古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。よろしくお願いします。

タグ:クリントン財団

 古村治彦です。

 

 ここのところ、アメリカ大統領選挙に特化して文章をお届けしています。これも選挙の投開票日が終わればひと段落かなと思っていますが、「いや、選挙の後の方が大変じゃないか」という思いもあります。

 

 選挙戦は大接戦でややヒラリーが有利となっています。このままでいけば、ヒラリーが鼻の差で勝利(競馬風に言うと)となるかもしれません。しかし、彼女が勝ったら勝ったで、色々と丸く収まって、大統領就任式が楽しく迎えられるなんてことはないでしょう。

 

 ヒラリーが当選してからの2カ月余り、ヒラリーの抱える問題がワンワン報道されるでしょう。その中には、クリントン財団を巡る問題もあります。ヒラリーが大統領に当選したら、利益の相反になるから解散しろ、という声がありますが、もう手遅れです。国務長官時代に既に利益の相反があったのに、厚かましく財団の運営は続けられ、ヒラリーの側近たちがあっせんや口利きをしていたようですから。

 

 この問題についてはFBIも捜査をしているようなので、ヒラリーが大統領に当選してから問題化してくるでしょう。大統領の任期は4年間ありますが、彼女が当選して、それを全うすることはとても難しいのではないかと思います。

 

 4年後の今頃は、「マイク・ペンス、頑張ったよな」などと話しているのでしょうか。まぁ4年後の話をしたら鬼が笑うというか、呆れるということになるでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

FBIのクリントン財団の捜査は起訴の「可能性が高い」(Report: Indictment 'likely' in FBI's Clinton Foundation probe

 

ニキータ・ヴラディミロフ筆

2016年11月2日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/304105-report-indictment-likely-in-fbis-clinton-foundation-probe

 

FBI内部の取材源2人は水曜日、フォックス・ニュースに対して、クリントン財団に対する捜査は起訴にまで至るであろうと語った。

 

フォックス・ニュースのブレット・バイアーは水曜日、ヒラリー・クリントンとクリントン財団との間のあっせん利得を巡るFBIの捜査は1年以上続いていると語った。

 

取材源の1人はフォックス・ニュースに対して、FBIの知能犯罪対策課が主導するクリントン財団の捜査は「最優先」で行われていると語っている。

 

もう1人の取材源は、FBIが証拠を「多く」を集めており、「毎日新たな情報が洪水のように流れ込んでいる」と語った。

 

バイアーは、クリントン財団に対する捜査は捜査が始まる前に考えられていたよりも、広範囲にわたるものとなっている。捜査の過程で多くの人たちが複数回事情聴取されている。

 

取材源2人は「FBIはクリントン財団に対する捜査を積極的にかつ攻撃的に行って」おり、捜査は継続されるだろうと語った。

 

バイアーは、ヒラリーに対する捜査とクリントン財団に対する捜査に関する詳細を話してくれるように強く求めたところ、取材源2人は起訴まで行くだろうと答えた。

 

加えて、バイアーは、フォックス・ニュースの取材源によると、ヒラリーの私的Eメールサーヴァーには少なくとも5種類の外国からの侵入を受けているとうことであったと語った。ジェイムズ・コミーは7月、ヒラリーの私的Eメールサーヴァーが侵入されたかどうかについて何も発言しなかった。

 

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クリントン財団と献金者について知るべき5つのこと(Five things to know about the Clinton Foundation and its donors

 

ジョナサン・スワン筆

2016年8月24日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/292570-five-things-to-know-about-the-clinton-foundation-and-its-donors

 

クリントン家が運営する民間慈善団体は2016年大統領選挙の最新の争点になっている。

 

クリントン財団は、国内、国外の諸問題に関わる非営利活動を行う団体である。クリントン・グローバル・イニシアティヴは10年以上前に始まり、献金者たちと素晴らしい意義を結び付けている。

 

批判者たちは、問題は献金者たちが慈善活動を通じてクリントン家とのつながりを買おうとしているのではないかということだ、と主張している。

 

共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプは、クリントン財団を自身の選挙運動における新たな攻撃ポイントにしている。トランプは、クリントン財団を、お金と引き換えにヒラリー率いる国務省へのアクセスのための「口利きやあっせんでお金を得る」組織だと批判している。

 

トランプはクリントン財団の活動や契約を捜査するための特別捜査官を任命すべきだと訴えている。

 

クリントン選対と支持者たちは反撃している。彼らは、クリントン財団はAIDSとの戦いのために巨額の資金を集め、経済開発を促進し、地球温暖化に対処している、と反論している。

 

ヒラリー側は、「口利きやあっせんでお金を得る」モデルが存在したことを示す証拠はないと主張している。そして、クリントン選対はAP通信の記事を厳しく批判した。AP通信は、「ヒラリーが国務長官在任中に面談した民間の人々の半数以上がクリントン財団の大口献金者であった」と報じた。

 

クリントン選対は、AP通信の記事は、ヒラリーが面談した連邦政府の職員や外国政府の代表の数を数えておらず、都合の良い数字をフレームアップしたものだと指摘した。

 

同時に、ビル・クリントン元大統領は、ヒラリーが大統領に当選したら、外国や企業からの献金受け入れを止めると決定したと発表した。この発表は、クリントン家の名前が冠されている組織に献金をしている巨大な外国の利益とヒラリーの大統領就任が利益の衝突(相反)を起こす可能性があることを認めたことを意味する。

 

ここからはクリントン財団について知るべき5つのことを見ていく。

 

(1)ビル・クリントンは国際的な諸問題に取り組むためにクリントン財団を創設した。(Bill Clinton established the foundation to tackle global challenges

 

ビル・クリントンがクリントン財団の理事を辞任すると発表した時、彼はクリントン財団を誇りに思っている理由を説明した。

 

ビル・クリントンは月曜日、クリントン財団のウェブサイトにあるブログに投稿して、次のように書いた。「私が2001年にホワイトハウスを離れ、民間人の生活に戻った時、私は長年にわたり取り組んできた分野に関わっていきたいと思いました。これらの分野で私は影響力を与えることが出来ると考えました」。

 

ビル・クリントンはクリントン財団が達成した業績の一部をリストにして掲載した。

 

ビル・クリントンは、クリントン財団とパートナーたちの活動によって、70を超える国々の1150万以上の人々が9割も安いコストでHIVAIDS患者用の命を救う薬を提供することが出来たと書いている。

 

他に業績を示す統計数字を挙げていくと、ハイチには500万本の木を植え、10万5000のアフリカの農民たちの収穫と収入の増加を手助けし、アメリカ国内で温室効果ガスの削減に取り組み、毎年3万3500トン以上の削減に貢献している。

 

ビル・クリントンは次のように語った。「ヒラリーが大統領に選ばれたら、クリントン財団の業務、資金集め、世界への働きかけ、そして私の財団内での役割に疑念が出てくるでしょう。それは解決されねばならない。財団には業績を上げてもらいながら、同時に利益の衝突(相反)の可能性に関する正当な懸念を解消していかねばなりません」。

 

(2)クリントン財団の大口献金者たちは国務省とビジネスを行った(Clinton Foundation donors had business with the State Department

 

クリントン財団への大口献金者たちは特別な配慮を受け、時には国務長官であるヒラリーに直接アクセスできたという受け取られ方は、保守系の監視団体ジュディシャル・ウォッチによる情報公開請求の裁判の後に公開されたヒラリーの側近中の側近であるフーマ・アベディンが送ったEメールによって、確かなものとなり、批判が集まっている。

 

クリントン財団の大口献金者たちがヒラリーにコンタクトを取ったのだが、その中には、バーレーンの皇太子、ハリウッドの映画会社の重役ケイシー・ワッサーマンからのヴィザに関する依頼、スリムファスト社の経営者S・ダニエル・エイブラハムとの面会、クリントン財団のトップ献金者でレバノン系ナイジェリア人の不動産開発業者ギルバート・チャゴウリーの国務省幹部への紹介などが含まれていた。

 

これらのコンタクトは、ビル・クリントンの長年の側近でクリントン財団の幹部だったダグ・バンドとアベディンの間で調整が行われた。

 

ヒラリーが行った会談のうちのどれがクリントン財団の大口献金者コネクションと関係があったのかは明確になっていない。

 

ヒラリー選対は不適切なことは何も起きなかったと否定した。

 

ヒラリーとバーレーンの皇太子との会談の場合について、あるヒラリーの側近は、「外国の指導者と会談することは、国務長官にとって重要なそして当然の責務だ」と述べた。

 

この側近は、ワッサーマンの場合については、ヴィザを出すと保証していないし、ダニエル・エイブラハムの会談の場合には、財団の行っている業務とは関係なかったうえに、エイブラムスがセンター・フォ・ミドル・イースト・ピースの所長という立場であったのだから適切であったと述べた。

 

チャゴウリーもまた不適切なことはなかったと主張した。広報担当を通じて、会談は行われなかったし、自分は「当時のレバノンの政治状況についての観察と考察を伝えただけのことだ」と語った。

 

クリントン財団の大口献金者とヒラリーもしくは国務省の幹部たちとの間の接触は多く存在した。しかし、クリントン財団への献金の見返りとしてヒラリー率いる国務省が何か行動を起こしたということを示す証拠は見つかっていない。

 

クリントン選対の報道担当ジョン・シュワーリンは、ジュディシャル・ウォッチを批判した。ジュディシャル・ウォッチは情報公開法に基づいた訴訟を駆使して、国務省によって機密扱いとなった多数のEメールを公開させた。シュワーリンは、ジュディシャル・ウォッチを「1990年代からクリントン一家をつけまわしてきた右翼団体」と呼んだ。

 

シュワーリンは「どれほどこのグループがこれらの文書を誤って解釈してそれを拡散しようとも、ヒラリー・クリントンがクリントン財団の献金者を理由にして国務長官として何かを行ったことはないという事実は変わりません」と語った。

 

(3)ヒラリー・クリントンと財団は透明性を約束した(Clinton and the Foundation promised transparency

 

2009年にヒラリー・クリントンが国務長官に就任する前に、ヒラリーは、オバマ政権に対して、外国の献金者に依存しているクリントン財団と国務長官としてアメリカの外交政策に関する業務との間で、利益衝突(相反)だと思われること、実際にそうなることを回避すると約束していた。

 

倫理に関する約束の半分はヒラリー・クリントン自身が行った約束であった。彼女は国務省の倫理担当職員に対して手紙を送り、その中で約束をしている。

 

ヒラリーは手紙の中で、「私は個人的、実質的に、特定の組織や団体に関わるいかなる問題にも関与しない。この中にはウィリアム・J・クリントン財団(もしくはクリントン・グローバル・イニシアティヴ)自体やこれが代表する団体や組織も含まれる」と書いている。

 

倫理協定に関するもう半分の約束は、クリントン財団と大統領に当選したがまだ就任していなかったオバマのオフィスとの間で結ばれた了解覚書であった。

 

了解覚書における主要な妥協点としては、ヒラリーの国務長官在任中、クリントン財団は年に一度最新の献金者たちの名簿を作成することと、その名簿を国務省に提出して、外交からの献金者や外国政府の所有する企業の増加を国務省の倫理担当部局に評価してもらうこと、というものであった。新たに献金者となった国々は評価の対象となった。

 

ヒラリーの支持者の多くはこうした倫理上の取り決めは厳格に守られたと主張している。

 

しかし、非営利団体「ポリティファクト」は、そのような主張は、少なくとも合意の精神に関する限り、「ほぼ間違っている」と判断した。

 

ヒラリーはクリントン財団との連絡を避けた。しかし、国務省にヒラリーと一緒に着任した側近たちは、クリントン財団のビジネスや財団の献金者たちの個人的な利益をめぐって、クリントン財団との間で連絡を持った。

 

報告書では、クリントン財団が情報公開の約束をいかに守れなかったかが書かれている。その中には、国務省とのビジネスを求めるあるアメリカ企業と関係を持つカナダの財団から235万ドルが寄付されたことやアルジェリアから50万ドルの寄付をされたことが公開されていなかったことが書かれている。

 

共和党は、これらの倫理違反を攻撃している。

 

共和党全国委員会幹部のマイケル・ショートは水曜日、本誌に宛てた声明の中で次のように述べている。「クリントン財団と次期政権との間の倫理協定は、利益の相反を避けることができずに、無視されていたことは明白である」。

 

ショートは更に「書簡と合意の精神の両方は明らかに侵害されていた」と述べた。

 

(4)重なり合いのために、フーマ・アベディンをはじめとするヒラリーの側近たちの問題を生み出した(The overlap created problems for Huma Abedin and other Clinton aides

 

ヒラリーの国務長官在任中、彼女の個人的な補佐役だったフーマ・アベディンは、クリントン周辺と国務省の内部で様々な立場に同時に立っていた。

 

『ワシントン・ポスト』紙が報じたように、2012年末の時点で、アベディンは「4人の別々の雇用主に雇われて4つの仕事をやっていた。彼女が政府外の仕事をするにあたっては、政府の特別許可を受けていた」ということだ。

 

アベディンは国務省に勤務していた。同時に、民間コンサルティング会社テネオの職員で、クリントン個人からサラリーを受け取り、クリントン財団と契約を結んでいた。

 

共和党所属の連邦議会議員の中で、連邦上院司法委員会委員長チャック・グラスリー(アイオワ州選出、共和党所属)は、アベディンの雇用状況の複雑さを追いかけている。そして、保守系監視団体ジュディシャル・ウォッチによって公開されたEメールによって、アベディンに対して注目が集まった。

 

クリントン財団幹部ダグ・バンドとアベディンとの間のEメールのやり取りを見て、多くの人々は、「アベディンはヒラリーとクリントン財団の大口献金者とをつなぐ存在だ」という印象を持った。クリントン選対は不適切なことは何も起きていないし、バンドは、財団の代表としてではなく、ビル・クリントンの補佐役として行動していたと主張した。

 

人々の関心を集めているEメールのやり取りがある。それは、ヒラリーが、イギリスのサッカーティームであるウォルヴァーハンプトンの選手たちのヴィザ取得に介入できないかとアベディンに送ったものだ。このティームのあるメンバーが「犯罪記録」のためにヴィザを取ることが難しい状況にあった。

 

バンドは、ハリウッドの映画関係者ワッサーマンのために行動していた。ワッサーマンの一族が運営している財団は、これまでにクリントン財団に対して500万から1000万ドルを献金している。

 

アベディンは、「私たちはそのことについては何もできないと思う。ただ、面接を行うことに関しては何とかできると思う。担当者に聞いてみる」と答えている。

 

アベディンはその後、バンドに連絡し、自分が依頼されたことを行う場合の懸念を伝えた。そして、「依頼の内容は分かったが、それを実行することに関しては多少の心配がある。それでもやってはみるが」と述べた。

 

バンドは「それならやらなくてよい」と答えた。

 

この事件について、ヒラリーの選対幹部のある人物は、ヴィザは結局発給されなかったと指摘し、「Eメールでやり取りされた内容は実行されなかった」と語った。

 

(5)クリントン財団の大口献金者の中には疑惑をもたれる人たちもいる(Some of the Clinton Foundation donors are controversial

 

共和党は、クリントン財団が女性を抑圧する体制にあるサウジアラビアから数百万ドルもの献金を受けていながら、ヒラリーが女性の権利を選挙運動の柱に据えていることに対して偽善だと批判している。

 

サウジアラビアからの献金はクリントン財団に流れ込む外国からの献金のほんの一部に過ぎない。人権についてあまり進歩的ではない他の国々もまた献金をしている。それらの国々は、アラブ首長国連邦、アルジェリア、カタール、オマーン、ブルネイが含まれる。

 

クリントン財団と献金者をめぐるもう一つの疑惑は、ウラニウム・ワンという企業とのつながりである。ウクライナはかなり有利な条件でロシア人たちが買収した企業だ。そして、この買収に関しては、アメリカの多く政府機関が承認を与えており、その中にはヒラリーが率いていた当時の国務省も含まれている。

 

保守系のジャーナリストであるピーター・シュバイツァーの調査を基にした長文の記事が2015年4月にニューヨーク・タイムズ紙に掲載された。シュバイツァーの反ヒラリーの調査活動の一部は、トランプに対する大口献金者でヘッジファンド経営を通じて巨万の富を得たロバート・マーサーである。この記事では、ウラニウム・ワンの会長と関係のあるある財団からクリントン財団に235万ドルの資金が流れてそのことが秘密にされてきたと報じられた。

 

ニューヨーク・タイムズ紙の記事に対する声明の中で、ヒラリーの報道担当ブライアン・ファロンは、クリントン財団は大口献金者を助けるために介入したという話を否定し、カナダ政府やアメリカの多くの政府機関もウラニウム・ワンに承認を与えていると強調した。

 

ファロンは、「ヒラリー・クリントンが国務長官としてクリントン財団の献金者の利益を守るために行動したという主張を証明する証拠を作り出す」ことは誰にもできないと述べた。

 

(貼りつけ終わり)

 

(終わり)








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 古村治彦です。

 

 「不適切な関係(inappropriate relationship)」という言葉を覚えたのは、当時のビル・クリントン大統領がホワイトハウスのインターンだったモニカ・ルインスキーと不倫関係にあったことを認める声明の中で使われていたのを読んだときでした。

 

 今回、ヒラリーのEメール問題では、ヒラリーが国務長官在任中の国務省と、クリントン家が運営しているクリントン財団との間の「不適切な関係」に焦点になっています。これまで出てきたところでは、クリントン財団の幹部が国務省に長官のスタッフとして入ったヒラリーの側近(こちらも元はクリントン財団の幹部)に便宜を図ってくれるように頼む内容のEメールが見つかりました。

 

 そして、AP通信が、「ヒラリーが国務長官在任中に面談、もしくは電話で会談したアメリカ政府外の人物たち154名の内、85名がクリントン財団の大口献金者であった」と

報じました。

 

 クリントン財団の大口献金者だから便宜を図ってもらえたのかどうかがここでの焦点となります。ヒラリーが直接お金をもらって会談したり、電話で話したりということはさすがにないと思いますが、「この人はクリントン財団に多額の寄付をしているの、それなら会いましょう、話しましょう」ということになれば、倫理上まずいことになります。

 

 また、このような倫理上のことは大統領選挙に出ればつつかれることくらいは、政治の世界で生きてきた人なら思いつくと思いますが、それに対する対応策が出来ていないとなると、「ヒラリーと側近たちでアメリカ政府を動かして果たして大丈夫なのか」という声が上がるのは当然です。ヒラリーは脇が甘い、そんなことで、生き馬の目を抜く国際政治の世界で、アメリカの国益を守れるのかという声が上がります。

 

 法律を破った行為であると証明することは難しいでしょうが、印象は悪くなります。こうしたことも含めて、9月上旬に出される世論調査の結果が気になるところです。

 

(貼り付けはじめ)

 

ヒラリーはクリントン財団問題に再び直面する(Now Hillary has a big Clinton Foundation problem, too

 

クリス・シリーザ筆

2016年8月23日

『ワシントン・ポスト』紙

https://www.washingtonpost.com/news/the-fix/wp/2016/08/23/now-hillary-has-a-big-clinton-foundation-problem-too/

 

政治の世界では「ある印象の知覚はほぼ常に真実と同等となる」ということをヒラリー・クリントンは理解してこなかった。今回、AP通信が報じたこのストーリーについて見ていこう。

 

ヒラリーが国務長官在任中に政府外の人々と会った中の半数が、クリントン財団に個人的に、もしくは企業や団体を通じて、資金を提供した人々であった。ヒラリーが大統領に当選した場合のヒラリーの倫理観に対する挑戦ともなるほどの大きな割合である。

 

国務省がAP通信に提供した国務省の業務日誌によると、ヒラリーが国務長官在任中にアメリカ政府外の人で彼女に会った、もしくは電話で話した人は154名いる。その中の少なくとも85名がクリントン家の運営している慈善財団やその国際プログラムに資金を提供した人々であった。この85名の大口擬献金者の献金額は合計で1億5600万ドル(約156億円)となり、少なくとも40名は1人10万ドル(約1000万円)以上、20名は1人100万ドル(約1億円)を提供していた。

 

なるほど。

 

先に進む前に2つの点を確認しておこう。

 

(1)相関関係は因果関係ではない。

 

(2)何かの行為の見返りとして褒章を受けたということを証明することは極めて困難だ。

 

しかし、そんなことは分かっている。これら2つの段落を読んで、眉一つ動かさないなんてことは全くもって不可能だ。ヒラリーが国務長官在任中の4年間に直接会った、もしくは電話で話をしたアメリカ政府外の人の半数がクリントン財団の大口献金者だったのだ!半分がですよ。

 

そして、85名の人々が1億5600万ドルを寄付していた。私の計算では、一人平均で180万ドルになる。もちろん、全員が同じ金額を寄付した訳ではない。

 

これは単純に良くないことだ。本当に良くない。

 

クリントン財団が世界中で大変に素晴らしいことをやった、もしくは現在もやっていることについて疑義を持っている人は誰もいない。これは間違いない。ツイッター上のヒラリー嫌いの人たちに言っておきますが、私はこの点は認めています。しかし、クリントン財団が献金された資金でやっていることがポイントではない。問題は、国務超過在任中のヒラリーの責務とクリントン財団になされた献金との間のあまりにもいい加減な線引きなのだ。AP通信の記事の内容は、悪い行いの証明ではなく、悪い判断の証明なのである。

 

大統領ではなくても、選挙を経て就任することが出来る公職を目指す政治家にとって、次の文が有利に働くような場所は存在しない。「ヒラリー・クリントンが国務長官在任中に面談した政府外の人物の半数以上が、個人で、もしくは企業や組織を通じて、クリントン財団に献金をしていた」。

 

私が驚いたのは、ヒラリーも、彼女の側近中の側近フーマ・アベディンも、そしてビル・クリントンも、クリントン財団の誰も、このようなことは、利益の衝突(相反)になる可能性が起きるとは考えなかったということだ。国務長官に就任する時点で、ヒラリー・クリントンの大統領への野心は消え去っていなかった。彼女が再び大統領選挙に出馬する可能性は常に存在した。そして、今実際に出馬している。

 

ヒラリー選対とヒラリーの熱心な支持者たちのAP通信の記事に対する反論は次のようなものだ。「ヒラリーがこうした人々と面談したのは彼らにそれだけの正当な理由があったからだ。彼らがクリントン財団に献金をしていたかどうかは、ヒラリーが彼らに会うかもしくは電話で話すかを決定する上で影響を与えていない。彼らが献金していたというのは純粋に偶然の出来事である」。

 

反論をまとめると次のようになる。「私たちを信頼せよ。クリントン財団への献金は、ヒラリーの国務省での責務とは完全に別個野茂だということを信頼して欲しい。これを証明することは不可能だ。しかし、私たちを信頼せよ」。

 

ヒラリーが雇った弁護士たちが、これらは完全にプライヴェートだして私的なEメールサーヴァーから消去した3万通以上のEメールが出てきたときに、ヒラリー側は上記のような主張をしたのだ。ヒラリーが雇った弁護士たちはこれらのEメール全てを丹念に読んだわけでもなく、ジェイムズ・コミーFBI長官が消去されたEメールを復元したところ、業務関係のEメールが数千通出てきたと発表した。それでも私たちは、全ては正しく行われたというヒラリーの主張を信頼しなくてはいけないのだ。

 

(図1前の奴)

 

明白なこと。ヒラリー・クリントンが法律を破った、もしくは意図的に後ろ暗いことをやったということを示す証拠を私は持っていない。何一つ持っていない。しかし、読者の皆さん、ヒラリー選対が、クリントン財団と国務省は全く関係のない、別個の存在だと印象付けようとする試みに今回のAP通信の記事は暗い影を落とすことになる。

 

もし読者であるあなたがドナルド・トランプ、もしくは共和党幹部だったとして、ヒラリー・クリントンは常に「あっせん利得」モデルで物語をやってきているという考えを拡散しようとしているとすると、今回のAP通信の記事は望む物以上の素晴らしいプレゼントということになるだろう。トランプはこれまでにプレゼントに文句をつけ、うまく利用してこなかった。彼はまたプレゼントを無駄にするのだろうか?

 

(貼り付け終わり)

 

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 古村治彦です。

 

 ヒラリーのEメール問題が大きくなりつつあります。

 

 ヒラリーのEメール問題とは、2012年9月11日に発生したベンガジ事件(リビア・ベンガジのアメリカ大使館が襲撃され、クリス・スティーヴンス大使と3名のアメリカ人が殺害された)の調査過程で、「ヒラリー・クリントンが、国務長の強い要請があったにもかかわらず、ハッキングなどをされやすい私的なEメールアカウントとEメールサーヴァーを使用していた」ということです。私的Eメールアカウント使用はハッキングに弱いということもありますが、業務に関わるものは全て記録として残しておくという公務の規定にも抵触する可能性がありました。

 

 2016年7月、FBIのジェイムズ・コミー長官は、ヒラリーと彼女の側近たちの国務省在職中のEメール使用について、「私的なEメールアカウントで機密情報をやり取りしていた。これは大変軽率な行動であったが、訴追するには至らない」と発表し、司法省のロレッタ・リンチ長官に報告し、私的なEメール使用での訴追はなくなりました。

 

 ヒラリーは、2014年12月に国務省に、自宅にあるEメールサーヴァーに残っていたEメールのうち、業務に関するもの3万通を提出しました。これらは、国務省の分析も済み、公開されています。業務に関するか、プライヴェート化の分類はヒラリーが雇った弁護士が行いました。そして、このEメールサーヴァーから消去されたEメールが3万通あり、これをFBIが復元し、これらもまた国務省に提出されました。これらの中には数千通の業務に関するEメールが含まれていました(ヒラリーと弁護士たちは、プライヴェートなものとして提出しなかったものの中に業務内容が含まれていたことになります)。この復元された3万通は現在国務省が調査と分類を行っています。

 

 これらのEメールについて、情報公開法に基づいて、いくつも訴訟が起こされています。そして、8月22日の月曜日に、連邦裁判所は、国務書に対して、現在国務省が調査分析中の復元された3万通のうちの約1万5000通を開示するように命じました。ただ、国務省がいつどのようにして開示するかを検討中なので、選挙の投開票日である11月8日までに間に合うかどうかは分かりません。

 

 ここでEメール問題は、①業務とは関係ないとして消去されたEメール3万通の中に、業務内容を含むものがあったので、ヒラリーの主張の信頼性が損なわれる、②これらのEメールの内容とヒラリーが連邦下院ベンガジ特別委員会で宣誓証言を行った内容との間に齟齬があった場合の偽証罪、③Eメールの内容で、ヒラリーが国務長官の権限を利用して、私腹を肥やす、もしくはクリントン財団に有利な取り扱いをして利益を得た、あっせん利得、口利きといった行為があったかどうか、ということになります。

 

 連邦下院共和党は②の偽証罪でヒラリーを告発し、FBIが捜査し、司法省が起訴するように働きかけています。マスコミは③のヒラリーが国務長官時代の国務省とクリントン財団との不適切な関係を攻めるということになっています。

 また、ヒラリーが国務長官時代に私的Eメール使用に関して、「元国務長官のコリン・パウエルからの助言を受けてそのようにした」とFBIの聴取に対して答えていたことで、失点しました。コリン・パウエルは共和党ですが、2008年、2012年の大統領選挙で民主党のバラク・オバマを支持しました。今回の大統領選挙ではパウエルは誰も支持していませんが、これでヒラリーを支持する可能性は亡くなりました。大きな魚を逃したことになります。 

 

 トランプの態度変更に合わせて、ヒラリーのEメール問題に対する追及も激しくなってきました。これからどうなるか注目です。

 

 

(貼りつけはじめ)

 

Eメール:クリントンの側近が財団の寄付者との会談を調整(Emails: Clinton aide arranged meeting with foundation donor

 

ケイティ・ボー・ウィリアムズ筆

2016年8月22日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/national-security/292250-emails-clinton-aide-arranged-meeting-with-foundation-donor

 

保守系の監視団体ジュディシャル・ウォッチは月曜日、ヒラリー・クリントンがやり取りしたEメールを公表した。ジュディシャル・ウォッチは、この中に、クリントン財団の大口献金者たちが当時国務長官だったヒラリー・クリントンへの特別なチャンネルが与えられていたことを示すものがあると主張している。

 

2009年、ヒラリーの首席補佐官だったフーマ・アベディンは、クリントン財団幹部ダグ・バンドと協力して、ヒラリーとバーレーンのサルマン皇太子との会談を調整した。この会談は皇太子側から求められたものだった。

 

2009年6月23日(火曜日)、バンドはアベディンに対してEメールで次のように送った。「バーレーンの皇太子が明日から金曜日まで滞在。ヒラリー・クリントンとの面会を希望。私たちにとっての良き友」。

 

アベディンはそれから数時間後に返信し、サルマン皇太子は「通常のチャンネル」を通じて、会談の日程を調整しようとしたが、火曜日から金曜日までは、彼女が良く知る人物以外には会談を持ちたくないと言っていると返事をした。

 

2日後、アベディンはバンドにEメールを送った。その内容は以下の通りだ。「バーレーンの皇太子側には明日の午前10時にヒラリー・クリントンと会談するということでどうかと提案。もし皇太子自身に会う場合には、そのことを伝えてほしい。私たちは公式のチャンネルで連絡している」。

 

サルマン皇太子は2005年にクリントン・グローバル・イニシアティヴのために奨学金プログラムを創設した。そして、クリントン財団のウェブサイトによると、2010年までに3200万ドルを提供したということだ。

 

このやり取りは2016年8月22日にジュディシャル・ウォッチが発表した725ページにわたる国務省の文書に中に含まれており、このうちの20ページ分は、2014年12月にヒラリーが国務省に提出したEメールの中には含まれていなかったとジュディシャル・ウォッチは主張している。

 

別のやり取りでは、バンドは、ヒラリーに対して、イギリスのサッカーティームのウォルヴァ―ハンプトン・ワンダラーズ・フットボール・クラブのあるメンバーのヴィザ交付プロセスをスムースにしてくれるように依頼するものだった。このメンバーは「犯罪歴」があったために、ヴィザ交付で苦労していた。この依頼は、ケイシー・ワッサーマンからのものだった。ケイシー・ワッサーマンは、ワッサーマン財団の会長で、この財団はクリントン財団に500万ドルから1000万ドルを献金していた。

 

しかし、ヒラリーのオフィスではこの依頼を実行しなかった。アベディンは「この依頼に関しては神経質にならざるを得ない。頼むことは不可能ではないが」と答えている。

 

バンドは「それなら実行しなくてよい」と答えた。ワッサーマンの報道担当は、この依頼は実行されなかったと本誌の取材に答えている。

 

新たなEメールの公開によってクリントン財団を巡る論争が継続することになった。共和党はこれまでも長年にわたり、ヒラリーを非難してきた。民主党の大統領選挙候補となった現在、ヒラリーに対しては、国務長官在任時に「口利き、あっせん行為」に関与したと非難している。

 

ジュディシャル・ウォッチ会長のトム・フィットンは声明を発表し、その中で次のように述べている。「これらの新たに公表されたEメールによって明らかにされたのは、ヒラリー・クリントンが、クリントン財団の大口献金者たちに対して便宜を図ることで、公的地位を不当に利用したということだ。ヒラリー・クリントンとその他の人物たちが法律を破ったのかどうかを決定するために、真剣なそして政府の影響から独立した捜査が必要だ」。

 

クリントン選対はこうした批判に対して反論を行った。

 

クリントン選対の報道担当ジョー・シュワーリンは次のように語った。「繰り返しになりますが、この右翼団体は1990年代からクリントン一家を追いかけまわしてきました。この団体は間違った攻撃を行うために事実を捻じ曲げてきました。どれほどこの団体がこれらの文書を悪意をもって解釈しようとも、ヒラリー・クリントンはクリントン財団への献金のために、国務長官として活動したことはないというのが事実です」。

 

月曜日、ビル・クリントン元大統領は、「11月にヒラリー・クリントンが大統領に選ばれたら、クリントン財団は外国の企業や団体からの献金受け入れを停止する」と発表した。

 

ヒラリー・クリントンは現在、クリントン財団に関与していない。一方、ビル・クリントンと娘チェルシー・クリントンは財団のイヴェントに姿を見せている。クリントン元大統領は、ヒラリーが大統領に当選したら、財団の理事の座から退き、資金集めも行わないと述べた。

 

公開書簡の中で、ビル・クリントンは、こうした変化について、「利益の衝突(相反)の可能性に関する正当な懸念」を払拭したいと述べた。しかし、ビル・クリントンは、クリントン財団の環境保護、教育、公衆衛生に関する活動について擁護した。

 

2016年8月22日、ジュディシャル・ウォッチによってEメールが公表される前に、共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプはクリントン財団の解散を求め、「クリントン財団は政治史上最も腐敗した組織だ」と批判した。

 

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これはEメールに関するコリン・パウエルとヒラリー・クリントンの闘いだ(It’s Colin Powell vs. Hillary Clinton on email

 

ジュリアン・ハッテム筆

2016年8月22日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/national-security/292266-its-colin-powell-vs-hillary-clinton-on-email

 

共和党は、ヒラリー・クリントンとコリン・パウエルとの間に起きた衝突を利用して、「民主党大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンは、国務長官時代の機密情報の取り扱いについて、FBIに対して虚偽を述べた」という彼らの主張を拡散しようとしている。

 

今週末、パウエルは、ヒラリーがFBIに対して「国務省でのEメールアカウント利用設定についてパウエルから助言を受けそれに従った」というコメントをしたと報じられたことについて、非難した。

 

ジョージ・W・ブッシュ政権下で国務長官を務めたコリン・パウエルは、今週末にハンプトンズで開催されたイヴェントに出席し、次のように述べた。「ヒラリー・クリントンの周辺の人々は私に責任を覆いかぶせようとしています。彼女がEメール設定を行ったのは、私が自分が国務長官時代にどのようにしていたかをメモに書いて送った1年も前なのです。これが真実です」。

 

共和党全国委員会委員長レインス・プリーバスは月曜日に声明を発表し、その中で、「このエピソードは、ヒラリー・クリントンがFBIに対して虚偽を述べたのかどうかという深刻な疑問を生じさせるものだ」と述べた。

 

声明の中では次のように続けて述べている。「ヒラリー・クリントンの一連の不誠実な態度は国家最高の地位を目指す候補者としては全く持って受け入れがたいものだ。彼女は真実を語ることを拒絶しており、彼女の判断力の乏しさと併せて、もし彼女が大統領に当選した場合に、どのように振る舞うことになるかを示す格好の材料となっている」。

 

ニューヨーク・タイムズ紙の記事によると、ヒラリーはFBIに対して、彼自身も国務長官在任中に私的なEメールアカウントを使っていたパウエルが、彼女がオバマ政権の国務長官就任直後に、同じようにしたら良いと助言をした、と述べた、ということだ。この説明は、先週、連邦議会に提出されたFBIによるヒラリーに対する3時間半にわたった聴取の記録の要約の中に含まれていた。ヒラリー周辺の人々は、共和党がこの要約から詳細が選択的にリークして、ヒラリーを悪く描くことを恐れている。

 

作家ジョー・コナソンは最新刊の中で、2009年6月にもう一人の国務長官経験者マデリン・オルブライトのワシントンにある邸宅で行われた夕食会にパウエルとヒラリーが招待され、その席上、パウエルがヒラリーに助言を行った、と書かれている。

 

パウエルの事務所は後に、パウエルはこの夕食会のことを記憶していないが、彼に近い人々は、パウエルが彼自身のEメールシステムが国務省の通信を改善したとするメモを送ったことは認めている。

 

先月、FBI長官ジェイムズ・コミーは議会で証言を個なった。その中で、「FBIの捜査官たちはヒラリー・クリントンがFBIに対して虚偽を述べたと結論付ける証拠を持っていない」と述べた。

 

FBIの報道官は月曜日、ヒラリーのEメールに関する捜査についてコメントすることを拒否した。

 

クリントン選対にEメールでコメントを求めたが反応はなかった。

 

これまで、ヒラリーに近い人々は、ヒラリーがニューヨークにある自宅にある私的なEメールサーヴァーを使っていたことについて、それはパウエルの前例があったからだとする説明をしてきた。しかし、ヒラリー自身も彼女の選対もEメールアカウントの設定についてパウエルから助言を受けたことを正式に認めたことはなかった。

 

しかし、パウエルとの齟齬が公になることで、ヒラリーの選挙運動はダメージを受けることになるだろう。

 

パウエルは2016年の大統領選挙ではこれまで誰に対しても支持を表明してこなかった。しかし、元国務副長官リチャード・アーミテージをはじめとするパウエルに近い人々は、ヒラリー支持を表明している。

 

パウエルは共和党員として選挙名簿には登録しており、これまでも何度か大統領選挙候補者として名前が挙がった。記憶に新しいところでは、2008年と2012年の大統領選挙ではオバマを支持した。また、ヒラリーの夫ビル・クリントンが大統領就任直後には、米軍の統合参謀本部議長を務めていた。

 

パウエルは、国家安全保障関係の大物の中で、今年の大統領選挙で誰を支持するかを明らかにしてこなかった数少ない人物の一人だ。そして、これまでヒラリーを支持してこなかった。

 

共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプは今回のニュースを受けて、ヒラリーを攻撃した。トランプは今回のニュースを取り上げて、有権者は彼女を信頼できないだろうと述べた。

 

トランプはフォックスの「フォックス・アンド・フレンズ」に出演して、「そうですね、よく見て下さいよ。彼女はうそつきです」と述べた。

 

トランプは続けて、「彼女はEメールに関して嘘を言いました。彼女はコリン・パウエルについて嘘を言いました。私はパウエルが怒っているのを見ました」と述べた。

 

トランプは更に「全てが嘘であり、詐欺なんです。いかさま師がやるような詐欺行為なんですよ」と述べた。

 

一連の攻撃は、よく知られたヒラリーの弱点に対するものだ。彼女の弱点は、彼女は正直ではなく、信頼できないというものだ。私的なEメールに関して何度も関心が集まることで、ヒラリーはうそつきだという主張が真実味を帯び、そのためにヒラリーはダメージを受けている。

 

月曜日には、FBIが発見した、ヒラリーが国務長官時代にやり取りをした未公開のEメール約15000通の公開が求められた。このためにヒラリーの弱点であるEメール問題はまだ続くことになる。これらのEメールと付属文書は今秋には公開されると思われるが、大統領選挙の投開票日前にどれだけのEメールが公開されるかははっきりしない。

 

加えて保守系の監視団体ジュディシャル・ウォッチが公表したEメールには、クリントン財団に関係する人々との連絡を確保するために私的なEメールアカウントが使われたことを示すものが含まれている。

 

パウエルとヒラリーは2人とも国務長官在任中に私的なEメールアカウントを使用していた。このために、今年初めには国務省の監察官による厳しい懲戒を受けた。

 

ジュディシャル・ウォッチは、5月に発表した報告書の中で、「パウエルとヒラリーは、適切な記録保存を行わずに公務を私的なEメールアカウントで行った。これは、政府職務規定に違反している」と結論付けている。

 

しかし、ヒラリーとパウエルの間には大きな違いが存在する、と事実関係に詳しい人々は声を揃える。

 

パウエルは国務長官在任中、個人のAOLEメールアカウントを使用し、補佐官や世界各地の外交官たちの連絡は個人のラップトップコンピュータで行っていた。

 

ヒラリーは、自宅の地下室にいくつもサーヴァーを設置し、個人で作ったclintoemail.comEメールシステムを使用していた。

 

パウエルとヒラリーの在任期間の間には4年という期間が存在した。

 

この期間で、国務省は職員たちに対してEメールのやり取りを記録することの必要性について警告を発していた。

 

またこの期間に、政府が認めたEメールアカウントを使用しないことで起きるサイバーセキュリティのリスクについての注意と関心が広がった。ジュディシャル・ウォッチは5月に発表した報告書の中で次のように書いている。「パウエルが国務長官だった期間、テクノロジーとディジタルの安全対策については流動的であった。その当時、国務省は情報技術に関連しての安全上の危険性について、その深刻さを認識していなかった」と書いている。

 

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FBIはヒラリー・クリントンが提出しなかった15000通のEメールを発見、あーあ(The FBI found 15,000 emails Hillary Clinton didn’t turn over. Uh oh.

 

クリス・シリーザ筆

2016年8月22日

『ワシントン・ポスト』紙

https://www.washingtonpost.com/news/the-fix/wp/2016/08/22/the-fbi-found-15000-emails-hillary-clinton-didnt-turn-over-uh-oh/

 

ヒラリー・クリントンが私的なEメール使用を決定したことで生み出された、スピン(政治の場面で行われる偏向した描き方)や政治的立ち位置を全て取り去ってみると、次の3つの事実が残る。

 

(1)ヒラリー・クリントンは私的なEメールアカウントを公務に使った最初の国務長官だ。

 

(2)彼女はまた、私的なEメールサーヴァーを自宅に置いていた最初の国務長官でもある。

 

(3)国務省からEメールの提出を求められたとき、ヒラリーは複数の弁護士を雇い、彼らに個人的なEメールと職務に関係するEメールを分類してもらった。そして、個人的なEメールはサーヴァーから永久に消去されてしまった。職務に関係したEメールは国務省に提出された。提出されたEメールは次のように分類される。

 

2016uspresidentialelectionwashingtonpost20160822001

 

ヒラリーが消去したEメールの数は、国務省に提出したものよりも多い。彼女が雇った弁護士たちは、実際には全てのEメールを読んだわけではなかった。彼らは、キーワードを検索にかけてEメールを分類した。この過程を監視したのはヒラリーの周辺人物たちで、第三者はいなかった。このEメールの分類過程に関するヒラリーの主張の重要な点は、「私を信頼せよ」だ。詳しく見ると、私が雇った弁護士たちは、国務長官としての日常業務にまで関連するEメールをすべて発見し分類し、そして国務長に提出したと彼女は主張している。

 

本日(2016年8月22日)付のワシントン・ポスト紙に、スペンサー・シュー記者が記事(タイトル:「FBIがヒラリー・クリントンのEメール問題で15000通以上のEメールを発見した」)を掲載した。これはヒラリーにとっては痛手となるであろう。

 

FBIは、ヒラリー・クリントンの私的なEメールサーヴァーに関する1年に及ぶ捜査を行い、ヒラリーの国務長官在任期間中にやり取りされ、ヒラリーが雇った弁護士たちが公表しなかったEメール1万5000通を発見した。国務省は、月曜日の朝に連邦裁判所で、いつどのようにこれらのEメールを公表するかを議論することになるだろう」

 

「先週、国務省が保守系監視団体ジュディシャル・ウォッチに対して引き渡すと述べ、司法省もそれを承認したEメールが全て公開された。これから公開されるものも足した数は、ヒラリー・クリントンが雇った弁護士たちが業務関連だと判定し、2014年12月に国務省に提出した30000通以上のEメールの約50%にあたる」。

 

うむ、なるほど。

 

従って、FBIは、ヒラリーがやりとした約15000通の文書やEメールを発見したが、これらはヒラリーが2014年12月に国務省に提出したEメールには含まれていない。もちろん、これらのEメールや文書のうちのどれも、もしくは全部が業務関連なのかどうかもはっきりしない。これらのEメール全てが、ヒラリーと弁護士たちが消去した30000通以上のEメールの一部である可能性もある。

 

 

しかし、ジェイムズ・B・コミーFBI長官は、FBIEメール問題について捜査したところ、ヒラリーが国務省に提出しなかったEメールの中に数千通の業務関連のEメールが含まれていたことを発見したと発表したことは、私たちは既に知っている。これら15000通のEメールは、コミー長官が言及したEメールの一部であることは少なくともそうだと言えるが、国務省に2014年12月に提出されたEメールと、FBIが復元して提出したEメールとの間でどれだけ重なりがあるのかは分かっていない。

 

ヒラリー選対から出された声明の内容も、これらのEメールの内容について分かっていないことを示すものだった。

 

2016uspresidentialelectionwashingtonpost20160822002

 

明白な事。ヒラリー・クリントンは私的Eメール使用問題については、FBIのコミー長官によって潔白だとされている。コミー長官とFBIは新たに公開されたEメールについては、彼らが発見したのだから、当然知っている。その上で、ヒラリーに対する起訴が適当ではないという判断を下したのだ。

 

しかし、事態はヒラリーにとって日に日に厳しくなっている。彼女は業務関連とプライヴェートなEメールの分類は適切に行われたと主張しているが、その主張は受け入れられなくなりつつある。そして、ヒラリーは、分離作業を行わないで、多くのEメールを消去したという可能性が出てきて、彼女の透明性に関して疑義も高まってくる。これは、次期大統領に向けて他をリードしている人物にとっては、悪い印象を与えるものとなる。

 

(貼りつけ終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 アメリカ大統領選挙は、民主党のヒラリー・クリントンが共和党のドナルド・トランプをリードしています。現在のところ、ヒラリーが選挙人では360名(選挙人全体538名の3分の2)近くを獲得するという予測になっています。

 

 それではヒラリーが盤石かというと、そんなことはありません。ヒラリーにはベンガジ事件とEメール問題という2つの問題に加えて、クリントン家(ビル、ヒラリー、娘のチェルシー)が運営するクリントン財団と国務省との間の不適切な関係についての疑惑も出てきました。

 

 こうした疑惑に対して、連邦政府の捜査機関である連邦捜査局(FBI)と起訴を行う機関である司法省に対する共和党からの批判と圧力が強まっています。

 

 ヒラリー・クリントンは2014年12月に自分が使っていたEメールサーヴァーに残っていた30000通のEメールを国務省に提出しました。これらのEメールは機密扱いのものを除いて公開されています。

 

 現在は、FBIが捜査の過程で復元した、消去されたEメール30000通が焦点になっています。これらもまた国務省に提供されています。この復元された30000通のEメールに関しては、情報公開法に基づいて裁判が起こされており、そのために少しずつ公開されていくようですが、今は、国務省が1通1通調査し、分析しているということになっています。

 

これらのEメールの調査によって、ヒラリーが宣誓した後に議会証言で述べたことと齟齬があれば、それは偽証(perjury)となります。アメリカでは宣誓後の発言に事実と異なる内容があれば、嘘をついた、偽証をしたということになって、誰でも逮捕されます。

 

 連邦議会共和党はこの偽証罪による逮捕、もしくはそれをちらつかせてのゆさぶりを狙っているようです。

 

 ヒラリーにとっては投開票日まで息を抜くことの出来ない日々が続きます。

 

(貼り付けはじめ)

 

アサンジ:司法省がクリントンのために「新しい基準を設定した」と発言(Assange: DOJ set ‘new standard’ for Clinton

 

マーク・ヘンシュ筆

2016年8月15日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/291526-assange-doj-set-new-standard-for-clinton

 

ウィキリークスの創設者ジュリアン・アサンジは、司法省がヒラリー・クリントンに対する疑惑捜査について新しい基準を設けたと発言した。

 

月曜日のCNNの番組「ザ・リード」に出演したアサンジは次のように発言した。「私たちのワシントンにいる弁護士たちが明日、ロレッタ・リンチ司法長官宛てに手紙を送付します。その内容は、リンチ長官に対して、ウィキリークスに対して国家安全保障の面と刑事犯罪の面から6年にわたって捜査を行われ、いまだに打ち切られていない、その理由を質すものです。この捜査が継続されている理由、私が政治的な亡命を続けていることです」。

 

アサンジは続けて、「司法省はヒラリー・クリントンの件を打ち切るために新しい基準を設定したように見えます。ヒラリー・クリントンに対する捜査は1年で打ち切りとなりました」と語った。

 

「ヒラリー・クリントンに対する捜査は打ち切られ、ウィキリークスに対する捜査は続行中。ウィキリークスに対する“法執行手続きが未決定”なのはどうしてでしょうか?これは大きな問題です」。

 

アサンジは、司法省によるウィキリークスに対する捜査と民主党大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンに対する捜査を比較してみせた。

アサンジは司法省のヒラリーに対する調査について「(FBI長官の)ジェイムズ・コミーはヒラリーたちが国家安全保障を損なう意図があったと証明することが出来ないと主張しました。その結果として司法省は起訴しなかったんです。"私たちに対する捜査では、私たちに対する犯罪を行った疑惑など存在しないのです。私たちは情報を人々に向かって公開したこと以外は何もしていないのですよ」と語った。

 

「アメリカ政府は2013年の宣誓証言の中で、私たちが行った情報公開によって誰も傷つけられていないことを認めています。誰かを害するという意図がないこと、誰も酷く傷つけられてはいないということは明らかです」。

 

アサンジは、ヒラリー選対が、アサンジにはアメリカ国籍がないことを強調してウィキリークスの信頼性を低下させようとしているとも述べた。

 

「彼らは何かに酷く怯えているんでしょう。私たちは世界各国で様々な活動を行っています。私たちにはアメリカ駐在のスタッフがいます。そして、どこの国にもスタッフはいるんです」。

 

「繰り返しになりますが、ヒラリー陣営は、民主党全国委員会の幹部4名、その中には委員長のデビー・ワッサーマン=シュルツも含まれますが、彼らが辞任するに至った情報公開から人々の関心を逸らさせようとしています。」

 

ウィキリークスは2016年7月後半に20000通の民主党全国委員会のEメール(2016年1月後半から5月後半まで)を公開した。

 

Eメールの中には、民主党全国委員会の幹部たちは民主党の予備選挙でヒラリーのライヴァルとなったバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ―モント州選出、無所属)を妨害しようと計画するような内容のものが含まれていた。

 

アサンジは今月初め、ウィキリークスはEメールの公開はヒラリーの選挙運動を妨害する意図で行ったものではないと述べた。

 

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共和党がヒラリー・クリントンを偽証罪で告訴する準備をしている(GOP lays out case for charging Clinton with perjury

 

ジュリアン・ハッテム筆

2016年8月15日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/national-security/291494-gop-lays-out-case-for-charging-clinton-with-perjury

 

連邦下院共和党の幹部2人が月曜日、民主党大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンを偽証罪で捜査をするために司法省に詳細な命令を行うための計画を持っている。

 

1月以上前に、共和党の下院議員たちは初めて、ヒラリー・クリントンが宣誓証言の中で事実ではないことを述べたという疑いがあるので調査をして欲しいと司法省に依頼した。連邦下院の司法委員会と監査委員会の委員長(それぞれ共和党所属)は、連邦検事に対して、ヒラリーが国務省で彼女のEエールをセットアップしたことに関して議会に対して虚偽の証言を行ったと確信していると伝えた。

 

連邦下院ベンガジ問題特別委員会での長時間にわたった証言の中で、4つの場面で、前国務長官ヒラリー・クリントンの発言が、FBIがヒラリーの私的なEメールサーヴァーについて発見した事実と合致しないと下院議員たちは主張している。

 

ボブ・グッドラテ連邦下院議員(ヴァージニア州選出、共和党)とジェイソン・チャフェッツ連邦下院議員(ユタ州選出、共和党)は、ワシントン・コロンビア特別区連邦検事チャニング・フィリップスに次のように語った。 グッドラテは司法委員会の委員長、チャフェッツは監査委員会の委員長をそれぞれ務めている。「FBIの発見した事実とヒラリー・クリントン前国務長官の宣誓証言で合致しない部分があるのではないかという疑いがある。その中でも4つの場面について、FBI長官ジェイムズ・コミーが提出した事実と証拠に基づいて、詳細に調査をする必要がある」。

 

月曜日に出された書簡は、司法省に対して、ヒラリーに対する起訴をするように圧力をかけようとしている徴候を示している。しかし、司法省はヒラリーの機密情報の取り扱いの不備では起訴しないという発表を既に行った。それでも共和党は何とか起訴させようとしている。

 

グッドラテとチャフェッツはまた、ヒラリー・クリントンに対する起訴を行わないという決定を司法省が行ったことについて批判を拡大させようと、ヒラリーに対する起訴に関する考え方を公表しようとしている。月曜日の書簡に加えて、連邦下院監査委員会は、ヒラリーの証言の中で明らかに事実と異なる部分を集めた2分半のヴィデオを発表した。

 

司法省がヒラリー・クリントンを起訴しないというニュースが流れて、複数の共和党員が、ヒラリーが公の場で発言した内容とFBIが発見した事実との間に矛盾があると指摘するようになった。

 

共和党の下院議員たちは、昨年10月にベンガジ委員会でヒラリー・クリントンが行った宣誓証言について指摘を行っている。

 

その1つが、ヒラリー・クリントンは繰り返し、自分の私的なEメールアカウントで機密情報のやり取りをしたことはなかったと述べた。FBIは後にヒラリーの私的なEメールサーヴァーに残っていた少なくとも3通のEメールで、機密情報を示す印が含まれていたが、それらは不完全であって、意図的ではないミスであったと結論付けた。

 

加えて、ヒラリーは、彼女の弁護士たちがEメールを一つ一つ調査したと主張した。また、業務に関わる全てのEメールは全て2014年に国務省に提出した、更には国務長官在任中にはEメールサーヴァーを1つしか使用しなかったとも主張した。共和党の下院議員たちはこれらのポイントがそれぞれ不正確であったと主張している。

 

下院議員たちは次のように書いている。「ヒラリー・クリントン前国務長官による宣誓証言の中の4つの部分がFBIの捜査で発見された事実と合致しない。私たちは、この情報が司法省の起訴に関する考慮に資することを願っている」。

 

今月初め、司法省は、グッドラテとチャフェッツに対して、司法省は情報を見直しており、「必要があれば適切な行動を取るだろう」と通告した。

 

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報告:クリントンの側近中の側近が国務省在職中にクリントン財団を助けた(Top Clinton aide at State Dept. helped Clinton Foundation: report

 

マーク・ヘンシュ筆

2016年8月11日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/291188-top-hillary-state-aide-helped-clinton-foundation

 

CNNは木曜日(2016年8月12日)、ヒラリー・クリントンの側近中の側近が国務省に在職中にクリントン財団のために働いていた、と報じた。

 

シェリル・ミルズは、国務省でヒラリー・クリントン長官の首席スタッフとして勤務しながら、クリントン財団への就職を希望する人物の面接を行った。

 

クリントン家の慈善活動財団は、2009年にヒラリーが国務長官に就任した時に、いくつかのルールを定めることに同意した。このガイドラインでは、財団の活動が「ヒラリー・クリントンが国務長官就任で、利益の衝突(相反)やその可能性が出てくるようなことが起きないように」すると定めてあった。ヒラリー・クリントンは現在、民主党の大統領選挙候補者だ。

 

CNNによると、2012年6月、ミルズはニューヨークに出向き、クリントン財団の幹部の地位に就くことを希望するビジネスの世界では著名なある人物2名を面接した。

 

ミルズの弁護士によると、国務省に在職中、ミルズがクリントン財団のために働く場合には、ヴォランティアとして行うことは厳しく守られていたし、報酬も受け取らず、政府のお金をかかった経費に充当することもしなかった、ということだ。

 

ヒラリー陣営の報道担当ブライアン・ファロンは木曜日、「シェリルは、他の慈善活動の時と同じく、個人の時間を慈善財団のために無償で提供した」と述べた。

 

ファロンは続けて次のように語った。「シェリルは、ニューヨークまでの旅費を個人で支払った。そして、彼女が行ったことは国務省での仕事とは全く関係ないものであったことは明らかだ。利益の衝突(相反)があったという考えは全くもって馬鹿げている」。

 

CNNは、「ミルズはファイザー社とウォルマート者からの転職希望者を面接した」と報じた。

 

ファイザー社もウォルマート社も共にクリントン財団の大口献金者である。また、クリントン・グローバル・イニシアティヴのパートナーでもある。

 

ミルズは現在、クリントン財団の理事であり、アフリカ各国でのビジネスに特化した開発組織を運営している。

 

批判者たちは、新たに公開されたヒラリーの側近の出したEメールは、国務省とクリントン財団がかかわる汚職事件の存在の兆候を示していると主張している。

 

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スクープ:クリントン財団についての徹底的な捜査を行うかどうか内部で議論が行われた(First on CNN: Inside the debate over probing the Clinton Foundation

 

ドリュー・グリフィン、パメラ・ブラウン、シモン・クロウペック筆

2016年8月11日

CNN

http://edition.cnn.com/2016/08/11/politics/hillary-clinton-state-department-clinton-foundation/

 

CNN発。FBIと司法省の幹部が数カ月前に集まって、クリントン財団に関する汚職事件を捜査するべきかどうかを議論した、とあるアメリカ政府高官が証言した。

 

当時、3名の捜査担当者は捜査を開始すべきだと主張した。クリントン財団に寄付を行っている外国人の怪しい動きをある銀行から通報を受けたため、彼らは捜査をしたいと述べたのだ、と前出の政府高官は証言した。

 

FBIの幹部たちは、ヒラリーの国務長官在任中に国務省とクリントン財団との間の利益の衝突(相反)に犯罪性があったかどうかを捜査したいと述べた。

 

司法省は、注目を集めた著作『クリントン・キャッシュ』が発売される1年前からクリントン算段に関する様々な疑いについて調査を行っていた。しかし、犯罪性が証明されないことがわかり、起訴に至るまでの証拠が不十分であることが分かった。

 

結果として、司法省幹部は今年初めの会議の中で事件化を行わないと決定した。また、捜査依頼が実質的なものと言うよりも政治的な意図があるように思われることに懸念を持つ人々もいた。国務省とクリントン財団との関係に関する捜査に入るタイミングが、ヒラリーの私的Eメールサーヴァーとヒラリーの大統領選挙戦と重なるということも懸念の材料になった。

 

ヴァージニア州知事テリー・マカリィフィと彼のクリントン財団への献金者との関係について、FBI側は捜査を行いたいと前出の会議で主張した。司法省側は捜査を継続しても良いが、クリントン財団に対する事件化を行わないようにと述べた。

 

クリントン財団、FBI、司法省の代表はそれぞれコメントを拒否した。

 

今週、クリントン財団に対する関心は高まった。ヒラリーの国務長官在任中のEメールが新たに公開され、その内容から、国務省とクリントン財団との関係について疑義が生じた。

 

新たに公開されたヒラリーのEメールは、国務省とクリントン財団との関係に光を当てるものであった。

 

CNNが調査した結果、ヒラリーの側近シェリル・ミルズは国務長官首席スタッフとして勤務していた当時、クリントン財団にもかかわっていたことが明らかになった。2012年にミルズはニューヨークを訪れ、クリントン財団の運営幹部の地位に就職希望の2名のビジネス界では有名な人物をそれぞれ面接した。国務省は、ミルズのニューヨーク訪問は彼女の個人的な時間の中で行われたとしている。ミルズの弁護士は「彼女はそうしたことを慈善財団へのヴォランティアで行った。報酬も受け取っていない」と述べている。

 

クリントン選対は声明を発表した。その中で「これらの活動全ては彼女の国務省での責務とは全く関係なことははっきりしている。利益の衝突(相反)があるなどという考えは馬鹿げている」と述べている。

 

先月、連邦議会で行われた公聴会において、FBIのジェイムズ・コミー長官は、クリントン財団が捜査中であるかどうかについて発言することを拒否した。コミー長官は、「捜査が行われているのか、行われていないのかについてコメントすることはない」と述べた。

 

利益の衝突(相反)が犯罪行為となるためには、政府職員(公務員)が、退職後の雇用やお金のような対価を受け取ったということを示す証拠がなければならない。

 

ジュディシャル・ウォッチが新たに公開した編集済みのEメールの中に、そのような汚職を示す内容はなかった。しかし、これらのEメールの内容から、国務省とクリントン財団との関係が近すぎるのではないか、特にヒラリーが国務長官就任時に、不適切な関係が出てくるのを防ぐために財団にはかかわらないと明言した後でも近すぎたのではないかという疑問が出てくる。

 

犯罪を構成するようなことがなくても、利益の衝突(相反)を生じさせる可能性がある場合には、国務省の首席監察官はそれを調査し、必要な場合には行政上の修正を加えなければならない。国務省首席監察官室は、今年に入ってからヒラリー在任中の国務省とクリントン家との間の関係を調査している。しかし、この問題については何も発表していない。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)











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古村治彦です。

 

 アメリカ大統領選挙で、共和党の候補者ドナルド・トランプをリードしている、民主党の候補者ヒラリー・クリントンのアキレス腱である、Eメール問題で進展がありました。

 

 ヒラリーのEメール事件(ウォーターゲート事件にちなんで、Eメールゲートとも呼ばれます)とは、2012年9月11日に発生したベンガジ事件の調査の過程で、「ヒラリーが国務長官在任中に、国務省が用意したハッキング対策がしっかりし、国務省の公式の記録として保存されるEメールアカウントではなく、私的なEメールアカウントを使っていた」ということが明らかになったことです。ニューヨークの自宅にある私的なEメールサーヴァーではハッキングに対して弱いこと、国務長官の業務に関しての記録が保存されないものが出てくる可能性があったこと、トップシークレット、機密情報をこのような脆弱なシステムでやりとしていたことは国家安全保障上の大きな問題であることなどから、ヒラリーと彼女の周辺は、「政治家の資質に欠ける」として、大変な批判を受けました。

 

 2014年12月にヒラリーは国務省に対して、国務長官在任中にやり取りしたEメールで残存していた30000通を提出しました。この30000通に関しては、FBIも捜査を行い、そのうちの110通で機密情報がやり取りをされていたことが確認されました。FBIは、「国家機密を脆弱なシステムでやり取りをしたことは国家を危険に晒す行動であった」という訴えを受けて捜査を行いました。FBIのコミー長官は、ヒラリーと彼女の周辺が、機密情報を私的なEメールアカウントでやり取りをしたが、大変に注意と配慮に欠けた行動であったが、これは何もこうした情報を漏えいさせよう、危険に晒そうという意図を持ってやったものではなかったとして、司法省に対して起訴すべきではないと報告しました。

 

 ヒラリーが2014年に国務省に提出したEメールは既に公開されています。今回問題になっているのは、ヒラリーが国務長官在任中にやり取りしたEメールの中で、消去されていたものを復元した30000通です。この復元を行ったのはFBIです。そして、復元されたEメールは記録保存の意味もあって国務省に提供されています。

 

 現在、国務省が持っている復元された30000通のEメールは、現在、分析作業が行われていますが、公開の日程は決まっていません。国務省に対しては、情報公開法に基づいて複数の訴訟が起こされ、それぞれにこの復元された30000通のEメールの公開を求めています。そのうちの主要な訴訟が保守系の監視団体ジュディシャル・ウォッチの訴訟です。そして、今回、ジュディシャル・ウォッチが手に入れたEメールのうち、3通で、

ヒラリーが長官在任中の国務省とクリントン財団との間に不適切な関係があったのではないかという疑いを起こさせる内容のやり取りが含まれていたのです。

 

 その内容は、クリントン財団がその関係者に対して、国務省の力を利用して便宜を図ってもらいたいという依頼を行ったというものです。口利きやあっせんということになります。

 

 消去された30000通のほんの一部からこのような内容のものが見つかったとなれば、残りにはどんな内容があるのかということは誰でも疑問に思うことですし、国務省が用意したEメールアカウントを使わなかったのは、こういう不適切な内容のやり取りが記録して残らないようにするためだったということは容易に考え付くことです。

 

 国務省が全部の公開までには75年もかかるなどというふざけたことを言っていると、ヒラリーに対する批判はますます大きくなっていくでしょう。「ヒラリーは政治家としての資質に欠けている」「公私の区別がしっかりしていない」という批判はますます大きくなっていくでしょう。

 

 また、国務省の用意したEメールアカウントであればしなかったであろう、赤裸々なやり取りで、もし大変なスキャンダルとなるものがあれば、ヒラリーにとっては命取りになるでしょう。焦点は、国務省がこれら復元されたEメールをいつ公開するかです。有権者の判断材料とするためには、一刻も早い全面公開が求められます。しかし、分析の手続きの煩雑さや人手不足を理由にして、国務省としては、選挙が終わるまで公開しないということにするでしょう。

 

 そうなると、「この選挙はヒラリーを勝たせるための、捻じ曲げられた、不正選挙であった」ということになって、ヒラリーがたとえ当選しても、その正当性がいつまでも疑問視されてしまうことになるでしょう。アメリカはますます分裂し、実際にヒラリー自身の身にも危険が及ぶことがあるかもしれません。

 

 しばらくあまり取り上げられなかったヒラリーのEメール問題ですが、新たな展開を見せています。

 

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消去されたヒラリー・クリントンのEメールは、選挙後まで秘密のままにされるかもしれない(Deleted Clinton emails might remain secret until after election

 

ジュリアン・ハッテム筆

2016年8月10日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/national-security/290906-deleted-clinton-emails-might-remain-secret-until-after-election

 

ヒラリー・クリントンの国務長官当時の業務に関わるEメールで消去されたものがFBIによって復元されたが、それらの内容については公開されていない。これによって、「大統領選挙投開票日までにこれらの内容がこうかいされるのかどうか」という疑問が広がっている。

 

FBIは、ヒラリーによって消去された業務に関わるEメールが「数千通」発見されたと発表したが、国務省はそれらを発表するスケジュールを決定していない。公に発表される時期については連邦判事たちが決定する。

 

国務省報道官のエリザベス・トゥルードウは火曜日、本誌の取材に対して文書で「私たちはFBIからこの材料(material)を受け取ったばかりで、現在どのような手続きを踏むべきかを検討中だ」と回答した。

 

情報公開法に基づいた複数回の請求と複数の訴訟では、Eメールの復元と提出が求められている。保守系の監視団体ジュディシャル・ウォッチとヴァイス・ニュースのジャーナリストであるジェイソン・レオポルドが訴訟を起こしている。

 

FBIは1年間にわたり行われたヒラリーのEメール装備に関する捜査の過程で、消去された30000通のEメールの中で数は特定されていないが、複数を復元した。これらのEメールが調査されたが、ヒラリーを起訴するに足るだけの証拠は見つけられなかった。

 

ヒラリーは、2014年末に保管の目的のために、国務省に別の30000通のEメールを提出した。

 

FBIのジェイムズ・コミー長官は先月、復元されたEメールの中で、国務長官の業務に関わるものは「数千通」あり、その中の3通には機密とされる情報が含まれていたと述べた。この時、コミーは、FBIはヒラリーが意図的に透明性に関する法律を破ったとする証拠は発見できなかったとし、ヒラリーと彼女の側近たちは過度に注意不足であったと述べた。

 

先週金曜日(2016年8月5日)、FBIは復元したEメールの最後の数千通を国務省に提供した。国務省には、これらのEメールを精査して、どれを機密扱いにして、公開する対象から除くのかを決定する責任がある。

 

国務省報道官トゥルードウは次のように述べている。「私たちはクリントン前長官から国務省に提出された材料を適切に調査した。私たちは、FBIからの追加された更なる材料について適切にかつ適法に分析し、業務に関するEメールがどれかを特定し、それらを私たちの法的な責務に基づいて公開できるようするであろう」。

 

作業の遅れによって、ヒラリーの消去されたEメールが11月の本選挙前に公開される可能性が不透明な状況になっている。

 

アメリカ科学者協会で政府の機密部門の責任者をしているスティーヴン・アフターグッドは本誌の取材に対してEメールで回答してきた。その中で、「言いにくいことだが、Eメールの内容に関して、業務関連かどうかについて、どこに線を引くかは決まっていないのだ」と書いている。

 

選挙後まで公開が遅れることによって、これは隠蔽工作だという批判が高まるのは間違いない。共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプは、選挙は自分に不利になるように、「仕組まれ、腐りきった」ものとなっていると批判し、Eメールが公開されないことをその証拠として挙げるだろう。

 

ジュディシャル・ウォッチ会長で、長年にわたりヒラリーを攻撃してきたトム・フィットンは、「全てを平等に扱うということなら、選挙までにEメールは公開されるべきだ。しかし、国務省がクリントン夫人の選挙戦を有利に働かせようとしている状況では、そんなことは不可能なことなのだ」と述べた。

 

フィットンは「見苦しい遅延工作は許されない」とも語った。

 

11月8日の投開票日の数週間前に、Eメールが公開されれば、これはヒラリーにとっては痛手となるであろう。これによってアメリカの人々はヒラリーの政治家としての能力と適正に関する問題に関して再び批判を強めるだろう。ヒラリー陣営としては極力触れられないようにしようとしていたことである。

 

 

Eメールをいつ公開するのかを決定する責任のほとんどは、究極的には、ワシントンの数名の連邦判事たちの手にある。彼らはヒラリーのEメールに関する情報公開法に基づく訴訟を担当している。判事たちはこれからの数週間で公開に関する手続きを含めたスケジュールを決定し、その実行を命じるだろうと考えられている。

 

前出のアフターグッドは「決定は国務省だけが行うのではない」と語った。

 

判事たちは国務省に対して、ヒラリーのEメールの発表を遅らせないように求めたが、国務省は情報公開法に基づく訴訟に対応するための人手や資源が不足していると常に訴え、分析にかかる時間がもう笑うしかないほどにかかると主張している。今年6月、共和党全国委員会の起こした訴訟に対応するためにヒラリーの側近からヒラリーへのEメールを分析するのには75年もの時間が必要になるだろうと国務省が主張したことがあった。

 

連邦判事が消去されたEメールに最初に関わる機会は2016年8月22日にある。この日にジェイムズ・ボーズバーグ判事はジュディシャル・ウォッチの起こした訴訟に関しての聞き取りを担当する。

 

全く別の情報公開法に基づく訴訟における弁論の中で、オバマ政権の法律家たちは今週、消去されたヒラリーのEメールの分析に関する決定は、8月22日の聞き取りの日までには行われないだろうと述べた。

 

政府側の法律形は次のように述べた。「復元された材料の中の連邦政府の記録が国務省の記録だとし、国務省がジュディシャル・ウォッチの起こした訴訟の当事者だとするならば、訴訟において分析のためのスケジュールを取ることは、限られた司法の資源を効率的に使うという点で最も利益の大きいものとなる」。

 

11月8日の投開票日までに、数千通のEメールが公開されるための残された日数は2か月半しかない。

 

加えて、消去されたEメールに関する複数の訴訟はその中身が微妙に違っており、ジュディシャル・ウォッチの訴訟で適応されるルールが、他の訴訟で証拠として必要とされているEメールに対して適応されないということが起きる可能性がある。こうした相違点によって、Eメール分析の時間が更に必要になり、そうなると公開までにもっと多くの時間を必要とするようになる。

 

ジャーナリストであるレオポルドは、月曜日の夜に行われた法廷での弁論で次のように訴えた。「国務省は時間がかかるという主張をしている。問題は、それを何とかして解決するか、もしくは本訴訟やその他の訴訟において、大統領選挙の投票日を過ぎても発表しないという遅延をそのままにしておくか、ということだ。そうなれば、情報公開法によって保障されている情報を本訴訟の原告やアメリカ国民に与えないままにするということになる」。

 

消去されたEメールが国務省のウェブサイトに掲載されるか、もしくはレオポルドのような訴訟当事者に直接渡すようにという法廷の命令が出るかどうかははっきりしない。2014年にヒラリーから国務省に提出された30000通のEメールの場合は、2014年中にウェブサイトに掲載された。以前に公表されたEメールは、裁判所の命令に準じて、昨年中に月に1回のペースで公開された。そのために、昨年はヒラリーと彼女の選対にとっては痛手となる報道が続けられた。この裁判所の命令は恐らく今回の消去されたEメールに関しては適用されないだろう。

 

ヒラリーのEメールに関して訴えを起こしている訴訟当事者たちは、彼らが手に入れたEメールの内容を公開したいという熱意を持っている。

 

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新たに公表されたヒラリーのEメールの中で、不適切な関係の兆候があると批判者が発表(Critics see signs of improper ties in new Clinton emails

 

ジュリアン・ハッテム筆

2016年8月10日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/national-security/291006-critics-seen-signs-of-improper-ties-in-new-clinton-emails

 

共和党は、新たに公表されたヒラリーの側近からヒラリーへのEメールを手に入れ、それらを調査して、国務省とクリントン財団との間の汚職の兆候があると発表した。

 

保守系のグループであるジュディシャル・ウォッチによって新たに公開された44通のEメールの内、3通が国務省幹部とクリントン家と関係を持つ人々との間で不適切な関係があったことを示す兆候がある。

 

1つ目のEメールは、2009年初に、ビル・クリントン元大統領の「付き人」を務めた

人物が国務省にいるヒラリー・クリントンの側近に対して、氏名は分からない誰かに「便宜を図って」くれるように依頼するメッセージを送ったものだ。

 

2つ目のEメールは、元付き人、名前をダグ・バンドというが、彼がヒラリーの側近フーマ・アベディンとシェリル・ミルズに対して、財団の献金者でレバノン系ナイジェリア人の富豪と国務省内のレバノン関係の「然るべき人」をつなぐように依頼するものであった。

 

3つ目のEメールは、モルガンスタンレー・アジア社社長がヒラリーに対して、彼が連邦議会で行った証言の記録を送ってきて、「私ができる方法で」、ヒラリーの仕事を手助けさせて欲しいようにというものであった。その翌日、ヒラリーは、アベディンに対して、「大使館やその他のイヴェント」で彼を「北京」とつなぐようにと命じた。

 

共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプの陣営は水曜日、報道陣に対して、「最新のEメールスキャンダルが明らかにしたのは、コネや便宜に関するものであった」と厳しく批判した。

 

共和党全国委員会の報道担当マイケル・ショートは声明の中で次のように述べている。「クリントン財団が便宜を図るように求めたのが、ヒラリー・クリントンが国務長官になってわずか3カ月しか経過していない時期であったことが大きな問題だ。また利益の衝突(相反)、倫理的に正しくない行いや契約などをヒラリーが今度はホワイトハウスに持ち込むことになるだろうという推論も無理なく成り立つ」。

 

新たに公開されたEメールは、ヒラリーの行動を裏付ける証拠として新たに付け加えられるもので、これまでに発表されたEメールは、大統領選挙を通じて常に彼女に付きまとう批判の基になっている。

 

今年の6月、ヒラリーと国務省は、「ヒラリーが国務長官時代に、彼女の2008年の大統領選挙の選対にいた金融トレイダーを、その適性が全くないのに、国務省の諜報・情報顧問会議のメンバーに任命しようと圧力をかけた」という疑いが出てきて、それについて批判に晒された。

 

新たに公表されたEメールの中で、ある国務省職員は、この金融トレイダー、ラジフ・ファーナンドは「クリントンの事務室の“強い主張”によって加えられた」と書いている。

 

この夏に公開されたEメールの中で、ヒラリーの側近であるフィリップ・レインズは、「彼は大統領の健康管理会議のメンバーにでもなれるんじゃないの?」と冗談を書いていた。

 

ヒラリーを批判する人々は、Eメールが少しずつ明らかにされることについて、これは、民主党大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンがニューヨークにある彼女の自宅に置いてある私的なサーヴァーから約30000通のEメールを削除することで、彼女の政治家としての資質とEメールと財団に関する問題に関する議論が起きないようにしようとしているのだと訴えている。ジュディシャル・ウォッチが今週になって新たに明らかにしたEメールは、2014年に保管のためにヒラリーが国務省に提出した数千通の業務関連のEメールの中にはなかったものである。

 

火曜日夜に発表された声明の中で、トランプ陣営の国家政策担当責任者スティーヴン・ミラーは次のように述べている。「彼女は公的な役職を個人の富を増やす手段としか見ていない。そして、彼女が手にする1ドル1ドルは、公共の福祉を犠牲にして、彼女にもたらされているのだ」。

 

「この最新の発見は、政府が腐敗していることを示す、見苦しい証拠である。そして、ヒラリー・クリントンが最初から嘘をつき続けている証拠でもあるのだ。更には、FBIの捜査を妨害するために彼女は嘘をつき続けたし、Eメールを消去したという結論が合理的に導き出される」。

 

FBIは1年間にわたって続けられた機密情報の間違った取扱いに関する捜査の中で消去されたEメールを復元した。その数は公表されていない。この中には、国務長官の業務に関するものと考えられ、国務省に提供されるべきEメールは「数千通」ある。

 

これらのEメールの多くが現在行われている記録公開に関する訴訟の対象となっているが、これらが11月の投開票日までに公開されるかどうかははっきりしない。

 

国務省のエリザベス・トゥルードウ報道官は火曜日、記者たちに対して次のように語った。「国務省は、クリントン前長官から発信された、もしくは彼女が受け取ったEメールに関して、FBIから文書を受け取った。これらは2014年12月にクリントン前国務長官が国務省に提出したEメールとは全く別のものだ」。

 

トゥルードウ報道官は「クリントン前長官のEメールに関する情報公開法に基づく請求が数多くなされている。私たちは現在、それらに対応することに集中している」と語った。

 

国務省は、ヒラリーの政府街の人間関係が国務長官としての責務に影響を与えたことはないと述べている。

 

この夏、FBIのジェイムズ・コミー長官は、国務省とクリントン財団との間の不適切な関係について捜査をする可能性があるかと問われ、その可能性について言及することを拒否した。

 

しかし、ヒラリーのEメール問題は1年以上にわたり取り上げ続けられており、ヒラリーに対する人々の信頼を大きく損ねている。彼女の私的なEメールサーヴァーとクリントン財団に関して人々の関心が集まり続けるならば、批判もまた大きくなっていくだろう。

 

火曜日夜のフォックス・ニュースに出演したトム・コットン連邦上院議員(アーカンソー州選出、共和党)は次のように語った。「司法においては、目撃者や当事者が証拠を破壊したら、彼らの主張とは全く逆の推論をすることが許される。クリントン財団とヒラリー・クリントン率いる政府両方において汚職がなされていたということを考えると、私は、アメリカ国民は全く逆の推論をするのが合理性に適っていると考える」。

 

コットン上院議員は「彼女は公的機関の調査を避けるために特にEメールサーヴァーを設置した。ヒラリー・クリントンについては彼女のEメールに関する論争とクリントン財団についての論争があるが、これらは2つの全く関係のない論争ではない」と語った。

 

コットン上院議員は更に「これらは結局同一の問題について論争をしていることなのだ」と語った。

 

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記者が報道官に対して、ヒラリー・クリントンのEメールに関して爆発:「私は英語を話していませんか?」(Reporter goes off on spokeswoman over Clinton emails: 'Am I not speaking English?'

 

ケイトリン・イレック筆

2016年8月11日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/291181-frustrated-reporter-goes-off-on-state-dept-spokeswoman-am-i-not

 

木曜日(2016年8月11日)、国務省報道官の答えに対してある記者が不満を表明した。この記者は報道官に対してクリントン財団について、倫理上の問題があったかどうかを質問した。

 

記者たちは、国務省報道官エリザベス・トゥルードウに対して、ヒラリー・クリントンが国務長官在任中に、クリントン財団と国務省の間で不適切な関係があったかどうかを次々と質問した。

 

記者たちが異口同音にこのような質問をするのは、2009年からのヒラリーのEメールが新たに公開され、その中で、クリントン財団とつながりを持つ長年にわたるクリントン家に近いある人物が、ヒラリーの側近に対して、全く不適格な人物に対してある地位を与えるように求める内容のものがあった。

 

トゥルードウは、国務省は様々な人物と「定期的に接触を持って」いると答えた。

 

アソシエイティッド・プレス(AP)通信のマット・リーはこの答えに不満を覚え、トゥルードウに食って掛かった。

 

リーは「失礼ですが、私は英語を話していませんかね?」と言った。

 

「私はそんなに詳しくはありませんがね、国務省が様々な人たちと様々な接触を行うことについて、誰も良くないとか悪いことだなんて言っていません。私はそんなことを質問していません。私たちが聞いているの名は、不適切な関係があったとあなたが言えるのかどうかということです」。

 

ヒラリーに対する批判者たちは、長年にわたり、ヒラリーが国務長官在任中に、クリントン財団との関係で、利益の衝突(相反)があったのではないかという疑問を呈してきた。ヒラリー・クリントンは現在、民主党の大統領選挙候補者である。

 

(終わり)

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