古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:アンソニー・ウェイナー

 古村治彦です。

 

 ヒラリーのEメール問題が急展開し、選挙戦が混戦になりつつあります。ヒラリーは支持率を落とし、トランプが支持率を上昇させている展開です。

 

 民主党側では、FBIに対して、「そのようにもったいぶらないで、問題のEメールを公開してすべきだ」と主張しています。これは、ヒラリーのEメールではなく、フーマ・アベディンのEメールが問題なのであり、ヒラリーは無関係、逮捕されるとすれば、アベディンだという恐るべき「トカゲの尻尾切り」ということになります。

 

 そうした中で、冷静なのはジョー・バイデン副大統領です。バイデンは、昨年後半、民主党予備選挙に出馬するかどうかを検討し、結局取り止めましたが、もし出ていれば、ヒラリーの予備選挙の勝利はなかったでしょう。私もバイデンが出ればよいのにと思っていました。バイデンが出ていれば、トランプを応援することもありませんでした。

 

 バイデンはさすがに向きになって慌てるそぶりも見せずに、冷静に対応しています。それどころか、ヒラリーとヒラリー陣営を突き離している感じさえします。コミーFBI長官は誠実な人物(共和党だけど、だからと言って仕事をするのに党派の影響はない)だとし、ウェイナーについては否定的な見解を述べ、更に、Eメールの公開もできるだけ早くやるように求めるという感じです。

 

 ヒラリー陣営は、大統領当選の暁には、バイデンを国務長官に起用しようと考えているようですが、バイデンはそれを望まないと発言しました。バイデンとヒラリーでは外交に関する考えが全く違うのですから、取り込まれて国務長官になってしまえば、苦しい立場に追い込まれてしまい、自分の考えを捨てねばならないことにもなりかねません。

 

 下の記事を見ていると、バイデンはヒラリーを突き離している、そのように感じられます。

 

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バイデン:私はアンソニー・ウェイナーを「大好きという訳ではない」(Biden: I'm 'not a big fan' of Anthony Weiner

 

ポウリナ・フィロジ筆

2016年10月28日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/303419-joe-biden-im-not-a-big-fan-of-anthony-weiner

 

ジョー・バイデン副大統領は、民主党所属の元連邦下院議員アンソニー・ウェイナーについて、「私は彼が大好きという訳ではない」と述べた。

 

土曜日にCNNで放映されたインタヴューの中で、バイデンは、ヒラリー・クリントンの私的Eメールサーヴァーの捜査に影響を与える可能性があるFBIが発表した新たに発見されたEメールについて質問された。

 

バイデンは、「私はそれらのEメールがどこから見つかったのか分からないのです」と答えた。

 

「アンソニー・ウェイナーからであることは明白です」とCNNのマイケル・スマーコニッシュと語った。

 

バイデンは、「おや、アンソニー・ウェイナーですか。私はアンソニー・ウェイナーについてコメントしません。私は彼が大好きという訳ではありません。彼がトラブルを起こす前、彼について知りませんでした。だから、私はアンソニー・ウェイナーについてコメントしません」と述べた。

 

金曜日にヒラリーに対する捜査が新たに始まるというニュースが出た後、『ニューヨーク・タイムズ』紙がウェイナーの性的なメッセージに関するスキャンダルについての全く別の捜査を通じて、ヒラリーのEメール捜査に関連するEメールを発見したと報じた。

 

ウェイナーは2011年に不名誉な行いで連邦下院議員を辞職した。彼は、ソーシャルメディアを通じて複数の女性に性器が写った写真を送った。

 

ウェイナーは最近になって、ヒラリーの側近中の側近である妻フーマ・アベディンと別居した。彼が別の性的な写真を送ったというスキャンダルが起きた後、2人は別居を決めた。

 

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バイデン:コミーは「厳しいが誠実な人物」(Biden: Comey is ‘tough’ but ‘straight’

 

マローリー・シェルボウナー筆

2016年10月29日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/303425-biden-comey-is-tough-but-straight

 

土曜日、ジョー・バイデン副大統領は、FBI長官のジェイムズ・コミーは、ヒラリー・クリントンに対して公正な怠惰を態度であろうと確信していると述べた。バイデンは、コミーを「厳しいが誠実な人物」と語った。

 

金曜日、コミーは連邦議会に書簡を送り、FBIがヒラリーの私的なEメールサーヴァー使用の捜査に関連する新たなEメールを発見したと報告した。

 

バイデンは、CNNのマイケル・スマーコニッシュに対して、コミーが不公正なことをすることはないと語り、その点は全く心配していないと述べた。

 

バイデンは「私は彼が誠実な人物であることをよく知っています。彼は共和党員ですが、職務に対しては常に誠実で党派に左右されることはありません。私は彼の誠実さで状況が良くなるであろうと確信しています」と述べた。

 

バイデンは、コミーFBI長官に対して、Eメールを公開するように促した。

 

バイデンは「FBIEメールを公開して人々がそれを見るのが早ければ早いほど、上京はより良くなると思います」と語った。

 

ヒラリーとヒラリー選対は、コミーに対して、有権者に対して新しい捜査について完全な透明性を確保するように求めている。

 

バイデンは、コミーの書簡が存在するとあらかじめ知らなかったのだと語った。

 

バイデンは「私はコメントすることを許されていません。私はコミーの書簡について何も知らないのです。今日になって初めて知ったんですから」と語った。

 

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バイデンがクリントン政権に参加することに関心を持っていないと語る(Biden says he's not interested in serving in Clinton administration

 

2016年10月28日

ロイター通信

http://www.reuters.com/article/us-election-biden-idUSKCN12S2MS

 

ジョー・バイデン副大統領は金曜日、ヒラリー・クリントンが大統領に選ばれた場合に、彼女の政権に参加することについて関心を持っていないと語った。

 

バイデンはミネソタ州デュラスで、NBC系列のテレビ局のインタヴューに答え、その中で「ヒラリーが大統領に選ばれた場合に、彼女を手助けするために私は何でもするつもりですが、政権内に留まることは望みません」と語った。

 

木曜日、『ポリティコ』誌は、ヒラリー選対が11月8日の選挙で勝利した場合に、バイデンを国務長官に起用することを検討していると報じた。

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ヒラリー・クリントンの国務著刊候補のトップにバイデンの名前(Report: Biden on top of Clinton's short list for secretary of State

 

ハーパー・ニーディグ筆

2016年10月27日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/hillary-clinton-joe-biden-secretary-of-state

 

ヒラリー・クリントンは選挙に当選した場合に、ジョー・バイデン副大統領を国務長官に指名することを考慮している、と『ポリティコ』誌が報じた。

 

ヒラリーの政権移行ティームの近いある人物は、ポリティコ誌に対して「バイデンは素晴らしい候補になりますね。彼らは選挙に通った場合に、彼を説得するための最高の方法を考えるために時間をかけていますね」と語った。

 

この人物は、バイデンにはまだこの話は知らされていないと語った。

 

2009年に副大統領に就任する前、バイデンは36年にわたり連邦議員を務め、連邦議員の任期が終わるまで、複数回にわたり、連邦上院外交委員会の委員長を務めた。

 

バイデンとヒラリーは、ヒラリーの国務長官在任中に外交政策に絡んで衝突したと報じられた。ヒラリーは介入主義的な方策を主張し、一方バイデンは国際問題に関して、現実主義的な、アメリカが介入しない方策を主張した。

 

昨年、バイデンは民主党の大統領選挙予備選挙への出馬を考慮したことがあった。この時、ヒラリーの私的なEメールサーヴァー使用に関しての騒ぎは既に起きていた。しかし、結局、バイデンは出馬しないという決定を下した。

 

その他に名前が挙がっているのは次のような人々であった。元国務次官ウェンデイ・シャーマン、元国務副長官ビリー・バーンズ、ジョージ・W・ブッシュ政権の国務次官であったニック・バーンズ、クリントン政権の国務副長官カート・キャンベル、ヒラリーが副大統領候補として考えたと報道された元海軍提督のジェイムズ・スタヴリディアスといった人々の名前が挙がっている。

  

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(終わり)







 
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 古村治彦です。

 

 ヒラリーのEメール問題ですが、FBIの捜査官たちの執念が実ったということが言えるように思います。今年の7月にジェイムズ・コミーFBI長官が刑事訴追をしないように司法省に勧告しましたが、このことで現場の捜査官たちは怒り狂ったということです。

 

 そして、今回、ヒラリーの側近フーマ・アベディンの別居中の夫アンソニー・ウェイナー元連邦下院議員の性的なメッセージを未成年に送ったという容疑の捜査の過程で、ウェイナーのノートパソコンが押収され、残っていた65万通のEメールが捜査の対象となり、その中から機密情報が含まれるEメールが見つかったということがこれまでの状況です。

 

 今回の事件の進展は、ヒラリーEメール問題で悔しさを味わった捜査官たちの執念が実った、古い言葉で言いますと、「天網恢恢、疎にして漏らさず」ということになるかと思います。

 

 そして、ウェイナーというダメ男が最後の最後でヒラリーに仇をなしたということになります。禍福はあざなえる縄のごとし、盛者必衰会者定離、と公団のように言いたくなります。

 

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FBI捜査官たちはコミーの発表の数週間前にEメールの存在を認識(FBI agents knew of emails weeks before Comey did: report

 

レベッカ・サヴランスキー筆

2016年10月30日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/303502-fbi-agents-knew-of-emails-weeks-before-comey-did-report

 

FBI捜査官たちは、ヒラリー・クリントンの私的なEメールサーヴァー使用に関する捜査に「関連する」と発表されたEメールの存在を今月の初めに認識していたが、先週までジェイムズ・コミーFBI長官に報告していなかったという話が出ている。

 

『ワシントン・ポスト』紙は、コミーは先週の木曜日に新たなEメールの存在を教えらえた、と報じている。

 

投開票日まで2週間を切った先週金曜日、コミーは連邦議会に書簡を送り、クリントン元国務長官の捜査に「関係する」Eメールが発見され、FBIはこれらのEメールを調査すると報告した。

 

コミーFBI長官は、捜査ティームが「新たに発見したEメールを捜査官たちが調査できるようにするために適切な捜査手順を踏む」ことになると述べた。

 

ワシントン・ポスト紙によると、FBI捜査官たちは10月の初めに新しいEメールを発見したが、それをコミー長官に報告するのに数週間待った理由は明確になっていないということだ。新しいEメールは、別の事件の捜査の過程で押収したコンピューターから発見された。

 

アンソニー・ウェイナー元連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)が15歳の女性とインターネット上で性的な関係を結んだという容疑で捜査されている過程で、Eメールが発見された。ウェイナーは、ヒラリーの長年の側近フーマ・アベディンの配偶者であるが現在は別居中だ。

 

金曜日に連邦議会に送った書簡の中で、コミーは「発見した新たなEメールの重要性」についてFBIは分かっていないと書いている。ヤフー・ニュースは土曜日、FBIは新たに押収したEメールを調査する権限を認められていないと報じた。

 

金曜日に書簡の存在が報じられて以降、民主党はFBIに対して、Eメールに含まれている情報をもっと出すように求め、また、それらが重要なものかどうかを明確にするように求めている。

 

2016年7月、コミー」FBI長官は、ヒラリーの国務長官在任中の私的Eメールサーヴァー使用を刑事訴追しないように勧告したと発表した。

 

共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプはこの状況を「ウォーター事件以来最大のスキャンダル」と呼んだ。

 

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FBIはウェイナーのノートパソコンに残っていた65万通のEメールを調査(FBI to review 650,000 emails on Weiner's laptop: report

 

ジェシー・ヘルマン筆

2016年10月30日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/303510-fbi-to-review-650000-emails-on-weiners-laptop-report

 

『ウォールストリート・ジャーナル』紙の報道によると、FBIは、ヒラリー・クリントンの私的Eメールサーヴァーの事件に関連する証拠を見つけるために、アンソニー・ウェイナー元連邦下院議員のノートパソコンに残っていた65万通のEメールを調査することになる、ということだ。

 

ウェイナーのノートパソコンに残っていた65万通のEメールという巨大データの中に、ヒラリーが国務長官在任中に彼女の私的なEメールサーヴァーを通じて、やり取りされたEメールが数千通も含まれている可能性がある。

 

ヒラリーのEメール事件の捜査には裁判所の命令が必要であった。なぜなら、今回見つかったEメールは、ウェイナーに対する全く別の事件の捜査の過程で見つかったものだからだ。ウェイナーはヒラリーの側近中の側近フーマ・アベディンの配偶者であるが、現在は別居中だ。

 

日曜日のウォールストリート・ジャーナル紙の報道では、裁判所の命令が遅れて出た、ということで、遅滞の理由は明らかにされていない。

 

ウォールストリート・ジャーナル紙は以下のように報じている。ウェイナーのEメールの調査には最低でも数週間は必要となると見込まれている。調査の結果によって、アベディンと国務省との間でやり取りされた業務に関連するEメールであるかどうかが決定される。また、ウェイナーのEメールのうち、どれくらいの数のEメールがヒラリーのEメール問題の過程で既にFBIによって調査されたもののコピーであるか、またどれくらいのEメールに機密情報が含まれているかが明らかにされる。

 

ジェイムズ・コミーFBI長官は金曜日、連邦議会に書簡を送り、新たなEメールの発見を報告した。これを受けて、共和党と共和党の候補者ドナルド・トランプは怒り狂っている。

 

ヒラリー選対は、投開票日まで2週間を切った段階での発表というタイミングについて疑念を呈している。そして、日曜日、コミーに対してもっと情報を出すように求め、Eメール問題についてのヒラリー側からの疑問を列挙する映像の放映を始めている。

 

ヒラリー選対のマスコミ担当ブライアン・ファロンは日曜日、ウォールストリート・ジャーナル紙の記事についてツイッター上で反応した。

 

ファロンは、「これらはFBIからの誤ったリークであって、恥ずべき行為だ」とツイートした。

 

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 古村治彦です。

 

 ヒラリーのEメール問題で新たなEメール発見というFBIの発表はアメリカ政界に激震させました。「このまま何もなければヒラリー勝利(私もそう思っていました)」という雰囲気が一変しました。まさにオクトーバー・サプライズです。

 

 複数の報道によると、今回の発表に関して、司法省のロレッタ・リンチ長官は、ジェイムズ・コミーFBI長官に対して、発表を控えるようにと助言したということです。しかし、コミー長官は連邦議会に対して、報告の書簡を送り、その書簡がメディアによってすっぱ抜かれた形になりました。

 

 共和党側や保守系のグループはこのタイミングに便乗してヒラリー側への批判を強めています。トランプ支持を撤回もしくは表明しない共和党議員たちもこの発表に関しては、一致団結してヒラリーを攻撃できるということで、ありがたがっているでしょう。しかも、Eメールが見つかったのが、わいせつな事件を立て続けに起こしたアンソニー・ウェイナー元連邦下院議員(ヒラリーの側近フーマ・アベディンの別居中の夫)のパソコンからということで、これもまた攻撃し甲斐があるポイントです。

 

 しかし、コミー長官の連邦議会への書簡の内容は曖昧過ぎて、内容がよく分かりません。機密情報を含むと思われるEメールが、全く別の事件の証拠物から発見されたということですが、それがどのように事件化されていくのかは分かりません。FBIは今年7月にヒラリーのEメール問題について、「機密情報の取り扱いについてきわめて杜撰で注意不足であったが意図的に間違った取扱いをしたという証拠がなかった」として司法省に対して、ヒラリーの刑事訴追を行わないように勧告し、ヒラリーのEメール問題は事件化しませんでした。これが再び事件化されるのか、それともウェイナー・アベディン事件として、この2人を中心として、最悪この2人の逮捕まで行く形で事件化するのかは分かりません。

 

 しかし、選挙の最後の最後、マラソンで言えばトラック勝負の残り100メートルで、ヒラリーはつまずく形になりました。トランプは元気に追い上げています。ゲティスバーグでの政策演説で、彼は「変化をもたらす候補者」であるとアピールすることに成功し、支持率を回復させていっている途上で、ヒラリーが転んだのです。

 

 繰り返しになりますが、私は、今回の大統領選挙はヒラリーの支持率の急落の可能性も含めて、五分五分の勝負、トランプにしてみれば、土壇場で逆転ホームランが出た分、トランプに有利になったのではないかと考えています。

 

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オクトーバー・サプライズ:FBIはヒラリー私的Eメールサーヴァー事件に関して新たなEメールの調査を開始(October surprise: FBI reviewing new emails in Clinton server case

 

ケイティ・ボー・ウィリアムズ筆

2016年10月28日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/national-security/303300-fbi-reopening-clinton-email-investigation

 

金曜日、FBIは、ヒラリー・クリントンの私的Eメールサーヴァー使用に関する捜査に「関連する」新たなEメールを分析評価していると発表した。この発表は大統領選挙の投開票日まで1週間以上前に起きた驚くべきそして予測不可能な動きとなった。

 

連邦議会に送られた書簡の中で、FBI長官ジェイムズ・コミーは、FBIは「捜査に関連することが明らかな」新たなEメールが存在することを発見したと述べた。このEメールは、「無関係な事件の関連で」発見されたとコミーは書いているが、それ以上の説明をしていない。

 

法執行機関FBIの幹部職員たちは、『ニューヨーク・タイムズ』紙に対して、次のように語った。「FBIがヒラリー・クリントンの側近フーマ・アベディンと別居中の配偶者アンソニー・ウェイナーが所有しているコンピューターを押収し、それからEメールが発見された。ウェイナーは現在、未成年の女性に対してわいせつな内容のメッセージを送った容疑で捜査を受けている」。

 

FBIの捜査ティームからの情報提供を受けた後、コミーは、「Eメールが機密情報を含んでいるのかどうかを決定し、我々の捜査にとっての重要性を評価するために、FBIが適切な操作手順を踏むことに同意」した。

 

コミーは、新しいEメールが「重要」であるかどうかをFBIが分析するのにどれくらいの期間が必要かを予測することはできないと述べた。これは、捜査が11月8日の投開票までヒラリーの頭の中を占めることになることを意味する。

 

FBIの驚くべき発表は大統領選挙に影響を与えた。ヒラリーの私的なEメールシステムを政府の業務のために使った問題を選挙の投開票日11日前に政治のスポットライトの前に引きずり出すことになった。

 

共和党の大統領選挙候補者ドナルド・トランプは、私的Eメールサーヴァー使用に関して、ヒラリーを非難してきた。トランプはこの問題を取り上げて、「彼女は大統領に不適格だ」と主張してきた。トランプは、金曜日午後の選挙集会でFBIの決定を取り上げた。彼は世論調査で再び盛り返そうとしている。

 

トランプはニューハンプシャー州マンチェスターで開いた選挙集会で「ヒラリー・クリントンの腐敗は私たちがこれまで見たことがないほどに大規模だ」と語った。数千の参加者たちは「彼女を逮捕せよ(ロック・ハー・アップ)」と叫んだ。

 

トランプは続けて次のように語った。「私たちはヒラリーが大統領執務室に犯罪行為を持ち込むことを許してはならない。私はFBIと司法省に対して心からの敬意を表する。彼らは自分たちが犯した大きな過ちを正そうとする勇気を持っている」。

 

共和党とヒラリーに対する批判者たちは今回の発表のタイミングに便乗した。今回の発表は、「FBIは、ヒラリーとヒラリーの側近たちが罪を犯したことを示す重要な証拠を見つけた」ことを示しているのだと人々は考えている。

 

連邦下院法務委員会ボブ・グッドラテ委員長(ヴァージニア州選出、共和党)は声明の中で次のように述べている。「FBIがクリントン元国務長官に対する捜査を再開するという決定を下した。このことは、連邦下院法務委員会がここ数カ月主張してきたことを強化するものだ。私たちの主張は、クリントン元国務長官の私的Eメールサーヴァー使用について知れば知るほど、彼女と彼女の側近たちが間違った行動をし、国家安全保障を危機に晒してきたのは明白になっていく、というものだ」。

 

リバータリアン党の大統領選挙候補者ゲーリー・ジョンソンはCNNに対して、「何か重要なことがあるのだろう」と述べた。

 

連邦下院議長ポール・ライアン(ウィスコンシン州選出、共和党)は声明の中で、ヒラリー・クリントンは大統領選挙候補者に対して行われる国家機密情報の伝達から除外されるべきだと述べた。

 

ライアンは声明の中で次のように述べた。「繰り返しになるが、ヒラリー・クリントンは、誰でもない、彼女自身をこそ非難すべきだ。彼女は信頼を受けて我が国の最重要の機密を任されていた。彼女は高度の機密情報を不注意に間違って取り扱うことでこの信頼を裏切った」。

 

ライアンは続けて次のように述べた。「今回の決定は長年待ち望まれたものである。そして、これは、クリントン前国務長官の乱脈な私的なEメールサーヴァー使用と連邦捜査官に対する更なる協力の口説が招いた結果である。私は、今回の問題が完全に解決されるまで、クリントン前国務長官に対しての全ての機密情報伝達を停止するように国家情報局長官に再び求めるものである」。

 

しかしながら、金曜日のコミーの書簡では回答が与えられていない点も多い。その中でもとくに重要なのは、誰がEメールを送ったかという疑問だ。

 

法執行機関FBIのある幹部職員は、NBCニュースに対して、連邦議会に送られた書簡は、「詳細が書かれないよう用心深く」書かれていると述べている。

 

今回の発表のタイミングに疑義を呈したり、FBIは有権者に対してより完全な説明を行うように求めたりしている人々もいる。

 

オハイオ州知事ジョン・ケーシック(共和党)の大統領選挙の選対に参加したジョン・ウィ―ヴァーはツイッター上で次のように書いている。「コミー長官はより完全な説明をする必要がある。これは新たに発見されたEメールを調査分析しているというものなのか?それとも捜査再開ということなのか?問題が多過ぎてよく分からない」。

 

2016年7月、FBIはクリントン前国務長官が私的なEメールサーヴァーを通じて機密情報を誤って取り扱っていたのかという問題に関する1年に及ぶ捜査を終了したと発表した。この捜査は行政的な観点から正式には終了してはいなかった。

 

この時、コミーはヒラリーを「過度の注意不足」と激しく批判したが、司法省に対して刑事訴追をしないように勧告した。これによって、ヒラリーは訴追されるべきだと主張していた共和党側は激怒した。

 

コミーFBI長官は、繰り返し、ヒラリーの私的なサーヴァー使用は刑事事件に相当しないと述べた。その理由として、捜査官たちは、ヒラリーが機密情報について意図的に間違った取扱いをしていたことを証明する証拠を集められなかったことを挙げている。それでもヒラリーに対する捜査で、機密と付いた情報がヒラリーのサーヴァーを通過していたことは明らかにされた。

 

ヒラリーは、私的Eメールサーヴァー使用について謝罪し、「間違い」であったと述べた。

 

FBIの捜査は、連邦議員たち、トランプと保守系の諸グループからの厳しい精査の下にある。これらの人々や団体は、ヒラリーがオバマ政権下の司法省から有利になる取り扱いを受けたと確信している。

 

ヒラリーの私的Eメール使用事件に関連して数百ページの文書がFBIによって公開された。その中には、捜査官による聴取の公的な記録(要約)が含まれていた。また、国務省は現在、捜査期間中に発見された大量のEメールを公開しつつある。

 

ヒラリーを刑事告訴しないという司法省の決定に対する批判者たちは、これらの文書が次々と明らかにされることを受けて、「こうしたことは捜査が間違っていたことを示す」証拠だと主張してきた。

 

金曜日の早朝、保守系の監視団体ジュディシャル・ウォッチはFBIに対して裁判を起こしたことを発表した。ジュディシャル・ウォッチは、FBIは「腐敗の雰囲気」に満ちていると主張し、FBIの捜査に関連する記録の公開を求めている。

 

コミーは捜査結果の正しさについて弁明を行った。

 

2016年9月の連邦下院法務委員会の公聴会でコミーは次のように述べた。「私たちが間違っていると仰ることは理解できます。しかし、卑怯者だと呼ばれるのは心外です。私たちは誠実に職務を遂行しています。捜査の結果に同意されるかどうかは別として、私たちは皆さんが望まれる形で捜査を行っています」。

 

金曜日、コミーの書簡の存在を最初に報道したのはNBCニュースだ。

 

コミーの書簡の全文は以下の通り。

 

「以前の連邦議会での証言の中で、私は、連邦捜査局(FBI)はクリントン前国務長官の私的なEメールサーヴァーの捜査は終了したと述べた。私は前回の議会証言に補足したいことがあり本書簡を書く。

 

クリントン前国務長官とは関係のない事件に関連して、FBIは、クリントン前国務長官の事件と明らかに該当するEメールが存在することを発見した。捜査ティームがこのことを私に報告したのは昨日であったことを表明する。そして、FBIが捜査官たちに対して、発見されたEメールの中に機密情報が含まれているのかどうかを検証し、捜査にとっての重要性を評価することが出来るように適切な捜査手順を踏むことに同意する。

 

現在のところ、FBIは今回発見された材料が重要なのかどうかを評価できない。また、私は追加的な捜査がいつまで続くものかを予測することはできない。以前の私の証言を考慮して、FBIの捜査について貴委員会に最新情報を提供することが重要だと確信している」。

 

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●「FBI、クリントン氏メール問題の調査再開 選挙戦に打撃」

 

AFP=時事 10/29() 3:56配信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161029-00000000-jij_afp-int

 

AFP=時事】(更新)米大統領選の民主党候補ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏が国務長官時代に私用電子メールサーバーを使っていた問題で、連邦捜査局(FBI)は28日、「関連すると思われる」新たなメールが見つかったことを受け、調査を再開したことを明らかにした。選挙戦をリードする同氏への大きな打撃となる。

 

 FBIのジェームズ・コミー(James Comey)長官は上下両院の各委員会委員長に宛てた書簡で、一連の新たなメールに機密情報が含まれていたかを判断する「適切な調査」をFBIが行うと説明。さらに、これらのメールが「調査に対して持つ重要性を評価」する意向を示した。

 

 FBIは以前にもクリントン氏の私用メール問題を調査していたが、今年7月、違法行為の証拠はないとして、調査の終了を発表していた。コミー長官は新たなメールについて、前回の調査とは「無関係の事案と関連して」見つかったと説明している。

 

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)によると、新たなメールの存在は、クリントン氏の側近であるフーマ・アベディン(Huma Abedin)氏とその夫のアンソニー・ウィーナー(Anthony Weiner)元下院議員が所有していた電子機器が押収されたことにより明らかになった。

 

 民主党所属のウィーナー氏は、インターネット上で女性とみだらな写真を交換していた事実が発覚したことにより下院議員を辞職。現在、15歳の少女と性的なメッセージを交わした疑いで、FBIの捜査対象となっている。

 

 大統領選をクリントン氏と争う共和党候補のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は今回の発表にすぐさま反応。ニューハンプシャー(New Hampshire)州マンチェスター(Manchester)で開いた集会での演説で、国務長官在任中に私用メールサーバーを使用したクリントン氏には大統領の資格はないと批判した。

 

 一方、クリントン陣営の選対部長を務めているジョン・ポデスタ(John Podesta)氏は、コミー長官の書簡に激しく反発し、調査に関する詳細な情報の公表を要求した。【翻訳編集】 AFPBB News

 

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 古村治彦です。

 

 オクトーバー・サプライズが起きました。しかも全く予測できなかったところから。ここ最近、「アメリカ大統領選挙の結果はもう決まったなぁ」と思い、日本政治の方に関心を持っていたのですが、今週末に大変なことが起きました。

 

 FBIが、ヒラリー・クリントンのEメール問題に関連する可能性がある新たなEメールを発見したと発表しました。大統領選挙投開票日まで残り10日余りの段階で、このような発表をするのは、よほどの自信、確信がなければできないことです。大した内容でなければFBIの政治介入ということになって、長官以下、幹部職員から関わった捜査官まで全員処分の対象になります。更迭、粛清ということになります。

 

 見つかったEメールに、機密情報が含まれている可能性があり(とFBIが述べていますが、こういう発表をしたのですから、含まれているということでしょう)、それを慎重に調査分析するということをFBIのジェイムズ・コミー長官は連邦議会に報告しました。

 

 この新たなEメールが見つかったのは、ヒラリーとは無関係(でもないとも言えます)のアンソニー・ウェイナー元連邦下院議員の事件の捜査の過程です。ウェイナーは、ヒラリーの側近中の側近、2人目の娘とまで呼ばれるフーマ・アベディンの夫(別居中)です。ウェイナーは連邦下院議員をしていたのですが、わいせつな内容のメッセージ(自分の性器の写真)を複数の女性に送ったことが明らかになり、議員辞職をしました。これは呆れた出来事ですが、犯罪ではありません(相手が嫌だと言うのに無理やり送ったら犯罪ですが)。

 

 現在ウェイナーが捜査を受けているのは、15歳の女性にわいせつなメッセージを送ったという容疑です。これもまた自分の性器を写した写真を送ったというものです。よほど自分の性器に自信があるのか、露出狂なのかと呆れてしまいますが、今回は、未成年の女性との性的な関係ということで犯罪となります。また、ウェイナーにはアベディンとの間に設けた息子(まだ幼児です)がいるのですが、送った写真の中に彼の幼い息子さんが写りこんでおり、それが幼児虐待に相当するということにもなっています。

 

 別件で色々と調べていたら、ヒラリー関連のEメールが出てきちゃった、瓢箪から駒、ということのようですが、FBIの現場捜査官たちは、狙ってやったんだろうと思います。大手門から攻めようとして失敗(7月に刑事訴追に相当せずという判断が下った)、ということなので、搦め手から攻めたらうまくいったということだと思います。

 

 今回のことで、ヒラリーのEメール問題が最後の最後で再び中心的な話題となります。これからの1週間、ヒラリーのEメール問題は蒸し返され、ヒラリーの支持率はこれまでも下がってきましたが(このブログで既にお知らせしています)、更に下がっていくでしょう。

 

私は、今回の大統領選挙はヒラリーの支持率の急落の可能性も含めて、五分五分の勝負、トランプにしてみれば、土壇場で逆転ホームランが出た分、トランプに有利になったのではないかと考えています。

 

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ウェイナーに対する捜査の中で、新たなクリントンEメールが発見された(New Clinton emails discovered in Weiner investigation: report

 

ケイティ・ボー・ウィリアムズ筆

2016年10月28日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/national-security/303333-new-clinton-emails-discovered-in-weiner-investigation-report

 

FBIが発見した新たなEメールは、ヒラリー・クリントンの私的Eメールサーヴァー使用の捜査に「関連している」可能性があるとFBIは発表した。『ニューヨーク・タイムズ』紙が報道したところによると、新たなEメールは、ヒラリーの長年の側近フーマ・アベディンと彼女の別居中の配偶者アンソニー・ウェイナー所有のコンピュータをFBIが押収して、それから発見された、ということだ。

 

元連邦下院議員アンソニー・ウェイナーは現在、未成年の女性との間で性的な関係を持ったという容疑で捜査を受けている。

 

先月、『ザ・デイリー・メール』紙は、ウェイナーからひわいなメッセージを送られたと主張する15歳の女性インタヴューを掲載した。

 

ウェイナーは、ひわいなメッセージを複数の女性に送ったことが明らかになった後、2011年に連邦下院議員を辞職した。

 

連邦議会に送られた書簡の中で、FBI長官ジェイムズ・コミーは、FBIは「捜査に関連することが明らかな」新たなEメールが存在することを発見したと述べた。このEメールは、「無関係な事件の関連で」発見されたとコミーは書いているが、それ以上の説明をしていない。

 

FBIの捜査ティームからの情報提供を受けた後、コミーは、「Eメールが機密情報を含んでいるのかどうかを決定し、我々の捜査にとっての重要性を評価するために、FBIが適切な操作手順を踏むことに同意」した。

 

コミーは、新しいEメールが「重要」であるかどうかをFBIが分析するのにどれくらいの期間が必要かを予測することはできないと述べた。これは、捜査が11月8日の投開票までヒラリーの頭の中を占めることになることを意味する。

 

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(終わり)









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 古村治彦です。

 

 このブログでも以前ご紹介したヒラリーの側近、「2人目の娘」とも呼ばれ、一部には「同性愛の恋人」とも噂されているフーマ・アベディンが離婚を発表しました。

humaabedinanthonyweiner002
 

 夫アンソニー・ウェイナーはニューヨーク州選出の民主党所属連邦下院議員だった2011年に、自分の性器を写した写真をツイッターを使ってある女性に送ろうとして誤って掲載してしまい、議員辞職してキャリアを棒に振った人です。2011年のスキャンダルをすっぱ抜いたのは、ブライトバート・ニュースで、ここの元会長スティーヴ・バノンがトランプ選対の運営責任者となっています。

 

 議員辞職後はニューヨーク市長選挙に出馬して落選、その後はロビー活動やコンサルタントをしていたようですが、主には2010年に結婚したフーマ・アベディンの活躍を支える主夫をしていたようです。2011年に生まれた息子の世話を家族と協力しながらやっていたということです。

 

 ウェイナーはヒラリーのライヴァルだったバーニー・サンダースやドナルド・トランプを批判する発言をしていましたが、私はそれらを読んで、どうも頓珍漢なことを言う人だなと感じていました。批判の矛先がずれているというか、ただのいちゃもんだろうという感じがしていました。下の記事にあるように、トランプに対する発言は、「お前は何を言っているんだ?」というレヴェルです。

 

 ヒラリーの「娘」と呼ばれるフーマ・アベディンですが、「母」であるヒラリーも夫ビル・クリントン元大統領の不倫スキャンダルに何度も見舞われました。モニカ・ルインスキーという名前を覚えている人も多いと思います。この血のつながりがない「母娘」は、配偶者で苦労するという点でよく似ています。

 

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フーマ・アベディンが、新たなセクスティング・スキャンダル発覚で夫と別離(Huma Abedin separates from Anthony Weiner after latest sexting scandal

 

レベッカ・サヴランスキー筆

2016年8月29日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/huma-abedin-anthony-weiner-separation-separating-sexting-scandal-hillary-clinton

 

ヒラリー・クリントンの長年の最側近フーマ・アベディンは月曜日、夫アンソニー・ウェイナーとの別離を発表した。元連邦下院議員で何かとお騒がせのウェイナーに、性的な写真やメッセージを携帯電話やインターネットを通じて送る行為に関する新たな疑惑(sexting[セクスティング]sextextingの合成語)が浮上したばかりだった。

 

アベディンは声明の中で、「長い時間を掛けた苦痛を伴う結婚に関する熟慮の末、私は夫と別離する決心をしました」と述べた。

 

アベディンは続けて、「アンソニーと私は息子にとって最良のことを行うために全力を尽くすという点では変わりません。息子は私たちの人生にとって光です。この困難な時期、私は皆さんに私たちのプライヴァシーを尊重してくださるように希望します」。

 

アベディンの声明が出される前日の日曜日、ウェイナーがよちよち歩きの息子がうしろにいる自身の股間を写した写真をある女性に送っていたという報道が出た。

 

ウェイナーは2011年に同様の行為で自身のキャリアを棒に振ってしまった。『ニューヨーク・ポスト』紙の報道は次の通りだ。ウェイナーは2015年7月31日に、ある女性とメッセージを交換していた。その中で、ウェイナーは露骨な話題に移り、「誰かさんが僕のベッドに上ってきた」と書いた。

 

彼は毛布にくるまっている息子と一緒に自分の股間を写した写真をメッセージに添付して女性に送った。

 

ニューヨーク・ポスト紙の報道によると、この女性は「あなた、この写真の中にちっちゃなウェイナーちゃんが写っているのに気付いてる?」と返事をしたということだ。

 

今回の報道がなされた後の月曜日、ウェイナーはツイッターアカウントを削除した。

 

ウェイナーがツイッターアカウントの使用を通じて恥をかくのは今回が初めてではない。It

 

ウェイナーは、以前にも別の女性に自身の裸の写真を送っていたことが発覚し、2011年に連邦下院議員を辞職した。ウェイナーは私的に表に出ない形で送っていたつもりが公の場で送ってしまっていた。

 

ウェイナーは最初はツイッターに写真を掲載したことを否定したが、後にニューヨークで開いた記者会見で、性的なメッセージのやり取りをしたことを認めた。

 

議員辞職をする際、ウェイナーは公式に謝罪し、自身の行動を改めると述べた。

 

アベディンはこの騒動の後もウェイナーを支えた。そして、ウェイナーは2013年のニューヨーク市長選に立候補した。

 

ウェイナーは、最初のスキャンダルが公になった後も、性的なメッセージを送り続けていることが明らかになるというスキャンダルにも見舞われた。

 

2016年、ドキュメンタリー映画「ウェイナー」がサンダンス映画祭でプレミア上映された。この映画は、2013年の市長選を中心にしてアベディンとウェイナーを追いかけたもので、市長選がアベディンに与えた影響を描き出している。

 

アベディンは今年の初め、「コール・ユア・ガールフレンド」のポッドキャストに出演して、インタヴューに応じ、苦境について語った。

 

アベディンは、「結婚とは、パートナーがパートナーを支えることで、どんな状況でも続けられるものです。これは政治の世界にいる、いないは関係ありません」と語った。

 

アベディンは続けて次のように語った。「政治の世界にいると、結婚というものに少し、ほんの少し困難が伴いますね。それは、私生活が、みんなが自分の私生活をのぞき見しようとするからです。カップルの1人が一般人で、もう1人が政治の世界にいるといううちと同じパターンの場合、私生活が自分ではどう対処しようもない形で世界中に見られてしまうことになります」。

 

「しかし、お互いが支え合えば、結婚はうまくいきます」。

 

ポッドキャスト出演中、アベディンは多くの時間を割いてヒラリーの選挙運動のために働いており、それは夫が息子の面倒を見てくれているからだと述べた。

 

アベディンは次のように語った。「私には4歳になる息子がいます。もし配偶者の助けがなければ、私は今やっているような仕事をすることはできなかったでしょう。配偶者は進んで家にいて火事や息子の世話をしています。だから私は外に出て働けるのです」。

 

アベディンは更に次のように語った。「私は息子がいつもどうしているかなと気になっています。しかし、心配はしていません。なぜなら、アンソニーとアンソニーの親族、そして私の母と親族が小さな村を形成して、息子を見ていてくれるからです。母は素晴らしい女性で、私たちを助けてくれています。ですから私は外に出て、私は仕事を持つ女性として最高にパフォーマンスを発揮しようと努力できるのです。それは、このような助けがあるからです」。

 

ウェイナーは今年7月に『ニューヨーク・タイムズ』紙のインタヴューに応じた。その中で、彼をトラブルに引きずり込んだ行為を今でも行っているのかと質問され、「私はお話しのようなことを行うことはありません」と答えていた。

 

そして、ウェイナーは次のように語った。「しかし、私は次のことは申し上げたいと思います。トランプ氏のこれまでの行為を見聞きした多くの人々が私にこういうのは間違いないでしょう。“おい、ロシア人に誰かのEメールをハッキングするように頼むことに比べたら、お前がやったことはまぁ大したことじゃないな”、とね」。

 

共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプは、月曜日に声明を発表し、その中で夫との別離を決断したアベディンを、皮肉を込めて褒めた。

 

トランプは、「フーマは賢い決心をした。私はアンソニー・ウェイナーをよく知っている。フーマは彼がいない方がもっとうまくやれるだろう」と述べた。

 

トランプは更に次のように述べている。「私はアメリカにとって心配に感じているだけだ。それは、ヒラリー・クリントンは高度に機密性の高い情報を扱う側近の中にウェイナーを加えていたことだ。これは彼女の注意力不足と怠慢の証拠だ。ウェイナーが機密情報に接し、それを誰かに話した可能性があるではないか?これはヒラリー・クリントンの間違った判断のもう一つの証拠だ。我が国と我が国の安全保障がこれで大きく損なわれた可能性はある」。

 

トランプは今月に入ってウェイナーのことを「間違いだらけのイカサマ野郎」とこき下ろしていた。

 

ウェイナーの今回のスキャンダルは彼の結婚生活以外にもダメージを与えそうだ。W

 

『ニューヨーク・デイリー・ニューズ』紙の論説担当編集のジョシュ・グリーンバーグは、『デイリービースト』誌の取材に対して、これまでウェイナーに論説の執筆を担当してもらっていたが、今後は依頼を行わないと述べた。

 

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