古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:ジェイムズ・コミー

 古村治彦です。

 

 先週金曜日にFBIのジェイムズ・コミー長官が連邦議会の委員会に出した書簡が民主党とヒラリー選対を揺り動かしています。

 

 この件について、競争相手であるドナルド・トランプは、「FBIは間違いを正す勇気を持っている、それに敬意を表する」と発言しています。ヒラリーのEメール問題によって、アメリカ大統領選挙の最終盤は混沌とした状況になっています。

 

 コミーの書簡送付について、司法省のロレッタ・リンチ長官は政治的な影響を考えて、送付を控えるようにと助言したということです。そもそも、ヒラリーのEメール問題の刑事訴追に関しては、2016年7月にコミーFBI長官が、刑事訴追に足る証拠が見つからなかったとして刑事訴追しないように司法省のリンチ長官に勧告したことでいったん終息することになりました。

 

 FBIと司法省の関係ですが、FBIは捜査を行う部門で、司法省の司法長官は英語では、Attorney Generalで、これは「検事総長」とでも訳すべきものです。そもそも政権内の他の閣僚たち、たとえば国務長官や国防長官は、Secretary of StateSecretary of Defenseと、Secretaryですから、司法長官は職分や立場は違います。

 

 ヒラリーのEメール問題が刑事訴追されるかどうかの時期に、リンチ長官はアリゾナ州の空港で、「ばったりと」ビル・クリントン元大統領に会って、噺をしています。「家族の話をしていた」などと呑気なことを言っていますが、ビル・クリントンのお蔭で出世ができたロレッタ・リンチが微妙な時期に彼に会って、刑事訴追見送りということになる、これはアメリカの司法制度や統治制度がフ反していることを示しています。

 

 これについて、トランプは「アメリカ国民こそがこの腐敗したシステムの被害者なのだ」と発言しました。まさにその通り、であるとしか言えません。

 

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トランプ:ヒラリーは被害者ではない(Trump: Clinton is not the victim

 

ベン・カミサール筆

2016年10月31日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/303619-trump-clinton-is-not-the-victim

 

共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプは月曜日、ミシガン州の選挙集会において、「ヒラリー・クリントンに“法的なトラブルが頻発している”のは、誰のせいでもない、自分のせいなのだ」と語った。

 

アンソニー・ウェイナー元連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)のコンピューターから押収された新たなEメールを調査するというFBIの決定を受けて、トランプは大統領選挙のライヴァルであるヒラリーを攻撃した。

 

トランプは、「ヒラリーは自分の周囲で法的なトラブルが頻発していることについて、自分以外の全ての人を非難したいと思っているだろうが、こうしたトラブルは彼女自身がもたらしたものだ」と語った。

 

トランプはミシガン州グランド・ラピッズでの選挙集会で続けて次のように語った。「ヒラリーは自分の犯罪行為を隠すために私的なEメールサーヴァーを利用したのだ。ヒラリーは国務省で、堕落した地位を利用して私腹を肥やすあっせん利得、賄賂の受け取りをやってのけた人間なのだ」。

 

トランプは次のように語った。「ヒラリーは犠牲者ではありません。アメリカ国民こそがこの腐敗したシステムの犠牲者なのです。11月8日こそは皆さんにとってこのシステムを変える唯一のチャンスになります」。

 

ジェイムズ・コミーFBI長官は金曜日、FBIがヒラリーEメール問題について新たなEメールを調査していると発表した。これが最終盤を向けている選挙戦に影響を与えている。ヒラリーのEメール問題(国務長官在任時に私的なEメールサーヴァーを利用した)が再び注目を浴びるようになっている。

 

今年の夏、コミーは、ヒラリーが機密情報を意図的にやり取りしていたことを示す証拠が発見できなかったと発表した。先週金曜日、コミーは、ヒラリーのEメール問題の捜査に関連することが明らかな新たなEメールが発見されたと発表した。

 

民主党側は、コミーFBI長官が選挙に介入しようとしている非難している。そして、コミーの連邦議会委員会への書簡には詳細が書かれていないと批判している。

 

共和党側はコミーを擁護している。コミーの発見は、ヒラリーが国務長官在任時に機密情報を如何に誤って取り扱っていたかを示していると主張している。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)









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 古村治彦です。

 

 オクトーバー・サプライズが起きました。しかも全く予測できなかったところから。ここ最近、「アメリカ大統領選挙の結果はもう決まったなぁ」と思い、日本政治の方に関心を持っていたのですが、今週末に大変なことが起きました。

 

 FBIが、ヒラリー・クリントンのEメール問題に関連する可能性がある新たなEメールを発見したと発表しました。大統領選挙投開票日まで残り10日余りの段階で、このような発表をするのは、よほどの自信、確信がなければできないことです。大した内容でなければFBIの政治介入ということになって、長官以下、幹部職員から関わった捜査官まで全員処分の対象になります。更迭、粛清ということになります。

 

 見つかったEメールに、機密情報が含まれている可能性があり(とFBIが述べていますが、こういう発表をしたのですから、含まれているということでしょう)、それを慎重に調査分析するということをFBIのジェイムズ・コミー長官は連邦議会に報告しました。

 

 この新たなEメールが見つかったのは、ヒラリーとは無関係(でもないとも言えます)のアンソニー・ウェイナー元連邦下院議員の事件の捜査の過程です。ウェイナーは、ヒラリーの側近中の側近、2人目の娘とまで呼ばれるフーマ・アベディンの夫(別居中)です。ウェイナーは連邦下院議員をしていたのですが、わいせつな内容のメッセージ(自分の性器の写真)を複数の女性に送ったことが明らかになり、議員辞職をしました。これは呆れた出来事ですが、犯罪ではありません(相手が嫌だと言うのに無理やり送ったら犯罪ですが)。

 

 現在ウェイナーが捜査を受けているのは、15歳の女性にわいせつなメッセージを送ったという容疑です。これもまた自分の性器を写した写真を送ったというものです。よほど自分の性器に自信があるのか、露出狂なのかと呆れてしまいますが、今回は、未成年の女性との性的な関係ということで犯罪となります。また、ウェイナーにはアベディンとの間に設けた息子(まだ幼児です)がいるのですが、送った写真の中に彼の幼い息子さんが写りこんでおり、それが幼児虐待に相当するということにもなっています。

 

 別件で色々と調べていたら、ヒラリー関連のEメールが出てきちゃった、瓢箪から駒、ということのようですが、FBIの現場捜査官たちは、狙ってやったんだろうと思います。大手門から攻めようとして失敗(7月に刑事訴追に相当せずという判断が下った)、ということなので、搦め手から攻めたらうまくいったということだと思います。

 

 今回のことで、ヒラリーのEメール問題が最後の最後で再び中心的な話題となります。これからの1週間、ヒラリーのEメール問題は蒸し返され、ヒラリーの支持率はこれまでも下がってきましたが(このブログで既にお知らせしています)、更に下がっていくでしょう。

 

私は、今回の大統領選挙はヒラリーの支持率の急落の可能性も含めて、五分五分の勝負、トランプにしてみれば、土壇場で逆転ホームランが出た分、トランプに有利になったのではないかと考えています。

 

(貼り付けはじめ)

 

ウェイナーに対する捜査の中で、新たなクリントンEメールが発見された(New Clinton emails discovered in Weiner investigation: report

 

ケイティ・ボー・ウィリアムズ筆

2016年10月28日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/national-security/303333-new-clinton-emails-discovered-in-weiner-investigation-report

 

FBIが発見した新たなEメールは、ヒラリー・クリントンの私的Eメールサーヴァー使用の捜査に「関連している」可能性があるとFBIは発表した。『ニューヨーク・タイムズ』紙が報道したところによると、新たなEメールは、ヒラリーの長年の側近フーマ・アベディンと彼女の別居中の配偶者アンソニー・ウェイナー所有のコンピュータをFBIが押収して、それから発見された、ということだ。

 

元連邦下院議員アンソニー・ウェイナーは現在、未成年の女性との間で性的な関係を持ったという容疑で捜査を受けている。

 

先月、『ザ・デイリー・メール』紙は、ウェイナーからひわいなメッセージを送られたと主張する15歳の女性インタヴューを掲載した。

 

ウェイナーは、ひわいなメッセージを複数の女性に送ったことが明らかになった後、2011年に連邦下院議員を辞職した。

 

連邦議会に送られた書簡の中で、FBI長官ジェイムズ・コミーは、FBIは「捜査に関連することが明らかな」新たなEメールが存在することを発見したと述べた。このEメールは、「無関係な事件の関連で」発見されたとコミーは書いているが、それ以上の説明をしていない。

 

FBIの捜査ティームからの情報提供を受けた後、コミーは、「Eメールが機密情報を含んでいるのかどうかを決定し、我々の捜査にとっての重要性を評価するために、FBIが適切な操作手順を踏むことに同意」した。

 

コミーは、新しいEメールが「重要」であるかどうかをFBIが分析するのにどれくらいの期間が必要かを予測することはできないと述べた。これは、捜査が11月8日の投開票までヒラリーの頭の中を占めることになることを意味する。

 

(貼り付け終わり)

 


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