古村治彦です。

 

 FBIがバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ―モント州選出、無所属)の妻が大学の学長を務めていた時期の詐欺行為について捜査をしていることが明らかになりました。サンダース議員は昨年の大統領選挙の民主党予備選でヒラリー・クリントンに対抗し、多くの支持を集めました。

 

 サンダース議員の妻ジェインが大学の学長だった時に、借入金をするための書類で虚偽記載を行っていた疑いがあるということで、FBIが捜査を行っているという記事が出ました。

 

 ジェイン・サンダースは、2004年から2011年にかけて、ヴァーモント州のバーリントン・カレッジ(1972年創設)という小さな大学の学長を務めました。この大学があったバーリントン市は、1980年代にバーニー・サンダースが市長を務めた町です。

 

 ジェインは学長時代にキャンパス拡張のために資金を借り入れようとした際に、申請書類に、的外れで事実ではない寄付金収入見込みを記載し、借り入れに成功しましたが、キャンパス拡張のために借金をした上に、寄付金も集まらず、バーリントン・カレッジは債務超過に陥りました。そして、2016年に閉校してしまいました。

 

 日本でも少子化のために大学、特に地方の私立大学では定員割れを起こし、経営が成り立たず、地方自治体が経営を引き受け、「公立化」するという流れになっています。公立化することで、国からの補助金も増額となり、学費が安くなり、国公立となるために受験生が増加するという良い流れになりますが、大学を潰したくない、大学を誘致した責任を追及されたくない、ということで公立化しますが、最終的には税金で延命させるということでしかありません。

 

 話がそれましたが、ジェイン・サンダースの虚偽記載が追及されているようです。これは、バーニー・サンダースとは直接関係ない話ですが、ジェインが逮捕されるようなことになれば、バーニー・サンダースに、少なからず影響が出ると思われます。しかし、大きな話にはならないだろうと思われますが、大学経営の大変さということに私自身が関心を持っているので、この話を取り上げました。

 

(貼り付けはじめ)

 

FBIがジェイン・サンダースの銀行に対する詐欺行為容疑を捜査中(FBI investigating Jane Sanders for alleged bank fraud: report

 

オリヴィア・ブリーヴァース筆

2017年5月7日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/senate/332313-fbi-investigating-jane-sanders-for-alleged-bank-fraud-report?rnd=1494197255

 

連邦捜査局(FBI)は現在、アメリカ連邦上院議員バーニー・サンダース(ヴァーモント州選出、無所属)の配偶者ジェイン・サンダースが、バーリントン・カレッジの学長を務めている時に借入金の書類に虚偽の内容を記載したという容疑で捜査を行っている、とフライデー。デイリー・コーラー・ニュース・ファウンデーションが報じた。

 

リベラル・アーツ教育を行っていた小規模大学であったバーリントン・カレッジは、破産し、学位発行認定基準に達しないことになり、2016年5月に閉校した。

 

サンダースが学長であった2004年から2011年の間に、バーリントン・カレッジは財政的に苦境に陥り始めた。2010年にバーリントン・カレッジが新しい校地を購入した際に1000万ドル(約11億円)の債務超過に陥った。

 

ジェイン・サンダースには、学長時代にバーリントン・カレッジのグラウンド拡張のための資金調達の借入金申請書類に虚偽の情報を記載したという容疑がかけられている。

 

デイリー・コーラーは、借入金を申請する際に寄付金を受けることができると銀行側に述べていた寄付者たちに対して、FBIと米連邦預金保険機構(FDIC)が接触を図っている。

 

サンダースは2011年に学長を辞任した。その理由は明らかにされていない。

 

2010年の借入金申請書類によると、サンダースは新たな土地取得のために260万ドルの寄付を集めることができると書いていた。しかし、彼女が最終的に集めることができたのは、4分の1にあたる金額だけで、それ以降の4年間ではたったの676ドルであった。そのために、バーリントン・カレッジは2016年5月に破産してしまった、とデイリー・コーラーは報じている。

 

デイリー・コーラーは、サンダースが借入金申請書類に記載した寄付者の数と実際の数は食い違っていると報じている。

 

2010年の借入金申請書類では、コーリー・ボヴ・マイエッタが5年で1万ドルを寄付する予定だと書かれていた。しかし、マイエッタは自分が死亡したら遺産をバーリントン・カレッジに寄付はするとは申し出ていたが、その金額は特に決めていなかった、とデイリー・コーラーの取材に答えている。

 

マイエッタの税理士であるリチャード・モスはデイリー・コーラーの取材に対して、FBIが連絡をしてきて、マイエッタと一緒に質問を受けて欲しいと依頼されたと述べた。

 

モスはデイリー・コーラーに対して次のように語った。「納税期間である3月か4月のことでした。コーニー・マイエッタさんの現在の住所とバーリントン・カレッジについてお話を伺いたいのだがどこか適当な場所はないですかという問い合わせがありました」。

 

アメリカ連邦上院議員バーニー・サンダースはデイリー・コーラーからのコメントを求められたが答えていない。

 

サンダース議員の報道担当ジェフ・ウィ―ヴァーは、デイリー・コーラーに対して専修出した声明の中で、FBIはジェイン・サンダースに接触していないと述べた。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)





アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22