古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:アレクサンドリア・オカシオ=コルテス

 古村治彦です。

 

 ドナルド・トランプ大統領の娘で大統領補佐官(無給)であるイヴァンカ・トランプ(Ivanka Trump、1981年―)とこのブログでも再三ご紹介している、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス(Alexandria Ocasio-Cortex、1989年―)連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)との共通点、それはニューヨーク市で生まれ育ったことです。両者とも学校時代はニューヨークではないですが、学校卒業後はニューヨークに戻っています。

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しかし、2人は対照的な生まれ育ちをしています。イヴァンカは大富豪の娘で、マンハッタン在住、その美貌から若い時からモデルをするなど、華やかなニューヨークの中で生活していました。アレクサンドリアは労働者階級の両親のもとに生まれ、ボストン大学にも奨学金を得て進学する(家族で初めての大学進学者)するといった苦労もありました。大学在学中に父親が亡くなるという不運もありました。また、大学卒業後には家族を支えるために、出版社などの仕事とバーテンダーの仕事を掛け持ちし、1日に18時間も働く日もあったということです。

 

 アレクサンドリア・オカシオ=コルテスは、「グリーン・ニューティール」計画を提唱しています。これは、温室効果ガスの全廃を目指すもので、環境分野での雇用を創出することも狙っています。この計画には、失業している人たちにも最低限の生活費を保証するという内容も含まれているという報道もなされたために、この点でも大きな批判を浴びましたが、法案として連邦議会に提出された際には、この部分は含まれませんでした。

 

 イヴァンカ・トランプは保守系のフォックスニュースに出演し、その中で、この失業者にも最低限の生活費を保証するという内容を批判しました。そして、「人間はお金のために働いているのではない」ということを発言しました。これに対して、アレクサンドリア・オカシオ=コルテスは、「人間は生活することが出来るだけのお金を稼ぐために働いているのだ」ということを言い返しました。

 

 イヴァンカは生活の不安を感じることなくこれまで生きていたということが言えるでしょう。ドナルド・トランプが父親ということで大変な面もあったと思いますし、トランプが破産したこともあったのですから、その点では大変だったと思います。しかし、明日の食べ物を買うお金がないというようなことは経験していないでしょう。

 

 一方、アレクサンドリアは、子供の頃から両親の苦労を見てきたことは間違いありません。今でも自分は労働者階級の出身だということを誇りを持って強調しています。家族で初めての大学進学者となったのも、奨学金を得てのことですし、大学卒業後も働き詰めで苦労しました。連邦下院議員に当選したのが昨年11月ですが、貯めていたお金を使ってしまったために、連邦下院議員になって住むための部屋をワシントンで借りることが出来ず(アメリカの大都市の家賃は異常なほどに高いです)、しばらくバーテンダーの仕事をしながらお金を貯めていたということで、直近までお金で苦労しています。

 

 ニューヨークで生まれ育った2人の働くことの意味に対する対照的な考えは興味深いものがあります。

 

(貼り付けはじめ)

 

イヴァンカ・トランプが、オカシオ=コルテスの雇用「保証」計画を批判:アメリカ人のほとんどは「何かを与えられる」ことは望まない(Ivanka Trump rips Ocasio-Cortez for plan to 'guarantee' jobs: Most Americans don't 'want to be given something'

 

エイリス・フォーリー筆

2019年2月26日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/431624-ivanka-rips-ocasio-cortez-for-plan-to-guarantee-jobs-most-americans

 

イヴァンカ・トランプはニューヨーク州選出のアレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(民主党)が主導する「グリーン・ニューディール」の一部を拒否すると表明した。細心のインタヴューの中で、イヴァンカは、アメリカ人の大部分は「自分自身の力で手に入れられるもの、達成できるもののために働きたい」はずだと考えると述べた。

 

フォックスニュースのキャスターであるスティーヴ・ヒルトンは日曜日に放送予定となっている番組の中で、イヴァンカにインタヴューを行った。その中で次のように質問した。「民主党、進歩主義派の民主党、アレクサンドリア・オカシオ=コルテスからの提案があります。それは、これがグリーン・ニューディールです、雇用の保証があります、というものです。これに対して、良いね、単純だけど私が望んでいるものだ、と考える人たちがいます。こうした人々についてどう考えますか?」。

 

大統領の長女にして補佐官も務めるイヴァンカは、「アメリカ人のほとんどは何かを与えられたいと望んでいないと思いますね。私はこれまで4年間この国を飛び回ってきました。人々は自分自身の力で手にできるもの、達成できるもののために働くものですよ」と答えた。

 

イヴァンカは続けて「だから、最低限を保証するという考えは、ほとんどの人々が望んでいません。皆、仕事をやり続けられる能力を手にしたいと望んでいます。皆、上昇できる可能性がある国に住みたいと考えているのです」と述べた。

 

保守派の人々からの批判の大部分は、オカシオ=コルテスとエド・マーキー連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)がグリーン・ニューディール計画を発表してから出てくるようになった。グリーン・ニューディール計画は2030年までにアメリカ国内での炭素ガス全廃という野心的な目標を設定しているもので、有権者登録をしている民主、共和両党の支持者の多くが支持している。

 

イェール大学クライメット・コミュニケーション・プログラムとジョージメイソン大学クライメット・チェンジ・コミュニケーション・センターが2018年12月に実施した世論調査では、民主党支持者の92%と共和党支持者の64%がグリーン・ニューディール計画を支持している、という結果が出た。グリーン・ニューディール計画の目的は、アメリカの電力を100%再生可能電力に転換し、失業者の雇用を保証するというものだ。

 

イヴァンカは、2020年の大統領選挙について突っ込まれて質問され、父親の政策は「アメリカを反映させ続けさせる」ものであり、次の大統領選挙では優位に立つことになると述べた。

 

イヴァンカはヒルトンに次のように述べた。「“私たちは昨日、もしくは2年前よりも今日の方が良い生活をしているか?”と考えてみたら、その答えは“イエス”ということになると思うんです。一人のアメリカ人として、1か月前もしくは1年前の家計の状況を考えてみれば、分かると思います。アメリカの状況はうまくいっていますし、他の国々に比べてその好調さは際立っています」。

 

イヴァンカは更に「私たち自身はうまくいています。成長のスピードという点では、アメリカを除く世界全体では落ちているという現状です」と述べた。

 

=====

 

オカシオ=コルテスがイヴァンカ・トランプに反論:「私はティップと時給のために働いた」(Ocasio-Cortez responds to Ivanka Trump: 'I actually worked for tips and hourly wages'

 

マイケル・バーク筆

2019年2月26日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/house/431716-ocasio-cortez-responds-to-ivanka-trump-a-living-wage-isnt-a-gift-its-a-right

 

アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は火曜日、イヴァンカ・トランプを批判した。オカシオ=コルテスは、トランプの娘は「テリップや時給を稼ぐために働く」ことについて又聞きでしか知らないのだろうと述べた。

 

オカシオ=コルテスはツイッター上で、イヴァンカ・トランプがオカシオ=コルテスを批判したというニュースのリンクを貼り付けて、「私は人生の中でティップや時給を稼ぐために実際に働いた。そういったことを又聞きでしか学ぶしかなかった人もいる。私は自分の実際の経験から、人々のほとんどは、生活ができるだけのお金を稼ぎたいと思っている、と言うことができる」と書いた。

 

オカシオ=コルテスは更に「生活ができるだけの賃金は誰からの贈り物ではない。権利だ。労働者は多くの場合、生み出す価値よりも少ないものを支払われている」と書いた。

 

オカシオ=コルテスとエド・マーキー連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)は、2月上旬に「グリーン・ニューディール」法案を議会に提出した。この法案は、温室効果ガスの全廃を目指し、雇用を創出することを目指すものだ。法案には全国民の雇用保障を含むものになっている。

 

イヴァンカ・トランプはグリーン・ニューディール法案について、日曜日に放送される予定になっているフォックスニュースとのインタヴューの中で次のように述べている。「アメリカ人のほとんどは何かを与えられたいと望んではいない。人々は自分自身の力で手にできるもののために働きたいと考えているはずだと私は確信している」。

 

イヴァンカは更に「最低限を保証するという考えは、ほとんどの人たちが望んでいないことであると思う。人々は自分の仕事を確実にすることが出来る能力を手にしたいと望んでいる。人々は、社会的に上昇する可能性を持つ国で生きていきたいと望んでいる」 と述べた。

 

イヴァンカ・トランプは火曜日に発表した書簡の中で、自分は最低賃金制度を支持しているが、「働きたくない」人々に「最低限の保証」をすることは支持しないと表明した。

 

働きたくない人たちに対して最低限の支払いを保証するという事項がオカシオ=コルテスの事務所から発表されたファクトシートに入っていたが、これは間違いで出てしまったもので、連邦下院に提出されたグリーン・ニューディール法案には入っていない。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 2020年の米大統領選挙民主党予備選挙にバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)が立候補を表明しました。2016年に続いての挑戦となります。サンダース議員は民主党に所属してはいませんが、連邦上院では民主党の会派に所属しています。

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 サンダース議員についてはこれまでも、2020年の大統領選挙の有力候補として名前が挙がっていましたが、多くの人たちが出馬表明する中で、態度を明らかにしていませんでした。

 

 今年に入って、『ニューヨーク・タイムズ』紙などで、2016年の米大統領選挙民主党予備選挙のサンダース陣営の幹部たちが女性スタッフに対してセクシャルハラスメントをしていたという告発が報道されました。サンダースはこうした報道に対して、「選挙期間中、私は忙しかった」というような発言をして、批判を浴び、後には陣営で起きたセクシャルハラスメントについて謝罪し、このようなことを許さないという決意を表明しました。

 

 2016年の米大統領選挙民主党予備選挙では、ヒラリー・クリントン元国務長官が大本命で、民主党の候補者となり、女性初の大統領になると言われていました。しかし、サンダースが善戦、若い人たちを中心に支持が広がり、それが民主党内部の過激派・進歩主義派対党主流派・エスタブリッシュメント派の激しい戦いとなり、民主党は分裂しました。この激しい戦いで傷を負ったヒラリーは本選挙でドナルド・トランプに敗れました。民主党が地盤としていた五大湖周辺州での敗北が原因でした。

 

 これ以降、民主党は左に寄ったということが言われています。その象徴が、2018年の中間選挙で彗星のごとく登場した、アレクサンドリア・オカシオ=コルテスです。アレクサンドリアは、サンダースの選挙を手伝ったことで政治の世界に入り、無名のところから一気に連邦下院議員へと駆け上がりました。

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 私は、アメリカが下降線をたどり、人々が不安を覚える中で、現状に対する不満が大きくなり、それがポピュリズムとなったと考えています。アメリカ社会がポピュリズムを出現させましたが、その形は2つあり、右派ポピュリズムと左派ポピュリズムです。右派ポピュリズムで出現したのがトランプ大統領で、左派ポピュリズムで出現したのがバーニー・サンダースであり、アレクサンドリア・オカシオ=コルテスです。

 

 トランプ大統領は、幾分皮肉を交えながら、サンダース出馬に対して、「うまくいくことを祈る」「貿易に対して厳しい姿勢を取っていることは同じだ」と述べました。また、今年の一般教書演説でトランプ大統領は社会主義に言及しましたが、これはサンダースや進歩主義派がアメリカ国内で影響力を増していることを意識してのことでしょう。

 

 サンダースは過激なリベラル派、極左と言われていますが、その代表的な主張は国民皆保険や大学教育の無償化などです。彼が極左ということになれば、世界の先進国の多くは極左が国を動かしているということになります。アメリカでは政府による再配分ということが敵視され、タブー視されていますが、これらも変化していくことでしょう。

 

 民主党の予備選挙ですが、後はジョー・バイデン前副大統領とビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)が立候補するかどうかで、この2人の態度が明らかになれば、候補者はだいたい出そろったということになるでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

バーニー・サンダースが2020年の米大統領選挙で再び出馬すると発言(Bernie Sanders says he will run for president again in 2020

 

マックス・グリーンウッド筆

2019年2月19日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/426684-bernie-sanders-says-he-will-run-for-president-again-in-2020  

 

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)が2020年の米大統領選挙に出馬すると表明した。2016年の米大統領選挙民主党予備選挙に出馬したが、党の指名を獲得することに失敗したサンダースが再び出馬するのかどうかここ数か月、人々の関心を集めていた。

 

サンダースは火曜日午前に支持者たちに宛ててEメールのメッセージを送ることを計画しており、その中で「3年前の2016年の大統領選挙期間中、私たちは進歩主義的な政策を訴えた。その際、私たちは、あなたたちの考えは“急進的”かつ“過激”だと言われたものだ」と書いている、と『ニューヨーク・タイムズ』紙は報じた。

 

サンダースは続けて「そして、あれから3年の月日が経った。数百万のアメリカ国民が立ち上がり反撃した結果、私たちが選挙期間中に掲げた進歩主義的な政策とそれ以降の政策は全て、アメリカ国民の課は数の支持を受けている」とEメールの中で書いているとも報じられている。

 

民主社会主義者を自認するサンダースは進歩主義運動の指導者の一人と考えられている。サンダースは、もっとも有名で最もリベラルな候補者として民主党の予備選挙に出馬する。

 

サンダースは多くの人々が出馬している大統領選挙民主党予備選挙に参加することになる。既に、連邦上院議員の同僚であるカマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)、キリステン・ギリブランド連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が出馬表明している。

 

サンダースは77歳で民主党予備選挙に出馬し、民主党の大統領選挙候補者指名を獲得することを望んでいる。民主党はここ数年、最低賃金と単一医療制度のような問題で、より左派の方に進んでいる。これら2つの問題についてサンダースは約30年間、連邦議会で主張し、取り組んできたものだ。

 

2020年の米大統領選挙はサンダースにとってホワイトハウスを目指す2回目の挑戦となる。現在、民主党員や支持者たちの間でトランプ大統領は大変に不人気である。

 

サンダースは2016年の米大統領選挙民主党予備選挙に、ヒラリー・クリントン元国務長官の対抗馬として出馬した。当時、ヒラリー・クリントンは民主党の大統領選挙候補者指名を容易に獲得できると見られていた。

 

ヒラリーは全国的な知名度と人気を誇り、資金を集める能力にも長けていた。それにもかかわらず、サンダースは、ニューハンプシャー州、ウィスコンシン州、ミシガン州、インディアナ州といった数州の予備選挙でヒラリーを相手に接戦を制した。これは、多くの政治の専門家たちの予想を裏切るものであった。

 

進歩主義派として有名な連邦上院議員であるサンダースは、民主党内の進歩主義派とエスタブリッシュメント派との間で激しい戦いが続いた後、最終的にヒラリーの候補者指名を認めた。

 

2016年以降、サンダースの支持勢力は民主党内で大きな影響力を持つようになった。

 

サンダースは「メディケア・フォ・オール」医療制度を主張してきた。これは民主党内部の多くの人々から過激な提案だと見られてきたが、今ではギリブランド、ハリス、ウォーレンといった民主党の多くの政治家たちから支持されるようになっている。

 

サンダースは2018年の中間選挙でアメリカ中を飛び回り、サンダースの掲げる進歩主義に共鳴している候補者たちを応援して回った。

 

サンダースはここ数年ですっかり進歩主義派のスーパースターとなった。しかし、人種、年齢、アイデンティティをめぐる民主党内部の議論で、サンダースは攻撃を受けることになるだろう。

 

今回の民主党予備選挙は民主党史上、最も多くの候補者が出て、候補者たちが最も多様性に富んでいるものとなりつつある。民主党員の中には、サンダースが有権者たちの民族、性別、人種の多様性を反映した存在ではないと主張している人々もいる。候補者たちにこれらの多様性があったおかげで、2018年の中間選挙で民主党は連邦下院議員選挙で勝利を収めることが出来た。

 

サンダースが2020年の米大統領選挙で民主党の候補者指名を獲得出来たら、民主、共和両党の歴史の中で最高齢の大統領選挙候補者ということになる。2020年の民主党の全国大会の時点で、サンダースは78歳になっている。

 

更に言えば、ここ数週間、サンダースは、2016年の大統領選挙において、サンダース選対の幹部たちからセクシャルハラスメントを受けたという元女性スタッフたちの告発に対して適切に対応しなかったという批判を受けている。

 

ヴァ-モント週選出の連邦上院議員サンダースは謝罪し、誤った行動に対して厳しく対処すると約束した。

 

サンダースの支持者たちは、「ウォール街の影響力を削ぎ、アメリカの労働者階級を助ける」という彼の政治的なブランドによって、2016年の大統領選挙でトランプ大統領が勝利したウィスコンシン州、ペンシルヴァニア州、オハイオ州といった州で勝利を収めることが出来ると主張している。

 

支持者たちはまた、サンダースの進歩主義派のブランドは本物であり、医療制度や高等教育の無償化といった問題に関して、同僚の連邦議員たちの先を進んでいるとも主張している。ここ数年、このような進歩主義的なポジションを取る民主党の議員の数は増加している。

 

昨年に行われた各種世論調査の結果で、サンダースは民主党で名前が挙がっていた人物たちの中で人気はトップレヴェルであった。

 

2018年12月にアイオワ州の党員集会参加予定者たちに対して、『デモイン・レジスター』紙・CNN・メディアコムが共同して世論調査を行った。この時は、サンダースは、ジョー・バイデン前副大統領に続いて第2位となった。バイデンは2020年の大統領選挙に出馬表明をしていない。

 

リベラル派のブログ「デイリー・コス」が行った最新の世論調査の結果では、サンダースは、カマラ・ハリス、ウォーレン、バイデンに続く第4位という結果であった。

 

(貼り付け終わり)

 

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 古村治彦です。

 

 前回、トランプ大統領の一般教書演説についての記事などをご紹介しました。私が一般教書演説を聞いていて驚いたのは、「社会主義に対する警告」でした。私が若い頃に、持て囃されたフランシス・フクヤマの「歴史の終わり」論では、資本主義(Capitalism、キャピタリズム)と民主政治体制(Democracy、デモクラシー)が最終的に勝利し、アメリカは勝利者だということになっていました。

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 しかし、21世紀のアメリカ議会で、大統領が自国内の社会主義を求める声に警告を発し、わざわざ「アメリカは社会主義国にはならない」と述べたというのは驚きでした。社会主義とは最も対極にある国であるはずの、資本主義と民主政治体制が高度に発達した総本山、アメリカで、大統領が社会主義の台頭に言及したというのは驚きでした。それくらいに、人々の平等を求める声、格差是正を求める声がアメリカ国内で大きくなっている、ということが示唆されるものでした。

 

 2016年米大統領選挙民主党予備選挙でのバーニー・サンダースの善戦、2018年の中間選挙でアレクサンドリア・オカシオ=コルテスの登場など、「民主社会主義者」を自認する政治家たちが存在感を増しています。

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当該部分を聞くサンダース
 

 これはポピュリズムという幅の広い思想運動の中で、左派的な動きとして、民主社会主義者たちが台頭しており、この右派的な動きは、トランプ大統領の誕生であり、言ってみれば、コインの表裏の関係にあると私は考えています。

 

 トランプ大統領を支持したのは、旧来の共和党の支持者の一部に加えて、元々は民主党支持で、労働組合にも参加していた、白人の労働者たちでした。アパラチア山脈からラストベルトと呼ばれる五大湖周辺の工業地帯に住んでいる人たちです。大学教育など高等教育を受けておらず、所得が低い労働者は本来であれば民主党の支持基盤でしたが、トランプ大統領を応援しました。

 

 これは民主党がエリート主義に陥り、ウォール街の大手金融機関などから多額の献金を受ける政治家たちが増え、口では人権や福祉などを唱えるが、実際に貧困層や労働者のために何もやっていないではないか、更に言えば、移民やマイノリティの人権のことばかりで、白人である自分たちの人権のことなど何も言わない、という怒りが旧来の民主党支持者たちの間に広まり、こうした人々がトランプ大統領を支持しました。こうした流れには、人権や福祉に対する懐疑も加わっています。

 

 一方、左派的な動きもまた、既成の民主党主流派、民主党エスタブリッシュメントに対する怒りから出てきたものです。エスタブリッシュメントは民主党の支持基盤をないがしろにしている、ウォール街とのつながりが深いから大企業や富裕層の利益ばかりを守っている、という怒りから、進歩主義派、民主社会主義者が存在感を増すようになりました。

 

 右派ポピュリズムと左派ポピュリズムと分類して良いと思います。既存の政治家やシステムが一般国民である自分たちのためになっていない、活動していない、機能していないという怒りから、ワシントンを変えなければならないということになり、新しい政治家たちやこれまで隅に追いやられていた政治家たちを自分たちの代表としてワシントンの既存勢力を攻撃させるという動きになりました。人々の怒りと既存の存在に対する攻撃性はポピュリズムの特徴です。

 

 それにしても、一般教書演説で、「社会主義」という言葉が出てきたのは驚きでした。中国を攻撃するためのレトリックなのかと思いましたが、アメリカ国内で社会主義を求める声が大きくなっていることに対する懸念であったということが驚きです。資本主義が高度に発達してその内包する矛盾が深刻になり、社会主義へと移行する、もしくは階級闘争が激化するというマルクスの考えが現実に起きているかのようです。

 

 アメリカでは長く国民皆保険ということはタブー視されてきました。何度もこの話はしているのですが、今回もします。2000年代前半に私はアメリカの大学に留学しました。そこで、日本政治の授業を履修しました。先生は日本の大学に留学経験もあり、日本語も堪能な人でした。日本の社会保障制度を取り上げた授業の回がありました。そこで、ポロっと「日本は国民皆保険です。国民皆保険ではないというのは、世界の先進国ではアメリカだけです」と言いました。何の悪気もなく、アメリカを批判するということでもありませんでした。

 

 しかし、次の授業の際に先生は「前回、私は世界の先進国の中で国民皆保険ではないのはアメリカだけですと述べました。これはアメリカを批判する意図ではありませんでした。また、私は社会主義者ではありません」と冒頭に述べました。私は驚いて、授業の後にどうしてそのような発言をなさったのですか、と質問したところ、「学部の事務所に学生の親という人から電話があって、アメリカを批判する反米的な社会主義者を雇っているのか、という抗議の電話があったから、説明しておこうと思って発言した」と教えてくれました。

 

 講義をしてきた親御さんは、国民皆保険は社会主義的な制度で、資本主義で自由主義なアメリカにはそぐわないと考えていたのでしょう。しかし、この考えに従うと、G7に加盟している先進諸国はほぼ全て社会主義国ということになります。

 

 アメリカには社会主義という言葉に対するアレルギーがあり、かつ、平等を志向するような政策には簡単に社会主義という言葉をレッテル貼りして非難する傾向があるようです。

 

 社会主義という言葉が21世紀のアメリカ議会の議場で大統領の口から出たという事実、これがアメリカの最先端の状況を示しているように思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

オカシオ=コルテスや進歩主義派の人物たちがトランプ大統領は社会主義という言葉を威嚇戦術として使用したと批判(Ocasio-Cortez, progressives accuse Trump of using socialism as scare tactic

 

ジュリーグレイス・ブルフケ筆

2019年2月6日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/house/428663-ocasio-cortez-progressives-accuse-trump-of-using-socialism-as-scare-tactic

 

進歩主義派の民主党所属連邦議員たちは、トランプ大統領が一般教書演説の中で、アメリカ国内で社会主義を求める声が大きくなっているという警告を発したことを、威嚇戦術(scare tactics)を使って自分たちを危険だとレッテル貼りしたと批判した。

 

アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は記者団からトランプの発言について質問され次のように答えた。「素晴らしかったと思う。大統領は怖がっている。彼は全てのものが彼に迫ってきていると感じ、世論の支持を得るための戦いに敗れつつあることを認識している」。

 

オカシオ=コルテスは民主社会主義者で、昨年夏に民主党予備選挙で勝利を受けて、政治の世界で名声を獲得した。単一支払者医療保険制度(single-payer health care system)を主張するリベラル派の連邦下院議員たちの仲間入りをした。また、最富裕層に対しての税率を上げることとクリーンエネルギー分野での雇用を創出するためのプログラムに資金提供するための「グリーン・ニューディール(Green New Deal)」を主張している。

 

ニューヨーク州選出の連邦議員オカシオ=コルテスは、トランプの発言内容を「信じられない」ものと評し、「自分たちの提案に対抗するための実質的な提案を彼は出来ないのだ」と述べた。

 

プラミラ・ジャヤパル連邦下院議員(ワシントン州選出、民主党)は進歩主義派連邦議員連盟の共同会長だ。ジャヤパル議員は、議員連盟の提案は過激なものではなく、提案内容の多くは西洋諸国で既に実施されているものだと述べた。

 

ジャヤパル議員は「全ての人のためのメディケアや最富裕層への増税、グリーン・ニューディールのような素晴らしい考えをトランプ大統領は警戒しているのだと思う。それで彼はこうした考えに社会主義というレッテル貼りをしたいのだ」と述べた。

 

「トランプ大統領は先進諸国で行われている政策について懸念を持っており、それに社会主義というレッテルを貼りたいのだ。しかし、こうした諸政策は世界の先進諸国で実際に実行されている。これらの政策は先進諸国において制度化され、それらの上に社会が構成されている」。

 

一般教書演説の中で、トランプは社会主義によってヴェネズエラでは経済上、政治上の訳斎が引き起こされたと述べた。

 

トランプ大統領は演説の中で次のように語った。「現在、アメリカ合衆国の国内では、私たちの国で社会主義を採用しようという声が上がっている。これは警戒を要することだ。アメリカは、政府による強制、独占、統制ではなく、自由と独立の上に創設された。私たちは生まれながらに自由で、これからも自由であり続ける。今夜、私たちはアメリカがこれからも社会主義国となることは決してないという決意を新たにする」。

 

共和党側の出席者たちは演説のこの部分に対して、トランプ大統領にスタンディングオヴェイションで称賛を与えた。

 

新人のラシーダ・トレイブ連邦下院議員(ミシガン州選出、民主党)は議員当選以来、トランプ大統領に対して厳しい批判を行っている。トレイブ議員は、トランプ大統領が社会主義を理解していないと批判し、トランプ大統領の言葉によって国家の更なる分裂が進んでいると考えていると述べた。

 

トレイブ議員は「人々の多くは社会主義を理解していないと思う。図書館や郵便局は社会主義だと思う。我が国にあり私たちが大事にしている制度の多くは平等という価値観を基礎にしている」と述べた。

 

(貼り付け終わり)

 

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 古村治彦です。

 

 少し遅くなりましたが、アレクサンドリア・オカシオ=コルテスを中心とする民主党内の動きについての記事をご紹介します。

 

 簡単に言うと、(1)アレクサンドリアの出現と行動に対して不快感や怒りを持っている人たちがいる、(2)アレクサンドリアと彼女と関係が深い左派グループ「ジャスティス・デモクラッツ」が進歩主義派を連邦議員選挙の民主党予備選挙に立候補させようとしており、ターゲットなる現職たちが苛立っている、ということです。

 

 そこで、民主党内に、アレクサンドリアを次の選挙で落選させるために、対抗馬を出そうという動きが出て来ているということがアメリカで報じられました。連邦下院議員は2年おきに全議席が選挙の対象となります。連邦下院議員は選挙の準備に多くの時間と労力を割かれることになります。また、新人からすれば挑戦しやすく、現職の有力者でもあっさり負けてしまうことが頻繁に起きます。連邦上院議員は6年おきに選挙となりますが、選挙区が州全体ということになり、こちらもまた大変ですが、一度なってしまえば再選はしやすいということが言えます。

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 しかし、現在のところ、アレクサンドリア・オカシオ=コルテスに挑戦して勝てる人物というのはいないでしょう。そもそもアレクサンドリアは、まったくの無名の政治にはまったく関係してこなかった人物で、いわば政治の素人が、連続10期当選、次はいよいよ連邦下院議長だと見られていたジョセフ・クローリーを破ったのであって、民主党のインサイダー、主流派が自分たちの言うことを聞く人物を出してきても、クローリーの二の舞になる、ということになります。

 

 ニューヨーク州は、ヒラリー・クリントンが連邦上院議員の時に地盤としていた州です。そうなると、ヒラリーと関係の深い民主党関係者や地元政治家が多くいるということになります。ヒラリーは2016年の大統領選挙で民主党候補者となりましたが、予備選挙でバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)に苦戦し、それが本選挙での敗北につながりました。ですから、ヒラリー派は民主党左派を不倶戴天の敵だと考えています。当時、共和党ではドナルド・トランプが候補者となり、それに対して、共和党エスタブリッシュメントやネオコン派はヒラリーを支持する動きをしていました。

 

 アレクサンドリア・オカシオ=コルテスはサンダース派です。彼女は2016年のサンダースの選挙運動に参加して、そこから政界進出しましたし、昨年の中間選挙では、サンダース派の仲間を助けるためにサンダースと一緒に全国を遊説して回っていました。その中で、民主党予備選挙で中道派や民主党主流派に喧嘩を売る形になり、恨みも買っているようです。左派は中道派や主流派を「ウォール街民主党」と非難し、それに対して、中道派や主流派は、左派では選挙に勝てない、特に共和党の強い田舎では絶対に勝てないと反撃しています。

 

 サンダース派、ジャスティス・デモクラッツをはじめとする進歩主義派は、自分たちの勢力を増大させようと、民主党の予備選挙に自分たちがリクルートした人物を挑戦させようとしています。特に中道派や主流派の議院の選挙区をターゲットにしているようで、これが現職たちを苛立たせています。現職同士は仲間意識がある中で、進歩主義派はそんなことはお構いなしで立候補ウ社を立ててくる、それを人気と知名度が高いアレクサンドリアが支援しているとなれば、怒りを募らせるのは当然のことでしょう。

 

 「そちらが予備選挙に対抗馬を出して自分を落選させようと言うならば、こちらもおなじことをしてやる」ということになるでしょう。選挙には誰が立候補しても良い訳ですし、予備選挙があった方が有権者の意思に沿った候補者が党の候補者となることができる、というのは建前で、現職たちにしてみれば、「人気と知名度がある政治の素人がかき回しに来やがった」というのが本音ということでしょう。

 

 大統領選挙であれば、大統領だけのことなので、自分には関係ないので、政治の素人でも仕方がないと受け入れられても、自分の議席が危ないということになれば、本音に沿った行動が出てくるようになります。今はアレクサンドリアの人気が高く、誰も表立って敵対できない状態ですが、彼女の人気が落ちるようなことが起きれば、袋叩きということも起きる可能性はあります。

 

(貼り付けはじめ)

 

ニューヨークの民主党政治家たちはオカシオ=コルテスに挑戦する可能性について報じた記事の内容を否定した:「これらは全て狂っている」(New York Dems refute report of possible Ocasio-Cortez challenge: 'This whole thing is crazy'

 

ジョン・ボウデン筆

2019年1月31日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/house/427799-new-york-dems-refute-report-they-might-challenge-ocasio-cortez-this-whole

 

右派メディアがアレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)の予備選挙の挑戦者となる可能性があると報道したニューヨークの民主党員たちが、2020年の選挙で新人議員オカシオ=コルテスに対抗して出馬する意図はないと述べた。

 

『デイリー・コーラー』誌がオカシオ=コルテスの挑戦者になり得ると報じた、ニューヨーク州の民主党政治家たちはこぞってツイッターで記事に反応した。デイリー・コーラー誌は、進歩主義派のライジングスターであるオカシオ=コルテスが、「ジャスティス・デモクラッツ」を支援していることに対して怒りを募らせていると報じた。ジャスティス・デモクラッツは左派グループで、民主党内の中道派メンバーに対して予備選挙で挑戦する人々を支援している。

 

報道内容を否定したのは、ニューヨーク市会議員ジミー・ヴァン・ブレマーである。彼は水曜日にツイッター上で、「連邦下院議員の議席を欲したことは無いし、オカシオ=コルテスの議席を欲したことは無い」と述べた。

 

「アレクサンドリア・オカシオ=コルテスは出馬して挑戦する勇気を持っていた。そして、彼女は勝利した。私は、クイーンズをはじめとする多くの場所を変えようとする試みを私は支持している。報道内容は狂っている。私はアレクサンドリア・オカシオ=コルテスが私の住む選挙区の連邦下院議員であることを気に入っている!私が彼女の代わりになることは無い。私は彼女を支持している!」。

 

ニューヨーク州上院議員ジュリア・サラザールはデイリー・コーラー誌で挑戦者となる可能性があると報じられた。サラザールはツイッター上で、自分がオカシオ=コルテスが代表している選挙区に住んでもいないと述べ、デイリー・コーラー誌を「ゴミ」と非難した。

 

サラザールはツイッター上で次のように述べた。「デイリー・コーラー誌はゴミだ。その理由。1.私が彼女の選挙区に住んでいるとしても、予備選挙で挑戦することはない(私は彼女の選挙区に住んでいない)。2.私は連邦議員選挙に出る意図は持っていない。3.ジミー・ヴァン・ブレマーのことを“ジェイムズ”と呼ぶ人などいないのに、記事ではジェイムズとなっていた。誰が取材に応じたのか?」。

 

三期目のニューヨーク州下院議員カタリナ・クルズもデイリー・コーラー誌で名前を報道された。クルズもツイッター上でアレクサンドリア・オカシオ=コルテスとの写真をアップし、「デイリー・コーラー誌は事実をチェックする部門を持っていないことは明らかだ。デイリー・コーラー誌はゴシップを垂れ流すが、私たちはアレクサンドリア・オカシオ=コルテスと共に仕事をするだけのことだ」と書いた。

 

デイリー・コーラー誌の記事は本紙の記事で匿名の民主党所属連邦下院議員の発言を後追いするものであった。この議員は、民主党の連邦議員たちがニューヨークの民主党関係者たちと、2020年の連邦下院議員選挙の民主党予備選挙でオカシオ=コルテスに対抗馬を出す可能性について話し合ったと述べた。

 

その民主党所属の連邦下院議員は本誌に対して次のように語った。「私がニューヨーク州の民主党支部に勧めたのは、オカシオ=コルテスに対抗する候補者を見つけ、彼女を一期だけの連邦下院議員にしてしまうということだ。連邦下院議員の議席を20年も待っているニューヨーク市会議員やニューヨーク州議会議員がたくさんいる。彼女の選挙区で議席を得たいという人物はたくさん見つけることが出来るのは確かだ」。

 

オカシオ=コルテス自身は水曜日、本誌の記事に対して反撃を行った。匿名の民主党所属の連邦下院議員に対して、連邦議員の議席について「壊れた精神」を持っていると非難した。

 

オカシオ=コルテスはツイッター上で、匿名の連邦下院議員の言葉を引用しながら、次のように述べた。「議席を20年も待ち続けている市会議員がいるそうだ。公の議席を、一生懸命人々を組織してその上で獲得するのではなく、列に並んで待つ類のものと考える壊れた精神こそが、有権者が変えたいと望んでいるものそのものだ。有権者とつながっていない政治家が複数いることが明らかになった」。

 

=====

 

民主党の中に予備選挙でオカシオ=コルテスに挑戦するという考えを流布させている人々がいる(Some Dems float idea of primary challenge for Ocasio-Cortez

 

スコット・ワン筆

2019年1月29日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/house/427364-some-dems-float-idea-of-primary-challenge-for-ocasio-cortez

 

アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は、進歩主義者のグループと一緒になって予備選挙で楽に勝ってきた現職の民主党所属の議員たちに脅威を与えているとして、同僚の議員たちから恨まれている。現在、こうした議員たちの中には、攻守所を変えて、ソーシャルメディアを駆使して知名度を高めたオカシオ=コルテスに対抗馬を出すために、候補者をリクルートしている。

 

少なくとも民主党所属の連邦下院議員1名が非公式に、民主党のニューヨーク支部のメンバーに対して、ブロンクスかクイーンズの地元政治家をリクルートして、オカシオ=コルテスに挑戦させるように求めた。

 

その連邦下院議員は匿名を条件に本誌に対して次のように述べた。「私がニューヨーク州の民主党支部に勧めたのは、オカシオ=コルテスに対抗する候補者を見つけ、彼女を一期だけの連邦下院議員にしてしまうということだ。連邦下院議員の議席を20年も待っているニューヨーク市会議員やニューヨーク州議会議員がたくさんいる。彼女の選挙区で議席を得たいという人物はたくさん見つけることが出来るのは確かだ」。

 

民主党のニューヨーク支部は昨年夏からオカシオ=コルテスに対して懐疑の目を向けていた。29歳の民主社会主義者を自認するオカシオ=コルテスは政界に衝撃を与えた。当時の現職ジョセフ・クローリー連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)を予備選挙で破ったのだ。多くの人々はクローリーが容易に勝つ、退屈な予備選挙になるだろうと考えていた。クローリーは、地元クイーンズの有力者で、連邦下院民主党議員連盟の会長で、将来は連邦下院議長になると見られていた。

 

『ポリティコ』誌は、オカシオ=コルテスと彼女と提携する「ジャスティス・デモクラッツ」がニューヨーク州選出の同僚ハキーム・ジェフリーズに予備選挙で対抗馬を立てることを検討中であると報じた。このことについて、ニューヨークを地盤とする政治家たちと連邦議会アフリカ系アメリカ人議員連盟のメンバーたちの多くは、怒りを募らせている。ジェフリーズはアフリカ系アメリカ人議員連盟のメンバーであり、クローリーから民主党連邦議員連盟の会長職を引き継いだ、エスタブリッシュメント派であり、政治のインサイダーである。

 

オカシオ=コルテスとジャスティス・デモクラッツはそのような報道を否定した。しかし、過激な進歩主義者たちのグループであるジャスティス・デモクラッツは、中道派のヘンリー・クエラー連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)をはじめ、複数の選挙区の予備選挙で2020年の選挙で進歩主義派を対抗馬として出すことを検討している。

 

現在、ニューヨーク出身の民主党所属の連邦議員たちは、オカシオ=コルテスと彼女の260万人のフォロワーたちに敵対するような姿勢は取っていない。議員たちは、ニューヨーク民主党では現在のところ、予備選挙でオカシオ=コルテスに対抗馬を出すという考えはないと述べている。

 

グレゴリー・ミークス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)の選挙区にはクイーンズの一部が含まれている。ミークスはあるインタヴューの中で次のように述べている。「私たちは事態がどうなるかを見続けるようにしたい。私はとりあえずアレクサンドリアやジャスティス・デモクラッツが言っていることを信じることにする。疑わしきは被告の有利に、推定無罪という言葉もある。何も分からないままで何かを言うことはできる。そして、実際に当事者たちと話し、何が起きているかを観察し、どのように動いているかを見た後で、物事が違っていれば、何が起きているかを把握することになる」。

 

ミークスはまた次のように述べた。「私がアレクサンドリアと話す時、彼女がニューヨーク民主党の会議に出席する時、彼女は協力的であり、ティームプレイヤーであろうとしている。彼女はいつもそのように語っている。だから、何か事態が変化するまでは、彼女の言葉はそのまま受け取るようにする」。

 

ジェフリーズは連邦下院民主党では序列第四位の幹部であり、将来連邦下院議長になれると評価する人たちもいる。ジェフリーズは、同僚である連邦下院議員は誰も自分にオカシオ=コルテスの対抗馬として出馬するようにと言ってきていないと述べている。48歳になるジェフリーズは、ニューヨーク民主党の幹部たちは1月になって民主党本部の幹部たちを訪問し、オカシオ=コルテスを連邦下院財政委員会、行政監視・改革委員会の委員にするように配慮してくれるようにロビー活動を行った、と述べている。オカシオ=コルテスはこれらの委員会の委員になることを希望していた。

 

ジェフリーズは本紙の取材に対して「オカシオ=コルテスの対抗馬を出すということをニューヨーク民主党は考えてはいないと思う。御覧の通り、私たちはお互いを支えるために団結している。ニューヨークの民主党は団結している」と述べた。ジェフリーズはまた、オカシオ=コルテスが、彼に向けて対抗馬を出すことを支持しているとする報道内容を否定したとも述べた。ジェフリーズは「何か自体が動いているということはない。予備選挙の対抗馬が出ている様子もない。だから、私は彼女が否定したことはその通りなのだと認識している。彼女の言っていることは正確で、何事も起きていないのだ」と述べた。

 

オカシオ=コルテスに対する挑戦者はまだ現れていない。しかし、ニューヨーク政界のインサイダーのある人物は、クイーンズとブロンクスの選挙区は、前職のクローリーと関係の近い、野心的な人々が住んでいると指摘している。こうした人々は政治のアウトサイダーであったオカシオ=コルテスが議席を獲得したことを嫌悪している。

 

この人物は、クローリーのいとこで、元ニューヨーク市議会議員エリザベス・クローリーに言及しながら次のように語った。「アレクサンドリアは多くの人たちをイラつかせている。敵ばかり作っている。彼女に怒りを募らせているのは、ジョセフに近い人たちだ。その中にはクローリーの親族も含まれている。エリザベスは女性で、左派によっている。彼女は興味深い存在だ」。

 

41歳になるエリザベス・クローリーにはコメントを求めたが、返事はなかった。しかし、エリザベスは2021年にクイーンズ行政区区長を狙っていると発言したことがある。エリザベス・クローリーはクイーンズの選挙区内に住んでいる。

 

オカシオ=コルテスは予備選挙で挑戦を受けることについて特に心配していない。彼女は新たに名声を築き上げた。そして、2020年の選挙では有力候補となり、資金集めにも大きな力を発揮することになるだろう。オカシオ=コルテスは2018年に政界に現れた彗星のような存在だ。選挙資金収支報告書によると、彼女は2018年の選挙で200万ドルを集め、40万ドルを手元に残している状態だ。

 

オカシオ=コルテスの報道担当コービン・トレントは、どんな人がオカシオ=コルテスの対抗馬として立候補しても、彼女はそのことについて文句を言うことはないだろうと述べた。

 

コービン・トレントは「予備選挙を行うことは素晴らしい考えだと確信している。予備選挙の洗礼を受けることを不満に思うようなこともない。私たちが予備選挙に反対する立場を取ることはない。予備選挙は党にとって良い制度だ」と述べた。トレントはオカシオ=コルテスの選挙陣営の報道担当を務め、ジャスティス・デモクラッツの創設者の一人である。

 

トレントは続けて次のように述べた。「有権者が自分たちにとってより良い代表者になると感じたら、予備選挙の日にその人物が選ばれることになる。一方、私たちは選挙区民のニーズと希望を代表できるように努力をし続けるだけのことだ」。

 

ジャスティス・デモクラッツの報道担当ワリード・シャヒードは、オカシオ=コルテスに挑戦する人は誰でも惨敗するだろうと予測している。

 

シャヒードは「オカシオ=コルテスは、民主党予備選挙に出馬表明している人たちの中の数名よりも人気があり、知名度もある。そのことを考えると、彼女に挑戦する人は誰であっても大差で敗れることになるだろう。ワシントンDCとウォール街のコンサルタントにとってはコンサルタント料をふんだくるだけの仕事ということになる」と述べた。

 

オカシオ=コルテスに神経を逆なでされているのはアフリカ系アメリカ人議員連盟のメンバーたちだけではない。オカシオ=コルテスの母親はプエルトリコ生まれであるが、ヒスパニック議員連盟のメンバーたちも困惑させている。オカシオ=コルテスは議員連盟のメンバーの一人をターゲットにしている。それがクエラーである。2019年1月初頭、ジャスティス・デモクラッツの広報ヴィデオに報道担当のコービン・トレント、首席スタッフのサイカト・チャクラバーティと共に出演し、連邦議会議員選挙に出馬する進歩主義的な考えを持つ人を勧めるプログラムを宣伝した。

 

ジャスティス・デモクラッツは予備選挙でクエラーの対抗馬となる進歩主義者を探している。ヒスパニック議員連盟のメンバーたちはこうした試みを不快に思っている。しかし、1月になってヒスパニック議員連盟に参加したばかりのオカシオ=コルテスとやり取りをする前なので、静観の姿勢を取っている。

 

ヒスパニック議員連盟の幹事長を務めた中道派のピート・アグリア連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は次のように述べた。「私たちは私たちのメンバーを守るだろうし、自分たち自身を守る。それ以上でも以下でもない。共和党から民主党へと議席が変わる可能性が高い選挙区が多くある。私たちはそこに力と資源を注ぎたいと思っている」。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 2018年12月22日から続いていた政府機能一部閉鎖(機能の約4分の1、連邦職員80万人に影響)は、2019年1月25日にドナルド・トランプ大統領と連邦議会が2月15日までのつなぎ予算成立で合意し、機能再開となりました。トランプ大統領の敗北、という報道もなされましたが、トランプ大統領は壁建設を断念しておらず、一時休戦というところでしょう。

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 政府機能一部閉鎖中のトランプ大統領への支持率は45%で、大きな変化はありませんでした。それよりは、連邦上院多数党院内総務ミッチ・マコーネル連邦上院議員(ケンタッキー州選出、共和党)に対する支持率が25%にまで落ちました。これは民主党が過半数を握っている連邦下院で可決された予算案を採決することを阻害したことが理由として挙げられます。

 

 こうした中、2020年の米大統領選挙に関する世論調査も実施され、トランプ再選支持が36%、民主党候補者支持が43%という結果が出ました。民主党では既に多くの人物が大統領選挙予備選挙への立候補を表明し、これから大物たちが更に立候補表明をするものと見られています。民主党で誰が最終的に本選挙の立候補者となるか、誰を副大統領候補に選ぶかで、この数字は変わっていくでしょう。

 

 トランプ大統領が就任して2年、最初は100日も持たない、1年は持たないと言われ続けながら、持ちこたえました。マスコミの低評価、批判から考えると、45%という支持率は高いと言えます。

 

 アメリカ政治は既成政党やイデオロギーによってある程度きれいに勢力分けがしにくい状況になっています。ポピュリズム(既存の政治勢力や政府自体に、自分たちの考えや要望に沿った政策を実行していないと不満を持ち、人々が怒りだし、自分たちの代表だと考える人を政治家として送り込む現象)が右派にも左派にも新しい政治家を生み出しています。それが、トランプ大統領であり、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)です。

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この2人がニューヨーク市で生まれ育ち、生活していた、しかし、それは全く別の生活、大富豪の生活と貧困層の生活をし、そこから、政治家として選ばれて、ワシントンにやってきたということは、アメリカ政治の変化を象徴していると言えます。

 

(貼り付けはじめ)

 

世論調査の結果では、36%がトランプ大統領の再選を支持し、43%が民主党の候補者を支持(Poll shows 36 percent support Trump's reelection, 43 percent prefer generic Democrat

 

リサ・ヘイゲン筆

2019年1月22日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/426495-poll-shows-36-percent-support-trumps-reelection-43-percent-would-vote-for

 

ハーヴァードCAPS・ハリス社共同世論調査によると、2020年の米大統領選挙でトランプ大統領に投票するだろうと答えたのは有権者のわずか3分の1にとどまったという結果が出た、木曜日、本誌が独占してこの結果を公表した。

 

2020年の大統領選挙ではトランプ大統領を支持すると答えたのは36%で、そのうちの25%は絶対に投票すると答えた。一方、43%は誰とは決まっていないが民主党の候補者に投票すると答えた。

 

有権者の10%は無所属かその他の候補者に投票するだろうと答え、11%が2020年の選挙まで1年半以上も前の段階では決めていないと答えた。

 

一方、トランプ大統領の支持率は、アメリカ史上最長の政府機能閉鎖の間も変化がなかった。45%が大統領の仕事を支持し、55%が不支持であった。

 

しかし、トランプ大統領は好き嫌いというハードルに直面している。有権者の29%がトランプ大統領のことを好きだと答え、58%が嫌いだと答えた。

 

ハーヴァードCAPS・ハリス社世論調査の共同責任者マーク・ペンは「トランプ大統領の再選に向けた数字は低いままだが、彼はまだ特定の候補者と対峙するという状況にはなっていない」と述べた。

 

ペンは「トランプ大統領の経済政策と反テロリズム政策に対しては広範な支持が存在するが、それでも有権者の多くは彼に代わる人として誰がふさわしいかについて、様々な人物を検討している」と述べた。

 

更に多くの人物が民主党の予備選挙に出馬しようとしている。その中には、ジョー・バイデン前副大統領もおり、24%の支持を得ている。

 

2016年の民主党候補者となったヒラリー・クリントンの名前が除外された場合、バイデンの支持率は23%であった。

 

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)は二位を保っている。ビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)は三位となっている。しかし、ヒラリー・クリントンが入ると四位に落ちてしまう。オロークの支持率は8%である。

 

バイデン、サンダース、オロークは全員大統領選挙出馬を考慮中であり、これから数週間のうちに決断すると見られている。

 

エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)、キリステン・ギリブランド連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は大統領選挙出馬を表明した。しかし、今回の世論調査が実施された段階では、ハリスは正式に出馬表明をしていなかった。

 

ヒラリー・クリントンの名前が入らない場合、ハリスはオロークとは僅差の7%の支持を得ている。ウォーレンとギリブランドは5%以下の支持に留まっている。

 

トゥルシー・ギャバード連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)と前住宅・都市開発長官フリアン・カストロはそれぞれ2%、1%の支持を獲得している。

 

ハーヴァードCAPS・ハリス社オンライン調査は登録済有権者1540名に2019年1月15日から16日にかけて実施された。

 

ハーヴァードCAPS・ハリス社の世論調査は、ハーヴァード大学アメリカ政治研究センター(CAPS)とハリス社の共同の世論調査である。本誌は2019年を通じてハーヴァード大学・ハリス社世論調査と協力する予定となっている。

 

世論調査の全結果は今週後半にインターネット上に公開される予定だ。ハーヴァードCAPS・ハリス社世論調査は、「ハリス・パネル」から人口比に基づいて抽出された人々を対象に実施された。インターネット上で抽出されるサンプルとして、今回のサンプルは信頼区間については何も報告されていない。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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