古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。よろしくお願いします。

タグ:ジョン・マケイン



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 アメリカ大統領選挙は民主、共和両党で有力候補者たちの予備選への出馬表明が次々と行われています。共和党ではテッド・クルーズ、ランド・ポール、マルコ・ルビオの3名の若手連邦上院議員が立候補を表明しました。民主党では最有力候補ヒラリー・クリントン前国務長官が立候補を表明しました。


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ランド・ポール
 

 外交政策に関して言うと、ランド・ポール議員が総攻撃に遭っています。彼はリバータリアンとして、外国に対する不介入を訴えていますが、それが共和党内部からも激しい批判に晒されています。共和党内部のネオコンと民主党の人道主義的介入派から見れば、ランド・ポールの不介入路線は最も許しがたい主張です。

 

 しかし、アメリカ国民と外国にとっては最も望ましい路線です。ランド・ポールは共和党の予備選で苦戦することになるでしょうが、舌戦を展開し、「介入主義(interventionism)」の間違いと危うさを訴え続けて欲しいと思います。

 

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ランド・ポール:グラハムとマケインはオバマにとっての「外交政策に関して愛玩犬だ」と発言(Paul: Graham and McCain are Obama’s ‘lapdogs’ on foreign policy

 

ジョナサン・イースリー(Jonathan Easley)筆

2015年4月21日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/239645-paul-graham-and-mccain-are-obamas-lapdogs-on-foreign-policy

 

 ケンタッキー州選出連邦上院議員ランド・ポール(共和党)は火曜日、彼自身と共和党内の外交政策に関してタカ派に属する政治家たちとの間の舌戦をヒートアップさせた。サウスカロライナ州選出連邦上院議員リンゼイ・グラハム(共和党)とアリゾナ州選出連邦上院議員ジョン・マケイン(共和党)をまとめてオバマ大統領の国家安全保障政策に関して「大統領の愛玩犬(lapdog)」と呼んだのだ。


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リンゼイ・グラハム

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ジョン・マケイン

 

 テレビ局フォックス・ニュースとのインタビューの中で、ポール議員はグラハム議員とマケイン議員からの批判に対してどの反応するかと質問された。グラハム議員とマケイン議員はここ数日、ランド・ポールの外国に対する不介入という考えは国家安全保障にとっての大きな脅威となると批判していた。

 

ポール議員は「こうした批判は過去20年間にわたって全ての政策に関して誤りを犯した人々からなされたものです」と発言した。

 

 ポール議員は続けて次のように発言した。「私だけがリビアでの戦争は間違っているとはっきりと主張しました。シリアのアサド政権に対して空爆を行うことはイスラム国の力を強めるだけだと主張しました。シリアの反アサド勢力に対して武器を供与することはイスラム国を強化することにしかならないと主張しました。私だけですよ。私だけがオバマ大統領とオバマ大統領の愛玩犬になってしまった人々に対して反対を唱えたのです。彼らはこのことについて恥じていると私は思います」

 

 ポール議員は、共和党の一部から彼の不介入という考えについて懐疑を持たれている。共和党タカ派はポール議員を「孤立主義者(アイソレーショニスト、isolationist)」と呼び、彼の考えは国家安全保障に対して脅威となると批判している。

 

 グラハム議員は外交政策を第一にして大統領選挙について考えを述べているのだが、彼はポール議員に対する最大の批判者となっている。

 

グラハム議員は月曜日に、MSNBCに登場し、ポール議員は外交政策について「全く間違った考えを持っている」と発言し、国家安全保障についてオバマ大統領や民主党の大統領予備選挙出馬を表明したヒラリー・クリントン前国務長官よりも軟弱な姿勢を取っていると批判した。

 

ポール議員は火曜日に「私をますます声高に批判する人々はオバマ大統領の外交政策の賛同者なのです。彼らはオバマ大統領の外交政策路線を10倍の規模に増幅して行いたいと思っているだけなのです」と発言した。

 

 ポール議員はロナルド・レーガン元大統領のように「強さを通じて平和を確保する(peace through strength)」するという考えを持っていると主張した。

 

 ポール議員は次のように発言した。「私は介入が必ずしも常に正しい答えだとは考えていません。介入によって全く予期しなかった結果が出ることもこれまで度々ありました。彼らの主張する外交政策は全く的外れです。また、混乱し、無秩序でもあります。私はこれまで全ての戦争に関わりたいと望んできた人々に行動を有権者が再調査し、再認識する必要があると思います」

 

 外交政策は共和党の大統領選挙予備選がスタートしたばかりのこの時期において最も批判の応酬が行われている分野である。共和党タカ派は中東の大混乱を受けて勢いを増している。イラクとシリアにおいてイスラム国の脅威が増大し、オバマ大統領は核開発プログラムに関してイランと交渉を行っている。これらに関して共和党タカ派は批判を強めている。

 

(終わり)









 




アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12


野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23

 

 古村治彦です。

 

 今回は、アメリカの首都にあるシンクタンクであるヘリテージ財団(The Heritage Foundation)についての論稿をご紹介いたします。ヘリテージ財団と言えば、2012年に当時の東京都知事・石原慎太郎が講演を行い、尖閣諸島の一部を都で買い上げるとぶち上げたシンクタンクです。日本と中国、台湾の間で大きな争いの種を蒔いてしまった場所です。

 

 このヘリテージ財団に関しては、アメリカ国内でも信頼感がなくなっているようです。同じ保守陣営にいるはずのジョン・マケイン(John MaCain、1936年~)連邦上院議員(共和党、アリゾナ州選出)がヘリテージ財団について批判をしています。

 

 それではお読みください。

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ヘリテージ財団を批判するマケイン(MCCAIN AGAINST HERITAGE

 

ライアン・リッザ(RYAN LIZZA

2013年6月27日

ニューヨーカー(New Yorker)誌電子版

http://www.newyorker.com/online/blogs/newsdesk/2013/06/mccain-vs-heritage.html

 

 2013年6月25日(火)、政治誌『ナショナル・レビュー』誌は、ヘリテージ財団が

上院の超党派で結成されているギャング・オブ・エイト(Gang of Eight 訳者註:2013年に移民法の包括改革案を提出した超党派の上院議員8名)が提出した移民法案を廃案にしようとして動いたことを記事にした。記事の著者であるベッツィー・ウッドロフは、オバマ政権発足当初からヘリテージ財団が平凡なシンクタンクから変質しているということを取り上げた。

 

大統領が主導した健康保険改革についての議論が行われている時、ヘリテージ財団の代表者たちは自分たちの手が501(c)(3)条項のステイタスに縛られていると感じていた。ロビイストたちはシンクタンクに比べてより多くの道具を持ち、その結果としてより大きな影響力を持つ。従って、保守派の中で大きな存在であるヘリテージ財団はシンクタンクとしての業務だけではなく、「ヘリテージ・アクション」という行動を開始した。ヘリテージ財団が影響力を持った時のことを考えてみて欲しい。

 

 ヘリテージ財団の議会対策の上級ストラティジストのトリップ・ベアードは、農業法改正法案について共和党と衝突を起こした。そのベアードは次のように語っている。「3年か4年前なら私たちはそのような活動をすることを躊躇したことだろう」。彼は続けて次のように語っている。「今までの私たちだったら次のように言っていたことだろう。“共和党も良いことをやっているじゃないか。この法案は気に入らないけど、共和党がやろうとしているのだろうから良い法案なのだろう”と。しかし、私たちは長い間、左翼や中道を批判してきたが、共和党も批判の対象になってしまった。私たちは何かを言わなければならなくなった。厳しいことを言わねばならなくなったのだ」

 

 2013年5月、私は、ヘリテージ財団が学術的なシンクタンクから圧力団体に変質したことを記事にした。私は、ギャング・オブ・エイトについて記事を書いたが、この記事を書くための取材中、共和党所属の連邦上院議員たちにインタビューしたのだが、彼らは異口同音にヘリテージ財団とヘリテージ財団の戦術について口にした。ヘリテージ財団は、現在の不法移民を合法化するコストについてレポートを出した。私は、記事の中で、マケインがこのレポートがいかに恥ずべきものであるか熱く語っている部分を引用した。『ワシントン・ポスト』紙は、このヘリテージ財団のレポートの執筆者の1人が過去にヒスパニックの移民を受け入れるべきではないということを主張していたことを記事にして報道している。

 

マケインは、ヘリテージ財団が出した移民政策改革に反対するレポートがどれほど邪魔になったかを話し始めたら、止まらなくなった。マケインは大きな声で次のように述べた。「バーンという感じだね。あれは神から与えられた贈り物だった」。ヘリテージ財団の会長を長年務めたエドウィン・J・ファールナーは引退し、共和党所属の連邦上院議員を務め、ティーパーティー運動の指導者のひとりのジム・デミントが会長に就任した。マケインは、「アメリカの保守主義の歴史の中で、ヘリテージ財団は重要な機関の一つであったが、その存在感が希薄になりつつある」と主張した。

 

 マケインのヘリテージ財団に関する発言全てを記事に収録することはできなかった。しかし、政治に関心を持つ人々であれば、マケインが何を話したか、その全てを知りたいと思うことだろう。ここに私たちがヘリテージ財団について交わした会話の内容を掲載する。

 

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マケイン:私たちは2007年に起きた事件から教訓を得た。このようなことが起きないようにしなくてはいけない。私はデミントを批判するつもりはない。しかし、ヘリテージ財団の会長であるデミントは、移民政策改革に強く反対していることで知られている。このことはよく知られている。デミントの前に会長であったファールナーには信頼感があったよ。ファールナーは移民政策改革に反対ということはなかった・・・。

 

ブライアン・ロジャース(マケインのコミュニケーション担当責任者):ヘリテージ財団はかつて移民政策についての研究と分析を得意としていましたよね。

 

マケイン:彼らがそこまで素晴らしい成果を出したことはないと思うけどね。ただファールナーは素晴らしかったよ。彼は学者で、政治的な動きをする人物じゃなかった。

 

リッザ:私は、ヘリテージ財団が学術的なシンクタンクから、ポピュリズム的な草の根の圧力団体に変化したと考えています。

 

マケイン:彼らは明らかに変化している。彼らは明らかに変質しているね。ヘリテージ財団は、アメリカ・エンタープライズ研究所(A.E.I.the American Enterprise Institute)やその他の右派から中道に位置するシンクタンクのいくつかと同じような存在として、君は話しているよね。しかし、もはやそう言えないよ。君は恐らくアメリカ・エンタープライズ研究所の立場に同意しないだろうね。しかし、アメリカ・エンタープライズ研究所には、シンクタンクとしての信頼があるだろう。左派から中道に位置するブルッキングス研究所も同じく、人々から大きな信頼感を得ている。アメリカ・エンタープライズ研究所とブルッキングス研究所はお互いに全く反対の主張を行っている。ブルッキングス研究所はきちんとした研究と分析を行っている。それに私たちは関心を持つ。アメリカ・エンタープライズ研究所も同じくきちんとした研究と分析を行っている。それに私たちは関心を持つ。しかし、ヘリテージ財団にはこのような信頼感を持つことはもはやないね。

 

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 ヘリテージ財団は、シンクタンクとしての信頼感を低下させながらも政治の分野全体での影響力を増大させようという賭けをしているのである。にもかかわらず、上院での議論に影響を与えようとしたが見事に失敗してしまった。しかし、ヘリテージ財団は共和党所属の連邦下院議員たちに対して大きな影響力を持っている。連邦下院ではこれから移民政策改革の議論が始まる。

 

(終わり)






 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12


野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23



 古村治彦です。

 今回は、アメリカ政治の重要論文をご紹介します。

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ランド・ポールにとっての秘密兵器:ヒラリー・クリントン(
Rand Paul's Secret Weapon: Hillary Clinton

 

もしヒラリーが2016年の大統領選挙出馬を早めに決定する場合、民主党支持と支持政党を持たない有権者たちが共和党の予備選挙に参加することになるだろう。そして、彼らはケンタッキー選出の連邦上院議員を支持するだろう。

 

ピーター・ベイナート(Peter Beinart)筆

2014年4月9日

ジ・アトランティック(The Atlantic)誌

http://www.theatlantic.com/politics/archive/2014/04/rand-pauls-secret-weapon-hillary-clinton/360409/

 

 私はこのシリーズに関連する論稿をいくつか掲載してきた。私の主張は「ランド・ポールが共和党の予備選挙に勝利し、大統領選挙候補になるだろう。笑わないで欲しい」というものだ。


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ランド・ポール

 

 私はこれまで掲載した論稿の中で、ランド・ポールは、父親であるロン・ポールが成功したアイオワとニューハンプシャーでの予備選挙の戦い方と構造を受け継ぐことができると書いた。これは彼のライヴァルたちにはないものである。私は、ランド・ポールが共和党に高額の献金を行う支持者たちとインターネットで献金する少額の献金者たちの両方から多額の献金を集める能力があると書いた。そして、私は、予備選挙が早く行われる各州に住む共和党支持者たちは、ランド・ポールを急進的なリバータリアンではなく、保守本流であると考えているということも書いた。

 

 ランド・ポールが持つその他の大きな、そして知られていない強みというものがある。それは、ヒラリー・クリントンの存在である。物事は常に変化し続けるが、2016年の民主党の大統領選挙候補者は、現職の大統領が出ない予備選挙の中で最も競争がない予備選挙で選ばれることになるだろう。ヒラリー・クリントンに挑戦する人物たちは、バーニー・サンダースやブライアン・シュバイツアーのようなドンキホーテのような人々になるであろう。挑戦者たちは政治的基盤や多額の献金を集める能力を持たない人たちとなるだろう。

 

 ランド・ポールにとっては、これは僥倖となる。民主党支持と支持政党を持たない有権者たちの多くが共和党の予備選挙に参加することになるだろうからだ。彼らはヒラリーに対する反対のために何か行動を起こしたいと考え、その場所が共和党の予備選挙になる。そして、流れてきた有権者たちのほとんどがランド・ポールに投票することになるだろう。

 

 経済における政府の役割というテーマに関して言うと、ランド・ポールの考えは民主党支持、もしくは民主党支持に近い有権者たちの考えとは真逆となる。しかし、共和党内の彼のライヴァルたちとも反対なのである。そして、ランド・ポールは、ライヴァルたちとの間で、政府によるスパイ活動、軍事介入、収容所への収容といった重要な諸問題についての考えが異なるのである。そして、ランド・ポールの考えは、民主党員の多くにとって受け入れられるものであるばかりでなく、支持できるものなのである。例えば、NSAの調査に関して言えば、ランド・ポールは、ワシントンにいる民主党の政治家たちの多くに比べて、リベラルなグラスルーツグループの活動家たちの多くの考えを代表していると言える。ランド・ポールは、ヒラリー・クリントンに比べて、米軍を死地に送り込むことを躊躇している。最近、公開された演説の中で、ランド・ポールは、ディック・チェイニーがイラク戦争を推進したのは、関係するハリバートン社に利益をもたらすためであったと述べている。

 

 リベラルな人々が現時点でランド・ポールが彼らが支持できる考えを持っていることを知らないとしても、2016年までには知ることになるだろう。民主党の予備選挙が退屈なものとなると、マスコミは共和党の予備選挙に多くの時間を割くことになるだろう。ランド・ポールはライヴァルたちから、異端とも言うべき国家安全保障の考えに対して容赦ない攻撃を受けることだろう。しかし、彼の考えが明らかになることで、リベラルな民主党員や支持政党がない有権者たちから共感を得ることができるだろう。

 

最良のモデルとなるのが2000年の大統領選挙だ。この時、多くの点で典型的な共和党の政治家であるジョン・マケインが民主党員たちを刺激し、彼らの指示を集めたのである。マケインは選挙資金制度の改革を主張し、ジョージ・W・ブッシュの富裕層向けの減税計画を批判した。共和党内部のエリートたちがマケインを批判すればするほど、民主党員と支持政党を持たないリベラル派はマケインが正しいことをするだろうと考えるようになった。2000年のニューハンプシャーでの予備選挙に参加した有権者のうち、3分の1を占めたのが支持政党なしの有権者であった。彼らはマケインを支持しており、ブッシュとの差は42ポイントにもなった。ミシガン州の場合、それまで共和党の予備選の参加者の3割ほどが民主党支持や支持政党なしの有権者であったが、2000年の予備選では50%以上の参加者が民主党支持や支持政党なしの有権者であった。そして、彼らの第+がマケインを支持した。

 

 2000年のジョン・マケインと2012年のランド・ポールとの間には相違点があるのは当然のことだ。マケインは大統領本選挙に出馬しても勝利する可能性がある強力な候補者になると考えられていた。共和党の既存の支持層にとってマケインの快進撃を止めることが難しかった。しかし、最終的には彼を候補者にすることを阻止することができた。ランド・ポールは対照的に、共和党版のジョージ・マクガヴァーン(George McGovern、1922~2012年)だと考えられている。ランド・ポールは経験不足のイデオローグであり、クリントンに負けてしまうだろうと考えられている。しかし、ランド・ポールがマクガヴァーンと違うところは、共和党内部に熱烈な支持者たちを一定数持っている。ティーパーティー運動が盛り上がったこの時代、15年前に比べて、共和党内部のエリートたちの力は弱まっている。

 

 数年前から、専門家たちは、「帝国主義的な道徳を強制する右派(imperialistic, morally coercive right)」に対抗する「リベラル・リバータリアン連合(liberal-libertarian alliance)」について研究し始めている。これまでのところ、このリベラル・リバータリアン連合というテーマは主要メディアで取り上げられず、個人のブログに書かれている程度である。しかし、2016年になれば、リベラル・リバータリアン連合が主要メディアに取り上げられることになるだろう。そして、このリベラル・リバータリアン連合の存在が、常識が間違っていることを示す理由なのである。ランド・ポールは、2016年の大統領選挙の共和党候補者となれる人物なのである。

 

(終わり)








 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12


野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23



 古村治彦です。

 今回は、オバマ政権の外交政策の新方針が発表されたことについての論稿をご紹介いたします。この新方針についてより考えていきたいと思います。現実主義的な外交政策を強めようとするオバマ政権と介入主義的な外交政策を主張する議会のタカ派との戦いがあるようです。

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ホワイトハウスが新しい外交政策攻勢を発表するためにウエストポイントでの演説を利用(
White House To Use West Point Speech To Launch New Foreign Policy Offensive

 

ジョン・ハドソン(John Hudson)筆

2014年5月27日

フォーリン・ポリシー(Foreign Policy)誌

http://thecable.foreignpolicy.com/posts/2014/05/27/white_house_to_use_west_point_speech_to_launch_new_foreign_policy_offensive

 

 バラク・オバマ大統領は外交政策に関して左派と右派両方から攻撃を受けている。この攻撃に対して、オバマ政権は、ウェストポイント(米陸軍士官学校)での大統領の演説を使って反撃をしようとしている。この演説の中で、アフガニスタン、シリア、アフリカでのイスラム教民兵への対処について語る予定である。

 

 水曜日に行われるウエストポイントの卒業式でのオバマ大統領の演説の内容は、議会の強硬派を満足させるものではないだろう。強硬派はホワイトハウスに対して、シリアの反政府勢力により多くの武器を送り、ロシアと対峙しているウクライナに軍事支援を行うように圧力をかけている。また、アルカイーダの復活を予防するためにアフガニスタンに米軍を駐留させるように圧力をかけている。しかし、オバマ政権が発表する新しい外交政策方針は、主にパートナーとなる国々の軍隊を訓練することに重点が置かれている。この新方針は、世界各地で煙が上がっている状況下で、ホワイトハウスは何もやっていないという批判に対する反論となるだろう。オバマ大統領は嫣然の中で、政権の外交政策の中心となる考えを明らかにするだろう。この考えは、「コストがかかり、流血が伴う制限のない戦闘に関わる危険性を最小化することが可能となる代理勢力を使用する、そして中程度の目的を設定する」というものだ。オバマ政権は、ジョージ・W・ブッシュ大統領時代の野心的な目的(最終的な達成されなかった)とは異なる目的を設定している。

                                                                                                                

水曜日の演説の中で話される内容の中で最も重要な発表の一つは、シリア国内の反政府勢力の穏健派に訓練と装備の供与を行うという新しい軍事プログラムになるだろう。これまでの報道によると、ウエストポイントでの演説の中で、オバマ大統領は、シリアの反政府勢力への支援を拡大し、同時にシリアの近隣諸国に対する支援も拡大するという方針を発表するようである。このような新方針は、米上院議員のボブ・コーカー(テネシー州選出共和党所属)やジョン・マケイン(アリゾナ州選出共和党所属)のような、オバマ政権に対して強硬な批判を続ける人々を黙らせることはないだろう。しかし、シリアの反政府勢力からは珍しく賞賛を受けている。

 

 この数カ月、反政府勢力の指導者たちはより強力な武器を供与するように要求している。戦闘機を撃墜できる肩掛けのミサイル発射装置の供与とアサド政権側の優位な火力から反政府勢力を防衛し、シリア国内の急進的な反政府勢力と戦うための訓練を行うように要求している。国防総省とCIAの高官たちは対照的に、アメリカが供与した武器がイスラム急進派の手に落ちて、西洋諸国に対して使われることを心配している。CIAは、指紋のスキャンとGPSを使うことでこの問題に対処しようとしている。

 

 オバマ政権がシリアの反政府勢力にどの程度の支援を与えるのか明らかになっていないが、最近オバマ政権の関係者たちと会談したシリアの反政府勢力のメンバーたちは、新しいプログラムを賞賛した。反政府勢力であるシリア連合のスポークスマンのオウバイ・シャーバンダーは、『フォーリン・ポリシー』誌の取材に対して、「新しいプログラムの導入は潜在的に大きなチャンスとなる」と答えた。シャーバンダーは続けて「訓練プログラムの拡大は反政府勢力がアメリカ側に要求していたものの一つである。私たちはこの点を楽観している」。アメリカ議会はこの点では楽観的な姿勢を取っていない。連邦下院議員クリス・スミス(ニュージャージー州選出共和党所属)は下院外交委員会のヴェテランメンバーである。スミスは、シリアの反政府勢力に最終的な支援が与えられるまで安心はしていないと語っている。彼は、あるインタビューで次のように述べている。「欺瞞の後に現実はやってこない。シリアで殺戮が始まったばかりの段階で私たちは何もしなかった。その結果、私たちは殺戮が行われているのを、指をくわえて見続けるしかできなくなった」

 

 しかし、演説に先立ってマスコミにリークされた政権の外交政策における新方針はこれだけではない。北部および西部アフリカのリビア、ニジェール、モーリタニア、そしてマリに特殊部隊の兵員を送り、対テロエリート部隊の訓練を行うということもオバマ政権は決定している。これによって、イスラム急進テログループであるボコ・ハラムのようなテログループが活動している国々の軍隊が対テロ部隊を創設し、テロの脅威と対峙できるという希望が生まれている。ボコ・ハラムは最近約300名のナイジェリアの少女たちを誘拐したことで人々に知られるようになった。『ニューヨーク・タイムズ』紙は、米陸軍のグリーンベレーとデルタフォースの要員がアフリカ諸国の軍隊を訓練するために派遣され、国防総省の機密費から資金が送られると報道している。オバマ大統領の目標は、コストのかかる地上戦にアメリカ軍を直接投入することを避け、同盟諸国の軍隊を訓練して、各国の対テロ能力を向上させるというものなのである。

 

 大統領の演説の前に出されたもう一つの大きな発表は、アメリカ軍のアフガニスタンからの撤退である。オバマ大統領は火曜日、アメリカ軍のアフガニスタンでの任務は2014年いっぱいで終了すると発表した。同時に、オバマ大統領は、アメリカ軍の兵員9800名を2014年以降もアフガニスタンに駐留させ続けることも明らかにした。この目的は、アフガニスタン軍の訓練とアルカイーダに対する対テロ作戦の支援である。ホワイトハスのローズガーデンでオバマ大統領は演説を行った。その中で次のように語っている。「私たちは始めた仕事を仕舞おうとしているのだ」

 

 オバマ大統領はここでも直接戦闘を行うのではなく、同盟諸国の軍隊を訓練することを選んでいる。しかし、オバマ大統領の決定は、議会におけるタカ派、ハト派両方を満足させるものではない。

 

カリフォルニア州選出の米連邦下院議員で進歩的な人物であるバーバラ・リーは次のように語っている。「戦争が始まって13年経った。この期間で分かったことは、アフガニスタンでは軍事力を使っても問題は何も解決できないということであった。もっと早く決定すべきであったが、アフガニスタンにいる米軍は全て撤退させる時期だ。アフガニスタンにこれからも米軍を駐留させ、予算を使うのなら、少なくとも議会で議論をし、採決すべきだ」

 

 クローカーのような共和党内の保守派の多くはオバマ大統領が2014年以降も一定の兵員をアフガニスタンに残すと決定したことを歓迎した。しかし、共和党の一部からは、オバマ大統領がアフタニスタンからの米軍の撤退の日にちを明確にしたことに対して批判が出ている。

 

 米下院議員で米下院軍事委員会の委員長ハワード・“バック”・マキノン(カリフォルニア州選出共和党所属)は声明の中で次のように述べている。「アフガニスタンでの任務に恣意的に期限をつけるというのは戦略的な感覚に欠けた行為であると言わざるを得ない。アフガニスタンの人々がテロの脅威に対処できるようになってからアメリカは撤退すればよいのであって、政治的な事情で期限を決めて、我が国の安全保障をないがしろにして、それで支持率を挙げようとするのはおかしい」

 

 民主党内のタカ派は右派からの批判を非難した。米下院外交委員会の幹部委員であるエリオット・エンゲル(ニューヨーク州選出民主党所属)は次のように語っている。「率直に言って、共和党はオバマ大統領が何をやっても批判しかしない。オバマ大統領が米軍をすべて撤退させても、批判するだろう。その期日を決めても、批判するだろう。米軍の駐留を続け、その後に撤退期日を決めても、優柔不断だとして批判するだろう」

 

 アメリカ議会はオバマ大統領の抑制的な外交政策姿勢に対してかなり批判的であるが、最近の世論調査が示しているように、アメリカ国民の多くは介入主義的なアプローチに

反対している。2014年4月末、ウォールストリート・ジャーナル紙とNBCの共同世論調査によると、ほぼ半数の人々が「アメリカが世界においてあまり活動的である必要はない」と答えている。より積極的な関与に賛成したのは5分の1にも満たない数であった。

 

(終わり)







 

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