古村治彦です。

 先週木曜日にドナルド・トランプ大統領とメラニア・トランプ大統領夫人が診断の結果、新型コロナウイルス陽性ということが分かってからの動きは慌ただしかった。それから間もなく、メリーランド州ベセスダにあるウォルター・リード陸軍病院に入院したが、数日で退院し、ホワイトハウスに戻り、ホワイトハウスでの治療ということになった。

 トランプ大統領は先週木曜日に、咳や鼻水、倦怠感という症状を訴えていたが、側近のホープ・ヒックス上級補佐官が陽性という診断になり、検査をしたところ、大統領と夫人もう陽性ということになった。そこから、大統領に近い人々や近くで接した人々の陽性の診断が続いている。マイク・ペンス副大統領と大統領選挙民主党候補者ジョー・バイデン前副大統領は陰性だったことが報告されている。討論会の時点ではウイルスの陽性状態ではなかったということ、もしくはマスクはしていなかったがお互いに距離を十分にとっていたことが幸いしたことが考えられる。

 トランプ大統領の症状については、一時は懸念される状況になったようで、毛ちゅう酸素濃度が94%になったという報道も出ていた。入院すると、毎朝に検温や血圧測定と共に、指に器械を挟んでの血中濃度の測定が行われた。私の場合は98とか99といった数字が出ていたように記憶しているが、94%というのはどれくらい低い水準かは分からないが、あまり良くない数字なのだろう。

 私が気になったのは、トランプ大統領に投与された薬剤についてだ。「抗ウイルス薬のレムデシヴェル、ステロイド薬のデキサメタゾン、リジェネロン社製の抗体薬の実験的なカクテルを投与されている」と下の記事で書かれている。ステロイド薬やレムデシヴィルは、入院している患者、症状が重い患者に使われている薬剤だということは日本でも報道されている。ということは、医師団はあまり深刻ではないという発表をしていたが、実は重篤ではないが、やや深刻な状態であったであろうということが推測される。

 また、リジェネロン社製の実験的なカクテルも投与されていると書かれているが、大統領に「実験的な」薬剤を投与するものだろうか、という疑問が出てくる。レムデシヴィルやステロイド薬では効果がなくて、この実験的なカクテルが使われたのではないかという疑問も出てくる。

 それでも大統領は今週になってウォルター・リード陸軍病院を退院し、ホワイトハウスに戻った。ホワイトハウスに戻り、階段を上ってからしばらく呼吸が荒かったという報道もあるが、症状があった後だけにそういうこともあるだろう。ただ、深刻な状態は脱して、これからは慣れた場所で経過観察や投薬をするということになるのだろう。74歳の大統領、190センチ以上の長身で体重が110キロというのはやはり体重過多ということらしいので、ダイエットをして体重を減らすということもこれからやると良いだろう。

 ホワイトハウスの高官たちから感染者たちが出て、自主隔離に入っているということで、やはりホワイトハウス内の感染対策については批判が出るだろう。そこから大統領自身の感染対策への姿勢についても批判が出るだろう。

 大統領選挙に関してどのような影響が出るのか、アメリカで日々発表される世論調査の数字を見ていくしかない。これまでに発表されている数字は第1回討論会が終わって、大統領の陽性というニュースが出るまでに実施されたものがほとんどで、今回の陽性というニュースから以降に実施された世論調査の数字を見てみたい。バイデンに追い風となるかどうかだ。更に、副大統領候補者討論会ももうすぐ開催される。ここでの共和党マイク・ペンス副大統領、民主党カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)の発言も影響が出るだろう。

 10月15日には2回目の大統領選挙候補者討論会が開催される。この討論会は、タウンホールミーティング形式が採用される。これは、会場にいる聴衆から質問を受け、それに候補者たちが答えるというものだ。今回は聴衆も発言するなど参加型になるので、感染対策が施されるだろうが、トランプ大統領が参加するのか、参加できるのかという問題もある。ここにきて、とんだ「オクトーバー・サプライズ」となった。

(貼り付けはじめ)

トランプはウォルター・リード陸軍病院から退院し、アメリカ国民は新型コロナウイルスを恐れるべきではないと述べた(Trump leaves Walter Reed, saying Americans shouldn't be 'afraid' of COVID-19

モーガン・チャルファント筆

2020年10月5日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/519728-trump-leaves-walter-reed-amid-coronavirus-treatment

トランプ大統領は月曜日夕方、ウォルター・リード陸軍医療センターから退院した。トランプ大統領は3日間、新型コロナウイルスの治療を受けた後での退院となった。トランプ大統領は、死に至る病になるウイルスを軽視し、アメリカ国民に対して、自分たちの生活をウイルスに「支配」させないようにと訴えた。

スーツを着て、薄い色のマスクをしたトランプは、6時半過ぎに病院から歩いて出てきた。人々からの歓声を受けながら、記者団からの質問を無視した。

ヘリコプター「マリーン・ワン」に搭乗し、ホワイトハウスに帰る前、トランプ大統領は「皆さん、どうもありがとうございます」と述べた。トランプ大統領はホワイトハウスで新型コロナウイルスの治療を継続することになる。到着後、トランプ大統領はホワイトハウスの建物に向かう階段を上りながら、マスクを外した。この行為はすぐに論争を巻き起こした。

ホワイトハウスで勤務する医師シーン・コンリーは月曜日午前に記者団に対して、トランプ大統領の症状は改善しつつあり、入院してから72時間が経過していない月曜日午後の時点で、退院の基準を達するだろうと述べた。それでも、コンリーは、トランプ大統領は「危険な状態を脱して」おらず、彼の症状は病気が進めば悪化するだろうとも述べている。

コンリー医師はメリーランド州ベセスダにあるウォルター・リード陸軍病院の外での記者会見の中で次のように述べた。「いまだ危険な時期を完全に脱していないのですが、医師団と私は、私たちの判断、更に重要な大統領の病状から考えて、大統領がホワイトハウスに戻ることを支持します」。

大統領は「大変に気分が良い状態」にあるので、月曜日午前にウォルター・リード陸軍病院を退院する計画であることが発表される中で、アメリカ国民は新型コロナウイルスを恐れるべきではなく、自分たちの生活をウイルスに「支配」させないようにすべきだとツイートした。 この発言は医療の専門家たちから激しく非難された。専門家たちは、この発言は、アメリカ国内で21万人以上が死亡している原因となっているウイルスを間違って特徴づけていると述べた。

トランプ大統領は、月曜日夜にホワイトハウスで撮影したヴィデオメッセージの中で発言を拡大し、ツイッターで拡散した。

トランプはメッセージの中で次のように述べている。「ウイルスに自分を支配させてはなりません。ウイルスを恐れてはなりません。ウイルスをやっつけることができます。私たちは最高の医療装置を持っています。最高の医薬品もあります。装置も医薬品もどんどん改善されています」。

ジョージタウン大学の国際健康関連法学の教授ローレンス・ゴスティンは、トランプ大統領の諸発言は、公衆衛生諸機関とアメリカの最高の科学者たちの仕事を軽視するものだということだ。

ゴスティンは次のように述べた。「アメリカ合衆国大統領が国民に対してウイルスを恐れるなと述べていることに私は絶望しています。新型コロナウイルスは最も伝染性が高く、ここ100年で最も危険なウイルス感染拡大をもたらしています。新型コロナウイルスによって20万以上のアメリカ国民が死亡し、これから更に亡くなっていくでしょう。私たちは科学に基づいた情報を提供しなければなりません。更に言えば、大統領は公衆衛生に基づいた行動の最高のモデルにならねばなりません」。

病院から退院する直前、トランプ大統領は、選挙戦には「すぐに」戻ることになるだろうとツイートした。大統領選挙は11月の投開票日まで4週間を残すだけになり、現在のところ、民主党の候補者ジョー・バイデンを追いかけている展開だ。

トランプ大統領は金曜日夜にウォルター・リード陸軍病院に入院した。陽性という診断が出てから24時間も経たずに入院となった。コンリーは、トランプ大統領の診断、状態、治療について対応するための記者会見を回避している。また、トランプ大統領がホワイトハウスに戻り治療を続けることを許可した決定についての疑問も出ている。

コンリー医師は土曜日に記者団に対して、トランプ大統領は金曜日と土曜日の2度にわたって、一時的に血中酸素濃度が低下したと述べた。そして、月曜日にコンリーは、この2度の酸素濃度低下時に、大統領は酸素吸入措置を受けたと述べた。

医師団によると、トランプ大統領には現在、抗ウイルス薬のレムデシヴェル、ステロイド薬のデキサメタゾン、リジェネロン社製の抗体薬の実験的なカクテルを投与されている、ということだ。

トランプ大統領は火曜日、ホワイトハウスで5錠目と6錠目のレムデシヴェルを飲むことになる。医師たちは、トランプ大統領がデキサメタゾンを飲み続けることになるだろうと述べた。デキサメタゾンは炎症を抑えるために使われる。

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ホワイトハウスの医師はいくつかの質問には答えずにトランプ大統領のコロナウイルス感染による症状は改善しつつあると述べた(White House doctor says Trump coronavirus symptoms improving while sidestepping questions

モーガン・チャルファント、ピーター。サリヴァン筆

2020年10月3日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/519478-white-house-doctor-says-trump-coronavirus-symptoms-improving

ホワイトハウスで勤務する医師シーン・コンリーは土曜日、トランプ大統領の状況は、新型コロナウイルス感染によって入院した後、「極めて良好」であるが、コンリー医師の希望のある発言は、ある政府高官が「トランプ大統領の状況は大変に懸念を持つものだ」という発言によって、その信頼性が揺らいでいる。

コンリー医師は記者団に対して、大統領の症状は中程度の咳、鼻水、疲労感であるが、これらは改善しつつある、と述べた。しかし、トランプ大統領への治療については質問を答えず、大統領の診断の日時についての不確実性を作り出した。

コンリー医師は金曜日の夕方、トランプ大統領が入院しているウォルター・リード陸軍病院の外で記者団に対して次のように述べた。「現在、トランプ大統領が見せている症状の改善を医師団と私は大変嬉しく思っています。木曜日、トランプ大統領は中程度の咳と鼻水、疲労感という症状を見せていたが、現在はなくなり、もしくは改善しています」。

しかし、コンリー医師が発言した直後、大統領の健康状態について詳しいある人物は記者団に対して、過去24時間の大統領の生命維持に必要な諸器官の状態は「極めて懸念が多い」ものであり、次の48時間は「治療にとって極めて重要だ」と述べた。

この人物は、「私たちは完全な回復に向けて明確な道筋をたどっていない」と述べた。

この発言は記録に残されていないものだが、コンリー医師の希望の多い判断から大きく外れているものだ。そして、メリーランド州ベセスダにあるウォルター・リード陸軍病院に乳井することを認めてから24時間も経たないでトランプ大統領の健康状態について混乱を引き起こした。

AP通信やその他のマスコミ各社は後に、この発言を行ったのは大統領首席補佐官のマーク・メドウズだったということを認めた。

コンリー医師は、トランプ大統領が退院することになるだろうと述べた時にデータを発表することをしなかった。しかし、「木曜日から金曜日にかけて」最後に発熱をしてから、発熱をしていないと述べた。コンリー医師は大統領の体温についてデータを発表することを拒否した。

トランプ大統領が金曜日の午前に陽性であることを発表してから初めての医師団による記者団による記者会見において、大統領が酸素吸入を受けているのかという質問をはぐらかし続け、繰り返し「現在は受けていない」とだけ述べた。コンリー医師は後に木曜日、金曜日、土曜日にトランプ大統領は酸素吸入を受けていなかったと述べた。コンリー医師はまた、トランプ大統領が呼吸困難を経験していないとも述べた。

「何よりも、大統領は窮屈に感じています」とコンリー医師は記者団に述べた。

コンリー医師は、トランプ大統領の診断についての時系列についての疑問を生み出した。記者会見の時点で、診断から「72時間」経過したと述べた。ホワイトハウスは、トランプ大統領の陽性という結果が出たのが金曜日の早い時点であったと発表した。これだと記者会見は48時間も経たない時点で行われたことになる。

あるホワイトハウス高官は後にコンリー医師の発言を明確にし、コンリー医師が述べたのは、大統領の診断から3日目ということであって、72時間ではないということなのだと述べた。この政府高官は、トランプ大統領が診断を受けたのは木曜日深夜だと繰り返した。

コンリーは後に彼の発言を訂正し、トランプ大統領の診断は木曜日夕方に出されたということを示すメモを発表した。そして、金曜日に実験的な抗体カクテルを投与されたとも述べた。これは日曜日よりも48時間前のことであった。

トランプ大統領は木曜日午後にニュージャージー州ベッドミンスターにある彼の所有するゴルフクラブでの資金集め集会に参加するために訪問した。この時、政府高官たちは、トランプ大統領の側近であるホープ・ヒックスが陽性の診断を受けていたことを知っていた。資金集め集会は、大統領の診断が72時間前になされていたら、診断後に開催されたということになる。

医師団は、大統領が最後に検査で陰性だった日時について詳細を発表しなかった。この日時が重要なのは、大統領がいつウイルスに感染したかを正しく理解し、大統領から感染したと考えられる接触が行われたことを理解するためである。

トランプ大統領は土曜日、医師たちに対して、「今日、今すぐにでも歩いて出られるような気分ですよ」と述べた、とシーン・ドゥーリー医師は述べた。ドゥーリー医師は別のホワイトハウス勤務の医師であり、「元気づけられるコメント」であると述べた。

そもそもなぜトランプ大統領が入院する必要があるのかという質問に対して、コンリーは、「それはアメリカ合衆国大統領だからです」と答えた。この答えは、医師たちが極度に注意深くなっていることを示している。

トランプ大統領はリジェネロン社製の抗体治療の実験薬カクテルを投与されている。加えて、抗ウイルス薬のレムデシヴィルも投与されている。レムデシヴィルはアメリカ食料医薬品局(FDA)によってコロナウイルスによる入院患者に使用することが認められている。

コンリーはこれらの薬剤を使用する選択について説明する中で、「大統領に関しては、何も隠し立てをしようとは思いません」と述べた。

トランプ大統領がウォルター・リード陸軍病院に入院したのは、大統領とメラニア・トランプ大統領夫人が新型コロナウイルス感染という診断という発表がなされてから24時間も経たないうちであった。大統領夫人は激しくない咳と頭痛を含む中程度の症状を呈していると言われており、現在公邸にとどまっている。

ホワイトハウスは、トランプ大統領が元気であり、陸軍病院に入院することは「非常な用心」のためであったということを発表した。

コンリー医師は金曜日、トランプ大統領は疲労感を感じたことは認めたが、それ以外の症状については詳細を何も発表しなかった。土曜日の記者会見では、トランプ大統領のイチョウティームは大統領の健康状態について最も詳細な情報を提供した。それでもコンリー医師は治療と大統領の発熱に関しての質問に答えることを拒否した。

一方、最近大統領の近くにいた複数の人々が検査の結果陽性となっている。その中には、共和党全国委員会委員長ロナ・ロムニー・マクダニエル、選対本部長ビル・ステピエン、そして、土曜日午後にホワイトハウスで開催された最高裁判事指名イヴェントに出席した複数の人々も含まれていた。トランプ大統領がウイルスに接したのがいつだったのかはいまだに分かっていない。

コンリー医師が記者団に答える直前、ニュージャージー州前知事クリス・クリスティ(共和党)が検査の結果、陽性だったということを発表した。クリスティは火曜日の討論会の準備で大統領を手助けし、最高裁判事使命の行事にも出席していた。

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トランプ大統領の陽性というニュースがホワイトハウスと大統領選挙を混乱させている(Trump positive test roils White House, presidential campaign

ジョナサン・イーズリー、モーガン・チャルファント、ブレット・サミュエルズ筆

2020年10月2日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/519348-trump-positive-test-roils-white-house-presidential-campaign

トランプ大統領が新型コロナウイルスの検査で陽性というニュースは金曜日、ワシントンに衝撃を与え、世界を駆け巡った。大統領の健康状態への懸念をかき立て、2020年の大統領選挙投開票日まで残り1カ月しかない中で、統治の継続性についての疑問が出てきた。

ホワイトハウスのマーク・メドウズ首席補佐官は、大統領がコロナウイルスによる「中程度の症状」を呈しており、大統領が自主隔離中に政府が機能を継続するための非常事態プランが実行されると発言した。

火曜日早朝に、検査で陽性反応が出たニュースが出てから、トランプ大統領はカメラの前に姿を現していない。

メドウズは次のように語った。「このウイルス感染が継続中の中、ホワイトハウスにいる大統領以外の人々の中にも検査で陽性反応が出る人がいるであろうことは間違いないと思います。私たちは、政府が前進するために継続するだけではなく、アメリカ国民の仕事が前進し続けるように、緩和プランを策定する必要があります」。

メラニア・トランプ大統領夫人、大統領上級顧問ホープ・ヒックス、共和党全国委員会委員長ロナ・ロムニー・マクダニエルにもコロナウイルス陽性という検査結果が出た。

ヒックスの場合は木曜日夜に明らかとなった。トランプ大統領の検査結果のニュースよりも前に出た。ホワイトハウスがフックスの陽性について知ったのは、大統領が木曜日午後のニュージャージー州ベッドミンスターでの資金集め集会に出発する前のことだった。

ペンス副大統領とカレン・ペンス副大統領夫人は共に検査結果が陰性だった。

アメリカ画集国憲法修正第25条によると、トランプ大統領が職務執行不能となった場合には、トランプ大統領は大統領としての権力をペンス副大統領に移譲することができるようになっている。

新型コロナウイルスの場合、高齢者と基礎疾患を持つ人々にとっては深刻である。トランプ大統領は74歳で、体重が過重である。そのために、トランプ大統領はウイルスによる疾患が引き起こされるリスクが高いカテゴリーに分類される。

火曜日夜、トランプ大統領は民主党候補者ジョー・バイデンと共に討論会のステージに立った。バイデンは77歳である。

バイデンは金曜日に検査を受けることになった。副大統領候補者カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は検査の結果、陰性だった。

ここ最近、トランプ大統領と近い距離で接触した人々は検査の結果が陰性だった。その中には、メドウズ、トランプ大統領が連邦最高裁判事に示したエイミー・コニー・バレット、娘のイヴァンカ・トランプ、イヴァンカの夫ジャレッド・クシュナーが含まれている。イヴァンカとジャレッドは共に大統領顧問である。

トランプ大統領は自粛隔離の間、執務を継続すると見られている。金曜日、大統領は新型コロナウイルスに対して脆弱な高齢者たちへの支援を講じることについて電話をかける予定になっている。

トランプ大統領はワシントンDCでの資金集め集会とフロリダ州サンフォードでの選挙集会を中止した。これは金曜日に開催予定だった。

ホワイトハウス高官たちは、トランプ大統領が「エネルギッシュ」であり、完全に健康を取り戻すだろうと述べている。

しかしながら、トランプ政権とニュースメディアとの間には深い不信の溝が存在している。特に大統領の健康状態の点では不信が高まっている。

過去の各政権では、大統領が直面している健康上の危機についてその深刻さを軽く発表する傾向にあった。

『ニューヨーク・タイムズ』紙は、木曜日に開催された資金集め集会でのトランプ大統領は無気力のように見え、水曜日夜のミネソタ州での選挙集会から戻る飛行機の中で横になって眠った、と報じた。

トランプ大統領陽性という診断によって、大統領自身の感染拡大に対する対応について関心が集まっている。

トランプ大統領はこれまで繰り返し、ウイルスの深刻さについて言及することを嫌がり、滑らかな経済の再開を促進し、大規模な選挙集会いおいてもマスクを着用することの重要性を軽視してきた。木曜日にカトリック教会の慈善事業夕食会で発表された、トランプ大統領による事前に録音された挨拶の中で、大統領は、「感染拡大の終息はもう目の前だ」と高らかに宣言した。

アメリカ連邦議会においても、連邦上院多数党(共和党)院内総務ミッチ・マコーネル連邦上院議員(ケンタッキー州選出、共和党)は、大統領の陽性という診断について、「今回の大統領の陽性という診断は、新型コロナウイルスはアメリカの選挙について考慮してくれないし、ワクチンができるまでは去ってはくれないものだということを明らかにするものです」と述べた。

ナンシー・ペロシ連邦下院議長(カリフォルニア州選出、民主党)は、今回のニュースは、この人々に死をもたらすウイルスを「倒す」ための連邦議会の緊急対応を促すものだと発言した。

ペロシは次のように述べた。「アメリカ合衆国大統領と大統領夫人があらゆる手段の防御策を講じられながら、それでもウイルスに感染してしまうということを多くの人々が目撃しました。この経験から私たちは学ばねばならないでしょう。しかし、学ぶ以上に、私たちは実際に対処しなければなりません」。

トランプ大統領陽性という診断の与える政治的な影響は、選挙の投開票日まで32日しか残っていない中で無視できるものではない。選挙戦ではこれまでも新型コロナウイルス感染拡大が中心的なテーマであった。

トランプ大統領は各種世論調査の結果で、バイデンに大きく水をあけられている。共和党側では大統領選挙の地滑り的大敗とそれが連邦上院議員選挙にも影響を与えて、共和党が連邦上院での過半数を失いのではないという懸念を持っている。

大統領は討論会を終えたばかりだが、この討論会の様子は多くの共和党員に懸念を与えることになった。討論会の席上、トランプ大統領は、バイデンと司会者であるフォックスニュースのクリス・ウォレスの発言に頻繁に割り込んだ。次回のバイデンとの討論会は10月15日にタウンホールミーティング形式で開催される。

金曜日の朝に本紙が取材した共和党関係者たちは大統領が回復をしたらすぐに大統領が選挙集会に出るために全国を飛び回るようになって欲しいという希望を述べた。

しかし、選挙までの日数はどんどん過ぎていく。これはトランプにとってマイナスである。トランプ大統領は回復まで、選挙戦にとってより重要な2週間、選挙戦に参加できないということになる。バイデン陣営に近い複数の取材源たちは本誌の取材に対して、バイデンとバイデン周辺の人々の検査結果が陰性ということが続く場合には、選挙運動を縮小する予定はないということを述べている。

シカゴ大学ハリス記念公共政策研究スクール教授で政治学者のウィリアム・ハウエルは、今回の大統領の感染は、色々と騒々しい今回の大統領選挙に即座に影響を与えることになるだろうと述べた。

ハウエルは次のように述べた。「大統領は選挙集会を開けなくなりました。次回の大統領選挙候補者討論会は中止となると予想しています。今回の感染拡大についてのトランプ大統領の傲慢な態度について疑問、そして彼の軽率な行動から感染に至ったのではないかという疑問が出てくるのは当然です。他方、多くの人々が、私たちも当然含まれますが、にとって大統領の健康状態は懸念を持つことになります。」

株式市場は、金曜日のトランプ大統領の新型コロナウイルス陽性反応というニュースを受けて混乱した。ハウエルは事態の推移によっては外国政府にとっての不確定な状況を作り出し、アメリカ国内で権力者共同謀議論が流行する可能性があると述べた。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側