古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:エイミー・クロウブシャー

 古村治彦です。

 私が現在翻訳を進めている、The Tyranny of Big TechJosh Hawley著)の邦訳を『ビッグテック5社に解体せよ』(ジョシュ・ホウリー著)とすることに、編集者と話し合いを持ち、決定しました。来月に刊行できるように作業を進めています。素晴らしい内容ですので、楽しみにお待ちください。
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ジョシュ・ホウリー
 今回は、バイデン政権の「ビッグテック包囲網」の要、リナ・カーンについての論稿を紹介する。2本目の記事はリナ・カーンだけではなく、連邦議会での「ビッグテック包囲網」を形成する重要な議員たちが紹介されている。アメリカでは「ビッグテックを何とかしろ」「解体せよ(
Break Up)」という声が超党派で高まっている。『ビッグテック5社を解体せよ』を読むと、アメリカでの動きがよく分かるようになっている。
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リナ・カーン

 リナ・カーンは弱冠32歳で、コロンビア大学法科大学院准教授から連邦取引委員会委員長に抜擢された。連邦取引委員会(FTC)は、日本で言えば公正取引委員会に相当する。連邦取引委員会が仕事をサボっていたために、ビッグテックが野放しになったということで、今回リナ・カーンが起用された。リナ・カーンの名前が知られるようになったのは、イェール大学法科大学院在学中に「アマゾンの反独占に関するパラドックス(Amazons Antitrust Paradox)」というタイトルの論文を発表したことだ。その内容は、アマゾンが取引業者を虐めて低い価格での物品を販売を行っているが、これまでの独占禁止法の執行(物価や価格に焦点を当てる)に当てはめると、消費者にとっては安い価格でものが買えるということで、独占禁止法違反での執行ができないということになる、というものだ。彼女は、ビッグテックに対する批判を主導する立場に就いた。

 リナ・カーンはイェール大学法科大学院在学中から、新アメリカ財団というシンクタンクの上級研究員を務めていた。このシンクタンクには、グーグル元CEOエリック・シュミットから多額の資金が投入されていた。カーンが、EUがグーグルに対して独占禁止法違反で多額の罰金を科したことについて、肯定的なコメントをツイッターに投稿したことがあった。シュミットはこのコメントに激怒し、結果として、カーンの解雇、カーンのアシスタントをしていた職員たちの解雇、カーンが責任者を務めていた部門の閉鎖が行われた。

 リナ・カーンの連邦取引委員会委員長就任は、バイデン政権のビッグテック包囲網の本気度を示すものとして受け止められた。これは非常に重要なことである。前回紹介した司法次官補ジョナサン・カンターと一緒になって、行政府におけるビッグテック包囲網形成に、リナ・カーンは重要な役割を果たす。

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バイデンは独占禁止法専門の学者リナ・カーンを連邦取引委員会委員長に指名する意向(Biden to nominate antitrust scholar Lina Khan as FTC commissioner

クリス・ミルズ・ロドリゴ筆

2021年3月22日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/technology/544379-biden-to-nominate-antitrust-scholar-as-ftc-commissioner

バイデン大統領は月曜日、影響力の高い独占禁止法専門の学者リナ・カーンを連邦取引委員会(FTC)委員長に指名する意向であることを明らかにした。

カーンは32歳、コロンビア大学法科大学院准教授を務めている。上院での人事承認がなされれば、史上最年少の委員長ということになる。

リナ・カーンはイェール大学法科大学院在学中に、「アマゾンの反独占に関するパラドックス(Amazon’s Antitrust Paradox」というタイトルの論文を書いたことで有名になった。この論文はEコマースの巨人がいかにして独占禁止法を違反できているかを詳述した内容だった。

最近では、カーンは連邦下院司法委員会独占禁止法小委員会が主要なデジタルプラットフォームの独占力を調査している間、補佐官として働いていた。

進歩主義派内のビッグテックに対する批判者たちはカーンの指名を求めてきた。

アメリカン・エコノミック・リバティーズ・プロジェクトのサラ・ミラー上級部長は次のように述べている。「小規模事業、企業家たち、働く人々の擁護者であるリナ・カーン教授は連邦取引委員会にとって素晴らしい選択である」。

ミラーは続けて次のように述べている。「カーン教授は、法学分野におけるこれまでにない業績によって国際的に認知されている学者だ。また、右派左派や党派を超えて働くことができる能力や政策における専門性でも知られている。連邦取引委員会において、数十年にわたる組織の特性による失敗から、連邦取引委員会を導き、脱出させるために、カーン教授は重要な役割を果たすことだろう」。

連邦取引委員会において、カーンはフェイスブックの独占禁止法違反容疑の事件について監督を行う上で重要な役割を果たすだろう。カーンはその他にも、シリコンヴァレーの巨大企業や他の産業分野の企業に対する新たな独占禁止法違反容疑事件にも関与するだろう。

正式な発表が行われた後、カーンはツイッターに「今回の指名は光栄でありかつ謹んでお受けするものです。人事承認をいただけるだけの幸運に恵まれましたら、私は委員長としての仕事が出来るのだと思い、今から楽しみにしているところです」と投稿した。

カーンの指名が連邦上院で承認されると、バイデン大統領は5名で構成される連邦取引委員会の委員を充足させるために、もう一枠の委員の指名が必要となる。

バイデンは今年1月に連邦取引委員会委員レベッカ・ケリー・スローターを委員長代理に任命したが、彼女をそのまま委員長代理として処遇することも選択できる。

月曜日の発表の前、バイデンは、もう一人のテクノロジー産業の巨大企業の批判者であるティム・ウーをテクノロジー・競争政策担当大統領特別補佐官に指名した。

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ビッグテックに対する独占禁止をめぐる戦いで見るべき5人の重要なプレイヤー(Five big players to watch in Big Tech's antitrust fight

レベッカ・クレアー、クリス・ミルズ・ロドリゴ筆

2021年4月23日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/policy/technology/549855-five-big-players-to-watch-in-big-techs-antitrust-fight

アメリカ政府は、アメリカ国内の最大のテクノロジー企業群の市場支配力を抑制するための努力が強化している。

バイデン大統領は、就任してから、反トラスト法関連の行動についてはほとんど発言をしていないが、ビッグテックに批判的な2人の人物を執行機関や諮問機関の重要ポストに指名し、任命している。

連邦上院では、民主、共和両党の議員たちが、反競争的な行為に対する懸念を抑制することを目的とする法案を提出している。連邦下院司法委員会独占禁止法小委員会は、今週初めに、アップルとグーグルの役員たちを招聘して重要な聞き取りを行った。先週には、委員会の民主党側の議員たちが昨年発表した、グーグル、アマゾン、アップル、フェイスブックの4社が市場力を濫用するために採用している方法についてまとめた報告書を、全会一致で正式に承認した。

これからビッグテックの戦いを進める、5人の注目すべき重要なプレイヤーたちを紹介していく。

(1)リナ・カーン(Lina Khan

バイデンのハイテク産業の巨大企業の市場支配力を制限したいという考えを示しているのは、連邦取引委員会(FTC)委員長にリナ・カーンを指名したことだ。

カーンは反トラストについての研究者であり、影響力を持っている。彼女はビッグテックを批判する進歩主義派の人々から後押しを受けている。カーンは、論文「アマゾンの反トラスト・パラドックス(Amazons Antitrust Paradox)」で知られている。この論文は、カーンがイェール大学法科大学院の学生の時に書いたものだ。彼女はまた、連邦下院司法委員会独占禁止法小委員会のテクノロジー産業の巨大企業群の市場支配力の調査の際に補佐官として参加した。

連邦上院商務委員会でのカーンの人事承認をめぐる証言が水曜日に実施された。その席上、カーンは、グーグルとアップルがアプリストア部門において享受している市場支配力は、「深刻な問題」であり、詳細に調査されるべきだと述べた。

彼女は更に、子供たちのプライヴァシー保護手段の拡充を支持し、議員たちに対して、現行のルールは「天井ではなく、床であるべきだ(これが上限ではなく、最低限のものであるべき)」と述べた。

カーンについては民主党側から称賛の声が上がっている。特に、連邦上院司法委員会独占禁止法小委員会委員長エイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出)は、カーンを「従来の枠にとらわれない発想の持ち主」、「競争政策における先駆者」と呼んだ。

公聴会の雰囲気は和やかなものだった。それでも共和党所属の議員たちからいくばくかの懸念が表明された。マーシャ・ブラックバーン連邦上院議員(テネシー州選出)はカーンの前歴や背景、そして経験について質問を行った。マイク・リー連邦上院議員(ユタ州選出)からは、カーンが連邦下院独占禁止法関連報告書に関与したことを理由に、いくつかの案件に関わらないのではないかという質問が出たが、強いて彼女の指名の人事承認を撤回させようという議員は誰もいなかった。

テッド・クルーズ連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)でさえもカーンに対して、「私は貴方と一緒に仕事ができることを楽しみにしている」と述べた。これは、ビッグテックに対峙しようという超党派の意気込みを示すものだ。

クルーズは「現在、非常に不透明な状況にあるビッグテックの透明性を確保するために、当委員会ができることはたくさんあると考えている」と述べた。

人事が承認され連邦取引委員会委員長に就任した場合、カーンには既にバイデン政権内に強力な協力者たちが存在する。

バイデンは先月、ビッグテックに対する批判で有名なティム・ウーをテクノロジー・競争政策担当大統領特別補佐官に任命した。

水曜日には、連邦上院は、バイデンのヴァニタ・グプタの司法省序列第3位(司法次官)への指名の人事承認を行った。ここ数年、グプタは、「リーダーシップ・カンファレンス・オン・シヴィル・アンド・ヒューマン・ライツ」の代表者として主要なソーシャル・ネットワーク・メディア・プラットフォームに対して、敵対者となってきた。

カーンは、連邦取引委員会がフェイスブックに対して訴訟を提起している時期に重要な時期に連邦取引委員会に参加する。連邦取引委員会と46州、ワシントンDC、グアムが反競争的な合併容疑で訴訟を提起した。

(2)エイミー・クロウブッシャー(Amy Klobuchar)連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)
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エイミー・クロウブッシャー
クロウブッシャー議員は2020年の大統領選挙に出馬したが、バイデンとは良好な関係を持っている。これからの戦いで注目すべき、重要な民主党所属の連邦上院議員である。ミネソタ州選出の議員であるクロウブシャーは今年初め、「競争と独占禁止法執行改革法案」を提案した。この法案の目的は独占禁止法の執行を再び強化するというものだ。その一環として、連邦取引委員会と司法省独占禁止法局の年間予算を増額するということが提案されていた。

クロウブシャーの提案した法案は、クレイトン法を修正して、同法にリスクベースの基準を加え、独占を生み出す合併は同法に違反することを明確にすることで、反独占的な合併を難しくすることを目的とするものでもあった。

クロウブシャーは連邦上院司法委員会独占禁止法小委員会の委員長を務めている。クロウブシャーは委員長として小委員会で一連の公聴会を開催し、テクノロジー企業の反競争行為の可能性を調査し、法案を検討すると述べた。

水曜日に実施された最新の公聴会では、クロウブシャー議員を筆頭に小委員会のメンバーの議員たちが、アプリストアのポリシーについて、グーグルとアップルの役員たちに質問を行った。

クロウブシャーは公聴会で次のように発言した。「私たちはアップルとグーグルが、私たちの時代の特徴を生み出しているテクノロジーの多くを想像する手助けをしていることに感謝している。これは素晴らしいことだ。私たちは成功に対して怒っているのではない。私たちはただ、資本主義がこれからも全ての人々に対して公正であるように、力強い道筋を進み続けるように望んでいるだけなのだ」。

クロウブシャー議員は更に次のように述べた。「資本主義とは競争なのだ。資本主義とは新しい製品が生み出され続けることだ。資本主義とは新しい競争者たちが参加し続けることだ。私にとって、現状は、そのようなことが起きているようには見えない」。

(3)マイク・リー(Mike Lee)連邦上院議員(ユタ州選出、共和党)
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マイク・リー
リー議員は連邦上院司法委員会独占禁止法小委員会の共和党側の幹事メンバーである。彼もまたビッグテックに照準を合わせている。しかし、クロウブシャー議員とはいささか異なる考えを持っている。

リーは、2021年1月6日の連邦議事堂での暴動の後、テクノロジー巨大企業が過激なソーシャル・ネットワーク・メディア・アプリ「パーラー(Parler)」に対して行った行動を、反競争行為として非難している。

リーは、保守派に偏っているという根拠のない主張を、テクノロジー巨大企業を非難する共和党の同僚議員たちと一緒に行っている。しかし、反競争慣行の告発では、クロウブシャーやその他の議員たちと一緒になって、テクノロジー巨大企業の責任を追及している。

水曜日の公聴会で、リーは、グーグルとアップルに対して、一部のアプリにかかる最大30%の手数料と、手数料の対象となるアプリとそうではないアプリの区別について、グーグルとアップルに厳しく質問をぶつけた。

グーグルとアップルの役員たちは、ウーバーのような物理的な商品を配送するアプリは手数料の対象外だが、ティンダーのような出会い系アプリはデジタルサービスを提供しているとみなされるので、手数料の対象になると答えた。

リーは次のように反論した。「ウーバーは、文字通り、流通の分野で見知らぬ人と出会うという内容のサーヴィスだ。流通分野で見知らぬ人に出会うことと夕食の席で見知らぬ人と出会うことの違いを私は理解することができない」。

ジョシュ・ホウリー連邦上院議員(ミズーリ州選出、共和党)ももまた、ビッグテックの巨大企業の力を弱めるための立法上の行動を提案している。

ホウリーは、「21世紀の独占破壊法」を発表した際に、言論を「コントロール」しようとする「意識の高い巨大企業」を非難しました。

しかし、クロウブシャーの提案と同じく、ホウリーの提案は、規制当局が支配的な企業を解体することを容易にするために、クレイトン法を改革するという内容だ。

(4)デイヴィッド・シシリーニ(David Cicilline 連邦下院議員(ロードアイランド州選出、民主党)
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デイヴィッド・シシリーニ
ロードアイランド州選出デイヴィッド・シシリーニは、連邦下院司法委員会独占禁止法小委員会で、民主党側で独占禁止法を担当するトップの立場にある委員であり、民主党のビッグテック分野へのアプローチの形成を主導してきました。

先週、独占禁止についての報告書が承認された委員会で会合の後、シシリーニは「我々が提起した重大な懸念に対処する法案を作成することを楽しみにしている」と発言した。

ロードアイランド選出の連邦下院議員であるシシリーニは、今春中に最大10本の独占禁止法関連法案を発表する予定だ。より積極的な政策を民主党に支持してもらうためには、いくつかの作業が必要となるだろう。

この報告書の中には法案化が可能な解決策が複数記載されている。それらは、大手企業の買収を決定前に凍結すること、いくつかの企業には一分野のビジネスを追求することを義務化する構造分離の実施、連邦取引委員会と司法省独占禁止法局の予算と権限を拡充することである。FTCDOJの反トラスト局の資金と権限の拡大などが挙げられます。

このような内容を限定した提案は、大きな改革を連邦上院で進めるために必要な共和党の支持を集めやすくする。

シシリーニは、報告書で取り上げられた独占問題に対する立法上の解決策を作成するために、競争の活性化に焦点を当てた3つの公聴会を現在の議会で既に開催している。

(5)ケン・バック(Ken Buck)連邦下院議員(コロラド州選出、共和党)  
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ケン・バック

連邦下院司法委員会独占禁止法小委員会において、民主党所属のシシリーニ議員に対応するのは、ケン・バック連邦下院議員(コロラド州選出、共和党)である。バック議員は、いかなる提案についても、共和党側で支持を取りまとめる上で重要な役割を果たすことになる。

バックは、先週行われた報告書の最終折衝において、ビッグテックの市場支配力に関する報告書にまで結実した調査について、「完全に超党派」で実施されたものだと認めたが、報告書に対する賛成票を投じることはなかった。その理由は、報告書の中で書かれていた是正案が民主党側だけで書かれたものだったからだ。

コロラド州選出の下院議員であるバックは、共和党所属の議員たちの支援と支持を得て独自の報告書を発表し、独占禁止規制当局への予算や人員の配分と、合併案件の立証責任に関する改革の必要性について、超党派の合意を得た。バックは、今議会で既に独占禁止法改革法案(ジャーナリズム分野における競争と意地に関する法案)について支持を表明している。

バックはまた、アップル、グーグル、アマゾンがパーラーに対して行った行為をきっかけに、アプリストアやウェブホスティングサービスに対するテクノロジー巨大企業の利用させるかどうかの決定に伴う支配力についても積極的に発言している。

バックとリーは、グーグルとアップルが、アプリストアからパーラーを削除したことについて、またアマゾンがウェブホスティングサービスからパーラーを削除したことについて、手紙を書いた。これらのビッグテックの巨大企業は、パーラーがコンテンツ・モデレーション・ポリシーを持たず、連邦議事堂での死者を出した暴動についての投稿を許したことを理由に排除する行動を起こした

アップルは今週議員たちに宛てた書簡の中で、承認されたアップデートを行った後で、アプリストアにパーラーのアプリを戻すことを許可する予定だと述べた。

バック議員はグーグルとアマゾンに対して同様の措置を取るように訴えている。

バック議員は水曜日に発表した声明の中で次のように述べている。「グーグルとアマゾンはアップルの例に倣う時だ。検閲を止めろ」。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める

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 古村治彦です。

 いよいよ民主党予備選挙の山場であるスーパーチューズデーが始まる。3月3日に14の州と1つの自治領(アメリカ領サモア)で予備選挙が実施される。ここで宣誓済み代議員の約3分の1にあたる1344名の代議員が決まる。これまでの4つの州の合計代議員が155であることを考えると、スーパーチューズデーの重要性が分かる。中でもカリフォルニア州には415名、テキサス州には228名、ノースカロライナ州には110名と1つの州で100名を超える配分がなされている巨大州での動向が重要である。
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 先ほど、エイミー・クロウブシャーが選挙戦からの撤退とジョー・バイデン支持を表明した。その前にはピート・ブティジェッジがバイデン支持を表明した。バイデンは「ピートは私の亡くなった息子ボウを思い出させてくれる」と称賛した。また、選挙戦からかなり前に撤退していたビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)も地元テキサス州でバイデン支持を表明した。一気にサンダース包囲網が形成されつつある。サンダースはこの包囲網を食い破ることができるかということが焦点になる。
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 最新の世論調査の結果では、サンダースがリードを保っている。カリフォルニア州でもテキサス州でもバイデンにある程度の差をつけてリードしているが、楽勝ムードではない。サンダースとしてはウォーレンが邪魔になりつつあるが、ウォーレンはスーパーチューズデーで地元マサチューセッツ州での予備選挙の結果を見て撤退するということになるだろう。バイデンとしてもマイケル・ブルームバーグが邪魔であるが、ブルームバーグの討論会での酷いパフォーマンスや金持ちが資金力で選挙を買っているという批判も高まっており、支持率は下がっている。バーニー・サンダースの狂信的な支持者である若者たちは、ウォーレンには選挙戦から降りるように攻撃を仕掛けつつ、ブルームバーグには頑張って欲しいと応援するというような動きをすることも考えられる。

 サンダースがカリフォルニア州でバイデンに大きな差をつけられず、サンダースがカリフォルニア州でバイデンに大きな差をつけられず、テキサス州でバイデンが1位ということになるとサンダースの先頭走者の位置も危うくなる。
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 更に、ウォーレンが選挙戦から撤退して、サンダースを応援するのかどうかということも不透明である。ウォーレンが誰も支持しない、もしくはバイデンを支持するということになれば、サンダース包囲網は完成ということになる。そうなれば、完全な分断状態ということになるだろう。サンダース支持者たちは「予備選挙において宣誓済み代議員獲得数で1位であれば、たとえ全国大会の1回目の投票で過半数が取れなくても1位の候補者が党の指名候補となるべきだ」と主張しているが、こういう状況になってくると、バイデンが過半数を取れないで1位で全国大会に臨むという可能性も出てきた。その時にサンダース支持者がどうするかということが注目だ。暴れて1968年の全国大会以来の流血の惨事ということも考えられる。スーパーチューズデーは要注目であるが、結果が出るまで時間がかかることは覚悟しておかねばならない。国内で3時間の時差があるのに、東海岸のマサチューセッツ州から西海岸のカリフォルニア州で選挙、アメリカ領サモアでは党員集会が開かれる。

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サウスカロライナ州での勝利の後バイデンの支持率が全国規模の調査で7ポイント上昇(Support for Biden rises 7 points nationally after South Carolina win

ザック・バドリク筆

2020年3月2日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign-polls/485507-support-for-biden-rises-7-points-nationally-after-south-carolina-win

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)は全国規模の世論調査で民主党予備選挙候補者の中でトップに立っているが、「モーニング・コンサルト」社の最新の世論調査の結果によると、ジョー・バイデン前副大統領が土曜日のサウスカロライナ州での予備選挙で圧勝してから7ポイントも支持率を上げていることが分かった。

全国規模の世論調査の結果では、サンダースの支持率は29%で、対するバイデンは26%である。続くニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグの支持率は17%で、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)の支持率は11%だ。

同社がサウスカロライナ州での予備選挙の前に行った世論調査では、サンダースの支持率は32%で、バイデンの支持率は19%だった。

インディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジとエイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)は共に既に選挙戦からの撤退を表明したが、最新の世論調査が実施された時点ではまた発表がなされていなかったために、それぞれの支持率は10%と3%だった。

前回の世論調査ではアフリカ系アメリカ人の間での支持率でサンダースは単独トップだったのだが、今回の世論調査では31%でバイデンと同率首位となった。バイデンはヒスパニック系有権者の間での支持率を9ポイント伸ばして21%したが、それでもサンダースは誌パニック系有権者の間での支持率で圧倒的な差をつけてリードしている。ヒスパニック系有権者はスーパーチューズデーで投開票が実施されるテキサス州とカリフォルニア州で重要な役割を果たすことになる。

スーパーチューズデーで投開票が実施される14州の世論調査の結果の平均では、サンダースが大差でリードしている。サンダースの支持率が33%に対してバイデンは24%だった。しかし、ここでもバイデンは支持率を7ポイント伸ばしている。ブルームバーグはこれまでの4つの予備選挙では候補者登録をしておらず、火曜日が公式に初めての選挙ということになるが、支持率は4ポイント下落して16%となった。

今回の世論調査は2020年2月23日から27日にかけてと3月1日に2656名の民主党予備選挙戦か予定者を対象に実施された。誤差は2ポイントだ。

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(終わり)

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アメリカ政治の秘密
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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 少し古い記事だが、世論調査の結果、トランプ大統領再選だと考えている人が6割以上に上っているというものを紹介する。先週の世論調査で、調査に答えた人の6割以上がトランプ大統領は再選されると答えたという結果が出たそうだ。共和党支持者の9割、民主党支持でも3分の1がそのように考えているそうだ。
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CBSのウェブサイトから
 民主党予備選挙ではバーニー・サンダースがトップを走っている。2位以下は混戦という状態であるが、いよいよ3月3日のスーパーチューズデーからはマイケル・ブルームバーグが出てくる。2位争いが激化する。エイミー・クロウブシャーは選挙戦からの撤退を考えているだろう。
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CBSウェブサイトから
 「誰がトランプ大統領を倒せるか?(
Who can beat Trump?)」「誰が大統領選挙で当選可能性があるか?(electability)」ということが焦点となっている。「サンダースやウォーレンのような左派で進歩主義派の候補者では理想論ばかりで現実的ではないので、中道派のバイデンだ」ということが2019年を通して言われていたことだ。しかし、ここにきてサンダースへの支持が高まってきた。これはサンダースの「メディケア・フォ・オール」への関心が高まっていることが影響していると思う。「医療は権利(health care as a human right)」は、新型コロナウイルスやインフルエンザの感染拡大が続くアメリカでアピールしていると思う。

 それでも多くの人々はトランプ大統領の再選だと思っている。現職大統領が2期目の挑戦に失敗したのは近い例では1992年のジョージ・HW・ブッシュ大統領(共和党、対抗馬はビル・クリントン)と1980年のジミー・カーター大統領(民主党、対抗馬はロナルド・レーガン)である。ブッシュ大統領の時は経済不況、カーター政権の時はイラン人質事件の救出失敗と長期化という大きな原因があった。アメリカ国民の多くは今のところ、トランプ大統領に大きな失政はなかったと考えているようだ。

ただ、新型コロナウイルスのアメリカ国内での感染拡大を受けて、ニューヨーク株式市場が暴落していることはトランプ大統領にとってはマイナスだ。トランプ大統領になって株価が上がった、ということがトランプ大統領の最大の強みだ。トランプ大統領としては、「ウイルスは俺のせいじゃないぞ」と怒っていると思うが、株式市場を何とかしなければならない。しかし、それには多少の時間がある。大統領選挙までは残り8カ月間ある。大統領選挙に近い時期までに何とかすればよい話である。

 新型コロナウイルスの感染拡大は厄介な話だ。新型コロナウイルスに関して医療保険に特例制度を設けるかもしれない。ウイルス封じ込めのためには誰もが最低限の医療を受けられるようにする(医療費を気にして医者に行かないということにさせない)ことは感染拡大を防ぐ方策である。

 サウスカロライナ州での民主党予備選挙の結果については後ほどやります。今のところ、バイデンが圧勝だ。得票率はバイデンが50%強、サンダースが15%強となっている。15%以上の得票率がなければ代議員獲得はできないので、サンダースが15%を守れるかどうかが注目点となる。

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世論調査:10人のうち6人以上はトランプが再選されると考えている(More than 6 in 10 expect Trump to be reelected: poll

ジャスティン・コールマン筆

2020年2月23日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/484268-more-than-6-in-10-expect-trump-to-be-reelected-poll

日曜日に発表された最新の世論調査で、10人のうち6名以上の人々が、トランプ大統領が再選されると答えたという結果が出た。

CBSYouGovの世論調査によると、有権者の65%が「トランプ大統領は“確実に”もしくは“高い確率で”2020年の大統領選挙で勝利を収める」と答え、35%が「トランプ大統領は“確実に”もしくは“高い確率で”勝利できない」と答えた。

共和党員や共和党支持の有権者で見ると10名のうち9名以上はトランプが大統領職を続けることに確信を持ち、民主党員や民主党支持の有権者で見ると3分の1がこの考えに同意している。

世論調査に答えた民主党支持の有権者のうち、誰に投票するかを決めたと答えたのは4w%に過ぎず、有権者の10名のうち6名が民主党の指名候補が誰になるかもしくはトランプ大統領が翌年に何をやるかといったことに自分の投票行動が影響を受けないと答えた。

トランプ大統領と民主党予備選挙の有力候補6名それぞれとの一対一の架空の戦いの結果を見るといずれも接戦で、民主党予備選挙の立候補者たちと大統領との間のそれぞれの戦いでの差は3ポイント以上つかなかった。

しかし、「民主党のこの人ならトランプを倒せる」と考えると考える有権者の割合で25%以上の数字を獲得した民主党予備選挙の候補者は誰もいなかった。バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)は最も高い数字を獲得した。27%がサンダースはトランプを倒せると考えていると答えた。

民主党支持の有権者だけで見ると、49%がジョー・バイデン前副大統領はトランプ大統領を倒せると答え、46%がサンダースはトランプを倒せると答えた。両者に続いて、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)とニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグはトランプ大統領を倒せると答えたのはそれぞれ36%だった。

今回のCBSYouGovの世論調査は2020年2月20日から22日にかけて、有権者登録済の10000名を対象に実施された。そのうち民主党員もしくは民主党支持と答えたのは6498名だった。誤差は1.2ポイントだ。民主党予備選挙に参加する有権者の間での誤差は1.7ポイントだ。

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世論調査:2020年民主党予備選挙でサンダースが支持率28%でトップ、ウォーレンとバイデンが続く(Poll: Sanders leads 2020 Democratic field with 28 percent, followed by Warren and Biden

ザック・バドリク筆

2020年2月23日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign-polls/484271-poll-sanders-leads-2020-democratic-field-with-28-percent-followed-by

日曜日に発表されたCBSYouGovの世論調査で、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)は民主党予備選挙でトップに立ち、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が先週の討論会の力強いパフォーマンスを受けて2位に浮上した。

サンダースは支持率28%でトップとなった。続くウォーレンは19%だった。ジョー・バイデン前副大統領は17%、ニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグは13%だった。インディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジとエイミー・クロウブッシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)はそれぞれ10%と5%だった。

世論調査に答えた人の50%が先週のラスヴェガスでの討論会で最も印象に残ったのはウォーレンだったと答えた。討論会でウォーレンはブルームバーグの性的な発言の歴史を攻撃した。先週の討論会はブルームバーグが参加条件をクリアして参加した最初のものであった。

今回の世論調査はまた、各候補者とトランプ大統領の一対一の架空の戦いについての調査も行われた。サンダースが最も良い結果を出した。サンダースは47%対44パーセントでリードした。バイデンは47%対45%、ウォーレンは46%対45%だった。ブティジェッジ対トランプは44%対44%でタイ、クロウブシャーの場合はトランプ大統領が45%対44%でリード、ブルームバークの場合は45%対42%でリードという結果だった。

しかしながら、有権者の65%はトランプ大統領が再選されるだろうと答えている。

今回の世論調査は2020年2月20日から22日にかけて1万人を対象に実施された。その中には民主党予備選挙に参加予定の民主党支持と無党派の有権者が含まれている。1万人対象の世論調査の誤差は1.2ポイントであり、民主党予備選挙参加予定の有権者対象の世論調査の誤差は1.7ポイントである。

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 古村治彦です。

 2020年2月29日にサウスカロライナ州でのアメリカ大統領選挙民主党予備選挙が実施される。2月の予備選挙はこれで終わりだ。初めての南部での投開票、アフリカ系アメリカ人有権者が過半数を占めるという特徴がある中で、その結果が注目される。

 現在のところ、バイデンがリードを保っている。サンダースもかなり支持率を上げているが、バイデンはアメリカ初のアフリカ系アメリカ人大統領バラク・オバマに副大統領として8年間仕えた実績を繰り返し強調し、アフリカ系アメリカ人の支持を得てきている。
2020presidentialprimarysouthcarolinapolling002

 サンダースとしては、最初からサウスカロライナ州での勝利は期待しておらず、バイデンがどれほどの勝利を収めるかを高みの見物

 ネヴァダ州での討論会、サウスカロライナ州での討論会で、エリザベス・ウォーレンが舌鋒鋭くマイケル・ブルームバーグを攻め立てたことは、サンダースとバイデンにとってありがたいことであった。自分たちの手を汚さずに、目下の敵を引きずりおろしてくれるし、ウォーレンはそうした攻撃をしたところで人気が上がることはなく、自分たちの脅威にならないという、ある種の鉄砲玉を自分から買って出てやってくれたということになる。ウォーレンが本当に叩くべき存在はサンダースなのであるが、彼を攻撃する材料はない。

 ブティジェッジとクロウブシャーは共にアフリカ系アメリカ人有権者からの支持が弱く、ウォーレンと共に3位争いということになるが、ブティジェッジが一歩リードというところだろう。

 アメリカでも新型コロナウイルスの感染拡大が続いている。3月3日には全米15州で予備選挙がスーパーチューズデーであるが、選挙自体には影響はないだろう。出入り口でのアルコール消毒の徹底ということくらいだろう。アメリカも高齢化は進んでおり、肥満率の高さから基礎疾患を持つ

 ウイルス感染拡大を受けて、サンダースの「メディケア・フォ・オール」に俄然注目が集まるだろう。アメリカでは国民皆保険になっておらず、保険がないために医療を受けられない人たちが多くいるということはずっと言われてきた。新型コロナウイルスのように感染力が強いウイルスは誰にでも感染のリスクがあり、かつ予防のワクチンや特効薬もないとなると、社会全体を守るためには、全員が医療を受けられるようにすることが、全員を守ることになる。現在のアメリカではそれができていない、ということであり、社会のためにはメディケア・フォ・オールが良いと考える人たちも多くなっている。社会主義だとか独裁者を擁護したとか、そう言う言葉遊びはどうでもよい、という危機感がサンダースへの期待を大きくすることになるだろう。

(貼り付けはじめ)

民主党討論会での5つの特徴(Five takeaways from the Democratic debate

ジョナサン・イーズリー筆

2020年2月25日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/484660-five-takeaways-from-the-democratic-debate

大統領選挙民主党予備選挙の有力候補たちは、火曜日に開催された民主党全国委員会主催の10回目となる討論会で、何とか頑張りぬいた。バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)は土曜日のサウスカロライナ州での予備選挙を前にして、一斉攻撃を受けた。

サウスカロライナ州チャールストン市での白熱した討論会の5つの特徴について挙げる

(1)サンダースを阻止するためにライヴァルたちが必死になった(Rivals desperate to stop Sanders

サンダースは壇上の中心でスポットライトを占めた。ライヴァルたちが彼を止めるには後数日しか残されていないと考える中で先頭走者に攻撃が集中するのは明らかであった。

サンダースはネヴァダ州とニューハンプシャー州で勝利を収め、アイオワ州でも僅差の2位に入ったことで、サウスカロライナ州でもトップを狙っている。対抗馬たちは、次週のカリフォルニア州とテキサス州でもサンダースの世論調査での支持率の数字が良いことから、スーパーチューズデーが終わった段階で、サンダースは逆転することが難しい代議員を獲得するだろうと警戒感を強めている。

ニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグは火曜日の夜の討論会でサンダースに対する攻撃を始めた。討論会のスタートと同時に、ロシアはサンダースに民主党の指名候補になって欲しいと望んでいる、それはサンダースが民主党の候補者になれば、本選挙でトランプ大統領に敗れるからだ、と述べた。

エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)はブルームバーグに続き、サンダースを攻撃した。ウォーレンは、サンダースがあまりにも分裂を招いてしまう人物であるために、たとえ大統領になれたとしても、彼の掲げる進歩主義的な政策は実行できないだろうと述べた。

ジョー・バイデン前副大統領は、これまでに数多く起きた銃による大量殺人を受けての銃規制法案に対してサンダースが反対票を投じたことを非難した。

インディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジは、サンダースが「1960年代に吹き荒れた革命志向の政治への郷愁」にとらわれているのだと発言した。これは、サンダースがキューバの共産党支配のフィデル・カストロ政権を称賛した発言を受けてのものだった。

サンダースは「今日はなんだか私の名前をいささか多く耳にしています。どうしてそんなことが起きているのか不思議ですが」と皮肉を述べた。

恐らくサンダースの対抗馬たちが最も訴えたかった、サンダースについての疑義は、彼の当選可能性についてでああろう。

民主党主流派の中には、民主社会主義者を自認する人物が民主党の代表になる見込みが大きくなっていることでパニックになっている。

サンダースの対抗馬たちは火曜日の夜にはっきりと明言した。無所属の進歩主義派の人物を民主党の大統領選挙候補者に指名することは、トランプ大統領に2期目を与えることであり、連邦下院での民主党の過半数を失わせる可能性もある、と対抗馬たちは述べた。

ブティジェッジは、「トランプ大統領に更に4年間をホワイトハウスで過ごさせることになりますし、ケヴィン・マッカーシー連邦下院議員(カリフォルニア州選出、共和党)を連邦下院議長に据えることにもなるでしょう。また、連邦上院で民主党が過半数を取ることもできないでしょう」と述べた。

サンダースは反撃に出た。全国規模の世論調査で架空の一対一の戦いに関する質問(「トランプ大統領とサンダース議員で今日選挙があったらどちらに投票しますか」)で、自分が50%、トランプ大統領が47%とリードする結果が出たことを指摘し、民主党がホワイトハウスを奪還するために必ず勝利を得なければならない中西部の各州で自分が強いことを主張した。

(2)ウォーレンはブルームバーグを引きずりおろすことに必死だった(Warren is hellbent on sinking Bloomberg

2回続けて、ウォーレンはブルームバーグに対してノックアウトパンチを繰り出そうとした。選挙に送れて参加した元共和党員の超大富豪であるブルームバーグを進歩主義派のウォーレンは嫌っている。

ウォーレンはブルームバーグの過去の発言を取り上げて攻撃した。2008年の金融崩壊で人種的な少数派をブルームバーグが非難した。その発言を取り上げた。

ウォーレンはブルームバーグが資金面で支援してきた共和党の政治家たちのリストを取り上げた。その中にはウォーレンが2012年の連邦上院議員選挙で直接戦ったスコット・ブラウン元連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、共和党)も入っていた。

ウォーレンは秘密保持条項に関する問題を再び取り上げた。ブルームバーグが部下の女性に対して酷い処遇を行ったと批判し、秘密保持条項に署名した女性たちの情報をハ票するように求めた。

そして、ウォーレンは、トランプ大統領と結びつけながら、ブルームバーグが納税申告書を公開していないことを攻撃した。

ウォーレンは「私は彼がどのくらいのお金を持っているのか、興味はありません。民主党の熱心な支持者たちは彼を決して信頼しないでしょう。彼はこの壇上に立っている候補者の中で最もリスクの高い候補者です」と述べた。

ブルームバーグは、ラスヴェガスの時ほどには今回はそこまで弱点を突かれなかった。ブルームバーグは、黒人が多く住む地区への融資を手控える行為を支持したという批判に反論し、自分の部下の女性が妊娠した際に、「それを殺せ」と発言したことを否定した。

しかし、ウォーレンの攻撃は激しかった。ウォーレンはサンダースよりもブルームバーグに対してより激しい攻撃を行ったことは特筆されるべきだ。サンダースの方がウォーレンの党指名獲得野道のりの邪魔になっている。

(3)候補者たちはアフリカ系アメリカ人有権者からの支持を勝ち取ろうと戦った(Candidates are battling to win over black voters

サウスカロライナ州での民主党予備選挙の有権者の半数以上はアフリカ系アメリカ人だ。サウスカロライナ州での予備選挙で、民主党の背骨となる多様な人々の連合からの支持を得られる能力があるかどうか各候補者は試されることになる。

バイデンはサンダースからの挑戦を退けるために努力している。サンダースはアフリカ系アメリカ人の間での支持を急速に伸ばしている。そして、サウスカロライナ州でのバイデンの選挙運動の伸びを止めようとしている。

しかし、バイデンは討論会でこれまでにない力強いパフォーマンスを行い、土曜日のサウスカロライナ州での予備選挙には良い雰囲気で臨める。

バイデンは、アメリカ初のアフリカ系アメリカ人大統領であるオバマ大統領に仕えた実績を繰り返し強調してきた。バイデンは、アフリカ系アメリカ人社会の有力指導者であるジェイムズ・クライボーン連邦下院議員(サウスカロライナ州選出、民主党)の名前も仄めかした。クライボーンは水曜日にバイデンへの支持表明を行うと見られている。

一方、サンダースは、アメリカの麻薬関連法と刑法システムを改善しなければならないと力説している。

実業家トム・ステイヤーは、最近の世論調査を見ると、サウスカロライナ州でのアフリカ系アメリカ人有権者の支持を集めている。ステイヤーがアフリカ系アメリカ人有権者の支持をどれくらい得られるかは、バイデンの結果にも影響を与えることになる。

火曜日の討論会に参加した残りの候補者たちは、アフリカ系アメリカ人有権者にとって重要な諸問題を繰り返し取り上げた。しかし、アフリカ系アメリカ人有権者からの支持を得て、投票箱に投票してもらうためには討論会以前に努力をしておくべきであった。

候補者たちはスーパーチューズデーを前にして、時に半狂乱になって、人々の関心と支持を求め続けた。

土曜日のサウスカロライナ州での予備選挙とそれから72時間後のスーパーチューズデー、これまでの時間は候補者たちにとって絶望の時間となる。

今回の討論会は、壇上に登場した7名の候補者の1人もしくはもっと多い数の人物たちにとって、最後の討論会となる可能性がある。そして、最後になるかもしれないという絶望感は、チャールストンで2時間の間、党勢がない状態で続いた討論会で垣間見えた。

討論会の多くの時間が、候補者たちがお互いを大声で非難し合うことで使われた。

CBSの司会進行役の人々は、討論会の間、時に完全にコントロールできない時があった。飛び入り参加自由で自由に発言ができ、お互いが大声で叫び合うという事が起きた。

このような状況になり、中道派も進歩主義派も共に不満を貯めることになった。どちらも自分が支持する候補者が公平な取り扱いを受けていないと感じた。

(5)討論会によって、候補者たちの間に否定的な感情に関する恐怖感が起きることになるだろう(Debate will raise fears about negativity among the candidates

先週のラスヴェガスでの討論会は総力戦の様相を呈した。今回のチャールストンでの討論会は否定的な感情のレヴェルに関して総力戦の様相を呈したと言えるだろう。

候補者たちは勝利を得るためだけに戦ったのではなかった。候補者たちの中には敵意と憎悪を明らかにした人たちもいた。

クロウブシャーはブティジェッジを嫌っているように見えた。ウォーレンのブルームバーグ攻撃は露骨でかつ激しいものだった。進歩主義派の人々はサンダースとウォーレンがお互いを攻撃し合うことをこれから身もだえしながら見ることになる。中道派の民主党員たちは呆れながら、穏健派の候補者たちがサンダースにだけ攻撃目標を絞るのではなく、お互いを攻撃し合っているのか分からないと嘆くだろう。

クロウブシャーは火曜日の討論会で、「私たちがこれから数カ月を、党を分裂するために使うならば、私たちは次の4年間、ドナルド・トランプがこの国を分裂させることを見続けることになるでしょう」と懸念を表明した。

民主党がまとまるためにはまだ十分な時間が残っている。しかし、予備選挙が激しいやり合いのまま続いた後には、民主党の支持基盤が分裂し、憎悪が残る危険性は残っている。

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サウスカロライナ州での討論会での勝者と敗者(Winners and losers from the South Carolina debate

ナイオール・スタンジ筆

2020年2月26日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/the-memo/484661-winners-and-losers-from-the-south-carolina-debate

アメリカ大統領選挙民主党予備選挙の候補者7名が火曜日の夜にサウスカロライナ州チャールストン市での討論会に登場した。土曜日に同州で予備選挙が実施されるのを前にして激しい討論が行われた。

サウスカロライナ州での討論会は予備選挙のスケジュールにおいて最大の戦いの日となる来週のスーパーチューズデーを前にして最後の討論会となった。

最新の討論会で誰が勝者となり、敗者となったか?

●勝者

(1)ジョー・バイデン前副大統領(Former Vice President Joe Biden

バイデンは討論会でもこれまで比べてより強力なパフォーマンスを見せて希望をつないだ。

彼はサウスカロライナ州で審判の時を迎える。

アイオワ州とニューハンプシャー州での失望を招いた惨敗とネヴァダ州でのサンダースに大差をつけられての2位を受けて、バイデンはサウスカロライナ州では必ず勝たねばならない。

バイデンは先頭走者であるバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)を討論会スタート直後から攻撃した。バイデンはサンダースの2つの弱点である、銃規制の投票に関する記録と2012年の大統領選挙で再選を目指した当時のオバマ大統領に対抗するために予備選挙に出馬することを考慮したことである。

バイデンはアフリカ系アメリカ人有権者の支持をテコ入れしようとし、自分が人種的、経済的正義の問題について「長年にわたり」働いてきたことを繰り返し訴えた。

結局のところ、バイデンは自分自身を、ただ願望を語るだけの人物ではなく、物事を実際に実行するための政治的、戦略的な力を持っていると訴えた。

バイデンの華ストーンと態度は彼の発言内容よりも重要だった。

これまでの討論会に比べて、バイデンはより鋭く、熱意に満ちていた。

バイデンは素晴らしい討論のパフォーマンスを必要としていたが、最高のパフォーマンスを行うことができた。

(2)Sen. Elizabeth Warren (D-Mass.)

ウォーレンが現在予備選挙に残っている候補者の中で最も一貫した論旨を持つ話し手だ。

ウォーレンはニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグを今回の討論会でも標的に選んだ。前回のラスヴェガスでの討論会に比べて、ウォーレンはブルームバーグを完膚なきまでにやっつけることはしなかった。しかし、ウォーレンは職場での部下の女性たちの処遇についての疑問を投げかけた。

ウォーレンは、ブルームバーグの党指名獲得の可能性についてより幅広い主張を行った。

ウォーレンは「ブルームバーグ市長がどれほどのお金を持っているのかを私は気にしません。民主党の熱心な支持者たちは彼を決して信頼しません」と述べた。

ウォーレンはブルームバーグ程ではないがサンダースに対しても攻撃を加えたがそれはより微妙なものであった。彼女はサンダースに対して「メディケア・フォ・オール」を実現するための戦略を質問した。

ウォーレンは今回の予備選挙の期間で期待よりも低いパフォーマンスしかできていない。サウスカロライナ州で彼女が勢いを取り戻すことができると信じる理由はない。彼女はリアルクリアポリティックスの平均で遠く離された4位になっている。

それでも、ウォーレンは再び力強いパフォーマンスを行ったと言うことができる。

(3)Sen. Bernie Sanders (I-Vt.)

サンダースは火曜日の夜に明らかな敗北を喫しなかったことをもって勝利を収めた。

サンダースはこれまでのどの先頭走者よりも継続的な攻撃に直面した。

バイデンは、サンダースは何の実績も上げていないと述べた。ブルームバーグは、サンダースを党の指名候補にすることはトランプ大統領に再選をプレゼントすることと同義だと述べた。インディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジは、トランプ大統領対サンダースの戦いは「害悪」であり「人々を疲弊させる」ものだと批判した。

サンダースはこれらの批判全てに対して、自分の側は何もミスを犯すことなしに反論してみせた。キューバのフィデル・カストロは教育の面で成果を上げたという自身の発言が多くの民主党員、特にフロリダ州の民主党員に不快感を与えたことについて自己弁護を続けた。

より目の前にある現実は、サンダースはサウスカロライナ州で勝利を収める必要はないということだ。これによってサンダースはスーパーチューズデーに向けてより良い形で準備ができる。

ライヴァルたちはサンダースを手ひどくやっつけておく必要があった。チャールストンでの討論会では多くのパンチが浴びせられたが、誰もサンダースからノックダウンを奪えず、それほどのダメージすらも与えられなかった。

●どちらとも言えない

(1)エイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)

クロウブシャーは再び手堅くまとめたが、出来が良かったというほどでもなかった。

クロウブシャーは自身の主張をうまく伝えることはできた。彼女は、自身の主要な主張である、「民主党はこの国の中間にいる人々を勝ち取る必要がある」ということを繰り返し訴えた。

しかし、クロウブシャーはアフリカ系アメリカ人有権者からの支持獲得に苦しんでいる。サウスカロライナ州での民主党予備選挙の有権者の50%以上がアフリカ系アメリカ人有権者で占められている。

そして、2020年2月11日のニューハンプシャー州での3位が彼女の最高到達点だったのではないかという疑義は残ったままだ。

チャールストンでクロウブシャーはゲームの様相を変えてしまう瞬間を作ることができなかった。彼女にはそれが必要だったのであるができなかった。

(2)インディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジ(民主党)

ブティジェッジの攻撃、特にサンダースに対しての攻撃は時間の経過と共に鋭くなっていった。

しかし、サンダースに対抗するための中道派の主要な候補者の立場をブルームバーグとバイデンと共に争うという圧力もブティジェッジにはかかっている。

ブティジェッジは火曜日の夜にはすっかりお馴染みとなった丁寧さと建設的な話をアピールできた。しかし、彼は討論会で人々の注目を集める瞬間を作ることはできず、彼が獲得したくてもできない有権者を振り向かせて支持を得ることまではできなかった。

●敗者たち

(1)ニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグ

酷すぎるということはなかった。しかし、良くもなかった。

先週のラスヴェガスでの討論会でのパフォーマンスがあまりにも酷すぎたと嘲笑を買い、それから多くの批判が寄せられてきた中でブルームバーグは討論会に参加した。

今回チャールストンで開催された討論会では少しは改善した。ニューヨーク市長時代の教育に関する成果など政策に重点を置いたテーマでは良いパフォーマンスを見せた。

しかし、ブルームバーグはやはり討論会には向いていない。一点を挙げれば、ラスヴェガスでの討論会の自分をパフォーマンスについての自虐的な冗談には誰からも反応がなかった。そして、ウォーレンからの攻撃に彼はまた苛立ってしまった。

ブルームバーグは討論会のスタートで、ロシアがサンダースの選挙運動を支援しようとしているという報道を使ってサンダースに攻撃を仕掛けた。これは先頭走者であるサンダースに対しての明らかにやり過ぎの攻撃であり、聴衆からは抗議の声が上がった。

ブルームバーグがテレビ広告に投下している膨大な資金量は彼を救ってくれているかもしれないが、彼の討論会でのスキルは全くもって何の役にも立たないものである。

(2)実業家トム・ステイヤー

ブルームバーグ同様、ステイヤーはテレビ広告に多額の資金を投入していることで何とか生き残っている状態だ。ブルームバーグと違う点は、彼はサウスカロライナ州での予備選挙で候補者登録をしている点だ。サウスカロライナ州での世論調査でステイヤーは3位につけている。

ステイヤーが直面している根源的な問題は、彼が立候補している理由を説明するということだ。彼はこれまで独自のセールスポイントを訴えるのに失敗してきたし、火曜日の夜もうまくいかなかった。

(3)CBSニュース

討論会の進行が時に酷いものとなった。進行役の人々に対してはSNS上でこれまで見たこともないほどの批判が寄せられた。

ある意味ではCBSニュースは板挟み状態に置かれたということになる。進行役が各候補者にお互いを攻撃し、やり合うことを許したが、ツイッター上では、討論会が混乱して内容が分からないという批判が多く出た。進行役が口を差し挟むと、過剰な介入だという批判の声が上がった。

CBSニュースが明らかに間違ったところがある。

ブルームバーグがニューヨーク市長時代に砂糖が入った清涼飲料水を禁止しようと試みたことについての質問が出た。そして、討論会の最後でそれぞれの候補者たちについての「誤解していたところ」を候補者たちに話させたのだが、ここでは気候変動について話すべきだった。結局、気候変動について今回の討論会ではテーマに出なかった。

討論会がほぼ終わりかけのところで、もう休憩も必要もないのにテレビ広告が流れたところにも混乱が見て取れた。結局のところ、CBSにとっては何事もうまくいかなかった夜となった。

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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 先日実施されたネヴァダ州での党員集会で、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)で圧勝した。得票率は約47%だった。2位のジョー・バイデン前副大統領は得票率約20%、3位のインディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジエッジは得票率約14%、4位のエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)は得票率約10%だった。獲得代議員数は以下の通りだ。

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 これまでの獲得宣誓済み代議員数はサンダースが45、ブティジエッジが26、バイデンが15、ウォーレンが8、エイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)が7となっている。特別代議員数ではバイデンが圧倒している。民主党エスタブリッシュメント派、幹部クラスはサンダースを嫌っていることが分かる。

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 サンダースの勢いはすさまじく、それに比べて昨年1年間各種世論調査でトップを走っていたバイデンの凋落ぶりは驚くばかりだ。バイデンにとっては今週末のサウスカロライナ州での予備選挙での結果が重要になってくる。バイデンは、アフリカ系アメリカ人初のアメリカ大統領となったバラク・オバマに8年間副大統領として仕えたということで、人気が高い。サンダースがかなり追い上げているが、バイデンの人気もまだ高い。サウスカロライナ州はアメリカ南部に位置し、アフリカ系アメリカ人が人口に占める割合が大きい。バイデン陣営はサウスカロライナ州での巻き返しを狙っている。

 それでも3月3日のスーパーチューズデーには、サンダースがトップ走者として臨むことになる。スーパーチューズデーが終われば、ウォーレンやクロウブシャーは選挙戦撤退の決断ということもあるだろう。何よりもマイケル・ブルームバーグが本格的に参加することになるので、バイデンとブティジェッジにどれほどの影響が出るのかということが注目される。

 こうした中で、サンダースのアメリカ大統領選挙本選挙での民主党候補指名ということが現実味を増している。党の指名を獲得するためには7月の全国大会に全国から出席する、宣誓済み代議員3979名の過半数1990名からの得票が必要となる。つまり、全国大会までに終わる予備選挙で1990名以上の宣誓済み代議員を獲得しなければならない。まず、この1990名以上の宣誓済み代議員をサンダースが獲得できるのかどうかということが焦点になる。

 サンダースは左派、進歩主義派、急進派と形容される。若者たちからの圧倒亭な支持を受けている。若者たちは上の世代に比べてインターネットを使いこなす。サンダース支持の若者たちは「バーニー・ブラザース」と呼ばれ、インターネット上で積極的な活動を展開している。しかし、中には行き過ぎた行為をしてしまい、支持を集めるどころか敵対者を作ってしまうということが起きている。また、選対で働いていたある若者がSNS上で、他の候補者の外見や性的志向を口汚く罵り、侮蔑したことが発見され、解雇されるということも起きている。

 このバーニー・ブラザースに対しては、他の候補者たちからも批判が出ている。サンダースは「どの候補者の支持者」にしても行き過ぎた攻撃は容認しない、と発言した。自身の支持者を直接諫めることは、直言居士として知られるサンダースでもできない。しかし、この程度のことで、若くて勢いに乗っているサンダース支持者が穏やかになるものではない。

 下の記事に紹介したように、予備選挙での舌戦が激化し、候補者間の攻撃が激しくなっていくと、それを漁夫の利とばかりに喜ぶのはドナルド・トランプ大統領だ。身内同士の潰し合いは「民主党は分裂傾向にある、今アメリカは分裂しているのに、そんな政党に任せられるか」ということにつながる。サンダースが分裂をもたらす人物であるか、統合をもたらす人物であるか、ということになるが、分裂傾向はなかなか収まりそうにない。

 サンダースが予備選挙で勝利すれば、民主党エスタブリッシュメント派や幹部たちも不承不承でも従うだろう。2016年の共和党がそうだった。まさかトランプが、と皆が呆然としつつ、彼に従った(表面上は)。トランプ大統領は右派ポピュリズムを代表するが、サンダースは左派ポピュリズムを代表する。ポピュリズムという点では両者は地下茎のようにつながっている。そうなると、対立相手であるはずの民主・共和両党の幹部クラス、エスタブリッシュメント派同士がつながるということが起きる。そのキーマンが共和党ではミット・ロムニー連邦上院議員(ユタ州選出、共和党)とマイケル・ブルームバーグだと思う。共に、ロックフェラー・リカブリカンと呼ばれた、穏健派に属した人物たちだ。

 最悪のシナリオは、サンダースが予備選挙で過半数の宣誓済み代議員を獲得できなかった時だ。全国大会での2度目の投票からは特別代議員も参加する。ここでもしサンダースが敗れ、党の指名候補に慣れなかったら、サンダース支持者たちは暴れまくり、最悪の場合には党を分裂させるだろう。こうしたことも起こり得ると念頭に置きながら、アメリカ大統領選挙を見ていくことも重要だ。

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サンダースの勝利は大きく、幅広い内容を含むものである(Sanders's victory in Nevada was big and broad

ブラッド・バノン筆

2020年2月24日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/campaign/484295-sanderss-victory-in-nevada-was-big-and-broad

バーニー・サンダースは、ネヴァダ州での圧勝によって、アメリカ大統領選挙民主党予備選挙における明確な先頭走者になった。

ヴァーモント州選出の連邦上院議員バーニー・サンダースは、11名がりっこ放射リストに掲載されている選挙でほぼ半数の得票率を獲得した。ジョー・バイデン前副大統領は大きく離されての2位となった。その他に2桁の得票率を得たのはインディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジエッジとエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)だけだった。

サンダースの勝利は大きく、幅広い内容を含むものである。

出口調査によると、サンダースは、ヒスパニック、30歳以下、そして自分を非常にリベラルだと考える、といったグループ分けをされた有権者グループの圧倒的過半数の支持を得た。彼はまた、白人有権者の過半数の支持を得たし、アフリカ系アメリカ人有権者の間では2番目の支持を得た。サンダースは45歳以上の有権者、自身を穏健派もしくは保守派と考える有権者の間で、バイデンを僅差でかわして1位の支持を得た。

サンダースはネヴァダ州においてヒスパニック系の有権者からの支持を得た。このことは、共にヒスパニック系の予備選挙参加者が多いカリフォルニア州とテキサス州で、サンダースは躍進するであろうことを示している。両州はスーパーチューズデーで投開票が実施される。

来週、14の州、海外在住アメリカ国民、アメリカ領サモアで民主党全国大会に出席する代議員が選ばれる。スーパーチューズデー終了の段階で、民主党は、ミルウォーキーで開催される全国大会で党の指名候補を選ぶ全代議員の約40%が決まるということになる。

サンダースは現在、各種世論調査の結果でもカリフォルニア州で大きなリードを保っており、先頭走者の立場を維持しながらスーパーチューズデーを迎える。カルフォルニア州はどの州よりも多くの代議員を全国大会に送り込む。サンダースと他2名の候補者である実業家マイケル・ブルームバーグと投資家トム・ステイヤーだけがスーパーチューズデーの戦いにおいて幅広く宣伝を行うことができる資金を持っている。

何か突発的な不幸な出来事でも起きて勢いが止まってしまわない限り、サンダースはスーパーチューズデーまでに獲得代議員数で大きなリードを得ることになるだろう。ここで出てくる唯一の疑問は、全国大会の時点までに総代議員数の過半数を獲得できているかどうかということだ。

党の候補者指名を確実にするために、サンダースはミルウォーキーでの全国大会に、最初の投票で勝利を得られるようにするために過半数を超える代議員を獲得した上で、参加できるようにする必要がある。ブルームバーグは民主党幹部層と特別代議員からの支持を集めつつある。これは全国大会での2回目の投票で逆転を狙うためのもので、これが起きれば、今年秋のトランプ大統領と戦う選挙での勝利の機会を破壊してしまうことになる。

次週のスーパーチューズデーのお祭り騒ぎを前にして、今週のサウスカロライナ州での予備選挙に全ての目が注がれている。

バイデンにとってサウスカロライナ州は運命を決する州である。各種世論調査によると、バイデンはこれまで2位を大きくリードしてきたが、そのリードの幅は急激に小さくなっている。これまでの数カ月、バイデン陣営のストラティジストたちは、メディアに対して、アイオワ州、ニューハンプシャー州、ネヴァダ州でバイデンが敗れても、サウスカロライナ州はバイデンにとっての防火壁となるだろうと述べてきた。バイデンはここで生き返るか、終わるかのどちらかだ。

今週火曜日、サウスカロライナ州チャールストンで10回目の民主党予備選挙候補者討論会が実施される。先週のラスヴェガスでの討論会での激しいやり取りは見ている分には面白いものであったが、民主党予備選挙の候補者たちはブルームバーグを叩きのめすことばかりを気にして、本当の敵がドナルド・トランプであることを忘れていた。

民主党内部の戦いがより分裂傾向を強める中で、トランプ大統領の再選への支持は拡大している。

今週の討論会での大きなテーマは、前回のラスヴェガスでの討論会でもそうだったように、サンダースを何とか引きずりおろそうとして、トランプ大統領への攻撃をしないで済ませてしまうのかどうかということだ。

トランプが犯した最大の失敗は、アメリカの分断に成功してしまったことだ。トランプ大統領に反対している多くのアメリカ人は次期大統領には、分裂を招いてしまう人物ではなく、融和と統合をもたらす人物こそがふさわしいと考えている。民主党内部での容赦のない潰し合いは、民主党が分裂を終わらせアメリカ政治に調和を取り戻すことができる能力を持つなどということを示すことにはならない。

この点から見ると、これまでの民主党の選挙運動はジョー・バイデンを止めるための試みと言えるものだった。サンダースの予備選挙序盤での成功は、バーニーを阻止する動きを促進しつつある。私たちが予備選挙で勝利を望むのは、ドナルド・トランプを阻止するための戦いのためであるはずなのだ。

民主党がホワイトハウスを勝ち取り、連邦下院の過半数を守り、連邦上院の過半数を奪取するためには、民主党内部にある2つの派が協力しなければならない。その強力には、進歩主義的な候補者たちを連邦議会選挙に当選させることと民主党穏健派に属する現職議員たちの議席を守ることだ。

民主党エスタブリッシュメント派は新しい世代の有権者たちの力に気づく必要がある。新しい世代はベイビーブーム世代から民主党を奪い取りつつある。民主党の新しい世代の人々はサンダースを大統領に当選させ2021年から始まる任期で進歩主義的政策を実行させるためには民主党エスタブリッシュメント派が必要であることを認識しなければならない。

2020年における民主党にとっての成功とは、民主党エスタブリッシュメント派も新しい世代も共に最終目的に目を向け続けることであり、それはドナルド・トランプを倒すことであって、大統領選挙本選挙の民主党候補者を指名することではないはずだ。そのために必要なことは、民主党予備選挙の始まりの時点で全く行うことができなかった、ギヴ・アンド・テイクを行うことである。

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ネヴァダ州での党員集会における5つの特徴(5 takeaways from the Nevada caucuses

ジョナサン・イーズリー筆

2020年2月22日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/484229-5-takeaways-from-the-nevada-caucuses

ラスヴェガス発。バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)は土曜日のネヴァダ州の党員集会で鮮やかな勝利を収めた。若者たち、ラティーノ、労働者階級の有権者たちを糾合し支持を集めた。民主党の候補指名の戦いでの先頭走者の位置を固めた。

ネヴァダ州での党員集会における5つの特徴について書いていく。

(1)サンダースはより広範な人々を集めた連合を形成し、それで民主党の候補指名を獲得する可能性がある

2016年の大統領選挙予備選挙で、サンダースは非白人からの支持を得ることに苦闘した。非白人有権者の多くがヒラリー・クリントンを支持し、それが最終的に党の候補指名獲得につながった。

前回の予備選挙以降、サンダースは人種的少数派へのアウトリーチ(働きかけ)に重点的に資源を投入し、幅広い人々が参加するティームを構築した。

こうした努力は2020年に実を結んでいる。サンダースはラティーノ、若い人々、労働組合の組合員たちからなる幅広い連合を形成している。これがサンダースにネヴァダ州での圧勝をもたらした。ネヴァダ州は人口構成が最も幅広い州である。

60%の選挙区からの報告が終了した時点で、サンダースの得票率は46%で、続くジョー・バイデン前副大統領が19.6%、インディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジは15.3%、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)は10.1%だ。

ジョー・バイデン前副大統領はアフリカ系アメリカ人有権者から強力な支持を受けているが、アフリカ系アメリカ人有権者の多くがサンダースに投票することを真剣に考慮していることを示す兆候が存在する。ABCニュースと『ウォールストリート・ジャーナル』紙が今週発表した世論調査の結果によると、全国規模では、アフリカ系アメリカ人の間での支持率でサンダースとバイデンは統計学上同率ということになった。

サウスカロライナ州での予備選挙に向かう直前の段階で、この発見は重要なことである。サウスカロライナ州での民主党予備選挙の有権者の半数以上はアフリカ系アメリカ人である。

ネヴァダ州での党員集会後、サンダースの各種世論調査での支持率の数字が急上昇しているのは確かだ。そして、サウスカロライナ州での予備選挙でもトップになる可能性が高いとまで見られている。サウスカロライナ州での予備選挙でサンダースがトップになるということは、バイデンにノックアウトパンチを喰らわせるということになる。

サンダースは広範な有権者層やグループから支持を得ていることで、2020年3月3日のスーパーチューズデーに最有力候補として望むことになる。この日に全代議員数の約3分の1が決定することになる。そして、スーパーチューズデーで決まる代議員の多くは、人種的に多様な構成となっているカリフォルニア州とテキサス州に配分されている。

(2)ネヴァダ州でのサンダースの決定的な勝利を受けてサンダースを止めることは難しくなっている

敗れた候補者たちにとってネヴァダ州からのニュースは良いものではない。

インディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジは予想よりも良い結果を得ている。アイオワ州では得票率よりも高い代議員数を獲得し、ニューハンプシャー州では僅差で2位となった。

しかし、白人が人口の圧倒的割合を占める両州は特別であって、どちらもこれから予備選挙が行われる各州の人口構成を反映しているものではない。ニューハンプシャー州で2位となったブティジェッジと3位に入ったエイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)は非白人の有権者に食い込む能力を持っているかどうかをこれまで見せてきてはいない。

エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)は、ラスヴェガスでの討論会でニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグを叩きのめして以降、多額の政治献金を集めている。しかし、ネヴァダ州での党員集会では、ウォーレンは上位に遠く置いていかれての4位に沈んだ。彼女がサンダースを倒すことができるかは明確ではない。ウォーレンはスーパーチューズデーで投開票が実施される地元マサチューセッツ州で勝利を収めることが見込まれている。

アフリカ系アメリカ人有権者の間でのバイデンの支持率は下落傾向にある。

ブルームバーグには無制限の資金という強みがあり、スーパーチューズデーで投開票が実施される14州全てでテレビ広告を放映しているのは彼だけだ。しかし、前回の討論会でのパフォーマンスのあまりの酷さを受け、彼は本当に戦えるのだろうかという疑義が出ている。

実業家トム・ステイヤーはサウスカロライナ州での予想外の支持を集めているが、予備選挙全体では全く目立っていない。

これからはこれらの候補者たちに対して選挙戦撤退の圧力がかかってくるだろう。反サンダースの人々は、サンダースが党の指名獲得に向けて独走状態になるまでに、対抗馬を押し上げねばならない(訳者註:そのためには候補者を絞らねばならない)という懸念を強める。しかし、スーパーチューズデーまで有力候補がひしめき合う展開のまま進むだろう。

ブティジェッジ選対とブルームバーグ選対は、2020年3月3日のスーパーチューズデーまでにサンダースが「大変に大きな数の」代議員を獲得しているだろうという予想をし、警戒感を強めている。

(3)民主党員は熱心で、予備選挙参加数は記録的に多くなっている

民主党は安心して少しほっと溜息をつくことができた。アイオワ州での党員集会参加者の数が予想を下回ったがこれは幻に過ぎなかった。

今月初めのアイオワ州での党員集会には17万6000人以上が参加した。2016年の時に比べて少し増えた。しかし、2008年のブーム時に比べてはかなり少なくなった。2008年では、アイオワ州でオバマ前大統領を勝利させ、民主党候補指名まで進んだ。

民主党は、党員集会と予備選挙参加者数はおそらく非常に多くなると考えていた。それは、トランプ大統領を倒したいという草の根のエネルギーによってもたらされるとしていた。

ニューハンプシャー州での予備選挙ではアイオワ州とは全く異なる展開となった。30万人という記録的な人々が予備選挙に参加した。これは2008年の予備選挙の参加者28万8000人を大きく超えるものとなった。

現在、ネヴァダ州の党員集会参加数は記録的な数になると見られている。

7万5000名以上が期日前の党員集会に参加した。これは2016年の民主・共和両党の予備選挙の参加者数8万4000に迫るものであった。

最終的な総計数はまだ出ていない。しかし、今まで発表された数字によれば、参加者の約半数は初めて党員集会に参加した人々であった。ネヴァダ州民主党本部によると、期日前投票可能な1週間で1万人が新たに入党申請を行ったと発表した。

(4)反サンダースの人々はパニック状態になっている

サンダースを何とか止めようという動きは続いている。

民主党エスタブリッシュメント派の中には、これまでの数か月、民主社会主義者を自認する人物を党の指名候補にすることは11月の選挙での敗北を意味すると懸念を表明してきた。

サンダースと周辺の人々は、こうした批判の大多数は、少数の人々から出ているが、ケーブルニュースとツイッターで伝達されることで、実際以上の影響力を持つと考えている。サンダースと周辺の人々は、各種世論調査で実施されている、架空のトランプ大統領との一対一の戦いで、サンダースはほかのどの候補者よりも良い結果を出していることを強調している。

しかし、サンダースと民主党幹部の多くとの関係は険悪だ。これまでの数主幹、民主党幹部の多くは、7月の民主党全国大会が競争的全国大会になって混乱が起きるにしても、サンダースはいかなる犠牲を払っても阻止しなければという警告を発してきた。

(5)スーパーチューズデーを前にして失望が広がる中でさらに激しい攻撃がなされるだろう

ブティジェッジはラスヴェガスでの選挙運動の最終演説の機会を利用してサンダースを攻撃した。これは、スーパーチューズデーへのカウントダウンが始まる中で、サンダースのライヴァルたちがサンダースへの攻撃を強めていくことを示す兆候である。

ブティジェッジは、本選挙で大敗北を喫するだろうと懸念を表明した。サンダースの主張は、トランプ大統領を倒すことの最優先の目的とすべきと考える多くの民主党員や民主党支持者に恐怖心をもたらすだろうと述べた。

ブティジエッジは、「サンダース議員は硬直した、イデオロギー的な革命を固く信じしています。このような革命は、アメリカ国民のほとんどは言うに及ばず、民主党員のほとんどを置き去りにするものです」と述べた。

そして、ブティジェッジは、サンダースは分裂を促進する動きを進めており、それによって新しい有権者を惹きつけることはできず、かえって民主党から引き離すことになるだろうと述べた。

ブティジェッジは「サンダース議員の主張する革命とは、戦い、分裂と対立をもたらすものです。誰が予備選挙で勝利するにしても、このような考えが通るならば、現状のアメリカ政治の毒された状況は何も変えられないでしょう」と述べた。

サンダースは「大企業メディア」と常に対立しており、ケーブルニュース番組などからの助けを期待できない。ニュース番組のキャスターやパネリスト、ゲストの多くはサンダースの世界観に反対している。

こうした動きは土曜日のMSNBCを見れば明らかだった。

サンダースに対して批判的なキャスターのクリス・マシューズは、ネヴァダ州におけるサンダースの勝利と1940年のフランスの陥落をリンクさせて発言した。キャスターのニコール・ウォレスは、民主党が「キーキーとうるさい声を上げる、怒れる少数派」によって乗っ取られていると発言した。民主党系のストラティジストであるジェイムズ・カーヴィルは、ロシアがサンダースを支援するという方法で民主党予備選挙に介入しようとしているという報道を肯定し、民主党予備選挙はロシアのウラジミール・プーティン大統領にとって「大変好ましい状況」になっていると述べた。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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