古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:アンドリュー・ヤン

 古村治彦です。
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アンドリュー・ヤン
 今回は、民主党予備選挙候補者の一人、アンドリュー・ヤン(Andrew Yang)について詳述している記事をご紹介する。ヤンは政治家の経験が全くない、実業家であり、出馬当初は無名候補、泡沫候補であったが、これまで民主党全国委員会が実施する候補者討論会には2019年12月までの討論会に全て参加してきた(2020年1月の討論会には参加できなかった)。参加条件がどんどん厳しくなり、全国的な知名度のある有力政治家でも参加できない中で、第1回から第6回までの討論会に参加できた。第6回の討論会では、ヤンが唯一の非白人の候補者として登壇した(ヤンは台湾移民の息子)。

 ヤンはベイシック・インカム導入を主張して注目を浴びたが、その後、彼の様々な政策を支持する有権者数が増え、「ヤン・ギャング(Yang Gang)」と呼ばれて、積極的な支持活動を展開している。

 ヤンの支持率は一桁台であるが、政治家の経験など全くない、無名の実業家、アジア系アメリカ人の候補者がここまで選挙戦に残っていることは驚くべきことだ。これまでに、カーステン・ギリブランド連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)、ビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)、フリアン・カストロ前住宅・都市開発長官(バラク・オバマ政権、民主党)、コーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)など全国的に知名度が高い、有力政治家たちが既に選挙戦から撤退している。

 ヤンの政策を読むと、ユニークなものがあり、中道派から左派に分類されるものとなっている。彼が民主党の予備選挙を勝ち抜いて民主党の大統領選挙候補者になる可能性はほぼないが、ここまで選挙戦を展開できたことで、彼を「ミラクル・ヤン」と呼んでも良いのではないかと私は考えている(「ミラクル・ヤン」については小説でアニメにもなっている『銀河英雄伝説』を参照してください)。

(貼り付けはじめ)

アンドリュー・ヤンは現在2020年大統領選挙民主党予備選挙に出馬している。この候補者について私たちが分かっていること全てと彼が予備選挙において積み重ねていることについて書いていく。(Andrew Yang is running for president in 2020. Here's everything we know about the candidate and how he stacks up against the competition.

グレイス・パネッタ筆

2019年8月1日

『ビジネスインサイダー』誌

https://www.businessinsider.com/who-is-andrew-yang-bio-age-family-key-positions-2019-3

・実業家アンドリュー・ヤンは現在2020年米大統領選挙民主党予備選挙に出馬している。ヤンのユニークな政策公約はここ数か月人々の注目をかなり集めている。

・ヤンは、アメリカ経済に対する自動化の衝撃について警告を発している。そして、「フリーダム・ディヴァイデンド(Freedom Dividend)」計画を提唱していることで知られる。この計画の内容は18歳以上の全アメリカ国民に毎月1000ドルを支給するというものだ。

・この記事は、あなたが知るべきヤンの選挙運動と約90の公約を網羅している。

●アンドリュー・ヤンはどんな人物か?

・現在の職業:実業家であり2020年大統領選挙候補者

・年齢:44歳

・家族構成:ヤンと配偶者イヴリン、幼い男の子2人

・出身地:ニューヨーク州スケネクタディ

・所属政党:民主党

・以前の職業:企業弁護士、医療部門の起業家、「マンハッタン・テスト・プレップ」社CEO、「ヴェンチャー・フォ・アメリカ」プログラム創設者・CEO

●民主党指名を得る争いで彼の直接の競争相手は誰になるのか?

私たちが繰り返し実施いている全国規模の世論調査の結果に基づくと、アンドリュー・ヤンと直接争うことになる候補者たちと民主党内部でのより幅広い競争者たちが明らかになった。

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、民主党)とエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)は、ヤンを支持する有権者たちの間で、民主党支持の有権者全体の間でよりも、人気が高い。

ヤンを支持する人々の間で、ジョー・バイデン前副大統領は人気だ。しかし、一般的な民主党員や民主党支持の有権者たちのバイデンへの支持率よりも10%も低いものだ。

本誌は「サーヴェイモンキー・オーディエンス」を通じて全国規模の世論調査を複数回実施した。その中で特定の候補者を支持している有権者がどのように重なっているかを発見しようとしてきた。私たちは世論調査対象者に対して、「この候補者を知っているか」「党の指名候補としてこの候補者は満足できるか」という質問をし、また時には「この候補者はドナルド・トランプ大統領に選挙で勝てるか、もしくは負けるか」という質問も行った。

●アンドリュー・ヤンの政策について立場はどのようなものか?

・医療・健康管理について:

ヤンはメディケア・フォ・オールと単一支払者医療制度を支持している。単一支払者医療制度においては、医療に関しては民間の保険会社ではなく、政府がお金を出すということである。

2019年7月の2回目の討論会において、ヤンは次のように発言した。「自分で事業を行っている人間として、私は、現在の医療制度が人々を雇用しにくくし、病気の人々への対処に失敗し利益を与えていないということを率直に申し上げたいと思います。そのような医療制度のために、人々は転職をすることと事業を始めることに躊躇しています」。

ヤンは精神医療サーヴィスに対するアクセスを拡大したいとしている。また地方での医療サーヴィスの拡充、新しく母親になった人々の産後うつの医療費のカバーを保険会社に義務付けること、より高リル的な医療のためにAIの利用を動機づけすることを訴えている。

・移民について:

ヤンはアメリカに長年居住し、犯罪履歴ない不法移民に市民権を与える「18年」経路を支持している。

ヤンは「ドリーム」法案を法律にするために署名すると公約している。これは子供時代に親に連れられてアメリカに入国した不法移民を保護するものである。また、H1-BF-1ヴィザを拡大し、技術や知識を持った移民を惹きつけたいと主張している。

アメリカ南部国境の安全を更に確保するために新しい技術に投資をし、アメリカ合衆国税関・国境警備局の予算を拡充し、難民と移民に関する裁判の遅滞を減少したいと主張している。

・気候変動について:

ヤンは気候変動のペースを遅らせることが可能な、炭素隔離や地球工学のような最新技術に対するアメリカ政府の投資を支持している。

彼はまた化石燃料企業に対する連邦政府からの補助金やせいぜいにおける優遇を廃止し、炭素排出に税金をかけることを主張している。

ヤンはまた、環境保護局(EPA)を指導して、民間企業と地方政府と協力させ、気候変動に対する革新的な解決策を生み出すと訴えている。

・選挙資金・選挙に関する改革について:

ヤンは 「シティズンズ・ユナイティッド対連邦選挙委員会(FEC)」の判決を覆すことになる憲法修正を支持している。また、スーパーPACの禁止と選挙への公金投入の拡大を支持している。

ヤンは連邦最高裁判事の任期を18年に制限することを主張している。(訳者註:現在は終身)。

大統領に当選したら、投票に関する技術を向上させることで選挙に関わる社会資本を近代化し、補強すると主張している。

 

ヤンは自動化された有権者登録、投票日の休日化、ワシントンDCとプエルトリコの州への昇格、投票可能年齢の16歳への引き下げ、党派偏重のゲリマンダーの減少を支持している。

・妊娠中絶について:

ヤンは中絶を選択する権利と安価な避妊法へのアクセスを支持している。彼は大統領になったら中絶に対する法的保護を支持する人物を連邦最高裁判事に指名すると発言している。

LGBTQの諸権利について:

ヤンは、性的志向への差別からLGBTQの人々を守るために。連邦法による保護を拡大することを支持している。

彼はまた差別に直面して言えるLGBTQのアメリカ国民を支援するためのプログラムへの政府からの資金投入を増やすと主張している。

・教育について:

ヤンは全ての子供たちへの早期教育と将来商売の道に進みたい学生のために高校での実務教育の実施を支持している。

彼はまた2年制の短期大学の教育を無料、もしくは低い学費で受けられるようにしたいと望んでいる。また四年制大学に対して学費引き下げを求めるための様々な方法を実行することを支持している。

ヤンは高校と大学での技術・職業教育を促進する、もしくは拡大したいと考えている。

大学入学スキャンダルを受けて、ヤンは一流エリート大学の定員を拡大するための新しい政策を進めたいとしている。

カマラ・ハリス(後に選挙戦から撤退)をはじめとする候補者仲間と同様、ヤンは公立学校の教師の給与を引き上げることを支持している。

・銃について:

ヤンの選対のウェブサイトには、自動車免許が複数の手続きを経るのと同じく、新しい、複数の手続きを経る銃所持の免許システムについての詳細な計画を掲載されている。計画が実現すれば、銃所持の免許取得のために国民全員にバックグランドチェックを義務付けることになる。

ヤンは武器を放棄したい人向けには連邦政府が武器を買い上げるプログラムを導入したいと主張している。ヤンは連邦政府が国内一律の安全基準を制定し、銃の製造業者に向けては銃の安全性技術向上を進める動機づけを行うプログラムを導入したいと主張している。

・刑法犯罪対策改革について:

ヤンは

マリファナ合法化、元受刑者の社会復帰促進プログラムへの予算投入、再犯率の減少、現金保釈の段階的廃止、連邦政府の民間刑務所との契約の減少といった手段を通じて受刑率を減少させることを支持している。

少量の麻薬所持の非犯罪化と麻薬危機に関して責任があると彼が考える製薬会社への罰金を科すことを通じて麻薬危機と戦うとしている。

ヤンはまたアメリカ国内の警察官の身体に記録用のカメラをつけることに連邦政府が資金を投入することと衝突を激化させないようにするために「死に至らない」武器開発の投資に興味を持っている。

・貿易について:

「ベイシック・インカム・アース・ネットワーク」とのインタヴューの中で、ヤンはトランプ政権が中国との間で貿易戦争を始めたことを批判した。彼は、貿易戦争などは「生産的ではなく」、実業界にとっては頭の痛い問題だと発言した。

・外交政策について:

ヤンは大統領になったら、不介入スタイルの外交政策を実現するとしている。選挙陣営のウェブサイトで、ヤンは「大統領軍事力使用権限」を廃止し、宣戦布告権限を連邦議会に戻すと主張している。

アメリカとNATO加盟の同盟諸国の関係強化と国務省の外交努力とアウトリーチの強化を主張している。

・税制について:

ヤンは大企業に対する10%の税率の付加価値税を導入すること、金融取引に対する0.1%の課税、キャピタルゲインへの課税にある穴を塞ぐことを支持している。

ヤンは自動化された所得税申告、税金申告をより効率化するためのIRSの近代化、申告日の休日化を支持している。

・雇用と経済について

ヤンが主張する政策で最もよく知られているのは、「自由の配当(Freedom Dividend)」だ。これは、国民全員へのベイシック・インカム・プログラムである。アメリカ人の成人全員に毎月1000ドルを与えるというもので、その財源の一部は自動化によって利益を得ている各企業への課税を充てるとしている。

ヤンは学生への職業訓練とテクノロジー訓練を拡大することを支持している。また、仕事を探すために引っ越しをしなければならない人々にIRSが引っ越し代を払い戻すプログラムを支持している。

ヤンは「アメリカン・ジャーナリズム・フェローズ」プログラムを創設したいと主張している。このプログラムでは、記者たちに助成金を与えて、4年間地方の新聞で地方のニュースを報道する仕事に従事してもらうというものだ。2019年7月の第2回の討論会で、ヤンは次のように語った。「多くの人々は経済に置いていかれていると感じています。確かにGDPと株価は記録的な数字を叩き出しています。しかし、記録的記録とは一体何が記録しているでしょうか?自殺、違法薬物使用、精神的不安などが記録しているのです。私たちが選挙で勝利するための方法は、ここミシガン州や全米の人々のために経済的進歩を再定義することです」。

・技術・テクノロジーについて:

ヤンは大統領に当選したら、技術・テクノロジー長官と技術・テクノロジー省を新設すると主張している。この政府機関は人工知能やその他の最先端技術を規制するものだ。

医療関係の企業に対して新しく、革新的な医療技術開発のために動機づけをしたいと主張している。

ヤンは、暗号通貨取引とディジタル財産についての連邦政府による規制と基準の作成と暗号についての新基準を定めたいとしている。

ヤンのユニークな政策は、NCAAに所属する大学のスポーツ選手たちに賃金を支払うこと、全国民向けに無料の結婚相談サーヴィスを提供すること、高校生の国内交換留学プログラムを創設し、生活している場所とは全く違う場所で過ごし、会ったことがないような人たちと交流するというものがある。

●アンドリュー・ヤンのキャリアにおける最大の成功は何か?

2000年代中盤、ヤンは一流大学の試験準備提供企業「マンハッタンGMAT」のCEO(最高経営責任者)を務めた。ヤンと彼のパートナーはこの企業を2009年に「カプラン」社に売却した。

ヤンは続けて「ヴェンチャー・フォ・アメリカ(VFA)」を立ち上げた。このプログラムは大学の卒業生を金融危機が直撃した都市に送り起業させるというものだ。

ヤンによれば、VFAは500名の卒業生をアメリカ全土の都市に送り、2500以上の雇用を生み出した、ということだ。

2012年、ヤンはオバマ大統領から「チャンピオン・オブ・チェンジ・アワード」を贈られた。2015年にはオバマ大統領によって、グローバル・アントレプレナーシップ担当大統領特別大使に任命された。「ビジネス界の最も創造的な100名」リストを作成した。

●アンドリュー・ヤンはこれまでにどれくらい政治資金を集めたのか?

2017年10月から2018年12月までの間にヤンは65万9578ドルを集めたと公表している。ヤンの政治資金集めは、「ザ・ジョー・ローガン・エクスペリエンス」と「ブレックファスト・クラブ」に出演した後で急増した。それぞれポッドキャストとラジオの人気番組だ。

ヤンは、2019年2月と3月だけで8万人の献金者から合計で170万ドルを集めた。1人当たり平均で17ドル92セントだ。2019年第一四半期の合計では180万ドルとなった。

2019年4月1日から6月30日までの第二四半期において、ヤン選対は280万ドルを集め、手元に84万8000ドルを残していると発表した。ヤンは9月の討論会に出席するためには13万名以上の献金者を確保しなければならない。

●他の候補者と比べて、アンドリュー・ヤンは有権者に土曜に見られているか?

本誌は、予備選挙の候補者たちがどのように認識されているかを調べるために様々な世論調査を実施してきた。私たちはある世論調査で候補者たちを左派から右派まで位置づけするように質問した。ヤンは中道派に分類されるという結果になった。

ヤンはこれまで政治に関わってこなかったのでアウトサイダーの視点を持っている。そのため、私たちが世論調査で、候補者たちの公的な仕事や政府の仕事の経歴についての知識を基にして大統領になるための準備ができている順番に候補者たちをランク付けするように求め、ヤンは予備選挙候補者の中で最も経験の乏しいと認識されているという結果が出た。また、どの候補者が好ましい、もしくは信頼できるかという質問の結果、ヤンは後者の中で中位につけた。

●アンドリュー・ヤンはトランプ大統領を倒せるのか?

ヤンを知る民主党員や民主党支持の有権者たちは、ヤンについて、トランプ大統領に対してはより弱い候補者となるだろうと考えている。バイデンに比べて、トランプに対して勝利の可能性よりも敗北の可能性の方が高いと考えられている。

●民主党を支持している有権者たちはアンドリュー・ヤンが討論会の参加条件をクリアしたことについてどう感じているか?

本誌は有権者たちが候補者それぞれの特徴や職業などの強みについてどう感じているかを調査した。私は調査対象者たちに対して、職業や強みとなる特徴を列挙したリストを提示して、どの職業や特徴だと大統領選挙に投票し、投票しないかを答えてもらった。

例えば、民主党の予備選挙に参加すると答えた調査対象者たちの中で、19%が、候補者が大学教授であればより支持できると答えた。一方、支持できないと答えたのは4%だった。純粋な好感度はプラス15%である。そして、私たちは職業などの好感度と候補者たちの経歴を重ね合わせて検討してみた。

ヤンについていえば、複数の言語が使えること(プラス25%)、年齢が50歳以下であること(プラス23%)、移民の子供であること(プラス21%)、法律家であること(プラス3%)が強みとして認識された。

民主党員や民主党支持の有権者において、ヤンが持つ強みとはならない特徴としては、ビジネスオーナー(マイナス11%)、政治や行政での経験が少ないこと(マイナス22%)、企業弁護士(マイナス33%)、豊かな家庭で育ったこと(マイナス42%)が見られた。

(貼り付け終わり)

(終わり)

amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙民主党予備選挙の候補者について、民主党指名の獲得の可能性に基づいたランク付けに関する記事をご紹介する。10位までランクはついているが、上位4名までは可能性があり、それから下の候補者たちは上位の候補者たちが失速しなければ可能性はないというような書き方がされている。

 現在のところ、ジョー・バイデンがトップ、バーニー・サンダースとエリザベス・ウォーレンが2位を争い、ピート・ブティジェッジが4位につけているが、上位3名には差をつけられているという展開だ。もっとも全米で最初に予備選挙(党員集会)が実施されるアイオワ州での各種世論調査ではブティジェッジが僅差ではあるがトップとなっている。

 アイオワ州での党員集会は2020年2月3日に実施され、3月3日にはスーパーチューズデーと呼ばれる多くの州での予備選挙が実施される。2月の早い段階で予備選挙が実施される各州で1位や上位となることで選挙戦に勢いがつく。ブティジェッジはそれを狙っている。その他の候補者たちも何とかアイオワ州やニューハンプシャー州で上位に食い込みたいと狙っているが、人気が下がるとメディアでの報道も少なくなり、そうなると世論調査での支持率も低下する、また政治献金も集まりにくくなる、そして、民主党全国委員会が主催する討論会(全米に完全生放送)の参加条件を満たせなくなり、出席できないとなると人気が下がるという悪循環に陥ってしまう。そうなると、全米各地に選挙事務所を開き、スタッフを雇ってそれらを維持することも難しくなり、最終的には選挙戦から撤退することになる。

 現在のところ、上位4名以外はスーパーチューズデーを超えて、意味のある選挙戦を続けることができる可能性は低い。上位4名のうち、ブティジェッジも全国的に見れば支持率は10%に届かない状況なので厳しい。そうなると上位3名に絞れられることになる。上位3名のうち、バイデンは中道派、サンダースとウォーレンは進歩主義派(左派)に分類される。単純にサンダースとウォーレンの支持率を足すとバイデンを上回ることになる。そうなると、最終的にバイデン対サンダースかウォーレンかの戦いということになる。

 最も重要なテーマになるのは、「当選可能性(electability)」となる。これは「現職のドナルド・トランプ大統領を本選挙で倒して大統領になれるのは誰か」ということである。ライトな共和党支持者、無党派層にアピールできるのは誰かということで、バイデンがその最有力の人物ということになる。

 それでは民主党の指名候補がバイデンになれば、トランプ大統領に勝てるのかということになるとこれは難しい。年齢が既に78歳で、2期目を目指す選挙の時には82歳になる。そうなると、「バイデンは一期しかできない」となると、最初からレイムダック化(無力化)することになる。後継指名などというのはアメリカでは好かれないとなると、バイデンは大統領に就任した時点で既に無力な大統領になってしまう可能性がある。私は以前にも書いたが、彼は2016年の大統領選挙に出るべきであった。

 現在のところ、トランプ大統領が外交問題などで大しくじりをしなければ再選の可能性は高いと言えるだろう。

(貼り付けはじめ)

民主党候補者たちをランク付けする:党の指名を受ける機会を得ることが出来るのは誰か?(Ranking the Democrats: Who has best chance of winning nomination?

ナイオール・ストレンジ筆

2020年1月1日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/476340-ranking-the-democrats-who-has-best-chance-of-winning-nomination

アイオワ州党員集会を1か月後に控え民主党の指名をめぐる戦いは切迫感を増している。カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)をはじめ既に有名候補者も選挙戦から撤退しているが、元ニューヨーク市長マイケル・ブルームバーグが選挙戦に出馬している。

党の指名を受ける機会を得ることが出来るのは誰か?

第1位:ジョー・バイデン(Joe Biden)前副大統領(7月の順位:第2位)
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バイデンは2019年4月に立候補して以降、各種の全国規模の世論調査でトップを維持してきた。

彼のリードは4月以降、小さくなっているが、それでも大きなものだ。「リアルクリアポリティックス(RCP)」の世論調査の平均と「ファイヴサーディーエイト」のデータによると、バイデン前副大統領は第2位の挑戦者であるバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)に約10ポイントの差をつけている。

バイデンへの支持は多くの専門家たちが予測したよりも根強く復活力が強いものだ。これまでの世論調査でのパフォーマンスの出来が悪く、ライヴァルたちからの様々な攻撃、トランプ大統領からの批判があってもトップを維持している。

バイデンの支持率の高さには3つの柱が存在する。

一番目に挙げる最も重要な柱は、アフリカ系アメリカ人有権者の支持では他の候補者を圧倒している点だ。

第二に、各激戦州での世論調査では、バイデンがトランプ大統領を倒す可能性を最も持っている候補者であることが示されている。

第三に、バイデンの政治家としての長年のキャリアと中道派のイデオロギーは、トランプ政権下で次々と起きるドラマにうんざりしている有権者に快いアピールをするであろう。

バイデンはいくつかの深刻な挑戦にも直面する。

バイデンはアイオワ州とニューハンプシャー州の両州において世論調査で他の候補者の後塵を拝している。両州で勝利を収めることができなれば、トランプ大統領を打倒できる当選可能性についての彼の主張(私は当選できる)に何が起きるだろうか?

バイデンのアピールの一部分は知名度に依存していると言える。これから予備選挙に政治の底まで関心の高い有権者が参加するようになると、このバイデンの強みは活かせないことになる。

バイデンは比較的弱いトップランナーである。しかし、彼はとりあえずトップランナーではある。

第2位:バーニー・サンダース(Bernie Sanders)連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)(7月の順位:4位)
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2019年10月にサンダースは心臓発作で倒れた。この時、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が台頭する脅威にも直面し、彼の支持率は下がってしまう危険が存在した。

しかし、サンダースは活力と共に復活した。心臓発作の後に初めて公衆の前に姿を現すことになったオハイオ州での討論会で印象的なパフォーマンスを見せつけた。この時、ウォーレンはうまくいかなかった。

進歩主義派の象徴であるアレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)がサンダースを支持推薦したことで、プラスの衝撃を与えた。30歳の連邦下院議員オカシオ=コルテスは78歳になる連邦上院議員サンダースと一緒にいくつかの選挙集会に参加し、そのおかげで参加者が多く駆け付けた。

サンダースの支持者たちの熱意は政治献金額の数字にも表れている。

2019年第3四半期終了時点で、彼の陣営には現金で3370万ドルの資金が残っている。この数字は他の候補者よりも多い額となっている。2019年第4四半期の政治資金報告書がもうすぐ発表されるが、サンダースがトップを維持していることは容易に想像できる。

サンダースはニューハンプシャー州での各種世論調査の支持率の平均で僅差ではあるがトップに立っている。ニューハンプシャー州はアイオワ州に続いて全米で2番目に予備選挙が実施される。アイオワ州ではインディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジを僅差で追いかける2位につけている。

サンダースもまた弱点を抱えている。2016年の大統領選挙予備選挙で長期間にわたり、最終的に党の指名候補となったヒラリー・クリントンと戦い、激しく批判し続けたことで、民主党内にサンダースを忌避する人々が多くいる。中道派の人々は、サンダースが大統領になったらアメリカを大きく左に寄せてしまう危険があるという懸念を頻繁に主張している。

サンダースがアイオワ州とニューハンプシャー州の両州で勝利を収めるにしても、党の主流派エスタブリッシュメントはそれでも彼の党指名獲得を阻止しようとし続けるだろう。

しかし、中道派が勝利を収める保証などどこにもない。サンダースが党の指名を獲得する可能性は十分にあるのだ。

第3位:エリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)(7月の順位:第1位)
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ウォーレンは2019年10月までは明らかにトップだった。この時、アイオワ州とニューハンプシャー州の世論調査でリードし、全国規模での世論調査でバイデンに迫っていた。

彼女が台頭すると、彼女に対する詳しい調査が行われるようになった。そして、ライヴァルたちから激しい攻撃を受けた。その結果として彼女にとっての穏やかな日々は終わり、支持率が退潮傾向となった。

マサチューセッツ州選出連邦上院議員ウォーレンの「メディケア・フォ・オール」についての立場によって彼女の支持率は下落した。

ブティジェッジのようなライヴァルたちは、ウォーレンの「メディケア・フォ・オール」についての提案は有権者が望むよりもより大雑把な提案となっている。しかし、ウォーレンは自身の計画を就任3年目まで実行しないと発表したが、そのような譲歩をしても批判を鎮めることができなかった。

ウォーレンの支持者の一部がブティジエッジへと移っていることは明白だ。ブティジェッジはウォーレンよりも中道派色が強いが、両者は同じような人口学的な有権者グループの支持を争っている。それは高い教育を受けた白人有権者である。

ウォーレンを党指名の候補者から外すには早すぎる。

ウォーレンはアイオワ州の選挙戦を強力に推進しており、支持率も高くなっている。アイオワ州で勝利を収めることができれば、その勢いでニューハンプシャー州に進むことができる。ニューハンプシャー州はウォーレンの地盤マサチューセッツ州に隣接している。彼女の演説は評判が高い。

ウォーレンは左派における主導権を握るためにサンダースと戦っている。もし彼女がこの戦いに勝ったら、党指名獲得に大きく近づくことになる。

第4位:インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジ(Pete Buttigieg(7月の順位:第5位)
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ブティジェッジは今回の大統領選挙における大きなサプライズだ。

中西部の中くらいの町の市長、しかも37歳の人物が党指名を争うビッグ4に入っているのだ。ハリスやカーステン・ギリブランド連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)のような有名な連邦上院議員たちも既に選挙戦から撤退しているのだ。

ブティジェッジはメディアにおいて博識で落ち着いた姿を見せたことでアピールになっている。ブティジェッジはバイデンと同様に中道派の人材であることをアピールしているが、彼よりもずっと若く熱意に溢れていることを示している。

ブティジェッジは同性愛であることを公表した人物として初めて主要政党の大統領選挙指名候補者となろうとしている。これに社会進歩主義派の一部が引きつけられている。

ブティジェッジは現在アイオワ州での各種世論調査でトップに立っている。アイオワ州での勝利によって他州での支持獲得にも勢いがつくだろう。しかし、ブティジェッジはアフリカ系アメリカ人からの支持獲得に苦心している。全国規模の世論調査では彼は4位につけている。

現時点で4位だからと言ってブティジェッジが民主党の指名を獲得することが不可能ということにはならない。しかし、バイデン、サンダース、ウォーレンに比べてその道のりがより厳しく険しいものとなる。

第5位:エイミー・クロウブシャー(Amy Klobuchar)連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)(7月の順位:9位)
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ミネソタ州選出連邦上院議員クロウブシャーが党の指名候補となれるかどうかはアイオワ州での結果にかかっている。

アイオワ州でのクロウブシャーの支持率は約6%だ。全国規模もしくは早期に予備選挙が実施される各州での支持率はそれよりも低い数字となっている。

クロウブシャーはこれまでの討論会で存在感を見せてきた。しかし、彼女はバイデンとブティジェッジと中道派の中で争わねばならないし、支持率上昇を目指して苦闘している。

クロウブシャーは資金面でも苦労することになるだろう。2019年第3四半期終了時点で彼女の陣営には370万ドルしか現金がない状態だった。この額はサンダースの陣営の約10分の1に過ぎない。また、政治資金レースでは第8位となっている。

クロウブシャーが有力候補に浮上するためには、バイデンかブティジエッジが失速する必要がある。

第6位:マイケル・ブルームバーグ元ニューヨーク市長(7月の順位:なし)
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ブルームバーグが選挙戦に出馬したのは2019年11月末のことだった。彼はすぐに党指名を金の力で獲得しようとしているという批判のために逆風に直面した。

元ニューヨーク市長ブルームバーグの総資産は推定で5400億ドルだ。彼は世界で20位以内に入る大富豪だ。

ブルームバーグは既に選挙CMに多額の資金を投じている。その結果、RCPとファイヴサーティーエイトの両方が出している全国規模の各種世論調査の支持率の平均で第5位につけるようになっている。

ブルームバーグは早い段階での討論会に参加しない計画を立てた。その代わりに選挙戦後半の3月3日のスーパーチューズデーに選挙戦に本格参入する意図を持っている。

この戦術には危険を伴うように見える。民主党支持の有権者たちが、批判の多い警察の職務質問を長年にわたり支持している大金持ちの政治家を支持するようになるかどうかははっきりしない。

ブルームバーグは職務質問に対する支持を選挙戦への出馬直前に取り消した。しかし、それでも党の指名獲得に向けた道のりを現実的なものとして考えることは難しいままである。

第7位:アンドリュー・ヤン(Andrew Yang)(実業家)(7月の順位:なし)
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ヤンは既成概念にとらわれない思想家として支持を集めている。そして、人々の予測よりも「ヤン・ギャング」と自称する有権者の支持を集めるようになっている。

ヤンが民主党の指名候補になることなどは想像できない。しかし、自身の全国的な知名度と評価を高め、討論会の壇上で信頼感のあるパフォーマンスを展開している。

ヤンは、党指名候補の副大統領候補に指名されるには風変わり過ぎる。しかし、政治の世界で確固とした公約を掲げて進んでいる。

第8位:コーリー・ブッカー(Cory Booker)連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)
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ブッカーの選挙運動は今のところうまくいっていない。選挙戦序盤、ブッカーは有力候補として話題に上ることもあった。

彼は全国規模の世論調査で3%以下の支持率に苦しんでいる。また、早期に予備選挙が実施される各州で強さを見せられていない。ハリスが選挙戦から撤退したことで、選挙戦に残った唯一のアフリカ系アメリカ人の有力候補となったが、それが彼の支持率上昇にはつながっていない。

現在の時点では、ブッカーが少なくともアイオワ州での投信集会までは選挙戦にとどまる可能性は高いと言える。しかし、それ以降の選挙戦の継続は、ライヴァルたちから批判を受けることで続けられるかは疑問である。

第9位:トゥルシー・ギャバード(Tulsi Gabbard)連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)(7月の順位:第10位)
tulsigabbard101

ギャバードが民主党の指名候補になることはないだろう。彼女は因習打破の姿勢を保っている。2017年にシリアを訪問し、バシャール・アサド大統領に会談を持ち、トランプ大統領の弾劾に関しては「棄権」した。

しかし、ギャバードは現状に満足できない左派の支持を集めている。ニューハンプシャー州では、RCPの平均では約6%の支持率を集め第5位につけている。

ギャバードが第三党の候補者として大統領選挙を戦うという噂は消え去っていない。そのような動きを考慮などしていないと彼女は完全否定している。

第10位:トム・ステイヤー(Tom Steyer)(実業家)(7月の順位:なし)
tomsteyer101

大富豪で長年にわたり環境保護運動に携わってきたステイヤーは大統領になろうと出馬した。

各種世論調査で熟練の政治家たちよりも上に来ている。しかし、党指名を争う有力候補になるまでの道のりは遠い。

その他の候補者たちは次の通りだ。マイケル・ベネット連邦上院議員(コロラド州選出、民主党)、フリアン・カストロ前住宅・都市開発長官、ジョン・ディラニー元連邦下院議員(メリーランド州選出、民主党)、ディヴァル・パトリック元マサチューセッツ州知事、作家マリアンヌ・ウィリアムソンだ。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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アメリカ政治の秘密
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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 遅くなって恐縮だが、昨年12月に実施されたアメリカ大統領選挙民主党予備選挙候補者討論会の様子をまとめた記事をご紹介する。
democraticpresidentialdebatedecember2019001

 12月の討論会に参加できたのは7名だった。昨年4月の討論会では24名が参加して2晩に分けて実施されたが、参加条件がどんどん厳しくなって今や3分の1となった。また、候補者の選挙戦からの撤退も続いている。最近になって出馬した元ニューヨーク市長マイケル・ブルームバーグは政治献金を受けないことを表明しているので、討論会に参加する資格がない。

 12月の討論会ではジョー・バイデンが元気だった。主なテーマは大口献金者が与える影響や医療制度であった。左派のエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)とバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)が中道派のジョー・バイデン前副大統領とインディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジとやり合うという構図になった。そこにエイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)が強引に入ってくるという展開だった。
democraticpresidentialdebatedecember2019002

 写真を見てもらうと分かるが、マイノリティの政党であるはずの民主党だが、白人ではない候補者で討論会に参加できたのは、アジア系のアンドリュー・ヤンだけだった。有力候補だったカマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)(アフリカ系アメリカ人)は既に選挙戦から撤退し、コーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)(アフリカ系アメリカ人)とフリアン・カストロ前住宅・都市開発長官(ラティーノ)は討論会参加条件をクリアできなかった。マイノリティの支持を集めているのはジョー・バイデンだ。

 民主党の討論会は左派と中道派の論争となり、最後には「現職ドナルド・トランプ大統領に勝てるかどうか(electability、当選可能性)」の話になる。左派のウォーレンとサンダースの政策は実現可能性が低いという批判が出る一方で、中道派のバイデンには高齢、ブティジェッジには経験不足という批判が付きまとう。バイデンは高齢なので、仮に大統領選挙に当選しても、二期目を目指せるかどうか分からない(現在で78歳なので、次の選挙となると82歳となる)、そうなると、最初から人気が限られているということで、レイムダック化するということになる。ブティジェッジは年齢がまだ若い(38歳)ということもあり、経験がないというのは仕方がないことだ。こうしてみると、どの候補者を取ってみても「帯に短し襷に長し」ということになる。

 こうして見ると、ドナルド・トランプの再選可能性は高いということになる。しかし、最近になっての中東情勢の悪化というトランプ自身が招いた状況がどう作用するかは不透明な状況だ。

(貼り付けはじめ)

12月の討論会の5つの重要点(Five takeaways from the Democratic debate

ナイオール・スタンジ筆

2019年12月20日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/475439-five-takeaways-from-the-democratic-debate

アイオワ州での党員集会まで2カ月を切り、2019年最後のアメリカ大統領選挙民主党予備選挙の候補者討論会が木曜日、ロサンゼルスで開催された。

今回の討論会での特筆すべき重要点は何であろうか?

(1)ブティジェッジ対ウォーレンは注目を集めた瞬間だった(Buttigieg vs. Warren was the big moment

今回の討論会で本当に熱の入ったやり取りになったのは1つの瞬間だけであった。

インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジとエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)は大口献金者たちの影響について応酬を続けた。

討論会は静かに始まったが、ブティジェッジとウォーレンはお互いの選挙戦につい発言する機会を狙っていた。木曜日の夜、一対一の戦いに発展した。

議論のテーマとなったのは、ウォーレンが大口献金者からの献金を謝絶しているのに対して、ブティジェッジが大口献金者からの献金を受け入れていることだった。

討論会で、ウォーレンは話題となった選挙集会に参加した人々と何時間でも一緒に写真を撮ることについて言及し、「こうした写真撮影に対して誰もコストを支払うことはない。5000ドルの献金で写真撮影ができる人にはこのような優遇はないのだ」と述べた。

ブティジェッジは即座に反撃し、「まるで私のことを指して語られているようにしか思えないが、私はそれには該当しない」と述べた。

ブティジェッジは、トランプ大統領は既に莫大な選挙資金を集めており、民主党側が「自分の片手を背中に縛り付けた状態にして戦う」ようなことをしてはいけないと述べ、自分自身の採用しているアプローチを擁護した。

やりとりはここからより個人的な話になり、ブティジェッジは、ウォーレンが彼よりもだいぶ豊かであると述べた。一方、ウォーレンはブティジェッジがカリフォルニア州のナパヴァレーの「ワイン・ケイヴ」で高額な資金集めパーティーを行ったと応酬した。

2人のやり取りで、どちらが勝者となったかは明確ではない。ウォーレンは攻撃をし、ブティジェッジは堅固に守った。ブティジェッジは昨年の連邦上院議員選挙でウォーレンが大口献金者向けのパーティーを開催したことを指摘し、自分に対するうおーれんからの批判に押収した。

2人の争いはアイオワ州でお互いが相手よりも上に行こうと躍起になっていることを示している。

ブティジェッジは最近になってアイオワ州での支持率を伸ばしている。世論調査の結果から、ブティジェッジは高い教育を受けた白人層から支持を受けていることが分かっている。こうした人々は以前にはウォーレンを熱心に支持していた。

他の候補者たちは、自分たちはブティジェッジとウォーレンの言い争いとは関係なく、政策を語るチャンスを得ることができた。

ジョー・バイデン前副大統領とバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)との間のやり取りはより軽い、冗談交じりのものであった。

エイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)は、民主党の同僚たちと争うよりも団結をもたらすことにより興味がある人々を代表していると述べた。これは、これから11カ月の後にトランプ大統領を倒すことを第一に考えている民主党員たちへのアピールとなるだろう。

(2)バイデンは新たに鋭さを見せた(Biden brings a new sharpness

バイデンはこれまでの討論会よりもより良いパフォーマンスを見せた。

これまでの選挙集会やイヴェントなどで、元副大統領バイデンは取りとめもない話や失言を繰り返してきた。こうしたことから77歳になるバイデンが大統領選挙運動の厳しさに耐えられるのかどうかということに疑問が呈されてきた。

ロサンゼルスではそのような姿は一切見せなかった。

バイデンは今回の討論会で失敗しなかった。自身の立候補について基本的な主張を行った。自分は中流階級の懸念について理解できる本能を持っているので、トランプを倒せる最善の候補者だと述べた。

バイデンはワシントンで共和党にあまりにも譲歩し過ぎだったという批判に応酬するために、バイデンは共和党に対して怒りを持っている人々の大部分よりも、自分はより怒りを表明する権利を持っていると述べた。それは「共和党側による私、私の家族に対する攻撃方法」についてだとも述べた。バイデンは、ウクライナのエネルギー企業の取締役を務めた息子ハンター・バイデンについてこのようにして言及した。

バイデンは全国規模の世論調査で支持率トップを保っている。木曜日の討論会でのパフォーマンスでバイデンの支持率は維持されることだろう。

(3)クロウブッシャーが輝く(Klobuchar shines

クロウブッシャーは現在アイオワ州での支持率を上昇させている。彼女は木曜日の討論会でも強烈な印象を残した。

クロウブッシャーはアメリカ・メキシコ・カナダ貿易協定(USMCA)についてサンダースとは違う立場を明確にした。彼女は協定に賛成、サンダースは反対だ。

クロウブッシャーは気候変動と有権者保護についての回答で強い印象を残した。

討論会の後半、クロウブッシャーは、ウォーレンとサンダースが主張している「メディケア・フォ・オール」政策よりもより実行可能な医療制度改革を主張した。クロウブッシャーは、「進歩主義的であることと実践的であることを同時に実現すること」は可能だと主張し、彼女の選挙運動は討論会当時までこの考えに基づいて進めてきたと述べた。

民主党支持の有権者たちが今の段階でクロウブッシャーが堅持している確固とした中道主義を本当に望んでいるのかは大きな疑問である。しかし、クロウブッシャーは木曜日の夜の討論会において放映時間の多くの中で主導権を握り、主張を行った。その結果、人々は、彼女を主要な候補者として考えねばならなくなった。

(4)参加人数が少ないことでより良い討論に(Smaller stage makes for better debate

今回の討論会は、今年の民主党予備選挙の候補者討論会の中で最も登壇者が少ない討論会となった。そして、このことは登壇者全てにとって良いことであったと思われる。

今回の討論会で登壇者は7名だけだった。これまでの討論会では登壇者は10名以上であった。登壇者が少ないことで、医療や貿易といった主要問題からアフリカ系アメリカ人への賠償、ジェンダー、イスラエル・パレスチナ紛争まで様々な問題について、うわべだけではない回答を候補者たちが示すための十分な時間が取れた。

登壇者が少ないことで、クロウブッシャーとIT実業家アンドリュー・ヤンといった候補者たちの主張を聞くことが出来た。

今回、PBSのヤミシェ・アルシンダー、アンナ・ナワズ、ジュディ・ウッドローフ、『ポリティコ』誌のティム・アルバータが司会を務めたが、討論が脱線しないようにうまくリードした。今回の形式による敗者は討論会に参加しなかった、できなかった候補者たちということになる。その中にはコーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)、元ニューヨーク市長マイケル・ブルームバーグ、トゥルシー・ギャバード連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)がいる。

(5)失言のないゾーン(A gaffe-free zone

討論会で人々の記憶に残る瞬間というのは、候補者がとんでもない間違いをしでかした瞬間だ。

木曜日の討論会では明らかに失言という発言は出なかった。候補者の中には他の候補者たちよりもうまくできなかった人々もいた。ウォーレンは討論会以外の場所ではよりうまくやっている。しかし、本当に失敗したとか絶望の陥ったというような人はいなかった。

候補者たちは今回の討論会での出来不出来を受け入れ、ホリデーシーズン後にアイオワ州とニューハンプシャー州に突入するための準備を行うことになる。

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第6回アメリカ大統領選挙民主党予備選挙候補者討論会における8つの重要点(8 takeaways from the sixth Democratic presidential debate

エリック・ブランダー、ダン・メリカ(CNN)筆

2019年12月20日

CNN

https://edition.cnn.com/2019/12/20/politics/pbs-politico-debate-highlights/index.html

ロサンゼルス発CNN。2019年最後の大統領選挙民主党予備選挙候補者討論会はカリフォルニアで開催されるのだろうが、話題の中心はアイオワ州だった。

ピート・ブティジェッジ、エイミー・クロウブシャー、そしてエリザベス・ウォーレンは党の指名に向けて力強いパフォーマンスを行った。この人たちは予備選挙が最初に実施される州に住む有権者たちに対するアピールのために衝突し続けた。

その他の有力候補者2人ジョー・バイデンとバーニー・サンダースは全国規模で選挙運動を展開している。両者はアイオワ州で勝利を収める可能性が高い。バイデンは非白人の有権者たちからの支持が多く、サンダースは全国どもでも人気は高い。バイデンとサンダース以外の候補者がアイオワ州で勝てなければ、この両者が民主党指名候補になる可能性が高くなる。

医療制度とイラクに関してこれまでの論争を別にして、2人は論争から距離を置いていた。バイデンは最も自信たっぷりにパフォーマンスを行った。サンダース(とアンドリュー・ヤン)はいささかユーモアを交えてパフォーマンスを行った。サンダースはクロウブシャーについて、「私の名前をみだりに間違い、私の気持ちは傷つけられました。私は圧し潰されました。私が反論して良いですか?」とジョークを飛ばした。

ここから6回目の民主党予備選挙候補者討論会における8つの重要点を挙げていく。

(1)「ワイン・ケイヴ」モーメント(The 'wine cave' moment

ブティジェッジはアイオワ州での世論調査で支持率を上昇させている中で、避けてきた批判に直面した。

ウォーレン連邦上院議員とインディアナ州サウスベンド市長ブティジェッジはここ数週間お互いに攻撃し合っていた。しかし、木曜日夜の討論会で起きたことは、ウォーレンとブティジェッジが

Warren and the South Bend, Indiana, mayor have been circling each other for weeks, but what played out on Thursday night showed how the two candidates -- both of whom have strong operations in Iowa -- see their paths to the Democratic nomination as running through the other.

ウォーレンとブティジェッジとの間の激しい衝突はマサチューセッツ州選出の連邦上院議員ウォーレンから始まった。ウォーレンは私的な資金集めパーティーを開催せず、インターネットでの献金に依存している。ウォーレンは他の候補者たちについて大口資金集めパーティーを開いていることを批判し、富豪たちの声を「全員の声の中から抜き出す」ことを許していると述べた。

ウォーレンはブティジェッジを怒らせたのは明らかだった。ブティジェッジは次のように反論した。「今回がドナルド・トランプを倒す唯一の機会なのです。私たちは自分の片腕を背中に括りつけて戦うようなことをすべきではないのです」。

ウォーレンはすぐに、ブティジェッジがナパヴァレーの「ワイン・ケイヴ」で開催した政治資金集めパーティーについて言及した。ナパヴァレー市の市長は挨拶をしたが、その部屋には1500個のスワロフスキーのクリスタルで飾られたシャンデリアが吊られていた。

ウォーレンは「ワイン・ケイヴに集まった大富豪たちが次期アメリカ大統領を選ぶようなことをすべきではない」と述べた。

ブティジェッジはウォーレン自身も昨年(2018年)の連邦上院議員選挙で大口献金者向けの資金集めパーティーを実施したではないか、また大口献金者から資金を受け取らないという決定は何も彼女が始めたものでもないと反論した。

ブティジェッジは次のように述べた。「雑誌のフォーブスによると、いいですか、この舞台上で私だけが富豪もしくは大富豪ではない人物ということになります。これはとても重要なことです。あなた自身が合格することが出来ない純粋性を試すテストをやろうとすること自体が問題ですね」。

ウォーレンとブティジェッジとのやり取りで木曜日の討論会は始まった。ブティジェッジは他の候補者たちからの攻撃を受けたが、それでも彼は話す時間を考えるとやはり全国へのアピールができたということになる。

(2)クロウブシャーがブティジェッジの経験を攻撃(Klobuchar attacks Buttigieg's experience

討論会の夜における候補者間のやり取りで記憶に残っているのは、クロウブシャーはブティジェッジが11月の討論会の壇上で行った発言について攻撃した。この時、ブティジェッジは「他の後方者たちは合わせたら100年以上のワシントンの経験」を持っていると発言し、他の候補者たちをイライラさせた。

ミネソタ州選出の連邦上院議員クロウブシャーはブティジェッジに対して、「あなたは私たちの経験を尊重しなければなりません」と述べ、他の候補者たちの経験と業績を称賛し始めた。

クロウブシャーは、消費者財政保護局を創設する際にウォーレンが果たした役割、バイデンが推進したガン対策、帰還兵や退役兵の医療制度についてのサンダースの戦い、農業法制に関する交渉におけるクロウブシャーの役割を指摘した。

そしてクロウブシャーはブティジェッジに罠を仕掛けた。

クロウブシャーは次のように述べた。「重要なことは、党の指名候補となる人物は、あなたが述べているように、穏健派の共和党員と無党派層からの支持を実際に勝ち取ってきた人たちであるべきだということです」。

ブティジェッジは反撃した。彼は次のように述べた。「勝利するための能力について話したいとお望みなんですか。同性愛者である人物を80%の有権者の投票で再選させることができるように広範な人々の連合を作ろうとして成功しましたよ。マイク・ペンスの地元のインディアナ州でね」。

しかし、サウスベンド市は民主党が圧倒的に優位な土地柄で、ブティジェッジがラクラクと再選するであろうことは問題にもならなかった。

ブティジェッジの政治的な経歴書に書かれていないことが多いのだが、ブティジェッジは2010年にインディアナ州財務長官に立候補して落選した。これが彼にとって初めての公職を目指す選挙となった。クロウブシャーはこの時のことを取り上げた。

クロウブシャーは「もしあなたがインディアナ州で勝利を収めることができていたら、素晴らしいことだったでしょうね。あなたは選挙に勝とうとして、20ポイント差をつけられて負けましたね」と述べた。

彼女は少し間違ってしまった。彼は25ポイント差をつけられて落選した。

(3)自信を持つバイデン(A confident Biden

話題があちこちに飛んだいくつかの討論の後、バイデンは今回の討論会で最も自信があるように見せることに成功した。彼は全国規模の世論調査でトップを維持していることについて自信を深めたようだ。彼には参加人数が少ない討論会の方がやりやすいのだ。

前副大統領バイデンは医療制度についてサンダースと論争を行っている間、とても力強かった。彼は自身の年齢についての質問をうまくいなした。バイデンはトランプが大統領を退任した後、共和党は「悟る」ようになるだろうと発言したことについて批判された。他の候補者たちはこの考えを嘲笑した。バイデンはこうした批判を払いのけた。バイデンは、息子のハンター・バイデンに対して数か月も攻撃が続いたが、共和党を嫌いにもならないし、信頼もできないということにはならないと述べた。

バイデンはもし大統領に当選したら、二期目に出馬するのかどうかという質問からうまく逃げた。彼は2020年に大統領選挙で当選しですぐに自分の「進む方向を決めることはしない」と発言した。

「私たちの現在の状況を考えましょう。現状についてまず考えましょう。しかし、私が二期目に出るのかどうかということを考えるのはまずいことではないでしょうね」とバイデンは述べた。

78歳になるバイデンは当選すれば史上最年長の大統領ということになる。二期目についての質問をかわしたのはうまかった。彼の立場は一期目にも当選しない前から二期目の選挙について語るという思い上がりを拒絶したということになる。しかし、最初から一期だけ務めるということを表明して大統領就任直後からレイムダック化することも避けようとした。

これはトランプが採用したアプローチとは異なるものだ。トランプ大統領は再選のための選挙運動を2017年に大統領に就任してからすぐに始めた。

(4)医療制度についてのサンダース対バイデンの戦い(Sanders vs. Biden on health care

医療制度についてはこれまでの民主党候補者討論会では最初に取り上げられるテーマだった。木曜日夜の討論会では、3時間過ぎた頃になって取り上げられた。しかもサンダースとバイデンとの間でこれまでよりも短いやり取りしか行われなかった。ヴァ-モント州選出の連邦上院議員サンダースは単一支払者による「メディケア・フォ・オール」提案(訳者註:政府による国民皆保険的健康保険)の署名について強調し、バイデンはオバマケアの基礎となった計画を支持し、民間の保険提供業者の役割を維持すべきと主張した。

医療制度に関するやり取りは、サンダースに対する問いかけから始まった。それは、連邦上院で過半数を握っている共和党が彼の計画に反対しているという現実を踏まえて、それではとりあえず、完全に彼の計画通りではないものを実現することに努力するのか、というものだった。彼はそれに同意せず、「私は単一支払者メディケア・フォ・オールを可決できると考えています」と述べた。

そしてバイデンは自分自身の計画について述べた。それはオバマケアに対して公的な選択肢を付け加え、アメリカ国民が保険のために保険料を支払うにあたり、その収入制限が低くなると述べた。

バイデンは「ワシントンが国民を支配するようなことをすべきではないんです。だからあなたの計画は実現できないのです」と述べた。

サンダースはバイデンの計画は「基本的に現状維持に過ぎない」と述べた。バイデンはサンダースの計画は10年で30兆ドルの新たなコストが必要となり、その結果として増税が起きるだろうと反撃した。

サンダースは医療制度のために税金を支払うことになるが、アメリカ国民はそれ以上自己負担金、保険料、控除を支払う必要はなくなり、処方箋薬の支払いについて年間200ドルを上限とすることができると述べた。

ある時点で、バイデンは論争を止め、激しく腕を動かしながら発言するサンダースに対して、「ちょっとの間腕を下げたらどうだい、バーニー」と述べた。

サンダースは「君に手を振っているだけだよ、ジョー」と返した。

(5)クロウブシャーは状況を動かしたい(Klobuchar wants to make a move

現在のところ、ミネソタ州選出連邦上院議員クロウブシャーはアイオワ州で少しずつかつ確実に支持を伸ばしている。彼女はアイオワ州での逆転に望みをかけている。

しかし、クロウブシャーは予備選挙においてトップ集団から離されているままだ。そして、討論会の壇上こそはその差を縮めるための最後の機会となったことは明らかだ。

クロウブシャーは目立つ瞬間やテーマを逃さないようにするために不意に入ってきたので、最も熱心な参加者となった。

包装されていない時間帯に大学無償化について会話がなされていた時に「私が答えてよろしいですか?」と述べた。

障害を持つ人々に地域にどのように参加してもらうかについての会話中、彼女は「私がその質問に答えてよろしいですか?」と述べた。

討論会において注目される存在になろうとしたクロウブシャーの努力は結実した。最初の1時間でクロウブシャーはどの候補者よりも話す時間を確保することができた。その間、クロウブシャーは会話をリードした。そして、全体として彼女は2番目に多く話す時間を確保できた。

バイデンとサンダースが医療制度について論争を繰り広げる中、クロウブシャーは「私はこの議論を拝聴するためだけにここに来たのではありません。私は物事を前に進めるためにここにやってきました」と発言した。

(6)アンドリュー・ヤンは重要な候補者であることを証明した(Andrew Yang shows he belongs

1年前、ヤンは無名の実業家で、自身の立候補について真剣だということを人々に誓うことだけをやっていた。

木曜日の夜、ヤンは討論会会場にいるべき候補者であることを証明した。彼は政治と政策を分かりやすい言葉で人々に語ることができることを示すことで候補者としての力を証明した。

このことが最も明確に示されたのは、討論会の檀上にいる白人ではない候補者はヤンだけだということについて質問された時だった。ニュージャージー州選出連邦上院議員コーリー・ブッカーと元住宅都市開発長官フリアン・カストロは討論会参加条件をクリアできず、カリフォルニア州選出連邦上院議員カマラ・ハリスは選挙戦から撤退してしまった。

アジア系であるヤンは「今夜のこの檀上に唯一の非白人候補者として立っていることは光栄ですが、同時に失望を禁じ得ません」と述べた。

ヤンは微笑みをたたえながら、「カマラがいなくて残念です。コーリーがいないのも残念です。もっともコーリーは戻ってくると思いますけれどもね」と述べた。

この発言に対してホールいっぱいの大きな拍手が起きた。ヤンは若い時に人種差別的な言葉をかけられる対象となったと述べ、「アフリカ系アメリカ人とラティーノは言葉よりもより激しい差別を受けてきた」と語った。

ヤンは政策についての質問を個人に引き付けることで時間を使った。香港での騒動について質問された際、ヤンは自分の家族が香港にいると述べた。また、移民法制の改善について質問された時、「もちろん私はそうしますよ。私自身も移民の息子ですし、私は子供の頃に親に連れられてアメリカにやってきた人々(ドリーマーズ)が全ての点でアメリカ人であると認識しています。しかし、現在の移民法制では不法移民となってしまうのです」と述べた。

ヤンは討論会の最後もトーンを変えることはなかった。そして、ヤンは自身の立候補はそもそも実現するはずのものではなかったと述べた。

ヤンは笑顔をたたえながら次のように述べた。「アメリカ国民の皆さん、私は皆さんが考えていることが分かります。どのようにして私はアメリカ国民の方々と共に今でも討論会に参加しているか分かりますか?」。

(7)大富豪の地位チェック(Billionaire status check

投資家で民主党の大口献金者トム・ステイヤーは今回の討論会に登壇した。彼はいつも通りのタータンチェックのネクタイをしていた。

元ニューヨーク市長マイケル・ブルームバーグは登壇しなかった。

大富豪2人は巨額の資金を投じてテレビCMを放映している。これによって2人は各種世論調査で一桁の支持率を記録するようになっている。2人は討論会で重要な役割を全く果たすことはなかった。

(8)贈り物か許しか?(Gifts or forgiveness?

今回の討論会もこれまでの討論会でも問われた質問が最後に出された。それは「あなたは競争相手に対して長所を提示するか、それとも何か謝罪したいことがありますか?」というものだ。

ステージ上の7名の候補者のうち、2人だけが許しを乞い、謝罪をおこなった。このようにしたのはステージ上の2名の女性、ウォーレンとクロウブシャーだった。

ウォーレンは自分自身が「興奮してしまう」ことがあるとして謝罪した。

彼女は「私は意図的にやっているのではないのですが」と述べた。

クロウブシャーは「私の発言などに怒りを覚えた人たち」に許しを乞うた。

クロウブシャーは「私はぶっきらぼうで攻撃的かもしれません。しかし、しかるべき候補者が党の指名候補となることが何よりも重要だと私は考えるのでそのように行動しています」と述べた。

男性の候補者たちはクロウブシャーとは違う方向に向かい、競争者たちに長所をアピールした。特に彼らが書いた本についてアピールした。

ヤンはちょっとためらいつつ次のように述べた。「私はデータについて本を書きました。もしデータに興味があるなら最適の本だと思いますよ。データと本が好きな人にとっても良い本だと思います」。

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 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙民主党予備選挙はジョー・バイデン、エリザベス・ウォーレン、バーニー・サンダース、ピート・ブティジェッジがトップ集団を形成し、カマラ・ハリス、エイミー・クロウブシャー、コーリー・ブッカー、フリアン・カストロがそれに続く展開となっている。そこに食い込んでいるのがIT実業家アンドリュー・ヤンとトゥルシー・ギャバード連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)だ。2人は国政レヴェルではアウトサイダーだが、有名な上院議員や元閣僚をしのぐ勢いを見せている。
andrewyangtulsigabbard001
友に選挙運動を行うアンドリュー・ヤンとトゥルシー・ギャバード

 11月20日に民主党の討論会が開催される。11月13日までに参加条件をクリアしなければならなかった。参加条件は(1)政治献金者数16万5000人以上、20州以上から最低600名上の献金者を確保する、(2)9月13日から11月13日までの間に実施された世論調査のうち、民主党全国委員会が承認した世論調査の支持率の数字で、(a

)全国規模の世論調査で4回以上3%以上の支持率を記録するか、(b)予備選挙が早期に実施される各州(アイオワ州、ニューハンプシャー州、サウスカロライナ州、ネヴァダ州)の世論調査で2回以上5%以上を記録するというものだった。

 11月の討論会の参加条件をクリアしたのはバイデン、ウォーレン、サンダース、ブティジェッジ、ハリス、クロウブッシャー、ブッカー、大富豪のトム・ステイヤー、そしてヤンとギャバードだ。前閣僚のフリアン・カストロは政治献金者数の条件はクリアしたが、世論調査の数字に関する条件はクリアできなかったので参加できない。

 12月の討論会(12月19日)の参加条件は更に厳しくなり、献金者数は20万人以上、20州以上から800人以上、全国規模の世論調査で4回以上4%以上を記録するか、早期に予備選挙が実施される各州での世論調査で2回以上6%以上を記録しなければならない。期限は12月12日までだが、現在のところバイデン。ウォーレン、サンダース、ブティジェッジ、ハリス、クロウブシャーが条件をクリアしている。こうした人々に続くのがヤンとギャバードで、ブッカーとカストロは2人に置いていかれている。ヤンとギャバードは条件クリアまであと一息といったところだが、ブッカーとカストロは厳しい状況だ。

 ヤンとギャバードという非主流派と反主流派の候補者の人気が上がっているのはやはり民主党主流派に対する不満が人々の間に多くあることが理由だろう。2016年の大統領選挙で民主党全国委員会がヒラリー・クリントンを勝たせるために贔屓をしていたことが明らかになり、民主党に対する信頼は地に落ちた。その時の委員長だったワッサーマン=シュルツは今でもフロリダ州選出の連邦下院議員を続けられているというのは、民主党の腐敗体質を象徴するものだ。

 ヤンとギャバードが党の指名候補になることはないだろうが、これからどれだけ暴れることが出来るか注目だ。

(貼り付けはじめ)

名前が挙がらない非主流の候補者たちが有名な候補者たちを支持率で追い抜く(Outsider candidates outpoll insider candidates

ジョナサン・イーズリー筆

2019年11月12日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/470125-outsider-candidates-out-poll-insider-candidates

トゥルシー・ギャバード連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)とIT実業家アンドリュー・ヤンはワシントンのインサイダーである有名政治家たちを支持率で追い抜くということが起きている。これは無名の非主流派、反主流派の候補者たちが国政の場で影響力を持って欲しいという人々の熱望を示すものである。

ニューハンプシャー州で実施された2回の世論調査でギャバードとヤンは、より知名度の高いカマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)、コーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)、エイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)といった候補者たちに追いつく、もしくは追い抜いている。

民主党内部ではギャバードとヤンの台頭に気づき始め、2人がニューハンプシャー州でトップ集団を形成している候補者の中の一人を引きずり下ろす可能性があると噂し始めている。ギャバードとヤンの支持率を足すと10%に達している。

各種世論調査によると、ジョー・バイデン前副大統領、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)、インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジがトップ集団を形成し、アイオワ州とニューハンプシャー州で地歩を固めようと奮闘している。

民主党内部ではギャバードもしくはヤンがトップ集団に挑戦するにたるだけの支持率を獲得できるかについて疑念を持っている。それでも2人の候補者たちは人々を驚かせ続ける。

しかし、ニューハンプシャー州の予備選挙は独立心の強い有権者による大番狂わせが起きる可能性がある。ニューハンプシャー州では民主党予備選挙に支持する政党を表明していない有権者と共和党支持の有権者が参加可能だ。

ニューハンプシャー州は特に独立心の強い州として知られている。サンダースは無党派と若い有権者からの支持を固めようと躍起になっているが、こういった人々はヤンにも注目しており、ニューハンプシャー州の有権者の特性はサンダースにとって脅威となる。

ニューハンプシャー州の有権者の特性はまたバイデンの支持を減らす可能性もある。バイデンは民主党内部の中道穏健派と保守派からの支持を必要としているが、こうした人々の中にはギャバードを注目している人たちもいる。

匿名のニューハンプシャー州の民主党系ストラティジストは「ニューハンプシャー州の予備選挙はいつも予測不可能なのだ」と述べている。

CNNとニューハンプシャー大学がニューハンプシャー州で実施した最新の世論調査でヤンの支持率は5%を記録した。クロウブッシャーと同率、ハリスとブッカーを追い抜く結果となった。また、キュニピアック大学のニューハンプシャー州での世論調査でヤンは支持率4%を記録し、クロウブッシャー、ハリス、ブッカーを追い抜いた。

IT実業家であるヤンはニューハンプシャー州とは太いつながりを持っている。ヤンはニューハンプシャー州の名門フィリップ・エクスター・アカデミーを卒業した。また、ニューハンプシャー州民主党の幹部は若い人たちの間でヤンを支持する熱意が広がっていると語っている。

キュニピアック大学の世論調査では、ニューハンプシャー州に住む18歳から34歳までの若い有権者たちの12%から支持を集めている。若い有権者層はサンダース選対にとって重要なグループである。

ヤンに関してはインターネット上で拡散されており、国民全員へのベイシック・インカムをはじめとする政策提案に関心が集まっている。これに人々は驚いている。

ヤンは12月の討論会の資金集めの条件を既にクリアしている。2019年第三四半期だけで1000万ドルを集めた。ヤンは同期の資金集めで6位につけ、5位のハリスの1160万ドルに肉薄した。

12月の討論会に参加するためには4つの世論調査の数字で条件をクリアしなければならないのだが、ヤンは2つの世論調査で条件をクリアしている。

ヤン選対責任者のザック・グラウマンは次のように述べている。「アンドリュー・ヤンは来る12月の討論会に参加することになる。アンドリューの“ヒューマニティー・ファースト・エコノミー”というメッセージがより多くの有権者に届いており、ヤンの支持率は各種世論調査で支持率を上げている」。

ギャバードはニューハンプシャー州の高速道路の近くに多くのサインボードが出ており、それ以外にも各地のビルボードが出ており、専門家たちの関心を集めている。

カリフォルニア州出身の民党全国委員会幹部のボブ・マルホランドは「私は9月上旬にニューハンプシャーを訪れたのだが、私が車を運転する道路全てにギャバ―ドの看板が出ているように感じた」と述べた。

ハワイ州出身のギャバードは民主党主流派に属する人々にとっては唾棄すべき人物となっている。2016年の大統領選挙民主党候補者ヒラリー・クリントンはギャバードを「ロシアのお気に入り」と呼び、第三党の候補者として大統領選挙に出馬して、トランプ大統領を勝たせるという秘密の計画があるのだと非難した。

ギャバードは連邦下院議員選挙での再選を目指さず、また無所属や第三党の候補者として大統領選挙に出馬することもないと明言している。

ヒラリー・クリントンがギャバードを非難したことは裏目に出た。ギャバードに対する関心が高まり、ニューハンプシャー州でキュニピアック大学の最新の世論調査では支持率6%にまで引き上げた。この数字はこれまでの世論調査の中で最も高い数字だ。

ギャバード選対の上級顧問マーク・バーグマンは次のように述べている。「民主党内部でどのような結果を引き起こすとしても彼女は正しいと確信することをこれからもやっていくニューハンプシャー州の有権者の皆さんが彼女のこのような姿勢に反応している。ニューハンプシャー州は独立心が強い場所であって、権力者に対して真実を語る候補者を評価しているのだ」。

キュニピアック大学の世論調査では、有権者登録をしている無党派の有権者たちの10%がギャバードを支持しているという結果が出た。これはサンダースにとって問題となる。2016年の大統領選挙民主党予備選挙でサンダースはニューハンプシャー州で楽勝であったが、立候補者が乱立している今回の予備選挙では苦戦している。

民主党系のストラティジストであるジョン・レイニッシュは次のように語っている。「ヤンとギャバードを支持する人たちはバーニーも支持している人たちだ。もし私がバーニーだったら、ニューハンプシャー州での2人の躍進についてきちんと分析するだろう」。

退役軍人であるギャバードは保守的もしくは中道穏健派だと自認している民主党員の9%の支持を得ている。潜在的にバイデンとブティジェッジの支持率を下げる可能性を持つ。両者は予備選挙で中道派からの支持を争っている。

もちろん民主党員たちは、2020年2月11日のニューハンプシャー州での予備選挙で実際の投票が実施される際に有権者たちがまだヤンとギャバードを支持するかどうか分からないが、2人はニューハンプシャー州のえっかに大きな影響を与えるだろうということを認めている。

2020年2月3日のアイオワ州の党員集会の結果で上位に食い込んだ候補者たちにギャバードとヤンの支持が流れる可能性はある。

それでも非主流の候補者たちはニューハンプシャー州の予備選挙で爪痕を残しているが、これは主流派への異議申し立てのエネルギーが民主党内で渦巻いていることを意味している。このエネルギーは2016年にサンダースのヒラリー・クリントンに対する挑戦と善戦以来はっきりとしている。

先月オハイオ州で開催された候補者討論会で、ヤンは人々の関心を集めた。ヤンは労働現場における自動化の影響に関してウォーレンと一対一でやりやった。他の候補者たちは、ヤンの「自由の配分」提案を革新的な提案だと指摘した。

民主党内では、デトロイトで開催された2回目の討論会においてギャバードがハリスを直接批判したことが、ハリスの支持率の低下を招いた可能性があると考えている。ハリスはそれまで上昇局面を迎えていたが、ギャバードがハリスはカリフォルニア州検事総長の権力を濫用したと批判して以降、選挙戦の勢いが衰えた。

当時、ハリスは、「トップ集団を形成する候補者」として、支持率の数字がゼロか1%しかない候補者からの攻撃に関して懸念を持っていないと述べていた。現在、ギャバードはいくつかの世論調査でハリスに追いつく、もしくは追い抜いている状況だ。

前述のレイニッシュは次のように述べている。「反主流派もしくは非主流派の候補者を求める有権者の欲望は確かに存在する。この点でニューハンプシャー州は特に際立っており、半主流派気質が強い場所だ。サンダースとウォーレンはこの反主流派気質にうまく取り入っているが、ハリス、クロウブッシャー、ブッカーといった候補者たちには厳しいものとなる」。

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11月の討論会の参加条件クリアしたのは誰だ(Who qualified for the November Democratic debate

―11月20日の討論会はMSNBCと『ワシントン・ポスト』紙が共同開催し、ジョージア州で開かれる

ケヴィン・シャウル筆

2019年11月14日

『ワシントン・ポスト』紙

https://www.washingtonpost.com/politics/2019/10/14/who-has-qualified-november-democratic-debate/?arc404=true

10月の討論会に12名が参会したことに驚いた人たちも多いと思うが、恐れることはない。木曜日、民主党全国委員会は11月の討論会には10名が参加できると発表した。

トゥルシー・ギャバード連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)が最後の条件クリアの候補者となった。締め切りの1週間前に参加条件をクリアした。フリアン・カストロ前住宅・都市開発長官とビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)はこれまで全ての討論会に参加している。しかし、今回の討論会にはカストロは参加条件をクリアできず、オロークは11月1日に選挙戦からの撤退を表明した。

・それぞれの討論会で誰が条件をクリアしたか?

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新しいルールでは、候補者は民主党が承認した、9月13日から11月13日までに実施される世論調査のうち、4つの世論調査で支持率3%以上を記録するか、早期に予備選挙が実施される各州(アイオワ州、ニューハンプシャー州、サウスカロライナ州、ネヴァダ州)の世論調査の中で2つの世論調査で支持率5%以上を記録しなければならない。候補者はまた少なくとも16万5000名の献金者、少なくとも20州で各600名以上を獲得しなければならない。

これまでの討論会と同様、候補者たちは献金に関する条件よりも世論調査の数字に関する条件をクリアすることに四苦八苦している。献金に関する条件をクリアした各候補者は支持率の参加条件をクリアできていないでいる。カストロは献金に関する条件をクリアしたが、世論調査に関する条件を全くクリアできていない。
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これまでの数か月、世論調査の結果はほぼ2日に1回発表された。指定の期間に32の世論調査の結果が発表された。

討論会の参加条件を厳しくしても、民主党が想定しているよりも討論会に参加できる候補者の数を絞ることができていないようだ。オロークとティム・ライアン連邦下院議員(オハイオ州選出、民主党)は11月の討論会参加条件対象期間中に選挙戦から撤退した。しかし、元マサチューセッツ州知事ディヴァル・パトリックは2019年11月14日に予備選挙に出馬を表明し、元ニューヨーク市長マイケル・ブルームバーグも出馬を検討している。

・訂正(10月15日);このレポートの前のヴァージョンでは、民主党が承認した14の世論調査のうち3%以上の支持率を記録していなかったと書いていた。この14の世論調査には入っていないが10月10日のフォックスニュースの世論調査では3%の支持率を記録した。

・今回のレポートについて:今回の分析は民主党全国委員会が設定した規則に基づいている。個人献金者数については各選対が発表した数字を使っている。世論調査の数字に関しては『ポリティコ』誌が掲載している数字を使っている。

(貼り付け終わり)

(終わり)
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馬鹿ブス貧乏で生きるしかないあなたに愛をこめて書いたので読んでください

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 アメリカ大統領選挙民主党予備選挙は、ジョー・バイデン前副大統領、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)の3人に絞られつつある。各種世論調査の結果を見ても、この上位3人以外の候補者の支持率の数字は1桁ばかりで、資金力や組織力、知名度を考えるとこの3名に絞られる。
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 4位につけるカマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は支持率を落としている。上位3名はバイデンが中道右派、サンダースが左派、ウォーレンが中道左派(左派がより強い)という立場を明確にしている。ハリスは左派のようなことを言ってみたり、中道派のようなことを言ってみたりで立場が明確ではない。せっかく1回目の討論会でバイデンを厳しく攻撃して支持率を上げ、政治資金集めもうまくいったのに、その流れを保つことが出来なかった。
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 他の候補者たちも支持率を上げられない中で、実業家トム・ステイヤーは出馬宣言こそ遅かったが、現在、早期に予備選挙が実施される各州で選挙運動を集中して行い、支持率を挙げている。ステイヤーは9月の討論会の参加資格「支持率2%以上を4回以上記録」で3回は記録したが、1回足りずに討論会に参加できなかった。しかし、10月に関しては9月と参加条件が同じで残り1回を満たしたので参加できる。しかし、ステイヤーの全国規模での数字は上がっていない。私が注目しているトゥルシー・ギャバード連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)は9月の討論会参加資格で、支持率2%以上が後2回足りなかったために討論会に参加できなかった。10月の討論会に関しては、あと1回というところまで来ているが、こちらもなかなか支持を伸ばすのに苦労している。
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アンドリュー・ヤンは、「18歳以上の全国民に毎月1000ドルを支給する」というベイシック・インカム政策を出馬宣言から一貫して主張して、このところ支持率を挙げている。このブログでも既にお知らせしているように、民主党全国委員会は9月、10月の大統領選挙民主党予備選挙候補者討論会の参加基準を大幅に引き上げた。そのために20名ほどいる候補者のうち、9月の討論会に参加できたのは10名だった。その10名の中にアンドリュー・ヤンは入った。現役の連邦議員でも基準をクリアできず、参加できなかったり、予備選挙からの撤退を発表したりする中で、政治経験のないヤンが10名の中に入ったというのは快挙だ。討論会に続けて参加できない候補者は「非有力」「負け犬」候補というイメージを持たれてしまうので、出続けることが重要だ。 

 民主党予備選挙では、民主党支持の有権者たちは「現職のトランプ大統領に勝てるのか」という「当選可能性(electability)」があるのかどうかを注目している。その点で、アメリカ国民の多くが過激だと考えるサンダースは支持を集めることは難しい。「今回の選挙は勝てなくてもいいや」と有権者が考えれば、過激でもはっきりとした政治的主張を持っている候補者が党の指名候補になるが、今回はそうではない。トランプ大統領は不人気だから、次は落選させられると民主党支持の有権者は考えている。

 しかし、残念ながらバイデンを含めて、民主党の候補者は弱い。バイデンは高齢ということもあり言い間違いなどが多く、また、他の候補者たちから狙い撃ちをされてしまう。バイデンの最大の売りが「オバマ大統領の時の副大統領」ということで、「昔は良かったね」という有権者の郷愁が支持の原動力だ。だから、何かを大きく変えるというようなことは言わない。バイデンは連邦上院議員を長く勤めていたので、そもそも何かを大きく変えることはできないし、現実的ではないと考えている。

 現実的という言葉も重要で、サンダースやウォーレンの公約に対して、「現実的ではない」「実現不可能だ」という批判がある。連邦上院は共和党が過半数を占めている現状では、増税を伴う政策の実現は不可能だ。連邦上院は州の面積や人口に関係なく、各州2人ずつが選出され、任期は6年、2年おきの選挙で約3分の1ずつが選挙される。連邦下院議員は2年の任期で2年おきの選挙で全員が選挙される。選挙区は人口の大きさで区分され、人口が多い州ほど選出される議員数は多い。 

農業州や田舎の州が共和党の支持基盤であり、連邦下院議員の選出数は少ないが、連邦上院議員数は人口が多い州とも同じなので、共和党に有利な制度になっており、共和党が連邦上院で過半数を握りやすくなっている。連邦議会は捻じれが起きやすくなる。

 バイデンは長年のワシントン生活で共和党ともパイプを持っており、オバマ政権時代も、連邦議会で法案の通過が膠着状態に陥った際に、民主、共和両党の議員たちと話し合いを行い、根回しを行っていた。こうした根回しは副大統領の仕事だが、バイデンはこの根回しが上手だった。オバマ政権には、大統領であるオバマをはじめ、連邦上院議員経験者が多かった。

サンダースやウォーレンも連邦上院議員だが、サンダースは民主党会派には属しているが民主党所属ではない。ウォーレンは、「ケネディ王国」マサチューセッツ州選出であり、ケネディ家の支援も期待できる、民主党の王道の存在だ。ウォーレンが支持を伸ばしているのは、こうした背景もある。 

 民主党予備選挙は上位3名に絞られつつある。2位サンダース、3位ウォーレンが連携するかどうかで、状況は変わっていく。

(貼り付けはじめ)

バイデンは最新世論調査で支持率トップ、ウォーレンは僅差で2位につける(Biden leads in new national poll, Warren close behind in second place

ジョナサン・イーズリー筆

2019年9月17日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/461827-biden-leads-in-new-national-poll-warren-close-behind-in-second-place

NBCニュースと『ウォールストリート・ジャーナル』紙の最新の共同世論調査の結果では、ジョー・バイデン前副大統領は大統領選挙民主党予備選挙の候補者の中でトップにつけている。しかし、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が僅差で2位につけている。

世論調査の結果は、バイデンの支持率が31%、ウォーレンの支持率は25%となっている。バイデンとウォーレンは支持率の数字を最も大きく上げた2人だ。バイデンは7月の調査から数字を5ポイント上げ、ウォーレンは6ポイント上げた。

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)は支持率14%で3位につけているが、7月に比べて支持率の数字を1ポイント下げた。 

世論調査では、民主党支持の有権者たちはウォーレンの選挙運動を高く評価しているという結果が出た。35%の有権者が指名候補となったら彼女に進んで投票すると答えた。それに続くのがサンダースで25%、バイデンが23%となった。

ウォーレンは、ウォーレン以外の候補者を支持する有権者の第2選択肢の候補者となっており、21%がウォーレンを第2選択肢として名前を挙げた。ウォーレンに続くのがサンダースで16%、インディアナ州サウスベンド市長ピート・ブティジェッジが12%、バイデンが11%という結果だった。

第1位の選択肢と第2位の選択肢のパーセンテージを合計すると、ウォーレンは45%でトップ、バイデンが41%で2位、サンダースが29%で3位となる。

上位3名以外に支持率10%を超える候補者はいない。

ブティジェッジは支持率7%で4位、続くカマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)が5%IT関係の実業家アンドリュー・ヤンは4%だった。

ハリスの支持率は7月以来大きく下落している。8ポイントの下落は候補者の中で最大の下落幅である。

エイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)とコーリー・ブッカー連邦上院議員(ニュージャージー州選出、民主党)はそれぞれ支持率2%を記録した。それ以外の候補者は1%を超える支持率を獲得できなかった。

NBCとウォールストリート・ジャーナル紙の共同世論調査は、民主党の候補者討論会の参加資格対象の世論調査である。

トゥルシー・ギャバード連邦下院議員(ハワイ州選出、民主党)はあと1度、大正となる世論調査で2%以上の支持率を記録すると討論会への参加資格を得られるのだが、今回の世論調査では2%以上の支持率を獲得できなかった。

NBCとウォールストリート・ジャーナル紙の共同世論調査は民主党予備選挙に参加予定の有権者506名を対象に2019年9月13日から16日にかけて実施された。誤差は4.4ポイントだ。

=====

 世論調査:バイデンはサンダースに12ポイントを付ける、ウォーレンは3位につける(Poll: Biden holds 12-point lead over Sanders, Warren third

 レベッカ・クラー筆

2019年9月16日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/461615-poll-biden-holds-12-point-lead-over-sanders

月曜日に発表された最新の世論調査の結果、ジョー・バイデン前副大統領は2位のバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)に12ポイントの差をつけてトップに立っていることが分かった。

モーニング・コンサルト社が実施した世論調査の結果によると、バイデンは、候補者が絞られつつある民主党予備選挙において、予備選挙に参加予定の有権者の32%の支持を受けている。

サンダースは支持率20%で2位につけた。

ウォーレンは支持率18%で、サンダースに対して僅差の3位につけた。今回の世論調査の結果は、ここまでの数週間に発表された世論調査の結果とほぼ同様のもので、バイデン、サンダース、ウォーレンが明確に上位候補者として絞られ、トランプ大統領と戦う民主党指名候補に近い存在となっている。
上位3名だけが支持率2桁を記録している。
また、今回の世論調査の結果では、上位3名だけが早期に予備選挙が実施される各州での支持率が2桁を記録している。

アイオワ州、ニューハンプシャー州、サウスカロライナ州、ネヴァダ州といった早期に予備選挙が実施される各州での支持率を見ると、バイデンのサンダースに対するリードは13ポイントに広がっている。

モーニング・コンサルト社の今回の世論調査の結果では、サンダースのウォーレンに対するリードは8ポイントだ。ウォーレンの支持率は13%となっている。

モーニング・コンサルト社の世論調査は、自分の住む民主党予備選挙もしくは党員集会に参加予定の登録済有権者7487名を対象に2019年9月13日から15日かけて実施された。誤差は1ポイントだ。

早期に予備選挙が実施される各州での世論調査は341名の有権者に対して実施された。誤差は5ポイントだ。

(貼り付け終わり)

(終わり)
ketteibanzokkokunihonron001
決定版 属国 日本論

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