古村治彦です。
ドナルド・トランプ大統領の盟友であり、カジノ経営企業グループであるラスヴェガス・サンズの総帥シェルドン・アデルソンは今回の選挙でもトランプ陣営と共和党に対して、最大で5000万ドル、日本円で約53億円の資金を投じる予定だという報道が出た。
7月末時点でのトランプ陣営の持っている選挙資金が1億2100万ドル(約127億円)、バイデン陣営が9900万ドル(約104億円)だ。8月の選挙資金集めでは、バイデン陣営と民主党全国委員会が3億6500万ドル(約380億円)、トランプ陣営と共和党全国委員会が2億1000万ドル(約220億円)だった。トランプ陣営がやや追い上げられているという印象だ。そこに額は確定ではないが20億円から50億円が投じられるというのはやはり大きい。
しかし、奇妙なことに、アデルソンの多額の選挙資金への投入という報道が出てから、トランプ大統領がアデルソンに対してそこまでしなくても良いと述べた、という報道も出た。これを報じたのが、民主党とバイデン陣営の応援団である『ニューヨーク・タイムズ』紙だ。この報道の意図が何なのかはっきりしない。
新型コロナウイルス感染拡大によってカジノ業界も大打撃を受けた。今年に入って、サンズグループは日本への進出を凍結するという発表を行った。まずは既存のカジノを守るということになった。この発表の時にはアデルソンも相当苦しいという報道も出た。
確かに、今回の選挙でアデルソンは20億円から50億円の巨費を投じるということではあるが、2016年の選挙の時には100億円近くの資金を投じた。今回は多くてもその半分程度ということになる。やはり彼自身も資産を減らすなど相当苦しいのだろう。トランプ大統領がそこまでしなくてよいということをアデルソンに述べたというのが、「あなたも苦しいだろうから」ということでのことなら、友情物語ということになる。
アデルソンにそこまでお金を出さなくて良いと述べたのは、もっと出せるだろ、そんなはした金なら要らないんだよ、受け取らないよ、というメッセージだろう。まぁ50億円というならそれで勘弁してやるが、20億円なんて舐めた口をきくなよ、ということだろう。そんなに甘い世界ではない。貰ってやるよ、ということだろう。
選挙戦も残り50日を切っている。ラストスパートであるが、10月に何かが起きるオクトーバー・サプライズということも考えられる。大接戦であり目が離せない。
(貼り付けはじめ)
大富豪のシェルドン・アデルソンはトランプ支援のために2000~5000万ドルを投じる予定だ(Billionaire Sheldon Adelson planning to spend $20-50 million
supporting Trump: report)
カエラン・ディース筆
2020年9月16日
『ザ・ヒル』誌
https://thehill.com/homenews/campaign/516710-billionaire-sheldon-adelson-planning-to-spend-20-50-million-supporting
カジノ経営を大富豪であり、共和党への大口献金者シェルドン・アデルソンはトランプ大統領の再選を支援するために2000万ドルから5000万ドルの資金を投じる予定だと報じられている。
水曜日、CNBCは複数の取材源が、アデルソンがトランプ選対に勢いをつけたいと考えていると取材に対して答えたと報じた。
報道によると、アデルソンが投じる資金の大部分は「プレザーヴ・アメリカ」に投じられることになる。「プレザーヴ・アメリカ」は新たに創設されたトランプ支援のスーパーPACである。その他には、トランプ選対、共和党全国委員会、共和党所属の連邦議員たちを支援する団体にも資金が投じられる。
本誌はアデルソンの広報担当にコメントを求めた。
CNBCの報道に続き、『ニューヨーク。タイムズ』紙は、トランプ大統領がアデルソンに対して再選に対してより多くの資金を投じなくてもよいと求めたと報じた。
「センター・フォ・レスポンシヴ・ポリティックス」のデータによると、アデルソンと妻は、4年前の選挙には、共和党に対して8200万ドル以上の資金を投じた。今回の選挙に比べて2700万ドル以上も多かった。
リアルクリアポリティックスの全国規模の世論調査の平均によると、トランプは民主党の候補者ジョー・バイデンを追いかけている。その差は6.2ポイントである。
(貼り付け終わり)
(終わり)



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