供されている、全米民主政治体制のための基金(National Endowment for DemocracyNED)です。NEDIRINDIはアメリカの介入主義のための準政府機関です。このことについては、拙著『アメリカ政治の秘密』(2012年、PHP研究所)で取り上げています。ビーガンは「非民主国家の民主化(democratization of nondemocratic states)」のための人材ということになります。

 

 その後、連邦下院外交委員会のスタッフ(海外援助予算、貿易政策、ヨーロッパ担当)、連邦上院外交委員会のスタッフ(1994-1998年)、首席スタッフ(1999-2000年)、を務めました。共和党のジョージ・W・ブッシュ大統領(在任:2001-2009年)が誕生すると、ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)事務総長(2001-2003年)、国家安全保障問題担当大統領補佐官コンドリーザ・ライスの上級スタッフを務めました。ホワイトハウスでは国家安全保障会議の運営を取り仕切っていたそうです。

 

 その後は、連邦上院議員で共和党連邦上院院内総務を務めた、重鎮ビル・ファーストの国家安全保障問題担当アドヴァイザーを務め、フォード社の副社長に就任しました。ビーガンはアジアの専門家でもなく、国家安全保障問題を中心に活動してきたことを考えると、今回の人事は不思議な感じがします。

 

 北朝鮮担当特別代表にはこれまで、韓国系、アジア系の人物が就いていました。今回ロシア専門家が就任したということは、北朝鮮問題をアジア系の人々の手から離して、新たな道筋を探そうとしているのではないかと考えられます。そして、ロシアを引き入れて、中国の北朝鮮に対する影響力を減少させ、相対的にアメリカの影響力を増大させようという考えがあるのではないかと思います。

 

 更に言うと、ビーガンの前歴を考えると、ビーガンの特別代表就任は北朝鮮に対する圧力とも考えられます。これまでのように甘やかして下手(したて)には出ない、北朝鮮問題を国家安全保障上の専門家であり、かつ、非民主国家の民主化の専門家が、北朝鮮を国家安全保障上の問題として捉え、民主化のアプローチから交渉の場に立つ、というのは、北朝鮮からすれば「体制保障をもらっているのに、これでは話が違う」ということになります。更に、ビーガンがロシア専門家ということを考えると、ロシアの影響力を使おうというトランプ大統領の意図が感じられます。

 

 米朝交渉が停滞気味のまま、中間選挙ということになると、北朝鮮に対する弱腰(appeasement toward North Korea)という形での批判が起こり、共和党内部からもトランプ大統領に対する批判が出て来てしまう可能性が考えられます。そうなると選挙戦は難しくなってしまうということになってしまいます。ですから、それまでに何とか形だけでもなんとか進展のようなものが見えるようにしたいということだろうと考えられます。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「トランプ氏、北朝鮮の非核化進展遅れは中国のせいと」

BBC 20180831

https://www.bbc.com/japanese/45364594

 

ドナルド・トランプ米大統領は29日、北朝鮮の非核化に具体的進展が乏しいことについて、中国の責任だとツイッターで非難した。

 

トランプ氏は、「ホワイトハウスの声明」と大文字で題した上で、連続ツイートを投稿した。

 

「ドナルド・J・トランプは、北朝鮮が中国からとてつもない圧力を受けていると強く感じている。これは、我々と中国政府が大きく対立している貿易問題のせいだと考える。同時に、中国が北朝鮮に」

 

「資金や燃料、肥料その他の必需品を含め、相当な支援を提供していることを承知している。これは迷惑だ! それでもなお大統領は、金正恩氏と自分の関係はとても良好で温かいものだと考えており、現時点では」

 

「米韓合同軍事演習に大金を使う必要はないと考えている。それに大統領は、その気になればいつでもただちに韓国や日本との合同演習を再開できる。そうなったら、前よりもはるかに大規模なものになる。米中貿易やその他の」

 

「相違点については、いずれトランプ大統領と中国の偉大な習近平主席が解決する。2人の関係と絆は、いまだにとても強力だ」

 

大統領のツイートとは裏腹に、ジェイムズ・マティス米国防長官は28日、韓国との合同軍事演習を再開する見通しだと発言したばかり。マティス長官は、「最大規模の演習をいくつか延期したのは、シンガポール首脳会談後に誠意を示すためだったが、現時点ではこれ以上、演習を中止する予定はない」と説明した。北朝鮮は、米韓合同演習を「挑発的」だと異議を唱えておえり、6月の米朝首脳会談では米国側が一時中止に応じていた。

 

外交部の華春瑩報道官は、「問題解決のためには、米国は責任転嫁ではなく、自分自身を見つめるべきだ」と批判した。

 

6月にシンガポールで開いた米朝首脳会談では、北朝鮮が「朝鮮半島の完全非核化」に合意し、トランプ氏は「北朝鮮の核の脅威はなくなった」と宣言した。

 

しかしそれ以来、北朝鮮による核開発施設や発射台の解体は十分に進んでいない、核放棄は具体的に進展していないという専門家の指摘が相次いでいる。

 

トランプ氏の連続ツイートは、その責任はすべて中国にあると批判しつつも、北朝鮮の金氏だけでなく、中国の習主席も称賛し、個人的関係の良さを強調している。

 

批判と称賛と警告が分かりにくく混ざり合った大統領ツイートの背景には、歴史的な首脳会談に伴う具体的な成果を求める批判や圧力を政権が意識していることの表れともみられる。

 

=====

 

●「米国務長官「非核化前進見込めず」」

毎日新聞2018825 2229(最終更新 825 2229)

https://mainichi.jp/articles/20180826/k00/00m/030/118000c

 

 【ワシントン渋江千春、高本耕太】トランプ米大統領は24日、ポンペオ国務長官に対し、来週予定していた北朝鮮訪問を取りやめるよう指示したと、同日のツイッターで明らかにした。初の米朝首脳会談(6月12日)で合意した北朝鮮の非核化をめぐる米朝交渉が難航しており、ツイッターでも「現時点で大きな前進があるとは思えないため」と理由に掲げている。

 

 トランプ氏はこれまで集会などで北朝鮮との協議を「極めて順調に進んでいる」と繰り返し評価してきた。20日のロイター通信によるインタビューでも「北朝鮮が具体的な非核化措置を取っていると信じる」と述べていた。だが、この発言後も北朝鮮側から積極姿勢が示されなかったことから、評価を転換させ、不満を表明した。

 

 また、トランプ氏は24日のツイッターで、北朝鮮の後ろ盾である中国との貿易戦争にも言及し、「我々が貿易の分野で中国に強硬な姿勢をとっていることから、中国はかつてのように(北朝鮮の)非核化プロセスに協力していない」と非難した。

 

 今後のポンペオ氏の訪朝時期については、米中間の貿易関係が改善された後になる可能性が高いとも述べた。米中間の貿易戦争が泥沼化するなか、中国が北朝鮮への影響力を対米取引カードとして使う事態を避けたいという思惑も透けて見える。

 

 一方、トランプ氏は金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長に対しては敬意を示したうえで「近く会えることを楽しみにしている」と呼びかけ、2度目の米朝首脳会談に強い意欲を示した。

 

 ポンペオ氏は、北朝鮮訪問が実現していれば、訪朝後に日本や韓国を訪問し、河野太郎外相や康京和(カン・ギョンファ)外相とそれぞれ会談して訪朝結果を説明する方向で調整していた。

 

=====

 

●「米国務長官が来週訪朝=特別代表にフォード副社長」

 

8/24() 0:42配信 時事通信

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180824-00000001-jij-n_ame

 

 【ワシントン時事】ポンペオ米国務長官は23日、北朝鮮を来週訪問すると明らかにした。

 

 また、米自動車大手フォード・モーターのスティーブン・ビーガン副社長を北朝鮮担当の特別代表に起用し、訪朝にも同行させると発表した。具体的進展が見られない北朝鮮の非核化で、事態打開を目指す。

 

 ポンペオ氏の北朝鮮訪問は7月以来で、中央情報局(CIA)長官時代を含め4回目。ポンペオ氏は記者団に「外交を通じて北朝鮮の脅威を解消することが、引き続きトランプ大統領の最優先課題だ」と述べ、交渉進展に意欲を示した。

 

 国務省のナウアート報道官は23日の記者会見で、ポンペオ氏と金正恩朝鮮労働党委員長との会談は現時点で予定されていないと述べた。ポンペオ氏は7月の前回訪問でも、正恩氏と会談していない。

 

 ビーガン氏は記者団に「(北朝鮮問題は)困難で容易に解決できるものではない。北朝鮮国民の平和な未来を実現するため、可能なあらゆる機会を捉えなければならない」と語った。

 

 ビーガン氏はブッシュ(子)政権時代の200103年、当時のライス大統領補佐官(国家安全保障担当)の上級スタッフを務めた。マクマスター前大統領補佐官の辞任が取り沙汰された際、後任候補として名前が挙がったこともある。 

 

(貼り付け終わり)


kizudarakenojinsei001
 傷だらけの人生 (ベスト新書)


(終わり)

アメリカ政治の秘密日本人が知らない世界支配の構造【電子書籍】[ 古村治彦 ]

価格:1,400円
(2018/3/9 10:43時点)
感想(0件)

ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側[本/雑誌] (単行本・ムック) / 古村治彦/著

価格:1,836円
(2018/4/13 10:12時点)
感想(0件)



このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

 古村治彦です。

 

 ドナルド・トランプ大統領が衝撃の発言を行ったという報道が出ました。今年6月の日米首脳会談中、トランプ大統領が安倍晋三首相に対して、対日貿易赤字問題や米朝交渉に関して話し合いをしている中で、安倍首相に対して「私は真珠湾を忘れない」という発言を行った、と報じられました。安倍首相に対して不満を表明する中で、禁句とも言うべき言葉を使ってしまったということです。

 

以下の記事によると、トランプ大統領は安倍首相と8回も会談し、電話会談は26回に及ぶということで、外国の指導者の中でも緊密な関係を築いているということです。最近までは、トランプ大統領は安倍首相について批判がましいことは全く言ったことがなかったということをホワイトハウス、国務省、日本政府関係者は揃って証言しています。

 

 しかし、最近になって、対日貿易赤字問題と米朝交渉に関して、トランプ大統領は日本を批判し、それに対して日本側も不満をためているというのが現状のようです。

 

 安倍首相は日米関係を強化するために、トランプ大統領との個人的な関係強化を図ってきました。そのためにゴルフが有効だと思えば、高価なゴルフクラブを贈り、一緒にゴルフをプレーして回りました。そして、アメリカ側のいうことには何でも従い、トランプ大統領からは「素晴らしい友人」という評価を受けてきました。

 

 しかし、トランプ大統領は、日本の世界的における影響力が低下し、存在感が消えつつある中で、日本のことなど眼中にはないようです。そして、安倍首相の熱心な迎合も、「真珠湾のことは忘れない」というトランプ大統領の一言でおじゃんになってしまいました。

 

 この言葉を言われたくないがために、戦後日本はアメリカに屈従してきましたし、安倍首相も見苦しいほどの阿諛追従をしてきましたが、結局、この言葉を言われてしまいました。これは、安倍首相の路線が間違っていたということも言えますが、日本はアメリカから経済的利益を得てばかりのずるい国という遅れた認識しかトランプ大統領は持っていないということです。

 

 トランプ大統領の発言や政策は1980年代のアメリカ民主党の日本叩きと全く同じです。その当時トランプ大統領は民主党支持者だった訳ですから、習い性となるということなのかもしれません。

 

 しかし、日本側にしてみれば、これはチャンスかもしれません。「そうですか、アメリカ側はそんなことを言うのですか」ということで、対米自立、アメリカに対してもっと言いたいことを言うための機会にしたいところです。しかし、今の安倍政権ではそれは無理でしょう。これではただ言われっぱなし、やられっぱなしということになります。いつものことと言えばそれまでですが。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「トランプ大統領「真珠湾忘れぬ」と安倍首相に不満=7月に日朝高官が極秘接触」

 

8/29() 6:23配信 時事通信

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180829-00000008-jij-n_ame

 

 【ワシントン時事】米紙ワシントン・ポスト(電子版)は28日、6月の日米首脳会談でトランプ大統領が「私は真珠湾を忘れない」と述べ、対日貿易赤字問題などをめぐり安倍晋三首相に強い不満を表明したと報じた。

 

 両首脳は北朝鮮問題でも対立したという。

 

 同紙はまた、7月に日朝情報当局高官がベトナムで極秘に接触し、事前に知らされていなかった米側が、不快感を示したとも伝えた。

 

 同紙によると、トランプ氏は安倍首相に対し、2国間通商協定の交渉を促したが、首相は断った。トランプ氏は牛肉と自動車の市場開放も求めた。貿易や対北朝鮮政策をめぐり日米の立場の違いが鮮明になる中、トランプ氏の不満が詳細に伝えられたのは初めて。

 

 6月の会談は、同12日の北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長との初の米朝首脳会談に先立ち、ワシントンで7日に行われ、北朝鮮問題が焦点となった。安倍首相は、北朝鮮の非核化が具体化するまで、米韓合同軍事演習の中止や朝鮮戦争終結宣言を思いとどまるようトランプ氏に助言していたが、同紙は、首相に近い人物の話として「安倍氏の提案は完全に無視された」と指摘した。

 

 同紙によると、7月の日朝情報当局の極秘接触では、北村滋内閣情報官と、「キム・ソンヘ」という人物が会談したという。聯合ニュースは、キム・ソンヘ氏の肩書を統一戦線部統一戦線策略室長と伝えた。拉致問題について話し合ったとみられる。 

 

=====

 

I remember Pearl Harbor’: Inside Trump’s hot and cold relationship with Japan’s prime minister

 

By John Hudson and Josh Dawsey

August 28 at 11:07 AM

https://www.washingtonpost.com/world/national-security/i-remember-pearl-harbor-inside-trumps-hot-and-cold-relationship-with-japans-prime-minister/2018/08/28/d6117021-e310-40a4-b688-68fdf5ed2f38_story.html?utm_term=.b4d1c79c84ec

 

During a tense meeting at the White House in June, President Trump caught Japanese Prime Minister Shinzo Abe off guard with a pointed remark.

 

I remember Pearl Harbor,” the president said, referring to the surprise attack that propelled the United States into World War II.

 

Trump then launched into a blistering critique of Japan’s economic policies, according to people familiar with the conversation. He railed against the U.S. trade deficit with Japan and urged Abe to negotiate a bilateral trade deal that is more favorable to U.S. exporters of beef and automobiles.

 

The meeting, which left Abe exasperated, epitomized the paradoxical nature of Trump’s closest relationship with a foreign leader.

 

The two men have a tight rapport — Trump has met with Abe eight times, more than with any other counterpart, and talked to him on the phone 26 times. White House aides say they joke about golf, with Trump complimenting Abe on his agile moves while ribbing him about video footage that appears to show him falling into a sand bunker. Trump sees Abe as a savvy negotiator and a worthy counterpart — unlike many other world leaders who draw his derision. He calls Abe his “good friend.”

 

I’ve never heard him [trash]-talk Abe. And you can’t say that about a lot of the world leaders,” said a U.S. official, who, like other White House, State Department and Japanese government officials interviewed for this report, spoke on the condition of anonymity to discuss a crucial bilateral relationship.

 

But in recent months, the president’s unorthodox approach to North Korea and deeply negative view of Japan’s trade practices have locked Trump and Abe in a series of agree-to-disagree stalemates, to the growing frustration of Tokyo.

 

The rift marks a disappointing turn for Abe, who invested heavily in a personal relationship with Trump, publicly praising his “outstanding” and “remarkable leadership,” lavishing him with a $3,800 gold-plated golf club and refusing to retaliate against his steel and aluminum tariffs even as other U.S. allies took swift reciprocal measures against American bourbon, corn and motorcycles.

 

Abe has little to show for his efforts. Japan was the only major U.S. ally that did not receive temporary exemption from the metals tariffs, and it now faces the prospect of new automobile tariffs — a move tantamount to economic warfare in a country where the car industry is closely linked to the national psyche.

 

Abe hoped his relationship with Trump would translate into strong bilateral relations. But on both the security and economic fronts, he has faced major setbacks,” said Shihoko Goto, a Japan expert at the Wilson Center, a Washington think tank.

 

The stakes are high for the Trump administration, which needs a strong alliance with Japan to offset the loss of influence from the president’s withdrawal from the Trans Pacific Partnership, an 11-nation trade pact designed to keep America rooted in the most economically vibrant region of the world.

 

Japanese officials say Trump misstates economic data during meetings and rebuffs advice on North Korea. In phone calls and meetings ahead of Trump’s landmark summit with Kim Jong Un in Singapore in June, Abe repeatedly advised Trump not to halt military exercises with South Korea or entertain an agreement to formally end the Korean War until North Korea takes concrete steps to denuclearize.

 

Abe was completely ignored,” said a person close to the Japanese prime minister.

 

His lieutenants are resigned to Trump now being uncontrollable by Jim Mattis or John Kelly and think John Bolton has even more limited influence,” he said, referring to the defense secretary, the White House chief of staff and Trump’s national security adviser.

 

The uncertainty has fueled concerns that Trump could overrule his top aides and put the U.S. troop presence in Okinawa or Seoul on the table to secure a nuclear deal with North Korea. Following Abe’s combative meeting with Trump in June, Japanese officials reached out to Trump confidantes to better understand where he was coming from.

 

U.S. officials deny that any plans are being considered to change the U.S. force posture, but they make no apology for the tough discussions between the two leaders on trade.

 

The president has been frank from the start with Prime Minister Abe,” a senior administration official said. “We’re going to start taking measures that are designed to inject greater reciprocity into the relationship, that are going to force partners around the world to share the burden of upholding the international system. If we want it to continue, then it’s got to work for the United States, which is the biggest member of the grouping.”

 

During heated exchanges, Japanese officials say Abe waits for Trump to make his point, and finds an opening later on in the conversation to rebut him. “He understands if he categorically denies what the president says, it might hurt the president’s pride,” one Japanese diplomat said.

 

Another diplomat said that he could not explain Trump’s Pearl Harbor reference but added that the president relishes historical references and frequently brings up Japan's “samurai past.”

 

Although disturbing, this rhetoric hardly veers from Trump’s comments against Japan on the campaign trail,” said Goto, the Japan scholar. “His views of the Japanese economy then were based on the perceptions of the 1980s and ’90s, rather than the realities of today. So it may not be a surprise if his worldview, especially of Asia, is derived back from World War II, rather than today.”

 

Officials on both sides of the Pacific say that the foundations of the U.S.-Japan relationship remain strong and that Abe speaks with Trump more easily and frequently than he did with President Obama.

 

But Tokyo’s patience on key economic and security issues appears to be wearing thin.

 

This summer, the Japanese concealed a meeting they held with North Korea from senior U.S. officials, according to people familiar with the matter. The secret meeting, which has not previously been reported, took place in July in Vietnam between a top Japanese intelligence official, Shigeru Kitamura, and a senior North Korean official in charge of reunification, Kim Song Hye. Senior U.S. officials expressed irritation that Japan wasn’t forthright about the meeting, given Washington’s near-constant updates to Tokyo on its dealings with North Korea.

 

A Japanese official said he could not comment on meetings with intelligence officials. But officials in Tokyo have acknowledged that to negotiate the return of Japanese abductees in North Korea, they can’t solely rely on the Trump administration to lobby on Japan’s behalf.

 

Japan has also been more willing to break with the United States on trade. Abe personally rebuffed Trump’s overture for a bilateral trade deal during the White House meeting in June. A month later, Japan’s chief cabinet secretary, Yoshihide Suga, categorically rejected the offer in even more forceful language. “Japan is not going to do anything with any country that harms the national interest,” Suga told reporters.

 

On Thursday, Japan’s trade minister publicly warned that Tokyo would retaliate if Trump follows through on his threat to impose a 25 percent tariff on Japanese automobile imports.

 

Abe does not regret investing in his relationship with Trump, Japanese officials said. Tokyo believes strains would be far worse off without the personal rapport, and senior officials routinely praise Mattis for helping boost defense cooperation.

 

Without the presence of the U.S. military in the Far East, we can’t ensure our own security,” a Japanese official said. “That’s an absolute fact, whether we like it or not.”

 

Other world leaders who have invested heavily in a personal relationship with Trump, such as British Prime Minister Theresa May and French President Emmanuel Macron, have made similar cost-benefit analyses despite being rebuffed by Trump on various policy priorities.

 

U.S. officials stressed that although Trump’s relationships can sour, they can also improve quite dramatically. For months, the president raged against the European Union’s trade practices, only to hail major progress with the world’s largest trade bloc after cutting a largely symbolic agreement with European Commission President Jean-Claude Juncker last month to continue negotiations.

 

Despite a deterioration of their personal relationship, it’s still quite easy for Abe to ask for a phone conversation with Trump, and this happens quite regularly,” said Andrew Oros, a Japan expert at Washington College in Chestertown, Md.

 

Analysts attribute the latest downturn in relations to the simple reality that Abe now needs Trump much more than Trump once needed Abe. The Japanese leader has come to the president with a range of requests, including assistance on the abductees issue, tariff exemptions, and clarifications on oil import sanctions with respect to U.S. withdrawal from the Iran nuclear deal.

 

But as Abe seeks his third term as prime minister, he has been unable to give Trump what he wants: unilateral concessions increasing U.S. farm goods’ access to Japanese markets, a sensitive political issue in Japan.

 

The early value Trump gained from Abe’s mentorship now seems less important to him, and Trump probably sees Abe now as someone who is often asking for something but not giving Trump what he wants,” said Jim Schoff, a Japan expert at the Carnegie Endowment for International Peace.

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密日本人が知らない世界支配の構造【電子書籍】[ 古村治彦 ]

価格:1,400円
(2018/3/9 10:43時点)
感想(0件)

ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側[本/雑誌] (単行本・ムック) / 古村治彦/著

価格:1,836円
(2018/4/13 10:12時点)
感想(0件)


このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

 古村治彦です。

 

 カジノ法案が参院で可決しそうな状況です。不急不要の法案であると思いますが、下に貼り付けた東京新聞の記事はその背景を分かりやすく書いています。簡単に言えば、トランプとシェルドン・アデルソンのためにカジノ法を急いで作らねばならないということです。

 

 ドナルド・トランプ、シェルドン・アデルソン、コーク兄弟というのが2010年代になって、反民主党、反バラク・オバマ大統領を標榜する共和党への大口政治献金を大富豪ということになっていました。その後、2016年の米大統領選挙では、ドナルド・トランプが実際に立候補、シェルドン・アデルソンがトランプ支援、コーク兄弟はトランプに対して批判的という構図となりました。コーク兄弟は自分たちで構築した大富豪たちの大口献金者ネットワークから多くの閣僚をトランプ政権に送り込みました。その代表がマイク・ポンぺオ国務長官であり、ベッツィー・デヴォス教育長官です。

 

 トランプ政権は北朝鮮に対して宥和的な姿勢を取りつつ、イランに対しては強硬な姿勢を取っています。これは、アデルソンが代表するユダヤ系アメリカ人の一部の強硬な姿勢を反映しているものです。アメリカにいるユダヤ人の一部には、実際にイスラエルに住んでいる訳ではないのに、イスラエルに対して「中東諸国に対して強硬な姿勢を取れ」と主張し、そうさせている人々がいます。現在のイスラエル首相ベンジャミン・ネタニヤフがそうした人々の意向を受けて行動しています。トランプの女婿ジャレッド・クシュナーもそうした中に入っています。しかし、北朝鮮に融和的な姿勢を示してしまった以上、イランに対して強硬な、攻撃を辞さないという姿勢を示すことは不合理です。

 

 コーク兄弟はこれまでにもご紹介してきたように、アメリカの海外での戦争には反対ですから、東アジアで戦争が起きることに反対していることは容易に想像できます。ですから、アデルソンとコーク兄弟は奇妙な形ですが、東アジアでの戦争に反対し、トランプとポンぺオはそれに同調したということになります。

 

 彼らの東アジア地域に求めるものは「お金儲けのためのビジネスチャンスと安定した環境」ということになります。

 

 以前の記事でもご紹介しましたが、ドナルド・トランプ大統領は金正恩委員長に対して、北朝鮮の海外線の景観の良さを褒め、「最高級のコンドミニアムを建設すればいい」と発言したということです。北朝鮮では共産主義でありながら、カジノ建設を進めようという動きも出ているようです。清津、羅先の羅津地区、新義州といった中国国境に近い沿岸の都市にカジノ建設の動きがあるようです。

 

 アデルソンたちは中東では商売にならないので、東アジアでの商売を目論んでいるのでしょう。世界における経済成長のセンターは日本を除く東アジアと東南アジア地域です。具体的には中国をはじめ各国で誕生している中間層、ミドルクラス相手に商売をするということ、更には富裕層には資金の逃げ場所を作るということではないかと考えています。

 

 富裕層は北朝鮮という独立国にあるカジノで遊ぶという名目で、多額の資金を持ち込む。カジノで遊ぶ人に資金を貸し付ける名目で外国の金融機関が支店を設ける。そこに口座を開く、貸金庫を借りるなどで資産を国外に逃がすということが横行するのではないかと思います。そして、日本にできるカジノもそのような使われ方をするのではないかと私は考えます。

 

 カジノ法案を急いで可決成立させねばならないのは、アメリカからの圧力もあるでしょうし、日本側としても、東京オリンピック後の観光の目玉としてできるだけ早く準備を進めたいということもあったでしょう。

 

 さて、6月12日の共同宣言によって最終的に勝利を収めたのは中国ということは多くの方が同意なさるのではないかと思います。これで在韓米軍の撤退が始まり、完全に撤退するとなれば、中国としてはだいぶ時間がかかりましたが、アメリカ軍を朝鮮半島から追い落とした、つまり朝鮮戦争で勝利したということになります。

 

 こうなると米軍としてはますます日本に固執することになるでしょう。やりたい放題が出来た上に、自分たちの経費を払ってくれるあほみたいに素晴らしい国である日本を手放すという選択肢はありません。「中国が怖いぞ」「ロシアだって怖いぞ」という恐怖感を煽りながら、日本に居座り続けるでしょう。それで実際に何か起きても助けてくれるという保証はありません。下の記事にもあるように、日本政府に対応しているのは制服の軍人たちで、沖縄返還時にこのことを変えようとした米国務省の動きはとん挫しています。

 

 制服の軍人たちが政府に対応するというのは、満洲国と関東軍の関係とそっくりです。日満関係は関東軍司令長官が駐満州国日本大使、関東庁長官を兼務するといういびつな形でした。日米関係も実はこれと同じということになります。

 

 日本は、カジノでむしり取られ、米軍には居座られる、という最悪の展開になりつつあります。しかし、アメリカの衰退は大きな流れで止めようがありません。日本はアメリカと一緒に衰退していくという運命にありますが、それでもアメリカが衰退すれば、日本に覆いかぶさっていた大きな影響力も小さくなることでしょう。日本がアメリカのくびきから脱する(逆に言えば捨てられる)時の国際情勢を予測しながら、その時に日本はどのような立ち位置を獲得すべきかということをこれから考えることが必要になっていくでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

●IR整備法案 参院内閣委で可決

 

NHK 2018719 1831

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180719/k10011540021000.html

 

カジノを含むIR=統合型リゾート施設の整備法案は、19日午後、参議院内閣委員会で採決が行われ、自民・公明両党と日本維新の会の賛成多数で可決されました。法案は20日、参議院本会議で可決・成立する見通しです。

 

カジノを含むIR整備法案を審議している参議院内閣委員会は、19日の質疑に先立って理事会を開き、与党側は質疑終了後、直ちに採決したいと提案しましたが、野党側は「審議が深まっておらず、時期尚早だ」と主張し、断続的に協議が行われました。

 

その結果、同日午後開かれた理事会で、参議院野党第1党の国民民主党が、付帯決議を行うのであれば、採決するのはやむをえないという考えを示し、19日の委員会で採決を行うことが決まりました。

 

そして、法案の採決が行われた結果、自民・公明両党と日本維新の会の賛成多数で可決されました。

 

法案は施設の整備区域について、当面は全国で3か所までとし、最初の区域認定から7年後に見直すとしているほか、事業者に対してカジノの収益の30%を国に納付することを義務づけています。

 

さらに、カジノに関する規制として、入場料を6000円とし、入場回数は1週間で最大3回、4週間で10回までに制限することや、事業免許を不正に取得した場合の罰則などを盛り込んでいます。

 

19日の委員会では、施設の整備区域数の見直しは、経済効果や治安などの負の影響を検証して慎重に検討することや、ギャンブル依存症対策の実効性を検証し、必要な措置を講じることなど、31の項目を盛り込んだ付帯決議も採択されました。

 

これを受けて、参議院議院運営委員会の理事会は、20日の本会議で、IR整備法案の採決を行うことを決めました。

 

法案は、与党などの賛成多数で、可決・成立する見通しです。

 

自民 藤川氏「災害対応優先の思い受け止める」

 

与党側の筆頭理事を務める自民党の藤川政人氏は記者団に対し、「大変な採決だった。豪雨災害のさなかであり、災害対応を優先すべきだという思いは、われわれも、真摯(しんし)に受け止めなければならない。法案としての完成度が低いという声もあったが、付帯決議の内容を、政府にもしっかり申しつけたい」と述べました。

 

立民 蓮舫氏「急ぐ理由分からない」

 

立憲民主党の蓮舫参議院幹事長は、記者団に対し、「今の国会で無理に強行採決しなくても、次の国会で継続審議にすればいいと思っていたので、急ぐ理由がわからない。優先すべきは人命で、豪雨災害の被災地の対応を急げば、助かる人がいる。安倍政権や自民党と公明党の議員の考えは全く理解できない」と述べました。

 

国民 舟山氏「付帯決議にこだわった」

 

国民民主党の舟山参議院国会対策委員長は記者会見で、「『優先すべきは、豪雨災害の対応だ』という思いはあるが、数の力で強行採決される中、懸念事項を突きつけ、ブレーキをかけることしか野党には出来ないので、付帯決議にこだわった」と述べました。

 

一方、舟山氏は、採決の際に一部の野党議員が、委員長席に詰め寄り、抗議したことについて「委員長席のマイクを奪うことで、採決が無くなり、廃案になるのなら、喜んでやるが、聞き捨てならないようなやじなどの品格を落とす行為は、いくら反対であっても、同じ立法府の人間として、残念に思う」と述べました。

 

 

=====

 

●「カジノ法案にトランプ氏の影 きょう参院審議入り」

 

201876日 朝刊 東京新聞

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201807/CK2018070602000130.html

 

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)整備法案は、六日に参院での審議に入る。カジノ解禁を安倍政権が急ぐ背景には、米カジノ業界から支援を受けるトランプ米大統領の影が見え隠れする。ギャンブル依存症の増加など多くの懸念が指摘される法案は結果的に、日本参入を目指す米側の要求が反映された。 (中根政人)

 

 二〇一七年二月十日朝。米首都ワシントンに前夜到着した安倍晋三首相は、米国商業会議所での朝食会に出席した。昼には、前月大統領に就任したばかりのトランプ氏との初めての日米首脳会談を控えていた。

 

 出席した米国のビジネスリーダーは十四人。金融や軍事産業などのほか、米国を代表するカジノ企業トップ三人もいた。今年六月にシンガポールで開かれた米朝首脳会談の前夜、金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長が視察したカジノ入りの高級ホテル「マリーナベイ・サンズ」などを経営する「ラスベガス・サンズ」会長の「カジノ王」シェルドン・アデルソン氏も含まれていた。

 

 アデルソン氏は、トランプ氏の有力支援者。大統領選で四十億円近い資金援助をし、今秋の中間選挙でも共和党に資金提供を約束していると報じられる。政権の政策にも大きな影響力を持つ。イスラエルのネタニヤフ首相の支援者でもあるユダヤ系で、米大使館のエルサレム移転を歓迎し、費用の寄付も申し出ている。

 

 安倍首相は朝食会でアデルソン氏らを前に、前年十二月に公明党幹部の反対を押し切って強硬に成立させたカジノを含むIR整備推進法が施行されたことを「手土産」にアピールした。

 

 「IRは観光立国を目指す日本にとって有益だ」「IRへの社会的懸念など課題解決に貢献したい」。米側が日本進出への意欲を口々に語った様子を、首相自身が今年六月の国会で紹介。ただ、朝食会から三時間後のトランプ氏との首脳会談では、カジノの話題は一切出なかったと答弁した。

 

 アデルソン氏は一七年九月、カジノ誘致を目指す大阪府庁を訪問。記者団にIRの採算が取れなくなると強調、カジノに厳しい面積規制を導入しないよう求めている。

 

 「在日米国商工会議所」も昨年、意見書を公表。カジノ客への金融サービス実施や面積規制の緩和も求めた。その後、政府案に当初盛り込まれていた面積の上限の数値は消え、カジノ事業者が顧客に賭け金を貸し出すことも認めた。米側の要求と一致したと国会でも指摘されたが、政府は日本の政策判断だと強調する。

 

 だが、立憲民主党の枝野幸男代表は「米国カジノ業者が子会社をつくり運営し、日本人がギャンブルで損した金を米国に貢ぐ。国を売る話だ」と厳しく批判している。

 

=====

 

●「軍主導の日米合同委見直し提起 72年に米大使、米軍抵抗で頓挫」

 

201813 06:30

https://ryukyushimpo.jp/news/entry-640527.html

 

日米合同委員会 米軍 日本復帰 沖縄 米国務省 日米地位協定

 

 1972年5月の沖縄の日本復帰を節目として、在日米大使館が同月、「占領期に築かれた異常な関係が存在する」として、日米合同委員会の体制見直しを米国務省に提起していたことが、機密指定を解禁された米公文書で分かった。日米合同委は米軍駐留の条件を定めた日米地位協定の運用を協議する機関。国務省側も提案を支持したが、米軍の抵抗に遭い、軍部主導の枠組みは温存された。大使館の提案は、在日米軍副司令官が合同委の米側代表を務める枠組みを変える内容。日本側は全ての委員を文民が占めていることから、米側も代表権を大使館の公使に移し、米軍は技術的見地から大使館側を「補佐」する内容を提起していた。

 

沖縄の日本復帰を機に日米合同委員会の米側代表者を軍部から大使館に移すべきだと米国務省に報告する在日米大使館発の「秘密」扱いの公電

 

 合同委では現在、米側が代表者をはじめ委員6人のうち5人を軍人が占めている。日米間の協議の場で「軍の論理」が最優先されていると指摘されてきたが、米政府の内部からも軍部主導の運営に批判が上がっていたことになる。

 

 在日米軍の2002年7月31日付の通知は、在日米軍副司令官は合同委で「米国防総省や米軍のみならず、米政府全体を代表する立場にある」と明記している。さらに合同委の場で「米側を代表する発言または行動を認められた唯一の人物」と位置付けており、現在も米軍が強大な権限を持っていることを示している。

 

 72年5月にインガソル駐日米大使が国務省に宛てた秘密扱いの公電は「沖縄返還を機に合同委の在り方を再検討する必要がある。制服の軍人が日本政府と直接やりとりし、大使館は対応方針に異論を唱える余地がない状況になるまで素通りされている」と不満を示し、見直しを提起した。

 

 これを受けた同じ5月の国務省の秘密扱いの返信は「合同委員会の枠組みは他の多くの国におけるものと整合せず、現在の日本の状況下では正当化できない」と大使館に賛同した。

 

 だが米太平洋軍や在日米軍が「軍の柔軟性や即応性を維持する必要がある」「合同委員会はうまく機能しており、日本側から変更を求める兆候もない」などと抵抗したことが、72年6月の米大使館発「秘密」公電に記録されている。

 

 これに対し大使館は72年6月の「関係者限り」の文書で「占領期に築かれた、軍部と背広組が直接やりとりする異常な関係だ」と現行の枠組みを批判した。その上で「安全保障を巡る日本との関係は経済や政治的側面に影響されるようになった」とし、大使館への代表権の移管を求めた。

 

 だが72年8月の米大使館発公文書は、大使館の公使を在日米軍副司令官に次ぐ「代表代理」に任命し、また政治的に敏感な問題に関する情報を早めに提供するなど、米側内部の運用を変更する形で大使館と米軍の交渉が最終的に決着した経緯を記している。

 

 在日米大使館発の公電は米国立公文書館所蔵。(座波幸代本紙ワシントン特派員、島袋良太)

 

======

 

●「対米従属の極み ポンコツ兵器押し売りにダンマリの日本」

 

2018217日 日刊ゲンダイ

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/223397/1

https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/223397/2

 

 ヤクザにたかられる“カモ”と一緒である。日本政府が米国から「イージス・アショア」や戦闘機などの防衛装備品を購入する「有償軍事援助」(FMS)をめぐり、改めてその問題が浮き彫りとなった。

 

 FMSは「価格および納期は米政府の見積もり」「代金前払い」「米国側から契約解除可能」――など、米国側にとって極めて都合のいい条件が設定されている。その上、代金を支払った分の装備品も注文通りに納入されているわけではないから驚きだ。

 

 会計検査院の調べによると、納入された装備品のうち「不具合」が見つかったのは、2005年度~16年度で107件、金額で約2300億円にも上る。01年度、03年度~11年度、13年度では、米国から送付されてくる装備品の金額を掲載した「計算書」と、実際に日本側が受け取った「受領検査調書」の内容が一致しないケースが64件、約671億円あった。

 

14日の衆院予算委でも無所属の会の原口一博議員が「トランプ米大統領に『日本はあなたの財布じゃない』と言いたい。米国のずさんな管理で現場が苦労している」と安倍首相に迫ったのも当然だ。

 

 FMSをめぐっては、前払い金と実際の購入費用の差額である「余剰金」について、米国からの返還が滞っている上、昨年度の「未精算額」が約623億円、「未納入額」が約189億円に上る。こうした数百億円ものカネが毎年、米国の精算手続きの遅れから宙に浮いたまま。米国から見れば、契約段階で言い値のカネを支払う日本は“カモ”だが、不良品をつかまされる現場の自衛隊員はたまったもんじゃない。元外交官の天木直人氏がこう言う。

 

「多額の税金が装備品の購入に費やされ、その上、ポンコツ品を買わされている現状は、深刻ですよ。日本は米軍基地の負担や武器購入などで多額のカネを払っているにもかかわらず、トランプ大統領は日本を『ドロボー』呼ばわり。それでも、安倍政権は何ら抗議することなく唯々諾々と従っている。対米従属ここに極まれり、です」

 

=====

 

●「米軍に国内法が原則適用されず 独伊と差」

 

毎日新聞2018418 0119(最終更新 418 0227)

https://mainichi.jp/articles/20180418/k00/00m/010/166000c?fm=mnm

 

 相次ぐ米軍機の事故やトラブルで、在日米軍の権利などを定めた日米地位協定が改めて注目されている。米軍が特権的に振る舞う根拠となっている協定の改定を求める沖縄県は、日本と同じく第二次大戦の敗戦国であるドイツとイタリアの地位協定を調査した。その結果、不平等な協定に甘んじる日本の特異性が浮き彫りになった。

 

 沖縄県知事公室の職員3人が2月上旬、米空軍基地がある両国の4市町を訪問し、首長らへの聞き取り調査を実施。報告書を3月末に公表した。

 

 ドイツ南西部、在欧州米空軍司令部が置かれるラムシュタイン基地。米軍にもドイツの航空法が適用され、午後10時~午前6時は原則として飛行が制限される。基地内にドイツの警官2人が常駐して警察権を行使するほか、「騒音軽減委員会」が設置されている。

 

 同委には米軍司令官や周辺5自治体の首長、市民団体の代表者ら20人以上が参加し、米軍から深夜・早朝の航空機の離着陸回数などのデータが報告される。地元市長は沖縄県の調査に「米軍の騒音軽減の取り組みにはポジティブな印象を持っている」と語った。

 

 ドイツは駐留米軍の訓練・演習について許可・承認する権限も持つ。沖縄県の担当者は「米軍から自治体への飛行データの提供など沖縄では考えられない。日本では国にも提供されていないのではないか」と運用の格差に驚く。

 

 イタリアでは米軍基地はイタリア軍が管理し、同軍司令官が常駐している。北部の米空軍アビアノ基地があるアビアノ市副市長によると、イタリア航空法令が米軍に適用され、州レベルで地域委員会を設置。自治体の要望によって飛行ルートも変更されるという。

 

 両国とも、駐留当初から米軍が同様に対応していたわけではない。ドイツは1993年まで3回にわたって米国などとのボン補足協定を改定し、米軍基地がドイツの主権下にあることを明確化した。イタリアでは98年、米軍機がロープウエーのケーブルを切断して乗客ら20人が死亡した事故を機に、米軍機への規制を大幅に強化した。ランベルト・ディーニ元伊首相は沖縄県の調査に対し「ここはイタリアだ。米軍の全活動にはイタリア軍司令官の許可がいる」と言い切った。

 

 防衛問題に詳しいジャーナリストの布施祐仁さんは「地方自治体が他国の地位協定を現地調査したのは初めてだろう。本来は国が調べて公表すべき問題だ」と語った。

 

「騒音違反」も日本では常態

 

 これに対し、日米地位協定では原則、米軍に国内法が適用されない。航空法は地上の人や物、航空機の安全を確保するため最低安全高度(市街地300メートル)を定めているが、米軍機は対象外だ。政府には米軍の訓練・演習を規制する権限もない。全国の米軍専用施設の約7割が集中する沖縄では、騒音軽減のための日米合意さえも守られない状況が常態化している。

 

 96年、日米両政府は嘉手納基地(嘉手納町など)と普天間飛行場(宜野湾市)について、午後10時~午前6時の飛行を原則として制限する航空機騒音規制措置(騒音防止協定)に合意した。だが、防衛省沖縄防衛局の目視調査では、2017年度(今年2月末現在)の飛行制限時間帯の離着陸などの回数は1420回に上る。嘉手納町では騒音などへの住民の苦情件数が同期間で940件もあり、既に前年度の3.6倍に達している。町によると、最新鋭ステルス戦闘機F35A12機が嘉手納基地に暫定配備された昨年11月以降、苦情が激増している。町基地渉外課の我謝(がじゃ)治彦課長は「寝静まっている時間帯に米軍機が飛ぶことに住民は不満を抱いている。米軍へ抗議しても状況は変わらない」と話す。

 

 被害は沖縄だけにとどまらない。県西部の上空に米軍の訓練空域がある広島県。同県がまとめた17年度上半期の低空飛行訓練の目撃情報は814件で、4年ぶりに800件を超えた。うち8割近くは県西部の北広島町に集中。県などは中国四国防衛局に対応を申し入れているが、「訓練している部隊名を聞いても『承知していない』としゃくし定規の回答しかない」(美濃孝二町議)という。

 

 沖縄国際大の前泊博盛教授(基地経済論)は「対等な地位協定は民主主義を実現するための試金石だが、日本は主権国家の体を成していない。ドイツとイタリアは国民の安全や権利を踏まえて政府が米軍側と交渉しており、物言わぬ日本政府とは対照的だ」と批判。布施さんは「沖縄県の調査で、米軍の主権侵害とも言える日本の異常さが明確になった。憲法改正より先に地位協定の改定に取り組むべきだ」と語った。【福永方人、遠藤孝康】

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


kanemoukenoseishinwoyudayashisounimanabushinshoban001

金儲けの精神をユダヤ思想に学ぶ (祥伝社新書)

imanokyodaichuugokuwanihonjingatsukutta001

今の巨大中国は日本が作った


shinjitsunosaigoutakamori001
真実の西郷隆盛
 

semarikurudaibourakutosensoushigekikeizai001

迫りくる大暴落と戦争〝刺激〟経済
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

 古村治彦です。

 

 今回は北極海航路に中国が進出するという内容の記事をご紹介します。

 

 中国は現在、ユーラシア大陸を横断する一帯一路計画を推進しています。また、地中海からインド洋を通っての航路にも多額の投資をしています。そして、現在は地中海から北海などを経由して北極海を通る航路にも多額の投資をしているということです。


arcticsearoute001

 

 私は北極海航路が出来そうだという話を聞いたときに、ある人と地図を見ながら、中国が地中海沿岸やヨーロッパ各地の港湾に多額の投資をしているのは、北極海航路を使うためではないだろうかと話をしていたことを思い出します。話をしていた人は、「しかし、ロシアがうるさいから難しいんじゃないの」と言っていましたが、中国は金の力でロシアを黙らせているのではないかと思われます。


arcticsearoute002

 

 北極の氷が融け、船舶の航行可能な海面が拡大しつつあるそうです。ここはこれまで船舶が通れなかったわけですから、ここでの航路は出来立てほやほやで、誰が主導権を握っているという訳ではないようです。もちろんロシアが主導権を握るのだろうということは予測されますが、北極圏に中国が進出を図っているそうです。

xuelong2001

2019年就役予定の砕氷船「雪竜2」の模型 

 北極海航路は南廻り航路に比べて2週間近く短い期間で中国とヨーロッパをつなぐことが出来る上に、アメリカ海軍の存在もなく、中国にとっては国家安全保障上、自分たちが有利な立場となる航路ができることになります。米中間での紡績戦争の懸念が高まる中、中国の「ユーラシア大陸・アフリカ大陸のブロック化」の一環が北極海航路推進だと思われます。

 

 アメリカや日本が国全体がシュリンクし、縮んでいくのに代わり、中国がこれから世界に進出していくことになります。北極海、北極圏はその最前線ということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

氷が溶けつつある北極海に資金を投入する準備が出来ている中国(China’s Ready to Cash In on a Melting Arctic

―中国政府は北極圏シルクロード建設の大計画を持っている

 

シェリー・ゴードン、エリザベス・フレッセ筆

2018年5月1日

『フォーリン・ポリシー』誌

http://foreignpolicy.com/2018/05/01/chinas-ready-to-cash-in-on-a-melting-arctic/

 

最近の議会証言で、海軍長官リチャード・スペンサーは、今年の夏に発表される予定のアメリカ海軍の新たな北極海戦略は北極圏の氷が溶けていることが原因であることに言及し、最後に「忌々しい奴らが溶けたのです」と述べた。アメリカ海軍が16年間の計画を発表してから、新たな計画を発表したのはそのわずか4年後のこととなった。その理由の一つは北極圏の氷が後退したことで、結果として「新たな交易路、新たな資源の発見、大陸間の地図の書き換え」が発生することとなった。また、アメリカが新たな計画を発表する理由としては、「北極圏に利害関係を持つ存在」として中国が登場し、重要な役割を果たしていることも挙げられる。

 

中国は最近、北極海に関する新たな白書を発表した。この白書はアメリカ海軍が新たな北極海戦略を発表する3カ月前に発表されたものだ。この白書では「北極圏シルクロード(Polar Silk Road)」が標榜されている。これは、習近平国家主席が頻繁に使う「一帯一路計画」をなぞったものだ。一帯一路計画は中国の外交政策の基本となっている。北極圏シルクロードとは氷のない北極圏に新たな航路を設定し、その航路は中国の貿易が独占的に使用し、中国の世界に向けた野心を実現しようというものだ。

 

中国は既に北極海協議会にオブザーヴァ―として既に参加し、「北極圏に近い」国家として、北極海進出の野心を持っている。しかし、中国の北極圏政策は、 中国を「北極圏に近い」国家から「北極圏に利害関係を持つ」国にしようというものだ。これはあくまで自称ではある。「利害関係を持つ国」になると、地域における権益と責任が増大する。このような変化は、将来のアメリカの北極圏政策に影響を与えることになる。

 

中国は北極海に対する野心を持っている。その中には、北極圏シルクロードを通る貿易ルートを構築すること、北極海沿岸諸国への対外直接投資を拡大すること、戦略的に科学的研究を実施することが含まれる。中国は、北極海における気候変動のインパクトが近い将来に中国の国内問題になると認識している。

 

ある研究者は「北極圏の氷が溶けることで、次の世紀では中国の沿岸部に大規模な浸水が発生するだろう。そうなれば2000万人の人が移動を余儀なくされる。農業生産高が減少するのは言うまでもないことだ」と述べている。北極圏の氷が溶けることは、中国の「責任ある世界の強大国」になるという野心に影響を与える。現在のアメリカのトランプ政権が放棄している気候変動への対処におけるリーダーシップを取ることで世界の大国となれる。

 

中国が想定している北極圏のシルクロードはまずヨーロッパの北海ルートから始まり、海上の有料道路のようなロシア沿岸を進み、北極海に到達する。北極海ルートを通っての中国からヨーロッパへ海上輸送経路は一年のうちで氷が溶ける数カ月かだけで利用可能となるだろう。このルートだと、スエズ運河とマラッカ海峡を通る現在のルートに比べて15日間の時間短縮となる。そして、このルートは、アメリカ海軍が存在しないルートである。

 

長期的には、中国は北極点の近くを通る「極地横断航路」を使えると予想している。これから数十年で北極の氷が溶けることで極地横断が出来ると考えられる。この航路の距離はより短くなる。この極地横断航路は毎年数か月間利用できるようになる。これによって、中国の輸出入にかかる日数を短縮し、燃料費を削減することができる。それだけでなく、ロシアがコントロールする水域を通らなくて済むことになる。大連大学極地海域研究センター所長リー・ゼンフーは「北極圏航路をコントロールする主体が世界経済の新しい道筋と国際的な戦略をコントロールすることになる」と述べている。中国は北極圏において経済的な大国として存在している。中国は直接的な存在として、そして北極海における利害関係を持つ存在して間接的な影響力を発揮している。アメリカはこの新しい航路で敗北したくなければ、影響力と役割を増大させる必要がある。

 

中国は資源開発と港湾開発への投資を増加させることで北極圏での存在感を高めている。現在のところ、中国は石油と天然ガスの輸入をペルシア湾とアフリカに依存している。石油と天然ガスの輸送は、アメリカ海軍が監視している戦略上の重要地点をいくつも通過しなければならない。しかし、中国はロシアのヤマル液化天然ガスプラント、ノルウェー国内の油田や天然ガス田に投資をすることで、エネルギー資源の多様化を実行している。ロシアやノルウェーへの投資によって、中国は天然資源の新たな供給源を開発するだけではなく、自国にとって重要な物資の輸送路となるであろう北極圏におけるインフラ整備の経験を積むことになる。同様の理由で、中国は現在、アラスカ、カナダ、ノルウェーでの石油と天然ガス分野での投資の機会を窺っている。また、北欧の北極圏地域における天然資源や港湾整備への投資も増大させている。

 

北極圏における中国のパートナーとなっているのは、北極圏協議会に加盟する5つの北ヨーロッパの国々だ。具体的には、アイスランド。デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドだ。それぞれの国は自国の北極圏開発計画のための資金援助を必要としている。アイスランドとグリーンランドは中国の海外直接投資の目的地となっている。アイスランドは中国の存在に対して複雑な対応を示している。アイスランドは中国からの地熱科学研究分野の投資を歓迎し、アイスランドに深海港を建設することに中国が支援を行うことについて話し合いを行っている。しかし、中国企業が観光関連で土地を購入することをアイスランド政府は拒絶している。グリーンランドの雪と氷が融けるにつれて、中国はグリーンランドにおける港湾開発とレアメタル開発に投資を行っている。レアメタルは中国の巨大な製造業にとって必要不可欠なものである。フィンランドと中国はデータ版の「シルクロード」創設に同意した。このデータ版「シルクロード」は北極圏とアジア地域の市場をつなぐことを目指している。

 

中国の北極圏における野望の最後の部品となるのは、科学の戦略的な利用だ。中国はノルウェーの北極圏地方にあるスヴァルバード列島に多くの科学者を送り込んでいる。この場所は国際的に認められた非武装地帯であり、全ての国家に科学者を送り込む権利が認められている。そのほかの場所にも多くの中国人科学者が送り込まれている。1984年以降、30を超える北極圏における大規模調査と探検が行われてきた。そして、北極圏における研究と航路開発の野望のために、中国は現在、次期砕氷船を建造中である。「雪竜(シューロン)2」は2019年に就役する予定だ。アメリカは次の大型砕氷船の建造を計画中であり、実際の建造は2020年に開始される。中国は北極圏の気候と天候を観測するために多くの衛星を打ち上げている。その中には2017年に打ち上げられたFY-3Dも含まれている。この衛星は、アメリカの共同極地監視衛星システム1号機の打ち上げの3か前に打ち上げられたものだ。中国は北極圏における科学分野の外交を推進している。一方、アメリカは、アメリカ海洋大気庁の極地衛星プログラムと「ポーラー・フォロー・オン」プログラムを統合し、予算を20%削減しようとしている。

 

中国の北極圏における影響力は、経済的な目標と科学を使った外交が協力して得られたものである。中国極地研究所は、2020年までに中国の輸出入の5%から15%が北極海航路を通して行われるようになると推定している。そして、この数字は、北極海航路へのアクセスを確保することを目的に北極圏における利害関係国との関係を良好なものとすることで、更に大きくなる。中国は極地研究の増加と天然資源開発を通じて科学研究を使った外交を推進する。そして、これからの15年間でのこの地域での漁獲量を維持することに合意することで、中国の存在感は更に重要度を増す。

 

このような状況はユーラシア大陸を横断する一帯一路計画に沿って中国の存在が高まっている状況と同じだ。一帯一路計画は二国間による合意や外交を基礎にしている。外交を通じた一帯一路計画の推進によって中国は協力する各国の天然資源を利用し、中国の経済成長に伴う環境へのインパクトを外国に逸らし、中国企業や中国の技術が利益を生む機会を確保することができる。中国の北極圏計画にはより多くの国々が参加し、交易ルートを確保し、北極圏における中国の利益を推進している。一方、アメリカは北極圏で変化しつつある地政学的な状況に対応する必要がある。アメリカ海軍と他の政府機関の北極海に対する戦略を改善し、北極圏における科学的、人的、商業的投資を行うべきだ。北極圏はアメリカにとって次の技術革新の最前線となる。アメリカは科学的、技術的能力と利用して北極圏とアメリカをつなげるようにすべきだ。アメリカは、通信技術と輸送を通じて北極圏に進出すべきだ。アメリカは北極圏に存在する同盟諸国にとっての重要なパートナーとなるようにすべきだ。

 

(終わり)


kanemoukenoseishinwoyudayashisounimanabushinshoban001

金儲けの精神をユダヤ思想に学ぶ (祥伝社新書)

imanokyodaichuugokuwanihonjingatsukutta001

今の巨大中国は日本が作った


shinjitsunosaigoutakamori001
真実の西郷隆盛
 

semarikurudaibourakutosensoushigekikeizai001

迫りくる大暴落と戦争〝刺激〟経済
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

 古村治彦です。

 

 北朝鮮に関して、韓国の三星証券が報告書を出し、「北朝鮮は将来、自動車とITの生産拠点となり、かつ北東アジア地域の物流センターとなる」と結論付けているそうです。確かに地理的条件を考えると、韓国、日本、中国、ロシアとG20を構成する世界でも経済力の高い国々に囲まれており、それだけでも可能性を秘めているということが分かります。

koreanpeninsulaburiedassetsmap001


koreanpeninsulathreebeltsmap001


 韓国とは言葉の障壁はほぼない(方言や同じ物事を違う単語で言い表すなどで多少違うとは思いますが)ので、韓国にしてみれば、識字率が高く安い労働力や安い土地を利用して生産工場を数十キロ先(日本で言えば隣の町や県くらいの感覚)で確保できるという点で魅力的だと思います。三星証券の報告書の表紙には、朝鮮半島を虎に見立てたデザインがありますが、政治体制ではなく、経済体制で「南北合同」が実現すれば、中国、日本、何する者ぞ、という期待と気概が込められているように感じられます。

samsungsecuriteisreportonnorthkorea001

 

 北朝鮮経済が「離陸」するためには外国資本による投資が必要不可欠です。特に韓国や中国からの投資は不可欠です。韓国や中国の企業は生産拠点として北朝鮮を見ているでしょうし、韓国からすれば、中国と陸路でつながるということも想定しているでしょう。しかし、北朝鮮のバラ色の未来は、今はまだ「絵に描いた餅」にすぎません。

 

 下の記事では、イランの事例が取り上げられています。イランではアメリカと核開発の合意を結んだ後に、経済制裁が緩和されて外国からの投資が増大するという期待が高まっていたそうですが、実際は期待以下で失望が広がっているのだそうです。イランに対する不安から外国企業が及び腰になったということです。

 

 石油輸出国であるイランですらこうなのですから、北朝鮮はもっと厳しいと考えねばなりません。外国からの投資を得るには、それこそ、アメリカがずっと求めている「完全な、検証可能な、後戻りできない非核化」を行い、その証明を得ることが必要です。

 

北朝鮮の非核化の証明はアメリカ政府にとってはアメリカ国民に対して「仕事をしています」という証明書になりますが、北朝鮮政府にとっては「核兵器に関して世界中にご迷惑とご心配をおかけしましたが今は一切持っていません」という証明書になって、この証明書が出て初めて外国企業も投資を検討できる、検討することを公表できるということになります。簡単に言ってしまえば予防注射を受けましたという証明書のようなものです。

 

 鄧小平が主導した中国の改革開放も外資導入が積極的に進められました。外資優遇と制度の明確化と厳格化が進められた訳ですが、北朝鮮もこれが必要となります。そのためには現在の体制ではまだ不安があります。少しずつでも変わりました、西洋諸国とまではいきませんがビジネスがしやすい環境になっています、ということを実現し、アピールしなければなりません。

 しかし、これが一番難しいことになります。北朝鮮の奇妙なスターリン主義的共産主義体制で、果たしてこんなことが出来るのか疑問に思います。外国からの投資や人の流入によって、北朝鮮人民に対して良い影響、悪い影響が浸透していくでしょう。金王朝とも呼ばれる個人崇拝の体制が継続できるのでしょうか。中東や中央アジアにも世襲制個人独裁体制の国々もありますが、現在のような個人崇拝と強制収容所、国民の貧困が共存している国はほぼないと言っていいでしょう。金一族が王族であるならば、個人崇拝も良いと思いますが、曲がりなりにも共産主義を標榜するということになると、そこに建前と本音のギャップが出て来て、そこから北朝鮮の変化が始まるということも考えられます。経済面においてのみ人々の自由な活動を最大限に守るということになれば、人々の生活が豊かになっていき、金正恩体制への支持が揺るがないということも考えられますが、経済活動の自由を得た人々がそれで満足し、それ以上を求めないということも考えにくいのです。

 

 朝鮮半島が統一して「虎」となるという理想が実現すればどんなに良いだろうとは思います。しかしその虎が、北朝鮮の持つ核兵器と韓国の持つ経済力が合同してできたものとなってしまってはいただけません。あくまで核兵器がない状態で、経済発展が出来るような状態になること、北朝鮮でも経済改革が進み、スターリン主義的な個人崇拝が緩和されることでの南北合同による経済発展であればどんなに良いだろうと思います。しかし、現在の状況では「虎」ではなく、「捕らぬ狸の皮算用」の狸になってしまっていると言わざるを得ません。

 

(貼り付けはじめ)

 

北朝鮮がいかにして隠者の王国から工場地帯に変化する可能性があるか(How North Korea Could Go From Hermit Kingdom to Factory Hub

―新たに発表された報告書で、経済制裁が解除された北朝鮮がいかにして豊かになるかについて詳細な見通しが示されている

 

エリアス・グロール筆

2018年6月28日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2018/06/28/how-north-korea-could-go-from-hermit-kingdom-to-factory-hub/

 

今月、シンガポールにおいて、ドナルド・トランプ米大統領と北朝鮮の指導者である金正恩委員長との間で首脳会談が行われた。トランプと金正恩がこれまで数十年行き詰っていた問題を解決し、世界で最も閉じられた経済を開放することができるという希望が大きくなっている。

 

このような考えは頼りない蜃気楼のような夢ではない、と北朝鮮の専門家たちが英語で発表した新しい報告書の中で述べている。韓国の三星証券による研究は、「米朝首脳会談と国際的な対北朝鮮経済制裁の終了によって、外国からの膨大な資本が北朝鮮に流入することで北朝鮮は隠者の王国から経済大国に変化する可能性がある」と結論付けている。

 

報告書で専門家たちは「韓国が国富と工業化のノウハウを北朝鮮の人的、物的資源と混合することで、南北両国の経済は長期間にわたり飛躍的進歩(quantum leap)を遂げることが可能となる」と書いている。

 

報告書は約200ページで、海外資本がいかにして北朝鮮の疲弊したインフラを復活させるか、鉱山業を強化するか、自給自足経済である北朝鮮が製造業と流通運輸の中心となるかについての青写真を提示している。北朝鮮は世界でも有数の経済力を持つ国々に囲まれているという地理的利点を持っている。三星証券の報告書のタイトルは、アメリカの北朝鮮の核兵器開発プログラムに対する「完全な、検証可能な、後戻りできない破壊(complete, verifiable, and irreversible dismantlement)」から借用し、「完全な、目に見える、後戻りできない繁栄(complete, visible, irreversible prosperity)」となっている。

 

報告書で検討された北朝鮮の可能性の実現にはいくつもの障害を乗り越えることが必要となる。まずは北朝鮮に対する多国間での経済制裁、不正なことが行われる経済に対して企業が参入することをためらってしまうこと、経済のほぼすべての面に対する国家の過剰な介入といったものが障害として挙げられる。

 

ワシントンにあるタカ派のシンクタンク「ディフェンス・フォ・デモクラシーズ」の経済制裁専門家ジョナサン・シャンザーは次のように語っている。「2016年にイランはアメリカとの間で核開発をめぐる合意を結び、その一環で経済制裁が緩和された。しかし、それでも海外からの投資は増えず、イランは失望している。イランの例は北朝鮮にも当てはまる」。

 

イランは、サイバー攻撃、人権侵害、中東における代理戦争のような様々な不正な活動を続けていた。そのためにイラン政府と合意内容の立案者たちが考えたようなレヴェルの海外投資を受けることはできていない。北朝鮮経済はイラン経済に比べてはるかに世界経済とのつながりを欠いており、海外からの投資を期待することはイランよりも難しいものとなるであろう。

 

シャンザーは「ならず者国家とビジネスを行う上での評判、法律、経済制裁などのリスクを何とかクリアできると外国企業が考えると想像するのは空想に過ぎる」と語った。

 

米朝首脳会談によって、長年閉じられた北朝鮮経済が再び復活する用意が出来るという希望が出て来ている。トランプ大統領は、アメリカとの緊張緩和によって、北朝鮮は「豊かに」なるだろうと約束した。また、北朝鮮の海岸線の不動産開発の可能性について金委員長に熱弁した。

 

トランプ大統領は金正恩委員長との首脳会談の後の記者会見で次のように語った。「北朝鮮には素晴らしいビーチがたくさんある。北朝鮮がミサイルを打ち上げるたびに素晴らしいビーチが映像に映るのをみんな見ているだろう。私は言ったんだ、“若者よ、君の国の海岸線の眺望に目を向けたまえ。最高級のコンドミニアムを建設したら素晴らしいじゃないか”と」。

 

金委員長自身も自分の政権では現在よりも少し開かれた経済というアイディアを受容する可能性があることを示す姿勢を示している。今年4月、金委員長は朝鮮労働党中央委員会で演説し、その中で「新しい戦略ライン」について示唆した。新しい戦略ラインは、核兵器を最重要視する姿勢から経済発展を最重要視する姿勢に変化するというものだ。

 

金委員長がシンガポールから帰国した直後、朝鮮中央テレビは45分間の驚くべきドキュメンタリー番組を放送した。このドキュメンタリー番組は金正恩委員長の経済改革を宣伝するものとなった。金委員長はシンガポール中心部のきらびやかな場所を歩き、代表団を引き連れてシンガポールのにぎやかな港をまわる姿が放映された。

 

三星証券の報告書は、北朝鮮が経済開放を進めれば持つであろう有利な点を強調している。北朝鮮は経済力を持つ国々に囲まれている。天然資源、特に地下資源が豊富にあり、識字率と技能の高い労働力が存在する。

 

最初に、海外からの資本はいわゆる経済特別区に流れ込んでくるだろう。金正恩政権はこの地区で実験的に限定的な経済自由化を行っている。経済特別区には金一族の故郷である元山も含まれている。金正恩は元山に観光客向けの施設を建設するように命じた。第一段階では、海外投資は北朝鮮国内の疲弊した社会資本(インフラ)の再建に集中せざるを得ない。発電所、鉄道、港湾の修繕が行われることになる。

 

報告書は、開城工業地域といくつかの観光地はすぐに再開されることになるだろうとしている。開城工業地域は南北の国境地帯に広がった韓国との合弁の工業団地である。

 

しかし、このような第一段階では十分ではない。CIAの東アジア分析官を務めたウィリアム・ブラウンによる分析には「北朝鮮を製造業の中心地に変えるためには、根本的な経済的改革が必要となる」と書かれている。経済改革リストの上位に位置づけられる項目は、信頼される貨幣と財政金融システム、所有権、「物価、賃金、利率、交換レートなどの国家が決めた数字と市場が決めた数字の大きな乖離を埋める、それぞれの単一の数字」である。

 

ブラウンは、このような経済改革への努力を続けることで、北朝鮮は世界貿易機関(WTO)に加盟するための道筋を進むことが出来ると主張している。そうなると世界との間での交易が拡大し、三星証券の報告書にある見通しが実現する可能性もある。三星証券の報告書には、「北朝鮮は自動車とITの工場と北東アジア地域の流通センターとなる」と書かれている。

 

しかし、こうした見通しはアメリカ政府と北朝鮮政府が現在行われている交渉を進展させるということに依存している。このような希望は以前に出たこともあったが、消えていった。これまでの数十年間、北朝鮮とアメリカは、北朝鮮の武器開発プログラムに対する国際社会の懸念を解決する寸前まで進んだこともあったが、結局、北朝鮮政府が尻込みし、悪い行いを続けることになって終わってしまった。

 

マイク・ポンぺオ米国務長官は来週ピョンヤンを訪問する予定だ。アメリカの外交官たちはシンガポールで署名された共同宣言の曖昧な内容を具体化させようとしている。トランプ大統領は北朝鮮の核兵器廃棄について急速な進展を公言しているが、ポンぺオ国務長官は期待値を下げようとしている。ポンぺオはCNNに対して、交渉のスケジュールの進展について何も言及しなかった。

 

ポンぺオは日曜日にCNNに対して、「私たちは物事を進展させるためにプロセスを進めることを希望している」と述べた。“

 

トランプ政権高官は、北朝鮮に対する経済制裁は続けられるが、シンガポールで開催された米朝首脳会談から続く良い雰囲気によって外交関係が開かれることになると強調している。史上稀に見る孤立の期間を経て、金正恩はこれからロシアのウラジミール・プーティン大統領をはじめとする世界の指導者たちとの首脳会談を行うことが期待されている。

 

ロシア政府はロシア東部と北朝鮮をつなぐ天然ガスパイプライン建設計画を検討することになるだろう。このプロジェクトの実現可能性については三星証券の報告書の中で詳細にわたって検討されている。

 

ロシアからのパイプラインのような諸計画は、外交関係の樹立と経済の自由化が同時に起きるであろうという希望を促進している。しかし、実現するには長い期間が必要となる。

 

前出のシャンザーは「長期的に考えればこうした希望が実現する可能性はあるが、中期、短期では厳しいと考えている」と述べている。

 

シャンザーは続けて次のように述べている。「健全な思考力を持った財政金融の専門家がこうした希望が実現するなどと楽観視しているとは想像しがたい」。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


kanemoukenoseishinwoyudayashisounimanabushinshoban001

金儲けの精神をユダヤ思想に学ぶ (祥伝社新書)

imanokyodaichuugokuwanihonjingatsukutta001

今の巨大中国は日本が作った


shinjitsunosaigoutakamori001
真実の西郷隆盛
 

semarikurudaibourakutosensoushigekikeizai001

迫りくる大暴落と戦争〝刺激〟経済
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

このページのトップヘ