古村治彦です。
新型コロナウイルス感染拡大によってもたらされるもの、それは国家の力の増大であり、おそらく私権の制限であろう。既にそのような恐ろしい状況に向かって進んでいる。しかもそれを進めているのは、リベラルと呼ばれる人々だ。リベラル(liberal)とは、「自由な」という意味の英単語であったはずだが、それと逆行する動きを進めようとしている。
世界経済フォーラム(World Economic Forum、WEF)が言い始めた「グレイト・リセット」。新型コロナウイルス感染拡大という事態を受け、これまでのやり方を「リセット」するということらしい。「国家の力を劇的に強める」ということのようだ。国家の力を劇的に強めて、諸問題を一気に解決するということになると、これは大変に危険なことだ。
ジョーバイデンとジョン・ケリーの耄碌し尽くした老醜コンビ
そして、大統領選挙に当選したというジョー・バイデンはこのグレイト・リセットに酷くご執心だということを、バイデンが気候変動対策の大統領特使に任命すると見られる、ジョン・ケリー元国務長官(連邦上院議員時代はバイデンと同僚)が暴露したのだ。
世界の諸問題を一気に解決するために、国家の力を劇的に強める。そのようなことになれば、個人の抑圧、私権の制限といったことがどうしても起きてくる。新型コロナウイルス感染拡大を契機に、これを利用して、このような危険なことをやろうというのは、まさに「ショック・ドクトリン」だ。また、デモクラシーの濫用だ。「俺が選挙で勝ったんだ、だから俺の言うことを聞け」「反対する奴は非民主的だ」ということになる。
私が恐れているのは、ジョー・バイデンが大統領に就任したということになって、「戒厳令を布告して、マスク着用を全国民に強制して、反対する人間やマスクをしない人間を“人民の敵”認定して逮捕・投獄する」ということが起きるのではないかということだ。
このグレイト・リセットという、およそアメリカの憲法の精神に全くそぐわない考え方にバイデンやバイデンの側近たちが熱心だということは、それだけで恐ろしいことであるし、アメリカがアメリカではなくなる、アメリカを破壊する行為であると私は考える。
(貼り付けはじめ)
ジョン・ケリーがジョー・バイデンの急進的「グレイト・リセット・ムーヴメント」への傾倒を明らかにした(John Kerry reveals Biden's devotion to radical 'Great Reset'
movement)
ジャスティン・ハスキンス筆
2020年12月3日
『ザ・ヒル』誌
https://thehill.com/opinion/energy-environment/528482-john-kerry-reveals-bidens-devotion-to-radical-great-reset-movement
今年6月、世界経済フォーラム(World Economic Forum、WEF)と国際連合(United Nations、UN)のような重要な国際機関に属するエリートたちは、世界経済を「リセットする」ための遠大な計画とキャンペーンを始めた。
この計画には、グリーン・ニューディールのような新しい社会的プログラムの拡大、左派が主張している諸テーマを支援することを各企業に強制する巨大な規制と政府のプログラムを通じて、政府の力を劇的に増大させることが含まれている。
この計画の正当化には2つのポイントがある。支持者たちによって「グレイト・リセット(Great
Reset)」と名付けた計画を正当化する理由として、新型コロナウイルス感染拡大(短期的な正当化の理由)と世界規模の温暖化による、いわゆる「気候変動危機」(長期的な正当化の理由)が存在する。
「グレイト・リセット」の支持者たちが主張しているところでは、この計画によって、社会の大きな部分が根本的に形を変えることになるだろうということだ。世界経済フォーラムの代表クラウス・シュワブは6月、次のように書いている。「世界は社会と経済の全ての側面を刷新するために一致団結してかつ陣族に行動しなければならない。それらは例えば、教育、社会契約、労働環境といった側面である。アメリカや中国をはじめとする全ての国家が参加しなければならない。そして、石油産業から天然ガス産業からハイテク産業など全ての産業が変化しなければならない。簡潔に述べると、私たちには資本主義の“グレイト・リセット”が必要なのだ」。
国際的に見て、「グレイト・リセット」は既に影響力を持つ指導者たち、活動家たち、学者たち、そして諸機関に支持されている。世界経済フォーラムと国連に加えて、グレイト・リセット・ムーヴメントは、国際通貨基金(International Monetary Fund)、国家元首たち、グリーンピース、マイクロソフトやマスターカードのような大企業や金融機関のCEOと会長たちの間でも支持を得ている。
しかし、アメリカにおいては、大統領選挙当選者ジョー・バイデンを含むほとんどの省察立案者や決定者たちが、グレイト・リセットについて比較的沈黙を待っている。多くの人々は、バイデン政権が、この急進的な計画であるグレイト・リセットに支持を表明するのか、反対するのか、知りたいと考え、そのヒントだけでも手に入れようとしている。
バイデンと彼の側近たちがグレイト・リセットを支持し、アメリカにそれを導入しようとするだろうことを示す証拠がいくつも存在する。しかし、バイデンと側近たちは、今のところ、アメリカにグレイト・リセットを導入するということを明確には述べていない。
11月中旬に世界経済フォーラムが主催した、グレイト・リセットに関するパネルディスカッションにおいて、バイデン政権で気候変動問題担当大統領特使を務めるであろうジョン・ケリー元国務長官は、バイデン政権がグレイト・リセットを支持し、「グレイト・リセットは、多くの人々が想像しているよりも、より急速にかつより大きな強度を持ってアメリカで実現されるだろう」と力強く宣言した。
パネルとして出席したボルゲ・ブレンデは、「世界経済フォーラムとその他のグレイト・リセットの支持者たちは、新しい大統領に期待するのが大き過ぎるし、急ぎ過ぎているのでしょうか?それとも新大統領は就任第一日目からグレイト・リセットを実行するのでしょうか?」とケリーに質問した。ケリーは「あなたのご質問に対する答えは、“いいえ、あなたは期待し過ぎてなどいなません”というものです」と答えた。
ケリーは続けて次のように語った。「そして確かに、グレイト・リセットは実現するでしょう。グレイト・リセットは、多くの人々が想像するよりも、急速にかつ強力に起きることでしょう。実際には、アメリカ市民はグレイト・リセットを遂行しつつあります。私たちはグレイト・リセットを実行しています。それは記録的な投票率のことを指します」。
ケリーは更に、「気候変動危機」のスピードを遅らせるためにグレイト・リセットが必要だと述べた。そして、「ジョー・バイデンは、アメリカにとってパリ(気候協定)に復帰することは十分ではないと考えていると私は知っています。パリ(気候協定)が必要としている最低限のことを行うだけでは十分ではないのです」と語った。
ケリーはまた、グレイト・リセット・ムーヴメントのために、「私たちはとても興奮する時代の幕開けに立ち会っている」と考えており、「気候変動危機に対処するために、社会的、そして経済的な諸問題を明確にするための最大の機会を手にしている」と述べた。
世界経済フォーラムのイヴェントでのケリーのこれらの発言は、世界経済フォーラムや国連など気候変動についてグレイト・リセットを支持ししている国際機関や組織とケリーがバイデン政権に参加して協同することになるという事実によって、より重要性を増す。
ケリーがグレイト・リセットを支持することを表明したのは今回が初めてではない。6月に世界経済フォーラムが開いたヴァーチャルのイヴェントで、ケリーは、新型コロナウイルス感染拡大は、グレイト・リセットにドアを開く「大きな瞬間」だと述べた。更に、「世界経済フォーラムは世界のCEO的な役割を果たせる能力を持っています。そして、気候変動と経済格差に対処するためにグレイト・リセットを洗練させるための最前線のそして中心的な役割を果たすことになるでしょう。これらの問題は新型コロナウイルス感染拡大によって露わにされたのです」。
バイデンとグレイト・リセットとのつながりには明確な証拠があることは明らかだ。ジョー・バイデン、ジョン・ケリーとバイデン政権の高官たちはアメリカにグレイト・リセットを導入することを計画している。もし彼らのその試みが成功すれば、アメリカは以前とは同じ国ではなくなるだろう。
(貼り付け終わり)
(終わり)



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