古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:カマラ・ハリス

 古村治彦です。

 

 今回は民主党の大統領候補になりうる2人の連邦上院議員に関する論稿をご紹介します。これまでに、

 

 民主党は、バーニー・サンダース連邦上院議員を支持した、リベラル・リバータリアン連合とも言うべきグループと、ヒラリー・クリントンを支持したリベラル・人道的介入主義派連合に分かれています。この2つのグループは、国内問題ではそう大きな違いはありませんが、外交政策で大きく異なります。外国への介入・干渉(intervention)をすべきかどうか、で主張は真っ向からぶつかり合います。

 

前回ご紹介したティム・ライアンは、大統領選挙でトランプが勝利したオハイオ州の政治家で、トランプ勝利の原因となった、経済のメッセージを強く打ち出し、トランプ大統領に近い政策を主張しています。カマラ・ハリスとカーステン・ギリブランドはリベラルな主張をしており、リベラル派のスターということになります。


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カマラ・ハリス

 

 カマラ・ハリスとカーステン・ギリブランドは2020年には共に50歳を超えますから、このブログでご紹介したハワード・ディーンの発言である「50歳以下が望ましい」には適合しませんが、まだまだ年齢的に問題になることはありません。2016年の選挙で元気だったのは、日本で言えば団塊の世代の人たちだったのですから。

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カーステン・ギリブランド

 

 カマラ・ハリスはサンフランシスコ地区検事長を務め、カリフォルニア州司法長官を6年間務め、2016年に連邦上院議員に初当選しました。カリフォルニア州の司法改革を進め、その手腕が評価され、民主党指導部からの期待が大きい新人議員です。

 

 カーステン・ギリブランドは、司法界で活躍した後、2006年に連邦下院議員となり、2008年には国務長官に転身したヒラリー・クリントンの後を受けて、連邦上院議員となりました。こちらも期待の大きい政治家です。

 

 民主党のライジング・スターが2020年に大統領選挙候補者となるかどうか、注目していきたいと思います。

 

(貼り付けはじめ)

 

カマラ・ハリスとカーステン・ギリブランドが2020年の大統領選挙での民主党の勝利を導くだろう(Kamala Harris and Kirsten Gillibrand will lead Democrats to 2020 victory

 

マイケル・スター・ホプキンズ

2017年9月3日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/pundits-blog/presidential-campaign/349036-kamala-harris-and-kirsten-gillibrand-are-the-future

 

民主党は政治状況を把握し、2016年の選挙の惨敗後の党の再建に注力している。こうした中で、党の指導部の変更が必要であることは否定できない。2016年の選挙中と選挙後、民主党の支持者たちが最も不満に思っているのは、指導部の中に多様性が欠けている点であった。民主党はバラク・オバマと写真写りの良い家族によって好影響を受けていた。それがなくなって、民主党は、ミレニアム世代を熱狂させ、支持基盤を活性化することができる候補者を見つけることに苦労している。ワシントン政治に精通している人にとっては、ミレニアム世代と民主党の支持基盤の両方に対処することは簡単な仕事ではない ということは分かりきったことである。オバマのような政治家が出てくるのは一世代(30年)に一度だ。

 

大統領退任以後、前大統領となったオバマは比較的静かに暮らしている。そして、現在の状況や事件については注意深く発言している。オバマの不在は民主党に大きな穴をあけている。ナンシー・ペロシ連邦下院民主党院内総務(カリフォルニア州選出、民主党)とチャールズ・シューマー連邦上院民主党院内総務(ニューヨーク州選出、民主党)ではこの穴を埋めることはできない。更に言うと、オバマ不在による穴は、党内の2つの勢力の争いを誘発している。1つのグループは、リバータリアン志向で、バーニー・サンダース支持グループ、もう1つは政治的に穏健な、ヒラリー支持のエスタブリッシュメントのグループで、この2つは争っている。

 

2016年の大統領選挙でこの2つのグループの争いが表に出てきた。民主党予備選挙におけるサンダース支持者とクリントン支持者との間の憎悪と反目は民主党全国大会で爆発し、ヒラリーは大統領選挙本選挙で民主党をまとめることができなかった。ヒラリーは弱いメッセージしか発信できず、選挙戦略の選択肢に失敗したことで、大統領選挙運動に失敗した。ヒラリーの歴史的な敗北は、民主党の「バーニー・ウィング」から支持を受けられなかったことが理由になったことは否定できない。

 

民主党は2020年の大統領選挙を展望している。その中で、民主党を代弁し、リーダーとなるのは誰かということが大きな疑問となっている。無所属のヴァーモント州選出の連邦上院議員サンダースが2020年の大統領選挙予備選挙に再び出馬するかどうかも関心の的になっている。民主党が急速に地域政党になってしまうかどうかも人々が懸念を持っている。政権発足後1年も経たないうちに、トランプ大統領の政権運営は無秩序状態に陥っている。こうした状況下でこれらの疑問に対する明確な答えは存在しない。しかしながら、確かに言えることは、民主党の未来は女性にかかっているということだ。

 

カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)とカーステン・ギリブランド連邦上院議員(ニューヨーク州選出、民主党)が民主党内の台頭するスター(ライジング・スター)である。この2人は民主党をまとめ、支持基盤を構成する様々なグループの人々を熱狂させる稀有な能力を持っているように思われる。2人の連邦上院議員はアメリカ全土の遠く離れた場所から選出されてきているが、2人が選出される道筋はよく似ている。2人の女性議員は連邦上院議員になる前に法律家としてのキャリアをスタートさせた。2人は国民皆保険制度を支持している。ハリスは最近次のように語った。「国民皆保険は道徳上のそして倫理的な正しさについてのことだけではない。財政的な観点や納税者にとっての投資のリターンからも理屈に通ったものだ」。

 

オバマ大統領やエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)をはじめとする同僚の女性連邦上院議員たちからの支援を受けて、ハリスの全国的な知名度を高めた。ハリスは連邦上院議員に2016年に当選する前に、6年にわたって、カリフォルニア州司法長官を務めた。ハリスは家系に複数の人種がいることをオバマと比較されることが多い。ハリスは収入の格差、人種差別の是正、社会保障に関連する様々な問題に果敢に取り組んでいる。

 

ハリスとギリブランドは手加減なしに論争に参加し、そのために同僚の男性議員たちの多くと同じく政治的信条を明らかにすることで、批判を受けている。ハリスは議論に真正面から立ち向かっている。ハリスは連邦上院議員1年目に、ウイメンズ・マーチで演説を行い、ジェフ・セッションズ司法長官に対する連邦上院による公開の公聴会で、セッションズを激しく批判し、ヴァージニア州シャーロッツヴィルでの事件でトランプ大統領がきちんと対応するように求めた。昨年11月の大統領選挙の開票終了後、暴発寸前の有権者たちを前にして、ハリスは「私は戦う」と宣言した。連邦上院議員に就任して1年も経っていないが、ハリスは彼女の言葉を忠実に守っている。

 

同じことがギリブランドにも言える。2006年に連邦上院議員選挙に初出馬して以降、国民皆保険を訴えてきた。ニューヨーク選出の2期目の連邦上院議員であるギリブランドは、公的医療保険の導入、最低賃金の引き上げを支持し、最近では、アメリカ軍における性同一性障害の人々の入隊を制限するトランプ大統領の大統領令を批判した。ギリブランドは、ニューヨーク州北部の工業地帯に住む労働組合に加入している肉体労働者たちやニューヨーク州都市部の少数派やミレニアム世代の持つ懸念を表現することができる能力を持っている。そして、民主党員は、彼女の政治的未来についてどのようになるかと楽しみにしている。

 

ヒラリーの選挙運動はオバマの選挙運動の熱狂を再びかき立てることはできなかった。ヒラリーの選挙運動とは異なる新しい時代が民主党にやってこようとしている。ハリスとギリブランドは、ヒラリーが持っていた様々な欠点を持っていない。これらの欠点のせいで、ヒラリーは支持してくれる可能性のあった有権者を逃した。国政の場では比較的新しい参加者であり、ハリスもギリブランドも、ヒラリーがファーストレディーや国務長官を務めたことで蓄積してしまった共和党側の怒りを生み出していない。 ハリスもギリブランドも年齢や健康の点で大統領に相応しいのかどうかという疑問は出ない。2人とも 配偶者は選挙で選ばれた政治家ではないので、彼らの軽率な行為や政治上の決断に関する不公平な質問に答える必要はない。

 

ハリスとギリブランド2人が持つアメリカ大統領選挙候補者になるにあたっての最重要の特性は彼らが人々を感動させることができるという能力だ。ジョージ・W・ブッシュ大統領時代にオバマは人気を急速に上げたが、現在のアメリカには人々を感動させ動かす人物が必要だ。アメリカには信じるに足るムーヴメントが必要だ。オバマ大統領は民主党支持者を感動させ、投票に行かせて、新しい道筋をつけた。ハリスとギリブランドは窒息寸前の民主党に新しい空気を吹き入れることができる。

 

頭が切れ、献身的で、人々を動かすことができる女性がアメリカ大統領になること以上に、現状維持を打破することになるものがあるだろうか?ハリスとギリブランドは、頭が切れ、業績を残した女性で、少女たちがいつの日か残された最後のガラスの天井を打ち壊すことができると思えるように出来る人物たちであることだけが理由ではない。2人は現在のトランプ大統領が象徴していない、我が国を偉大ならしめている様々な要素を徴していることも理由なのである。

 

2020年に民主党がホワイトハウスを奪還する希望を持てるとするならば、私たちは候補者を立てるだけでなく、ムーヴメントを起こす必要がある。 人々に語りかけるに足るストーリーを持ち、選挙に出る人全てが答えなければならない質問に対する答えを用意していなければならない。その質問とは「あなたはどうして立候補しているのか?」というものだ。2020年の民主党の予備選挙に立候補する人は誰でも、民主党の政策がアメリカ国民の健康を守ることができる理由を語ることができなければならない。民主党は、民主党の政策がアメリカを安全にし、人々の生活を守り、雇用を守ることができることを説明できなければならない。民主党は複雑に入り組んだ諸問題に対する回答を用意しなければならない。

 

カマラ・ハリスとカーステン・ギリブランドには、これらの疑問に答える準備ができている。民主党の未来は流動的だが、もし有権者がこの2名の女性のどちらかに信頼を寄せる場合、大統領選挙勝利への道筋は現在の状況とは劇的に異なり、スムーズなものとなるだろう。昨年11月、ヒラリー・クリントンがドナルド・トランプに対して、悲劇的な敗北を喫した。しかしそれでもなお、民主党の未来は女性にかかっている。2020年に向けたレースをさっそく始めようではないか。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12








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 古村治彦です。

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 カマラ・ハリス(Kamala Harris、1964年~)は2016年の連邦上院議員選挙(カリフォルニア州)で当選した人物です。出身はカリフォルニア州オークランドで、ジャマイカ系の父(スタンフォード大学経済学部教授)とインド系の母(乳がんの研究者)の間に生まれました。両親は離婚し、母がカマラと妹を育てました。家族はカリフォルニア州バークレーで暮らしました。カリフォルニア大学バークレー校があるバークレーはリベラルな土地柄で有名です。

 

 カマラ・ハリスはワシントンにあるハワード大学に進学します。ハワード大学は黒人が学生の大半を占める学校として有名です。その後、カリフォルニア大学平スティング酢法科大学院に進学し、弁護士資格を得ます。ハリスはサンフランシスコ地区検事局に勤務し、2004年から2011年までサンフランシスコ地区検事長となります。2011年から2017年までカリフォルニア州司法長官(この地位は選挙で選ばれる)となり、2016年の選挙で連邦上院議員に当選しました。

 

 ハリスは全国レヴェルに出ヴューしてまだ間もない新人連邦上院議員ですが、既に2020年の大統領選挙で民主党の候補者になるのではないかと期待されています。

 

 カマラ・ハリスの実力は未知数ですが、同じく連邦上院議員1期目で民主党の期待の星となったバラク・オバマ大統領のようになって欲しいという期待もあるようです。

 

 外交政策については全くの未知数ですが、ヒラリー系のような外交政策を採用しないということであれば、オバマ大統領を支持した人々を再び惹きつけることができるのではないかと思います。

 

(貼りつけはじめ)

 

民主党は2020年のために新鮮な人物を必要としている:カマラ・ハリスについて見てみよう( Dems need a fresh face for 2020: Try Kamala Harris

 

ダグラス・E・ショーエン筆

2017年7月22日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/pundits-blog/national-party-news/343224-dems-need-a-fresh-face-for-2020-try-kamala-harris

 

民主党が権力を取り返そうと本気で考えているのなら、新しい戦略が必要だ。

 

民主党は現在、連邦上下両院で少数派に甘んじている。そして、2017年前半は苦難の連続であった。こうした状況で、ワシントンにおいて権力の座に戻りたいと望むなら、民主党は新しいリーダーたちを出す必要があるのは明白だ。

 

私は常々、民主党は成長促進戦略を訴えねばならないと主張してきた。有権者からの支持を再び得るためには共和党に対しての明確な選択肢を提供すべきだ。民主党は反共和党を示すだけ、もしくはトランプ大統領の施策全てに反対することだけで選挙に勝つことはできない。

 

将来を展望してみると、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)が民主党を権力の座に戻すことができる指導者としての可能性を持っているように思われる。

 

カリフォルニア選出の若手連邦上院議員ハリスは大統領の有力な候補者となりつつある。

 

ハリスは伝統的な、「何でも反対」の民主党員のイメージから一線を画しているだけでなく、彼女は地方政府、州政府、連邦政府といった全てのレヴェルの政府での経験を持っている。

 

2016年の米大統領選挙で崩壊したオバマ連合を復活させることができるのはハリスだけだ。

 

2012年にオバマ大統領を勝利に導いた投票者(57.3%)の半数以上は自分たちを穏健派もしくは保守派だと考え、70%以上がキリスト教徒だと答えた。

 

こうした穏健な価値観を重視する有権者グループを2020年の大統領選挙において民主党支持に戻すことは可能だ。

 

ヒラリー・クリントンは2016年にこうした人々を動員することに失敗したが、ハリスが候補者であればこうした人々の支持を得ることができたであろう。

 

選挙戦で重要となる政策について言うと、ハリスは再分配だけではなく、中間層を元気にするための経済再活性化計画を主張している。

 

ハリスは勤労所得税額控除と扶養子女控除の拡大を拡大することで、多くの家族が貧困戦の下に落ちてしまわないようにしたいと考えている。

 

これに加えて、ハリスはカリフォルニア州司法長官時代に、小規模ビジネスを守り、訴訟の乱用を終わらせた。

 

ハリスは、白人の労働者たちの支持を再び得て、大統領になるために必要な経済政策に関する主張を持っている。彼女はこれで民主党の大統領選挙候補者になれる。

 

確かに、ハリスが大統領選挙候補者になるためにはいくつかの越えねばならない点がある。全国レヴェルでの知名度、ワシントンにおける立法の経験がともに足りない。ハリスがアメリカの次期大統領になるためには この2つの弱点を乗り越えねばならない。

 

ハリスは連邦議会の中で、アメリカ最大の州の代表を務めている。そうした中で、ハリスはカリフォルニア州を超えて、全国レヴェルで知名度を上げていかねばならない。更に言うと、問題解決に指導力を発揮し、立法において成功することで、ハリスは自分が有力な大統領選挙候補者であることを示すことができる。

 

立法府における経験で言うと、ハリスは連邦上院議員になって半年しか経っていないという事実を直視しなければならない。2020年の大統領選挙に立候補すると彼女が発表する場合、その時期は、彼女が連邦上院議員として2年ほど働いた時期ということになるだろう。

 

こうした弱点はあるが、カマラ・ハリスは2020年に民主党ができることを体現している人物だ。

 

民主党は支持基盤の人々と同様に重要な無党派層の有権者たちを惹きつける必要がある。そうした中で、ハリスは新鮮さを与えるニューフェイスとなり得る人材だ。

 

(貼りつけ終わり)

 

(終わり)




アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12


アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22

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