古村治彦です。

 

 今回は、2019年3月7日に発売となる、副島隆彦先生の最新刊『国家分裂するアメリカ政治 七顚八倒(しちてんばっとう)』(秀和システム)をご紹介します。本書は副島先生の最新のアメリカ分析本です。是非お読みください。よろしくお願いいたします。

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国家分裂するアメリカ政治 七顚八倒


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(貼り付けはじめ)

 

まえがき

 

 私は日本人としては有数のアメリカ政治の研究者(エキスパート)である。この私がアメリカ政治のことを書く、というのだから、〝堂に入っている〟。

 

だから、この本の書名も「トランプのアメリカ政治」と決めた。

 

ところが、出版社から「トランプはやめてください。書店に並べたとき本が売れないので」と言われた。

 

失礼な話である、この私に向かって。トランプ大統領のことを含めて私が、アメリカの最新の知識で書く、というのだから、そのまま通る、と思っていたら、これである。私はヘソを曲げた。

 

だから、そのあと1カ月、私はこの本を書くことを放ったらかした。

しかし、それでは担当編集者が出版社との間で板ばさみになって困っている。何とかせねば。それで急遽、えーい、分かったよ。それならこうする。で、“ The US is divided. ”「ザ・ユーエス・イズ・デヴァイデッド」「アメリカは国家分裂しつつある」をドカーンと書名に持って来ると、決めた。

 

「アメリカ国民は2つに分裂している」というのは本当である。「国論が2つに分裂している」と訳すべきだろう。どこの国でも国論は、たいてい右(保守)と、左(リベラル派及び左翼)で分裂している。だから、何を当たり前のことをお前は言う(書く)か、と言われるだろう。

 

だが、本当にアメリカ合衆国(ユナイテッド・ステイツ)は、2つに分裂している。いや、今やアメリカは国家として、3つに分裂しそうな勢いになっているのだ。まさか、そんな、と皆さんは思う。だが、本当だ。アメリカ国民自身が、“ The US is diveided, and the US will really be disbanded(ディスバンデッド). “「アメリカは近い将来に国家分裂するだろう」と言いだしている。これがアメリカ合衆国の最〔さい〕最新情報だ。今は、トランプ支持派 対 反〔はん〕トランプ派で分裂して激しく対立している。

 

それにしても、この私に向かって、「トランプと付く書名の本はヤメてくれ」と言う出版社も問題だ。一体、何の見識を持っているのか。ただ本を売りたい、儲けたいの業者根性か。

だから、苦労の果てに、ご覧のとおりの書名になった。七顚八倒(しちてんばっとう)したのは、私だ。

 

だが、本当に、本が書店で売れない時代になった。私の本でも、こういう分野の本は1万部がやっとだ。新聞宣伝なんかしたって、いくらの効果もない。だが、〝文化と教養を売ってます〟と、出版業界人は気取りたいので、こういう紙の本の慣行が今も続いている。かなり追い詰められてきた。いつまで保(も)つものやら。

 

アメリカ合衆国はやがて世界覇権(ワールド・ヘジェモニー world hegemony )を失う。そのとき、アメリカ合衆国は分裂国家(おそらく3つに)になる。としても、それは10年先のことである。The US shall be disbanded.「ザ・ユーエス・シャル・ビー・ディスバンデッド」とも言う。ニューヨークを中心とした「東部〔イースト〕アメリカ」。ヨーロッパ白人世界と生きてゆく。ここには、シカゴを含めた中西部(ミッドウエスト)の北の方が入る。テキサス州を中心とした農業国の「中央(センター)アメリカ」。ここで、〝ブルーステイト〟(米民主党支持者が多い)であるケンタッキー州とサウス・カロライナ州がのどっちに付くか、でモメるだろう。南北カロライナ州は合体する(元に戻る)だろう。

 

実は、ノース・カロライナ州とサウス・カロライナ州は、南北戦争(ザ・シヴィル・ウォー。1861‐1865)の時に、それぞれ北軍(連邦派。フェデラル)と、南軍(南部同盟。コンフェデレット)側に付いて分裂した。あの南北戦争(ザ・シヴィル・ウォー。内乱、内戦)のときの影がいまもこの国に深く差しているのだ。

 

③ カリフォルニア州を中心とした「西部(ウェスターン)アメリカ」。太平洋側に面してアジア諸国に近いので、そこからの移民が多い。このの国は、大衆的リベラル派としてアジア諸国と付き合い(貿易)しながら、生きてゆくだろう。

 

「トランプと表紙に付けるな。本が売れない(アメリカと付くだけでさえ売れないのに)」と言われたら、実は、本当にそうなのだ。日本のちょっとだけ知的で本を買って(あるいは公共図書館で借りて)読もう、というほどの知的な人々(今や国民の1パーセントの120万人)でも、表紙に「アメリカ」と付く本は読みたがらない。日本人は、アメリカさまが嫌いなのだ。屈従してべったりくっ付いているくせに、嫌いなのだ。あるいは、厭〔あ〕き厭〔あ〕きしている。いつもいつも頭ごなしに、私たち日本国に対して上から威圧して威張っている。

 

「敗戦後、日本はアメリカ帝国の属国である」と書いて、今や、国民的評価を得ているのは私だ。『属国・日本論』という。1997年に書いた本だからもう22年前の本だ。

 

 さて、どんなに紙の本が売れなくなっても、私は紙の本を自分の最期〔さいご〕(死ぬとき)まで書き続ける。もう他の職に転職できる齢ではない(65歳だ)。みんなもそうだ。ただ一筋の、自分の生業(なりわい)に細々と精を出すだけだ。哀れなものだが、これが人間の生きる道だ。

 

   2019年2月20

 

                                   副島隆彦

 

=====

 

【目次】

 

まえがき

 

第1章 アメリカ合衆国が分裂する日

  10年後、アメリカ合衆国は3つに分裂する

  ウィスコンシン州が台風の目だった中間選挙

  スコット・ウォーカーの州知事選敗北の原因は〝フォックスコン〟

  ウィスコンシン州でのフォックスコン工場建設計画

  トランプより一枚上手だったテリー・ゴウ

  孫正義‐トランプ会談の真相

  中国人はアメリカ人に騙〔だま〕されない

  ナンシー・ペロシがトランプと組む

  思いやりのある保守主義

  下院議長ナンシー・ペロシという女性

  日本の官僚たちをどなりつけたウィルバー・ロス

 

第2章 トランプ政治、七顚八倒

  トランプを支える議員たち

  増える、人種が混ざった議員たち

  〝レーガン・デモクラット〟と同じ動き

  民主党員だったトランプ

  キーストーンXL計画

  環境保護団体との闘い

  共和党なのにトランプを支持しない議員

  男たちの「ミー・トゥー」唱和が起きるほど凶暴なヒラリー系過激派

  本当は悪い男だったリンカーン大統領

  共和党の若手有望株3人にかかった恐ろしい圧力

 

第3章 ヒラリーを逮捕し裁判にかけろ!

  中間選挙で「半分勝って、半分負けた」トランプ

  「ドレイン・ザ・スワンプ」

  トランプがキッシンジャー宅を訪問したとき「トランプ大統領」が決まった

  ヒラリー・クリントンがどれほど悪い女か、日本人はいまだに分かっていない

  つい本音を漏らしてしまうトランプ

    トランプの実業家人生

  「ディープ・ステイト」

  ミカ・ブレジンスキーのポンペイオ=オカマ発言の衝撃

  2024年から世界大恐慌

 

第4章 「人権尊重、平等、人種差別しない」の大思想が滅びつつある

  政治家としての王道を歩いているトランプ

  アメリカ国民に職を

  トランプの政治思想

  米国の反移民問題

  欧州の反移民問題

  英国がブレグジットを選んだ理由

  「人類の指導理念」の崩壊

  日本にとっての戒律=日本国憲法

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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