古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、以下のアドレスをご覧ください。http://soejimaronbun.sakura.ne.jp/goaisatsu.html 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:チャールズ・コーク

 古村治彦です。

 

 アメリカの中間選挙(Midterm Elections)まで残り約1カ月となりました。現在のところ、連邦上院では、共和党の改選議員が少ないこともあり、共和党が過半数(共和党:51議席、民主党:49議席)、連邦下院では、民主党が過半数(218)を超える勢いです。

 

 アメリカ政界に大きな影響力を持つコーク・インダストリーズ会長チャールズ・コークが率いる政治運動ネットワークが今年の中間選挙に向けて動きを活発化させています。チャールズは弟デイヴィッドと共にコーク兄弟として、共和党の大口献金者として活動していましたが、今年6月にデイヴィッドが健康上の理由で会社経営や政治活動からの引退を発表しましたので、「コーク兄弟」という枠組みは解消となりました。

 

 今回、コーク・ネットワークは無条件で共和党の候補者を応援しないと決めています。トランプ大統領の推進した財政支出や関税政策について賛成した現職議員は応援しない場合があるとしているようです。また、刑法改革や移民政策で、子供の頃に親に連れられてアメリカにやってきて不法移民となった人々に対する市民権付与を主張する民主党議員でも応援を検討しているということです。

 

 チャールズ・コークが信奉しているリバータリアニズムは政府による規制、経済や社会への介入を嫌うので、外国からの輸入品へ関税をかけることには反対です。この点で、政府が財政出動することにも反対となります。また、人々の自由権利を最大限擁護するので、親に連れられて不法移民状態になった人々への市民権付与にも賛成です。

 

 こうして見ると、チャールズ・コークは共和党というよりは、ドナルド・トランプ大統領と相容れず、かえって民主党の一部の政策と近いということになります。

 

 2016年の米大統領選挙では、オバマ政権の副大統領であったジョー・バイデンに対する待望論がありました。ヒラリー・クリントンが大統領になれば、積極的に外国への介入を行って、アメリカが泥沼にはまってしまうという危機感がありました。そうした中で、リベラル派とリバータリアン派が協力して、リベラル・リバータリアン連合を形成して、バイデンを推して、ヒラリーを追い落とすべきだという主張もありました。

 

 今回の中間選挙では、チャールズ・コーク率いるコーク・ネットワークは反トランプの姿勢を打ち出しています。コークにしてみれば自分たちは長年共和党員であったが、トランプなんてついこの間まで長く民主党員をやってヒラリーと親密だったではないかという気持ちもあるのでしょう。そして、共和党の議員でトランプ寄りの姿勢を取る議員を応援せずに、民主党の議員を応援する場合もある、検討するとまで打ち出しています。トランプの高関税政策などは民主党が本来主張してきた政策ですから、民主党にしてみても、トランプ政権に対しては是々非々ということになるでしょう。

 

 トランプ大統領がこれまでにない動きを見せているために、アメリカ政治もしばらく奇妙な連合と分裂が起こることになるでしょう。

 

(貼り付けはじめ)

 

コーク・ネットワークが中間選挙に向けてスーパーPACを発足させる(Koch network launches super PAC ahead of midterm elections

 

ジョナサン・イースリー筆

2018年9月10日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/405820-koch-network-launches-super-pac-ahead-of-midterm-elections

 

大富豪の活動家チャールズ・コークの支援を受けている政治運動ネットワークは月曜日、新たなスーパーPAC(政治活動委員会)を発足させた。設立の目的は、ネットワークの保守的なそしてリバータリアニズムの価値観を共有する候補者を当選させることだ。

 

コーク・ネットワークの政治部門である運動組織「アメリカンズ・フォ・プロスペリティ(Americans for ProsperityAFP)」は、「AFPアクション」という組織を新たに創設した。AFPアクションは、ヒスパニック系の創設したスーパーPACである「リブレ・アクション」、「コンサーンド・ヴェテランズ・フォ・アメリカ(アメリカの現状を憂うる退役軍人たち)」と協力して、「人々の秘めている可能性の実現を妨げる国内、対外関係の両方における障壁を壊すという私たちの目標を共有する候補者たちを支援する」ことを目的としている。

 

新たなスーパーPACであるAFPアクションは、保守的、もしくはリバータリアン的考えを持つ大富豪たちから巨額の資金を集めることが出来るだろう。しかし、スーパーPACの役員たちは、2018年の中間選挙でどれくらいの資金を投入するのかという質問に対して、回答を拒否した。

 

今回の中間選挙で、コーク・ネットワークは総額で4億ドル(約440億円)以上を投入すると見られている。

 

AFPアクションの広報担当ビル・リッグスは次のように語った。「AFPはこれまで、接戦となる選挙において、私たちの支持する政策の実現に協力する候補者を応援することで、政治に新たな力を送り込んできた。AFPアクションは、こうした私たちの努力の幅を広げるための新しい道具となり、より大きな影響力を与えることになる」。

 

コーク・ネットワークは、トランプ大統領と共和党が過半数を占める連邦議会に対する不満を高め、戦略を練り直している。そうした中でスーパーPACであるAFPアクションが創設された。

 

コーク・ネットワークはトランプの関税政策に反対を表明し、コーク・ネットワークの幹部たちはトランプ大統領の言動を批判し続けている。彼らは、今年の3月に連邦議会が1兆3000億ドル(約140兆円)の公的支出計画を承認し、トランプ大統領が署名して法制化したことにも怒りを募らせている。

 

今年初めに開催された大口献金者たちの集まりにおいて、コーク・ネットワークは支援する候補者をより厳しく選択していくと発表した。共和党が連邦上院で何とか51議席(全100議席)を確保し、連邦下院では民主党が過半数を獲得するという厳しい見通しではあるが、共和党所属でも支援しない候補者も出てくると発表したことになる。

 

AFPはノースダコタ州の連邦上院議員選挙で、現職のハイディ・ハイトカンプ連邦上院議員(ノースダコタ州選出、民主党)に挑戦する共和党のケヴィン・クラマー連邦下院議員(ノースダコタ州選出、共和党)を支援しないと決定した。ノースダコタ州は2016年の大統領選挙でトランプが圧勝した州である。AFPは、財政支出法案、農業関連法案、輸出入銀行創設に賛成したクラマーを支援しないと発表した。

 

コーク・ネットワークは今回の中間選挙で財政支出に賛成した共和党議員を懲らしめ、刑法改革と実験的な麻薬解禁法など重要な分野で自分たちの考えに沿った投票を行った民主党議員を支援するために、広告や手紙などに多額の資金を投入している。

 

コーク・ネットワークはまた、「ドリーマーズ(訳者註:子供時代に親に連れられてアメリカにやってきて成長した不法移民)」への市民権付与を進めるために民主党の候補者への支援も検討している。

 

現在でも、コーク・ネットワークの資金のほとんどは、共和党の候補者や保守的な主張に提供されている。ネットワークは、トランプ大統領によって指名されたアメリカ連邦最高裁判所判事候補ブレット・カヴァナウの承認を訴えるテレビ広告に数百万ドルを投じている。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 ドナルド・トランプ大統領の保護主義的貿易政策に対して、チャールズ・コーク、デイヴィッド・コークのコーク兄弟は反対を表明しています。政府が経済活動に介入することに反対し、全てを市場に委ねるリバータリアニズムの信奉者であるコーク兄弟としては当然の反応です。これに対して、トランプ大統領はツイッター上でコーク兄弟を非難しています。その言葉が「グローバリスト(globalist)」です。

 

 グローバリストという言葉は副島隆彦先生によって日本に紹介されましたが、世界を一つの価値観でまとめ上げる、具体的にはアメリカの価値観でまとめ上げることを目的に動く勢力のことを指します。そのために外国に積極的に介入します。介入主義者(インターヴェンショニスト、interventionist)とも言います。

 

 リバータリアニズムを信奉するコーク兄弟は、アメリカが外国に介入することに反対します。ですから、チャールズ・コークは古くからヴェトナム戦争に反対し、ジョージ・W・ブッシュ政権下でネオコンが主導したイラク戦争にも強く反対しました。

 

 コーク兄弟は、共和党を支持していますが、これは「民主党は全くもって問題外だが、共和党はまだまし」ということです。共和党内でリバータリアニズムに基づいた政策を支持する政治家を増やそう、それでリバータリアニズムに基づいた政策を実施させようということになります。ネオコンや妥協的な政治家たちを支援しないということで、コーク兄弟は反主流派ともなっています。

 

 現在のトランプ大統領もまた共和党主流派、体制派ではなく、人々の怒りを集めて大統領になったこともあって反主流派ということになります。トランプ政権で閣僚になった人たちの多くがコーク兄弟と関係が深いということは以前本ブログでもご紹介しました。トランプの減税政策はコーク兄弟の利益にも合致するものです。しかし、コーク兄弟は、「大企業優遇の減税は経済システムを歪めるものだ」「一般の人々のためのものではない」と批判しています。

 

 コーク兄弟に関して、トランプ大統領の「グローバリスト」という批判は当てはまりません。コーク兄弟が信奉するリバータリアニズムとトランプ大統領が代表するポピュリズムはともに海外へのアメリカの介入には批判的です。ここでの問題は経済活動に対して政府が介入すべきかどうかということであり、トランプ大統領の関税政策は経済の邪魔になる、市場によってコントロールされている経済を人為的に歪めるというのがコーク兄弟の主張です。この点で両者は対立しています。トランプ大統領としては雇用を生み出すということを公約にして当選している以上、貿易戦争にまで突っ走ってしまうのは当然ということになります。

 

(貼り付けはじめ)

 

●「トランプ、反保護主義掲げるコーク兄弟と対立 共和党支持組織を罵倒」

2018年7月31日 ロイター

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/08/post-10707.php

 

米共和党の強力な支持組織として知られるコーク・ネットワークが、トランプ米大統領の貿易政策に批判的な姿勢を示し、大統領が組織を公然と批判する騒ぎに発展している。

 

トランプ氏は31日のツイッター投稿で、大富豪のチャールズとデービッドのコーク兄弟が創設したこの組織について「本物の共和党サークルではまったくの冗談と化したグローバリストのコーク兄弟が、強固な国境、強力な貿易に反対している。私は彼らのカネやひどいアイデアを必要としていないので、一度も彼らの支援を求めたことがない」と罵倒し、ネットワークは「過大評価されている」と続けた。

 

これはコーク・ネットワークの一部幹部が、大統領の貿易政策が景気後退を招くとの懸念を示し、共和党候補への支持を取り下げたい意向だと報じられたのを受けた投稿。

 

コーク側は概ね批判を受け流しており、広報担当者は「われわれはすべての人の生活を向上させる政策を支持する」との声明を出した。

 

コーク財閥は未公開の企業としては全米2位の大きさで、企業寄りの政策やリバタリアン(自由至上主義)思想で知られている。減税、規制緩和、自由貿易を強く主張し、主義主張の近い共和党候補にこれまで数百万ドルを献金してきた。

 

コーク財団とその他自由貿易を支持する団体は、トランプ大統領の進める保護主義的な政策を敬遠しており、11月の議会中間選挙を控え、トランプ氏に同調する共和党候補への支持を見送る可能性が出ている。

 

2016年の大統領選では、コーク兄弟はトランプ氏のイスラム教徒に関する発言などを理由に同氏と距離を置いていたが、トランプ氏の大統領就任後は税制改革法案の成立を支持するなど、和解したように見えていた。

 

しかしその後、コーク・ネットワークはトランプ氏の関税政策に反対する数百万ドル規模のキャンペーンを開始した。

 

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サンダースは、コーク兄弟が「全ての人々のためのメディケア」に賛成する主張をしてしまったことに感謝(Sanders thanks Koch brothers for accidentally making argument for 'Medicare for all'

 

ブルック・シーペル筆

2018年7月31日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/policy/healthcare/399625-sanders-thanks-koch-brothers-for-accidentally-making-argument-for-medicare

 

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)が火曜日、保守派の大口献金者であるチャールズ・コークとデイヴィッド・コークに対して、「全ての人々のためのメディケアに間違って賛成してしまった」ことに感謝を示した。コーク兄弟が資金を出した研究では単一支払者制度(single-payer health-care plan、訳者註:政府が保険料を徴収し、医療費の全てを支出する制度)のコストについて分析を行っている。

 

サンダースはツイッター上に掲載したヴィデオの中でコメントを発表した。サンダースは、ジョージメイソン大学メルカトスセンターのチャールズ・ブロハウスが発表した研究成果についてコメントをした。ジョージメイソン大学メルカトスセンターにはコーク兄弟が資金提供を行っている。

 

サンダースは次のように語った。「私はコーク兄弟、また、今回の研究に資金を出してくれた全ての方々に感謝したい。今回の研究では、全ての人々のためのメディケアは10年で2兆ドルものお金を浮かせることが出来るということであった」

 

ブロハウスは研究の中で、サンダースの主張する単一支払者制度では、2022年から2031年の期間、32兆6000億ドルもかかってしまうという結果を発表した。しかし、研究の中で、他の経済学者たちは同じ期間に2兆ドルのお金を浮かせることが出来るだろうという研究結果を発表している。

 

ヴィデオの中で、サンダースは、コーク兄弟が彼の主張している単一支払者制度でお金を浮かせることが出来ることを証明したことに謝意を示した。

 

全ての人々のためのメディケアはサンダースが2016年の大統領選挙で主要政策として主張したことで知られるようになった。全ての人々のためのメディケアは、自己負担や控除なしに全てのアメリカ国民の医療費を支払うことが出来るというものだ。

 

サンダースの提案は左派の人々から支持されている。しかし、その他の人々からは批判の対象になっている。批判者の中にはトランプ大統領も含まれている。トランプ大統領はかつて、単一支払者制度を「アメリカにとって呪い」となると批判した。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)


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 古村治彦です。

 

 今回は、マイク・ポンぺオ国務長官についての記事をご紹介します。


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ポンぺオと金正恩 

 今年の3月に前任のレックス・ティラーソンが本人に事前通告なしに(トランプ大統領がツイッター上で発表)更迭され、マイク・ポンぺオCIA長官(当時)が後任となるにあたり、いくつかのメディアで出た記事には、ポンぺオとコーク兄弟の関係が取り上げられています。

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チャールズ(左)とデイヴィッド 

 コーク兄弟とは、チャールズ・コーク、デイヴィッド・コークの兄弟で、アメリカの大富豪で、大企業コーク・インダストリーズの経営者です。コーク・インダストリーズは非上場で株式の8割をこの2人の兄弟が所有しています。コーク・インダストリーズは石油関連事業を中心に様々な事業を展開している巨大企業です。

 

 コーク兄弟は豊富な資金を政治家に提供して、政治に影響を与えています。彼らは様々な草の根組織を作り、更には自分たちと同じような大富豪を組織して、資金提供ネットワークを構成しています。コーク兄弟については、拙訳『アメリカの真の支配者 コーク一族』(ダニエル・シュルマン著、講談社、2015年)をお読みください。

 

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 アメリカの真の支配者 コーク一族


 マイク・ポンぺオは、2010年の中間選挙の連邦下院議員選挙でカンザス州第4選挙区から出馬し、当選しました。この時期、アメリカ政界に旋風を巻き起こした「ティーパーティー運動」の一員でした。ポンぺオはトランプ政権に入るまで連邦下院議員を務めました。過激な発言で人々の注目を集めました。

 

この選挙区にはカンザス州の最大都市ウィチタが含まれています。ウィチタにはコーク・インダストリーズの本社があり、総帥チャールズ・コークも居住しています。コーク兄弟はティーパーティー運動の資金源でした。ポンぺオはコーク兄弟のお膝元から政治家としてのキャリアをスタートさせています。そして、実際にポンぺオはコーク兄弟から多額の資金援助を受けています。

 

 しかし、コーク兄弟とポンぺオとのつながりはもっと昔に遡ることが出来ます。ポンぺオ(1963年生まれ)は陸軍士官学校をトップの成績で卒業し(1986年)、その後、1991年までアメリカ陸軍の機甲師団に勤務しました。1992年にハーヴァード大学法科大学院に入学しました。学内誌『ハーヴァード・ロー・レヴュー』誌の編集員を務めました。この経歴はバラク・オバマ前大統領と同じです。エリートということになります。

 

 1994年に法科大学院修了後、ポンぺオはワシントンDCにあるウィリアム・アンド・コノリー法律事務所に勤務しました。この法律事務所は200名以上の弁護士を抱える大規模な事務所です。そして、1998年にカンザス州ウィチタに移りました。ここで陸軍士官学校時代の友人たちと航空機の部品製造の会社を立ち上げました。この時にコーク・インダストリーズのヴェンチャービジネス投資専門の子会社から資金提供を受けました。この時に既にコーク兄弟との関係が出来たということになります。

 

 2017年1月から正式に発足したドナルド・トランプ政権にはコーク兄弟と関係の深い人々が多数入閣しています。その代表がポンぺオということになります。コーク兄弟は、リバータリアニズムという思想を信奉しています。リバータリアニズムは、アメリカが外国で戦争をすることに反対します(アメリカの領土に攻めてこられたら徹底的に戦うとしています)。

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 今回の米朝首脳会談から共同宣言へと進み、対話路線となったのにはトランプ大統領の意向が大きかったと思いますが、ポンぺオとコーク兄弟の関係、コーク兄弟の意向も働いたのではないかと考えます。

 

(貼り付けはじめ)

 

コーク兄弟は自分たちのための国務長官を手に入れた(The Koch Brothers Get Their Very Own Secretary of State

-レックス・ティラーソンの後任として、トランプは大富豪の使い走りを据える

 

ジョン・ニコラス筆

2018年3月13日

『ザ・ネイション』誌

https://www.thenation.com/article/the-koch-brothers-get-their-very-own-secretary-of-state/

 

2010年の中間選挙において共和党が勝利を収めた。この時、チャールズ・コークとデイヴィッド・コークがアメリカ政治における重要人物として登場した。この選挙で、コーク・インダストリーズから最大の寄付を受けたのがマイク・ポンぺオという名前の新人であった。8年前の連邦下院議員選挙の後、ポンぺオは「コーク兄弟の連邦議員」や「コークが送り込んだ連邦議員」と呼ばれた。

 

現在、ポンぺオはコーク兄弟の影響を受けた国務長官になるという立場に立っている。

 

ポンぺオはCIA長官としてトランプ大統領のイエスマンを1年ちょっと務めた。そして、トランプは無気力なレックス・ティラーソンの後任にポンぺオを据えた。

 

トランプ大統領とティラーソン国務長官はお互いが疎遠になっていった。ティラーソンは自身の解任を火曜日の朝にツイッターを通じて知ったことが明らかとなった。ティラーソンは側近からツイッターの画面を見せられ、トランプ大統領による更迭を教えられた。国務省が発表した声明は、ティラーソンが解任の理由について「知らない」ということを示唆している。

 

ティラーソンは、ロシアによるサイバー攻撃やサウジアラビアやカタールなどの国々に対する姿勢といった点でトランプとは別の方法を採用していた。

 

ポンぺオの政治的な寄付者に対する服従のパターンは、自己中心的なトランプ大統領には合うものである。ポンぺオはティラーソンに欠けていた外交上の立場を持ち込むことになるだろう。ポンぺオは外交政策に関してはタカ派で、イランとの核合意に強く反対し、アメリカ国内や海外に在住するイスラム教徒たちへの恐怖感を煽り、グアンタナモ基地の収容所の閉鎖に反対した。また、国家安全保障庁による憲法違反の調査プログラムを「素晴らしく重要な仕事」だと擁護した。ポンぺオはまた、NSAの内部告発者エドワード・スノーデンについて、「ロシアから連れて帰り、法的な処置を取るべきだ。そうすれば、適切な司法過程の結果として彼に死刑が宣告されるはずだと思う」という過激な発言を行った。

 

ポンぺオはプライヴァシー権や公民権を重視しない立場を公の場で見せている。また過激な言動や過激な政策を好む傾向にある。これは外交官に適しているとは言えない。過激な言動を好むポンぺオでは、レックス・ティラーソン国務長官よりもトラブルを引き起こす可能性が高い。ティラーソンは自分の世界観を持っているが、喧嘩をするような人物ではない。自分の影響力が低下している国務省のために喧嘩をするようなことはしない。

 

ポンぺオは短気であり、同時に闘争的な街であるワシントンにおいて最も闘争的な人物である。非上場で秘密主義の世界規模のビジネス帝国の支援のおかげで、ポンぺオは政治上のキャリアを上昇することが出来た。ポンぺオはカンザス州ウィチタ出身だ。ウィチタには石油と天然ガスを取り扱うコーク家のビジネス帝国が本部を置いている。ポンぺオはコーク・ヴェンチャー・キャピタルから設立資金の融資を受けて自身の会社を立ち上げた過去を持つ。

 

政治的により重要なことは、ポンぺオがビジネスの世界から政界に進出するにあたり、コーク兄弟とコーク・インダストリーズの従業員たちから大きな支援を受けた。カンザス大学政治学教授のバーデット・ルーミスは次のように語っている。「この点についてポンぺオは激しく反論するでしょうが、彼を“コークから送り込まれた連邦下院議員”と規定することは難しくありませんよ」。

 

実際のところ、「コークから送り込まれた」という特徴付けは、ドナルド・トランプが国務長官に据えようとしている人物にとっては適切なものである。コーク兄弟について考えてみると、彼らは漫画で描かれている姿よりもより繊細で抑制的である。『ジ・アメリカン・コンサヴァティヴ』誌のようなコーク兄弟を長年監視してきた人々や雑誌によれば、コーク兄弟から資金援助を受けてきた様々なプロジェクトは、激しい言葉遣いや戦闘的な保守主義とは一線を画するものばかりだ。しかしながら、コーク兄弟との資金と協力を得ている共和党の政治家の場合と同じく、それらのプロジェクトは、大富豪であるコーク兄弟と彼らの協力者たちの意向に沿った主張を行うものとなっている。多国籍企業に有利な国内向け、海外向けの政策を求める主張を行い、その点でポンぺオとそっくりなのだ。

 

非営利組織「センター・フォ・フード・セイフティ」は、食品表示問題でポンぺオと争った。食品表示問題は世界規模の農業ビジネスと食品小売りにとって大きな利益となる。「センター・フォ・フード・セイフティ」は2014年の文書の中で次のように書いている。

 

「マイク・ポンぺオ連邦下院議員は2010年の選挙においてコーク兄弟から最大の選挙資金の援助を受けた。コーク兄弟からの資金で選挙に当選した後、ポンぺオ議員はコーク・インダストリーズに勤務していた弁護士を議員事務所運営のために雇い入れた。『ワシントン・ポスト』紙によると、ポンぺオ議員はコーク・インダストリーズに有利になる法案を次々と提案し、コーク兄弟はロビイストたちを雇ってそれらの法案を支援した」。

 

2010年の中間選挙について、センター・フォ・レスポンシヴ・ポリティックスはつぎのように分析している。

 

「コーク・インダストリーズは、2010年のポンぺオ議員の選挙の時に投入した金額以上の資金を1人の候補者に提供したことはない。コーク・インダストリーズは総額で8万ドルをポンぺオに提供した。2012年の選挙ではポンぺオの選挙に11万ドルを提供した」。

 

2014年にポンぺオは再選を目指した。この時、ポンぺオはこちらもコーク家とつながりを持つライヴァルの共和党員と厳しい予備選挙を戦った。この時の選挙戦で流れを決定づけたのは、コーク家がポンぺオを支援するという姿勢を見せた時だ。 コーク・インダストリーズの政府・公共問題担当副会長のマーク・ニコラスは、『ポリティコ』誌の当時の取材に対して次のように答えた。「コーク政治活動委員会はマイク・ポンぺオを連邦議会に送ることを支援することに誇りを持っている。ポンぺオは市場を基礎とした政策と経済的自由を支持している。これらは社会全体に利益をもたらすものだ」。

 

コーク家はポンぺオを忠実に支援しているし、ポンぺオはコーク家に対して忠実だ。ポンぺオはコーク家が開催する非公開の集まりに定期的に出席している。また、コーク兄弟を擁護する発言をしている。ポンぺオは、「オバマ大統領と“ニクソン的な”民主党員たちは、チャールズ・コークとデイヴィッド・コークに対して不当な中傷を行っている」と発言した。

 

しかし、もちろん、巷間言われている悪口には、大富豪であるコーク兄弟が持つ影響力やコーク兄弟のアメリカの政治と統治に対する適切な疑問も含まれている。これは根拠のない疑念ではない。ポンぺオはアメリカ国内で最もコーク兄弟の支援を受けている政治家だと考えられている。ポンぺオは連邦下院議員になってわずか数週間後に、「コーク兄弟のビジネスの利益になるため」の法案を提出したと批判された。

 

『ワシントン・ポスト』紙は2011年に「その手段として、連邦下院で審議される連邦政府予算案におけるオバマ政権で始められた主要な2つのプログラムへの予算を大幅な削減が挙げられる。その2つのプログラムとは、安全ではない製品に対する消費者からの訴えを記録するデータベースと環境保護局による温室効果ガスを排出する企業や団体などの登録である」と報じている。この2つはコーク・インダストリーズにとって法律上重要なことである。公開された情報によると、コーク・インダストリーズはこれらに関して2008年から総計で3700万ドルの資金をロビー活動に投じている」。

 

「コモン・コウズ」のメリー・ボイルは「昔から変わらない。連邦議員が自身にとっての最大の資金提供者のために働くということは全く変わっていない」と非難している。

 

しかしながら、今回は全く別の内容の話になっている。ドナルド・トランプは「コークから送り込まれた連邦下院議員」を国務省の最高責任者に据えたいと考えている。更に考えると、アメリカ政府の世界との関わり方はコーク兄弟の利益となるようになるであろう。

 

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コーク兄弟のコントロールは像だし、16の連邦政府機関に拡大(Koch Brothers Growing Control Extends to 16 Federal Departments

―私たちの目に触れない裏側で、コークの力は増大している

 

2017年7月5日

『チェック・アンド・バランス』誌

https://checksandbalancesproject.org/koch-strength-increases/

 

アメリカはトランプ・サーカスによって立ち往生している。しかし、あまり知られていないが、コーク兄弟はより力を強めている。コーク兄弟は長年にわたり共和党内の経済哲学を軌道修正しようと努力してきた。そして、極端な、反政府的なリバータリアニズム哲学を信奉する組織を集めてきた。リバータリアニズム哲学はコーク兄弟に役立っている。

 

現在、コーク兄弟は16の政府機関の長官職を通じて政権をコントロールしている。長官職に就いている人々はコーク兄弟と長年にわたり緊密な関係を保ち、資金的な支援を受けてきた。

 

●コーク・インダストリーズのビジネスを守ることと成長

 

これまでの1年半、「チェックス・アンド・バランシズ・プロジェクト」はコーク・インダストリーズと私たちがコーク・アドヴォカシー・ネットワークと呼ぶネットワークについて詳しく調査を行ってきた。それで分かったことは、コーク・インダストリーズは、自分たちのビジネスを守り、成長させるために行動しているということだ。コーク兄弟の草の根団体ネットワークはコーク・インダストリーズを擁護し、成長させるために存在している。

 

コーク一族、その中でもチャールズとデイヴィッドはコーク・インダストリーズの株式の8割以上を保有し、1983年に反対派の株主たちから株式を買い取り、議決権株式の88%を取得した。コーク兄弟は複数の巨大な石油精製施設とパイプラインを所有しているが、コーク・インダストリーズは化石燃料を民生用の商品に加工して利益を得ている。

 

コーク・インダストリーズはアメリカの非上場企業では第2位の規模を誇る。60か国でビジネスを展開し、従業員数は12万以上である。2015年の年間の総売上は1150億ドル(約11兆5000億円)に達した。「ブルームバーグ・ビリオネア・インデックス」によると、チャールズ・コークとデイヴィッド・コークの兄弟は2人合わせると世界で最も富裕な人たちということになる。彼らの資産は960億ドル(約10兆5000億円)である。

 

コーク兄弟は長年にわたり、アメリカ政界を支配するために努力してきた。しかし、マイク・ペンスがドナルド・トランプの副大統領候補に選ばれてから、コーク兄弟にとっての新たな機会が開かれるようになった。

 

●副大統領による保証

 

ペンスは、政権以降ティームの責任者となってトランプ政権の主要なポジションに人々を推薦した。そして、現在は副大統領となっている。そのためにコーク兄弟の力は強まっている。

 

本誌はトランプ政権の16の省と連邦機関の長官についての情報を集めた。この人々はコーク兄弟と関係を持っている。その中の数名をご紹介しよう。

 

中央情報局(CIA)長官マイク・ポンぺオ。2010年の中間選挙の連邦議会選挙で躍進を見せた時、コーク・インダストリーズから最も支援を受けた人物が新人連邦下院議員として当選したマイク・ポンぺオだ。選挙後、ポンぺオは「コーク兄弟の連邦下院議員」「こーうから送り込まれた連邦下院議員」と呼ばれた。ポンぺオは連邦下院議員時代に連邦下院情報委員会の委員を務めた。そして、連邦下院情報委員会と連邦上院情報委員会の20名以上の委員を差し置いて、CIA長官に抜擢された。

 

保健福祉長官トム・プライス。連邦下院議員(ジョージア州第六選挙区、6期)時代、コーク兄弟の主要な政治団体「アメリカンズ・フォ・プロスペリティ」の立場を反映した法案への支持率は、2007年から2008年にかけては95%、2009年から2010年にかけては100%、2011年から2012年にかけては91%、2013年から2014年にかけては77%、2015年は100%であった。2016年のアメリカンズ・フォ・プロスペリティジョージア州支部の評価では、この数字は100%であった。

 

ネオミ・レオ情報規制局長官。レオはトランプ政権の規制に関しての最高責任者だ。約50名の部下を指揮して、コーク兄弟のお気に入りミック・マルヴァニーアメリカ合衆国行政管理予算局長官に報告をしている。ラオは連邦機関一つ一つが持つ規制に関する緩和計画を準備することになるだろう。レオは2015年9月にジョージメイソン大学行政学研究センターが創設され責任者になるまで、11年間ジョージメイソン大学ロースクール教授を務めた。ジョージメイソン大学ロースクールはアントニン・スカリア記念ロースクールと名付けられた。ジョージメイソン大学ロースクールは、コーク兄弟の慈善事業の最大の受益者となっている。2005年以降総額で4600万ドルがロースクールに提供された。

 

私たちの民主政治体制は世界で最も富裕な2人の兄弟に乗っ取られている。彼ら2人が持つ総資産の価値はビル・ゲイツを上回る。これまで彼ら2人のように私たちの政治システムと政府をコントロールした人物たちはほとんどいなかった。コーク兄弟の強さが増している中で、彼らの求める政策が既に実行されているのである。

 

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(終わり)



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金儲けの精神をユダヤ思想に学ぶ (祥伝社新書)

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今の巨大中国は日本が作った


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真実の西郷隆盛
 

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迫りくる大暴落と戦争〝刺激〟経済
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 古村治彦です。

 

 今回は今年2018年にアメリカで行われる中間選挙に関する記事をご紹介します。私が翻訳しました『アメリカの真の支配者 コーク一族』(ダニエル・シュルマン著、講談社)の主人公チャールズ・コークとデイヴィッド・コークのコーク兄弟が主宰する献金ネットワークが400億円を中間選挙に投入するということです。

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デイヴィッド(弟)とチャールズ 

 中間選挙とは大統領選挙と大統領選挙の間に行われるもので、連邦下院の全議席と連邦上院の3分の1の議席が選挙となります。連邦下院の任期は2年で、連邦下院議員や候補者たちは常に選挙をやっているようなものです。大統領を握っている党にとっては中間テストのような意味合いを持ちます。

 

 現在のところ、民主党がリードしているという状況です。ただリードが少し縮まっているという印象があります。詳しくは以下のアドレスをご覧ください。

 

https://www.realclearpolitics.com/epolls/other/2018_generic_congressional_vote-6185.html

 

 コーク兄弟が率いるいくつかのグループが既に共和党とトランプ大統領が進めた税制改革について積極的に宣伝活動を行っているようです。

 

 民主党としてはここで共和党に大差で勝って次の大統領選挙につなげたいというところだと思いますし、それができるチャンスだと思われますが、勝利をしても大差での勝利でない限りは、共和党とトランプ政権が主流派マスコミで言われるほどに不人気ではないということが明らかになります。

 

 今年の秋の中間選挙までに政治や経済において様々なことが起きるでしょうそれを注視していくことが重要です。


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アメリカの真の支配者 コーク一族


 

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コーク率いるネットワークは2018年の中間選挙で4億ドルを投入(Koch network to spend $400 million during 2018 midterm election cycle

 

ジョナサン・イースリー筆

2018年1月27日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/campaign/371069-koch-network-to-spend-400-million-during-2018-midterm-election-cycle

 

カリフォルニア州インディアン・ウェルズ発。大富豪のチャールズ・コークとデイヴィッド・コークと関係の深い諸団体のネットワークは2018年の中間選挙において保守派の主張する政策と候補者たちのために4億ドル(約430億円)を使う見込みだ。

 

「アメリカンズ・フォ・プロスペリティ」会長ティム・フィリップスは土曜日、投入する金額はこれまでの選挙の時に比べて最大のものとなる、と述べた。2016年の選挙の時よりも60%増となる見込みだ。2016年の連邦議会選挙では逆風が吹く中で、共和党は連邦上下両院で過半数を守った。

 

ネットワークは、トランプ大統領と民主党候補者ヒラリー・クリントンとの間で戦われた2016年の大統領選挙には関与しなかった。しかし、連邦議会選挙の共和党の候補者たちと保守派の主張する政策のために資金の多くを投入した。

 

2018年の中間選挙のために使われる4億ドルの一部は共和党の候補者の勝利のために使われることになる。また、ネットワークは、共和党がコントロールしている政府によって達成された税制改革やその他の業績、復員兵事業に関する改革とトランプによる保守的な人物の最高裁判事登用を重点的に宣伝し、人々の支持を集めようという考えだ。

 

フィリップスは次のように述べた。「私たちは全てを投入する。2018年の政治状況は厳しい。はっきり言って今年は厳しい年となるだろう。

 

歴史的に見て、共和党は大統領を出している時の中間選挙では敗北している。

 

世論調査の結果では、下院議員選挙に関しては民主党が2桁以上リードしている。また、トランプ大統領は、1期目の大統領としては歴史的に見ても低い支持率を記録している。こうした状況では共和党にとってマイナスの結果となるだろう。

 

共和党が下院で過半数を維持できるか不透明な状況だ、現職議員たちの引退が相次ぎ、リベラル派が積極的に活動して共和党が議席を減らすのではないかという懸念が存在する。

 

それでも、共和党にとって資金集めは明るい材料となる。ポール・ライアン連邦下院議長(ウィスコンシン州選出、共和党)と共和党の候補者たちの当選を支援する外部団体は2017年に連邦下院での共和党の過半数確保するために巨額の資金を集めた。

 

コーク・ネットワークに参加している保守派の大口献金者たちは今週末、カリフォルニア州の砂漠地帯にある会員制のインディアン・ウェルズ・リゾートに集合し、2018年の中間選挙に向けた戦略作りを行った。

 

ウィンター・セミナーの共同議長ブライアン・フックスは次のように述べている。「私たちは、人々の生活を向上させることに貢献できる候補者と政策立案者を探している」。

 

フックスは、「コーク率いるネットワークは共和党の税制改革法支援のために2000万ドルを使った。そして、更に2000万ドルを改革法による利益を宣伝のために使う」と述べた。

 

前出のフィリップスは次のように述べた。「私たちは希望を持っている。税制改革についての人々の受け止め方が報道されているが、給料が上がっていくだろうから、それにつれて人々の支持を高まるだろう」。

 

コーク率いるネットワークは、今回のウィンター・ミーティングにこれまでにない数の人々を集めた。全米各地から550名の保守運動活動家たちが終結した。そのうちの150名は初参加の人々だった。彼らもまた2018年の中間選挙に向けた戦略作りを行った。

 

ウィンター・セミナーの共同議長を務めたフックスは次のように述べた。「チャールズ・コークは私たちや他の参加者たちに対して、更に10倍の熱意を込めて活動するように求めた。そして、更に勢いをつけるようにと述べた。それこそ私たちがこれから取り組んでいくことだ」。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 日本でも出版(紙媒体)の売り上げが年々減少、特に雑誌は厳しいということは報じられています。インターネットに記事や情報があふれ、しかもそれらが無料で手に入り、紙媒体自体の売り上げが減少、こうなると、雑誌などに広告を出している企業も広告を中止するということになり、雑誌が続けていけなくなり、廃刊ということになります。テレビ局もまた雑誌と同じで、広告や宣伝で食べているようなものですから、こちらも厳しい状況になっています。

 

 アメリカでも新聞が紙での発行を止めて電子版のみにするとか、記者が大量に解雇されるとか、そういうことが起きています。

 

こうした中で、老舗雑誌社であるタイム社がメレディス・コーポレイションに買収されることになりました。タイム社は世界的な雑誌ブランドである『タイム』(「今年の100人」といった企画で有名)や、日本のスポーツ雑誌『ナンバー』がそのままパクった『スポーツ・イラストレイティッド』といった雑誌を発行しています。しかし、これらの雑誌も当然のことながら売り上げが減少し、厳しい状況にあったようです。

 

 メレディス・コーポレイションは主婦向けの雑誌を発行している会社ですが、同時にアメリカ各州の地方テレビ局15社を所有している会社です。私が驚いたのは、今回のメレディス・コーポレイションのCEOの声明文の中にある、「地方テレビ局は記録的な売り上げを記録している」「広告宣伝の媒体としてこれまでにない機会を与えている」という言葉です。

 

 アメリカではケーブルテレビが発達し、いわゆる地上波のローカルテレビ局は厳しいのかと単純に思っていましたが、どうもそうではないようです。視聴者が多く、それが広告や宣伝収入につながっているようです。今回の買収で、コンテンツ創造力を手に入れたとメレディス・コーポレイションのCEOは述べていますから、雑誌のコンテンツ想像力とテレビの発信力を結び付けようとしているということになります。

 

 メレディス・コーポレイションにコーク兄弟が資金提供をしたという点も重要です。コーク兄弟については拙訳『アメリカの真の支配者 コーク一族』(ダニエル・シュルマン、講談社、2015年)や『世界権力者図鑑2018』(副島隆彦、中田安彦著、ビジネス社、2018年)をお読みいただきたいと思います。

 

 これは雑誌業界の再編というだけではなく、ディジタルとアナログの融合によって新たな何かが生まれる動きなのではないかと考えます。

 

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タイム社はコーク兄弟が支援する企業によって買収される(Time Inc. to be acquired by company backed by Koch brothers

 

ブレット・サミュエルズ筆

2017年11月26日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/homenews/media/361880-time-inc-near-sale-to-company-backed-by-koch-brothers-report

 

メレディス・コーポレイションは日曜日、タイム社を18億ドルで買収すると発表した、と複数のメディアが報じている。メレディス・コーポレイションは共和党の大口献金者であるチャールズ・コーク、デイヴィッド・コーク兄弟が支援している出版社である。

 

ロイター通信によると、メレディス・コーポレイションはタイム社の株式の大部分を一株当たり18ドル50セントで購入すると発表した。

 

両社のそれぞれの取締役会で買収は全会一致で同意され、来年早々にも調印されるとAP通信が報じた。

 

ロイター通信は次のように報じている。メレディス・コーポレイションのスティーヴン・レイシーCEOは声明の中で、「私たちは、メディア産業界内で最強のブランドの持つ豊かなコンテンツ創造力を、力強い地方テレビ局ネットワークビジネスに加えることになりました。地方テレビ局ネットワークは現在、記録的な売り上げを記録しています。地方テレビ局はアメリカの成人視聴者に対しての浸透力と波及力で群を抜いた存在になっており、広告業界やマーケティング業界にこれまでにない機会を与えています」と語った。

 

ニューヨーク・タイムズ紙は日曜日の早朝、買収の合意は月曜日までに発表されるだろうと報じた。同紙によると、コーク兄弟は、コーク・エクイティ・ディヴェロップメント社を通じて6億ドルをメレディス・コーポレイションに投入することになるということだ。

 

タイム社は、『タイム』『スポーツ・イラストレイティッド』『ピープル』の各誌を発行している。一方、メレディス・コーポレイションは『ファミリーサークル』『マーサ・スチュワート・リヴィング』『ベター・ホーム・アンド・ガーデンズ』の各誌を発行している。

 

メレディス・コーポレイションとタイム社は今年の初めから買収に関する交渉を行っていると報じられたが、4月の段階で合意はできない見込みだと言われていた。

 

コーク兄弟は大統領選挙期間中、トランプ大統領を支持することを拒絶したが、2017年になってコーク兄弟とトランプ政権の関係は改善しつつある。コーク兄弟はペンス副大統領をはじめとする政権の最高幹部たちと相次いで会談を行っている。

 

コーク・インダストリーズ社は非上場企業で、アメリカ国内の非上場企業では第2位の規模を誇る。年間売り上げは1150億ドルで、主力部門はエネルギーと化学である。

 

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米出版社タイムが身売り合意-メレディスに3100億円で

 

11/27() 9:29配信 Bloomberg

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171127-42594747-bloom_st-bus_all

 

米メディア企業のメレディスは、米出版社タイムを28億ドル(約3100億円)で買収することで合意した。金額には債務の継承分が含まれる。「フォーチュン」「スポーツイラストレイテッド」などの雑誌で知られるタイムは、インターネット時代到来による打撃を回避できなかった。

 

メレディスの26日付の発表資料によると、1株当たりの買収額は18.50ドルで、全額現金となる。同社は「ベターホームズ・アンド・ガーデンズ」などを出版する。タイム買収が実現すれば、広告の獲得でフェイスブックやグーグルなどと競争する上で必要な規模の拡大が可能になる。

 

チャールズ・コーク氏とデービッド・コーク氏の投資会社コーク・エクイティ・デベロップメント(KED)が6億5000万ドル相当の株式取得を通じて、メレディスによる買収を支援することに同意。KEDはメレディスに取締役を送らず、同社の編集や経営に対し影響力は行使しないという。

 

原題:Meredith Agrees to Buy Time Inc. With Koch Brothers Backing(抜粋)

 

Gerry Smith

 

(貼り付け終わり)

アメリカ政治の秘密
古村 治彦
PHP研究所
2012-05-12







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