古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:ジャレッド・クシュナー

 古村治彦です。

 

 米朝首脳会談が「成功」に終わり、最も得をしたのは中国、最も損をしたのは日本ということは衆目の一致するところだと思います。中国は朝鮮半島からアメリカ軍を追い払うことができることになりました。6月19日から20日にかけて金正恩委員長が中国を訪問しますが、「朝鮮半島の中国の従属国への復帰」のお祝いをしていることでしょう。

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 韓国は言葉の障壁がない安い労働力と投資先を得て、中国ともっと緊密につながり、一帯一路に陸路で参加でき、ロシアからパイプラインで天然資源を手に入れることが出来る可能性が高まりました。そのために北朝鮮の「非核化」の費用や開発のお金を支払うことは当然だし、安いものだと思っているでしょう。これで経済が刺激されればGDPが伸びると計算しているでしょう。また、北朝鮮と「一体化(統一は体制が違いすぎますし、奇妙な世襲制スターリン主義とはいくら何でも統一国家)」することで、実質的に「核兵器を持つ大国」となることができます。

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 日本はアメリカに捨てられ(アメリカが勝手に東アジアの最前線から引き揚げて、日本を最前線にする)、しかも、従属国であることはそのまま、更にお金をもっと出させられるという結果になりました。日本の安全保障上、北朝鮮の非核化にお金を出すのは良いと思いますが、それで安全保障環境が改善するのですから、国防費の伸びを抑える、もしくは削減するということにならねば実質的に国防負担が増大するということになります。アメリカは既に日本に国防費の増額を執拗に要求しています。大して守ってくれない宗主国にお金だけを取られるという最悪の状況になるでしょう。

 

 米朝首脳会談ではっきりしたのは、アメリカの衰退、それでもアメリカは東アジアで日本を最後まで従属国として手放さず、一緒に沈めようとしていることです。心中相手に選ばれてしまったということです。今回の米朝首脳会談を主導したのは、ジャレッド・クシュナーとマイク・ポンぺオ国務長官だったようです。下に貼り付けたいくつかの記事の最後に、クシュナーが昨年夏から北朝鮮とトランプ政権との間に秘密の交渉チャンネルを作っていたことを報じる記事を掲載します。

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クシュナー(左端)とその隣のポンぺオ 

 クシュナーは「ヤング・キッシンジャー」として、トランプ政権内部で、「リアリスト」として影響力を持っています。今回の米朝首脳会談に関して、表に出てこないイメージでしたが、昨年の夏に既に秘密の交渉チャンネルを作っていたということで、その手腕は確かなものと言えるでしょう。

 

 クシュナーに北朝鮮から働き掛けがあった時に、クシュナーが外交を所管する国務省のレックス・ティラーソン長官ではなく、スパイ組織統括や情報収集を専門とするCIAのマイク・ポンぺオ長官に話をしたという点が重要です。今年になってティラーソンが国務長官を解任され、ポンぺオが後任となったということを考えると、ティラーソン更迭にはクシュナーが関わっていた、米朝首脳会談はクシュナーとポンぺオのコンビが主導したということになります。

 

 ポンぺオについては、以下の記事にあるように、国務長官に決まった時点で、「コーク兄弟のための国務長官」という評価が出ていました。ポンぺオは自身が起業する際には、コーク兄弟が経営するコーク・インダストリーズの子会社から資金提供を受けましたし、連邦下院議員選挙に挑戦する際には多額の資金提供をコーク兄弟から受けました。コーク兄弟については、私が訳しました『アメリカの真の支配者 コーク一族』(ダニエル・シュルマン著、講談社、2015年)を是非お読みいただきたいと思います。コーク兄弟は、リバータリアニズムを信奉しています。リバータリアニズムは反中央政府、反税金、反福祉で、アメリカの対外戦争、外国への介入に反対の立場を取ります。この点で、クシャナ―と師匠であるヘンリー・キッシンジャーと同じです。コーク兄弟から恩義を受けたポンぺオがそこに加わることで、今回の米朝首脳会談がとりあえず「成功した」ということになります。

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アメリカの真の支配者 コーク一族

 

 更に言えば、コーク・インダストリーズは石油や天然資源の開発を基幹とし、様々な事業を展開しているビジネス帝国です。コーク兄弟の父親でコーク・インダストリーズの創業者フレッド・コークは巨大石油企業メジャーと戦ってきた人物です。北朝鮮には豊富な天然資源が眠っていると推定されています。コーク兄弟はこの開発にも進出しようと考えているのではないかと思われます。


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 また、ドナルド・トランプ大統領の強力な支持者にカジノ王シェルドン・アデルソンがいます。アデルソンはアメリカのユダヤ人社会のリーダーでもあり、ジャレッド・クシュナーにとっては先輩格にあたる人物です。私は米朝首脳会談のニュースで、金正恩委員長が、アデルソンが経営しているシンガポールのマリーナ・ベイ・サンズを訪問し、居合わせた人々に愛嬌を振りまいていた姿を見ました。北朝鮮がカジノを誘致したいという考えを持っているということは以下の記事に書かれているとおりです。アデルソンは日本のカジノ建設推進にも積極的にかかわっています。このように考えると、アデルソンは北朝鮮の中国国境近くの羅津や新義州の経済特区に進出したい、中国の富裕層が資金洗浄や資金を逃がすことが出来るようなカジノを作りたいと考えているのではないかと思います。アデルソンがトランプ、クシュナーに影響を与えたということは十分に考えられます。

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トランプとアデルソン




 このように見ていくと、キッシンジャー・アデルソン・クシュナーというビジネス優先のリアリストと、コーク兄弟・ポンぺオというリバータリアンのつながりが米朝首脳会談を「成功」させたと考えることが出来ます。

  

(貼り付けはじめ)

 

ポンぺオという選択はトランプがコーク兄弟と協力するという姿勢を闡明するものだ(Selection of Pompeo Solidifies Trump’s Position with Koch Brothers

 

―レックス・ティラーソンからマイク・ポンぺオに国務長官に交代となるが、ポンぺオの起用は外交政策をコーク兄弟のお気に入りが担当することを意味する

 

アデル・M・スタン筆

2018年3月14日

『ジ・アメリカン・プロスペクト』誌

http://prospect.org/article/selection-pompeo-solidifies-trumps-position-koch-brothers

 

ドナルド・J・トランプは、コーク兄弟がトランプは大統領の座にとどまってよいと考える限り、アメリカ大統領の座にとどまることが出来るだろう、と私はこれまで主張してきた。つまり、政治的な影響力を持つ大富豪の兄弟は2010年の中間選挙で共和党が連邦下院で過半数を占めることに貢献した。彼らは連邦下院を支配している。アメリカの統治システムにおいて、大統領をその座から追い落とすための実効的な試みは連邦下院からしか始められない。連邦下院は唯一大統領の弾劾を行える統治機関である。簡潔に述べるならば、トランプは弾劾といった事態を避けるためにコーク兄弟を自分の味方に引き入れておく必要があるということだ。トランプの重要な公約である大幅減税を法律にすることに関し、トランプは立場が少し弱いということになる。

 

2016年、コーク・インダストリーズの経営者で、巨大は右派の政治組織を作ったチャールズとデイヴィッドはトランプを侮辱する政治ショーを展開した。チャールズ・コークはトランプとヒラリー・クリントンのどちらかを選ぶということを、心臓発作にかかるのがよいのか、癌になるのがよいのか、という選択のようなものだと述べた。デイヴィッド・コークは共和党全国大会への出席を拒否した。デイヴィッドは2012年の大会には代議員として出席し、大規模なパーティーを催した。

 

トランプ選対責任者を務めたポール・マナフォートは現在、アメリカ合衆国に対する共同謀議参加の疑いで起訴されている。マナフォートと言えば、コーク兄弟におべっかを使っていたマイク・ペンスを副大統領候補にするように進言するという判断を行った人物である。この時、大多数の共和党員や支持者たちは、激しい言動で知られるニュージャージー州知事クリス・クリスティが副大統領候補になると考えていた。これが大統領選挙におけるコーク兄弟によるトランプ支持のやり方であった。しかし、コーク兄弟は保険をきちんとかけてもいた。トランプがコントロールできない状態になったら、大統領を弾劾できる機能を持つ連邦下院の議員たちに対して弾劾を行うようにサインを送ることが出来るようにしている。コーク兄弟はトランプから大統領の座を奪うための実行者たちを子飼いとしているのである。

 

トランプは国務長官をレックス・ティラーソンからマイク・ポンぺオCIA長官に交代させる決定を下した。トランプは再び、どちらが自分にとって有利な判断になるかを分かっていた。ポンぺオは既にコーク兄弟の支持者や友人たちが参加している政権に入っている。コーク兄弟が率いている大口献金者ネットワーク参加者ベツィー・デヴォス、デイヴィッド・コークの友人ウィルバー・ロス商務長官、ライアン・ジンケ内務長官(元連邦議員で、コーク・インダストリーズが国有地においてウラニウム採掘を行うことを認めた)と言った人々がいる。その中でもポンぺオは特別だ。ポンぺオは連邦議員時代に「コーク・インダストリーズからの資金提供ナンバー1」と「OpenSecrets.org」という非営利団体から2016年にツイートで書かれるほどであった。

 

シンクタンクのシンク・プログレスに所属しているジョー・ロムンは次のように説明している。

 

2010年から2016年にかけて行われた4回の国政選挙において、ポンぺオはコーク・インダストリーズの従業員たちから寄付として33万5000ドルを受け取った。この金額の中には、コーク一族からの9万2000ドルが含まれていた。そのほかにもコーク・インダストリーズの政治行動委員会から6万9000ドル、コーク兄弟によって創設された右翼の市民団体アメリカンズ・フォ・プロスペリティから41万7175ドルが渡された。加えて、コーク一族から資金援助を受けているその他のグループから8万7532ドルが支払われていた。

 

連邦議員1人を「買う」のには90万ドル強のお金が必要ということになる。

 

気候変動に対して人間の活動は影響を与えていないと主張する人物が国務長官になろうとしている。コーク兄弟もそのように考えている。コーク兄弟は化石燃料をビジネスと基盤とするビジネス帝国を支配している。そして、トランプ大統領自身もまた共和党が過半数を握っている連邦下院がトランプ大統領に反旗を翻して、彼を辱めるということに懸念を持っている。

 

これが2018年の中間選挙の重要なポイントである。トランプにとってみれば、どの法案が可決され、されないということが重要ではない。トランプにとってみれば、大統領の座にとどまることこそが重要だ。そして、行政機関に更なる規制緩和を行わせ、彼自身と大富豪の友人たちに利益を与えることが重要なのだ。「略奪プロジェクト」はこれからも続く。

 

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「デカいカジノで外貨を稼ごう」金正恩氏の次なる野望

 

高英起  | デイリーNKジャパン編集長/ジャーナリスト

5/14() 6:39

https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20180514-00085178/

 

日本政府は427日、カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法案を閣議決定し、国会に提出した。政府・与党は今国会での成立を目指しているが、ギャンブル依存症の増加を懸念する野党の反発は根強く、先行きには不透明さが残る。

 

そんな日本を横目に、北朝鮮の金正恩党委員長が最近、東海岸の元山(ウォンサン)にワールドクラスのカジノホテルを建設するよう指示を下したと、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

 

北朝鮮には、すでにマカオや香港資本の外国人専用カジノがあるが、一般国民の目に付かぬよう営業している。それが今回は、庶民が対象の政治学習で周知されているというから、これまでとは違う大規模で本格的なカジノホテルが計画されているもようだ。

 

この知らせを受け、庶民の間では「わが国に国家認定の賭博場ができるなんて!」と困惑が広がっているという。

 

それも当然だろう。賭博は売春や覚せい剤の乱用などと並び、北朝鮮当局が忌み嫌う資本主義文化の典型とされており、法律でも厳しく禁じられているからだ。また、この3つは「セット」で行われることも多く、北朝鮮当局はその蔓延に手を焼いている。

 

実際、経済特区が置かれた羅先(ラソン)のカジノホテルが売春の巣窟となり、そのあまりに露骨な有様に業を煮やした金正恩氏が「外国人相手の売買春を厳しく取り締まり、行為を行った者は銃殺にせよ」との指示を出したとも伝えられた。

 

それにしても、北朝鮮にカジノが出来たとして、どれだけの人が遊びに行くのだろうか。RFAによると、政治学習では「日本や韓国の観光客を誘致する」といった趣旨で説明されているという。南北対話の流れの中で観光特需を狙っているようだが、韓国人はまだしも、日本人が大挙して出かけていくとは考えられない。

 

と、思ったら、海外のカジノ事情に詳しいジャーナリストから次のような話を聞いた。

 

「マカオなどのカジノには、横領などで得た犯罪収益や脱税資金をロンダリング(洗浄)する目的で訪れている客も少なくない。北朝鮮ほど閉鎖的な国のカジノなら、むしろ完璧な資金洗浄スキームを提供できるかもしれない」

 

北朝鮮は過去、中東や欧州の犯罪組織から資金洗浄を請け負い、外貨稼ぎをしていたと言われる。今回のカジノ構想にも、そのような目的が含まれているのだろうか。

 

前出のジャーナリストが続ける。

 

「ただ、やっぱり資金洗浄だけが目的でカジノにやってくる金持ちもいない。風俗産業とか、カジノ以外のエンタテインメントなど複合的な魅力があってこそ、客は集まる」

 

ということはやはり、目論見どおりワールドクラスのカジノを作れたとしても、そこを中心に、売春や覚せい剤乱用の新たな広がりを生んでしまう心配もあるのではなかろうか。

 

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核放棄の代わりにカジノ開発?北朝鮮の金委員長の構想に、韓国ネットは否定的「誰が行く?」「遊びに行って捕まるかも?」

 

Record china配信日時:201865() 1630

https://www.recordchina.co.jp/b607802-s0-c10-d0124.html

 

5日、韓国・東亜日報によると、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の委任を受けた金英哲朝鮮労働党副委員長が1日、米国のトランプ大統領と行った会談で、元山市・馬息嶺一帯にカジノなどの観光商品を開発するための投資支援を要請したことが分かった。資料写真。

 

コメント

201865日、韓国・東亜日報によると、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の委任を受けた金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長が1日(現地時間)、米国のドナルド・トランプ大統領と行った会談で、元山(ウォンサン)市・馬息嶺(マシンニョン)一帯にカジノなどの観光商品を開発するための投資支援を要請したことが分かった。

 

金副委員長は投資支援の見返りとして、トランプ政権が望む「完全かつ迅速な非核化」への金委員長の具体的なメッセージを伝えたとみられている。

 

「元山葛麻(ウォンサンカルマ)海岸観光地区」は、金委員長が1月の新年の辞で造成計画を明らかにした事業の一つとして知られている。

 

記事は「韓国政府内からは北朝鮮が同地区にカジノを造り国際観光団地として運営すれば、毎年5000万ドル(約55億円)前後の外貨を稼ぐことができるとの観測が出ている」とし、「北朝鮮の年間貿易額(70億~80億ドル)を考えると、かなりの規模だ」と伝えている。また「北朝鮮のドルの主な収入源である石炭輸出、海外労働者派遣などが国際社会の対北朝鮮制裁によって行き詰まっている状況であるため、観光事業で厳しい状況を打開すべきとの判断によるものと思われる」と分析した。

 

この報道を受け、韓国のネットユーザーからは「なぜカジノなんだ?」「紛争地域にカジノを建設するようなもの」「安全が保障されなければ、そんな所にカジノを造っても行く人はいない」「遊びに行って捕まる恐れがある」「北朝鮮まで行って、カジノで楽しむ意味ってあるのか?」など、カジノ建設構想に否定的な意見が寄せられている。

 

また「なぜカジノ建設を米国に頼むのだ。韓国に頼めばいいのに」と、自国を頼りにしない北朝鮮に対し疑問の声も。

 

その他に「トランプが元山に新たにトランプタワーを建設するかも」「こんな議論をしてもどうせ、北朝鮮が核を放棄することはないと思う」などとするコメントもあった。(翻訳・編集/三田)

 

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●「金正恩氏が夜の街へ ベンツで外出、スマホ撮影に笑顔」

 

シンガポール=野上英文、武田肇、守真弓20186112357

https://www.asahi.com/articles/ASL6C7R2TL6CUHBI04N.html

 

 米朝首脳会談のためシンガポール入りしている北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長は11日夜、宿泊しているホテル、セントレジスから大型ベンツに乗って外出し、シンガポール市内の観光名所に姿を現した。一方、12日に会談の舞台となるセントーサ島は、物々しい雰囲気に包まれた。

 

 正恩氏は人民服姿で、カジノで有名な海沿いのマリーナ・ベイ・サンズを訪れた。スマートフォンのカメラで撮影しようとする大勢の市民を前に、軽く右手を上げながら笑顔を見せ、建物の中に入った。20分ほどして出てきた時も、笑顔で手を上げた。(略)

 

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北朝鮮はクシュナーを通じて秘密の連絡チャンネル構築に関心を向けていた(North Korea looked to set up communications back channel through Kushner: report

 

ジャクリーン・トムセン筆

2018年6月17日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/international/asia-pacific/392656-north-korea-looked-to-set-up-communications-backchannel

 

あるアメリカ人実業家は、北朝鮮政府とトランプ政権との間の秘密の連絡チャンネル構築に関心を持っていた。しかも、ホワイトハウス顧問にしてトランプ大統領の義理の息子ジャレッド・クシュナーを通じて。この実業家は昨年、そのために動いていた、と日曜日の『ニューヨーク・タイムズ』紙が報じた。

 

金融関係の実業家ガブリエル・シュルツは昨年の夏ごろ、トランプ政権に接触し、ある北朝鮮政府高官がトランプ大統領と金正恩委員長との会談実現の可能性についてクシュナーと話をしたいと言っていると語った。

 

ニューヨーク・タイムズ紙によると、クシュナーは当時のCIA長官マイク・ポンぺオに接触や会談についての話を持ち込んだ、ということだ。これは、当時緊張関係にあった当時のレックス・ティラーソン国務長官にはこの話をしなかったということを示している。

 

ホワイトハウスとCIAはシュルツがクシュナーに接触したと報じられていることについてコメントを拒否した。

 

シュルツはニューヨーク・タイムズ紙の取材に対して、文書による声明で、「私は私のビジネスの性質と個人的な人間関係について議論するつもりはない」と答えた。

 

クシュナーは昨年、中国政府の複数の高官とトランプ政権との間の秘密のチャンネルを構築したと報じられている。

 

ニューヨーク・タイムズ紙によると、クシュナーと駐米中国大使はトランプと中国の習近平国家主席との会談を実現させたということだ。

 

トランプ当選から政権欲職までの移行期にクシュナーは複数回にわたり駐米中国大使と会談を持った。その際に中国専門家を同席させなかった。ニューヨーク・タイムズ紙によると、現職のそして元アメリカ政府高官たちはこのような行為を苦々しく思っていたということだ。

 

先週、トランプ大統領は金委員長と首脳会談を行った。これは、アメリカ大統領と北朝鮮の指導者の初の直接会談となった。

 

2人の指導者は、アメリカが安全に関する保証(中身ははっきりしない)を与える代わりに、北朝鮮が非核化を行うというものだ。トランプは更にアメリカと韓国との共同軍事演習の中止を発表した。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


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今の巨大中国は日本が作った


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真実の西郷隆盛
 

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迫りくる大暴落と戦争〝刺激〟経済
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 古村治彦です。

 

 ここ数日、トランプの側近であった、ホワイトハウス首席戦略担当・上級顧問であったスティーヴ・バノンがマイケル・ウォルフの新刊『炎と怒り(Fire and Fury)』(同名の映画がありました)の中で、トランプ大統領をこき下ろすような発言をしていた、ということが話題になっています。

 

 日本でも下に貼った記事のように詳しく報道されています。『炎と怒り』は前倒しで販売され、たちまち大ベストセラーになっているようです。ウォルフと出版社は大与転びでしょう。批判者でもあっても儲けるとなれば話は別でしょう。トランプを食い物に使用がどうしようが金が儲かればいい、ということになります。

 

トランプがバノンと出来レースをやっているのか状況を利用しているのかはっきりしません。しかし、下の記事で重要なのは、クシュナーとイヴァンカに言及した部分と、バノンの中国観について部分くらいのものです。これらの点以外はあまり重要ではないように思います。トランプはこの本を利用して、ジャレッド・クシュナーとイヴァンカにお灸をすえるということなのだろうと思います。のぼせ上がるな、つけあがるな、ということを2人に教えたかったのだろうと思います。

 

 バノンの中国観はアメリカの保守的な人々や反中国の人々が持っている考えでしょう。ラストベルトの白人労働者、そして民主党支持の人道的介入主義派を支持する人々は中国を過剰なほどに敵視しています。バノンは保守派と人道的介入主義派の奇妙な連合の上にいるということになります。しかし、現在の世界において、彼らの考えは既に危険なものです。中国をナチスと同等と考えるのは、現実的ではないし、それで貿易戦争なり、本当の戦争なりをするのかというと、そういうことはできません。また、中国の勢いを鈍化させることはできても、完全に止める、もしくは逆流させることはもうできません。

 

 トランプは、過剰な中国敵視はしていません。201711月の訪中でも、中国の政策について、「自国民の利益のために他国を利用するのは当然だ」と述べています。だから、自分もそうさせてもらうということを言っている訳ですが、中国を潰すだのなんだのということは考えていません。バノンはその点で世界観に限界があるということになり、それが明らかにされました。

 

 バノンをトランプ陣営に送り込んだ、大富豪のレベカ・マーサーがバノンを見限ったという記事が出ていました。これは重要だと思います。マーサーはブライトバートに対しても支援を行っていますが、バノンが2020年の大統領選挙に出ようとしているとして支援を止めるという話になっているようです。マーサーはトランプを選んだということになりますが、これではバノンは勝ち目がありません。ですから、バノンはこれからもトランプ大統領を支持するということを表明したのでしょう。今回の件も、バノンの大統領選挙出馬の観測気球ということもあったのだろうと思います。しかし、うまくいかなかったようです。

 

トランプは徹底的な外部の立場と視点を貫き、彼が状況を作り、場を作ることで、批判者たちを振り回すだけでなく、陣営内も振り回す、ということをやっています。彼がやりたいことを実現するのは混乱状態の中で、あれいつの間に、と皆に思わせる形で実現させています。本当に重要なことは誰にも話さないし、ある特定の人物にべったりすることはなく、自分で決めている、そのように感じられます。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「当選への戸惑いから髪形の秘密まで…バノン氏、トランプ政権の内幕暴露」

 

AFP通信 201814 12:01 発信地:ワシントンD.C./米国

http://www.afpbb.com/articles/-/3157341

 

14 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の最側近だったスティーブ・バノン(Steve Bannon)元首席戦略官・上級顧問が、ジャーナリストのマイケル・ウルフ(Michael Wolff)氏の新刊「Fire and Fury: Inside the Trump White House(仮訳:炎と怒り──トランプのホワイトハウスの内側)」でトランプ政権の内幕を暴露している。米誌ニューヨーク(New York)と英紙ガーディアン(Guardian)、米紙ワシントン・ポスト(Washington Post)が掲載した抜粋部分は以下の通り(引用中敬称略、丸括弧内は補足)。

 

■陣営は敗北を予想

 

 大統領選当日(2016118日)午後8時すぎ、トランプが本当に勝利するかもしれないという思いもよらない大勢が判明してきた時、ドン・ジュニア(トランプの長男ドナルド・トランプ・ジュニア、Donald Trump Jr)は友人に、父のことを指してDJTはまるで幽霊のように見えたと語った。メラニア(トランプ夫人、Melania Trump)は涙を流していたが、喜びの涙ではなかった。

 

 スティーブ・バノンがさして面白くもない観察を1時間あまり続けている間に、放心したトランプから、起きたことが信じられないトランプ、怖気づいたトランプへと次々に変わっていった。だが、最後の変身、つまり自身が米国の大統領にふさわしく、なりきれると信じる男への変身はまだだった。

 

■対ロ接触は「反逆」

 

 陣営の幹部3人であるトランプ・ジュニア、娘婿のジャレッド・クシュナー(Jared Kushner、現上級顧問)、ポール・マナフォート(Paul Manafort、当時の選対本部長)は、弁護士の立ち会いなしでトランプ・タワー(Trump Tower25階の会議室で外国政府関係者と会うのは良いアイデアだと考えた。実際、弁護士は一人も同席しなかった。これが反逆的だとか、非愛国的、あるいはひどいことではないと思われていたとしても、私はそのすべてが当てはまると考えている。すぐFBI(連邦捜査局)に連絡すべきだった。

 

■「真の敵は中国」

 

「真の敵は中国だ」とバノンは言った。中国は新たな冷戦(Cold War)の最前線にいる。中国がすべてだ。他はどうでもいい。中国に好き勝手にやらせてはならない。そんなことは一切許してはならない。単純なことだ。中国は192930年のナチス・ドイツ(Nazi)のようなものだ。当時のドイツ人と同じように、中国人は世界で最も合理的な国民ではある。そうでなくなるまでは。彼らもまた30年代のドイツと同様、熱狂しつつある。超国家主義の国が誕生しそうになっている。そうなってしまえば誰にも止められない。

 

■娘も大統領に野心

 

 イヴァンカ(・トランプ、Ivanka Trump、大統領補佐官)とジャレッドは、ウエストウイング(West Wing、ホワイトハウス西棟)での役割について、周囲の人たちからのアドバイスを受けながら、リスクと見返りをよく考えた上で引き受けることを決めた。それは夫婦が一緒に決めたことであり、ある意味で一緒に仕事をするということだ。二人の間では本気でこう決めている。いつの日か機会が訪れれば、イヴァンカが大統領選に出馬すると。イヴァンカは米国初の女性大統領はヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)ではなく、自分だと考えて悦に浸っている。

 

■毒殺恐れマックへ

 

 トランプは長い間、毒殺されるのではないかと恐れてきた。彼がマクドナルド(McDonald's)で食事をするのが好きな理由の一つもそれにある。自分が来ると知っている人がおらず、食べ物は事前に安全に作られているからだ。

 

■側近らも辛口批判

 

  トランプは夕食後に電話で話をした際、スタッフそれぞれの欠点について根拠もなくあれこれ語っていた。バノンは不誠実でいつもひどい身なりをしている、(ラインス・)プリーバス(Reince Priebus、前大統領首席補佐官)は貧弱でちび、クシュナーはご機嫌取り、ショーン・スパイサー(Sean Spicer、前大統領報道官)はばかで見た目も悪い、ケリーアン・コンウェー(Kellyanne Conway、前大統領顧問)氏は泣き虫だなどとね。イヴァンカとクシュナーに関しては、ワシントンに来るべきではなかったとも言っていた。

 

■あの髪形の秘密も

 

 イヴァンカはトランプと一定の距離を置き、トランプの前後左右になでつけた髪形も皮肉交じりに周囲に語っている。イヴァンカは友人たちによくこんな裏話をしている。スカルプリダクション手術(はげ治療のために脱毛部分の頭皮を除去する手術)をした後の、てっぺんだけきれいに髪の無い頭は両横と前の髪に囲まれている。その髪の毛を全部真ん中に集めて後ろに流して、スプレーで固める。髪染めは「ジャスト・フォー・メン(Just for Men)」を使うのだが、液剤を塗ってから時間を置くほど、髪の色は濃くなる。トランプのあのオレンジ色のブロンドは短気の表れだとね。(c)AFP

 

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●「米大統領、暴露本の出版中止要求 出版社は発売前倒しで対抗」

 

AFP通信 201815 6:50 発信地:ワシントンD.C./米国

http://www.afpbb.com/articles/-/3157457?cx_amp=topstory

 

15 AFP】(更新)ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領の弁護士団は4日、トランプ氏の大統領職への適性に疑問を呈する側近らの発言を引用した暴露本の著者と出版社に対し、同書の出版差し止めと宣伝の中止を求める書簡を送った。出版社側はこれを受け、同書の発売を4日前倒しすると発表した。

 

Fire and Fury: Inside the Trump White House(仮訳:炎と怒り──トランプのホワイトハウスの内側)」と題された同書は、トランプ氏の最側近だったスティーブ・バノン(Steve Bannon)元首席戦略官・上級顧問の発言を多く引用し、同氏を臆病かつ情緒不安定で大統領の資質に大きく欠けた人物として描写している。

 

 弁護士らは、著者でジャーナリストのマイケル・ウルフ(Michael Wolff)氏と出版元のヘンリー・ホルト(Henry Holt)社に送った書簡で、同書にはトランプ氏をめぐる「誤った、根拠のない発言」が含まれていると主張。同書の出版は名誉棄損(きそん)や虚偽の描写によるプライバシーの侵害などに相当すると指摘した。

 

 さらに弁護士らは、同書は「最も損害の大きな記述の多くについて、その情報源を明らかにしていない」と批判。また「情報源」とされた人の多くが、ウルフ氏と話したことや、自身が出所とされる発言をしたことを否定していると主張。出版元に対し、同書の出版差し止めや宣伝の中止、内容の撤回、トランプ氏への謝罪を求めた。

 

 これを受けヘンリー・ホルト社は、今月9日に予定されていた同書の発売日を同5日に前倒しすると発表。著者のウルフ氏もツイッター(Twitter)で出版の前倒しを発表し、「ありがとう、大統領」とコメントした。(c)AFP

 

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●「トランプ氏は「偉大な男」=今も米大統領支持-バノン氏」

 

時事通信

https://www.jiji.com/jc/article?k=2018010500025&g=use

 

 【ワシントン時事】バノン前米大統領首席戦略官・上級顧問は、自身が会長を務める右派メディア「ブライトバート」に4日付で抜粋が掲載されたインタビューで、トランプ大統領について「偉大な男だ。どこで演説しようが毎日支持している」と述べた。

 

 バノン氏をめぐっては先に、2016年の大統領選中にトランプ氏の長男らがロシア関係者と接触したことを「売国的だ」などと批判したと報じられた。これを受けてトランプ氏は「彼はクビになり、職とともに正気を失った」と非難するコメントを発表。昨年8月のバノン氏の辞任後も続いていた両者の関係が断絶したとの見方も出ていた。(2018/01/05-00:43

 

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Bannon loses support of pro-Trump billionaire backer over media fights

 

BY JOHN BOWDEN - 01/03/18 10:23 PM EST  2,592

The Hill

http://thehill.com/homenews/media/367367-bannon-loses-support-of-pro-trump-billionaire-backer-over-media-fights

 

Former White House chief strategist Stephen Bannon has reportedly lost the support of billionaire backer Rebekah Mercer after he suggested he might run for president himself.

 

A person close to Mercer told The Washington Post that she no longer supports Bannon. According to the report, Mercer was frustrated with Bannon's strategy in the Alabama Senate special election and pulled her funding after he told other major conservative donors that Mercer would back Bannon in his own presidential bid.

 

Bannon, now head of Breitbart News, supported Alabama GOP Senate candidate Roy Moore, who was dogged by allegations of sexual misconduct, in his eventual defeat to now-Sen. Doug Jones (D) in December.

 

The core constituency for Breitbart is what you would call the Trump Deplorables. That’s the audience. And if they’re asked to choose between Steve and Trump, they’re going to choose Trump. That’s clear,” a person familiar with Breitbart News's operations told the Post.

 

It was unclear from the report whether Mercer, who bought a stake of Breitbart News from her father in November, will continue to back the right-wing news site. The report said she is no longer backing any future Bannon projects.

 

Rumors of a possible Bannon run in 2020 are reportedly mentioned in Michael Wolff's new book "Fire and Fury: Inside the Trump White House."

 

The book caused a stir in Washington, D.C., on Wednesday when several passages were leaked and an excerpt was published by New York Magazine.

 

Bannon made headlines after he was quoted in the book criticizing Trump's eldest son for a meeting in Trump Tower with a Russian lawyer who promised "dirt" on Democratic presidential nominee Hillary Clinton's campaign.

 

Even if you thought that this was not treasonous, or unpatriotic, or bad shit, and I happen to think it’s all of that, you should have called the FBI immediately," Bannon said, according to the book.

 

President Trump responded to Bannon's remarks in a statement on Wednesday, accusing his former adviser of losing his mind.

 

Steve Bannon has nothing to do with me or my presidency,” Trump said. “When he was fired, he not only lost his job, he lost his mind.”

 

"Steve pretends to be at war with the media, which he calls the opposition party, yet he spent his time at the White House leaking false information to the media to make himself seem far more important than he was," the president added.

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)








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 古村治彦です。

 

 今回は『世界権力者図鑑2018』(副島隆彦、中田安彦著、ビジネス社、2017年)を皆様にご紹介いたします。発売は2017年11月21日です。

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世界権力者図鑑2018

 

本作は、『世界権力者 人物図鑑 世界と日本を動かす本当の支配者たち』(副島隆彦著、日本文芸社、2010年)、『ヨーロッパ超富豪 権力者図鑑』(中田安彦著、副島隆彦編集、日本軍米社2010年)、『新興大国 権力者図鑑』(副島隆彦責任編集、中田安彦著、日本文芸社、2011年)、『アメリカ権力者図鑑―崩壊する世界覇権国の今を読み解く』(副島隆彦、中田安彦著、日本文芸社、2011年)、『最新版 世界権力者 人物図鑑』(副島隆彦著、日本文芸社、2013年)と続いたシリーズの最新版です。出版社は変わりましたが、副島隆彦と中田安彦のコンビで、現在の世界を人物から分析する好著です。

 

 今月初め、ドナルド・トランプ米大統領とメラニア夫人がアジア歴訪とAPEC参加の第一歩として日本を訪問しました。その前には娘のイヴァンカ・トランプ大統領補佐官が日本を訪問しました。トランプ大統領には娘婿であるジャレッド・クシュナー補佐官が同行しました。こうした人々については本書で写真付きで紹介し、日本では紹介されていないレア情報を書いています。

 

私たちは「これまでとは違う世界に向かう」世界の中に生きています。そうした中で、世界を理解するためには、「世界を動かしているのはどういう人間たちなのか」ということを知ることは、現状を分析し、未来を予測するために大変有益なことです。

 

 ぜひ本書を手に取ってお読みください。よろしくお願い申し上げます。

 

(貼りつけはじめ)

 

はじめに

 

世界政治というと、なにか難しいことのように思える。だが国家も企業も、あらゆる組織・団体も結局はキーパーソンによって動かされている。その時代の精神を最も体現する人物が世界の最高権力者になるのだ。

 

2017年末現在で、世界の中心人物は、やはりアメリカ合衆国大統領のドナルド・J・トランプだろう。このド汚い大規模土建屋あがりの経営者で、テレビスターでもあったが、政治家の経験のない男が、世界最大の軍事国家でもある大国の指導者にのし上がった。このことで世界政治にとてつもない影響を現在進行の形で日々与えている。

 

2次世界大戦後に成立した秩序に対抗して延々と積み重なった、アメリカの草の根大衆の「怒り」をうまく体現した人物が大統領になったのだ。トランプが出馬表明した2015616日、あるいは彼が当選した2016119日は、世界政治の大きな転換点であるだろう。

 

この変化に呼応して、世界中の指導者たちも、立ち位置を変えざるを得ない。世界のあと二つの中心は疑いもなく「中国」と「ロシア」だ。アメリカが世界単独覇権(はけん)を唱える時代は終わった。この三大国(G3)が世界を動かしていく。どこの国でも権力者というのは大衆や庶民からの支持や賞賛、あるいは嫉妬や嫌悪や激しい憎しみの対象である。これからは、娘のイヴァンカたちトランプ一族が大衆の嫉妬の視線に晒される。

 

前作までと同様に世界の大きな枠組みの「再編成(リアラインメント)」の主役たち122人を、グラビア写真集として、的確な説明文と真実を伝える生々しい人物写真のインパクトで伝える。これらの政治家たちは決して「闇の権力」などではない。権力ドラマを日々生きている生身の人間たちである。

 

201711月 中田安彦

 

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おわりに

 

 この「世界権力者 人物図鑑」シリーズは、2010年から始まった。前作(2013年)から4年が経過し、世界権力者の顔ぶれもだいぶ替わった。私は、このシリーズを出版する意義として、「日本人は、世界の主要な指導者たちの考えや行動を大きく理解することで、世界の全体像を摑まえるべきだ」とした。ところが、日本人は世界情勢に興味を持たなくなっている。1年前のトランプ当選で日本人もアメリカという大国に関心を向けた。だがトランプ大統領がどういう思想の持ち主でどういう政治勢力を代表しているのかについて知ろうとしない。「北朝鮮の金正恩と同じような乱暴者」という程度の認識力しかない。アメリカに現れた最新型の政治勢力のことが理解できないのだ。日本のメディアもトランプ大統領が登場しても、全く報道姿勢は変わっていない。「この人本当に大丈夫なの」程度である。

 

 世界は変動のさ中にある。先ごろ行われた中国共産党の5年に一度の党大会「19大(たい)」で、習近平が新しい陣容で自分の権力基盤を強固にした。ロシアでも来年、プーチンがまた大統領選挙に勝利するだろう。日本人はこの激流に飲み込まれないために、世界基準(world values ワールドヴァリューズ)の政治思想を勉強すべきだ。私は、「世界は、米中露の〝第2次ヤルタ会議体制〞に向っている」と考えている。

 

 東アジア(かつて極東[ファーイースト]と言った)の一国である日本国の国民が、感性を研ぎ澄まして、この本に居並ぶ権力者たちの表情を凝視することで、これからの世界はどのような思想によって動かされていくのかを、大まかでいいから知るべきだ。本書が皆さんの政治知識の学習のお役に立つことを強く希望する。

 

201711月 副島隆彦

 

(貼りつけ終わり)

 

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世界権力者図鑑2018

(終わり)






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 古村治彦です。

 

 9月に入り、アメリカ連邦議会は夏休みが終わり、いよいよ忙しくなります。債務上限の引き上げで政府機関の機能停止を避けること、そして、税制改革が重要な課題となります。債務上限引き上げについては連邦議員の多数はやむを得ないと考えていますから、これは成立するでしょう。と、本文を書いた後、2017年9月6日に、トランプ大統領と連邦議会で債務引き上げで合意がなされ、政府機関の閉鎖はなくなりました。

 

 一方、税制改革に関しては、企業税の減税、富裕層への減税、中間層世帯の減税といったところが焦点となります。トランプ大統領は企業税の減税を選挙公約としてきました。オバマケアに関しては失敗してしまい、連邦議会の立法過程の複雑さと大統領の権限に制限がある(三権分立が機能している)ことが改めて認識されました。ですから、連邦議会内に橋頭堡となる勢力が必要となります。税制改革における企業税減税とこれによる投資の増加での景気浮揚はトランプ政権の肝ですから、失敗できません。ですから議会対策をしっかりしなければなりません。

 

 オバマケア代替法案の議会での審議と採決の時、影響力を発揮したのが急進保守派の共和党議連「フリーダム・コーカス」です。フリーダム・コーカスは連邦議会共和党指導部の言うことを聞かない勢力となっています。ここを敵に回るといろいろと厄介です。トランプ大統領としては良好な関係を築いておきたいということになります。

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マーク・メドウズ
 

 そこで、議連の会長マーク・メドウズ連邦下院議員の資金集めにジャレッド・クシュナーを出席させました。クシュナーはトランプ大統領の側近として外交面で活躍していますが、このように政権の基盤固めにも奔走しています。

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ジャレッド・クシュナー
 

 9月からのアメリカ政治も目が離せません。

 

(貼り付けはじめ)

 

クシュナーが「フリーダム・コーカス」の会長を資金集めに出席(Kushner attends fundraiser for Freedom Caucus chair: report

 

ジュリア・マンチェスター筆

2017年9月1日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/administration/348835-kushner-attends-fundraiser-for-freedom-caucus-chairman-report

 

トランプ大統領の義理の息子でアドヴァイザーであるジャレッド・クシュナーが、連邦下院の議員連盟「フリーダム・コーカス」会長マーク・メドウズ連邦下院議員(ノースカロライナ州選出、共和党)の資金集めに出席した、と『ポリティコ』誌が報じた。

 

『ポリティコ』誌によると、クシュナーは木曜日の夜にノースカロライナ州で開催された資金集めに私人の資格で出席した。

 

メドウズは多くの問題に関してトランプの同盟者である。しかし、今年初め、メドウズがオバマケアの廃止と代替に関する連邦下院共和党提案の法案について多くの修正を加えようとしたことで、トランプとメドウズは衝突した。

 

保守派議員グループの指導者として、メドウズは共和党指導部と長年にわたり衝突を繰り返してきた。8月の休暇を終えて連邦議員たちは来週になればワシントンに戻ってくる。9月は重要な月となる。連邦議会は債務上限を引き上げ、政府機能の停止を避けるために政府支出法案を可決し、ハリケーン・ハーヴェイからの復旧予算のための財源を探さねばならない。

 

メドウズとクシュナーは両者にとって重要課題であるイスラエル政策について議論したと報じられている。

 

メドウズは過去に大統領の娘で、クシュナーの妻でもあるイヴァンカ・トランプと有給家族介護休暇について議論したことがある。

 

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クシュナーがマーク・メドウズのために資金集め(Kushner fundraises for Mark Meadows

 

2017年9月1日

『ポリティコ』誌

http://www.politico.com/story/2017/09/01/kushner-fundraises-for-mark-meadows-242244

 

●スクープ

 

ジャレッド・クシュナーは昨夜、密かにノースカロライナ州に向かい、マーク・メドウズ連邦下院議員(ノースカロライナ州選出、共和党)の非公開の資金集めに出席した。メドウズは連邦下院の議連「フリーダム・コーカス」の会長である。これは資金集めについて取材した複数のメディアが報じている。メドウズとクシュナーは、クシュナーが関心を持ち、メドウズにとって重要課題であるイスラエルについて議論した。メドウズは有給休暇についてイヴァンカと議論をした。有給休暇については長年にわたり連邦議会共和党は難色を示してきた。クシュナーは私人の資格で参加した。

 

●この何が問題か

 

簡単なことだ。メドウズは長年にわたり共和党指導部にとっての頭痛の種となってきた。そして、連邦議会において有力者となっている。メドウズはトランプ大統領の重要な同盟者で、連邦下院の保守派議員とホワイトハウスをつなぐ仲介者となっている。クシュナーがノースカロライナ州に向かったのは、メドウズとトランプ政権のメンバーたちとの関係を象徴している。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12






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 古村治彦です。

 

 アメリカのドナルド・トランプ大統領の当選に関して、ロシア政府の関与、介入があったこと、トランプ政権とロシア政府との間で共謀があったという疑惑が連日ニュースになっています。ウォータゲート事件になぞらえて「ロシアゲート」「クレムリンゲート」などと呼ばれています。

 

 しかし、実際はそのようなものではない、ということが先日のジェイムズ・コミーFBI長官のアメリカ連邦議会での証言でも明らかになりました。コミーはトランプ大統領を「嘘つき」と呼びましたが、トランプ大統領がロシア関連捜査の対象ではないということを明言しました。また、捜査妨害についても命令されたものではないと述べましたし、バラク・オバマ前政権のロレッタ・リンチ司法長官から「ヒラリー・クリントンのEメール問題を大ごとにしないように」と言われた、と証言しました。こちらの方がより積極的な捜査妨害ということになります。

 

 ロシア関連捜査では、トランプの義理の息子で上級顧問でもあるジャレッド・クシュナーも捜査対象になっている、という報道がなされました。今回ご紹介する記事はそれに対する反論記事です。内容を読んでいただくと、トランプ政権に対する攻撃が酷いものだということが分かります。

 

 根拠薄弱なスキャンダルで大騒ぎしても、トランプ政権に対する致命傷にはならないということもまたはっきりします。

 クシュナーがヘンリー・キッシンジャーの最後の弟子として、トランプ政権で外交政策、特に対ロシア、対中国で重要な役割を果たしています。このクシュナーを排除しようという動きは、ロシアや中国を敵視している人々、具体的には民主党内の人道的介入主義派、共和党のネオコンが主導しています。こうした人々がリベラルなメディアとして知られるニューヨーク・タイムズ紙やワシントン・ポスト紙を使ってトランプを攻撃しています。こうしたリベラルメディアはネオコンとは敵対するくせに、人道的介入主義派に対しては無批判です。


 表面的に見れば、リベラルな正義のメディアが邪悪なトランプ政権を攻撃しているという形になりますが、実際はその逆ということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

ジャレッド・クシュナーを攻撃対象にした捻じ曲げられた攻撃(The twisted takedown targeted at Jared Kushner

 

カイレイ・マケナニー筆

2017年5月30日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/pundits-blog/the-administration/335694-the-twisted-takedown-targeted-at-jared-kushner

 

ジャレッド・クシュナーを攻撃目標にしている捻じ曲げられた攻撃が行われている。クシュナーはドナルド・トランプ大統領の上級顧問であり、義理の息子だ。左派の人々は昨年の11月8日のトランプの勝利をいまでにうまく消化できないでいる。左派の人々は、彼らが「存在すべきではない」と確信しているトランプ政権を追い落とすことを固く決心している。

 

トランプ大統領を追い落とすためには、リベラル派は大統領とアドヴァイザーたちとの間にくさびを打ち込むことで打撃を与えねばならない。リベラル派の人々は、米大統領国家安全保障問題担当補佐官だったマイケル・フリンを辞任させたことで成功の味を覚えた。当時、フリンはジョー・バイデン副大統領に嘘をついたというニュースが連日報道された。リベラル派は更なる成功を求め、それを渇望している状態だ。

 

リベラル派は、ジェフ・セッションズ司法長官を辞任させようとしている。セッションズは司法長官就任まで連邦上院議員であったが、この時に駐米ロシア大使と会談を持ったことを議会証言の際に明らかにしなかったということがニュースとして報道された。セッションズが連邦議員だった時にロシア大使と会談を持ったことは違法なことでもやましいことでもない。これ以降、大統領首席ストラティジストであるスティーヴ・バノンが更迭されるというリーク(情報漏洩)が数多くなされ、報道された。バノンの更迭は、ホワイトハウスのシーン・スパイサー報道官が更迭されるというニュースと同じく、根拠のないもので、実際に起きなかった。

 

現在、左派はより大きな攻撃目標に狙いを定めている。それは、大統領が最も信頼しているアドヴァイザーであるジャレッド・クシュナーだ。リベラル派は匿名の情報漏洩(リーク)を使ってそこに犯罪性があるように見せようとしている。漏洩された情報の内容が事実であった場合、こうした動きは正しいし、因果関係を説明できるものとなるが、リベラル派が指摘しているのは、根拠のない疑惑ばかりである。

 

このようなやり方は、「攻撃目標を定めてくれ、そうしたらそいつの犯罪を見つけてくる」というものだ、とハーヴァード大学法科大学院教授アラン・ダーショウィッツは指摘している。クシュナーは疑惑について、捜査に全面的に協力し、全ての質問に答えている。彼は不自然なまでの犯罪疑惑の被害者である。

 

ここからはジャレッド・クシュナーに対する嫌疑と呼ばれるものについて見ていく。

 

●クシュナーとロシア政府関係者との会合

 

ホワイトハウスは、クシュナーが政権移行の時期にロシアの代表団と「相互の連絡方法を構築」するために会談を持ったことは認めている。しかし、『ニューヨーク・タイムズ』紙は、「政権移行ティームの幹部が外国政府の幹部と会談を持つのは普通のことではあり、不適切とは言えない」と指摘している。

 

実際のところ、クシュナーは駐米ロシア大使とロシア大使の提案でロシアの銀行家と会談を持った。それだけではなく、様々な国々の政府関係者20名以上と会談を持った。政権移行ティームの外交政策部門の責任者として、クシュナーの責務は外国政府関係者と会談を持つことである。

 

●ロシアをめぐる捜査に対するクシュナーの介入

 

木曜日にアメリカ政界を揺るがす「ジャレッド・クシュナーがロシアをめぐる捜査の対象に」という見出しの記事が出た。よくないことの前兆のように思えるものではないか?

 

『ワシントン・ポスト』紙の記事の内容は見出しのおどろおどろしさを打ち消すものであった。5段落続いた後の文章を以下に引用する。「本紙はクシュナーが捜査対象、もしくは捜査にとっての重要人物であるという報告は受けていない。そして、彼は謝った行動によって告発されているものでもない」。

 

明確になったのは、クシュナーは捜査の「対象」ではないということだ。また、そこには犯罪性を示すものは存在しないということだ。ジェニファー・ルービンがワシントン・ポスト紙上のコラムの中で書いているように、クシュナーはトランプ政権の外交政策に関する主要な存在であるので、「クシュナーは目撃者ではあるだろうが、実行者ではないかもしれない」というのがせいぜいのところなのだ。

 

●クシュナーがロシアに対して裏チャンネル構築を依頼したという疑惑

 

金曜日、ワシントン・ポスト紙は、リベラル派のトランプ政権に対する攻撃の材料となる記事を一面に掲載した。それは、「駐米ロシア大使が本国のロシア政府に対して、クシュナーがロシア政府との間で非公式の裏の連絡チャンネル構築を望んでいると報告した」というものだ。中身を読まなくても、おどろおどろしい話のように聞こえる。

 

ワシントン・ポスト紙は、ロシア大使とロシア政府との間の会話の中身を盗み見したか、盗聴をした匿名の人物への取材に基づいて記事を書いている。ロシア大使は、クシュナーが連絡用の秘密チャンネルの構築を提案したと本国政府に報告したということは考えられる。

 

繰り返しになるが、今回もワシントン・ポスト紙は自身の記事の信憑性を自身で損なっているのだ。 今回は8段落記事が続いてからの文を引用したい。「ロシアは時に疑いを持っている情報チャンネルに間違った情報を流し、経緯を監視することがある。これは、アメリカの専門家たちに誤った情報を与え、混乱させるためだ」。 記事の内容は、アメリカを混乱させようとしてロシアが提供した誤った情報に基づいている可能性がある。一方で、左派は繰り返し、ロシアは信頼できず、邪悪な存在だと主張しているが、そのロシアが提供した情報でトランプ政権がダメージを受けるということになると、ロシアは信頼できるので情報は正しいということになる。

 

しかし、たとえ記事の内容が真実だとしても、ジョン・ケリー国土安全保障長官は、裏チャンネル構築の提案は「私を不快にさせるものではない」と述べている。また、H・R・マクマスター大統領国家安全保障問題担当補佐官は、週末に「そうした話に懸念を持つことはない」と発言し、ケリーの発言を支持した。

 

どうしてだろうか?それは、裏のチャンネルは、目的の達成のために戦略的に使用されるコミュニケーション方法としては一般的なものだからだ。オバマ大統領とヒラリー・クリントン国務長官は、イランと核開発をめぐる合意を結ぶためにコミュニケーションを取ろうとして、オマーン政府と非正規なルートでやり取りを行った。そうなのだ、オバマ政権はテロ攻撃を支援する最大国家とコミュニケーションを取るために、裏チャンネルを使ったのだ。オバマ政権がそのようなことをしても誰も怒り狂ったりしなかったではないか。

 

裏チャンネルは、トランプ政権が使うと途端に邪悪な方法になる、と言っているようなものだ。

 

私たちアメリカ国民が懸念を持つべきなのは、トランプ政権がダメージを受けることと、ロシア側と共謀していたとする根拠のない疑惑についてである。ダーショウィッツは次のように指摘している。「これはアメリカ政治における大きな後退となる。市民の自由に関して大きな疑念を生んでいる」。

 

ダーショウィッツは、犯罪捜査は通常であれば法規に則って行われると述べている。たとえば、ヒラリー・クリントンは、機密情報の取り扱いに誤りがあったということで、スパイ防止法に則って捜査された。トランプ政権の場合、捜査員たちは「気に入らないことが起きた」と言っているように見えるとダーショウィッツは指摘している。ダーショウィッツは更に、「捜査を始めよう、そうしたら何かの法規に引っかかる何が見つかるさ、と言うのが捜査当局の態度だ。こんな態度は許されるものではない」と述べている。

 

クシュナーは、ほぼ存在しない証拠によって過度に行われている捜査の被害者である。クシュナーがホワイトハウスの高官を務め、トランプの親族であるために、証明されるまでは無罪という犯罪に関する基準が適用されてしまっている被害者なのである。これは正義の実現の名を借りた醜いやり方そのものだ。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12








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