古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:アメリカ大統領選挙

 古村治彦です。

 

 ジョージ・ソロスがダヴォス会議で、トランプ大統領とインターネット業界の大企業フェイスブック、グーグル、ツイッターを攻撃したということです。盗人猛々しいとはまさにこのことです。ソロスのためにある言葉です。

 

 ソロスがトランプ大統領を攻撃するのは分かります。ソロスのようなグローバリストからすればトランプのようなポピュリストは自分にとっての大きな脅威になります。トランプは世界のことなどどうでもいい、と考えています。「アメリカ・ファースト」「アイソレーショニズム」ということを簡単に言ってしまえばそうなります。

 

 興味深いのは、ジョージ・ソロスがツイッターやフェイスブック、グーグルに対して、「情報の流れを独占しているのだから、もうインフラのようなものだ。それならばより厳しい規制をかけるべきだ」と発言したことです。2016年の米大統領選挙で「フェイクニュース」がこうしたSNSで拡散されて、ヒラリーが負けたと言いたいのでしょう。ロシア政府の介入もあったということも言いたいのでしょう。

 

 拙著『アメリカ政治の秘密』でも書きましたが、2011年のアラブの春では、「民主化」のために、フェイスブックやツイッター、グーグルが利用されました。アラブ諸国で起きた民主化運動の主体となった「若者たちの反体制グループ」がアメリカ国務省で研修を受けていたり、資金援助を受けていた李ということはあまり知られていません。下の記事に出てくるソロスの財団オープン・ソサエティ財団もこうした団体に資金援助を行っていました。

 

 民主化と言えば素晴らしい活動、文句も言えない活動です。しかし、実態は、各国を強制的に民主国家にする、資本主義自由経済を導入させて、ソロスたちのような大富豪たちの投資先を作る、莫大な利益を上げるということでしかありません。

 

 そのためにツイッターやフェイスブックを利用してきたくせに、それに文句をつける、規制をしろなどというのはおかしな話です。自分は市場で規制などされずに金儲けをしているくせに、他人は規制しろなどと言うのは狂っているとしか言いようがありません。

 

(貼り付けはじめ)

 

ダヴォスにおけるジョージ・ソロス:トランプは「世界にとって危険」(George Soros at Davos: Trump 'a danger to the world'

 

ブレット・サミュエルズ筆

2018年1月25日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/technology/370757-soros-calls-for-stricter-regulations-on-facebook-google

 

大富豪で、民主党に莫大な献金を続けているジョージ・ソロスは木曜日、スイスのダヴォスで開催されている世界経済フォーラムに出席し、トランプ大統領とテクノロジー産業の大企業を攻撃した。

 

『ブルームバーグ』誌によると、ソロスは次のように発言した。「私はトランプ政権が世界にとって危険だと考えている。しかし、トランプ政権などというものは一時的な現象に過ぎず、2020年には、もしくはそれよりも早い段階で消えてなくなっているだろうとも考えている」。

 

ソロスは続けて次のように述べた。「私は、トランプ大統領が彼の熱心な支持者たちをうまく動員したことに関しては評価している。しかし、熱心な支持者を1人生み出しても、それよりも数の多い熱心な反対者を生み出す結果となっている。反対者たちは賛成者たちと同じ程度に動かされる。私は2018年の中間選挙で民主党が地滑り的大勝利をすると予測している理由はこれだ」。

 

『バズフィード』誌によると、ソロスは気候変動は文明に対する脅威だと述べた。また、特にフェイスブックとグーグルの名前を挙げて、これらに対してより厳しい規制を求めた。

 

ソロスは次のように語った。「フェイスブックやグーグルは、自分たちはただ情報を配っているだけに過ぎないと主張している。しかし、事実としては、彼らはほぼ独占的な情報の分配者となっている。彼らは公共のインフラのようになっている。彼らはより厳しい規制の下に置かれるべきだ。それは、競争、技術革新、公平で開かれた誰でも情報にアクセスできる状態を維持するために必要なことだ」。

 

フェイスブック、グーグル、ツイッターは2016年の大統領選挙後に、それぞれのプラットフォームでフェイクニュースが垂れ流された、プロパガンダに利用されたとして批判にさらされてきた。

 

それぞれの代表者は昨年末、米議会に呼びだされ、ロシア政府がアメリカ大統領選挙に介入するためにこれらのプラットフォームをどのように利用したかについて証言した。

 

木曜日、ソロスは、フェイスブックやグーグルは、中国のような権威主義体制諸国と妥協して、情報に関しての全面的なコントロールに協力していると述べた。

 

ソロスはリベラル派の大口献金者として有名だ。ソロスはオープン・ソサエティ財団を通じて世界中の進歩派の非営利団体に資金援助をしている。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)







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 古村治彦です。

 

 前回、掲載した民主党全国委員会暫定委員長を務めたドナ・ブラジルの最新刊に関する報道が続いているようです。今度は『ワシントン・ポスト』紙が発売前の本を手に入れ、記事にしています。

 

 本の中で、ブラジルは民主党全国委員会委員長の権限として、大統領候補をヒラリー・クリントンからジョー・バイデンに交代させることを考慮したと書いているということです。その理由として、ヒラリーは熱意を持っていたが、選対幹部に熱意はなかった、また、ヒラリー選対の幹部たちが自分(ブラジル)を奴隷のように扱い、敬意を払わなかったということを挙げています。

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ドナ・ブラジル 

 ブラジルは、ヒラリー・クリントン勝利のために民主党予備選挙を捻じ曲げたデビー・ワッサーマン=シュルツの後任として暫定委員長となりました。ブラジルは民主党全国委員会について調査をし、ヒラリー・クリントンが有利になるようにしていた証拠を発見し、また、ヒラリー選対からは奴隷のように扱われたということを暴露しています。また、ヒラリーでは労働者階級から投票を期待できない(民主党の本来の支持基盤であるはずなのに)、ということをブラジルが認識していたということも分かりました。

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 私は民主党内部がここまでボロボロで、ヒラリー選対がそこまで腐っていたのかということに今更ながらに驚きを隠せません。ブラジルという人物は立派な人で、立派な民主党員であるのに、敬意も払わらずに、傲慢であったということは問題ですし、ヒラリー選対が口では綺麗ごとを述べながら、一番身近な黒人女性であるブラジルに「自分を鞭で打たれる奴隷少女のように扱うな」と言わせてしまうところに馬鹿らしい矛盾があり、ヒラリー陣営は敗れるべくして敗れたのだということが改めて明らかになりました。

 

 ブラジルはヒラリーに対して、というよりも選対幹部たちに対して批判的です。彼らはアメリカの一流大学を卒業した、若くて優秀な人々でした。しかし、彼らは選挙において必要な熱意や人間を遇する方法を知らなかったためにヒラリー落選という結果をもたらしてしまいました。

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ヒラリー選対 

 私はデイヴィッド・ハルバースタムの名著『ベスト・アンド・ブライテスト』を思い出します。この本は、アメリカ最高の頭脳がアメリカ政府に結集しながら、ヴェトナム戦争でアメリカは敗れてしまう、という内容です。エリートが陥りやすい落とし穴というものがあり、本来は労働者やマイノリティのために戦うべき民主党が、エリートたちのための党になってしまい、それが民主党の、ヒラリーの敗北をもたらしたということなのだろうと思います。ここから民主党が持ち直すには原点回帰ということしかないのだろうと思いますが、それが最も困難なことであろうと思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

ブラジルは、「2016年の大統領選挙候補者をヒラリー・クリントンからジョー・バイデンに交代することを考えた」と語る(Brazile says she considered swapping Clinton for Biden as 2016 nominee

 

マックス・グリーンウッド筆

2017年11月4日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/358775-brazile-says-she-considered-swapping-clinton-for-biden-as-2016-nominee

 

民主党全国委員会(DNC)暫定委員長を務めたドナ・ブラジルは、2016年の民主党の大統領選挙候補者指名を受けたヒラリー・クリントンの指名を取り下げ、ヒラリーの代わりに当時のジョー・バイデン副大統領を指名することを熟考したと発言した。

 

『ワシントン・ポスト』紙が土曜日に今度刊行されるブラジルの最新刊の一部について報道した。この記事の中で、ブラジルは著書で、民主党全国委員会暫定委員長の権限を行使して、労働者階級を熱狂させることができる候補者たち(大統領候補と副大統領候補)を立てることを考えた、と述懐していると報じられた。

 

ワシントン・ポスト紙によると、ブラジルが考えた大統領選挙候補者はバイデンで、副大統領候補はコーリー・ブッカー上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)であったということだ。

 

しかし、最終的にブラジルはこのような変更をしないと決断した。それは、ブラジルが、二大政党で初めての大統領選挙候補者の選挙運動をひっくり返すことなどできないと考えたからだと語っている。

 

「私はヒラリーについて、そして彼女を誇りに思い、熱狂しているアメリカの女性全てについて思いをはせた。この人たちのためにそんなことはできなかった」とブラジルは著書の中で書いている。

 

ブラジルの回顧録『切り刻まれた傷:ドナルド・トランプをホワイトハウスに導いた割込みと崩壊のインサイドストーリー(Hacks: The Inside Story of the Break-ins and Breakdowns that Put Donald Trump in the White House)』は11月7日に発売される。この本の中で、ヒラリー選対は、ヒラリー・クリントン元国務長官を大統領に当選させるために必要な熱意に欠けていた、とブラジルは書いている。

 

ヒラリー・クリントン選対の上級幹部たちはブラジルに尊敬の態度を示さなかった、また、有権者の動員を促進するための必要な資金を民主党に供給することを拒否した、と民主党に長年属しているヴェテランのストラティジストであるとブラジルは述懐している。

 

ブラジルはヒラリーに対しておおむね好意的に書いている。しかし、ブラジルは、ヒラリー・クリントン選対は、ヒラリーを当選させようとする熱意に欠け、ヒラリーを落選に導いた数多くの間違いを犯した、と書いている。ブラジルは、ヒラリー・クリントン選対のニューヨーク市ブルックリンに構えた本部を「人が亡くなっていく」病院のようだ、と考えていた、とワシントン・ポスト紙は報じている。

 

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ブラジルは、ヒラリー・クリントン選対が自分のことを「鞭を打たれる奴隷の少女」のように扱ったと批判(Brazile hit Clinton campaign for treating her like a ‘whipping girl’

 

マックス・グリーンウッド筆

2017年11月4日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/358777-brazile-hit-clinton-campaign-for-treating-her-like-a-whipping-girl

 

民主党全国委員会暫定委員長(DNC)を務めたドナ・ブラジルは、ヒラリー・クリントン選対の幹部たちから奴隷のように扱われ、それに対して、あなたたちの「鞭を打たれれる奴隷の少女」のように扱われるためにここにいるのではない、と語ったと著書の中で書いている。

 

「ワシントン・ポスト」紙は土曜日、ブラジルの最新刊『切り刻まれた傷:ドナルド・トランプをホワイトハウスに導いた割込みと崩壊のインサイドストーリー(Hacks: The Inside Story of the Break-ins and Breakdowns that Put Donald Trump in the White House)』からの引用を記事にして報じた。ワシントン・ポスト紙は発売前の本を手に入れたということだ。

 

回顧録の中で、ブラジルは、ヒラリー・クリントン選対の幹部チャーリー・ベイカー、マーロン・マーシャル、デニス・チェンとのやり取りを書いている。ブラジルは、ドラマ映画「それでも夜は明ける(12 Years a Slave)」に出てきた奴隷の少女のように扱われた、と述べている。

 

ブラジルは、「それでも夜は明ける(12 Years a Slave)」でルピタ・ニョンゴが演じたパッツィーを自分になぞらえた。そして、ヒラリー選対の幹部たちに対して次のように言ったと書いている。「私は“奴隷のパッツィー”ではないのよ。あなたたちは私を鞭打ち続けている。それに対して、出すと約束している資金を出さないし、私に仕事をさせない。私は、鞭を打たれる奴隷少女になるつもりはないの!」と言ったと書いている。

 

ワシントン・ポスト紙によると、ブラジルは著書の中で、ヒラリー・クリントンが意欲のある候補者であったが、ヒラリー選対には彼女を当選させるための必要な熱意と気持ちに欠けていたと書いている。

 

ブラジルは、ヒラリー選対が民主党全国委員会の行う有権者動員策に対する資金を提供せず、自分のことを尊敬もって扱わなかったと書いている。

 

ブラジルは著書の中で、彼女は怒りを感じながら、ヒラリー選対の幹部たちに対して、民主党全国委員会委員長の権限として、必要と感じたら候補者を後退させることもできるのだと述べたと書いている。ある時点で、ブラジルはヒラリー・クリントンと副大統領候補ティム・ケイン連邦上院議員(ヴァージニア州選出、民主党)を、ジョー・バイデン副大統領(当時)とコーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)に交代させることを考慮したと書いている。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)








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 古村治彦です。

 

 トランプ大統領の周辺がざわつき、アメリカ国内では右派と左派が激しく衝突しています。トランプ政権はもうだめだ、トランプ大統領は次の選挙では落ちてしまうだろう、と考える人も多くいると思います。

 

 しかし、民主党側では状況を楽観視していないようです。民主党全国委員会委員長を務め、2004年の大統領選挙の民主党予備選挙では序盤にリードした経験を持つハワード・ディーン元ヴァ―モント州知事がテレビ番組に出演し、「2020年、民主党がアメリカ大統領選挙で勝てないだろう」と述べました。彼は「現職大統領に勝てない」と述べましたが、この現職大統領が2020年の段階でトランプ大統領なのか、他の人物なのかははっきりしません。

 

 民主党側では2020年の米大統領選挙の有力候補者になりそうな人物がいません。そうした人物が選挙直前に出てくることもありますが、ビル・クリントンにしても、バラク・オバマにしても、当時は民主党の若手政治家として大統領選挙の数年前から既に名前が知られていました。ですから、この時期にそうした政治家の名前が出てこないのは民主党の人材不足です。現在、全国的な知名度を持っている、たとえばジョー・バイデン前副大統領、バーニー・サンダース連邦上院議員、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員は高齢です。ここのところをディーンは心配しているようです。

 

 ディーンは次の大統領選挙では50歳以下の若い人が大統領候補になるべきだと述べています。2016年の大統領選挙では共和党のドナルド・トランプ、民主党のヒラリー・クリントンと共に60代後半から70代でいわゆるベイビーブーマー世代です。ベイビーブーマー世代、日本で言えば団塊の世代は、両国の社会の動きに大きな影響を与えてきましたし、これから人類初の大規模な超高齢化世代として影響を与えていくでしょう。これほど多数の人々が高齢化を迎えるということは人類史上初と言わねばなりません。

 

 ディーンの懸念ははっきり言えば、「ヒラリー・クリントンよ、ベイビーブーマーの代表格であるあなたの出番はもうない。だからもう静かにして表舞台に出てこないように」ということです。ヒラリーは、選挙戦直後はさすがにしばらく静かにしていましたが、今はいろいろな集会に顔を出してはスピーチをして、FBIと民主党全国委員会の悪口を言って回っています。これは民主党んにしてみれば大変迷惑な話です、敗戦の痛手を癒して、次に進もうとしているのに、ヒラリーにその邪魔をされているということになります。ヒラリーが2018年の中間選挙、2020年の大統領選挙に向けての体制づくりの邪魔になってい訳です。

 

 日本的な表現をするならば、怨念を持ったヒラリーが恨みを持ったまま成仏も出来ずに、この世に出てきては生者の世界にちょっかいを出して邪魔をしている、ということになります。ジョージ・W・ブッシュに敗れたアル・ゴアは選挙直後に逼塞する形となりましたが、本来はこうあるべきです。しかし、ヒラリーは表舞台に出てきて復権を目指しています。また、彼女にしてみれば表舞台に出て影響力を持ち続けなければ、国家機密情報の取り扱いに関して逮捕されてしまうという恐怖感もあるかもしれません。そう考えると、哀れな晩年と言いたくもなってしまいます。

 

 公民権(Civil Rights)とは政治に参加する権利、具体的には、投票する権利と公職に立候補する権利のことを指します。公民権運動(Civil Rights Movement)とは1950年代から60年代にかけて、黒人をはじめとする少数派の人々の選挙に参加する権利を認め、人種差別を撤廃しようとして人々が立ち上がった運動です。アメリカ南部では長年にわたり、黒人の参政権が認められなかったり、参政権を行使しようとすると妨害されたりということが続きました。こうした差別を撤廃しようというのが公民権運動です。

 

 公民権運動の過程で、多くの流血事件が起きました。論稿の中で紹介されているケント州立大学の事件やエドマンド・ペタス橋での事件(「血の日曜日」事件と呼ばれています)でも死傷者が出ています。現在の状況も同じだとディーンは述べています。このブログでもご紹介しましたが、若い人々の間で戦闘的な左派グループの勢力が大きくなっています。そうした中で、これからも暴力や流血はしばらくの間続いていくでしょう。そうなると、これに対する揺り戻しで、戦闘的な右派、左派両方のグループは退潮していくと思われます。

 

 現在のアメリカで激しい対立が人々の中に起きているのは、トランプ大統領に不満を持つ人々にとっての展望がない、つまり次の大統領選挙で支持したい、支持すべき政治家が不在という状況になっていることが原因であると私は考えます。

 

(貼りつけはじめ)

 

ディーンは2020年の大統領選挙で民主党が勝利することはないと考えている(Dean doesn't think Dems will win White House in 2020

 

ジョー・コンカ著

2017年8月25日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/media/347978-dean-trump-election-was-kent-state-moment-for-millennials

 

金曜日、ハワード・ディーンは、トランプ大統領の支持率は低いが、2020年の大統領選挙で民主党が勝利することはないと考えていると述べた。

 

金曜日に放映されたテレビ番組「モーニング・ジョー」に出演したディーンは、「2020年に我々民主党が現役大統領を打倒すことはないでしょう」と述べた。ディーンは以前、民主党全国委員長を務めた。

 

ディーンは次のように述べた。「2020年に我々がホワイトハウスに入ることができるなどと考えている人に会ったことがないんです。誰が勝利をもたらす候補者になれるかについて頭を悩ましてばかりですよ」。

 

「それはもう大変なことですね」と代理で司会者を務めたウィリー・ガイストは冗談めかして述べた。

 

2016年の共和党の大統領選挙予備選挙には17名の候補者が立候補した。

 

ディーンは更に、ミレニアム世代にとって、トランプの選挙の当選は、過去に起きた「ケント州立大学」事件の時と同じような事件となったのだ、と述べた。

 

「トランプの選挙の勝利は、現在の若い世代にとっては、エドマンド・ペタス橋やケント州立大学(両所とも公民権運動の舞台となった)で起きた事件のようなものだと思いますね」とディーンは述べた。

 

「ミレニアム世代全体が持つ原理原則が侵害されています。彼らはそれに対して自分たち自身で戦わねばならないのです」とディーンは述べた。

 

ディーンは次の大統領選挙での民主党の候補者には50歳以下の人物がなるのが望ましいと述べた。

 

1970年5月4日、学生たちはケント州立大学でヴェトナム戦争反対デモを行った。それに対してオハイオ州兵が発砲し、4名の学生が殺害された。

 

エドマンド・ペタス橋は「血の日曜日」事件の舞台となった。1965年4月、アラバマ州セルマ近郊のエドマンド・ペタス橋をデモ行進していた公民権運動の参加者たちが地元警察から殴打された。

 

(貼りつけ終わり)

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12









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 古村治彦です。

 急なお知らせで恐縮ですが、今週土曜日(2016年9月24日・土曜日)18時から、アメリカ大統領選挙についてお話をさせていただく機会をいただきました。有志の方の企画です。

 ↓以下のアドレスを覗いてみてくださいませ。宜しくお願い申し上げます。↓

https://www.facebook.com/americaseiji/?__mref=message_bubble







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 古村治彦です。

 

 今回はイギリスの経済誌『エコノミスト』に掲載された論稿を手掛かりに、「ポピュリズム(Populism)」という言葉について考えてみたいと思います。

 

 論稿は下に掲載してありますが、「ジ・エコノミスト・エクスプレインズ(The Economist explains、『ジ・エコノミスト』誌が説明する)」というシリーズの「ドナルド・トランプはポピュリストか?」という論稿です。以下に内容を箇条書きでご紹介します。

 

=====

 

・ドナルド・トランプをポピュリストだと形容する人たちはたくさんいる。

・オバマ大統領はトランプについて、「ネイティヴィズム(nativism)、外国嫌い(xenophobia)、冷笑主義(cynicism)」だと語った。

・トランプはポピュリストの定義にあてはまっているのか?

・ポピュリストの定義はいくつもある。

・言葉のルーツは、1890年代に、銀行家と政治家に無視されていると感じたアメリカの農民たちによって創設されたアメリカの政党「人民党(Populist Party)」にまで遡る。

・人民党を創設した農民たちは、累進的な所得税、鉄道と電信の国有化、連邦上院議員の直接選挙など、自分たちの必要なものに対して政府がより応答的になるような政策を掲げた。

・こうした意味からいくつかの意味が派生して生まれた。

・オバマ大統領はポピュリストを「社会正義実現と、貧しい子供たちが健康で、教育を受け人生の機会を掴めるように努力する人々」と定義している。

・オバマ大統領はオックスフォード辞典の定義を使っている。その定義とは「ある政党の党員もしくは支持者で、一般の普通の人々の利益を代表しようとする」である。

・トランプにより当てはまるより広い意味もある。

・「ポピュリストの論法」の著者マイケル・カジンは、ポピュリズムについて、「ポピュリズムとは、それを語る人々が“一般の人々を自分たちは、階級によって縛られているのではなく、気高い集団だ”と納得させるものだ。ポピュリズムを利用する人々は、自分たちとは反対の立場のエリートたちは自分たちの利益ばかりを追い求め、非民主的であると考える。そして、一般の人々をエリートに対決させるために動員しようとする」と述べている。

・ネイティヴィズムについてはイギリスとアメリカで定義の大きな違いがある。

・イギリスでは、ネイティヴィズムは、「知的な(頭脳に関する)能力は生得的なもの(生まれつきのもの)で、後天的に(成長していく段階で)学習で得られないとする理論」である。

・アメリカでは、オバマ大統領も使った意味で、「移民たちの脅威からその国生まれの住民たちの利益を守ること」である。

・外国嫌いと冷笑主義はそれぞれ、「外国出身の人々を嫌い、偏見を持つこと」、そして「人間は自己利益にそってのみ行動するという考え方」を意味する。

・こうした言葉にトランプは当てはまるだろうか?

・イスラム教徒の入国を禁止すること、国境に壁を作ることを主張し、メキシコ人全員が暴行魔だと言い、ローマ法王を非難した人物をこうした言葉で分類することは簡単ではない。

・トランプ旋風(Trumpism)という言葉は次のような意味の言葉として辞書に載るだろう。「ポピュリズム、ネイティヴィズム、外国嫌い、少量の冷笑主義、の不愉快だが、政治的には成功するミックス」。

 

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 ポピュリズムというと、すぐに「大衆迎合主義」と訳す人がほとんどです。「大衆が気に入るような耳触りの良い政策を主張し、自分を支持する人々におカネや物資をばらまく政治」のことだということになっています。

 

 エコノミスト誌の論稿にもあるように、ポピュリズムという言葉には多くの意味があるようです。しかし、元々は、アメリカの農民たちが、自分たちが政治の場から疎外されている、自分たちの利益が反映されていないということで、この状態を打破しようと結成した人民党の存在が言葉の源にあるようです。

 

 人民党はアメリカ南部から中西部、西部の農民たちの不満から生まれました。人民党が最も活発に活動したのが1892年から1896年でした。この時期、南部を根拠としていた民主党が人民党の進歩的な政策を多く取り入れました。1896年のアメリカ大統領選挙では、民主党が人民党のウイリアム・ジェニングス・ブライアンを大統領選挙の候補者に指名しました。これ以降、人民党は民主党に吸収されて勢力を減退させて消滅していきますが、ポピュリズムの流れは、ルイジアナ州に登場したヒューイ・ロングに引き継がれます。ヒューイ・ロングは「皆が王様だ(Every Man a King)」というスローガンの下に、「富の共有運動(Share Our Wealth)」を推進しました。

 

 このようにアメリカのポピュリズムは進歩的な要素を含みながら、発展しました。論稿の内容をご紹介してみての感想は、「バーニー・サンダースの方がポピュリズムに近いのではないか」というものです。エコノミストの論稿では、トランプについては、「ポピュリズム、ネイティヴィズム、外国嫌い、冷笑主義を混ぜたようなもの」と結論付けています。私は、彼は懐古主義(nostalgism)の要素も入っていると考えます。

 

 トランプのスローガンは、「Make America Great Again(アメリカを再び偉大な国にしよう)」というものです。アメリカ(自分たちアメリカ人)は、昔は偉大であったが、今はそうではない、だから、もう一度偉大な国にしよう、というものです。「昔の夢よ、もう一度」ということで、これは、イギリスのEU脱退で賛成票を投じたイギリス人たちと同じです。

 

 「アメリカ政府は、今や既得権益とエスタブリッシュメントに占領されている、そして国が悪い方向に進んでいる」と不満を持っている人たちが多くいます。そうした人々の不満をうまくすくい上げることが出来たのがドナルド・トランプです。彼は問題発言ばかりですが、それがアメリカ人の本音(表立っては言えない)です。

 

 言いたいことも言えない、生活は苦しい、ということになれば、「ご破算にして最初からやり直そう」ということになるのは当然のことです。これが現代のポピュリズムなのだ、と私は考えます。

 

(記事貼り付けはじめ)

 

The Economist explains

Is Donald Trump a populist?

Jul 4th 2016, 3:54 by M.D.

http://www.economist.com/blogs/economist-explains/2016/07/economist-explains-0?fsrc=scn%2Ftw_ec%2Fis_donald_trump_a_populist_

 

BARACK OBAMA has had enough of people describing Donald Trump as populist. In a self-described rant at the end of the North American leaders’ summit, the American president said that making controversial comments in order to win votes is not populism. “That’s nativism. Or xenophobia. Or worse. Or it’s just cynicism.” Mr Obama said he was reacting to a thread running through the questions posed at the news conference, though only Enrique Peña Nieto, Mexico’s president, used the word. Still, it raises the question of whether Mr Trump fits the definition of a populist. Does he?

 

Not everyone agrees upon the definition of a populist. The label has its roots in the Populist Party, an American political party formed in the 1890s by farmers who felt neglected by bankers and politicians. They called for the introduction of a progressive income tax, government ownership of railroad and telegraph systems, direct election of senators and a host of other measures designed to make government more responsive to their needs. In some older dictionaries Populist is capitalised and party membership is the only definition.

 

From that base have sprung multiple meanings. Mr Obama describes a populist as someone working for social justice and making sure poor kids had a decent shot at life and health care, suggesting he uses the Oxford dictionary definition: “a member or adherent of a political party seeking to represent the interests of ordinary people”. Yet there are much broader meanings in use that better fit Mr Trump. Michael Kazin, author of “The Populist Persuasion”, comes close when he describes populism as “a language whose speakers conceive of ordinary people as a noble assemblage not bounded narrowly by class, view their elite opponents as self-serving and undemocratic, and seek to mobilize the former against the latter”.

 

There is a trans-Atlantic divide on the definition of nativism. In Britain it is the theory that mental capacities are innate rather than acquired by learning. Mr Obama was using the American meaning: protecting the interests of native-born or established inhabitants against those of immigrants. Xenophobia and cynicism are more straightforward, meaning dislike of or prejudice against people from other countries and an inclination to believe that people are motivated purely by self-interest, respectively. But where does that leave Mr Trump? It is not easy to categorise someone who wants to ban Muslims, build a wall on the border, says all Mexicans are rapists and that the pope is disgraceful. Trumpism looks set to earn its own dictionary entry: An unpleasant but often politically successful mix of populism, nativism and xenophobia, delivered with a dollop of cynicism.

 

(記事貼り付け終わり)

 

(終わり)







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