古村治彦の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。よろしくお願いします。

タグ:ジョージ・H・W・ブッシュ

 古村治彦です。

 

 健康問題もあって支持率を下げていたヒラリーですが、少し盛り返しつつあります。各種世論調査では、トランプが失速した8月ほどの勢いではありませんが、少しずつ盛り返しています。ヒラリーもトランプも、どの世論調査でも「好きですか、嫌いですか」の質問の答えで「嫌い」が上回る(好き嫌いの数字の差はトランプの方が大きい)という、「不人気者」同士の戦いとなっており、積極的に応援するという人たちはどちらの候補にも少なくて、「どちらかを選ばないといけないのか、嫌だなぁ」という人が多いということになります。

 

 共和党のエスタブリッシュメントからヒラリー支持、もしくはトランプ不支持を表明する人が出ていますが、ブッシュ家は全体として、トランプ不支持で、前大統領が2人もいながら7月の党大会に出席しませんでした。そして、今回、ジョン・F・ケネディ元大統領の弟で、こちらも暗殺されたロバート・ケネディの娘がジョージ・HW・ブッシュ(父)元大統領と一緒に写っている写真をフェイスブックに投稿し、それに「元大統領はヒラリーに投票するって!!」という慎みのないキャプションをつけました。こういうことには慎重さが必要ですし、他人が政治的に重要な人物を使って、このような行動を取ることは許されません。

 

 ブッシュ元大統領側では「大統領選挙について何も言わない」と発表しました。考えてみれば、ブッシュ元大統領は2期目を目指しながら、ビル・クリントンに敗れ、現職大統領が新人に負けるという屈辱を味わいました。民主党、しかも自分が敗れた相手の布陣を応援することはできないでしょう。しかし、トランプとは肌合いが違うのでこちらも支持できないということになります。

 

 今回の大統領選挙は、どうもマイナスの方向にばかり触れて、明るい要素は見えず、「アメリカ帝国」の終焉をよく示していると考えます。

 

(貼り付けはじめ)

 

世論調査:ヒラリーは全国規模でのリードを5ポイントに回復(Poll: Clinton regains 5-point lead nationally

 

ジェシー・ヘルマン筆

2016年9月20日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/296778-poll-clinton-regains-five-point-lead-over-trump

 

ヒラリー・クリントンは、先週世論調査で悪い結果が続いていたが、今週になって盛り返している。火曜日の朝に発表された最新の全国世論調査の結果では、ヒラリーはドナルド・トランプに対して5ポイントの差を回復していた。

 

NBCニュースの世論調査によると、投票に行くと答えた有権者の50%がヒラリーを支持し、45%がトランプを支持した。

 

先週の同社の世論調査では、ヒラリー48%、トランプ44%の支持率だった。

 

第三党の候補者たちを調査に入れても、民主党大統領選挙候補者ヒラリー・クリントンの支持は5ポイントのリードを維持している。この場合、ヒラリーの支持率は45%、トランプは40%、リバータリアン党のゲイリー・ジョンソンは10%、緑の党ジル・スタインは4%だ。

 

全有権者を対象にすると、ヒラリーはリードを6ポイントに広げた。支持率はヒラリーで49%、トランプで43%である。

 

この世論調査は2016年9月12日から18日かけて、インターネット上で有権者登録をしていると申告した14326名を対象に行われた。この中で選挙に行くと答えた人の数は13320名であった。

 

今回の世論調査の誤差の範囲は±1.2%である。

 

今週になって、ヒラリーは世論調査の数字を落としていた。全国世論調査の結果の平均では、ヒラリーはトランプに対して1.3ポイントの差をつけているとなっている。先月は6ポイントの差であった。

 

=====

 

ジョージ・HW・ブッシュがヒラリー・クリントンに投票?(George H.W. Bush voting for Clinton?

 

ハーパー・ニーディグ筆

2016年9月20日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/ballot-box/presidential-races/296776-report-george-hw-bush-to-vote-for-clinton

 

ジョージ・HW・ブッシュ元大統領(共和党)は11月の大統領選挙でヒラリー・クリントンに投票する予定だ、とロバート・F・ケネディの娘がフェイスブックに投稿した。

 

2016年9月19日、『ポリティコ』誌は、この投稿は、キャスリーン・ハーティントン・ケネディ・タウンゼントメリーランド州元副知事が投稿したと報じた。

 

ケネディは、キャスリーン・ケネディがブッシュと握手している写真を投稿した。それにつけたキャプションには、「元大統領は私に、ヒラリーに投票すると言ったの!!」と書かれていた。

 

ブッシュの報道担当ジム・マグラスは『ポリティコ』誌の取材に対してEメールで回答し、元大統領の投票については公開されないと述べている。

 

マグラスは次のように書いている。「一般の有権者としてブッシュ元大統領は約50日後に投票を行うが、その中身についてはこれからの50日で公開されることはない。ブッシュ元大統領は大統領選挙当日まで選挙戦についてコメントしない」。

 

父と息子の両ブッシュ政権の幹部だった人物たちの多くが、共和党の候補ドナルド・トランプではなく、民主党のヒラリー・クリントンを支持し、投票する意図を持っているという発表を行っている。彼らがこのような発表を行っているのは、彼らがドナルド・トランプを嫌っているからだ。

 

(貼り付け終わり)

アメリカの真の支配者 コーク一族
ダニエル・シュルマン
講談社
2016-01-22





 
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ダニエル・シュルマン
講談社
2015-12-09



アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12



 

 古村治彦です。

 

 以下の記事にあるように、今年の秋の叙勲で、ジョージ・W・ブッシュ大統領時代の副大統領だったディック・チェイニー、国防長官だったドナルド・ラムズフェルドに「旭日大綬章」がそれぞれ与えられました。これは昔で言えば、勲一等という大変な名誉ある勲章だそうです。

 

 外務省は、このネオコン派の頭目2人が日米関係の強化に貢献したという理由で叙勲の推薦を行ったそうです。彼らがやった日米関係の強化とは、日本の自衛隊の下請け化と日本のアメリカ属国化の強化でありました。そのことを賞賛して勲章を与えるというのは、何とも間の抜けた、自虐的な行為であると思います。

 

 日本人以外の人間からすると、神秘の国のエンペラーから貰う勲章、ということで喜びもひとしおでしょうが、税金を支払っている国民からすれば、何とも馬鹿げた話です。彼らの何が「勲功が第一等」なのでしょう。勲章などというのはそれにふさわしい人に、ふさわしいレベルのものが与えられないということの好例でしょう。

 

 日本の外務省が恥をかいてしまったのは、同じ時期に、叙勲を受けたドナルド・ラムズフェルドがジョージ・H・W・ブッシュ(父)元大統領に批判されてしまったことです。父ブッシュとラムズフェルドは政敵同士であったため、仲は良くなかったようです。それでも、自分の息子ジョージ・Wの国防長官を務めた訳ですから、「お世話になった」ということはあるでしょうが、それでも批判されるというのはよほどのことです。

 

 父ブッシュとアホ息子・ブッシュは共にアメリカ大統領を務めましたが、その外交政策は大きく違いました。父は現実主義的で、バカ息子の方はネオコンによる理想主義的な外交政策でした。父の時代にも多くのネオコンが政権に入っていましたが、父ブッシュとジェイムズ・ベイカー国務長官(当時)は彼らを抑え切りました。第一次湾岸戦争の時、父ブッシュ政権内のネオコンたちは、イラク軍をクウェートから追い払った後、イラク国内に進撃、サダム・フセインを倒すことを強硬に主張しましたが、父ブッシュはそれを許可しませんでした。イラクに侵攻し、フセインを倒すことは混乱と無秩序を生み出すだけだということを知っていたからです。

 

 そうした父から見れば、自分のアホ息子が大統領になったのは良かったが、周りのネオコンたちにいいようにやられて、イラクやアフガニスタンに侵攻して、手痛い失敗をしたことは残念でならなかったことでしょう。それが掟破りの批判につながったのだと思います。

 

 そして、現在、ややましな次男ジェブが大統領選挙に出馬しています。父ブッシュとしては、ジェブが勝てるとは思っていないでしょうが、彼に、「バカな兄貴の真似なんかするんじゃないぞ」ということを教えているのだと思います。ジェブの外交政策ティームにはネオコンも入っていますが、リアリストたちも多く入っています。そうしたこともあって、今回、父ブッシュは声を上げたのだと思います。

 

 結局、バカを見たのは外務省であり、日本国民です。そして、日本が世界の大勢に反した、孤立(アメリカ[の一部]とイスラエルしか友人がいない)状態になってしまっているということがまた明らかになりました。これからもこの「世界からの孤立化」はもっと進んでいくものと思われます。

 

(新聞記事転載貼り付けはじめ)

 

●米国の“戦争屋”2人に旭日大綬章…安倍ポチ政権の恥知らず

 

日刊ゲンダイ 2015年11月5日

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/168651/1

http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/168651/2

 

 今年秋の叙勲受章者が3日に発表されたが、かつての勲一等、「旭日大綬章」の名簿に驚いた。受章した19人のうち日本人は7人。半数以上の12人が外国人だった。

 

 外国人の受章者数は過去最多。一番多いのは米国で5人が受章する。その面々にはさらに驚く。大義なきイラク戦争を主導したラムズフェルド元国防長官とアーミテージ元国務副長官にまで、日本は勲章を贈るのだ。

 

 2人への叙勲を推薦したのは外務省儀典官室。授章を決めた内閣府は、「戦後70年の節目ということで、戦後日本の平和と発展の重要な基盤を形成した日米関係の増進に大きな功績のあった方々を特に推薦した、と外務省から説明された」(賞勲局の担当者)と言うのだが、ちっともピンとこない。2人とも「日本の平和と発展の基盤を形成」するどころか、ぶっ壊してきたではないか。

 

 ラムズフェルドはイラク開戦直後から自衛隊に再三「イラクの治安維持」への参加を打診。日本政府に集団的自衛権の行使をたき付けた人物だし、日本を飼い慣らす「ジャパンハンドラー」として知られるアーミテージは、もっと露骨だ。

 

9.11テロ以降、「ショウ・ザ・フラッグ」「ブーツ・オン・ザ・グラウンド」と恫喝し、日本政府に軍国化を迫ってきただけではない。3年前に公表した「第3次アーミテージ・リポート」では、日本の原発再稼働やTPP参加、特定秘密保護法の制定、武器輸出三原則の撤廃を要求。安倍政権は言われるがまま、実現してきた。

 

「安倍政権が強引に成立させた安保法制も、リポートの中身を実現させたものです。アーミテージは『集団的自衛の禁止が日米間の障害』などと断定的に記しています。今や自衛隊は米軍の下請けとなり、安倍政権も元請けのオバマ政権への従属を隠そうとしない。叙勲制度を利用してまで、米国にゴマをするとは、独立国としての誇りを完全に失っています」(政治評論家・森田実氏)

 

 かつて「集団レイプする人は、まだ元気があるからいい。正常に近い」とホザいた太田誠一元農相まで旭日大綬章を受章するご時世だ。いくら勲章の価値が落ちているとはいえ、戦争屋2人にくれてやる必要はない。

 

●「Former President George H.W. Bush raps Cheney, Rumsfeld in biography: Fox News

 

Reuters

2014/11/15

 

WASHINGTON (Reuters) - Former President George H.W. Bush takes some unexpected swipes at Dick Cheney and Donald Rumsfeld, key members of his son's administration, over their reaction to the Sept. 11 attacks, in a new biography of the 41st president, Fox News reported on Wednesday.

 

In "Destiny and Power: The American Odyssey Of George Herbert Walker Bush," author Jon Meacham quotes Bush as saying that Cheney and Rumsfeld were too hawkish and that their harsh stance damaged the reputation of the United States, the cable news network said.

 

Speaking of Cheney, who was vice president under President George W. Bush, the senior Bush said: "I don't know, he just became very hard-line and very different from the Dick Cheney I knew and worked with," according to the report.

 

Cheney served as defense secretary during George H.W. Bush's 1989-1993 presidency.

 

"The reaction (to Sept. 11), what to do about the Middle East. Just iron-ass. His seeming knuckling under to the real hard-charging guys who want to fight about everything, use force to get our way in the Middle East," Bush told Meacham in the book to be published next Tuesday.

 

Bush believes Cheney acted too independently of his son by creating a national security team in his own office, and may have been influenced to become more conservative by his wife and daughter, Lynne and Liz Cheney, the report cites the biography as saying.

 

View galleryFormer U.S. President George H.W. Bush looks attends …

Former U.S. President George H.W. Bush looks into the audience during the Medal of Freedom ceremony  …

On Rumsfeld, secretary of defense for most of the two terms served by his son, Bush is even more critical. He is quoted as saying: "I don't like what he did, and I think it hurt the President," referring to his son.

 

"I've never been that close to him anyway. There's a lack of humility, a lack of seeing what the other guy thinks. He's more kick ass and take names, take numbers. I think he paid a price for that. Rumsfeld was an arrogant fellow," he was quoted as saying in the biography.

 

Fox News quoted Cheney as denying his family had influenced his views, saying: "It's his view, perhaps, of what happened, but my family was not conspiring to somehow turn me into a tougher, more hardnosed individual. I got there all by myself."

 

Bush's spokesman could not immediately be reached for comment.

 

Rumsfeld declined to comment on the book, Fox News said.

 

(Reporting by Eric Walsh; Editing by Peter Cooney)

 

(新聞記事転載貼り付け終わり)

 

(終わり)





野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23





 

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アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12




野望の中国近現代史
オーヴィル・シェル
ビジネス社
2014-05-23



ジョージ作・ジェブの外交政策(Jeb’s Foreign Policy, by George

 

―ジェブは41代と43代の大統領に仕えた専門家たちを混合させることで、共和党の強固な支持基盤を形成している人々を宥めようとしている

 

マイケル・ハーシュ(Michael Hirsh)筆

2015年2月18日

『ポリティコ』誌

http://www.politico.com/magazine/story/2015/02/jeb-bush-foreign-policy-115295.html#.VO0tJPmsW3c

 

ジェブ・ブッシュは「自分らしく」やるだろう。彼は大統領選挙の有力候補者として初めての外交政策に関する演説を水曜日に行った。しかし、共和党内のインサイダー情報によると、元フロリダ州知事であるジェブは彼の外交政策ティームをブッシュ家と関わり深い人々から選び出したということである。タカ派の兄ジョージ・Wの下で働いた専門家たちに加えて、穏健派の父ジョージ・HWの下で働いた人たちを混ぜた名簿を発表した。その目的は、ジェブを信用していない、現在でもまだタカ派的な共和党の支持者たちに合わせるためである。

 

 ブッシュの外交政策ティームは、2人の共和党主流派の外交政策専門家が選び出されている。彼らはそれぞれジェブの父親と兄に仕えた人々である。彼らの名前は、リチャード・ハース(Richard Haass)とロバート・ゼーリック(Robert Zoellick)だ。彼らは、共和党内の大物であるジェイムズ・ベイカー(James Baker)をティームに加えた。ベイカーはジェラルド・フォード(Gerald Ford)、ロナルド・レーガン(Ronald Reagan)に仕え、ジョージ・HW・ブッシュ(George H.W. Bush)政権下では国務長官として辣腕をふるった。更には、イラク戦争を主導したポール・ウォルフォビッツ(Paul Wolfowitz)と当時のディック・チェイニー(Dick Chaney)副大統領の国家安全保障問題担当補佐官であったジョン・ハンナ(John Hannah)といったネオコンの人々もティームに参加させている。

 

今回の外交政策ティームには参加していないが、ジェブから非公式に相談を受けている、共和党の外交政策のヴェテランによると、ネオコンの人々がティームに加えられたのは、ジェブについてほとんど知らない共和党の支持基盤に対して彼の信頼性を高めるためだということであった。ジェブの移民と教育に関する穏健な考えに対して、共和党の支持者たちは既に疑念を持っているというのである。

 

 「ジェブは現在、大口寄付者のネットワークと外交政策専門家のネットワーク形成を行っている」と前述の専門家は述べている。ブッシュは様々な考えを持つ有権者たちを満足させるために、幅広い専門家の登用を望んでいるというのである。

 

 前述の専門家は更に次のように述べている。「彼は熱心な支持者たちを熱狂させる演説を行った。彼の演説は過去15年間で最高のものだった。彼は基本的に長い時間を大口の献金者たちと過ごしてきたが、これから違うだろう」。

 

 ジョージ・W・ブッシュ政権下で大統領国家安全保障問題担当補佐官と国務長官を務め、人気が高かったコンドリーザ・ライス(Condoleezza Rice)が入れば、共和党の予備選で有権者を惹きつける効果があるだろう。コリン・パウエル元国務長官の名前は名簿に入っていない。パウエルの広報担当のペギー・シフリノは、「パウエルは顧問になるように依頼されていないし、新聞で得た情報以上のことは何も知らない」と述べている。ジョージ・W・ブッシュの一期目に国務長官を務めたパウエルは裏切り者とみなされていた。そして、2008年の大統領選挙でパウエルは二度にわたりバラク・オバマへの支持を表明した。ジェブの外交顧問団に名前が入っていない人物として、ブレント・スコウクロフトもいる。彼はジョージ・HW・ブッシュ政権で国家安全保障問題担当大統領補佐官を務め、ジョージ・HW(父)の親友である。

 

 パウエルの顧問を務めたリチャード・N・ハース(Richard N. Haas)は、パウエルと同じく、イラク戦争に関しては懐疑的であった。ハースは保守派の間では中間的な立場にいたが、保守派から懐疑の目を向けられてきたので、ジェブに対して非公式に助言を行っている。ハースはまた、超党派の非営利団体である外交評議会(CFR)の会長を務めているので、ジェブの外交顧問団に正式に参加することはできないとみられている。ハースの広報担当リサ・シールズは「リチャードは、民主、共和両党の政治家や政府高官や候補者たちの多くに助言を行っている」と述べている。

 

 ゼーリックは、レーガン、ジョージ・HW・ブッシュ(ベイカー国務長官の下で国務次官)、ジョージ・W・ブッシュ(国務副長官、米通商代表部代表、世界銀行総裁)にそれぞれ仕えた。ゼーリックは『ポリティコ』誌の取材にEメールで回答を寄せた。その中で彼は、「私は経済と外交政策の面でジェブを支援したいと考えている。そして、彼を手助けしたいと望んでいる人々をジェブの陣営に参加させたいとも考えている。私が重要だと考えているのは、ジェブ・ブッシュが広範な考えに接することが出来るプロセスを作ることだ。率直に言って、時代は41代、43代(そして42代)とは変わっており、多くの人々の考えを一定の枠に当てはめることは出来なくなっている」。

 

 実際、ジェブの外交政策ティームは幅広い人々によって構成されている。この名簿は水曜日にシカゴでジェブが演説を行う前に発表された。この顔ぶれを見ると、私たちは混乱してしまう。少なくとも候補者として自分の考えを明らかにするものにはなっていない。共和党の外交政策分野におけるヴェテランの1人は「彼は全ての人を満足させようとしている」と述べた。

 

 混乱に加えて、ジェブはかなり限られた時間しかシカゴでの演説に割けなかったと言われている。演説の内容は一般論に終始し、共和党お得意の強い国防力と同盟諸国との関係強化を訴えるだけで、オバマ大統領に対してもほどほどの批判しかできなかったという評価がなされている。

 

 公式的には、ジェブは父や兄のようになるかどうかについて言及することを拒絶しているが、彼は家族に対する忠誠心を使って家族間の相違を埋めようとしている。ジェブは2月に次のように語った。「私は父を愛している。私の父は現在生きている人間の中で最も偉大な人物だ。そして、私は兄を愛している。私は彼が偉大な大統領であったと思っている」。

 

 ジェブ・ブッシュは、ハーヴァード大学のミーガン・オサリヴァン(Meghan O’Sullivan)のような主流派に属する顧問に依存している。オサリヴァンは前述のハースの下でキャリアをスタートさせ、ジョージ・W・ブッシュ政権ではイラクにおける行政を担った。オサリヴァンは穏健な考えをする人で、ベイカーとスコウクロフトに代表される父ジョージ・HW・ブッシュの外交政策ティームの人脈に連なると考えられている。『ウォースストリート・ジャーナル』紙は最近、ジェブ・ブッシュがオサリヴァンを自身の外交政策顧問の首席に据えたいと考えているようだと報じた。

 

 しかし、ジェブは、現在の共和党の支持基盤となっている保守派の人々は父に対して懐疑的だということを知っている。公平であるかどうかは別にして、父ブッシュは彼が1991年に行った「チキン・キエフ」演説によって人々の記憶に残っていると言える。父ブッシュは、この演説の中で、ウクライナの人々に対して、性急にソ連から離脱することのないように、「自殺的なナショナリズム」に陥らないようにと警告を発した。また、ソ連を構成した国々全体に対しても同様の警告を行った。また、第一次湾岸戦争の後にサダム・フセインを権力の座から追い落とさなかった。ジェブは現在、オバマ大統領の優柔不断さと対外政策の弱腰を攻撃している。水曜日の演説でもそうであった。しかし、予備選の間、ジェブに対しても父親の優柔不断さと弱腰に関して批判が向けられるだろう。

 

しかしながら、奇妙なことに、共和党の予備選を勝ち抜いた場合、ジェブは父ブッシュの外交政策に近づくように舵を切らねばならなくなるだろう。父ブッシュの業績は歴史家たちの間で急速に評価を高めており、多くの世論調査の結果では彼の外交政策は多くの人々に評価されているのである。一方、兄ジョージ・W・ブッシュが2009年1月に大統領の座から退いた時、不支持率は68%であった。NBCニュースとウォールストリート・ジャーナル紙が昨年共同で行った世論調査の結果によると、66%の人々がイラク戦争を「やる価値がなかった」と考えているということであった。

 

 ジョージ・W・ブッシュ政権で高官を務めたエリック・エデルマンは次のように語っている。「私は、父ブッシュの評価が高く、兄ブッシュの評価が低いというのはジェブにとって難しい前提となるだろう。父と兄の違いを誇大に宣伝することは簡単だが、二人とも基本的には、共和党の保守的な国際主義に属している点で一緒なのだ。彼らの政策の間に相違はあっただろうか?相違点は確かに会った。しかし、対ロシア政策とジョージ・Wとプーティンとの関係について見てみれば、41代大統領であったジョージ・HWのゴルバチェフに対するアプローチとそこまでの相違はないと考える人も出てくるだろう。対中政策について言えば、大きな相違点があったとは思われない。41代大統領であったジョージ・HWもまたイラクでの戦争を実行したのだ」。

 

 ジェブは演説の中で、「自分にとって、父と兄が大統領執務室でアメリカの外交政策を形成したというのは幸運であった」と語った。

 

 しかし、保守派の論客の中には、この歴史は、ジェブが共和党の大統領選起居候補者になったら二重の負担となるだろうと考えている。

 

 保守的な内容のブログ「レッドステイト・ドットコム」を運営しているエリク・エリクソンは次のように予想している。「ジェブの外交政策と父と兄の行ったことが共和党の予備選挙で大きな争点になることはないだろう。候補者たちは、ランド・ポール以外は多少の違いはあっても、外交政策に関して大きな隔たりは存在しない。ジェブが予備選挙を勝ち抜くには国内政策の方が重要だ。選挙における彼の弱点は、彼がブッシュ家から3人目の大統領になるという点だろう」。

 

(終わり)













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