古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

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タグ:ジョー・バイデン

 古村治彦です。

 今年の大統領選挙の民主党の候補者指名を確実にしているジョー・バイデン前副大統領がまた軽口を叩いてしまい、批判を浴びた。

 今回は、アフリカ系アメリカ人有権者に関する発言で、「私とトランプとどちらを支持するか迷っているような人は黒人ではない」というものだった。「アフリカ系アメリカ人だったら私と民主党を支持するのが当然だ」という傲慢な発言である。

 この発言が出たのは、アフリカ系アメリカ人コミュニティで人気の高いラジオ番組「ザ・ブレックファスト・クラブ」という番組でのことだった。歯に衣着せぬ毒舌で人気の司会者チャーラマーニュ・ター・ゴッドとのやりとりの中で出たものだ。チャーラマーニュ・ター・ゴッドが「私はあなたに批判的」という先制パンチを放ってインタヴューが始まって、丁々発止盛り上がった。予定の時間を過ぎてしまい、バイデンのスタッフが「もうそろそろ」と入った。

 バイデンは自宅の書斎からのリモート出演だったのだが、彼の後に妻ジル・バイデンが配信で使うことになっていた。そこで、スタッフが盛り上がっているところに割り込んだ。これに対して、司会者チャーラマーニュが「黒人メディアではそんなことはさせない」と軽口で言い、バイデンが「これは黒人メディアも白人メディアも関係ない、時間のこともあるし、どうしようかな」と応じた。

 そして、司会者チャーラマーニュが「番組のスタジオがあるニューヨークに来たら、必ずスタジオに来てくださいよ」「あなたには更に質問がある」と述べたのに対し、バイデンが上記発言を行ったという流れである。

 この発言に対しては共和党側と民主党の一部から批判が出た。「アフリカ系アメリカ人有権者にどのように投票せよと指示した」「トランプ大統領を支持するアフリカ系アメリカ人有権者の人種に関する純粋性(これはまた危険な考えであるが)に疑義を呈した」「白人エリート主義者の傲慢」といった非難の声が出ている。バイデンも小賢しい真似をしてしまったという後悔の念を表明した。

 一連の流れを見れば、バイデンがつい口を滑らせた、自分が長年良好な関係を築いてきたアフリカ系アメリカ人コミュニティ向け、相手は毒舌の司会者ということで、きわどいことを言ってしまった、ということであろう。アフリカ系アメリカ人コミュニティでは、差別を逆手に取って、差別語や蔑称を使って会話をする、軽口を叩き合うということがある。そして、アフリカ系アメリカ人ではない人を受け入れてそれを許す場合もあるが、このことは大変に微妙な問題であり、通常は気をつけておかねばならないことだ。

 バイデンとしては、予備選挙でサンダースに追いつめられていたところに、2月末のサウスカロライナ州での予備選挙で予想外の大勝利で流れを変え、一気に逆転し、指名獲得を確実にした。これにアフリカ系アメリカ人有権者の力が大きかったのは事実であり、これに対して、サンダース支持が多かったヒスパニック系が焦り、副大統領候補にはヒスパニック系の女性をという声も出ている。

 バイデンや民主党には「非白人、特にアフリカ系アメリカ人有権者は私たちに投票するのが当然だ」という固定観念があるのだろうが、優位と言われていたヒラリー・クリントンがドナルド・トランプに敗れた、しかも金城湯池のラストベルト、五大湖周辺州で敗れたということをもっと重く受け止めて、2016年からは固定観念は通じない時代になっているのだということを認識しなければ2020年も勝利はおぼつかないだろう。

 バイデンの年齢を重ねた割に、軽率な行動が多いというのは問題である。年齢や健康に加えて彼の行動や発言も不安要素であり、副大統領候補選びはより重要である。もしバイデンが当選すれば、そうした不安要素を抱える彼に何かあった時には大統領にならねばならない人物である。こうした不安が出てくるのはバイデンの不利な点だ。

(貼り付けはじめ)

バイデンはアフリカ系アメリカ人からの支持についての発言を後悔している:「私はあんなにこざかしいことをしなければよかったのだが」(Biden regrets remarks about black support: 'I shouldn't have been such a wise guy'

ジョナサン・イーズリー筆

2020年5月22日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/499213-biden-regrets-remarks-about-black-support-i-shouldnt-have-been-such-a-wise?utm_source=thehill&utm_medium=widgets&utm_campaign=es_recommended_content

ジョー・バイデン前副大統領は金曜日、金曜日の午前中にラジオ番組司会者チャーラマーニュ・ター・ゴッド(Charlamagne Tha God)に、トランプ大統領を支持するならば、「あなたは黒人ではない」と語ったことについて後悔していると述べた。

アフリカ系アメリカ人の実業家たちとの電話の中で、バイデンは午前中の発言は「思慮のないもの」だったと述べ、アフリカ系アメリカ人有権者の支持を当然のことだとか、アフリカ系アメリカ人有権者に対して誰に投票しなければならないとかを述べるつもりではなかったと釈明した。

バイデンは「私はそんなこざかしいことをしなければよかったのですが。あんな短慮なことをしなければよかったのですが」と述べた。

「私は自分が発言した内容を当然のことなどとはまったくもって考えていません。人種、宗教、背景に基づいて特定の投票にしなければならないなどと考えていません。アフリカ系アメリカ人でトランプ大統領は自分の投票に値する人物だと考えている人はいます。私は投票に値しないと考えますし、彼の記録に対抗して私の記録を出す準備はできています。しかし、それ以上ではありません。しかし、あいにくなことでした。あんな思慮のないことをすべきではありませんでした」。

民主党の大統領選挙候補者に内定しているバイデンは、人気のラジオ番組「ザ・ブレックファスト・クラブ」に出演したが、司会者のチャーラマーニュはアフリカ系アメリカ人コミュニティに影響を与える諸問題について更に議論を続けたいと述べた後に、議論を呼ぶ発言を行った。

バイデンは次のように応じた。「もっとたくさん質問があるって?そうですか、私があなたに言いたいことはね、私を支持するか、トランプを支持するか迷っているのならば、あなたは黒人ではない、ということです」。

共和党側、民主党の一部指導者たちは、バイデンの発言を非難した。バイデンが人々に対してどのように考えるべきかを指示し、アフリカ系アメリカ人の人種的純粋性について疑義を呈したと攻撃した。

バイデンの報道担当シモーネ・サンダースは当初、バイデンの発言を擁護した。バイデンの発言は「冗談としてなされた」ものだと述べ、バイデンにはアフリカ系アメリカ人有権者からの強力な支持があることを指摘した。アフリカ系アメリカ人有権者は、大統領選挙民主党予備選挙においてバイデンに復活の勝利をもたらした。

しかし、バイデンの発言はソーシャル・メディア上で議論を呼び、批判が高まっている中で、バイデンに対して釈明すべきというプレッシャーが大きくなっている。

オバマ政権下のホワイトハウスで副官のトップを務めたパトリック・ガスパードは、バイデンは「誰が十分に黒人であり、誰がそうではないかを決める」ための「位置にはいない」と述べた。

ミュージシャンのディデイはツイッター上でバイデンに対して、バイデンの発言は自分に「黒人の投票は自由ではない(black vote ain’t free)」ことを示したと書いた。

ティム・スコット連邦上院議員(サウスカロライナ州選出)や実業家でミシガン州において連邦上ン議員選挙に出馬しているジョン・ジェイムズといった共和党に属するアフリカ系アメリカ人たちはバイデンを非難した。

スコット議員は「民主党はこれまで、アフリカ系アメリカ人コミュニティから支持を得ることは当然だ、自分たちに同意しないアフリカ系アメリカ人は攻撃してよいと考えてきた」と述べた。

ジェイムズは「私は、その中にはアフリカ系アメリカ人木組まれるが、他のすべてのアメリカ国民と同じく、自分自身のために考え、投票する権利を持っている」と述べた。

そして、トランプ選対はバイデンの発言を「人種差別的」で「非人間的」だと述べた。

トランプ選対の上級顧問で、トランプ陣営の「ブラック・ヴォイス」の指導者であるカトリーナ・ピアソンは「リベラル白人のエリート主義者たちは、どのアフリカ系アメリカ人はテーブルにつき発言をすることを許されるかを独占的に決定するという姿勢で首尾一貫している」と発言した。

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バイデンはチャーラマーニュ・ター・ゴッドに語った。:もしあなたが私を支持しないのなら、「あなたは黒人ではない」(Biden tells Charlamagne Tha God: If you don't support me 'then you ain't black'

ジョナサン・イーズリー筆

2020年5月22日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/499128-biden-tells-charlamagne-tha-god-if-you-dont-support-me-then-you-aint-black

ジョー・バイデン前副大統領は金曜日に人気のラジオショー「ザ・ブレックファスト・クラブ」で司会者のチャーラマーニュ・ター・ゴッドに対して、自分の人種についての記録を擁護した。この時、バイデンはチャーラマーニュに、あなたがトランプ大統領を支持するならば、「あなたは黒人ではない」と述べた。

インタヴューが始まって11分が過ぎて、バイデンのスタッフがインタヴューを終わらせようとした。それは、バイデンが自宅のオフィスからインタヴューに答えていたのだが、妻のジル・バイデンが自身の配信イヴェントのために使うことになっていからだ。しかし、バイデンはインタヴューの延長に同意した。

18分後、スタッフは再びインタヴューに口を挟んできた。チャーラマーニュは冗談交じりに次のように言った。「黒人メディアに対してそんなことはできませんよ」。

バイデンは腕時計を見ながら次のように答えた。「私は白人メディアであろうが黒人メディアであろうがやりますよ。私の妻は6時に行かなくちゃいけないものだから。おやおや、困ったことになったな」。

チャーラマーニュは「いいですか、バイデン副大統領、ニューヨークにいらしたら、私たちの番組に来ていただかなくちゃいけませんよ。11月までは時間がたくさんありますよ。私たちは多くの質問がありますからね」と述べた。

バイデンは次のように答えた。「質問がたくさんあるって?いいですか、私を支持するか、トランプを支持するかを決めるのに迷っているようならば、あなたは黒人じゃありませんよ」。

チャーラマーニュは「トランプ大統領には全く興味がないんですよ、だけど、アフリカ系アメリカ人コミュニティのために何かしたいとは思っていますよ」と述べた。

バイデンは次のように答えた。「私の記録を見て欲しいものですよ。私は25年間にわたり投票権法を拡大してきました。私は他の誰の追随も許さないくらいの記録を残していますよ。全米黒人地位向上協会(NAACP)は私が選挙に出る時はいつも推薦支持を出してくれています。いいですか、私の記録を見て下さい」。

チャーラマーニュのラジオショーは民主党の予備選挙期間中、候補者たちが出演したがる番組だった。しかし、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)をはじめ複数の候補者たちは、人種についての記録についてチャーラマーニュから激しく問い詰められたことでトラブルとなった。

バイデンは番組に初めて出演した。そして、インタヴューは時に激しい論争となり、ぎこちないものとなった。しかし、バイデンとチャーラマーニュは最後には穏やかな雰囲気となった。

チャーラマーニュは番組の初めにバイデンに「私はあなたに対して批判的ですよ」と述べた。

バイデンは「あなたがそうだってことは知っていますよ。私のことを知らないんでしょう」と返した。

チャーラマーニュはバイデンに対して、マリファナ解禁を支持しながら、合法化を支持しないのは何故かと説明して欲しいと述べた。

バイデンは次のように答えた。「科学者たちはマリファナが長期間にわたって脳に与える影響を理解しようとしています。私たちは、研究が終わるまで待つべきでしょう。これは科学の問題です」。

チャーラマーニュは「私たちはこれまで何十年も何十年も吸い続けてきたと思いますけどね」と答えた。

バイデンは笑いながら「いや確かに、私もマリファナを吸っている人をたくさん知っていますよ」と述べた。

チャーラマーニュはバイデンに対して、1980年代と1990年代に犯罪関連法案に賛成したことについて説明するように求めた。批判者たちはこの法案によってアフリカ系アメリカ人の投獄が増えたと訴えている。

チャーラマーニュはヒラリー・クリントン元国務長官が彼の番組に出演して、これらの法案を支持したことについて謝罪したと指摘した。そして、ヒラリーが大統領選挙に出馬した理由の一つはこれらへの償いであったと述べた。

バイデンは次のように語った。「彼女は間違いました。あれは犯罪に関する法案ではなく、麻薬規制と最低限の規制を行う機構に関する法案でした。しかし、私は反対しました」。

バイデンは番組中に繰り返しアフリカ系アメリカ人有権者の間で彼が大きな支持を得ている世論調査の結果に言及し、民主党予備選挙について指摘した。予備選挙では、アフリカ系アメリカ人有権者がバイデンを支持し、その結果として全米各地で大勝利を収め、結果として早い段階で党の指名を確実にした。

バイデンはオバマ前大統領を引き合いに出して、「私はこれまでの誰よりも、アフリカ系アメリカ人有権者の中でのより大きな支持を集めています。バラクよりもね」と述べた。

バイデンは「アフリカ系アメリカ人有権者は、自分たちでも述べているように、友人ですよ。私を躍らせてくれるんです。いいですか、冗談じゃないって話ですよ、まったく」と述べた。

共和党系のスーパーPACである「アメリカ・ライジング」は、バイデンの発言の様子を収めた映像を流し、保守派のソーシャル・メディアで映像のやり取りが激しくなった。

トランプ選対の上級顧問でトランプ支持の「ブラック・ヴォイス」の指導者であるカトリーナ・ピアソンは「リベラル白人のエリート主義者たちは、どのアフリカ系アメリカ人はテーブルにつき発言をすることを許されるかを独占的に決定するという姿勢で首尾一貫している」と述べた。

ピアソンは続けて次のように語った。「これらの人種差別的なそして非人間的な発言を受け、ジョー・バイデンが、アフリカ系アメリカ人男性と女性が独立心を持つことができず、自由に考えることができないと確信しているということがこれまで以上に明らかになった。バイデンは、77歳の白人男性である彼はアフリカ系アメリカ人がどのように行動すべきかを決定すべきだと確信しているのだ。バイデンは人種を使って恩着せがましい行動を続けてきた歴史を持っている。そして、本日、バイデンは再び、多くのアフリカ系アメリカ人有権者と私にとって、ジョー・バイデンが私たちの投票に値しない人物だということを証明したのだ」。

ティム・スコット連邦上院議員(サウスカロライナ州選出)は連邦上院で唯一のアフリカ系アメリカ人の連邦上院議員だ。スコット議員もまたバイデンを、アフリカ系アメリカ人にどのように投票すべきかを教え、保守的なアフリカ系アメリカ人有権者の人種的純粋性について疑義を呈したことについて非難した。

バイデン選対のアドヴァイザーであるシモーネ・サンダースはバイデンの発言を擁護した。

サンダースはツイッターで次のように書いた。「副大統領は彼のキャリアを通じてアフリカ系アメリカ人コミュニティと共に、そしてコミュニティのために戦ってきました。副大統領は民主党の指名を勝ち取った。コミュニティの人々の投票全てを獲得し、コミュニティの人々と会いました。これは今年の11月まで副大統領がやりたいことです」。

サンダースは続けて次のように書いた。「“ブレックファスト・クラブ”でのインタヴューの最後に行ったバイデン副大統領の発言の内容は冗談でした。しかし、副大統領が述べた内容を正確に思い出してみましょう。彼がアフリカ系アメリカ人コミュニティと協力してきたこれまでの記録とトランプ大統領の記録を区別しました。以上です」。

(貼り付け終わり)

(終わり)

amerikaseijinohimitsu019
アメリカ政治の秘密
harvarddaigakunohimitsu001
ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙について、「トランプ大統領は延期したり、中止したりするのではないか」「新型コロナウイルス感染拡大という危機的状況を利用して、民主的な手続きを無視するのではないか」という懸念の声がアメリカで出ていた。「トランプは独裁者になるのではないか」という、荒唐無稽な心配の声が上がっていた。

 まず、アメリカ大統領と副大統領の任期は1月20日正午までと決まっており延長はない(アメリカ合衆国憲法修正第20条)。大統領、副大統領が選出されない場合には、連邦下院議長が権限を代行するが、連邦下院議長が選出されていない場合には、連邦上院仮議長が代行する(修正第25条)。アメリカ大統領選挙本選挙の際には、連邦下院議員全議席(435議席)も同時に選挙となるので(連邦下院議員全議席は2年おきに選挙が実施される)、選挙が実施されなければ連邦下院議員がいないということも考えられる。連邦上院(100議席)は2年おきに約3分の1ずつ選挙が実施されるので、常に連邦上院議員は複数名存在することになる。

 アメリカ大統領の任期と本選挙日程(11月の最初の月曜日の次の火曜日)は画集国憲法と連邦法で設定されているので、これらを変更するためには連邦議会で変更された法律を可決しなければならない。そして、これらの基底を無視することは誰もできない。たとえトランプ大統領であってさえもそうだ。

 ここで面白いのは、大統領選挙について各州の権限も大きいということだ。選挙日程や各州の連邦上院の議席数(人口に関係なく各州2議席ずつ)と連邦下院の議席数(人口に比例して配分)を足した数の選挙人(electors)を選出することという大枠は連邦法で決まっている。しかし、選挙の細かい手続きなどは各州で違っていても良いことになっている。

 そこで、今回の新型コロナウイルス感染拡大によって、人々が集まることは良くないということになって、不在者投票の条件緩和(日本では既にそうなっている)や郵便投票、投票日前に選挙管理事務所に投票用紙を出しに行くということが現在できない州でできるようにしようという動きになっている。そのために連邦政府が予算をつけるということにもなっている。

 選挙の延期や中止ということはアメリカではない、あり得ないということになる。デモクラシーの総本家を自認して、世界中にデモクラシーを強制して回ることこそ最上の使命だと考える人も多くいる国であるアメリカにとっては、選挙こそが国の根幹、国柄を形成する制度だ。それをやらないということになれば、アメリカがアメリカではなくなる。戦争があろうが、自然災害があろうが、テロ攻撃があろうが、新型コロナウイルスがあろうが、それは変わらない。

(貼り付けはじめ)

2020年の大統領選挙は延期できるものだろうか?大変な困難しかない。その理由を挙げる(Could the 2020 Election Be Postponed? Only With Great Difficulty. Here’s Why.

―ルイジアナ州とジョージア州は大統領選挙予備選挙を延期させた。現在の危機的状況の中で各種選挙を実施することについての6つの重要な疑問に対して答えを提示する。そして、大統領は、大統領令を出して選挙を中止することはできない。

11月の大統領選挙の投開票日は連邦法によって定められている。これを変更するためには連邦議会によって改正法を可決し、大統領が可決した法案に署名しなければならず、その正当性について裁判が起こされることになるかもしれない。

アレクサンダー・バーンズ筆

2020年3月14日

『ニューヨーク・タイムズ』紙Alexander Burns

https://www.nytimes.com/2020/03/14/us/politics/election-postponed-canceled.html

コロナウイルスの感染拡大は、2020年の大統領選挙の選挙運動に対して日一日と新たな障害を加えている。しかし、これまでの48時間でルイジアナ州とジョージア州が実施いた予備選挙の日程の再設定に追随した州はほとんどない。

アメリカの選挙の歴史において選挙の延期は、そこまで前代未聞という訳ではないが、極めて稀な事態であった。

それでは、これからの数か月で、どれほどの障害が起きると有権者たちは予期することができるだろうか?地方自治体、州政府、連邦政府が選挙の日程やその他の詳細を変更することができるどれだけの裁量を持っているのだろうか?皆さんが持っておられるであろう疑問のいくつかについて私たちは答えを出してみようと試みてみる。

●ルイジアナ州とジョージア州が予備選挙を延期した理由は何か?

ルイジアナ州州務長官R・カイル・アードインは共和党所属で、民主党所属の州知事ジョン・ベル・エドワーズに対して、コロナウイルス感染拡大に対する懸念から、4月4日に実施予定の予備選挙を約2か月延期するように要請した。

両者にはルイジアナ州法によって予備選挙の延期の実施は認められている。ルイジアナ州では、州知事は、緊急事態に際して選挙の日程の再設定が可能ということになっている。州務長官が緊急事態が続いていると認定している間はそのような決定が可能となっている。

ジョージア州州務長官ブラット・ラッフェンスパーガーは土曜日、3月24日に実施予定の予備選挙を5月に延期すると発表した。ジョージア州民主党はこの決定を支持した。

他の各州はコロナウイルスに対応するために予備選挙の日程を変更させているだろうか?

いや、少なくとも、今のところはない。

今度の火曜日に選挙が予定されている4つの州、フロリダ州、オハイオ州、アリゾナ州、イリノイ州は予備選挙の日程を変更することなしに、投票をより安全に行えるように予防策を施して実施することになる。しかし、予備選挙が遅く実施される各州はルイジアナ州とジョージア州の例に倣うことは可能である。

このような直前になっての変更はかなり異例のことであるが、各州には予備選挙の日程と方法を決定できるかなり広範囲な裁量が認められている。予備選挙の日程を設定するための正確なプロセスは各州によって異なる。そのために、かなり多くの州が2016年から2020年の間に予備選挙や党員集会の日程を変更している。また、いくつかの州の共和党はトランプ大統領のために党内での争いを最小化する目的で予備選挙自体を中止することも可能なのである。

しかし、民主党自体には予備選挙を6月9日までに完了させねばならないという規則が存在する。そして、今年はミルウォーキー市で開催される全国大会に出席する代議員は6月20日までに決定されねばならない。この日程に反するルイジアナ州を含む各州は、代議員数の削減というペナルティを政党から科されることになる。

本選挙の日程は連邦法によって設定されており、1845年以降固定されている。本選挙の日程を動かすためには連邦法の変更をしなければならない。連邦議会によって法改正を可決し、大統領が署名しなければならない。この法改正は裁判で正当性を争うことになるかもしれない。

このような通常とは異なる異常事態を引き起こすことについてはあまり求められていない。

もし上記のような条件が全て実現した場合であっても、別の日程を選ぶための柔軟性はあまり存在していない。アメリカ合衆国憲法は新しい連邦議会は1月3日に召集されねばならないと定めている。そして、新しい大統領の任期は1月20日に始めねばならないとしている。これらの日程の変更は通常の立法行為によっては実行できない。

金曜日にルイジアナ州が予備選挙の延期を発表した後、民主党系の選挙法専門の弁護士として有名なマーク・エリスは、11月の選挙自体も見直すことができるのかどうかについて多くの質問が寄せられ、彼はこれを質問の波と表現しているが、それらについて次のように断言した。

マーク・エリスはツイッター上で次のように書いている。「11月の選挙について多くの質問をもらった。各州は予備選挙の日程を決めることができる。一方、連邦規模の本選挙の日程は連邦法で設定されている。11月の最初の月曜日の次の火曜日と決められている。州政府と大統領はこの日程を変更することはできない」。

「マーク・エリス(@marceelias)」

「11月の選挙について多くの質問をもらった。各州は予備選挙の日程を決めることができる。一方、連邦規模の本選挙の日程は連邦法で設定されている。11月の最初の月曜日の次の火曜日と決められている。州政府と大統領はこの日程を変更することはできない」。

ジェイク・タッパー(@jaketapper

「ルイジアナ州州務長官カイル・アードインは4月4日に実施予定とされているルイジアナ州での予備選挙を、コロナウイルスの感染拡大の懸念のために、そして、“ルイジアナ州の州民と選挙関係者の健康と安全を守る”ために、6月20日まで延期すると発表した」。

●大統領は大統領令で選挙を中止もしくは延期することはできるか?

いいえ。大統領は多くの権力と権限を持っている。しかし、選挙に関して言えば、大統領はルイジアナ州知事よりも制限されている。

.●11月の選挙の投票手続きについてはどうか?

大統領選挙の日程は連邦法によって設定されているが、投票手続きについては多くの場合、州レヴェルで管理されている。

投票に関する規則が複雑なパッチワークのようになっているのはそのためだ。いくつかの州では期日前投票が認められている。郵便投票や選挙当日の有権者登録を認めている州が複数存在する。その他に、有権者の本人確認にいくつかの書類しか認めていないところもある。多くの州ではこれらのうちのほとんど、もしくは全部を認めていない。

従って、公衆衛生上の危機的状況に対応するために、各州は投票手続きを見直すことは、特定の日に人々を一つの場所に集める必要がない郵便投票や期日前投票をより簡単にすることで、可能である。

アメリカ国内でコロナウイルス感染拡大が大きくなっているワシントン州では、長年郵便投票を実施してきている。3月10日の大統領選挙予備選挙は混乱なく実施された。

連邦政府は、大統領選挙の日程変更を行うことなしに、異なった投票手続きを実行する、もしくは促進することも可能だ。カリフォルニア大学アーヴァイン校教授で選挙法の専門家リチャード・L・ハセンは、連邦議会は、各州政府が大統領選挙本選挙で「無条件の不在者投票」が実施できるようにしなくてはならないと提案している。これによって選挙の投開票日に誰でも投票所に行っての投票以外の方法を選ぶことができるようになる。

「リック・ハセン(@rickhasen)」

「連邦議会は11月の選挙で各州政府が不在者投票を実施できるように法律を可決すべきだ。連邦議会は不在者投票に対して資金を提供し、それがすぐに実現するようにする必要がある」。

「アレグザンダー・ヘフナー(@heffnera)」

「全ての州知事と州務長官は期日前投票と郵便投票を実施しなければならない。投票は民主政治体制においては継続されねばならない」。

●過去において緊急事態のためにアメリカの各種選挙の日程が変更されたことはあるか?

はい、州や地方自治体レヴェルではあった。

最も記憶に残っているのは、2001年9月11日だ。このテロリスト攻撃はニューヨーク市長選挙の当日朝に行われた。州議会は緊急州法を可決し、選挙の2週間の延期を決めた。2017年、フロリダ州のいくつかの市長選挙が、ハリケーン・イルマのために短期間ではあるが延期された。

2004年、ブッシュ政権内でテロ攻撃があった場合に連邦規模での選挙を延期する方法が議論されたと報じられた。しかし、この考えはすぐに立ち消えとなった。当時の国家安全保障問題担当大統領補佐官コンドリーザ・ライスは「戦時中であってもアメリカでは選挙が実施されてきた、南北戦争当時でも選挙は実施されたのだ。アメリカは決まった時期に選挙を行うべきなのだ」と発言した。

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いいえ、トランプ大統領はコロナウイルスを理由にして11月の選挙を中止することも延期することもできない(No, Trump can't cancel or postpone the November general election over coronavirus

グレイス・パネッタ筆

2020年3月18日

『ビジネス・インサイダー』誌

https://www.businessinsider.com/trump-cant-cancel-or-postpone-the-november-election-over-coronavirus-2020-3

新型コロナウイルスの感染拡大は2020年の選挙に対して既に悪影響を与えている。最後の最後まで選挙陣営の幹部や選挙に関わる役人たちをまごつかせている。

ドナルド・トランプ大統領に批判的な人々の中には、大統領が今回の危機を利用して、今年の大統領選挙本選挙の延期や中止するのではないかという懸念を持っている。

トランプ大統領は大統領令を発して11月3日の本選挙を中止にすることも延期することもできない。国家非常事態、大災害宣言、もしくは戒厳令の下でもそうしたことができないのである。

新型コロナウイルスの感染拡大は既に2020年の選挙に大いに悪影響を与えている。選挙陣営の幹部や選挙関連の役人たちは状況に合わせることに奔走している。

月曜日にまでに、5つの州と自治領は民主党の大統領選挙予備選挙を延期した。

火曜日早朝、オハイオ州最高裁はオハイオ州衛生部に対する訴えを退けた。訴えでは、オハイオ州内のコロナウイルスをめぐる公衆衛生上の緊急事態を受けて投票所の閉鎖と予備選挙の投票を延期するように求めていた。

前例のない国家規模の混乱、株式市場の急落、ホワイトハウスによる一貫性のない対応の中で、ドナルド・トランプ大統領を批判する人々は、今回の危機を利用して、今年の本選挙を延期、もしくは中止するのではないかと疑念を持っている。

たとえば、フォックス・ニュースの政治アナリストであるファン・ウィリアムズは、『ザ・ヒル』誌に掲載した最新の論説記事の中で、次のように疑問を呈している。「大統領選挙までの8か月の間でさらに政治上の穴を深く掘るような状況の中で、トランプ大統領が次の大統領選挙を延期するもしくは中止するための正当化にコロナウイルスを使用することに躊躇するなどと考える人はいるだろうか?」

ベストセラー作家でツイッターにおいて50万のフォロワーを持つカート・エイチェンウォルドは、ヴァーモント州選出のバーニー・サンダース連邦上院議員に対して民主党の大統領選挙予備選挙から撤退するように求めた。そうすれば、各州で予備選挙を中止することができると主張した。エイチェンウォルトはツイッター上で、「トランプ大統領はこの手続きを使って選挙を中止することができるだろう」と書いた。

しかし、トランプ大統領は大統領令を出して11月3日の大統領選挙を一方的に中止、もしくは延期することができない。国家緊急事態もしくは自然災害の宣言や戒厳令の布告があってもそのようなことはできない。

民主党系の選挙法専門の弁護士マーク・エリスやケンタッキー大学法科大学院の投票・選挙法専門の教授ジョシュ・ダグラスを含む専門家たちは、ツイッター上で、各州が選挙人を任命する日程を変更するためには連邦議会が法律を変えるしかないと書いている。

「ジョシュア・ダグラス(@JoshuaADouglas)」

「多くの人々は“それでもトランプ大統領が戒厳令を布告したらどうなるのか?!”と述べている。1866年のミリガン決定(Ex parte Milligan, 1866)で連邦最高裁判所が決定したように、戒厳令の布告があっても憲法を一時停止をすることはできない

しかし、たとえそのようなことが起きても、戒厳令によってトランプ大統領に選挙を延期する、もしくは2021年1月20日の任期最終日を遅らせる力を与えられることはない」。

「ジョシュア・ダクラス(@JoshuaADouglas)」

「多くの人々が私に質問している。いいえ、国家規模の緊急事態の中でも、トランプ大統領は11月の大統領選挙を延期するために、大統領としての行政上の力を使うことはできない。連邦議会だけが大統領選挙の日程を設定できる」。

「マーク・エリス(@marceelias)」

「11月の選挙について多くの質問をもらった。各州は予備選挙の日程を決めることができる。一方、連邦規模の本選挙の日程は連邦法で設定されている。11月の最初の月曜日の次の火曜日と決められている。州政府と大統領はこの日程を変更することはできない」。

ジェイク・タッパー(@jaketapper

「ルイジアナ州州務長官カイル・アードインは4月4日に実施予定とされているルイジアナ州での予備選挙を、コロナウイルスの感染拡大の懸念のために、そして、“ルイジアナ州の州民と選挙関係者の健康と安全を守る”ために、6月20日まで延期すると発表した」。

結局のところ、アメリカ国民は大統領を直接選んでいるのではない。その代わりに、各州は、アメリカ選挙人団(Electoral College)に集合し、投票するために指名された選挙人たち(designated electors)を送り出す。選挙人たちは12月に召集される。選挙人たちは次の大統領と副大統領(連邦上院の議長)を決めるための投票を行う。

月曜日に本誌で掲載されたインタヴューの中でダグラスが述べているように、連邦議会は1845年に全国規模の大統領選挙の日程を11月の最初の月曜日の次の火曜日と定めた法律を可決し、それ以降、日程は変更されていない。

各州が選挙人を任命する手続きはアメリカ合衆国憲法第二条とアメリカ合衆国法典第3冊第1章の両方で設定されている。合衆国憲法第二条では、各州はそれぞれの州から選出されるアメリカが州国連邦下院議員と連邦上院議員を足した数と同数の選挙人を任命しなければならないとしている。この手続きに関しては連邦議会が決定することができる。合衆国法典では選挙人の任命の日程が設定されている。

選挙の日程を変更するためには、連邦議会は合衆国法典第1章を変更するために投票しなければならないだろう。この第1章では次のように定められている。「大統領と副大統領の選挙は、各州においては、4年おきに11月の最初の月曜日の次の火曜日に定められねばならない」。

連邦法には、各州は連邦法が定めた日に、連邦議会が同意しているいくつかのメカニズムによって、各州から選出されている連邦議員の総数と同数の選挙人を任命することと定められている。しかし、連邦法は、選挙人の配分のために選挙自体を実施する必要は定めていない。

実際、ダグラスは本誌に対して、アメリカの初期の歴史においては、多くの州が、今日私たちが知っている形のような大統領選挙を実施していなかったと述べた。その代わりに、各州の上下両院が選挙人を任命するために投票を行い、選挙人たちに対して、選挙人団の中でどのように投票するかを指示するために投票を行った。これは人々が実際に投票しての結果とは反対の結果となるものだった。

現在、全てのアメリカの州は州内における有権者の投票によって選挙人を分配する。しかし、選挙の結果とは異なる形で選挙人は配分される。

ほとんどの州は勝者総取り(winner-take-all)システムを採用している。このシステムは、ある候補者が総投票数の50%以上を獲得すれば、その候補者がその週の選挙人を総取りするというものだ。

しかし、メイン州とネブラスカ州は、選挙人の内2名は選挙の勝者に配分される。その他は州内の議会選挙区の得票数に基づいて配分される。

2020年の選挙が実施されないというこじつけのシナリオにおいても、トランプ大統領とマイク・ペンス副大統領の任期は自動的に延長されるということはない。

トランプ大統領とペンス副大統領の任期は2021年1月20日正午までとなっている。大統領が不在となれば、機能は連邦下院議長(連邦下院議員選挙が実施されればの話だが)が引き継ぐが、連邦下院議長がいなければ、連邦上院仮議長(president pro tempore)が引き継ぐことになる。

新型コロナウイルスの感染拡大がどれほど続くか、11月の本選挙にどの程度の影響を与えるかは、不透明な状況である。

予備選挙を延期することために、各州の役人たちは、感染拡大中に選挙を行うことはアメリカ疾病予防管理センターの出しているガイドラインに反するものだと主張している。このガイドラインは、10名以上の集まりを行わないようにと助言し、人々はお互いに6フィート(約180センチメートル)離れるように推奨している。これは投票所で行列を作るには難しい距離である。

役人たちは、投票において高齢者たちに危険が及ぶことに特に懸念を持っている。高齢者たちは、投票に向かう人と投票所でヴォランティアとして係員を務める人の割合が高く、また、新型コロナウイルスによる健康リスクも高い。

「チャールズ・スチュワート三世(@cstewartiii)」

「選挙に関わる係員たちに関するCOVID-19の問題は、投票所の係員の中における高齢者の数である。多くの人々が健康リスクのために投票所で働くことに躊躇する。グラフが示しているように、この問題のデータはむらがある」。

ダグラスや他の専門家たちは、各州が大統領選挙予備選挙を可能ならば延期すべきだということだけではなく、各州が期日前投票と郵便投票、無条件の不在者投票の実現に向けて動き出すべきだと主張している。こうした制度は既に34州とワシントンDCには導入済みであるが、11月の選挙のために全面的に導入すべきだ。

各州は選挙実施の方策について様々な選択肢を持っているが、連邦議会は各州が確実な選挙の方法と手段を採用することができるようにするための法律を可決させることができる。

オレゴン州選出のロン・ワイデン連邦上院議員(民主党)は既に法案を提出している。法案は、全ての州で有権者全員が郵便投票もしくは投票所に投票用紙を提出することができるようにするもので、また連邦政府が郵便料金の後納する封筒の提供と11月までに各州が郵便投票のために5億ドル(約535億円)の予算をつけるというものだ。

ダグラスは、11月までは長い時間があるとしながらも、各州の州議会議員たちは、根回しをして、不在者投票の条件緩和と郵便投票を構築することで、有権者と選挙に関わる係員たちの安全を守るべきだと発言している。

ダグラスは次のように述べている。「選挙の運営と実施の困難は増していますが、私たちが即座に行動し、私たちがこれらの施策をすぐに実施し始めるならば、選挙は実施できます。選挙は可能だろうか?大丈夫です。現在行動しなければならないだろうか?そうです。コロナウイルスが施策に影響を与えるまで待ち、システムを実際にどのようにこれまで通りに実施するかを考える期間が長くなればなるほど、選挙の実施の困難が募っていきます」。

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(終わり)

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 古村治彦です。

 今年の大統領選挙で民主党の大統領選挙候補者に事実上決定しているジョー・バイデン前副大統領は、自身の副大統領候補として女性を起用すると公約している。今年の大統領選挙民主党予備選挙には女性候補者たちが数多く出た。その数は史上最高だった。予備選挙で善戦したエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出)、エイミー・クロウブシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出)、カマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出)といった人々が副大統領候補の候補者として挙げられている。
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 現在の新型コロナウイルス感染拡大はアメリカ国内で深刻であるが、そうした中で、各州の州知事の中で、感染拡大への対応で評価を上げている人たちがいる。ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事やミシガン州のグレッチェン・ウィットマー知事がそうである。ウィットマーも今年の大統領選挙の副大統領候補として名前が挙がっている。しかし、クオモとウィットマーは次の20204年の大統領選挙に温存している方が両人にとっても民主党にとっても良いだろう。

 そうした中で、スーザン・ライスがPBSのインタヴューに答えて、バイデンの副大統領候補に選ばれたら、「謹んで受諾する」と答えた。ライスも副大統領候補の候補者の1人と考えられている。ライスはバラク・オバマ前政権で国連大使や国家安全保障問題担当大統領補佐官を歴任した。ライスはヒラリー・クリントンの後任の国務長官の候補者として考えられていたが、アメリカ公使が殺害されたリビアのベンガジで起きた事件で味噌をつけてしまい国務長官になり損ねた。

トランプ大統領が最初に国家安全保障問題担当大統領補佐官に選んだマイケル・フリンに関して、ロシア大使との事前の電話会談がマスコミにリークされ、不倫はほぼ活動ができないままに辞任を余儀なくされた。このことに関して、オバマ政権末期にバイデンを含む高官たちがフリンの諜報上の情報を得るための申請をしていた。その高官リストにスーザン・ライスも入っていた。この問題はあまり大きいとは言えないが、オバマ政権によるトランプ政権への妨害ということであり、トランプ大統領は「オバマゲート事件」と呼んでいる。

 ライスは人道的介入主義派、ヒラリー派の人物であるが、オバマとの関係も悪くなかった。両者をつなぐことができた人物である。バイデンがもし大統領に当選すれば、スーザン・ライスも政府高官(国務長官クラス)、ホワイトハウスの最側近のスタッフ(国家安全保障問題担当大統領補佐官クラス)として復帰することも考えられる。しかし、副大統領候補となるには少し弱いところがある。ライスが副大統領候補に選ばれることはないだろう。何よりもヒラリー派の復活に対して、進歩主義派が大反対するだろう。そうなれば、バイデン大統領誕生も危うくなる。

 

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スーザン・ライスはバイデンの副大統領候補Susan Rice says she would 'certainly say yes' to be Biden's VP

J・エドワード・モレノ筆

2020年5月14日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/497924-susan-rice-says-she-would-certainly-say-yes-to-be-bidens-vp

オバマ政権で国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めたスーザン・ライスは、民主党大統領選挙候補者を確実にしているジョー・バイデンがライスに副大統領候補になるように依頼してきたら、「確実にイエスと言う」と発言した。


ライスはPBSとのインタヴューの中で、「私は素晴らしい実績を残した女性の方々の中に入れていただいたことを謹んで受諾します。これは大変に光栄なことです。こうした女性たちは副大統領候補として考えられていると報道されています」と述べた。

ライスはまた、バイデン前副大統領が、ライスが副大統領の最良の候補だと考えているのならば、自分としてはノーということはないだろうとも述べた。

ライスは「私は自分ができる限りの努力をして、彼を次期アメリカ大統領にしたいと願っています」と述べた。

バイデンは女性を副大統領候補に起用すると公約している。そして今月初め、彼の副大統領候補選定委員会は「12名以上の女性」を候補者として挙げているとも述べた。

今月CBSが行った世論調査の結果では、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が、バイデンの副大統領として、民主党員や民主党支持の有権者の中でトップに選ばれた。ライスは、ミシガン州知事グレッチェン・ウィットマーと並んで6位につけた。

ライスの名前は国家情報局長官代行リチャード・グレネルが発表したオバマ政権の幹部だった人物たちのリストの中にも入っている。グレネルによると、これらの元幹部たちは、トランプ政権で国家安全保障問題担当大統領補佐官を務めたマイケル・フリンの「アンマスキング」につながる文書の提出を求めたということだ。マイケル・フリンに関するアンマスキングとは、2016年の大統領選挙からトランプ大統領の就任式までの期間に出された諜報レポートにおけるフリンの記述について提出を求めるものだ。

このリストの発表によって、共和党の連邦議員たちは、オバマ政権の幹部だった人物たちの行動についての調査を開始した。議員たちはライスの国家安全保障問題担当大統領補佐官時代のコミュニケーションに関連する情報の提供を求めている。

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 古村治彦です。

 ロイター通信がドナルド・トランプ大統領と民主党の大統領選挙候補者に内定しているジョー・バイデン前副大統領に関する世論調査を実施した。五大湖周辺の「ラスト・ベルト(Rust Belt)」に属するミシガン州、ウィスコンシン州、ペンシルヴァニア州での世論調査を実施した。2016年の米大統領選挙ではこの3つの州で、トランプ大統領が予想外の勝利を収め、大統領に当選した。ラスト・ベルトは伝統的に工業地帯で、労働組合が強く、民主党の金城湯池であった。今回の大統領選挙でもこの3つの州は激戦州であり、民主党は奪還を目論んでいる。

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ラスト・ベルトの地図

 今回の世論調査の結果は、3つの州ともバイデンがトランプをリードしているというものだった。しかし、その差は小さいものであり、接戦となっている。しかし、問題は、トランプ大統領は新型コロナウイルスとの戦いの最高司令官、「戦時大統領」であり、二期目を目指す現職なので、バイデンをリードしていなければならない立場にある。トランプ大統領は大美厳しい立場にある。

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 大統領選挙は選挙人の総取りであり、ペンシルヴァニア州には20名、ミシガン州には16名、ウィスコンシン州には10名が配分されている。合計すると46名だ。前回の大統領選挙ではトランプ大統領は306名、ヒラリー・クリントンが232名という結果だった。トランプ大統領がこの3つの州を失うということになれば選挙人の過半数270名に到達できないということになる。

 有権者の最大の関心事は新型コロナウイルス対策であり、次に経済問題、更には医療制度と続く。トランプ大統領としては、新型コロナウイルス感染拡大を止め、経済活動を再開させて、支持を取り戻さねばならない。しかし、その道筋はまだついていない。そもそもトランプ大統領はマイク・ペンス副大統領を責任者にしたはずだが、毎日の記者会見に臨むことになって、ペンスに責任転嫁したのに、それがうまくいっていない。

 ペンスもマイク・ポンぺオ国務長官もトランプ大統領の陰に隠れ目立たないようにしているが、時にメディアで話題になるのは対中強硬姿勢だ。トランプを隠れ蓑、盾(たて)として使いながらやりたい放題という感じだ。そもそもこの2人はジョージ・W・ブッシュ政権の副大統領だったディック・チェイニーに連なる人物たちで、一部では「まるでチェイニー政権ではないか」とまで言われている。

 バイデンは誰にでも良い顔をするし、何よりも民主党のグローバリスト系だ。連邦上院議員だった2003年にイラク戦争開戦に賛成票を投じたように、「アメリカの世界支配」は正当だと考える人物だ。トランプ政権内に、イラク戦争を副大統領として主導したチェイニー系がおり、民主党にはバイデンがいる。これではトランプ大統領は四面楚歌(しめんそか)の状態で、味方は娘のイヴァンカとイヴァンカの夫ジャレッド・クシャナーくらいということになる。

 トランプ大統領はアイソレーショニズム(国内問題解決優先主義)、「アメリカ・ファースト」を訴えて当選した。だからこの4年間、アメリカは大きな戦争をしなくて済んだ。しかし、それでは困る勢力がいる。それが共和党系ならばネオコン(Neoconservatives)、民主党系ならばヒラリーたちの介入主義派(Interventionism)である。軍産複合体とも呼ばれる人たちだ。民主党系は、昔はリベラル・ホークとも呼ばれていた。

 バラク・オバマ前大統領がいまだにバイデン支持を表明していない、という奇妙な事実も考え合わせると、トランプ大統領の再選を阻もうとしている勢力は民主、共和両党に幅広く存在しているのではないかと考えられる。

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世論調査:バイデンは重要な3つのラスト・ベルトの州でリード(Biden leads in three crucial Rust Belt states: Poll

ザック・バドリック筆

2020年4月22日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign-polls/494241-biden-leads-in-three-crucial-midwestern-states-poll

水曜日に発表されたロイター通信の世論調査によると、3つの「ラスト・ベルト」に属する3つの州でジョー・バイデン前副大統領がトランプ大統領をリードしていることが明らかになった。これらの3つの州は2016年のトランプ大統領の勝利にとって重要な役割を果たした。

ロイター通信・イプソス社の世論調査の結果では、ミシガン州、ウィスコンシン州、ペンシルヴァニア州の登録済み有権者の45%がバイデン支持と答え、39%がトランプ支持と答えた。

各州の結果を見ると、バイデンはトランプ大統領に対して、ウィスコンシン州で3ポイント、ペンシルヴァニア州で6ポイント、ミシガン州で8ポイントの差をつけてリードしている。

別のロイター通信・イプソス社の全国規模の世論調査の結果によれば、バイデンはトランプ大統領に対して8ポイントの差をつけてリードしている。

今回の世論調査の結果では、3つ全ての州でトランプ大統領の支持率は不支持率を下回った。それでも支持率と不支持率の差は全国規模での差に比べて小さいものであった。ウィスコンシン州の登録済み有権者の47%がトランプ大統領を支持し、53%が不支持と答えた。一方、ペンシルヴァニア州では支持率は48%、不支持率は52%だった。ミシガン州では、支持率は44%、不支持率は56%だった。

3つの州全ての有権者の最大の懸念としてコロナウイルスの感染拡大を挙げた。3つの州の有権者の48%がコロナウイルスの感染拡大は自分たちの共同体において最重要の問題だと答えた。15%が経済を、12%が医療制度を、2%が移民制度を最重要の問題に挙げた。

トランプ大統領とバイデンは、誰がウイルスの感染拡大と経済後退に大勝するのに最適かという設問では接戦を演じている。有権者の50%がバイデンと答え、47%がこの仕事にはトランプ大統領が最適だと答えた。

3つの州の有権者の約47%はトランプ大統領の感染拡大への対処を支持すると答えた。一方で、67%はそれぞれが住む州の知事たちの対処を支持すると答えた。

イプソス社は、ミシガン州の登録済み有権者612名、ペンシルヴァニア州の登録済み有権者578名、ウィスコンシン州の登録済み有権者645名を対象に、4月15日から20日かけて世論調査を実施した。この世論調査の全体の結果の誤差は3ポイントで、各州の世論調査の結果では誤差は5ポイントだ。

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 古村治彦です。

 ジョー・バイデン前副大統領が民主討論会の壇上で女性を副大統領候補に指名すると発表した。副大統領候補は大統領選挙候補者が決め、党の全国大会で代議員の投票で正式決定する。副大統領候補が否決されるということはない。民主党にとっては初めての女性副大統領候補ということになる。

 バイデン自身は昨年12月から女性を副大統領候補に指名すると述べてきたので、今更驚くことはない。民主党がこれまで女性を副大統領候補に選んでこなかったということの方が驚きで、大統領候補の方に先に女性がなったということになる。

 さて、これから誰を指名するかということになるが、カマラ・ハリス連邦上院議員、エリザベス・ウォーレン連邦上院議員といった選挙戦を戦った人々を指名する可能性が高い。

 しかし、ここにきて、存在感を増したいヒスパニック系からは自分たちの共同体から副大統領候補を選ぶべきだという声も出ている。下の記事で使われている言葉でヒスパニックとラティーノというものがある。どちらも中南米系の人々を指す言葉であるが、厳密にはヒスパニックはスペイン語を話す人々であり、ラティーノはスペイン語を話す人々とスペイン語以外を話す人々を合わせた言葉だ。南米のブラジルはポルトガル語、カリブ海に浮かぶ島国ハイチはフランス語を話すので、中南米系の人々全体を指す場合には、ヒスパニックよりもラティーノの方が正確ということになる。ラティーノの女性を意味する言葉がラティーナである。

 米大統領選挙民主党予備選挙序盤でサンダースが勝利を収めたが、ヒスパニック系有権者がそれに貢献したという分析がなされていた。この4年間でサンダース陣営がヒスパニック系有権者への働き掛けを強め、成功した。2月22日に実施されたネヴァダ州での党員集会(予備選挙)でサンダースは圧勝し、この時期まではサンダースがトップ走者であった。しかし、2月29日のサウスカロライナ州での予備選挙でバイデンはアフリカ系アメリカ人有権者の力で圧勝、そこから雰囲気がガラッと変わってバイデンが連戦連勝となった。

 ここにきて、ヒスパニック系社会は焦っている。アフリカ系アメリカ人有権者たちの底力によってバイデンは大逆転で大統領選挙候補者になった。論功行賞で言えば第一番である。ヒスパニック系はサンダース支持というイメージもあり、これから「厚く遇してくれるだろうか」と不安になっている。ヒスパニック系はアメリカの総人口の約16%、アフリカ系アメリカ人は総人口の14%を占めている。「私たちの力も必要だ、そのためには私たちから副大統領候補を出して欲しい」とヒスパニック系はバイデンに対して訴えている。

 バイデンが誰を副大統領候補に選ぶか、次の2024年の大統領選挙を見越した選択となるのかどうか、注目される。

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バイデンは副大統領候補にラティーナを選ぶべきだ(Biden should choose a Latina as his running mate

ルイス・ガテレス(元イリノイ州選出連邦下院議員、民主党)筆

2020年3月16日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/blogs/congress-blog/politics/487879-biden-should-choose-a-latina-as-his-running-mate

もし今日、ガテレス家において予備選挙が実施されるとすると、バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)が疑いの余地なく勝利者となることだろう。他の多くのラティーノ系と同様、私たちはサンダース議員のラティーノ系有権者たちへの浸透戦略と彼が移民について最も進歩主義的な態度を取っていることに感銘を受けている。サンダースは移民についてラティーノ系にとって喫緊の公民権に関わる問題だと正確に捉え、家族を引き離す強制送還措置を断固として停止するために行動し、人々がアメリカにとどまるか、家族が再び一緒になるかを合法的に選べるように移民制度を改善しようとしている。私は連邦下院での長いキャリアを民主党に属して過ごした。ラティーノ系の有権者たちとの関係構築に資源を投入することでそのミカエルを得ることができる。それはただ表面上の移民制度やプエルトリコの問題を取り上げ、スペイン語の単語を2、3個演説に取り入れることではない。日常生活に関する諸問題、医療や教育といった問題について語り、全てのアメリカの家族と同様に私たちの家族はそれを支持してきた。

しかし、ガテレス家がイリノイ州とプエルトリコで投票し、サンダースはかつて私が連邦下院議員として出ており、現在はサンダースの側近であるチューイ・ガルシア連邦下院議員が出て要るイリノイ州第4選挙区で圧倒的な勝利を収めたのだが、ラティーノの有権者の力では「バーニーおじさん」をトップに押し上げるのには不十分であり、バイデンが民主党の大統領選挙候補者の指名を受ける可能性は高まっている。これによって副大統領候補を決める必要も出てきている。副大統領候補はアメリカ史においても最も重要なこの時期において重要である。バイデンが大統領選挙で勝利する可能性を高めるために重要で勝つ歴史的な決定となる。

女性を副大統領候補に選ぶと発表したが、バイデンはラティーナを副大統領候補に選び、そのことをすぐに発表すべきである。

最もその資格に当てはまり、最も人気の高いヒスパニック系の女性であるアメリカ合衆国最高裁判所陪席判事ソニア・ソトマイヤーが最高の選択ということになるだろう。彼女は私と同じでプエルトリコ系である。しかし、私たちの民主政体にとって何とか残っているものを守るためにルース・ベイダー=ギンズバーグ判事と緊密に協力しているソトマイヤーを連邦最高裁から引き離すことは得策ではない。私が推すもう一人の候補者は、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)であるが、彼女は副大統領候補になるための年齢条件をクリアしていない。それでも、私の妻は初めて彼女をYouTubeで見た時に、「いつの日か、彼女が大統領になる」と言ったほどだ。私たちは近い将来に彼女を大統領にするために投票する機会を得られることになるだろう。

しかし、バイデンの大統領選挙を強化することができる資格に当てはまる女性たちがラティーノ共同体にはもういないということは全くない。女性であることとラティーノ系であること両方を兼ね備えている人物が副大統領候補になることで、ドナルド・トランプを倒す道筋が見えるのである。

ネヴァダ州選出の経験豊かな連邦上院議員キャサリン・コルテス・マストから話を始めよう。彼女の知名度は高くないが、バイデン陣営に多くの利点をもたらすだろう。マスト議員は西部の出身であり、検事とネヴァダ州司法長官を歴任した。連邦上院議員になってまだ間もないが既に大きな信頼感を得ている。彼女はネヴァダ州初の初めてのラティーナでありヒスパニック系の上院議員である。マスト議員は、アメリカの中でも最も経済成長が早く、最も動きが大きい州から選出されており、環境問題と医療制度に関する諸問題対決のためのリーダーとなっている。

もう一つのダイナミックな州であるニューメキシコ州の知事であるミシェル・ルジャン・グリシャムは私の友人だ。かつてルジャン・グリシャムと私は連邦下院議員の同僚であった。彼女は連邦議会ヒスパニック系議連の会長を務めたこともある。私は近くで、また個人的に彼女の能力とリーダーシップを目撃した。ルジャン・グリシャムは粘り強く、人々から愛される人物だ。同時に権力に対して直言することに躊躇しない。たとえ相手が同僚の民主党員であっても同じだ。彼女は知事として成功し、ニューメキシコ州と全国規模でラティーノ系や移民の人々の声となって戦い続けている。

副大統領候補にふさわしい女性はたくさんいるが、ラティーナを副大統領候補に選ぶことは政治に重みをもたらす。ラティーノ系共同体の人々は若く、活発で、献身的だ。毎年100万人のラティーノ系の市民が18歳となり、別に350万人が移民で入ってくる。トランプ大統領が就任して以降、合法的な移民に対する様々な障害が出てきているにもかかわらず、その多くはアメリカ市民となっている(昨年は83万3000人が市民となった)。ラティーノは全有権者の約13%を占めていると推定されている。マイノリティの中では最大の有権者グループだ。そして、私たちはドナルド・トランプをホワイトハウスから追い出すための投票することに活気づいており、その準備もできている。

しかし、バイデン前副大統領、2008年の予備選挙ではバラク・オバマはヒラリー・クリントンに対してラティーノ系の得票で負けていたことを思い出していただきたい。あなたは選挙戦で復活してラティーノ系の有権者を活気づけ、ホワイトハウスを勝ち取る機会を得ている。しかし、私たちラティーノ系の共同体からこれまでないほどの数の有権者に投票に行ってもらうためには大胆な行動を行う必要がある。コルテス・マスト連邦上院議員やルジャン・グリシャム知事のようなラティーナを副大統領候補に選ぶことで、予備選挙でサンダースに投票した人々からの支持を得ることができる。そして、ラティーナを副大統領候補に選ぶことは重要なそして歴史的な決定となる。アメリカ政治において女性たちにはガラスの天井があり、それを突き破れないという時代は既に終わったということをアメリカ全体に示そう。女性が副大統領になる時、彼女は大統領にとって共に仕事をしやすい、成功に導く副大統領になる方法を教えてくれる最高の師を持っているということは疑いようのない事実だ。

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バイデンの側近たちはウォーレンを副大統領候補の可能性を持つ人物として考えている(Biden allies see Warren as potential running mate

エイミー・パーネス、マックス・グリーンウッド筆

2020年3月16日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/487897-biden-allies-see-warren-as-potential-running-mate

バイデンの側近の複数の人々が、ジョー・バイデン前大統領がエリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)を副大統領候補に選ぶ可能性があると考えている。ウォーレンを副大統領候補に選ぶことで、民主党内の中道派と進歩主義派をまとめることに役立つとこれらの人々は考えている。

日曜日の討論会においてバイデンは女性を副大統領候補に選ぶと約束し、この発言を受けてウォーレンの名前が浮上するようになった。

ウォーレンを選ぶこと自体にもまた不利益があるだろうが、民主党が優位な州からの70代の人物を大統領候補と副大統領候補にするということがまず挙げられる。

バイデンの長年の盟友で選対ともつながりを持つある人物は「ウォーレンは穏健派と進歩主義派をつなぐ橋の役割を果たしてくれると考えます」と述べた。

この人物は更に、副大統領候補の可能性を持つ女性たちの1人としてカマラ・ハリス連邦上院議員(カリフォルニア州選出、民主党)にも言及し次のように述べた。「私はジョーがカマラと一緒に選挙戦を希望しています。しかし、彼がそのような選択をするとは考えられません」。

選対幹部たちと定期的に話をしている別のバイデンの誓いある人物は「ウォーレンが副大統領候補になることがもっと理解しやすいことですし、理にかなっています」と述べた。

この人物は続けて「副大統領候補にふさわしい女性はたくさんいます。しかし、ウォーレンは疑う余地もないほどに最高の候補者です」と述べた。

ウォーレン自身は大統領選挙民主党予備選挙を終了する前に、民主党内部の様々な派閥をまとめることができる候補者だと自身のことをアピールしていた。民主党が一丸となってトランプ大統領を倒そうと主張していた。

ウォーレンは2020年2月のニューハンプシャー州でタウンホールミーティング形式の選挙集会で次のように述べた。「私が勝利するための方法は、私たちの党を団結させることです。何故なら私たちには団結した党が必要だからです。私たちは2016年の失敗を繰り返す訳にはいかないのです」。

民主党系のストラティジストであるエディー・ヴェイルは次のように述べている。「ウォーレンは、このコロナウイルス感染拡大の危機的状況において、左派と女性たちからの支持を得ることができるでしょう。このような状況に対処できる人物を選ぶというメッセージを送ることになります」。

ヴェイルやその他の民主党関係者たちはバイデンの副大統領候補としてウォーレンの名前が挙がらないのはおかしいと述べている。特に、バイデンは最近になって破産法に関するウォーレンの主張を受け入れているのだから、ウォーレンの名前が挙がるのが当然だと述べている。ウォーレンは選挙戦撤退後、どの候補者に対しても支持表明を行っていない。しかし、バイデンと民主党予備選挙の対抗馬であるバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、民主党)は両者ともにウォーレンの支持を得ようとしている。

この週末、バイデンはウォーレンの破産法の主張を支持し、「破産法がいかに労働者階級の家族を傷つけているかをウォーレン議員よりも理解している人はこの国にはほとんどいません」と語った。And in the Democratic debate Sunday, he also acknowledged having a conversation with Warren about the plan over the weekend.

同時に、バイデンは国に関するヴィジョンを共有する人物を副大統領候補に選びたいと示唆している。そうなるとウォーレンを副大統領候補に選ぶのは難しいということになる。

先週MSNBCのローレンス・オドネルとのインタヴューにおいて次のように述べた。「副大統領候補を選ぶにあたり、私にとって最重要なのは、この国をどこに導くかということについて私と同じ考えを持つ人物を選ぶかどうかということです」。

バイデンは次のように続けた。「私たちは戦術には同意できませんが、戦略についてはそうではありません。これは最初のテストということになります。私が副大統領に求める条件に合う女性やアフリカ系アメリカ人の人物は数多くいます」。

バイデン自身はこれまで副大統領候補に数名の名前を挙げてきた。昨年11月のアイオワ州でのタウンホール形式の集会で、民主党の指名候補になった場合に誰を副大統領候補に指名するかを質問され、司法長官代行を務めたサリー・イエイツと2018年のジョージア州知事選挙で民主党候補として善戦したステイシー・エイブラムスを含む、数名の人物の名前を挙げた。

その他にも、ヴァル・デミングス連邦下院議員(フロリダ州選出、民主党)とミシガン州知事グレッチェン・ウィットマーといった人々の名前が副大統領候補として取りざたされている。

民主党内にはただ女性を副大統領候補に選ぶということではなく、非白人の女性を選ぶべきだという声が出ている。こうした主張をする人々は、そうすることで、ここ数週間でバイデン前副大統領の選挙戦を復活させたアフリカ系アメリカ人有権者たちの役割を闡明することができる、とこうした人々は主張している。

民主党系のストラティジストであるマイケル・スター・ホプキンスは次のように語っている。「ジョー・バイデンは非白人の人物を副大統領候補に選ばねばならないと思います。サウスカロライナ州で起きたこととアフリカ系アメリカ人共同体が彼の選挙戦を救った事実を考えると、アフリカ系アメリカ人の人物を副大統領候補に選ばないというのは政治的にちょっとした間違いだったという帝では済まない誤った選択になると思います。顔を思い切りひっぱたかれるようなことだと思います」。

スター・ホプキンスは、バイデンがデミングスを副大統領候補として考慮しているくらいに賢明な人物だと述べた。

デミングスは二期目の女性連邦下院議員で、トランプ大統領の弾劾裁判において連邦下院の幹事を務めた。彼女の名前はここ数カ月副大統領候補として取りざたされるようになっている。彼女の選挙区はフロリダ州中央部にある。フロリダ州は本選挙において激戦州となる。彼女が副大統領候補になることで11月に民主党がフロリダ州を再奪取することに貢献するだろう。

スター・ホプキンスは次のように語った。「これら副大統領候補者たちについて語る時、地理について焦点を当てる必要があります。民主党は全国規模の世論調査の数字だけを考慮に入れるのではなく、副大統領候補がどれくらい選挙人獲得に貢献できるかも考えねばなりません」。

バイデンは女性を自身の副大統領候補と選ぶという公約は、民主党の現在の雰囲気を認識してのことである可能性が高い。バイデンが実際に女性を副大統領に選ぶことは本選挙においてどのような影響を持つのか、もしくはそもそも影響を持つのかどうか明確ではない。

オハイオ州のデイトン大学の政治学準教授クリストファー・デヴァインは女性を副大統領候補に選ぶことが選挙戦全体の結果に及ぼす影響についての証拠はほとんど存在しないと述べた。1984年から2008年にかけて、女性が副大統領候補として登録された場合を見ると、女性の有権者たちが民主、共和両党の候補者に特に投票したということはないとデヴァインは指摘した。

デヴァインは共著『副大統領候補は重要か』を刊行予定だ。デヴァインは、バイデンが女性を副大統領候補に選ぶことは有権者に与えるメッセージという点でより重要だと述べた。

デヴァインは次のように述べている。「女性を副大統領として選ぶことは、ジョー・バイデンにとって、有権者が彼について考える際にその手助けとなります。女性を副大統領にすると宣誓し、それを実行することで、バイデンが大統領になった場合のホワイトハウスと彼の実行する政策において女性の貢献を彼は重視しているのだということになります」。

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バイデンが女性を副大統領に選ぶと発言(Biden says he will pick woman as VP

マックス・グリーンウッド筆

2020年3月15日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/487722-biden-says-he-will-choose-a-woman-as-his-running-mate-if-he-wins-nomination

ジョー・バイデン前副大統領は日曜日、民主党の指名候補に選ばれた暁には、女性を副大統領候補に選ぶと約束した。

ワシントンDCでの予備選挙討論会において、バイデンは「私はここではっきりと約束しますが、女性を副大統領にします。将来アメリカ大統領になることができる資格を持つ女性たちがたくさんいます」と述べた。

CNNの司会者ダナ・ブッシュはバイデンが別の質問に答えた後、女性を副大統領に選ぶとここで明確に答えることができるかについて質問し、バイデンは逡巡する様子もなく、「はい」と答えた。

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)は、バイデンを逆転して党の指名候補になる場合には、女性を副大統領候補として選ぶ「可能性は極めて高い」と述べた。

サンダースは副大統領候補として女性を選ぶこと以上に重要なのは、進歩主義派の人物を選ぶことだとも続けて述べた。

サンダースは「多くの進歩主義派の女性たちがいます」と述べた。

エリザベス・ウォーレン連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が予備選挙から撤退したこともあり、両候補ともに副大統領候補には女性を選ぶようにというプレッシャーがかかっている。

うオーレンの予備選挙からの撤退もあり、民主党予備選挙は70代の白人男性2人の戦いという形になった。昨年からの予備選挙はアメリカ史上最も多様な人々が立候補した戦いとして始まったが、このような驚くべき結果に落ち着いた。

バイデンはこれまでに女性を副大統領に選ぶということを示唆することはあったが、日曜日の討論会まで正式に発言することはなかった。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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