古村治彦です。
私が著書『悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める』(2021年)で取り上げ、最近になって、ヴェテランのジャーナリスト歳川隆雄氏が記事で取り上げた、ワシントンに本拠を置くコンサルティング会社ウエストエグゼク・アドヴァイザーズ社についての記事をご紹介する。ジョー・バイデン政権には、ウエストエグゼク社出身者が数多く入っており、代表格としては、アントニー・ブリンケン国務長官、アヴリル・ヘインズ国家情報長官、イーライ・ラトナー国防次官補などがいる。共和党のドナルド・トランプ政権時代には、こうした人々は、ウエストエグゼク社で働き、クライアント企業の問題解決のために活動していた。ウエストエグゼク社のクライアントは公表されていないが、創設者のミシェル・フロノイ元米国防次官(バラク・オバマ政権)と国防産業との関係が密接で深いために、国防産業の各企業がクライアントになっていると考えるのが自然だ。
ミシェル・フロノイ
林芳正外相(当時)との夕食会にて(一番奥・2022年)
ウエストエグゼク社とバイデン政権の関係については、今年に入って、ウエストエグゼク社の現役の幹部社員が米国防総省戦略資本局のコンサルタントとして、兼職して働くことになり、「この兼職は大丈夫か、倫理上の問題はないのか」「利益相反問題は大丈夫か」という声が上がった。ウエストエグゼク社のクライアントが米国防総省から仕事を受けるというようなことが起きる場合、兼職のコンサルタントがその地位を利用して、有利な契約を結ぶというようなことが起きるのではないかという懸念がある。
ここでポイントは米国防総省に新たに新設された戦略資本局という部局の存在である。この戦略資本局創設の目的は、「動きの鈍い連邦官僚機構(federal bureaucracy)と、ベンチャーキャピタルの支援を受けた最先端の仕事(cutting-edge work)をする民間企業とを結びつけること」「国家安全保障にとって極めて重要なテクノロジーに対する民間投資を拡大させる」となっている。国防に関わる重要な武器はハイテク化が進んでいる。武器開発、武器の基礎となる技術開発は政府だけで担えるものではない。民間部門も参加しなければならない。官民連携、官民協調を調整し、促進するのが戦略資本局ということになる。そこに、ウエストエグゼク社のコンサルタントが、ウエストエグゼク社に在籍のままで特別政府職員として入ったということはそうした関係構築、調整のためということになる。
軍産複合体(military-industry complex)という有名な言葉(ドワイト・アイゼンハワー大統領が退任演説で使った)がある。アメリカ軍と民間国防企業が結びつき、肥大化し、税金を食い物にするということは第二次世界大戦後の冷戦期からずっと続いている。現在は、中国を標的として、アメリカ軍と民間国防産業は無図美月を深めている。また、官民協調は、中国の特徴でもあり、それを模倣しようとしている。バイデン政権は、日本研究の泰斗故チャルマーズ・ジョンソンが通産省研究を行って発見した、「産業政策」を採用している。アメリカの国防分野における「産業政策」の推進役がウエストエグゼク社ということになるだろう。
(貼り付けはじめ)
回転ドアを通じて実現するかもしれない「偉大な三人組」(A Revolving-Door
Trifecta)
-本日の重要ポイント:国務省で同じことが繰り返されるかもしれない。
ロバート・カットナー筆
2023年8月25日
『ジ・アメリカン・プロスペクト』誌
https://prospect.org/blogs-and-newsletters/tap/2023-08-25-revolving-door-trifecta/
現在、ホワイトハウスで国家安全保障会議インド太平洋担当調整官(White House
coordinator for Indo-Pacific Affairs at the National Security Council)を務めるカート・キャンベルが、国務副長官(deputy secretary of state)に就任する可能性があると報じられている。これは、グローバルな貿易政策が国内の産業や労働の目標に役立つことを望む人々にとっては、あまり良いニューズではない。
キャンベルはヴェテランである。彼は2013年までオバマ政権下で東アジア・太平洋担当国務次官補(assistant secretary of state for East Asian and Pacific Affairs)を務めたが、その後政府を離れ、様々な企業をクライアントに持つコンサルティング・ロビイング会社「ジ・アジア・グループ(The Asia Group)」を設立した。キャンベルは政府とのコネクションやアクセスを利用して、クライアントたちの利益に貢献した。キャンベルは、現在のアメリカでは廃案となっているTPP(環太平洋戦略的経済連携協定、Trans-Pacific Partnership)の強力な推進者であった。このTPPは表向きには貿易取引の促進の仮面をかぶった、企業の希望リストに過ぎないものだった。
カート・キャンベル
もしキャンベルが国務副長官に指名され、承認されれば、革命的な経歴を持つ他の2人の外交政策高官に加わることになる。本誌が既に報じているように、ジェイク・サリヴァン国家安全保障問題担当大統領補佐官は、キャンベルと同じく、民主党がホワイトハウスから離れている間、企業コンサルタントとして有利なキャリアを積んでいた。主な顧客はウーバーだった。
ジェイク・サリヴァン
外交政策に関する回転ドア三人組の最後を飾るのは、トニー・ブリンケン国務長官だ。ブリンケンは、ジョー・バイデン政権に、イーライ・ラトナー国防次官補(インド太平洋担当)を含む12人以上の高官を送り込んだコンサルティング会社「ウエストエグゼク(WestExec)」社の共同設立者兼マネージング・パートナーだった。本誌のジョナサン・ガイヤー編集長(当時)がウエストエグゼク社に関するこの見事な調査記事で書いているように、この会社のクライアントは「技術や防衛において物議を醸すような利害関係を持っており、その元コンサルタントが現在設定し実行する立場にある政策と交錯している」。
アントニー・ブリンケン
このような回転ドアのパターンは、明示的・黙示的な利益相反(conflicts of interest)という点で十分に悪質である。もっと陰湿なのは、国家の安全保障について、経済的な概念よりも軍事的な概念に重きを置くメンタリティを強化することだ。米国企業や投資銀行家の利害が絡む経済的な深い問題を追及するよりも、狭義の軍事・技術問題に目を向けたタカ派的な対中外交政策を構築する方が簡単なのだ。
キャンベルは当初、中国をグローバル貿易システムに参加させることが、より民主的で市場志向の国家(more democratic and market-oriented nation)への移行(transition)を促進するという見解を共有していた。現在は、狭義の国家安全保障に関しては、対中国タカ派(China Hawk)となっている。
しかし、キャンベルの貿易に関する見解や、労働者中心の経済を構築するというバイデノミクス(Bidenomics)の国内的な願望との関連性には、並行した進化は見られない。これは、提案されているインド太平洋経済枠組(IPEF、Indo-Pacific Economic Framework)のようなイニシアティヴの詳細が、輸出規制に関するバイデンの大統領令の詳細と同様に、まだ非常に未確定であるためだ。
キャンベルにはもう一つ、ホワイトハウスとの深いつながりがある。彼はバイデン政権の国家経済会議議長であるラエル・ブレイナードと結婚しており、ブレイナードもまた、貿易に関する見解は新潮流というよりはむしろ旧態依然としたリベラル派である。つまり、この政権の中心は、通商政策を国内経済政策と緊密に結びつけることから離れている。
必要なのはもっと異論を唱えることであり、自分の意見を強めるための、エコーチェンバーを増やすことではない。悲しいことだが、異端児(outliers)はトランプ政権時代に企業コンサルタントとして働いていなかった人々だ。例えば、キャサリン・タイ米通商代表(U.S. Trade Rep)は、古い企業版自由貿易を取り壊す必要性に厳しい。しかし、タイはクラブのメンバーではない。
=====
ペンタゴン(米国防総省)が民間部門と提携することに関する倫理上の厄介な諸問題(The
thorny ethical issues of the Pentagon partnering with the private sector)
―企業コンサルタントと米国防総省顧問を同時に務めることは法律上問題ではないのか。
ジョナサン・ガイヤー筆
2023年4月28日
『ヴォックス』誌
https://www.vox.com/politics/2023/4/28/23698006/pentagon-investing-capital-ethical-gray-areas-consulting
※ジョナサン・ガイヤーは『ヴォックス』誌で外交政策、国家安全保障、世界情勢の記事執筆を行っている。2019年から2021年まで『ジ・アメリカン・プロスペクト』誌に勤務し、編集長としてジョー・バイデン、ドナルド・トランプ両政権の外交政策ティームを取材した。
ここ数年、連邦政府内で、情報機関や軍事機関が次々と新設されているが、その最大の目的は、動きの鈍い連邦官僚機構(federal bureaucracy)と、ベンチャーキャピタルの支援を受けた最先端の仕事(cutting-edge work)をする民間企業とを結びつけることである。
いくつかの軍事機関や情報機関がベンチャー・キャピタル・オフィスを立ち上げ、ジョー・バイデン大統領のティームが実行しているCHIPS法(半導体関連法)は、アメリカのハイテク製造部門を発展させるための官民パートナーシップを前提としている。
公益と企業利益の境界線が曖昧であることを考えると、こうした努力は倫理的な問題を引き起こす可能性がある。そして、最近のキャリア上の動きが、そのような問題を物語っている。
今週、弁護士のリンダ・ロウリーは、米国防総省に新設された戦略資本局(Office of
Strategic Capital、OSC)に非常勤のコンサルタントとして勤務することを発表した。彼女はリンクトイン(LinkedIn)に、「国家安全保障を支援するために、新興の最先端技術(emerging
and frontier technologies)に民間資本を誘致し、その規模を拡大する」ことに貢献できることに、いかに興奮しているかを投稿した。
しかし、際立っていたのは、ロウリーがウエストエグゼク・アドヴァイザース社(WestExec
Advisors)という、ハイテク企業や防衛関連企業を扱うワシントンの巨大なコネクション・コンサルタント会社での民間部門の仕事を辞めないということだ。戦略資本局の仕事は、ウエストエグゼク社が提供するサーヴィスと酷似している。現在、彼女は民間部門と公的部門で同時に働いていることになる。
ロウリーの兼職は厄介事に見えるが違法ではない。バラク・オバマ政権の倫理担当トップを務めたウォルター・シャウブは私の取材に対して、「企業の顧問に国防に関する仕事をさせることは、国民の利益を最優先するための理想的な方法とは思えない」と答えた。
リンダ・ロウリー
「私は異なる組織で同時に働くことになるが、それぞれの組織は異なる問題を取り扱っており、利益相反(conflicts of interest)が起きるとは想定していない。しかし、利益相反が起こらないように細心の注意を払う」と、LinkedInで、シャウブの発言に対して、このように投稿した。(私はロウリーとウエストエグゼク社に対してコメントを求めたが、回答は記事執筆時点で得られていない)。
時代遅れの安全保障法が、何百人もの命を奪ったのかもしれない。
米国防総省はその原則を繰り返し、ロウリーが具体的な投資決定に携わることはないと述べた。
米国防総省の広報担当者は声明の中で、「こうした職員たちは、我が国の重要技術への民間部門の投資に関して情報を拡散し、奨励するという米国防総省の役割に関連する、広範な政策議論に貢献するために雇用されている。米国防総省の倫理担当官は、特別政府職員(special government employees)に対し、倫理規則に関する明確なガイドラインを提供し、特に利益相反を回避する方法を教えている」と述べた。
しかし、政府倫理の専門家によれば、こうした政策協議の中で利害の対立が生じなかったことを確認するのは難しいということだ。ロウリーのように「特別政府職員(special government employees)」として雇用する場合、国民への情報開示は少なくて済む。より広く言えば、ロウリーが活動しているグレーゾーンは、民間企業と政府を結びつけることが何を意味するのか、利益を得るのはアメリカ国民なのか企業なのかという、より大きな問題につながっている。
核心的な問題は、ロウリーの兼任が特別なことなのか、それとも今日の政府のあり方を代表するものなのかということだ。戦略資本局によれば、特別政府職員として採用された職員は、ロウリー以外には1人しかいないと発表している。しかし、政府全体で実質的な役割を担うこうした任命者が増えていることは、同様の問題を引き起こす可能性がある。
民間企業とのつながりに油を差すような(grease connections)役所が増え、政策立案者だった人間たちが政府を離れると回転ドアを利用して企業コンサルティングに参加し続けるので、この問題は今後も起こり続けるだろう。
●政府が民間部門の助けを求める時(When the government seeks
the private sector’s help)
2022年12月、米国防総省は戦略資本局を創設した。この部局の目的は、国家安全保障にとって極めて重要なテクノロジーに対する民間投資を拡大させるというものだ。
多くの新しい軍事技術の最大の消費者となるのは、もちろん政府であることが多い。しかし、米国防総省との契約には何年もかかることがあるため、新興企業が連邦政府の官僚機構に入り込むのに苦労することも多い。それは「死の谷(valley of death)」と呼ばれ、過去20年間、新興企業が米国防総省に入る際に直面するハードルを克服するために、様々な新しい部門が設計されてきた。これはまた、2017年にアントニー・ブリンケンと共同でウエストエグゼク・アドヴァイザーズ社を設立したオバマ政権下の米国防総省の高官を務めた、ミシェル・フロノイが幅広く研究してきた重要な政策分野でもある。
2019年、フロノイは、アメリカが技術的優位性(tech superiority)を維持する方法についての記事を共同で発表した。この記事の中で一つの提案を行っている。それは、「政府は、重要な技術や資源の供給者を民間資本につなげる手助けをすることもできる」というものだ。これは、戦略資本局の目的と同じだ。
2024年度米国防総省予算で、バイデン政権は戦略資本局への資金提供として1億1500万ドルを求めており、最終的には融資や融資保証などの金融ツールを利用して関心のある新興企業を後押しすることになる。初年度は主に研究で構成される。リンクトインによると、現在オフィスの一員としてリストアップされているスタッフはほんの一握りだという。投資ツールを展開する新たな当局を模索する中で、同局は中小企業庁の投資プログラムと提携した。
戦略事務局の背後にあるアイデアは新しいものではない。陸軍と空軍における投資の取り組みと、2015年に発足したインキュベーターである国防技術革新ユニット(Defense Innovation Unit、DIU)を基盤としている。国防技術革新ユニットが支援して数十億ドルの成功を収めた新興企業の中には、軍事技術企業の「アンドゥリル」社がある。
3月末にシリコンヴァレー銀行が破綻した際、多くの軍事技術系新興企業が経済的ストレスに晒された。プレスリリースによると、戦略資本局は「米国防総省や他の政府の同僚と積極的に協力し、国家安全保障コミュニティを擁護」し、「危機に対する国家安全保障関連の影響を常に監視」していた、ということだ。
●政府と民間企業で同時に働くことの何が問題か(What’s off about
working for government and the private sector at once)
官民パートナーシップは成功を収めているが、倫理的な問題を引き起こす可能性がある。
利益相反が主要の懸念事項である。そのため政府職員は勤務先、投資先、顧客、資産を申告で開示し、倫理担当官や上司と連携してえこひいき(favoritism)を避け、自身の経済的利益に影響を及ぼす可能性のあるプロジェクトに携わらないようにする。
民間部門と密接な関係を持ち、政府の請負業者を雇用する職務は特に問題を引き起こす。国防技術革新ユニットのCFOによると、2018年から2022年までに国防技術革新ユニットのディレクターを務めていたマイケル・ブラウンは、非倫理的な雇用や契約に関与していたとされている。これらの苦情は米国防総省監察官によって立証されず、昨年ブラウンは潔白を証明された。しかし、この出来事により、ブラウンはバイデン政権下での米国防総省の幹部への指名を受けられなかった。
リンダ・ロウリーのような非常勤職員は「地雷(landmines)」となる可能性がある。
ロウリーは、ジョー・バイデン大統領のホワイトハウスの科学技術政策事務局(Office
of Science and Technology Policy)に勤務していた。彼女が退職し、2022年にウエストエグゼク社に入社した際、ウエストエグゼク社は、「リンダの豊富な知識ベースを活用し、クライアントが戦略的機会を活用できるよう支援する」と述べた。ウエストエグゼク・アドヴァイザーズ社は、大手ハイテク企業、大手銀行、主要な軍事請負業者(military contractors)、新しい防衛技術の新興企業などをクライアントに持つ。ウエストエグゼク社は、「プライヴェート・エクイティや多国籍企業と新興テクノロジー」を結びつけることを専門としてきた。
ロウリーが特別政府職員(special government employee、SGE)に指定されたことで、彼女はクライアントを公にすることなく、政府とウエストエグゼク社で同時に働くことができるようになった。
特別政府職員とは、365日のうち130日以内しか働かないという人を指す。パンデミック(世界的大流行)の規制の中で官僚機構がゆっくりと動いていた新型コロナウイルスの初期には、特別政府職員の活用は合法的だったのかもしれない。そして、特定の問題に対して技術的な知識が必要とされる場合には、役に立つ分類でもある。2011年から2013年まで政府倫理局の局長代理を務めたドン・フォックスは、「特別政府職員オプションの大きなメリットの一つは、他の方法では得られないような人材を、限られた期間だけ集めることができる」と言う。
しかし、この特殊な特別政府職員の役割は、政府請負業者として働く、連邦政府の諮問委員会の委員を務めるなど、民間部門のアドヴァイザーが通常果たす可能性のある他の役割よりも透明性が低い。セントルイスにあるワシントン大学のキャスリーン・クラーク教授(法学)は、「後者はより倫理的な保護措置があり、公開会議の要件など、より透明性が高い。この種の特別政府職員には当てはまらない」と述べている。
米国防総省広報官は、「特別政府職員に指定された職員は、広範な政策協議に職務を限定され、特定の投資に関する協議には参加しない」と述べた。
しかし、監視団体「リヴォルヴィング・ドア・プロジェクト」のジェフ・ハウザーは、この特別政府職員の役割は政府の権限を搾取的に利用することになるのではないかという懸念を持っている。ハウザーは私の取材に対して、「あなたが政府で取り組んでいる決定について、特定の結果に継続的な関心を持つ団体に雇用され続けているという事実を無視するには、人間の頭脳の中に防火壁を作ることが必要であり、そんなことは不可能だ」と答えた。
直近のデータが利用な暦年である2021年には、約1600名の特別政府職員たちが国防長官事務局で働いていた。
複数の専門家によれば、注目されるような採用のために特別政府職員を使いすぎることは、政府の倫理執行に対する信頼を損なう可能性がある。この呼称を使用した最も著名な人物は、バイデン政権におけるアニタ・ダンだ。アニタ・ダンは大統領上級顧問としてホワイトハウスを出入りし、短い任期の間、クライアントや金銭的利害関係の公表を避けていた。次期国務省報道官のマット・ミラーは、ロシアのウクライナ侵攻が始まった当初、ホワイトハウスの通信担当官として働いていた特別政府職員だったと見られる。
この傾向はおそらくドナルド・トランプ政権ではより顕著で、国務省のウクライナ特使カート・フォルカーのような著名な人物が任命された。ホワイトハウスのエメット・フラッド弁護士は特別政府職員としてスタートし、後にフルタイムに変更された。アイルランド特使を務めていたミック・マルバニーは、この指定を受けて働いていた。しかし、トランプ政権の大胆かつ前例のない倫理的不正行為によって、バイデン政権における厄介な力学を曖昧になるということがあってはならない。
2013年から2017年まで、オバマ政権下で政府倫理局を率いていたシャウブは、ロウリーは潜在的な対立を緩和するために積極的な透明性対策を取ることができると指摘する。大きな懸念は、既にバイデン政権と数多くのつながりを持つウエストエグゼク社が、同社に関連する仕事を政府機関で行っている人物タイルことで、極めて有利な立場に立つのではないかということだ。
現在は政府監視プロジェクトにいるシャウブは私の取材に対して、「ロウリーは、ウエストエグゼク社の仕事におけるクライアントを公表し、また政府での仕事について情報公表することもできる。もちろん、それは自発的な情報開示になるだろう。世論は厳しく当たることになるだろう。政府は国民に、この人事によって利益相反は起きないという、具体的な保証をする義務がある」と語った。
官民で同時に兼職をしているのはロウリーだけではない。ニュー・ビスタ・キャピタルの航空宇宙・防衛部門の投資家を務めているカーステン・バートク・トゥー(Kirsten Bartok Touw)も、戦略資本局のアドヴァイザーを務めている。
カーステン・バートク・トゥー
米国防総省の戦略資本局は新設の部局のため、その仕事の責任が明確ではない可能性がある。米空軍事績法務顧問を務めた経験を持つドン・フォックスは私の取材に対して、「役割については定期的に最新情報を知りたいと思う。全く新しい職務やオフィスでは、これが反復的なものになる可能性がある」と語った。新しい部局の業務範囲は変化する可能性がある。
現在の倫理法や主要な改革の多くは、ウォーターゲート事件後に生まれ、トランプ政権はその限界と執行を試した。フォックスが言うように、「一般の人々の認識は、ある意味、全てだ」ということである。
(貼り付け終わり)
(終わり)
ビッグテック5社を解体せよ