古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。よろしくお願いします。

タグ:ジョン・ケーシック

 古村治彦です。

 

 今回の大統領選挙では、現在のところ、ヒラリーが圧倒的に有利です。前回も書きましたが、「8対2」でヒラリーが勝利するというところまできています。

 

 トランプが2005年に話した卑猥な内容の発言を録音したテープが公開されたことで、共和党の連邦議員たちが一斉に掌返しで、民主党と一緒になって、トランプ包囲網を形成しました。自分たちの選挙が重要だということもありますが、トランプ支持者たちはエスタブリッシュメントの応援などしないということが分かって、「トランプを応援して、無党派や女性が逃げてしまっては意味がない」ということになりました。

 

 しかし、自分の党が党大会を開いて決定した、予備選挙を勝ち抜いた候補者を引きずりおろすということは異常なことです。これで、共和党は大きく傷つくことになるでしょう。支持者も分裂して、トランプを支持している人々は、民主党に対してよりも、共和党に対して敵意を募らせるでしょう。民主党は支持できないが、共和党はもっと恨みに思うということになるでしょう。そうなれば、新たな政治勢力ということになるでしょう。それが順調に成長することは難しいでしょうが、共和党を分裂させることにはなるでしょう。しかし、これまでに何度かポピュリズムが辿ったように結局敗北していくでしょう。共和党にまた吸収されるでしょう。そして、定期的に暴れ出すということになるでしょう。

 

 共和党は民主党のようなややリベラルな国内政策と強硬な外交政策を行うようになるのではないかと思います。トランプ支持者を切り捨てて、都市部のややリベラルな無党派を惹きつけるという方向にも進むでしょう。トランプを支持したパレオコンサヴァティヴ、パレオリバータリアン、オルト・ライト、リベラルに親近感を持つ人々、伝統的な保守派との間にある分裂が激しくなって、共和党は団結がしにくい党となり、アメリカの二大政党制を支える大政党と言えなくなるかもしれません。

 

 これを大きな目で見れば、「アメリカの制度が疲労し、アメリカは衰退の道を歩んでいる」ことの証拠ということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

ケーシック:共和党は進化しなければならない、さもなければ死んでしまうだろう(Kasich: GOP must evolve or it will die

 

レベッカ・サヴランスキー筆

2016年10月15日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/301174-kasich-gop-must-evolve-or-it-will-die

 

オハイオ州知事ジョン・ケーシックは共和党に対して重大な警告を発した。

 

ケーシックは、土曜日に『ビジネス・インサイダー』誌に掲載されたインタヴューの中で「共和党が進化しなければ、共和党は死んでしまうだろう」と発言した。

 

「共和党は貿易に反対し、移民に反対する政党ではいけない。人々の政治を実行しないせいとうではいけない。薬物中毒や精神的失陥、処方薬の値段、健康保険、学生の奨学金負債といった諸問題は現在、人々にとって大変に身近なものだ」とケーシンクは語った。

 

「だから、私は共和党が進化する必要があるが、進化がなければ私は共和党の一員ではいられないだろう」とも語った。

 

ケーシックは共和党の予備選挙で激しく争った共和党大統領選挙候補者ドナルド・トランプに対して批判的だ。

 

先週、ケーシックは、トランプの卑猥な発言を非難していない共和党員を激しく非難した。そして、彼らに対して「人々の模範となる」ように求めた。

 

ケーシックは「私はこれ以上話す言葉を持たない」と述べた。

 

「私は自分の適切な行動で手本を示せるように努力している。そして人々に逆襲をすることはない。私は幸せだからだ。私は自分の講堂以上のことを発言する必要はないと考えている」。

 

この発言は2005年に録音されたトランプの発言が収められたテープが公開された後になされたものだ。この録音テープの中で、トランプは、自分が有名人であるので、女性の同意などなくても、彼女たちを触り、キスできると語っていた。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)







 
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 古村治彦です。

 

 2016年米大統領選挙の共和党予備選挙はドナルド・トランプが大きくリードしています。先日行われた出身州である大票田ニューヨーク州でも大勝を収めました。また、2016年4月26日にコネティカット、デラウェア、メリーランド、ペンシルヴァニア、ロードアイランド各州で行われた予備選挙でもトランプは圧勝し、代議員を109名獲得しました。2番手につけているテッド・クルーズは代議員を3名しか獲得できず、ジョン・ケーシックも5名の獲得に留まりました。ニューヨーク・タイムズ紙によると、これまでの獲得代議員数はそれぞれ、トランプが954名、クルーズが562名、ケーシックが153名となっています。

 

 代議員の残りは502名となっています。代議員数の過半数は1237名ですから、クルーズはこれから全部を取っても過半数には届きません。トランプは約56%の代議員を獲得すれば過半数に届きます。反トランプ派としては、メリーランドとペンシルヴァニアでトランプの勢いを止めて、まずトランプの得票率を50パーセント以下に抑え、クルーズの得票率を20%以上にして、代議員の獲得を目指しましたが、これに失敗しました。

 

 クルーズとケーシックは、「大同団結」して、トランプ阻止のために協力すると発表しましたが、これについて、トランプは「共謀・馴れ合い(collusion)」だと批判しています。「株式の世界では共謀は許されないのに、政治の世界では許される。そして、既得権益を持つ政治家たちが共謀しているのだ」とトランプは勢いよく主張しています。

 

 4月26日の東部5州での予備選挙ではトランプの優勢が伝えられていましたが、ここまでの圧勝は予想外であったと言えます。3月末から4月上旬にかけてのユタ州とワイオミングの予備選挙でクルーズが勝ったことで、反トランプが勢いづき、トランプ旋風も一頓挫という感じになりましたが、出身のニューヨーク、そして東部5州の結果で息を吹き返しました。

 

 それには、トランプの「変身」という理由もあったようです。日本でも「トランプの言動が大人しくなった」という報道がなされましたが、過激な物言いが少なくなりました。『ワシントン・ポスト』紙のクリス・シリザ記者は、これを「トランプ2.0」と呼んでいます(いつまで続くか分からないという留保はつけていますが)。

 

 「トランプ2.0」党大会担当のポール・マナフォート、全国選挙運動責任者リック・ワイリーの功績であるとシリザ記者は分析しています。トランプ陣営は、11月の本選挙に向けて、少しずつ穏健モードにシフトしているようです。ロケットの打ち上げのように、まず過激な物言いで、既存の政治に不満を持っている人たちの支持を集め、それをブースターにし、そのブースターを切り離して、安定飛行に入るという戦略が見事に当たっていると思います。

 

 こうしたトランプの戦略に共和党の主流派の人々は翻弄されてしまっていると言えるでしょう。

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

The Fix

The new Donald Trump should scare the hell out of the GOP establishment

 

By Chris Cillizza April 20 at 9:32 AM

Washington Post

https://www.washingtonpost.com/news/the-fix/wp/2016/04/20/the-kinder-more-disciplined-donald-trump-should-scare-the-hell-out-of-the-gop-establishment/

 

Gone was “Lyin’ Ted.” In its place was “Senator Cruz.” Gone was the long-winded speech that went nowhere. In its place was a succinct recitation of states and delegates won. Gone was the two-day vacation as a reward for winning. In its place was an early morning trip to Indiana followed by another planned stop in Maryland.

 

Donald Trump 2.0 made his official debut Tuesday night following his sweeping victory in New York, a win that looks to net him 90 delegates and reestablishes him as the man to beat in the Republican presidential race.

 

After winning the New York GOP presidential primary April 19, Republican front-runner Donald Trump told a crowd at Trump Tower in Manhattan that he planned to celebrate for a night, then "go back to work" the next day. (Associated Press)

That version of Trump was markedly more disciplined, gentler and more appealing than the version of Trump we've seen for much of the last year. And, that fact should scare the hell out of establishment Republicans who believed that their efforts to keep Trump from the 1,237 delegates he needs to formally capture the GOP nomination was beginning to catch on.

 

Why? Because it’s clear, at least for now, that Trump is listening to his new political advisers — chief among them convention manager Paul Manafort and national field director Rick Wiley. Trump’s change in tone on Tuesday night was absolutely unmistakable to anyone who has paid even passing attention to his campaign to date.  The man who had built his front-running campaign on a willingness to always and without fail take the race to its lowest common denominator — was suddenly full of respect for the men he beat and full of facts about the state of the race.

 

 We have won millions of more votes than Senator Cruz, millions and millions of more votes than Governor Kasich,” Trump said. “We’ve won, and now especially after tonight, close to 300 delegates more than Senator Cruz.”

 

The change in tone is absolutely necessary if Trump wants not only to find a way to 1,237 delegates but also unite the party behind him in any meaningful way heading into the general election campaign this fall. The truth is that Trump has to play an outsider and an insider game from here on out. The outsider game is to keep winning primaries by convincing margins like he did in New York. The insider game is to show unbound delegates as well as party leaders and influencers that he can be magnanimous, that he can be a uniting force within the party.

 

Calling Cruz “Lyin’ Ted” is a great laugh line at a Trump rally but accusing the Texas senator of holding up the Bible and then putting it down and lying isn’t exactly the sort of rhetoric you need or want from a candidate who needs to bring the party together behind a common enemy in Hillary Clinton. It’s the difference between being voted “class clown” and being elected student body president. The former delights in taking the low road for cheap laughs. (I speak from experience.) The latter takes the high road even if it’s against his or her own natural instincts.

 

Can Trump keep it up?  Discipline on a single night or even a single week is one thing. Discipline over several months amid what will be continued attacks from both Cruz and the “stop Trump” movement is something else. And, listening to your new advisers when they are, well, new is easier than listening to them when it’s been a few months of biting your tongue and fighting back some of your natural attack instincts.

 

But, Trump has shown — both on Tuesday night and over the past week or so — an ability to rein himself in that suggests he understands that this new and improved version of himself is the one that can actually win the Republican presidential nomination.  Be scared, anti-Trump forces. Be very scared.

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)

 

(終わり)



 

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