古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:カマラ・ハリス

 古村治彦です。

 今年の5月、ジョー・バイデン大統領の国内政策担当大統領補佐官・ホワイトハウス国内政策会議議長を務めた、スーザン・ライスが退任した。ライスは外交政策の専門家として知られ、バラク・オバマ政権では国家安全保障問題担当大統領補佐官と米国連大使を務めた。2つの役職は共に閣僚級のポジションだ。オバマ政権下での国務長官就任が確実視されていたが、2011年のリビア・ベンガジ事件についてテレビ番組に出演しての発言で大きな批判を浴び、連邦上院の人事承認が必要な役職に就くことが不可能になった。
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バラク・オバマとスーザン・ライス
 ジョー・バイデン政権が発足し、ライスは国内政策担当大統領補佐官・ホワイトハウス国内政策会議議長に起用された。ライスは大学院時代から外交政策畑一筋であったため、国内政策担当に起用されたことは驚きをもって迎えられた。ライスは国内政策担当大統領補佐官・ホワイトハウス国内政策会議議長として、新型コロナウイルス感染拡大阻止、学生ローン救済問題、糖尿病患者に必要なインシュリンの上限額設定、移民問題、南部国境問題などを担当した。よりはっきりと書けば、副大統領格として政権内部を取り仕切った。政権発足から2023年2月までバイデン大統領の首席補佐官となったロン・クレインとスーザン・ライスはオバマ政権下においてエボラ出血熱対応でタッグを組んだ間柄であった。バイデン政権の国内問題はライスが対応したということになる。カマラ・ハリスにはそうした能力がないということは分かっていたから、スーザン・ライスが起用された。スーザン・ライスが退任と言うのは国内問題についての一応の対応が終わったという政権内の判断もあるだろう。

そして、後任にはニーラ・タンデンが起用された。タンデンは国内政策の専門性を持ち、ビル・クリントン政権時代からホワイトハウスで働いていた。ファースト・レイディだったヒラリーの国内政策担当補佐官を務めた経験を持つ。また、オバマ政権下では医療保険制度改革(オバマケア)で重要な役割を果たした。バイデン政権では大統領上級顧問(医療保険制度・デジタル担当)、大統領秘書官を務めてきた。
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ニーラ・タンデンとジョー・バイデン

  ニーラ・タンデンはヒラリー派のど真ん中の人物であり、カマラ・ハリスとの関係も深い。タンデンは自身が設立メンバーとなり2003年に創設されたシンクタンク「アメリカ進歩センター(Center for American ProgressCAP)」において2011年に所長となった。このCAPはヒラリー派の牙城である。タンデン自身も「クリントン・ロイヤリスト(Clinton Royalist):ヒラリー・クリントンの忠実な支持者」と『ニューヨーク・タイムズ』紙に報道されたことがある。

そして、カマラ・ハリス副大統領の妹であるマヤ・ハリスが研究員を務めていた。タンデンとハリス姉妹にはインド系という共通点もある。CPAという場所と妹を通じて、ヒラリー・クリントンとカマラ・ハリス副大統領はつながっている。そのキーパーソンがニーラ・タンデンである。

カマラ・ハリスはバイデン政権一期目のここまで、目立った仕事はさせてもらえない。南部国境問題を担当させてもらったが、うまくいかなかった。国内政策担当大統領補佐官がスーザン・ライスということで、ライスに対して批判は集まったが、ハリスはほぼ無視されている状況だ。批判さえされないというのは、「好き嫌い」を超えての「無関心」ということになる。ハリスは透明人間のような存在感だ。ライスが退任し、タンデンが国内政策担当大統領補佐官・国内政策会議議長就任で、ハリスの存在感が増すことになるだろう。より正確に言えば、ヒラリーの代理人として行動するということになるだろう。
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ヒラリー・クリントンとマヤ・ハリス
 タンデンはバイデン政権発足時にホワイトハウス行政予算管理局長に指名された。この役職は連邦上院の人事承認が必要だ。タンデンはツイッター上で共和党を攻撃していたが、それだけでなく、同じ民主党内の進歩主義派や保守派を揶揄し批判した。そのために、人事承認を得られずに、就任は否決された。「タンデンはヒラリー派の重要人物だ」ということで、人事が否決させたことも考えられる。そのタンデンがバイデン政権で重要な役職に就くことになった。
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カマラ・ハリスとヒラリー・クリントン(若い頃)

今回の人事について考えられることは、バイデン政権二期目はヒラリー色が強まるということだ。スーザン・ライスはベンガジ事件によって国務長官就任の可能性を断たれた。ベンガジ事件はヒラリー・クリントン国務長官(当時)の失策であったにもかかわらず、だ。そのため、ライスにはヒラリーのために働く気などない。ヒラリー色が強まる、ヒラリー院政と言うべきバイデン政権二期目に付き合う義理などない。アントニー・ブリンケン米国務長官、ジェイク・サリヴァン国家安全保障問題担当大統領補佐官もバイデン政権一期目で退任するだろう(サリヴァンが国務長官に就任する可能性は残っているが)。大統領の任期8年間を全うするというのは大変なことだ。外交政策分野の重要な役職でヒラリー系の人物たちがバイデン政権二期目になって登場してくるということになると、2024年からの世界は不安定化するということになる。それまでにウクライナ戦争は停戦しておかねばならない。また、世界に不安定をもたらす要素をできるだけ減らしておく必要もある。

 宣伝になって恐縮だが、ここに出てくる人物たちは全て拙著『悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める』で取り上げている。バイデン政権について理解するためには拙著は非常に有効であると自負している。今からでもぜひ読んでいただきたい。

(貼り付けはじめ)

スーザン・ライスがバイデン大統領の国内政策担当大統領補佐官を退任(Susan Rice to step down as Biden domestic policy adviser

アレックス・ガンギターノ筆

2023年4月24日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/3966064-susan-rice-to-step-down-as-biden-domestic-policy-adviser/

ジョー・バイデン大統領は月曜日、スーザン・ライス国内政策担当大統領補佐官が退任すると発表した。

ライスはバイデン政権発足当初から補佐官を務め、銃乱射事件から学生ローンまで、政治色の強い国内問題を数多く担当した。バイデン大統領は声明の中でライスの功績を称揚し、「スーザン・ライスほど能力が高く、アメリカ国民のために重要な事績を成し遂げようとする決意に満ちた人物は存在しない」と述べた。

バイデンは続けて次のように述べた。「リーダーとして、また同僚としてのライスを際立たせている要素は、彼女が自分の役割に真剣に取り組み、緊急性と粘り強さをもたらすこと、行動と結果に対する彼女の方向性、そして彼女がこの仕事に取り組む誠実さ、謙虚さ、ユーモアである」。

バイデン大統領はライスの退任日がいつになるかは明言しなかったが、NBCは彼女が5月26日にホワイトハウスを去る予定であると報じた。

バイデンがこれから選挙モードに突入し、早ければ火曜日にも再選を表明すると見られている中でのライスの補佐官退任発表となった。

バイデン政権の移民問題や南部国境の危機への対応には批判が集まっている。またジェフ・ザイアントが新しい大統領首席補佐官が就任してわずか数カ月後に、ライスの退任が発表された。NBCによると、ライスとザイアントは高校時代からの知り合いだということだ。

ライスはオバマ政権時代に国家安全保障問題担当大統領補佐官と国連大使を務めた。バイデンは声明の中で、ライスの外交政策における経歴に触れ、彼がライスを国内政策最高責任者に指名した当初は人々を驚かせたと述べた。

バイデンは、ライスが国家安全保障問題担当大統領補佐官と国内政策担当大統領補佐官の両方の役職を担当できる能力を持つ唯一の人物であることを指摘した。

バイデンは、医療保険制度改革法(オバマケア)の拡大、国家精神衛生戦略への取り組み、インシュリン費用35ドルの上限設定、銃乱射事件削減への取り組み、警察改革の推進、マリファナへの新たなアプローチの設定、学生の債務救済、移民制度への取り組みなど、彼女の功績に感謝した。

バイデン大統領は「功績を挙げれば切りがないが、どれもスーザンなしでは実現不可能だっただろう」と述べた。
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スーザン・ライスがバイデン大統領の国内政策担当大統領補佐官を退任(Susan Rice to Step Down as Biden’s Domestic Policy Adviser

-ライスはバイデン政権でより政局化されている諸問題のいくつかを監督してきた。それらの問題の中には銃規制、学生ローン救済、移民が含まれる。

ゾラン・カンノ=ヤングス、アイリーン・サリヴァン筆

2023年4月24日

https://www.nytimes.com/2023/04/24/us/politics/susan-rice-biden.html#:~:text=WASHINGTON%20%E2%80%94%20Susan%20Rice%2C%20President%20Biden's,Ms.

ワシントン発。ジョー・バイデン大統領の国内政策担当大統領補佐官であったスーザン・ライスは、移民問題、銃規制、学生ローン救済など、バイデン政権下で、最も政治問題化された諸問題のいくつかに対処してきたが、来月退任するとホワイトハウスが月曜日に発表した。

バラク・オバマ大統領の国家安全保障問題担当大統領補佐官や国連大使を歴任したライスは、ホワイトハウスがアメリカ南部国境での不法移民の越境をめぐる圧力に直面し、バイデン政権が国境捜査官による移民追放を許可したトランプ時代の公衆衛生法第42条を解除する準備を進める中で退任する。

ライスの補佐官としての最後の勤務日は5月26日だ。

ライスの在任中、インシュリン価格の上限設定、医療保険の拡大、超党派の銃制度改革の可決など、立法面での功績が目立った。しかし、彼女はまた、移民問題や他の分裂問題に対する政権のアプローチについて批判を浴びた。

本『ニューヨーク・タイムズ』紙は先週、ライスのティームに対しては移民児童労働危機の拡大を示す証拠を繰り返し示されていたと報じ、その中には複数のスタッフが人身売買の兆候が増加していると警告した2021年のメモも含まれていたと、内部事情に詳しい関係者が暴露する内容も含まれている。

退任が発表された後にインタヴューを受けたライスは「児童労働や移民の児童労働に関するシステム上の問題について私たちは報告を受けたことはなかった。私はそのことを報告するメモを目にしたことはない」と述べた。

ライスは、当初から補佐官としての勤務は2年間にすると予定していたという。

ライスは「勤務期間もだいたい2年半くらいになる。もし2年半くらいになるなら、夏前に退任して、夏を楽しみ、家族と一緒に過ごしたり、ちょっと旅行したりする時期にしようと考えていた」と語った。

バイデン大統領は、国内政策会議をリードする役割にライスを指名したことで多くの人々を驚かせた。この会議は、国家安全保障会議に比べてより規模が小さく、名前もよく知られていなかった。2020年の大統領選挙においては、ライスはバイデンの副大統領候補として名前が挙がっていたし、これまでの経歴から国務長官と関係がある役職に就く可能性があった。

しかし、2012年にリビアのベンガジにあるアメリカ公使館がテロ攻撃を受け、4人のアメリカ人が死亡した事件への対応をめぐって共和党の攻撃の的となっていた。この論争により、彼女が連邦議会の承認を必要とする役職に就ける可能性は低くなった。

「ライスはバイデン大統領が国内政策担当に選んだことに驚いていた」とロン・クレインは述べている。クレインはバイデン大統領の前首席補佐官であり、政権移行期間中にライスに電話をかけてこのニューズを伝えた人物である。

クレインは次のように述べている。「彼女は、“あなたも知っているでしょう、私は国内政策の専門家じゃないのよ”と言っていた。私は“そのことは分かっているよ、スーザン、しかし、私はこれまで君がホワイトハウスで働いてきたことを見ていて、困難な問題にも対処して、仕事をやり遂げることができる人だと知っている”と答えた」。

月曜日、バイデン大統領はライスの業績を称えた。

バイデンは声明の中で、「国家安全保障問題担当大統領補佐官と国内政策担当大統領補佐官の両方を務めた唯一の人物として、スーザンの公的な職における業績は歴史に残るものだ」と述べた。

ライスの退任を最初に報じたのは、NBCニューズであった。

ライスは、自動保育ややホームヘルス分野の補助員への投資など、バイデン大統領の気候変動・社会支出パッケージの全てを議会で法案通過させられなかったことを後悔していると述べた。ライスは、メンタルヘルスの問題を含む様々な問題への取り組みについて誇りに思うと語った。彼女は「もし私たちがそうした問題に懸命に取り組まなければ、より厳しい問題が起きたことだろう」と述べた。

複数の政府関係者は、ライスが2022年1月に警察改革の大統領令の初期草案が流出し、警察組合の支持を危うくした後、警察組合との交渉に没頭した時のことを記憶している。彼女は、警察による殺人に関して人種間格差について言及することを譲らないことを明らかにした、と複数の当局者が語った。警察組合は結局、バイデン政権が殺傷力の行使に関する部分の文言を変更したことに満足し、支持を表明した。

ライスはバイデンを長年にわたりよく知っている。オバマ政権の国家安全保障問題担当補佐官を務めた時、彼女のオフィスは副大統領のオフィスと非常に近く、お手洗いの場所が一緒だった。ライスは、バイデンが当時彼女のオフィスを「アポなし(unannounced)」訪問することが多く、そのことを気に入っていたと述べた。

国境管理問題のバイデン政権のアプローチに関して、民主党と共和党両方が激しく批判し、ライスはその批判に耐えてきた。最近、ニュージャージー州選出のボブ・メネンデス連邦上院議員(民主党)は、政権のアプローチによって、バイデン大統領は「亡命者否定大統領(asylum denier in chief)」になったと述べ、ライスが制限的な強制措置の背後にいると非難した。

移民の権利擁護団体であるナショナル・デイ・レーヴァラー・オーガナイジング・ネットワークのパブロ・アルバラードは「ライス補佐官の在任中は、移民の権利と人権に関するホワイトハウスの悪しき決定が次から次へと下された」と述べている。

ライスは月曜日、移民問題は「純粋に強制執行だけで対処できるものではない」と述べた。

ライスは「私たちは法を執行する責務を担っている。しかし、同時に、正当な保護ニーズや難民申請をしている人々の主張を聞き、彼らのケースを法的に判断することを可能にする義務もある」と述べた。

※ゾラン・カンノ=ヤングス:バイデン政権のホワイトハウスで、国土安全保障と過激主義を含む国内問題と国際問題を幅広く担当するホワイトハウス特派員。2019年に国土安全保障担当の特派員として『ニューヨーク・タイムズ』紙に入社した。

※アイリーン・サリヴァン:国土安全保障省担当のワシントン特派員。AP通信で働いた経験を持ち、調査報道の分野でピューリッツア賞を受賞している。

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バイデン大統領は二―ラ・タンデンを新しい国内政策担当大統領補佐官に指名(Biden names Neera Tanden as new domestic policy adviser

アレックス・ガンギターノ筆

2023年5月5日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/3990218-biden-neera-tanden-domestic-policy-adviser/

ジョー・バイデン大統領は金曜日、退任するスーザン・ライスの後任として、ニーラ・タンデンを国内政策担当大統領補佐官に指名すると発表した。

タンデンはバイデン政権下で大統領上級顧問とホワイトハウス秘書官の2つの役職を務めてきたが、後任にステファニー・フェルドマンが就任する。フェルドマンは長年バイデンの補佐官を務めており、大統領次席補佐官兼ホワイトハウス国内政策上級顧問を務めている。

バイデンは声明の中で、「ニーラ・タンデンが引き続き、経済的流動性や人種的公平性から医療、移民、教育に至るまで、私の国内政策の立案と実施をこれから推進することを発表でき、それを嬉しく思う」と述べた。

タンデンは、ホワイトハウスの3大主要政策会議のいずれかを率いる史上初のアジア系アメリカ人となる。タンデンは、センター・フォ・アメリカン・プログレスとセンター・フォ・アメリカン・プログレス・アクション・ファンドの会長兼CEOを務めた経験を持つ。

バイデンは政権発足当初の2021年、タンデンを行政管理予算局長に指名した。彼女は、アメリカ進歩センターでの仕事に端を発した論争の中で、連邦上院民主党の中道派からの任命支持が得られず、指名を取り下げた。彼女は、ミッチ・マコーネル連邦上院少数党(共和党)院内総務(共和党)を『ハリー・ポッター』の登場人物ヴォルデモートに例えるなど、危険なツイートをしていた。

タンデンは以前、オバマ前大統領の下で医療保険制度改革担当の上級顧問を務めていた。

バイデンは声明の中で「タンデンは、医療保険制度改革法(オバマケア、Affordable Care Act)の策定に関して重要な役割を果たし、クリーン・エネルギー補助金や効果の高い銃制度改革など、私のアジェンダの一部となった主要な国内政策の推進に貢献した。ニーラは実績を積む過程で、彼女が国内政策担当大統領補佐官として監督することになる重要なプログラムのいくつかに関して知識と経験を蓄え、その洞察力が私の政権とアメリカ国民に大いに貢献すると確信している」と述べた。

タンデンは大統領選挙における選挙運動にも携わっており、国内政策担当大統領補佐官への昇格は、大統領が再選を目指して動き出した1週間後のことだ。彼女はオバマ・バイデン大統領選挙キャンペーンで国内政策担当部長、ヒラリー・クリントン大統領選挙キャンペーンで政策担当部長を務めた。

バイデン大統領は先月、ライスが国内政策担当大統領補佐官から退任すると発表した。ライスは政権発足当初から国内政策担当大統領補佐官を務め、銃規制から学生ローンまで政治問題化した諸問題に対処した。

フェルドマンはバイデンが副大統領時代にバイデンの下で働いた。オバマ政権が終了後にはデラウェア大学で働き、その後2020年の大統領選挙でバイデン陣営に参加し、そして、ホワイトハウスで働くようになった。バイデンはフェルドマンについて、「もっと長く働いてくれて、最も信頼できる補佐役の一人」と述べている。

バイデンは更に金曜日、ザイン・シディクを国内政策会議の筆頭副議長に昇格させると発表した。シディクは以前、経済流動化担当大統領次席補佐官を務めた。
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バイデンが国内政策担当大統領補佐官にニーラ・タンデンを指名(Biden names Neera Tanden as his domestic policy adviser

-タンデンはスーザン・ライスの後任となる。ライスは今月末に政権から離れる予定となっている。

アダム・キャンクリン、エリ・ストコロス筆

2023年5月5日

『ポリティコ』誌

https://www.politico.com/news/2023/05/05/biden-to-name-neera-tanden-as-his-domestic-policy-adviser-00095566

ジョー・バイデン大統領は金曜日、ニーラ・タンデンが次のホワイトハウス国内政策会議議長を務めると発表した。

タンデンは、長年にわたり民主党側の有能な人物として活躍してきた。今月末に政権を去る予定のスーザン・ライスの後任として補佐官に就任する。タンデンはこの1年半、ホワイトハウスの上級顧問や秘書官(staff secretary)を務めてきた。政権発足当初は行政管理予算局(Office of Management and Budget)の責任者に指名されたものの、連邦上院の反対でこの人事は流れてしまった。

バイデンは人事交替発表の声明の中で次のように述べている。「ニーラは、実力を蓄積していく過程で、彼女が国内政策担当大統領補佐官として監督することになる重要なプログラムに関わってきた。その洞察力は、私の政権とアメリカ国民に貢献してくれると確信している」。

さらにホワイトハウスは、オバマ政権時代から長年バイデンの補佐官を務めているステフ・フェルドマンがタンデンの後任として秘書官を務めると発表した。

バイデンは再選キャンペーンを準備しているが、彼の再選はインフラ整備、気候、ヘルスケアにまたがる一連の国内政策の成果を効果的に実施できるかどうかにかかっている。こうした重要な状況下で、タンデンは国内政策担当大統領補佐官に起用されることになった。ライス議長下の国内政策会議は、来週から解禁されるトランプ政権時代の厳格な国境政策である公衆衛生法第42条を置き換えるための政権の戦略を考案する際にも中心的な役割を果たしていた。

タンデンは民主党の政策サークルで豊富な経験を持ち、以前は進歩主義的なシンクタンクであるセンター・フォ・アメリカン・プログレスを運営していた。また、オバマ政権では医療保険担当の高官を務め、医療保険制度改革法(オバマケア、Affordable Care Act)の策定に貢献した。

彼女の起用は共和党側、そして、攻撃的だった彼女のツイッターアカウントの標的になっていた民主党側の各連邦議員からも不安視されそうだ。

彼女の攻撃的なツイートが原因で、共和党やジョー・マンチン上院議員(ウエストヴァージニア州、民主党)は、タンデンの行政管理予算局長指名に強固に反対したのだ。国内政策会議議長の役割は連邦上院の承認を必要としない。

タンデンにコメントを求めたが返事はなかった。

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

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 古村治彦です。

 現職のジョー・バイデン大統領の人気のなさが少しずつだが報道されるようになっている。更に、バイデンの数々の奇行(何の脈絡もなく「女王陛下に神のご加護を」と叫ぶなど)や、考えなしの発言(「日本の岸田首相を“説得”して防衛費増額をさせた」という内政干渉発言)に不安を持つアメリカ国民も増えている。バイデンの年齢は80歳で、アメリカ史上最高齢の大統領となり(就任時の78歳でも史上最高齢)、年齢に関する不安も大きくなっている。

バイデンは再選を目指すと表明しているが、選挙の投開票日である2024年11月上旬では81歳、更に4年の任期を務めれば86歳となる。アメリカ歴代の大統領46名の内、40代で大統領になったのは9名、50代で大統領になったのは25名だ。健康で頭脳が良く働く人生の時期、いわゆる働き盛りの世代が大統領になることが多い中で、既に仕事から引退している人が多い70代で大統領になり、80歳を迎えた人物であるバイデンを不安視する人が多いのは自然なことだ。

 バイデンの不人気に加えて、副大統領であるカマラ・ハリスの不人気も目を覆うばかりだ。ハリスの仕事ぶりに関する世論調査は軒並み、不支持が支持を10ポイントも上回る状況だ。ハリスが足を引っ張ることでバイデンの再選が危ういという不安が民主党内部で高まっている。しかし、ここでバイデンがハリスを更迭して別の人物を副大統領候補にして再選を目指すということになると、バイデンの任命責任や民主党内部の人材の払底など、マイナスになる要素をアピールすることになる。
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 そうした中で、「ミシェル・オバマを副大統領にしたらよい」論がでてくることになる。ミシェル待望論では、「ミシェルもハリスと同じアフリカ系アメリカ人女性だし(ハリスはインド系でもあるが)、ハリスよりも頭脳明晰で仕事ができる。それにバラク・オバマ元大統領も政権に協力するだろう」ということになっている。

 ミシェルは政治家に向かない。ミシェルは頭が良すぎて、人を見たらまずその人の頭脳レヴェルを判定して、及第点に達したら話をするが、及第点以下となったら冷たい対応をするというのは有名な話だ。ミシェルは、一般国民とも交流しなければならない、時には道化を演じなければならない政治家などできないのだ。日本風に言えば、頭が高い、頭を下げられない人物ということになる。それだったら、「バラクを副大統領に」ということになるが、憲法上の規定では大統領経験者、しかも二期務めた人物が副大統領になれないということはないようだが、それはそのような想定がなされたことがないからだ。民主党の人材払底と行き当たりばったりはアメリカ国民に不安を与えることになる。

 バイデンの再選を民主党は最大目標にしており、そのために各州で実施される予備選挙の日程を変更したり、討論会を行わないと発表したりとなんとも卑怯なことを行っている。どうにかこうにかバイデンが勝った後はどうするのかという構想もなく、民主党はこれから厳しい時期を迎えることになる。

(貼り付けはじめ)

ミシェル・オバマは2024年の大統領選挙で民主が勝利を挙げる可能性が最もある選択肢となる(Michelle Obama would be Democrats’ best chance to win in 2024

メリル・マシューズ筆

2023年3月14日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/campaign/3899576-michelle-obama-would-be-democrats-best-chance-to-win-in-2024/

ミシェル・オバマ前大統領夫人が2024年大統領選挙に出馬する可能性があると、最近メディアで話題になっている。その可能性は極めて低いが(彼女は常に出馬の可能性を否定してきた)、その熱狂ぶりは理解できる。ミシェルが民主党の大統領候補、あるいは副大統領候補になれば、民主党がホワイトハウスを維持する最大のチャンスとなる。

現状では、ジョー・バイデン大統領が指名獲得の可能性が高い共和党大統領候補(トランプ前大統領を除く)に対して再選を勝ち取る可能性は大きくない。

有権者の大多数は80歳のバイデンの再出馬を望んでおらず、その中には民主党有権者の過半数(57%)も含まれている。そして、有権者が大統領の健康状態や大統領としての職務遂行能力に更に懸念を抱くようになれば、この過半数はさらに拡大する可能性が高い。

更に言えば、バイデンの最近の動きに関して、彼があれほど非難していたトランプ大統領の移民政策を受け入れたり、進歩主義派の警察費廃止構想に反対しようとしたりするもので、民主党の政治的エネルギーの大半が存在する進歩主義派を疎ましく思っている。

しかし、バイデンが勝てないとしたら、誰が勝てるだろうか? ミシェル・オバマならチャンスはある。その理由は次の通りだ。

民主党は、バラク・オバマの大統領就任を、ジョン・F・ケネディの大統領時代を指す言葉としてよく使われる、現代の「キャメロット(Camelot)」のようなものだと考えている。ある歴史家は、「キャメロットという言葉は、1961年1月から1963年11月まで続いた、ケネディとその家族のカリスマ性をとらえたケネディ政権を指して、回顧的に使われてきた」と評している。

民主党は、オバマとその家族から発せられるカリスマ性を懐かしんでいるが、ジョー・バイデンからカリスマ性を連想する人はいない。

事実は、オバマは現在の民主党で最も人気があり、有能な人物である。フォックスニューズが昨年10月に指摘したように、中間選挙直前、民主党がオバマ大統領に選挙運動をするよう促していたとき、「2017年1月に大統領を退いたオバマ元大統領は、依然として民主党支持者たちの間では絶大な人気があり、無党派層には中程度の人気がある」ということだ。

もしミシェルが民主党の指名候補になれば、バラクはミシェルだけでなく政権や民主党の側近になるだろう。要するに、ミシェルを取り込むことが、民主党が考えるオバマ・マジックを取り戻す最善の方法なのだ。

加えて、ミシェルの指名は、ヒラリー・クリントンの敗北に対する一種の政治的仕返しとなるだろうが、ミシェルの方が高い人気を誇るという点ではましだ。

ヒラリーはアメリカ初の女性大統領になりたかった。彼女は失敗し、民主党、特にヒラリーはドナルド・トランプによる敗北を乗り越えられないでいる。

ヒラリーはいまだに、おそらくロシアの干渉によって選挙が何らかの形で盗まれたと信じている。

もしミシェル・オバマが2024年の大統領選挙で勝利し、特にドナルド・トランプが共和党候補だった場合、彼女がドナルド・トランプを打ち負かせば、民主党にとっては正義が復活したように見えるだろう。

最後に、ミシェルがバイデンの再選を目指して民主党の大統領候補者になることを拒否して、副大統領候補になる場合、彼女はカマラ・ハリス副大統領を脇に追いやることができるかもしれない人物である。

民主党、そして一般市民はカマラ・ハリスに不満を抱いているが、それには理由がある。彼女のスピーチは、しばしば脈絡のない言葉や考えの羅列になってしまう。そして彼女は、アメリカ南部国境危機の管理など、与えられた数少ない仕事を失敗している。

ティーム・ハリスは問題点を把握しており、民主党の指導者たちは批判を抑えようとしている。

この状況は、1992年のジョージ・HW・ブッシュ大統領の再選キャンペーンを彷彿とさせる。副大統領はインディアナ州選出の元連邦上院議員、ダン・クエールだった。クエールはまっとうな人物だったが、公の場で発言するときにはそれなりに問題があり、メディアはそれを串刺しにした。

1992年夏、何人かの共和党指導者は、再選において厳しい状況に直面していたブッシュに、クエールを降ろし、別の副大統領を選ぶよう説得しようとした。クエールを降ろし、別の副大統領候補を選ぶよう、厳しい再選に直面していたブッシュを説得しようとしたのだ。ブッシュはこれを断り、再選に失敗した。

バイデンは大統領候補として、アフリカ系アメリカ人女性を伴走者に選ぶよう圧力をかけられ、それを実行した。ミシェルが彼の伴走者になったとしても、それは変わらないだろう。さらに、賢くて明晰な副大統領を得ることができ、その副大統領は大統領候補としてのバイデンの魅力を高め、民主党や多くの無党派層から絶大な人気を得るだろう。

おそらく実現しないだろう。しかし、ミシェル・オバマが副大統領候補としてだけでも出馬すれば、2024年に民主党が勝利する最大のチャンスとなる。

※メリル・マシューズ:テキサス州ダラスにあるポリシー・イノヴェイション研究所常勤研究員。ツイッターアカウント:@MerrillMatthews.

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 中間選挙で民主党が予想よりも負けなかったことを受けて、現職のジョー・バイデン大統領は2期目を目指し、2024年の大統領選挙に立候補することを表明した。このまま無事に進めば、民主党の大統領選挙候補者はジョー・バイデンということになる。予備選挙は実施され、立候補者が出るかもしれないが、バイデンの候補者指名は確実だ。

しかし、バイデンは1942年生まれの80歳で、現職大統領としては史上最高齢となっている。2年の2024年には82歳となり、2期目の4年の任期を務めれば86歳で退任ということになる。任期途中に何かが起こり、バイデンが退任すれば、副大統領であるカマラ・ハリスが昇格し、残りの任期を務めることになる。直近で何かが起きてバイデンが退任すればハリスが大統領になり、2024年の大統領選挙はハリスが現職大統領として大統領選挙に臨むことになる。しかし、退任の時期によっては、民主党予備選挙に対抗馬が出てくる可能性もある。

そこで古い記事になって恐縮だが、バイデンが大統領選挙に出なければ民主党の予備選挙に立候補する可能性がある人物たちをまとめた記事をご紹介する。この記事の「バイデンが2024年の選挙に出ない」という前提が崩れてしまったが、民主党内でどのような人物たちが人気であり、有力であるかを知ることはアメリカ政治を理解する上で重要だ。

 民主党の有力候補者たちは40、50代の若い世代が出ている。このブログでも何度もご紹介したピート・ブティジェッジ運輸長官は40歳になったばかりで、州知事2人は50代でこれから複数回大統領選挙出馬を狙える立場にある。若さで言えばアレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員であるが、彼女はまだ30代前半で2年後にようやく大統領選挙立候補可能年齢となる。知名度は高く、連邦議会でも積極的に働いているが、経験がまだ浅いということになる。前回、前々回の大統領選挙に出馬したバーニー・サンダース、エリザベス・ウォーレン両連邦上院議員は高齢であり、これからの出馬の可能性は低いだろう。若い人材が出てくるということは民主党にとっては良いことである。

 イデオロギーで見れば、急進派、進歩主義派ではやはり党内をまとめるのが難しいとみられるだろう。そうなればアレクサンドリア・オカシオ=コルテス下院議員やバーニー・サンダース上院議員は一部から熱狂的な支持を受けるだろうが、党の候補者指名を受けることは難しいだろう。

 2024年の大統領選挙は現職のジョー・バイデン大統領(民主党)とドナルド・トランプ前大統領(共和党)の戦いということになるだろう。しかし、アメリカ政治はこれからも続いていく。若い人物たちを見ていくことも重要だ。

(貼り付けはじめ)

バイデンが出馬しないとなると、大統領選挙に出馬する可能性が高い7名の民主党員たち(The seven Democrats most likely to run for president — if Biden bows out

エイミー・パーネス筆

2022年9月24日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/3658507-the-seven-democrats-most-likely-to-run-for-president-if-biden-bows-out/

ジョー・バイデン大統領が今週、大統領選挙に再び出馬するかどうかは「まだ分からない」と発言したことで、2024年のホワイトハウスの主を決める大統領選挙に別の候補を立てるかどうかについて、民主党に関する話題がより広範に拡大している。

バイデンが再出馬しない場合、多くの民主党員が大統領選の海に足を踏み入れることが予想される。しかし、カマラ・ハリス副大統領でさえ、そのような状況では決定的な有力候補とは見なされていないと多くの民主党員は非公式に認めている。

ある民主党の有力献金者は「明確な候補者がいる訳でもなく、新星が出ている訳でもない」と語っている。

ここで、最も話題を集め、最も信頼されているのは誰なのかを考えてみよう。

(1)   カマラ・ハリス(Kamala Harris)副大統領

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7月に暗殺された日本の元首相安倍晋三の葬儀出席のために東京に向かうアメリカ代表団を率いる前に副大統領官邸の外で待つカマラ・ハリス副大統領。

57歳になるハリスは副大統領としての毀誉褒貶が多い任期中に支持率の低下を経験しているが、2024年の大統領選挙でバイデン以外の候補者となるとトップに名前が出てくる存在だ。

ストラティジストたちは、バイデンをホワイトハウスに押し上げた黒人女性たちに対して、党の候補者としてハリス以外の他の誰かに投票するように説得するのは難しいだろうと言う。

あるストラティジストが指摘しているように、「アメリカ南部で勝利を収めることなしに党の候補者指名を勝ち取ることはできない」ということになる。

政権発足後の1年間は、失言やスタッフの相次ぐ離職などでハリスは大きな話題となったが、現在は副大統領としての役割に慣れてきた。

彼女はまた、女性の権利を彼女の課題の1つに挙げている。これは、妊娠中絶の権利に関する「ロウ対ウェイド」判決を覆した連邦最高裁判所の判決が影響し続けているため、民主党支持者の彼女の政治的展望を助けている。

(2)ピート・ブティジェッジ(Pete Buttigieg)運輸長官

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デトロイトでの北米国際自動車ジョーで演説をするピート・ブティジェッジ運輸長官。

2020年大統領選挙立候補以来、ブティジェッジ運輸長官は民主党内で人気の人物となっている。彼は無名な立場から評価を上昇させて、人々を驚かせた。

ブティジェッジの現在の役割は、人気のあるインフラプロジェクトについてアピールするために全国を回ることだ。それは、この先の彼を助けることができる唯一の方策だ。

先月、40歳になったばかりのブティジェッジはフロリダ州、ニューハンプシャー州、ネヴァダ州、オハイオ州の各州を訪れたばかりだ。今月初めの鉄道ストライキで有権者から打撃を受ける可能性もあったが、バイデンの深夜介入により、そのような事態にはならず、民主党有権者に対するブティジェッジの地位は固まった。

(3)グレッチェン・ウィットマー(Gretchen Whitmer)ミシガン州知事

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デトロイトでの北米国際自動車ショーで演説するグレッチェン・ウィットマー州知事。

上記2人はバイデン政権において、バイデンに対抗する有力者として名前が挙がるトップ2だ。

この2人に次いで有力なのが2人の知事である。

1人目はミシガン州知事グレッチェン・ウィットマーだ。ウィットマーはバイデンの副大統領の有力候補として多くの人々に知られている。

現在51歳のウィットマーは州知事選挙での再選を目指している中で、民主党関係者の注目を集めている。

今週、『デトロイト・フリー・プレス』紙の世論調査で、彼女は共和党の対立候補チューダー・ディクソンに対して16ポイントのリードをつけた。

ウィットマーは、特に中絶の権利を守ることを強調している。最近のイヴェントで、彼女はこの闘いにおける自分の役割を強調した。

CNNによると、「ミシガン州が中絶可能な州であり続ける唯一の理由は、私の拒否権と訴訟のおかげだ」と彼女は語ったということだ。この発言は、ウィットマーがミシガン州の中絶禁止を阻止するために起こした訴訟のことを指している。

彼女は、6月に「ロウ対ウェイド」判決が連邦最高裁で覆される前から訴訟を起こしていたことをよく指摘するが、これは今後、確実に支持層にアピールする動きとなるであろう。

(4)ゲヴィン・ニューサム(Gavin Newsom)カリフォルニア州知事

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ニューヨーク市で開催されたクリントン・グローバル・イニシアチブで講演するカリフォルニア州知事ギャビン・ニューサム。

民主党が共和党と対決できる指導者を渇望していた時期、カリフォルニア州知事ゲヴィン・ニューサムは戦いを挑むように見えた。

54歳のニューサム知事は7月、フロリダ州知事ロン・デサンティス(共和党)に直接戦いを挑み、フロリダ州知事とその保守文化を非難する広告をフロリダ州内に拡散し、大きな話題となった。

ニューサムは、州内で放映されたフォックス・ニューズ内の番組のスポットCMの中で「自由、それはあなたの州で攻撃を受けている。共和党の指導者たちは、書籍を禁止し、投票を難しくし、教室での発言を制限し、女性や医師まで犯罪者にしようとしている」と述べた。

今月初め、ミシシッピ州、テキサス州、インディアナ州、オクラホマ州など保守的な州で、ニューサムは広告塔を立て、積極的な姿勢を続けている。彼のメッセージはどんなものか? カリフォルニア州では中絶はまだ合法であるということだ。

あるストラティジストは「彼はまだ証明することがたくさんあるが、彼は確かに民主党内の注目を集めている」と述べている。

(5)エリザベス・ウォーレン(Elizabeth Warren)連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)

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連邦上院銀行委員会の年次ウォール街監視公聴会で、ゼール(Zelle)について証人に質問するエリザベス・ウォーレン議員(マサチューセッツ州選出、民主党)。

かつて大統領選挙のホープだったウォーレンは、2024年の選挙の1つである、自分自身の連邦上院議員再選を念頭に置いていると明言している。

しかし、バイデンが再出馬しないことを決めた場合、彼女の居場所はあるだろうと言う民主党関係者は多くいる。

73歳のウォーレンは、気候変動、中絶の権利、銃の安全性など、民主党にとって重要な問題のために、連邦議会においてトップの支持者であり続けている。

しかし、次の大統領選挙について聞かれると、彼女は一貫して言及を拒否している。

ウォーレンはこの夏、『アクシオス』誌に次のように語った。「2024年という数字に固執するのは止めなければならない。もし2024年のことばかりに気を取られて、2022年のビジネスに注意を払わなかったら、2022年の私たちを苦しめるだけではなく、2024年には背後から噛み付かれることになる」。

(6)バーニー・サンダース(Bernie Sanders)連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)

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バーニー・サンダース上院議員(ヴァーモント州選出)は、ジョー・バイデン大統領との会談後、ワシントンのホワイトハウスのウエストウィングの外で記者団と話した後に更に振り向いて話している。

民主党の連邦議員の中には、ヴァーモント州選出の連邦上院議員が再び大統領選挙に打って出るのは難しいと考えている人もいる。

結局のところ、サンダースは現在81歳で、もし当選すれば任期終了時には90歳近くとなる。

しかし、サンダースは2016年に初めてホワイトハウスに立候補して以来、民主党の主役になったので、出馬の可能性を否定することはできない。そして、もし彼が出馬すれば、間違いなく支持を得られるだろう。

学生ローンや気候変動など、支持層にとって重要な議論がある時はいつでも、サンダースはその中心にいるとあるストラティジストは指摘している。

(7)アレクサンドリア・オカシオ=コルテス(Alexandria Ocasio-Cortez)連邦下院議員(ニューヨーク州選出)

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民主党の大統領候補バーニー・サンダース上院議員の選挙演説会に参加するアレクサンドリア・オカシオ=コルテス議員(ニューヨーク州選出、民主党)。

アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)は

民主党の中で「AOC」と知られるアレクサンドリア・オカシオ=コルテスほど、台頭している人物は存在しない。

そして、ほとんどのストラティジストは、ニューヨーク出身のこの連邦下院議員がまだ大統領選に出馬するとは思っていないが、民主党が人材不足だと訴える時、彼女の名前は常に挙がってくる。

彼女についてストラティジストたちが話す際に出てくる最も多い質問は、アメリカ大統領選挙に立候補できる年齢になるのかというものだ。この質問の答えは、2024年大統領選挙の1か月前に彼女は35歳になる、というものだ。

彼女の年齢は別にして、もう1つ当然のように出てくる疑問は、オカシオ=コルテスの政治がリベラル過ぎるために民主党の予備選挙もしくは本選挙で勝利をすることができるだろうかというものだ。

2020年、ウォーレンとサンダースは結局、バイデンに敗れた。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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ビッグテック5社を解体せよ

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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 古村治彦です。

 2022年11月15日、ドナルド・トランプ前大統領が2024年の大統領選挙への立候補を表明した。大統領選挙は民主、共和両党の候補者を決める予備選挙(primary)と本選挙の2段階で実施され、トランプはまず共和党予備選挙での勝利を目指す。まだ候補者が揃ってはいないが、「どの候補者が共和党の指名候補としてふさわしいか」という各種世論調査の結果では、トランプが1位を維持している。2位には、今回のフロリダ州知事選挙で再選を果たしたロン・デサンティスがつけており、その差は縮まりつつあるが、それでもトランプが大きなリードを保っているのは間違いない。

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 また、ジョー・バイデン大統領も2024年の大統領選挙への立候補を表明した。民主党予備選挙にはバイデンに挑戦する候補者が出るかどうかだが、バーニー・サンダース連邦上院議員が対抗馬として出馬する可能性はある。しかし、これからバイデンにスキャンダルや健康問題がなければ、民主党の候補者となるだろう。バイデンの支持率下落はひと段落しており、世論調査の結果ではトランプと拮抗している状態にある。また、カマラ・ハリス副大統領が候補者となった場合ということでの世論調査も実施されているが、こちらはトランプがリードしているという結果が出ている。
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 今回の中間選挙で、共和党が予想よりも連邦議会での獲得議席数が少なかったということで、それはトランプの責任だ、トランプの勢いに陰りが出てきた、2024年の大統領選挙ではトランプ以外の候補者を共和党は選ぶべきだという主張が多く出ている。しかしながら、現在の共和党において、トランプ以上に全国的な政治的影響力と資金力を持っている人物は他に存在しない。もしいるならば、そろそろ名前が出てくる時期だが、今のところ、前述のフロリダ州のロン・デサンティス知事くらいのものだが、彼はまだ全国的な知名度と支持を得ているとは言えない。また、デサンティスがバイデンに打ち勝てるかどうかというのは厳しいのではないかと考えられる。エスタブリッシュメント派同士の戦いになれば、現職のバイデンの方が有利ということになる、

 こうして見ると、現在のところ、トランプ前大統領が2024年大統領選挙の共和党有力候補者であり、トランプを打ち倒せる存在ということになる。これから2024年11月までの2年間、大統領選挙の長丁場が始まる。こうして見ると、アメリカの政治は選挙が次から次へとやってくる。日本の選挙も大変だと言われるが、アメリカもまた過酷である。しかし、選挙こそは民主政治体制にとっての最重要な基盤ということになる。世界で最も力を持つ存在を選ぶ戦いはスタートした。

(貼り付けはじめ)

トランプが2024年大統領選挙出馬を受け共和党が分裂(Republicans divided as Trump kicks off 2024 bid

コール・フォルマー筆

2022年11月15日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/3737570-republicans-divided-as-trump-kicks-off-2024-bid/

ドナルド・トランプ前大統領が3度目の大統領選出馬を表明したことに対し、共和党の有力者の反応は火曜日の夜、二分された。トランプを共和党の正当な指導者として歓迎する者もいれば、スポットライトから退くべきだと主張する者もいる。

トランプの盟友であるマージョリー・テイラー・グリーン議員(ジョージア州選出、共和党)は、マールアラゴのイヴェントでの正式発表前に前大統領の出馬を支持し、トランプが出馬の意向を公にした時点でこれまでの発言をリツイートした。

グリーンは「トランプ大統領を2024年の共和党の候補者として、私は全面的な支持と支援を送る」と書き、トランプが2度目の当選を果たした場合に「アメリカ・ファースト(America First)」を掲げると約束したヴェベントの映像をシェアした。

共和党所属の連邦下院議員であるトロイ・ネールズ(テキサス州選出)とアンディ・ビッグス(アリゾナ州選出)も前大統領を支持し、ネールズはトランプの演説映像をシェアし、「アメリカのカムバックはたった今、これから始まる」と書いた。

ビッグスは「トランプ大統領は共和党のリーダーだ。さあ、アメリカを再び偉大にしよう(Let’s Make America Great Again)」と述べた。

リンゼイ・グラハム連邦上院議員(サウスカロライナ州選出、共和党)は、トランプへの全面的な支持を表明しなかったが、前大統領が発表で用いた政治戦略を称賛した。

グラハムは次のようにツイートした。「トランプ大統領がこの調子で一貫してメッセージを発信し続ければ、彼を打ち負かすのは難しいだろう。今夜の演説は、バイデン政権に対する彼の政策と結果を対比させ、予備選挙と総選挙での彼の勝利に向けた道筋を描いている」。

しかし、引退するメリーランド州のラリー・ホーガン知事やアーカンソー州のエイサ・ハッチンソン知事など他の共和党関係者は、トランプの立候補を否定し、2024年の大統領選挙で彼が共和党候補になれば失敗すると予測した。

ホーガンは「負け惜しみを言うのは愚かなだけでは済まない。民主党への贈り物となってしまう。今こそ、ページをめくる時だ」と書いた。

ハッチンソンは、次期大統領選挙の共和党候補には「もっと良い選択肢がある」と述べ、前大統領の人格を鋭く批判した。

ハッチンソンは「バイデンの失敗についてはトランプが正しいが、怒りを助長する自己中心的なメッセージは変わっていない。2022年にうまくいかなかったし、2024年にもうまくいかないだろう」と書いている。

共和党のエスタブリッシュメント派のメンバーたちは、先週の中間選挙をきっかけにトランプに対してやや冷めた態度を取っており、党員たちは赤い波を期待しいただけに失望している。

共和党の著名なジェブ・ブッシュ・ジュニアは、トランプを「弱い」と攻撃し、「#SleepyDonnie」(訳者註:眠たげなドニー[ドナルド・トランプ])というハッシュタグをつけた。

ブッシュは「ドナルドの演説はなんとも低エネルギーなものだった。新しいリーダーの時間だ!」と書き、「人々を団結させるリーダーシップを」と呼びかけた。

トランプ政権でスタッフを務めた、アリッサ・ファラ元ホワイトハウス戦略広報部長、サラ・マシューズ副報道官、ミック・マルバニー大統領首席補佐官らもトランプの大統領選挙出馬に疑問を投げかけている。

ファラはCNNに出演し、「これはまた、ある種のプロフェッショナルなものとして始まった。最初は台本通りだったが、その後、まったくの嘘を散りばめ、中国が中間選挙に関係しているかもしれないという陰謀(conspiracy)に手を染め、インターネットの暗い隅でさえ見たことがないようなことが話された」と述べた。

ファラは次のように続けた。「共和党の信頼できる人物は、今日のこの発表を望んでいなかったが、演説自体は脚光を浴びるだろう。私たちは今後2年間彼を取材することになるが、再び彼が大統領になる可能性はゼロではない」。

ファラはツイッターで、トランプについて「完全に大統領にふさわしくなく、民主政治体制に対して明確かつ現在の危険な存在だ」と述べた。

マシューズは、上司だった人物の演説について、「今まで聞いたトランプ大統領の演説の中で最もエネルギーがなく、元気のない演説の1つ」と評した。

「彼の演説は大統領選出馬を発表する時に望むものとはちょっと違った」と彼は続けた。

マルバニーはトランプの演説中に、「30分以上経ってもほとんど台本通りだ。2020年に彼が台本通りにやってくれていたら、彼は勝っていただろう」とコメントした。

マルバニーは「トランプがどれだけ長くそのようにおとなしい態度を続けられるかが興味深い。さすがに今夜だけということはないだろうが」と述べた。

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共和党が岐路に立つ中、2024年の選挙に飛び込んだトランプ(Trump jumps into 2024 race with GOP at crossroads

ブレット・サミュエルズ筆

2022年11月16日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/3737617-trump-jumps-into-2024-race-with-gop-at-crossroads/

ドナルド・トランプ前大統領は、共和党が再び彼の背後に集結することを期待して、カムバックを目指している。一方で共和党の一部が、彼を3度目の大統領候補として指名することは、投票所での失敗を招くと懸念している。

トランプ前大統領は火曜日の夜、フロリダ州のマーアラゴの邸宅から2024年の大統領選挙キャンペーンの開始を発表し、バイデン大統領の下で国が無政府状態(anarchy)に陥ったと主張し、政権1期目の政策の成功を繰り返すことができると述べた。

しかし、2021年1月6日の暴動と2度目の弾劾という状況の中で、大統領の座から去って以来、共和党員の一部からトランプから離れるべきだという声が大きくなっている時に、彼は大統領選挙出馬を表明した。

トランプは、コロナウイルスの大流行が始まる前の好調な経済、貿易取引の手直し、アメリカを外国の紛争から遠ざけてきた国際関係への果敢な取り組みを、自分の新たな任期で努力すべき課題として指摘した。

しかし、トランプは、共和党の一部がトランプの成功する力について大きな疑念を抱いているがこれを無視し、新型コロナウイルス対応や1月6日の連邦議事堂での暴動における彼の役割について言及を避け、共和党の中間選挙の予想外の成績の責任を負わなかった。

トランプは「投票はもっと違うものになるだろう。2024年だ、皆さん、準備はできているだろう?」 と述べ拍手喝采を浴びた。そして、「私も準備ができている」と続けた。

共和党は、先週行われた中間選挙の余波を受け、大勝利が期待されたものの実現できなかった。連邦上院では民主党が過半数を維持し、連邦下院は共和党が期待されたより少ない差で過半数を奪還するようだ。

党内の一部の有力者にとっては、この選挙は状況が大きく変化する変曲点(inflection point)の役割を果たした。多くの人がトランプ氏の名前をはっきりとは挙げなかったが、彼らのメッセージは明確だった。そのメッセージとは、「共和党はトランプをあらゆる活動の中心にすることから離れるか、それとも2024年に更に痛烈な敗北を喫するリスクを冒すかを選択できる」というものだ。

連邦上院少数党(共和党)院内総務ミッチ・マコーネル連邦上院議員(ケンタッキー州選出、共和党)は火曜日、「無党派層や穏健派の間では、党の指導的立場にある人々の多くが、混乱や否定的な態度、過剰な攻撃に巻き込まれているという印象を持たれており、それが無党派層や穏健派の共和党支持者を怖がらせている」と述べた。

トランプと4年間一緒に仕事をしたマイク・ペンス前副大統領はシリウスXMに出演し、中間選挙で最も良い成績を収めた候補者は、インフレや犯罪などの大きな問題に対して前向きな解決策を提示し、一方で「前回の選挙について再び争うことに焦点を当てた候補者たちはそれほど良い成績を収めなかったと思う」と述べた。

ジョシュ・ホウリー連邦上院議員(ミズーリ州選出、共和党)は、2022年の中間選挙をについて「私たちが知っている共和党の葬儀だ」と評した。

そして、2024年の共和党の大統領候補として、おそらくトランプの最大のライヴァルと見られているフロリダ州のロン・デサンティス知事(共和党)は、多くの有権者の間でのバイデン大統領の不人気ぶりを共和党が活用することができなかったことに懸念を示した。

デサンティスは火曜日に「バイデンがホワイトハウスにいて、失敗を目の当たりにしても、無党派層が私たちの候補者に投票しなかった。これは問題だ」と述べた。

共和党の予想外の中間選挙での成績の責任の一部は、本選挙で敗北した連邦上院、連邦下院、州知事の候補者たちが予備選挙を通過するのに貢献したトランプにあるのだと主張する共和党の政治家や党員たちが存在する。

トランプは演説の中で中間選挙の結果に言及し、共和党が当然の批判に晒されていることを認めた。しかし、その批判は自分に向けられるべきものではないとトランプは述べた。

トランプが最も注目し、最も強力に推薦した候補者たちの多くが本選挙で敗退した。ペンシルヴァニア州連邦上院議員選挙と州知事選挙の候補者だったメフメト・オズとダグ・マストリアーノ、アリゾナ州連邦上院議員選挙と州知事選挙の候補者だったブレイク・マスターズとカリ・レイク、ミシガン州知事選挙候補者のテューダー・ディクソン、ウィスコンシン州知事選挙のティム・ミシェルズ、ニューハンプシャー州連邦上院選挙のドン・ボルドゥなどの名前が挙がる。

トランプは、共和党の劣勢を有権者のせいにして、バイデン政権の政策がいかに自分たち有権者の生活にとって悪いものかをまだ理解していないのだと示唆した。

トランプは「我が国の市民は、我が国が経験している痛みにまだ気づいていない。彼らはまだそれを感じていないのだ。しかし、彼らはすぐに感じるようになる。2024年までに、悲しいことだが状況はずっと悪くなり続け、何が起こったのかずっとはっきりと分かるようになるのは間違いない」と発言した。

中間選挙の結果を受けて、トランプの共和党内での影響力は、おそらくホワイトハウスを去った直後以来、最も不安定な状態にある。トランプが数ヶ月をかけて2020年の選挙をめぐって支持者たちを熱狂させ、16日の連邦議事堂での暴動で最高潮に達した後、多くの共和党員がトランプ氏と距離を置く準備を整えているように見える。

トランプへの批判は薄れ、共和党の多くは2年間トランプに忠実であったが、今問われているのは、保守派の一部の間では、重荷を背負うことなしに、トランプの政治ブランドを継承できる候補に移ろうという動きをトランプ前大統領が食い止めることができるかどうかという疑問が生じている。

ペンスは2024年の大統領選挙への立候補を考えていることを示唆しており、マイク・ポンペオ前国務長官も同様だ。両者とも、トランプの選挙戦開始が自身の決断に影響を与えることはないと述べている。

一方、デサンティスは、先週行われた再選を目指した知事選挙で地滑り的勝利を収め、フォックス・ニューズや『ニューヨーク・ポスト』紙から好意的に報道され、保守派の多くにとって一躍スターとなった。

中間選挙での支持に関して、トランプと対立した保守系団体の「クラブ・フォー・グロース」は、2024年の出馬表明前夜に世論調査を発表し、アイオワ州やニューハンプシャー州といった予備選挙が初期段階で実施される各州や、トランプの地元フロリダ州での一対一の勝負でデサンティスがトランプをリードしていることを明らかにした。

しかし、今週発表された『ポリティコ』誌・モーニング・コンサルト社の共同世論調査では、共和党員および共和党寄りの無党派層の47%が、もし今日大統領予備選挙が行われたらトランプを支持すると答えたのに対し、フロリダ州知事デサンティスを支持すると答えたのは33%で、トランプにより有利な結果となっている。

2015年以降、共和党はトランプのイメージに影響されて構成されてきた。トランプは、移民、国際的な同盟、貿易について、共和党が議論する方法を再形成した。彼は数多くの新しい有権者を取り込み、オハイオ州やフロリダ州といった州での共和党の優勢を強固にし、熱心な支持者を育て、党内で驚くほど高い支持層を形成した。

しかし、トランプは、予測不可能な行動、自分を批判したり反対したりする人々への絶え間ない個人攻撃、2020年の選挙が盗まれたというデマへの固執、ビジネス取引や機密文書の取り扱いをめぐる法的問題(後者は、火曜日の夜に出馬発表した場所の捜索にまでなった)により、無党派や穏健派の有権者をも遠ざけてきた。

火曜日の出馬表明演説は、共和党が当分の間トランプの政党であり続けるのか、それとも有権者が前進する準備ができたのかについて意思決定ための長いプロセスの始まりとなった。

トランプは、「これから始まる旅は簡単なものではない。この不正にまみれ腐敗したシステムに真に挑もうとする者は、少数の者しか理解できないような火の嵐に直面することになるだろう」と語った。

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トランプが2024年の大統領選挙出馬を表明(Trump announces 2024 run for president

マックス・グリーンウッド筆

2022年11月15日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/3541693-trump-announces-2024-run-for-president/

フロリダ州パームビーチ発。共和党への影響力を疑問視されている中、ドナルド・トランプ前大統領は火曜日、2024年のホワイトハウスを目指す選挙への参戦を表明した。

中間選挙の結果が予想よりも悪く、共和党が長い間期待していた「赤い波」が起きず、結果として共和党内で非難合戦が繰り広げられた。そのわずか1週間後に、トランプはフロリダ州パームビーチの私邸兼クラブであるマーアラゴで待望のイヴェントを開催し、大統領選挙出馬を発表した。

金色に輝く舞踏場で12枚のアメリカ国旗に挟まれたトランプは、大統領執務室での記録を自慢し、しばしば誇張して、共和党が「議会を奪取した(taken over  Congress)」、ナンシー・ペロシ連邦下院議長(カリフォルニア州選出、民主党)を「解雇した(fired)」と主張し、共和党の中間選挙の成績を擁護するイヴェントの開始演説を行なった。

共和党の中間選挙の失敗について、トランプは「アメリカ国民が私たちの国が経験している痛みの全容と重大さにまだ気づいていない」と主張した。

トランプは次のように語った。「私たちは常に、これが終わりではないことを認識している。アメリカン・ドリームを救うための私たちの戦いの始まりに過ぎないのだ。アメリカを再び偉大で輝かしい国にするために(In order to make America great and glorious again)、私は今夜、大統領選挙への出馬を表明する」。

トランプ前大統領は火曜日、2020年にバイデン大統領に再選を阻止された後、カムバックする可能性を示唆していたが、それを実行に移した。落選して以来、トランプは、広範な選挙不正(voter fraud)と組織的不正行為(systemic irregularities)によってホワイトハウスでの2期目が奪われたという誤った主張に固執し続け、共和党内一部からは、これによって重要な中間選挙を犠牲にしたという主張が出ている。

火曜日に大統領選挙出馬を発表した際に、トランプは「中国が2020年の選挙に非常に積極的な役割を果たした可能性」を示唆した。また、選挙では紙の投票用紙のみを使用すべきであると主張し、期日前投票を廃止するよう求め、共和党の一部が期日前投票や郵送による投票を重視するよう最近求めていることについてけん制した。

火曜日に、トランプにとっての4回目となる大統領選挙の選挙戦がスタートした形になった。彼が真剣に政治家として出馬するのは今回が3回目だ。しかし、トランプは2015年に初めてホワイトハウスへの立候補を成功させた時とは全く異なる立場で2024年の選挙戦に臨むことになる。

トランプはもはや、アメリカ南部国境に「壁を作る(build the wall)」、ワシントンの「沼の水を抜いてきれいにする(drain the swamp)」という大げさで物議をかもす公約で共和党支持の有権者を獲得した実業家、リアリティ番組のスターにとどまらない存在となった。

多くのアメリカ人にとって、トランプは、人生のあらゆる面で勝者であるという自分の評判を保つため、政権の平和的な権力移譲を妨害しようとした政界の除け者(political pariah)である。

2020年の選挙での敗北をひっくり返そうとするトランプは、議会の調査の中心に置かれ、かつて彼の政治的知名度を高めるのに役立ったツイッターなど、最大のソーシャルメディアプラットフォームから疎外されている。

トランプは更に、彼自身のビジネスに関する調査から2021年1月6日の連邦議会議事堂での暴動における彼の役割に関する調査まで、複雑な法的脅威の網の中心にいることに認識している。8月には、機密文書に関する調査の一環として、FBI捜査官たちが南フロリダ州のマーアラゴの敷地に踏み込んだが、これは前例のない動きだ。

トランプはまた、弱体化した状態で選挙戦に臨んでいる。共和党は、2022年にいわゆる「赤い波」が来ると長い間期待していた。バイデンと民主党の議会支配に対する恨みが、共和党を多数派に押し上げると信じていたのだ。

しかし、今回の選挙では、かなり雲行きが怪しくなってきた。共和党は連邦下院では僅差で過半数を確保する構えだが、連邦上院では主導権を握る機会を逸した。この失敗は、多くの共和党員は、トランプの存在とトランプが共和党の予備選挙に繰り返し介入したことに起因すると考えている。

実際、アドヴァイザーの中には、中間選挙後、ある程度の時間が経過するまで出馬発表を延期するようトランプに促した者たちがいたとも伝えられている。

しかし、他のアメリカ人にとっては、トランプは不透明な連邦官僚制度をブルドーザーで破壊し、ますますグローバル化し相互接続が進む世界でアメリカの最善の利益を擁護しようとした先見の明がある人物であることに変わりはない。

そして実際、トランプが2024年の大統領選に向け、心機一転して新しい主張を行う兆しはない。火曜日に発表された彼の声明は、彼の政治キャリアを特徴づけてきたテーマと呼応している。バイデン政権下でアメリカは弱体化したと述べ、制御不能のインフレと移民に憤慨し、中国が再びアメリカを利用し始めたと主張した。

トランプは、自分の大統領時代にアメリカに「黄金時代(golden age)」をもたらしたとし、現在、アメリカは「衰退する国(a nation in decline)」になっていると述べた。

トランプは次のように語った。「私たちのリーダーシップの下で、私たちのアメリカは偉大で輝かしい国だった。この時のアメリカは皆さん方がかなり長い期間見聞きしたことがないものだった。今、私たちのアメリカは衰退し続けている。失敗した国(a failing nation)となっている。何百万人ものアメリカ国民にとって、ジョー・バイデン政権下の過去2年間は、苦痛と苦難と絶望の時となった」。

しかしながら、トランプの演説は普段の激しい暴言に比べると控えめな時もあった。2020年の選挙が自分に不利になるように操作されているという彼の誤った主張について長々と話すことはなく、中間選挙の成績が振るわなかった共和党を前にして冷静さを演出しようとした。

枕の販売で有名になった超保守的な実業家マイク・リンデルのような強固な政治的同盟者を含む支持者の群衆を前に、トランプは1時間以上演説を行った。それでも、時折、聴衆が熱狂的でないように見えることがあった。トランプは演説中、拍手やチャントを引き出したが、大規模な集会の騒々しい雰囲気に比べれば、控えめな反応が多かった。

全く予想外という訳ではないが、2024年の大統領選挙へのトランプの参戦表明は異例のタイミングとなった。

中間選挙は終了したものの、ジョージア州の連邦上院議員選挙の決選投票までまだ3週間あり、共和党の中にはトランプ大統領の出馬が同州の選挙戦に与える影響を危惧する者もいる。

また、トランプは現在のところ共和党で最も人気のある人物であり続けているが、彼が7年前に始めた政治運動の旗手兼指導者として最適かどうかという疑問も出ている。

トランプは依然として多くの有権者の間で不人気だ。2022年の中間選挙の出口調査では、トランプは、好感度が水面下に深く沈んでいるバイデンよりも人気がないことが明らかになった。火曜日に発表された『ポリティコ』誌・モーニング・コンサルト社共同の世論調査では、有権者の65%が、トランプが再びホワイトハウスに立候補すべきだとは考えていないことが分かった。

初期の世論調査では、トランプ氏は2024年の共和党大統領選の最有力候補とされていた。しかし、フロリダ州のロン・デサンティス知事を筆頭に、他の候補者が追い上げている兆しもある。トランプの長年の盟友であるデサンティス知事をホワイトハウスの最有力候補と見る共和党所属の連邦議員の数は増えている。

デサンティスは大統領選への野心を抱いているという考えを否定しているが、2024年の立候補を直接否定はしていない。中間選挙で19ポイントの差をつけて地滑り的勝利を収め、2期目の知事の任期を担当することになったことが、大統領選出馬の論拠が強まっている

複数の共和党員やストラティジストは、アメリカ全土の共和党員の間でデサンティスの知名度が高まっていることが、トランプがこれほど早く選挙戦に飛び込むことを決めた理由の1つかもしれないと分析している。

スタートしたばかりの2024年の大統領選挙レースの力学について率直に話すために匿名を要求したある共和党の大口献金者は「大統領は先手を打ちたいのだ」と述べている。彼は続けて「毎日、自分の存在意義が少しずつ失われていることをトランプは知っているのだろう。彼の考えは 他の誰かが来る前に、自分を売り込むことだ」とも語った。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
20211129sankeiad505

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 古村治彦です。

 ジョー・バイデン政権は2021年1月に発足した。当初の大きな課題は新型コロナウイルス感染拡大対策と景気対策だった。新型コロナウイルス感染拡大対策に関してはアメリカ国民の評価が高かったが、景気対策については厳しい評価だった。それに現在はインフレ問題も加わり、バイデン大統領の支持率は低迷している。支持率が約40%、不支持が50%台中盤となっている。バイデン政権関係者の多くはドナルド・トランプ前大統領の支持率の低さを嘲笑していたが、現在バイデンの支持率がそれ以下になって恥をかいている。

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バイデン大統領の支持率の推移

 私は拙著『 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める』でスーザン・ライスの国内政策会議委員長兼国内政策担当大統領補佐官就任について取り上げた。ライスはビル・クリントン政権下でアフリカ担当国務次官補を務め、バラク・オバマ政権下で米国連大使と国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めた。外交畑が長い人物だ。その人物を国内政策担当にするというのはどういうことかと考え、私なりの答えとして、「現在のカマラ・ハリス副大統領は能力がないのでどこかでつまずく、そのために次の副大統領候補としてライスに国内政策の経験を積ませておくのだろう」と考えた。 suranricejoebiden511

スーザン・ライス

 2022年に入ってからはアメリカの国内問題は前年から続く高いインフレであるが、やはりウクライナ戦争が大きな話題となっている。ジョー・バイデン大統領もウクライナ戦争対応が大きな仕事になっており、それに国内問題への対応ともなると大変だろう。移民問題については、政権発足当初の段階ではカマラ・ハリス副大統領が担当するということであったが、ハリス副大統領の存在感はどんどん薄れている。それに比例して、スーザン・ライスは国内政策担当大統領補佐官兼国内政策会議委員長として、国内政策全般を取り仕切っている。実質的な副大統領といったところだろう。

 移民の大量流入問題については、トランプ政権時代の強硬な阻止姿勢から転換することをバイデンは訴えて当選したが、実際はトランプ政権下での姿勢を大きく転換させるところまでは至っていない。ある意味で「現実的な」姿勢となっているが、この姿勢を進めているのがスーザン・ライスと国家安全保障問題担当大統領補佐官ジェイク・サリヴァンだということだ。こうした動きに対して、希望をもってバイデン政権に参加してきた人々が政権から離れるということも起きているようだ。

 スーザン・ライスは記者団の前で記者会見に応じることもなく、仕事に専念しているようだ。しかし、そのように静かに身をひそめながら政権の実権を握っている中で、下記のような記事が出るということは、現在57歳のライスがこの先に民主党内の有力な大統領候補となる可能性も示唆している。アメリカ初の女性大統領は能力のないカマラ・ハリスではなく、スーザン・ライスだということになるかもしれない。

(貼り付けはじめ)

スーザン・ライスは静かなままだがホワイトハウスで強力な地位にいる(Susan Rice holds quiet but powerful perch at White House

モーガン・チャルファント、エイミー・ハーネス筆

2022年6月13日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/3519503-susan-rice-holds-quiet-but-powerful-perch-at-white-house/

ホワイトハウスのカリーヌ・ジャン=ピエール報道官は、最近、銃暴力に取り組むための政権内担当部署設置を求める声についての質問に直面した際に彼女は次のように答えた。「スーザン・ライスが責任者だ。

ジャン=ピエール報道官は、ライスは既に国内政策会議委員長を務め、12人からなるティームを率いて、精神衛生や労働力開発なども含めた銃暴力削減のための政府全体の取り組みに従事していると述べた。

ジャン=ピエール報道官は「利害関係者を集めて進展を図るのに、これほど適した人物はいない」と記者団に語った。

今回の発表は、銃乱射事件から移民問題、刑事司法改革、学生ローンの債務免除、バイデン大統領お得意の国内法整備にまつわる膠着状態の協議まで、ライスが主要かつ論争の的となる政策論争と決定の中心にいることを改めて思い起こさせるものだった。

ブルッキングス研究所ガバナンス研究プログラム委員長で、ビル・クリントン大統領(当時)の国内政策補佐官を務めたビル・ガルストンは、「国内政策会議は最も幅広く、また最も拡散した議題を持っていると言えるだろう」と語る。

しかし、ライスはこれらの問題を静かにリードしている。彼女はホワイトハウスから人種的平等や立ち退き防止などの問題に関するラウンドテーブル会議を数回開いたが、記者会見にはバイデン大統領就任の6日後に一度だけ出席し、記者たちの質問に答えただけで、メディアのインタヴューにはほぼ応じなかった。

国家経済会議委員長のブライアン・デシーは8回のブリーフィングに出席している。バイデンの国家安全保障問題担当大統領補佐官ジェイク・サリヴァンは、エアフォース・ワンでの非公式な会合を除いて11回参加している。

ガルストンは次のように述べている。「ライスは脚光を浴びないようにしている。頭を低くして仕事をするというのは、かなり良い方法であり、彼女はその方法に従っているのだと思う」。

国内政策担当大統領補佐官という役職は、大統領府の他の役職に比べ、明らかに知名度が低い。外交政策に長け、オバマ大統領(当時)の下で国連大使と国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めたライスにとっては大きな変化である。

それでも、たとえ従来の職務内容とは異なるとしても、政権はライスをもっと表に出すべきだという考える人々も存在する。

ある民主党系のストラティジストは「率直に言えば、ライスはもう少し表舞台に出てくるものと思っていた。彼女はとても高い能力を持っている。副大統領でも国務長官でも良かったのに、政権に最大限のインパクトを与えるような形で彼女を活用しているとは思えない」と述べた。

このストラティジストは続けて「それは彼女の役割ではないと言う人もいるかもしれないが、なぜそうしてはいけないのか」と述べた。

あるホワイトハウス高官は月曜日、ライスは数日おきに様々な団体と公の場で話していると反論し、「彼女は仕事そのものに集中しており、アメリカ国民にその仕事を説明する機会があればそれを受けている」と付け加えた。

この高官は「ライスはかなりの量の公の場に出ているが、それは必ずしも常に報道機関を通してではない」と述べた。

しかし、舞台裏では、ライスはその力を行使してきた。

ライスは、ジョージ・フロイドの殺害から2年目の先月、バイデン大統領が署名した待望の警察官職務執行命令の作成に深く関わっていた。

警察友愛会のジム・パスコ事務局長は、警察団体を憤慨させた大統領令の草案が流出してから間もなく、日曜日の夜、フットボール観戦中にライスから電話を受けたことを思い出した。

ライスはインタヴューで、バイデン政権が「リセット(reset)」を望んでいると語った。

パスコは「スーザン・ライスとホワイトハウス顧問のダナ・リーマスは、他の上級スタッフとともに、その時点から事態の真っただ中にいたのである」と述べた。

ホワイトハウスは、最終的に警察組織や公民権擁護団体に受け入れられるように、法執行団体と協力して最終命令の内容について交渉した。

パスコはスーザン・ライスについて、「彼女はタフな交渉人だ。バイデン政権の“レッドライン”がどこであるかを率直に述べた。彼女は公正な交渉人だった」と述べた。

ライスはまた、アメリカ南部国境で移民が急増する中、移民政策をめぐる論争でも中心的な存在となっている。

ライスとバイデン大統領の首席補佐官ロン・クレインは昨夏、アメリカ合衆国法典第42条の撤廃が南部国境への移民の流入を助長するのではないかと懸念したと4月に『ニューヨーク・タイムズ』紙が報じた。 

ライスはまた、新型コロナウイルスワクチンを移民に投与する計画を、国境越えを助長することを懸念して阻止した当局者の一人であると報じられた。

ホワイトハウスに近いある民主党連邦議員は、「彼らは自分たちの手で新たな危機を作りたくなかった。ライスや他のホワイトハウス関係者が強調しようとしていたのはそのことだったと思う」と述べた 

昨年、バイデン氏のティームが、民主党の票だけで上院を通過させることができる「ビルド・バック・ベター」法案の妥協案に連邦上院議員を同意させようとしたが、失敗したため、ライスは頻繁に連邦議会を訪問するようになった。

バイデンのある側近は「彼女は、ある種の影響力と重厚さを持ち、それらは彼女と仕事を共にする人々にとって失われることはない。彼女は優秀で、勤勉で、思慮深い人だ。彼女は、“くそっ、なんて頭がいいんだ”と言って人々が立ち去るような人だ」と述べた。

このホワイトハウス政府は、ライスが国内政策会議に独自の足跡を残したのは、従来の局長、副局長、その下の専門家という組織ではなく、4人の副局長を4つの柱のトップに据えたことで、政権が全ての重点分野を一度に推し進められるようにしたためだと指摘する。

「これは、その時々の状況にもかかわらず、私たちや大統領がポイントを獲得し続けられるようにしたいという彼女の願望を物語っている」と、この関係者は語った。

この側近は、「これは、その時々の状況にもかかわらず、私たちや大統領がポイントを獲得し続けられるようにしたいという彼女の願望を物語っている」と語った。

スーザン・ライスは、バイデン政権に早くから参加したオバマ時代の幹部たちの一人である。彼女、クライン、ブルース・リード大統領次席補佐官、その他の高官たちは、週に数回、大統領執務室でバイデンにブリーフィングをしているということだ。

クラインは月曜日、本誌に対して声明を送り、その中で次のように述べている。「スーザンがアメリカの歴史上、ホワイトハウスの国家安全保障会議と国内政策会議の両方を率いた唯一の人物であることには理由がある。それは、彼女はユニークな才能と知性、そして結果を出すための決意をもっている。スーザンとバイデン政権の国内政策会議ティームのおかげで、500万人以上のアメリカ人に医療保険が提供され、130万人の学生ローン債務者たちを救済し、公平性と一般的な安全を向上させる歴史的な大統領命令を出すなど、歴史的な勝利を収めることができた。最も印象的なのは、ホワイトハウスの取り組みの先頭に立って、銃の本質的な改革についてアメリカ人の命を守るためにたゆまぬ努力を続けてきたことだ」。

ライスは当初国務長官候補と噂されていたが、ライスが連邦上院で人事承認されるには票が足りないという民主党内で懸念があり、最終的にバイデンは長年の側近であるアントニー・ブリンケンを国務長官に抜擢した。

ライスは、2012年のベンガジ事件への対応に関与したことから、以前から共和党の間で批判の的となっていた。

ベンガジ事件の対応中、ライス氏は日曜番組に出演し、リビアのアメリカ領事館への攻撃は計画的なテロ攻撃ではなく、抗議が暴動化した結果であると発言した。その後、オバマ政権はテロ攻撃であったと発表した。

ベンガジは、当時のヒラリー・クリントン国務長官、バラク・オバマ大統領、ライスに対する主要な論点となり、何年にもわたって議論された。民主党議員の多くは、ライスがバイデン大統領の副大統領候補として見送られた理由の一つがベンガジ事件だと言っている。

約10年前のベンガジ事件に関する連邦下院調査委員会を率いたダレル・アイサ連邦下院議員(カリフォルニア州選出、共和党)は5月下旬に次のようにツイートした。「ホワイトハウスは、銃規制のメッセージを伝えるのにスーザン・ライスの右に出る者はいないと言っている。ベンガジ事件の隠蔽工作の張本人なのに? これ以上悪い人物はいないのだが」。

しかし、銃規制推進派はライスの仕事に満足している。もっとも、国内政策会議が競合する優先事項を考慮し、この問題に専念するためのオフィスを設けるよう主張する者もいる。

ライスの指導の下、国内政策会議は「オバマ政権時代よりも確実に銃の安全性に取り組んでいる」と、銃規制推進団体「ギフォーズ」のピーター・アンブラー事務局長は語った。アンブラ―は「ライスは、暴力介入戦略や資金調達に対する政権の取り組みを拡大するなど、いくつかの重要な取り組みについて前進させたと思う」と述べた。

ホワイトハウスのある高官によると、ライスのオフィスは、精神衛生や医療など他の政策分野と結びつけて、銃暴力に対処する幅広いアプローチを取っているという。

この高官は、「私たちは、銃政策の課題が他の多くの重要な政策課題と結びついていると考え、それが比較優位だと見なしており、狭い視野で見ているわけではない」と述べた。

全米教職員連盟のランディ・ワインガーテン会長は、学生ローンや公民権教育などの問題でライスとズームを通じてして会談したと述べ、ライスを「隅々まで目を配り」ながら、バイデン政権が政策を決定する際に外部の人々を本当に巻き込む人物だと評した。

ワインガーテンは「スーザン・ライスとミーティングをする前に、下調べをしなければならない。なぜなら、たとえ事前に準備をしていても、彼女はあなたが答えを知らないような質問をするはずだからだ」と述べた。

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バイデン大統領の移民政策には混乱と信念の欠如がつきまとう(Confusion and lack of conviction plague Biden’s immigration policies

ノーラン・ラパポート筆

2022年4月21日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/opinion/immigration/3275462-confusion-and-lack-of-conviction-plague-bidens-immigration-policies/

大統領選挙の選挙運動中、バイデン大統領はトランプ政権の国境政策を速やかに覆すと約束した。しかし、彼はアメリカ南西部の国境で殺到するのを防ぐために、後にその約束を撤回した。移民を処理するシステムを再構築するには、おそらく半年は必要だろうと述べた。

バイデンは、前政権の政策を急速に変更すると200万人の移民を国境に抱えることになることを恐れていた。バイデンは「それは成し遂げられるだろうし、素早く成し遂げられるだろうが、大統領就任初日に成し遂げられることはないだろう」と述べた。

しかし、大統領就任第一日目にバイデンは諸点について次のように述べた。

・イスラム教徒の旅行禁止の取り消し。

・強制送還可能な移民を事実上全て移民法執行の対象としていたトランプ大統領の執行優先順位の取り消し。

・国外退去の100日間の一時停止を宣言。

・国境の壁建設を中止。

・「メキシコ残留プログラム(MPP)」の登録の一時停止。

なぜ、このようなことをしたのだろうか? バイデンは何が起こるか知っていた。

アメリカ南西部国境での不法入国者の逮捕数は2021年度に170万人に達し、これは過去60年以上で最高記録であり、2022年度の最初の6カ月間で更に100万人以上が逮捕された。

これらの統計には、不法入国を目撃されながら逮捕されなかった「逃亡者(gotaways)」は含まれていない。2022年度には、これまでに約30万人の逃亡があった。

バイデンの「メキシコ残留プログラム」への対応は、不可解な政策のもう一つの例である。

このプログラムへの新規登録の停止から4ヶ月後、バイデンはこのプログラムを終了させる覚書を出した。2021年8月、連邦地方裁判所は、テキサス州とミズーリ州の対バイデン裁判で、メキシコ残留プログラム終了は行政手続法(APA)の規定に準拠しておらず、INA1225条の強制収容規定に行政が違反する原因になっていると示した。

裁判所は全国的な差し止め命令を出し、行政に次のように命じた。「連邦政府が第1255条の強制収容の対象となる全ての外国人を収容するのに十分な収容能力を持つようになるまで、収容資源の不足を理由に外国人を釈放することなく、メキシコ残留プログラムを誠実に執行し実施すること」。

バイデンはメキシコ残留プログラムの放棄を望んでいるが、彼は国土安全保障省の収容能力を増やしていない。それどころか、バイデン政権の来年度の予算要求によれば、既存の施設のベッド収容能力を25%以上削減するつもりになっている。

バイデンは何故、メキシコ残留プログラムを終了させることができるように、差止命令の収容要件に従わないのだろうか?

最新の不可解な決定は、バイデンが今月初めに、アメリカ合衆国法典第8編の移民法の規定によって通常要求される処理なしに、アメリカ合衆国税関・国境警備局(CBP)が不法入国者たちを追放することを許可する第42号命令を基にした命令を終了させたときに起こった。しかし、この解除は5月23日まで有効ではない。

バイデンの国内政策担当大統領補佐官であるスーザン・ライスや他の高官たちは、国境沿いのコミュニティを新型コロナウイルス感染拡大から守り、移民たちの大量解放を回避し、高レヴェルの国境逮捕による政治的圧力を軽減するために、第42号命令が必要だと主張している。

ジョン・コーニン連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)はツイッターで、「国境政策に他の変更を加えずに第42号命令を削除すれば、移民と麻薬の津波が発生する」と述べた。

国土安全保障省の担当者たちは、命令が解除された場合、1日あたり1万8000人が国境で逮捕される可能性があると考え準備をしている。

また、連邦議会では第42号命令の解除を一時停止すべきだと主張する民主党所属の議員たちも増えている。

連邦上院国土安全保障委員会委員長を務めるゲーリー・ピーターズ連邦上院議員(ミシガン州選出、民主党)によると、5月23日までに国境政策を終了するというバイデン大統領の決定は、「よく考えられた計画」ができるまで「再検討されるべきで、おそらく延期」されるだろう、と述べた。

国土安全保障省は、移民が増加する可能性がある場合の準備についてファクトシートを発表しており、国土安全保障省は準備の全てを明らかにしている訳ではないと主張している。非公開の準備が何であるかは分かっていないが、バイデンの国境警備対策がこれまで著しく不十分であったことは知っている。

ファクトシートにある主要な条項は、新しい移民プロセスで、亡命申請を裁くために多くのアメリカ市民権・移民業務局の亡命担当者を追加で雇用し、訓練する必要があるというものだ。しかし、バイデン政権のある高官は記者団に対し、このプロセスは5月末か6月まで始まらない見込みであり、実施後数カ月は多くの移民をこのプログラムの対象にすることはないと予想していると述べた。

また、この計画では、違法な国境越えをした後に逮捕された家族専用の訴訟事件記録簿を作成することを求めている。これは、以前にも2つの政権で試みられたことがあるが、移民裁判所の業務停滞がはるかに少なかったのではあるが、2回とも失敗している。

●可能な説明

2021年11月、『ウォール・ストリート・ジャーナル』紙は、ホワイトハウス内の2つの陣営を紹介し、それぞれが移民法執行の主導権を握ろうとしていると主張した。

1つの陣営は、大統領首席補佐官ロン・クライン、国家安全保障問題担当大統領補佐官ジェイク・サリヴァン、ホワイトハウス上級顧問セドリック・リッチモンド、そして国内政策担当大統領補佐官スーザン・ライスだ。彼らは、不法入国を抑止する戦略を提唱している。

もう1つの陣営には、バイデン大統領の選挙アドヴァイザーたち出身で、「現在、ホワイトハウス、国土安全保障省、国務省で移民政策のトップの地位にある人たち」が多く含まれている。彼らは、抑止力は機能しないと主張する。彼らは移民制度を見直し、亡命申請をより早く解決し、亡命希望者たちが自国から申請できるようにし、より法律に基づいた移民経路を作りたいと考えている。

多くのホワイトハウス高官たちが、こうした問題をめぐって大統領の補佐官たちと繰り返される喧嘩に不満を募らせ退職していった。

最近の争点は、第42号命令を撤回するかどうかだと言われている。

バイデンと側近たちはこの制限を解除すれば、アメリカ南西部の国境に更に多くの移民を呼び寄せることになるとの懸念から躊躇している。このことは、バイデンがトランプの政策を停止するのを助けるためにホワイトハウスにやってきた移民擁護者たちを困惑させる。

バラク・オバマ前大統領の移民問題担当大統領補佐官を務めたセシリア・ムニョスは、「一部の擁護者たちは、自分たちの立場と国境開放の立場との間に違いがあるとしても、それを把握していない。そして、国境開放の立場は、この国では忌み嫌われるものなっている」。

このような状況なので、バイデンは、彼の政策を実現する方法を見つけるべき人たちから、様々な方向に引っ張られるようになっている。これが、彼の移民対策が深刻な意図せぬ結果を招いている理由だと考えられる。

※ノーラン・ラパポート:行政府移民法専門家として連邦下院司法委員会に3年間勤務した。その後、連邦下院移民・国境警備・請求権小委員会の移民法顧問を4年間務めた。司法委員会に勤務する以前は、20年にわたり移民審判委員会の判決文を執筆した。

ブログのアドレス:https://nolanrappaport.blogspot.com

=====

報告:ホワイトハウスの移民対策ティームの重要人物が退任へ(Key member of White House immigration team retiring: report

オラミフィハン・オシン筆

2022年1月6日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/administration/588663-key-member-of-white-house-immigration-team-retiring-report/

バイデン政権の国内政策会議(DPC)の移民担当副委員長であるエスター・オラヴァリアが退任することになった。

ホワイトハウスの報道官は、『ポリティコ』誌とCNNにオラヴァリアの退任を認めた。

国内政策会議委員長スーザン・ライスは、「バイデン・ハリス政権へのエスター・オラヴァリアの無数の貢献、特に前政権の残酷で無謀な政策を覆し、公正で秩序ある人道的な移民制度のためのバイデン大統領のヴィジョンを実現するための彼女の仕事には、これ以上ないほど感謝している」と、ポリティコ誌に送った声明で述べている。

ある関係者はポリティコ誌に対し、オラヴァリアはホワイトハウスでの最後の日がいつになるかは決めておらず、当面は政権と仕事を続けていくと語った。

今回の件は、バイデン政権で移民に関する上級アドヴァイザーをおよそ6カ月を務めたタイラー・モランが今月で退任することが決まっていることに続く発表となった。

本誌はホワイトハウスに本件についてコメントを求めている。

(貼り付け終わり)

(終わり)※6月28日には、副島先生のウクライナ戦争に関する最新分析『プーチンを罠に嵌め、策略に陥れた英米ディープ・ステイトはウクライナ戦争を第3次世界大戦にする』が発売になります。


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 悪魔のサイバー戦争をバイデン政権が始める
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