アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 今回は、アメリカ連邦上院議員トム・コットンとイラン外相ジャヴァド・ザリフとの間で交わされた激しい言葉の応酬をご紹介します。トム・コットンの器の小ささにアメリカでも失望が広がっているようです。これで共和党の輝ける星というのは何とも情けない話です。

 

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イラン外相がアメリカの連邦上院議員の「個人的な中傷」を払いのけた(Iranian foreign minister dismisses US senator’s ‘personal smear’

 

デイヴィッド・マカビー筆

2015年4月30日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/240614-iranian-foreign-minister-dismisses-us-senators-personal-smear

 

 イラン外相は木曜日、連邦上院議員トム・コットン(アーカンソー州選出、共和党)の「イランの暴政、背信行為、テロの記録について議論」しようという挑発を払いのけた。

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ザリフ外相

 

 ムハマド・ジャヴァド・ザリフ外相は、トム・コットン上院議員の初めての子供の誕生を祝う投稿の前に、ツイッターに「マッチョな個人の中傷ではなく、真剣な外交こそを私たちが必要としているものだ」と投稿した。


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コットン議員

 その前日の水曜日、コットンはザリフを挑発し、「イラン・イラク戦争で農民と子供たちが死に向かって行進している間、アメリカで隠れている」決心をザリフがしたと嘲った。

 

 ザリフは、イラクの核開発プログラムについて合意に達したら、コットンが「気に入ろうがいるまいが」、イランに対する経済制裁が緩和されるだろうとコメントしたが、それに対して、コットンが反応したのだ。

 

 コットンはアメリカとイランとの間の合意に対して徹底的に反対している。コットンに対しては今年初めに批判が集まった。この時、彼はイランの指導者たちに対する「公開書簡」を主導し、アメリカの憲法システムについて説明しようとした。

 

(終わり)

 

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イランのジャヴァド・ザリフ外相が連邦上院議員トム・コットンに対してコットン議員の第一子の誕生の機会を捉えて挑発した(Iranian FM Javad Zarif Trolls Sen. Tom Cotton On the Occasion of His Child’s Birth

 

エリアス・グロール筆

2015年4月30日

『フォーリン・ポリシー』誌

https://foreignpolicy.com/2015/04/30/iranian-fm-javad-zarif-trolls-sen-tom-cotton-on-the-occasion-of-his-childs-birth/?utm_content=bufferb7539&utm_medium=social&utm_source=facebook.com&utm_campaign=buffer

 

 イラン外相ジャヴァド・ザリフは連邦上院議員トム・コットンに初めての子供が誕生する機会を捉えて挑発を行った。今月初め、各国の交渉担当者たちが枠組み合意に達したと発表して以来、連邦上院の超タカ派議員トム・コットン(アーカンソー州選出)は合意を台無しにしようとキャンペーンを公然と展開している。しかしトム・コットンにとってマイナスなことも起きている。今週、イランのジャヴァド・ザリフ外相との間で激しい言葉の応酬があった。ザリフはかなり丁寧に、激しい言葉を投げかけた。

 

 47名の連邦上院議員たちが署名したイランの指導者たち宛ての公開書簡(いかなる経済制裁の緩和も連邦議会の承認が必要だとする内容)を主導した後、コットンはイランとの核開発を巡る合意に対して反対する強硬派として知られるようになった。しかし、木曜日、ザリフはニューヨークにおいて、コットンを脇にどかそうとして、「コットン上院議員が気に入ろうが気に入るまいが」、国連は経済制裁緩和に向けて中心的な役割を果たすだろうと述べた。

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 このコメントはコットンの神経をいたく刺激した。そして、コットンはザリフに対してワシントンにまで来てアメリカ合衆国憲法について議論しろと要求した。

 
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 『フォーリン・ポリシー』誌で私たちがこれまで書いてきたように、コットンのイランとの合意に対する反対運動にはいくつかの問題が存在する。彼はイランに指導者たちに向けた経済制裁緩和に関する書簡を発表した後、コットンは、アメリカ外交政策を実行するにあたりバラク・オバマ大統領の権威を傷つけたと激しい批判を浴びた。踏んだり蹴ったりだったのは、コットンが主導した公開書簡のペルシア語翻訳版は中学生が書いたような内容であったことだ。

 

 それだけでもコットンに同情を寄せるのには十分だ。しかし、アーカンソー州選出の上院議員には素晴らしいお子さんが誕生したのだ。それはとても素晴らしいことだ。

 

(終わり)