古村治彦(ふるむらはるひこ)の政治情報紹介・分析ブログ

SNSI研究員・愛知大学国際問題研究所客員研究員の古村治彦(ふるむらはるひこ)のブログです。翻訳と評論の分野で活動しています。日常、考えたことを文章にして発表していきたいと思います。古村治彦の経歴などについては、お手数ですが、twitter accountかamazonの著者ページをご覧ください 連絡先は、harryfurumura@gmail.com です。twitter accountは、@Harryfurumura です。よろしくお願いします。

タグ:テキサス州

 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙本選挙の情勢について現在までの各種世論調査の結果を軸にして見ていく。その前にアメリカ大統領選挙について簡単に説明する。アメリカ大統領選挙の投票日は「11月の最初の日曜日の次の火曜日」と決まっている。連邦下院全議席(435議席)、連邦上院議席の一部(100議席の約3分の1)で同時に選挙が実施される。

 アメリカ大統領選挙は、民主、共和両党がそれぞれ指名する本選挙候補者を決めるための予備選挙から始まる。予備選挙を勝ち上がった候補者が夏の全国大会で党の指名を受け、本選挙候補者となる。そして、11月の本選挙を迎える。

 アメリカ大統領選挙の仕組みは有権者の得票総数で決まるのではなく、各州で配分された選挙人を取り合う形になる。一つの州で一票でも多く上回った候補者が選挙人を総取りできる、「勝者総取り方式」を取っている。メイン州とネブラスカ州は勝者にある程度の選挙人を配分し、得票率によって敗者にも選挙人が配分されることもある制度を採用している。全米50州に首都ワシントンDCに人口に比例して合計で538名の選挙人が配分されている。最小の州には3名、最大の州カリフォルニア州には55名が配分されている。

 現在のアメリカ政治の特徴は、何と言っても「青い州(Blue States)」と「赤い州(Red States)」に分かれていることだ。青色は民主党のイメージカラーであり、青い州は民主党が強い州、赤色は共和党のイメージカラーであることから、赤い州は共和党が強い州である。これはなかなか動かない。青い州は、アメリカの東西両岸地域に多く、人口が多い都市部を抱えている。赤い州は、アメリカ中西部と南部に多く、農業が産業の中心になっている。

しかし、2016年の大統領選挙で共和党の候補者ドナルド・トランプが大方の予想を覆して民主党の候補者ヒラリー・クリントンを破ったのは、青い州の代表格と見られていた、アメリカ北部五大湖周辺の労働組合が強い工業地帯(ラストベルトと呼ばれる)であるウィスコンシン州、ミシガン州、ペンシルヴァニア州、オハイオ州でトランプが勝利を収めたからだ。

 今回、私なりに過去の大統領選挙の結果や現在の世論調査の結果を考慮して、全米50州とワシントンDCを以下のように分類した。以下の分類からは、現状では、ジョー・バイデンがドナルド・トランプ大統領を大きくリードしているということになる。トランプ大統領が優勢なのは21州で選挙人の合計が142名、バイデンが優勢なのは18州で選挙人の合計が208名となっている。世論調査やこれまでの結果を考慮してどちらとも言えない激戦州(赤色と青色を混ぜた紫色、Purple Statesと呼ばれている)は12州で選挙人の合計が188名となっている。

 トランプ優勢州とバイデン優勢州はよほどのことがない限り、結果は動かない。そうであるならば、大事なのはどちらとも言えない12州だ。これらの州の情勢を見ていけば大統領選挙の結果は予想しやすい。アメリカ国内でもこれらの州は激戦だ、もしくは重要だということで複数回にわたり、定期的に世論調査が実施されている。トランプ、バイデン両者の優勢州では世論調査が実施されていないか、されていても少ない数だ。

 どちらとも言えない州での世論調査の結果から見ていくと次のようになる。バイデン優勢は、・アリゾナ州、コロラド州、フロリダ州(Florida)、ミシガン州、ミネソタ州、ネヴァダ州、オハイオ州、ペンシルヴァニア州、ウィスコンシン州で、選挙人合計は129名、一方、トランプ大統領が優勢なのはアイオワ州、ノースカロライナ州、テキサス州で、選挙人合計は59名だ。そうなると、トランプ大統領の獲得選挙人は201名、バイデンの獲得選挙人337名ということになる。過半数は270名なので、バイデンが圧倒的優勢ということになる。

 しかし、これはあくまで現状のしかも世論調査の数字だけを見ての分析である。世論調査は調査対象者の数(サンプル数)や質問方法、質問の言葉選びなどが重要な要素であり、それらは改善が行われているが、まだまだの部分もあり、あくまで大きな動向を掴むための道具であると私は考えている。従って、世論調査にだけ頼ることは危険である。しかし、アメリカにも住んでいない場合には、全米を調査に回るほどの費用もない中では、アメリカの報道や世論調査の結果を見るしかない。

 今回の大統領選挙では、民主党が前回失った五大湖周辺4州を再奪取できるか、南部の大票田であるテキサス州とフロリダ州でバイデンがどこまで戦えるか、ということが注目される。現在のところ、テキサス州を除いた5州の各種世論調査でバイデン優勢の結果が出ている。そのために単純に足し上げをするとバイデンが圧倒的優勢という分析になる。

しかし、あと4カ月以上も時間がある。トランプ大統領が不利な状況、現職大統領が敗れるというような状況であれば、連邦議会選挙にも悪影響が出る。トランプ陣営と共和党は巻き返しに躍起となるだろう。トランプ大統領としては新型コロナウイルス感染拡大でダメージを受けた経済の回復を最優先したい。民主党はバイデンの弱いイメージの払しょくと党内分裂の回避に力を注ぐ。両党の全国大会からいよいよラストスパートとなる。

(貼り付けはじめ)

■大統領選挙代議員数:538名(過半数270名)

●トランプ[共和党]優勢州(red states

・アラバマ州(Alabama:9名

・アラスカ州(Alaska):3名

・アーカンソー州(Arkansas):6名

・ジョージア州(Georgia):16名

・アイダホ州(Idaho):4名

・インディアナ州(Indiana):11名

・カンザス州(Kansas):6名

・ケンタッキー州(Kentucky):8名

・ルイジアナ州(Louisiana):8名

・ミシシッピ州(Mississippi):6名

・ミズーリ州(Missouri):10名

・モンタナ州(Montana):3名

・ネブラスカ州(Nebraska):5名(4名はトランプ、1名はバイデン)

・ノースダコタ州(North Dakota):3名

・オクラホマ州(Oklahoma):7名

・サウスカロライナ州(South Carolina):9名

・サウスダコタ州(South Dakota):3名

・テネシー州(Tennessee):11名

・ユタ州(Utah):6名

・ウエストヴァージニア州(West Virginia):5名

・ワイオミング州(Wyoming):3名

・合計:141名(+1)、21州

●トランプ・バイデン激戦州

・アリゾナ州(Arizona:11名(バイデン優勢)

・コロラド州(Colorado):9名(バイデン優勢)

・フロリダ州(Florida):29名(バイデン優勢)

・アイオワ州(Iowa):6名(トランプ優勢)

・ミシガン州(Michigan):16名(バイデン優勢)

・ミネソタ州(Minnesota):10名(バイデン優勢)

・ネヴァダ州(Nevada):6名(バイデン優勢)

・ノースカロライナ州(North Carolina):15名(トランプ優勢)

・オハイオ州(Ohio):18名(バイデン優勢)

・ペンシルヴァニア州(Pennsylvania):20名(バイデン優勢)

・テキサス州(Texas):38名(トランプ優勢)

・ウィスコンシン州(Wisconsin):10名(バイデン優勢)

●バイデン[民主党]優勢州(blue states

・カリフォルニア州(California):55名

・コネティカット州(Connecticut):7名

・デラウェア州(Delaware):3名

・ハワイ州(Hawaii):4名

・イリノイ州(Illinois):20名

・メイン州(Maine):4名(3名はバイデン、1名はトランプ)

・メリーランド州(Maryland):10名

・マサチューセッツ州(Massachusetts):11名

・ニューハンプシャー州(New Hampshire):4名

・ニュージャージー州(New Jersey):14名

・ニューメキシコ州(New Mexico):5名

・ニューヨーク州(New York):29名

・オレゴン州(Oregon):7名

・ロードアイランド州(Rhode Island):4名

・ヴァーモント州(Vermont):3名

・ヴァージニア州(Virginia):13名

・ワシントン州(Washington):12名

・ワシントンDCWashington, District of Columbia):3名

・合計:207名(+1)、18州

(貼り付け終わり)
(終わり)

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アメリカ政治の秘密
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ハーヴァード大学の秘密 日本人が知らない世界一の名門の裏側
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 古村治彦です。

 アメリカ大統領選挙本選挙まで5カ月を切った。共和党は現職のドナルド・トランプ大統領、民主党はジョー・バイデン前副大統領がそれぞれ候補者に内定している。どちらが勝つかという予言をすることはまだ尚早だと思うが、今回はテキサス州とフロリダ州の状況を見てみたいと思う。以下にテキサス州とフロリダ州の情勢についてまとめた記事を掲載する。

 テキサス州は共和党の金城湯池だ。前回民主党候補者が勝ったのは1976年のジミー・カーターが最後だ。カーターは南部アトランタ州出身ということもあっての勝利だったが、現職のジェラルド・フォード大統領(リチャード・ニクソン大統領の辞任によって昇格)相手に大接戦だった。それ以来、民主党候補者は勝てていない。1992年と1996年の選挙では南部アーカンソー州出身のビル・クリントンが善戦したが、それでも得票率で3%以上差をつけられて敗北した。バラク・オバマは得票率10%以上をつけられて惨敗した。共和党優勢州は共和党のイメージカラーである赤色にちなんで、「レッド・ステイト(Red State)」と呼ばれるが、テキサス州のように優位が動かない州は「ルビー・レッド(Ruby Red)」と呼ばれている。民主党優勢州はこちらも党のイメージカラーから「ブルー・ステイト(Blue State)」、どちらとも言えない州は赤色と青色が混ざった紫色、「パープル・ステイト(Purple State)」となる。

 それでは今回の大統領選挙も現職のドナルド・トランプ大統領が圧倒的に優位に立っているということになるが、必ずしもそうではないようだ。テキサス州は全米でも屈指の好景気の州だ。中国からの投資も盛んだ。生活費が安く、暮らしやすいということもあり、ヒューストン、ダラス、サンアントニオといった大都市やその周辺地域に新たに移り住む人々が増えている。そのために人口増加の規模が大きく、しかも増加のスピードも速くなっている。こうした人々が必ずしも共和党支持ではない、ということがテキサス共和党にとっては懸念材料になっているようだ。
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テキサス州の世論調査の結果

トランプ大統領は優勢であるが、大統領選挙と同時に実施される連邦上院議員選挙や連邦下院議員選挙で民主党に議席を奪われるのではないかという懸念が出ているほどだ。大統領選挙で接戦になるということは、民主党支持が増えているということで、他の選挙に影響を与えるということになる。これを「ダウン・バロット(down ballot)」という。 

 ドナルド・トランプ大統領はニューヨーク市で生まれ育ち、仕事をして財を成した。しかし、現在はフロリダ州の州民だと宣言している。ニューヨーク市にも居宅を持っているが、フロリダ州にも邸宅を構えている。トランプ大統領にとってフロリダ州は「地元州(home state)」となる。共和党としてはフロリダ州を落とせないと意気込んでいる。

 1990年代以降、フロリダ州での大統領選挙は大接戦となり、ドラマを生んだ。2000年の大統領選挙ではジョージ・W・ブッシュがアル・ゴアを僅か537票差で破り、フロリダ州での結果が決め手となって大統領になった。票の数え直しが行われたことを覚えている人も多いだろう。それ以降も常に得票率の差が1%から3%の中に納まるほどの大接戦が行われてきた。そして、1996年以降は常にフロリダ州での脱線に勝利した候補者が大統領になっている。その点でも激戦州フロリダ州で勝利することは重要だ。
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 フロリダ州の特徴は高齢の有権者が多いということだ。ある程度の成功を収めた高齢者たちが老後は気候が温暖なフロリダ州で過ごそうということで移り住んでくる。そのために、高齢者が選挙において重要な要素となる。今回の新型コロナウイルス感染拡大で、高齢者は健康リスクに直面した。70歳以上の死亡率はそれ以下に比べると高くなっている。そのためにアメリカの各種世論調査の結果では、高齢者たちの多くは「経済活動よりも新型コロナウイルスへの対応をやって欲しい」と考えているということが分かった。

 そうなると、下に掲載した記事にある、高齢者の間でバイデンへの支持率が高いということもうなずける話だ。トランプ大統領の新型コロナウイルス感染拡大への対応に不満を持っている高齢者たちがバイデンを支持するという構図になっている。

 現職のトランプ大統領がフロリダ州を落とすかどうか、11月の投開票日の一つの注目点ということになる。

(貼り付けはじめ)

バイデンはフロリダ州で勝利を収めることでトランプを倒そうとしている(Biden seeks to beat Trump by winning Florida

エイミー・パーネス筆

2020年6月17日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/503089-biden-seeks-to-beat-trump-by-winning-florida

ジョー・バイデンはフロリダ州で躍進を続けている。一方、トランプ大統領は、大統領選挙で必ず勝たねばならない、自身の裏庭とも言うべき州で守勢に回っている。

2016年の大統領選挙で、トランプ大統領は民主党のヒラリー・クリントンに対して、この勝者が入れ替わる州(swing state)で約10万票という僅差で勝利を収めた。しかし、バイデン陣営は、2008年と2012年の大統領選挙でオバマ・バイデンのコンビで勝利を収めたフロリダ州を奪還できると確信している。

最近になってフロリダ州で感染者数が増加している、新型コロナウイルス感染拡大への対処についてトランプ大統領をバイデンは一貫して攻撃している。選挙における重要な問題をはっきりさせることで、フロリダ州において状況を変えようとしている。

バイデンは今週になって、トランプ大統領がハリケーンに対する備えを怠っていると批判した。フロリダ州はこれからハリケーンが襲来してくるシーズンを迎える。

バイデンは『マイアミ・ヘラルド』紙の論説欄に文章を投稿した。その中で次のように書いている。「トランプ大統領は今回の新型コロナウイルス感染拡大に対する準備に失敗し、その影響を弱めるための決定的な行動を取らなかった。そのために危機的状況が継続することになっている。私たちのコミュニティは外部からの新たな脅威やハリケーンのような自然災害に対して危険なほど脆弱である。」

バイデン選対がフロリダ州の重要性をきちんと認識していることを示す証拠として、民主党は、フロリダ州選出のヴァル・デミングス連邦下院議員(民主党)をバイデンの副大統領候補として考慮している。

フロリダ州の政治を観察している人々は、バイデンが既にフロリダ州において優位性を持っているが、今回の新型コロナウイルス感染拡大によってその優位性は大きくなっていると述べている。

セントラル・フロリダ大学政治、安全保障、国際問題学部のバリー・エドワーズ教授は、「現在、フロリダ州での世論調査でバイデンがリードしているのには2つの理由がある。それは彼が、ドナルド・トランプではなく、またヒラリー・クリントンではない、というものです」と述べた。

エドワーズ教授は「新型コロナウイルス感染拡大は、フロリダ州の観光に依存している経済を破壊しました。人々はトランプ大統領が危機に対してうまく対応していると考えていません」とも述べた。

トランプ大統領は再選のためにはフロリダ州がいかに重要な存在かを分かっている。そして、トランプ大統領は自身の再選のための防波堤であるフロリダ州を守ろうとしている。

共和党全国委員会は先週、共和党全国大会の機能のほとんどをフロリダ州ジャクソンヴィルに移して開催すると決定した。8月の共和党全国大会でトランプ大統領は共和党による党候補者指名を受諾することになっている。

トランプ大統領は選挙集会を再開し、今週はオクラホマ州で実施する予定だ。再開後は、フロリダ州を繰り返し訪問することになると見られている。

トランプ選対はフロリダ州における選挙に関する状況について満足していると述べている。選対幹部たちは、2019年以降、フロリダ州で共和党支持と登録した有権者の数は約1万8000名であったと発表している。

トランプ選対の次席広報担当コートニー・パレラは「2015年以来、フロリダ州において私たちは有権者に関与することに成功しています」と述べた。

パレラは続けて次のように述べた。「私たち選対は昼夜兼行でトランプ大統領のメッセージをフロリダ州の有権者の皆さんに直接お届けできるように努力しています。そして、民主党側がたとえ追いつきたいと望んでも追いつけていない事実として、フロリダ州の有権者は2016年にトランプ大統領を信頼しそれを投票で示したということがあります。そして、大統領の素晴らしい成功の記録、特に“偉大なアメリカを取り戻す(The Great America Comeback)”は今年の秋の選挙で大統領の地元州での勝利を確実にするものです」。

最近の複数の世論調査の結果では、バイデンは僅差でトランプ大統領をリードしている。トランプ大統領は昨年、自身はフロリダ州の住民だと宣言した。

先週、共和党系の世論調査会社「シグナル」が発表した、大統領選挙の投票に必ず参加すると答えた有権者を対象にした世論調査では、民主党の大統領選挙候補者に内定しているバイデンがトランプ大統領を47%対44%でリードしている。

バイデンにとって重要なことは、いくつかの世論調査で、高齢者の間で、彼がトランプ大統領をリードしているという結果が出ていることだ。

4月末のキュニピアック大学の世論調査では、65歳以上の有権者の52%がバイデンを支持し、42%がトランプ大統領を支持するという結果が出た。

フロリダ州民主党の上級部長フアン・ぺナロサは次のように述べている。「高齢者はトランプ大統領から離れています。トランプ大統領を非難しています。私たちが話しをしてきた高齢者の皆さんは新型コロナウイルスへの接触を恐れています。高齢者の皆さんは家の中に閉じ込められた囚人のように感じ、孫たちに会えないことで怒りを持っています」。

バイデンはヒスパニック系の有権者たちの獲得を目指しているが、そうした中で、火曜日にはスペイン語の新聞『ディアリオ・ラス・アメリカス』紙にバイデンがマイアミ・ヘラルド紙に掲載した論説記事のスペイン語訳が転載された。

フロリダ州のバイデン選対の広報担当は、選対は「フロリダ州内の多様な各コミュニティに対する積極的な働きかけを拡大し続け、一票一票を掘り起こす」予定だと発表した。

エドワーズ教授は、トランプ大統領は既にフロリダ州において支持基盤を固めているが、バイデンはこれから民主党支持の有権者たちを動かすために強力な草の根の選挙運動を構築し、展開しなければならないと指摘している。

エドワーズ教授は次のように述べた。「バイデン支持者たちはフロリダ州で、トランプ支持者たちに匹敵するエネルギーと目立つ動きをする必要があります。ジョー・バイデンは“眠たげなジョー(Sleepy Joe)”というレッテルを剥がすためにエネルギーと熱意を見せねばなりません」。

バイデンとフロリダ州民主党の幹部たちは、フロリダ州全体での草の根運動と有権者の組織化のための努力を更に高めると述べている。共和党が圧倒的に優位な地域(ruby-red areas)にも浸透すると述べている。そして、有権者に対する電話かけ、Eメール、戸別訪問の数を増やしている。

例えば、先週末、バイデン支持者たちは、「ライディング・ウィズ・バイデン」キャラヴァンを組織した。そして、自動車で列を組んで、トランプ大統領所有の施設の中を行進した。その中には「トランプ・ナショナル・ドーラル・マイアミ・リゾート」も含まれていた。キャラヴァン参加者たちは自動車の中でポスターやバイデンの看板を振った。

ぺナロサは、フロリダ州における競争はこれまでになく激しくなっていると述べた。

ぺナロサは、「皆さんがやらねばならないことは、ここフロリダ州でのトランプの投資について見ることです。彼はここに移り住んだ。フロリダは彼にとって失うことのできない州なんです」と述べた。

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テキサス州において世論調査の数字が接戦となっていることで共和党関係者はイライラしている(Tight polls put GOP on edge in Texas

ジョナサン・イーズリー筆

2020年6月13日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/502533-tight-polls-put-gop-on-edge-in-texas

オースティン発。テキサス州の共和党関係者たちは現在ピリピリしている。複数の世論調査で、トランプ大統領と民主党大統領選挙候補者に内定しているジョー・バイデンが、選挙の投票日まで5カ月を切って、テキサス州で大接戦を演じていることが明らかになった。

テキサス州の共和党関係者の多くは現在でもトランプ大統領が11月の選挙においてテキサス州で勝利し、38名の選挙人を獲得する可能性が高いと見ている。しかし、1976年以来初めて、テキサス州の大統領選挙で民主党の候補者が勝利をするのではないかというわずかな可能性が少しずつ高まっている。

トランプ大統領がバイデンに対してつけている差が重要であり、共和党は大統領選挙において接戦となると、その他の選挙で民主党に敗れてしまうのではないかという恐怖感を持っている。

テキサス州選出の共和党所属連邦下院議員5名が年末の任期までで引退を表明しており、この5議席のうち、3議席が接戦、もしくは民主党有利という展開になっていると中立の「クック・ポリティカル・レポート」は評価している。

ジョン・クローニン連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)は再選に向けて準備をしているが、2020年の選挙は彼のキャリアの中で最も厳しい戦いとなる可能性が高くなっている。

バイデン選対はテキサス州においてトランプ大統領と競い合う意向を持っていると発表している。テキサス州民主党は全米でも最大規模を誇っている。テキサスの人口構成は急速に変化しており、それでテキサス州は共和党の圧倒的な優位州から激戦州に変化している。

オースティンに住む共和党系のヴェテラン選挙関係者ビル・ミラーは次のように述べている。「テキサス州の共和党にとって深刻な時期になっています。現状を深刻に捉えない共和党関係者は11月に悪い結果となって驚くことになるでしょう。共和党は深刻に考え、対策を練らねばなりません。そうしなければ、テキサス州で困った事態になるでしょう」。

先週発表されたキュニピアック大学の世論調査では、テキサス州ではトランプ大統領がバイデンに1ポイント差をつけてリードしていた。「リアルクリアポリティックス」が出している平均では、テキサス州ではトランプ大統領が2.2ポイント差をつけてリードしている。

テキサス州共和党は都市の郊外における状況について懸念を持っている。こうした地域では、トランプ大統領が就任して以来、女性と無党派層が共和党支持から離れている。

ヒューストン、ダラス、オースティン、サンアントニオといった都市部の周辺地域で共和党への支持は下がっている。これら4つの都市は全米でも最も大規模にかつ急速に成長している都市となっている。2018年の中間選挙では、ヒューストンとダラスにおいて、民主党側の候補者が長年の共和党の現職を倒した。

警察によるジョージ・フロイドの殺害をめぐる歴史的な市民的抵抗運動が起きている現状、トランプ大統領はテキサス州の都市部郊外に居住する有権者に対するアピールする機会を失っていると共和党員や支持者たちは発言している。

オースティンを拠点としている共和党系のヴェテランの選挙関係者コービン・キャスティールは「郊外は懸念材料となっています。常に長所というものは短所を示すことでもあります。郊外にテコ入れをする必要があります」と述べている。

キャスティールは次のように述べている。「ドナルド・トランプ大統領は現在のような状況において思いやりを見せることを手助けすることになるでしょう。テキサス州共和党員の大部分はキリスト教徒です。イエス・キリストを愛し、キリスト教徒らしい生活を送っています。そして、私たちの党の指導者が経済と雇用、保守派の判事たちを任命するなどで素晴らしい成果を収めたが、思いやりをもって国を導く機会を逃したことを見て失望しています。現在の人種差別をめぐる危機的状況の時期に、思いやりを持ちながら国を導くならば、トランプ大統領の得票数は大変高くなるだろうと考えます。そうすればテキサス州を失うことはないでしょう。私はトランプ大統領が負けることはないだろうと確信しています。しかし、長所をてこ入れする機会を失っています」。

キャスティールは2016年の大統領選挙においてテキサス州でのトランプ大統領の選挙運動を指揮した人物だ。キャスティールは、2020年の大統領選挙ではトランプ大統領がバイデンに6ポイントの差をつけて勝利すると予測していると発言した。この数字は現代のテキサス州での大統領選挙において最も僅差の数字ということになる。

2016年、トランプ大統領はヒラリー・クリントンに9ポイントの差をつけて勝利した。これはジミー・カーター元大統領(民主党)が40年以上前にテキサス州で勝利を収めた際のポイント差以来の最小の差での勝利ということになった。1994年以降、民主党の候補者でテキサス全州を対象にした選挙で勝利を収めた人物はいない。この共和党の連勝記録は全米で最長期間を記録している。

キャスティールは、トランプ大統領が予想よりも小さい差で勝利を収めるということが起きれば、それはテキサス州共和党と連邦下院議員選挙にとっては「破壊」を意味することになるだろうと懸念を表明した。

キャスティールは、全米規模のメディアにおいて、テキサスが転換かなるかという問題について、テキサス州における共和党の置かれている状況は過小評価されている可能性が高いと指摘している。

テキサス共和党の党員や支持者たちは、連邦下院議員選挙予備選挙で複数の新人が勝利を収めたことを喜んでいる。その中にはダラスの女性実業家ジェネヴィー・コリンズが含まれている。コリンズは、ダラスを地盤とする1期目を終えようとしている現職のコリン・アレッド連邦下院議員(テキサス州選出。民主党)と本選挙で対決することになる。

キャスティールは、選挙戦が激しくなっていけば共和党員や支持者たちはトランプ大統領当選に向けて選挙運動を激化させ、一方、ジョー・バイデンは人々の関心を集め、批判が大きくなるだろうと予測している。

キャスティールは次のように述べている。「テキサスっ子はトランプ大統領の経済政策を本当に気に入っているし、判事の任命についても賛成している。投票ブースに入って、レヴァーを引く時に、トランプ大統領に投票するというのは簡単な決心ということになる」。

オースティンに住む共和党系ストラティジストであるブレンダン・スタインハウザーは、大統領選挙においてテキサス州で民主党が勝利を収める可能性は33%だと述べている。

スタインハウザーは、クローニンは連邦上院議員に再選され、得票率ではトランプ大統領よりも5ポイント高いという結果になると予想していると述べた。クローニンの対抗馬となる民主党側の候補者は来月明らかになるが、現在のところ、元米空軍パイロットのMJ・ヒーガーとテキサス州上院議員ロイス・ウエストが決選投票に向かって戦っているという状況だ。

スタインハウザーは、バイデンがテキサス州で勝利を得るためには、トランプ大統領に不満を持つ共和党員たちが投票に行かないか、投票に行っても何も書かない、一方で連邦上院議員選挙ではクローニン、他の選挙でも共和党の候補者に入れるという行動を取ることだ、と述べた。

スタインハウザーは次のように述べている。「テキサス州は大きく動いており、大統領選挙の結果は僅差で決まると確信しています。つまり、トランプ大統領が勝利を得ると考えています。共和党員や支持者たちは今回の選挙について真剣に考えています。今回の選挙が接戦になることは分かっています。ビトー・オローク前連邦下院議員は、2018年の連邦上ン議員選挙で郊外に住む白人女性の票を多く獲得しました。もし民主党側が今回も郊外に住む白人女性たちの支持を得ることができれば、選挙戦は接戦になります。しかし、テキサス州において、共和党員や支持者の数は民主党側を上回っています。その多くがトランプに投票してくれば、とりあえずOKということになります」。

2018年の中間選挙では、民主党候補のオロークは、現職で共和党所属のテッド・クルーズ連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)を2.5ポイントの差まで追い詰めた。オロークは落選したが、2016年の大統領選挙で民主党候補ヒラリー・クリントンがテキサス州で得た票数を上回る得票数を記録した。

2018年の中間選挙で、テキサス州の民主党は共和党所属の現職が占めていた連邦下院議員の2席を奪い取った。6名の共和党所属の現職連邦下院議員たちは、5ポイント以下の接戦でようやく再選された。民主党連邦議会選挙対策委員会はテキサス州の各地に事務所を開設した。そして、民主党連邦議会選挙対策委員会は、全米で唯一、テキサス州だけで全力を投入する選挙運動を行った。

2018年のテキサス州議会選挙では、民主党は州下院議員選挙で12議席、州上院議員選挙で2議席を共和党から奪い取った。共和党はテキサス州下院では9議席のリードを保っているに過ぎない状況になっている。テキサス州民主党は、州下院の共和党が握っている議席のうち、22議席に関しては、世論調査によると一桁台の差となっており、民主党側が奪い取る可能性があると発表している。

テキサス州では2016年以来、有権者数が250万も増加した。テキサス州では有権者登録をする際に支持政党を登録することはやっていない。しかし、新たにテキサス州の有権者となった人々は、若年層、ラティーノ、カリフォルニア州、イリノイ州、ニューヨーク州といった民主党優位州(blue states)から移り住んできた人々であると考えられている。

テキサス州民主党の上級部長を務めるメルマニー・ガルシアは次のように述べている。「ジョージ・W・ブッシュの思いやりのある保守主義、ティーパーティー運動、トランプ運動を生み出すことに貢献した州ですよ。そして現在、これらすべての動きが新しい民主党運動へと急激に変化しているのです。共和党は怠慢になっており、テキサス州で物事が向かっている方向について、目を覚まさせる出来事について全く知ろうとしていません。人口増加によってテキサス州は全ての選挙のレヴェルにおいて、共和党優位が崩れているのです」。

(貼り付け終わり)

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 古村治彦です。

 全世界で新型コロナウイルス感染拡大が深刻化している。日本でも東京都で深刻化の度合いが増し、東京都内の外出自粛要請、他県では東京への外出自粛要請が出された。こんな状況下では、今年アメリカで大統領選挙が実施されるということにはなかなか目が向けられない。現職のドナルド・トランプ大統領と現在の連邦議会は、新型コロナウイルス感染拡大に対して、後手後手に回ったという印象は否めない。しかし、一度やると決めたら、アメリカ流の大量の資金と資源を一気に投入するという形で対策を取る。

 日本では後手後手というのは一緒だが、資金や資源をちまちまと逐次的に投入し、失敗を重ねている。これは太平洋戦争の時と同じ手法であり、この「後手後手ちまちま」は日本の宿痾ということになるだろう。

 民主党予備選挙は4月になるまでない。既にいくつもの州で予備選挙実施費の延期を決定しているところも多い。選挙どころではない、ということだ。さすがに大統領選挙が延期されるということはないだろうが、投票方法は郵便やインターネット利用ということが検討されるだろう。しかし、その前に民主・共和両党の候補者を決める全国大会が予定されている。全国大会が通常通りに開催されるかどうか、もまだ不透明な状況だ。

 本ブログはここ最近の通常通り、民主党予備選挙について紹介する。少し古い記事になって申し訳ないのだが、民主党予備選挙で最有力候補となっているジョー・バイデン陣営の人事の変更が行われた。これまで、陣営を引っ張ってきた、アニタ・ダン、グレッグ・シュルツに代わり、ジェン・オマリー・ディロンという人物が選対の責任者となった。ダン、シュルツは陣営に引き続き残り、アドヴァイザーの仕事を行うということだ。

 ダン、シュルツ、オマリー・ディロンの共通点はバラク・オバマ前大統領の選対を経験し、ホワイトハウスで働いていた経験を持つ、更にはヒラリー・クリントンとの関係が薄いということだ。

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アニタ・ダン
  アニタ・ダン(Anita Dunn、1958年―、62歳)も若い時から民主党の政治家たちの選対本部に参加し、選挙の実務を学んだ。2008年のオバマ前大統領の初めての大統領選挙ではシニアアドヴァイザーを務めた。その後、ホワイトハウスの広報部長を務めた。グレッグ・シュルツ(Greg Schultz、1981年―、39歳)は2008年の大統領選挙では短期間ヒラリー・クリントン陣営で働いた。2012年の時には、オバマ陣営のオハイオ州責任者を務め、オバマ政権第2期には、バイデン副大統領の上級アドヴァイザーを務め、後にオバマ大統領の政治アドヴァイザーとなっている。

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グレッグ・シュルツ
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ジェン・オマリー・ディロン

ジェン・オマリー・ディロン(Jen O'Malley Dillon、1976年―、43歳)は選挙運動のプロである。2000年の大統領選挙で民主党候補だったアル・ゴア陣営で働き、その後も連邦上院議員選挙や大統領選挙で選対スタッフとして働き、経験を積んだ。2008年の大統領選挙ではオバマ陣営で激戦州担当の部長を務めた。その後は民主党全国委員会の上級部長を務め、2012年の大統領選挙では陣営の副責任者を務めた。今回の大統領選挙では、ビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)の陣営で責任者として働いていた。

 民主党内におけるアフリカ系アメリカ人の影響力に対抗するためにヒスパニック系がバイデンに対して働きかけを行っている。「自分たちヒスパニック系も入れなければ選挙に勝てない」という半分懇請のような脅しのような訴えである。自分たちの存在感が薄れることを懸念しているから起きる訴えだ。

 バイデン陣営がオマリー・ディロンを責任者に迎えたことは大きい。彼女がオバマ系の人材であることもそうだが、テキサス州内に人脈を広げ(その中には当然ヒスパニック系も多く含まれる)、知識を得たということが大きい。これはバイデン陣営が本選挙でトランプ大統領と対峙する際に、テキサス州とフロリダ州で戦い、このどちらかを奪い取ることでトランプを追い落とすという戦略に合致する動きだ。私は今年の大統領選挙本選挙では、中西部の一州、南部の一州でバイデンが勝利すれば、トランプは負けることになると考えている。そのための戦術として、オマリー・ディロンをバイデンは陣営に迎えた。

(貼り付けはじめ)

バイデンはオローク選対の幹部だった人物を新しい選対責任者に起用(Biden appoints former O'Rourke aide as new campaign manager

タル・アクセルロッド筆

2020年3月12日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/487254-biden-appoints-former-orourke-aide-as-new-campaign-manager

民主党予備選挙において先頭走者の位置を固めているジョー・バイデン前副大統領は、自身の選対本部の新しい責任者としてジェン・オマリー・ディロン(Jen O'Malley Dillon)を起用した。バイデンは厳しい戦いとなるであろうトランプ大統領との本選挙に向かって準備をし始めた。

オマリー・ディロンの起用は木曜日に『ワシントン・ポスト』紙が最初に報じ、その後にバイデン選対が事実だと認めた。オマリー・ディロンは民主党の選挙対策の分野では有名な人物である。オマリー・ディロンは2012年のオバマ前大統領の再選の選対で副責任者を務めた。また、オバマ政権第一期の4年間では、民主党全国委員会の執行役員を務めた。

最近では、ビトー・オローク前連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)の大統領選挙を手伝ったが、オロークは最終的に選挙戦から撤退した。また、バイデン選対に対しての非公式のアドヴァイザーをしていた。

バイデン選対によって発表された声明の中で、オマリー・ディロンは次のように語った。「バイデンの人格と指導力のもとにまとまっている他の民主党員の多くと同じく、私はこの重要な時期にティームに参加できることに興奮しています。」

オマリー・ディロンは続けて次のように述べている。「バイデン前副大統領は記録的なレヴェルの有権者を投票所に向かわせています。そして、ドナルド・トランプが二期目を迎えないことを確実にするために必要な幅広い連合を形成しています。バイデンを46代目の大統領にする手助けができることは光栄であり、私は仕事を始める準備ができています」。

オマリー・ディロンはアニタ・ダンとグレッグ・シュルツのティームに参加することになる。ダンとシュルツは責任者としてバイデン選対の舵取りをしてきた。

先月のアイオワ州での党員集会での惨敗の後、ダンは選対を立て直した。シュルツはバイデンの出馬の準備に参加し、選対の初期の人事を担当し、代議員獲得に関する戦略を策定した。バイデン選対によると、シュルツは組織に関する計画と献金者と支持者へのアウトリーチといった仕事をこれから行うということだ。

バイデンは次のように語った。「私は、グレッグに対して私たちの選対が今日ある形にしてくれるために指導力を発揮し、献身してくれたことに感謝の意を表します。そして、彼がこれからも私たちの選対と選挙運動に継続して貢献してくれるだろうと確信しています。私はジェンが私たちのティームに彼女の素晴らしい才能と洞察をもたらしてくれるだろうことを楽しみにしています。この秋にドナルド・トランプと戦うための準備するにあたり、ジェンは選対と選挙運動を拡大し、強化させるための財産となってくれるでしょう」。

バイデンは一連の勝利によって11月にトランプと対決する民主党候補者の最有力候補になった。バイデンはサウスカロライナ州で30ポイント近くの差をつけて圧勝し、先週のスーパーチューズデーでは14州のうち10州で勝利し、今週はじめのミシガン州で重要な勝利を収めた。バイデンが連勝を収めたことで、多額の献金が流れ込んできており、全国で選挙事務所を設置することができるようになっている。

トランプ大統領は、数百万ドルの寄付金を使って再選に向けた選対と選挙運動を加速させている。

=====

民主党内のヒスパニック系の人々は、サンダースのラティーノ支持獲得戦略はバイデンにとってのロードマップとなると考えている(Hispanic Democrats see Sanders's Latino strategy as road map for Biden

ラファエル・バーナル筆

2020年3月11日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/487137-hispanic-democrats-see-sanderss-latino-strategy-as-road-map-for-biden

連邦議会ヒスパニック系議員連盟(CHC)所属の議員たちはジョー・バイデン前副大統領に対してバーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァーモント州選出、無所属)の成功したアウトリーチ戦略を見習うように主張している。

このような要求は、バイデンがアフリカ系アメリカ人と穏健派、高齢の有権者たちからの支持を受けて南部諸州と中西部諸州で決定的な勝利を収めて民主党予備選挙のトップ走者となった時から出ている。

対して、サンダースはラティーノ系の有権者からの力強い支持を集めている。その結果として、カリフォルニア州とネヴァダ州といった西部諸州で勝利した。

ラティーノ系の人々はサンダース陣営が効果的なアウトリーチ戦略を採用し、選対の最高幹部の中にヒスパニック系の人を置いていることを評価している。そして、こうしたことをバイデンにも真似てもらいたいと考えている。

バイデン支持を表明し、連邦議会ヒスパニック系議員連盟の選挙部門の責任者を務めるトニー・カルデナス連邦下院議員(カリフォルニア州選出、民主党)は次のように述べている。「次のアメリカ大統領、その次、その次、その次を狙う人は誰であっても、投票する権利、どの候補者を支持するかを決めるために情報を知る権利を持つ全てのアメリカ国民を考慮に入れて選挙運動を実施する必要があります。」

カルデナス議員は、サンダース陣営のトップアドヴァイザーであるチャック・ロカに言及しつつ次のように語った。「バーニー・サンダースの選対は、能力の高いラティーノもしくはラティーナを選対の最高幹部に据えた初めての全国レヴェルの選挙組織ということになります。これは選挙運動にとって良い決断となりました。その結果として、バーニー・サンダースはいくつかの州でラティーノ系有権者の支持を受けて良い結果を得ました」。

選挙コンサルタントで、連邦議会ヒスパニック系議員連盟所属の議員たちのためにも働いた経験を持つロカは、サンダース陣営が早い時期から重点州においてラティーノ系有権者の支持獲得のために資源を投入していたことを評価し、そのために予備選挙の初期段階でヴァーモント州選出のサンダース議員が予備選挙でトップに立った事実を強調した。

ロカは本誌に対して次のように述べた。「カルデナス議員は私たちラティーノ系共同体に対して常に政治に関心を持ち、参加するように訴えてきました。私はサンダース陣営の選挙運動に誇りに思っていますが、それはカルデナス議員の訴えに沿ったものだからです。私はただテーブルに座っているだけではなく、人々に会って行動しています」。

ロカの戦略はこれまで長い間ヒスパニック系共同体の指導者たちから出ていた要求に基づいたもので、文化的に有効なヒスパニック系有権者へのメッセージを早い段階から強く打ち出すということだった。ヒスパニック系に関してはこれまでいろいろな選対で軽視されてきた人々であった。

ロカは次のように語っている。「11月にドナルド・トランプを倒すために、十分な資金を投入した、文化的にも有効なラティーノ系の得票獲得作戦を実行する必要があります。民主党が“外に出て投票に行きましょう(GOTV)”作戦を実行する前にラティーノ系への働きかけを始動する必要があるということを私たちは証明したのです。ラティーノは選挙戦で働きかけを待つだけの存在ではなく、自分たちで実際に選挙戦を実行する存在になっていくことでしょう」。

連邦議会ヒスパニック系議員連盟にはカルデナス議員のようなバイデンを支持する穏健派の議員たちがいるし、アレクサンドリア・オカシオ=コルテス連邦下院議員(ニューヨーク州選出、民主党)のようなサンダースを支持する進歩主義派の議員たちがいる。こうした人々は共にロカの発言内容に同意している。

オカシオ=コルテス議員は次のように語っている。「歴史的に見て、民主党と民主党関連の組織はラティーノ系の有権者たちへのアウトリーチについて苦闘してきましたが、正しくない方法を採用してきました。その結果として、ラティーノ系への政策も良いものを作り出すことに苦労しています。バイデン前副大統領は民主党内部の伝統的な組織に頼り切っています。そして、支持を勝ち取っています」。

オカシオ=コルテス議員は続けて次のように述べた。「しかしながら、このような伝統的な組織に頼っているのが現状です。これは民主党の強さと弱さの慣性ということです。民主党の弱さの一つはラティーノ系有権者へのアウトリーチです」。

バイデン陣営と緊密な関係を持っているカルデナスは、バイデン陣営は既にサンダース陣営と同様の対ラティーノ系有権者戦略を既に実行しているはずだと述べている。

バイデンは、フロリダ州、アリゾナ州、イリノイ州でのラティーノ系アウトリーチに新しい資源を投下している。バイデン陣営内部の議論に詳しいある人物によると、バイデン陣営はこれら各州内のラティーノ系有権者の間でサンダースと競り合えると考えているということだ。

カルデナスは、ヒスパニック系共同体の指導者たちが長年民主党に対して求めてきた、ヒスパニック系への関与戦略を初めて具体化した有力な大統領選挙候補者となったのがサンダースだと述べた。

カルデナスは次のように述べた。「ある有権者グループに働きかけを行わず、その人たちを後回しにし、選挙の投開票日当日前にこれらの人々にほとんど注意を向けなければ、得票率が低くなりますよね。その候補者グループの中で、そんな候補者もしくはその候補者の主張を受け入れる人の割合はおのずと低くなりますよね」。

カルデナスは続けて次のように語った。「私が今述べたことはこの予備選挙で全ての候補者の陣営が予備選挙開始前に行ったことです。そして、本当に働きかけを行って、ラティーノ系の有権者を動員したのは、バーニー・サンダースだけなんですよ」。

バイデンはラティーノ系に対して働きかけを全くやっていないということはない。

バイデン陣営のラティーノに関するアドヴァイザーであるクリストバル・アレックスは「ラティーノ・ヴィクトリー」から採用された。ラティーノ・ヴィクトリーはヒスパニック系の人々の声を吸い上げ主張する、良く知られた進歩主義的な政治組織である。

ラティーノ・ヴィクトリーは今年2月にバイデン支持を発表した。

バイデンはヴァージニア州とサウスカロライナ州でヒスパニック系有権者からの支持を獲得したが、南部諸州でサンダースがバイデンとの差を詰めることができないようになった。

バイデンは火曜日に予備選挙が実施されるフロリダ州で構造上の優位性を持っている。バイデンはフロリダ州でラティーノ系の重要な支持を集めている。フロリダ州は全米で第3位のヒスパニック系の人口を抱えている。

ダレン・ソト連邦下院議員(フロリダ州選出、民主党)は次のように語っている。ソト議員はプエルトリコ系としては初めてのフロリダ州選出の連邦議員である。「フロリダ州ではバイデンはラティーノ系の有権者の支持を掴んでいます。今朝発表された最新の各種世論調査の結果が物語っています。もちろん、フロリダ州には独自の状況があります。ヒスパニック系と言っても5つの異なったグループ分けができるほどですから、これらの動きでフロリダ州の選挙の結果は変わるんですよ」。

スーパーチューズデー後にバイデン支持を表明したソト議員は次のように語っている。「バイデンはヴァージニア州と東部のいくつかの州で良い結果を得ました。そしてヒスパニック系有権者からの投票に関してもそうです。サンダースは南西部諸州のヒスパニック系から多大な支持を得ました。これまでの選挙戦を見ていて、バイデンは東部諸州で勝利を収めることができる上昇気流に乗っています」。

カルデナスはバイデン陣営が予備選挙序盤の段階でヒスパニック系に働きかけを行うだけの資金を持っていなかったが、アフリカ系アメリカ人と郊外に住む白人の有権者たちの支持を得た。その結果として民主党予備選挙でトップに立つことができた。

カルデナスは次のように語った。「バイデン選対はサンダース陣営が行った規模での資源を投入しヒスパニック系有権者からの支援を得るということができませんでした。しかし、スーパーチューズデー後にすぐにバイデン陣営に連絡をしました。そして、選対がつかんでいる内容と知っておくべき内容を聞き、説明しました。全米のラティーノ系の有権者に主張を届けることの重要性とそのための資源を投入すべきだという話をしました」。

カルデナスは「もちろん、バイデン選対がラティーノ共同体、アメリカ全土のラティーノ系の有権者とのコミュニケーションに投資をしていないなどと信じる理由は存在しません」とも語っている。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。
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 スーパーチューズデーの投開票が始まった。全米14の州と1つの自治領で宣誓済み代議員1344名を争う戦いだ。全宣誓済み代議員数が3979なので、約3分の1の行方が決まる。先に書いておくが、来週のミシガン州がサンダースにとっては極めて重要となる。前回の大統領選挙でトランプに負けたのは、民主党が地盤だと考えていた中西部、五大湖周辺州でヒラリーが勝てなかったからだ。中西部奪還は民主党の悲願である。そのために今回の選挙では中西部に強い候補者を選ばねばならない。中西部出身者であるピート・ブティジェッジとエイミー・クロウブッシャーが選挙戦から撤退しバイデン支持を表明しているので、バイデンは追い風が吹いている。来週のミシガン州でサンダースが勝てるかどうかが注目される。

 スーパーチューズデーの正式な結果が出るのは時間がかかる。最大の代議員415名が配分されているカリフォルニア州の正式な結果が出るのは日本で明日になるかもしれない。
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 現在までのところ、バイデンが1位となると見られているのは、アラバマ州、アーカンソー州、マサチューセッツ州、ミネソタ州、ノースカロライナ州、テネシー州、テキサス州、ヴァージニア州で、サンダースが1位となると見られているのは、カリフォルニア州、コロラド州、ユタ州、ヴァ-モント州、ブルームバーグが1位となったのは、アメリカ領サモアだ。メイン州では接戦が続いている。

 バイデンは2月29日のサウスカロライナ州での圧勝の勢いとエイミー・クロウブッシャー、ピート・ブティジェッジ、ビトー・オロークといった大統領選挙で戦った人々からの支持表明もあって、急激な状況気流に乗って、サンダース包囲網を形成している。サンダースはこの包囲網に苦しめられた結果となった。南部諸州では元々バイデンは強かったが、さらに勢いがついた上に、サンダースがリードしていたマサチューセッツ州とテキサス州ではバイデンが逆転した形となっている。また、ミネソタ州では地元出身のクロウブシャーが支持率1位を記録していたが、バイデン支持と表明したことで、2位につけ凍てたサンダースを3位のバイデンが追い抜く形になった。
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スーパーチューズデー前の代議員数(濃い青色が選挙で争う宣誓済み代議員数)
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CBSによる代議員配分の途中経過報道
 サンダースは地元ヴァ-モント州で圧勝したが、配分されている代議員数は16だ。カリフォルニア州、ユタ州、コロラド州といった西部諸州で勝利を収めたが、バイデンをどれくらい引き離せるかが注目される。民主党の金城湯池ブルーステイトは、アメリカ東海岸と西海岸であるが、実のところ、両岸でしっくりいかない。西部は東部に対して「気取りやがって」という感情を持ち、東部は西部に対して「あいつらは過激すぎる」と考えている。アメリカの基準では過激な主張をしているサンダースが西部諸州で1位となったのは当然である。東部の人たちは東部の人を選ぶという伝統があるが、サンダースはマサチューセッツで勝てなかった。あいつは東部的ではないと考えられているのだろう。

 ブルームバーグは正式な選挙のデビュー戦となったが、かけたお金を考えると厳しい結果となった。芸能人でも期待の新人でデビューの時に多額の資金をかけたのにうまくいかなかったということがあるが、そのような感じだ。これではあいつはダメだということになり、ますますじり貧のスパイラルに陥ってしまうだろう。撤退もささやかれる。

 ウォーレンは地元マサチューセッツ州で3位に終わりそうということで本格的に撤退論が出てくるだろう。彼女自身は来週のミシガン州も頑張るぞという発信をしているが、どうなるか分からない。

 24名以上の候補者がひしめき合ったアメリカ大統領選挙民主党予備選挙もサンダースとバイデンの2人に絞られることになった。サンダースは若い人々やヒスパニックといった有権者層には絶大な人気があるが、それだけでは選挙に勝てない。バイデンはアフリカ系アメリカ人の人気は高いが、ヒスパニック系の人気が低い。お互いがお互いの弱点をどう克服するか、時間がない中でどのような動きをして支持を拡大させていくか注目される。

 アイオワ州、ニューハンプシャー州、ネヴァダ州で大惨敗、ボクシングで言えばノックダウンされてカウント9まで立てなかったバイデンが復活して猛ラッシュで逆転している状況だ。

(貼り付けはじめ)

スーパーチューズデーで見るべき5つの州(5 states to watch on Super Tuesday

ジュリア・マンチェスター筆

2020年3月3日

『ザ・ヒル』誌

https://thehill.com/homenews/campaign/485578-5-states-to-watch-on-super-tuesday

大統領選挙民主党予備選挙の候補者たちは予備選挙において最も重要なスーパーチューズデーを迎える。14の州で投開票が実施され、1300名の代議員が配分される。

バーニー・サンダース連邦上院議員(ヴァ-モント州選出、無所属)はニューハンプシャー州とネヴァダ州での勝利、アイオワでの引き分けの後に先頭走者としてスーパーチューズデーに進んできた。しかし、ジョー・バイデン前副大統領はサウスカロライナ州での圧勝の後に勢いがついている。

スーパーチューズデーはニューヨーク市元市長マイケル・ブルームバーグのデビュー戦ともなる。これまでの3日で、エイミー・クロウブッシャー連邦上院議員(ミネソタ州選出、民主党)、インディアナ州サウスベンド市前市長ピート・ブティジェッジ、大富豪トム・ステイヤーが選挙戦からの撤退を表明し、ブルームバーグにとっては有利な状態で選挙を迎えることになる。

火曜日に注目すべき重要州を見ていこう。

(1)カリフォルニア州

カリフォルニア州はスーパーチューズデーの夜における最大のご褒美ということになる。415名の代議員が配分されている。

サンダースは現在のところカリフォルニア州での勝利が確実視されている。しかし、バイデンはサンダースの支持を削り取る可能性を持っている。

リアルクリアポリティックスは、カリフォルニア州での民主党予備選挙に関する各種世論調査の数字の平均を発表している。それによると、サンダースは2位に17ポイントの大差をつけてリードしている。しかし、バイデンはここ最近の調査で支持率の数字を上げている。

月曜日に発表されたCBSニュース・YouGovの共同世論調査の結果では、カリフォルニア州でのサンダースの支持率は31%だったのに対して、バイデンは19%だった。ウォーレンは18%だった。

ブティジェッジとクロウブシャーを支持していた有権者たちからの支持を得ることで、バイデンは支持を伸ばすことになる。これによって、バイデンは得票率15%の条件をクリアできる可能性が大きくなり、それによってカリフォルニア州で勝利を得られなくても、代議員の配分を受けることができる。

全国民主訓練委員会の創設者であり責任者であるケリー・ディエットリッチは「私たちはもう4、5、6人でポットを分け合うことはありません。私たちは今3人で分け合っています」と述べている。全国民主訓練委員会は選挙に出馬し公職を目指す民主党員を訓練する組織である。

しかし、ブルームバーグはカリフォルニア州でテレビ広告だけでも3600万ドルを投じており、ブルームバーグがどれほどの影響を選挙戦に与えているかを見る必要がある。

民主党系のステラティジストであるブラッド・バノンは次のように語っている。「ブルームバーグはカリフォルニアでうまくいっていないと思いますよ。バイデンがわずか3日前の時の彼と比べて、見違えるように強力な候補者となっている事実があります。バイデンと同じ穏健派の候補であるブルームバーグはこのために支持を減らすでしょう」。

バノンは「ブルームバーグの選挙戦略の1つはバイデンの弱さにつけ入るというものでしたが、バイデンが強力な候補者になってしまっているのです」と述べた。

(2)テキサス州

テキサス州は全米で2番目に多くの代議員が配分されている。その数は228だ。現在のところ、サンダースが支持率でトップだが、カリフォルニア州に比べて、バイデンとの差はかなり小さい。

リアルクリアポリティックスが発表しているテキサス州の支持率の平均では、サンダースがバイデンに6ポイントの差をつけている。

サンダースは、ネヴァダ州での勝利が多くをヒスパニック系有権者によっていたこともあり、テキサス州内のラティーノ共同体の中で強力な支持を固めてそれに依存している。

「ラティーノ・ディシジョンズ・フォ・ウニヴィジョン」社とテキサス大学メキシコ系アメリカ人研究センターの共同世論調査の結果によると、テキサス在住のヒスパニック系有権者の間で、サンダースの支持率は31%だったのに対して、ブルームバーグは23%、バイデンは19%だった。この世論調査の結果はサウスカロライナ州での予備選挙の前に発表されたものだ。

民主党系のステラティジストで、クリントン政権とオバマ政権のホワイトハウスでアドヴァイザーを務めたモー・ヴェラは、テキサス州のような場所で良い結果を得るため、バイデンはヒスパニック系の支持を伸ばさねばならないと述べた。

「トランスペレント・ビジネス」社の役員を務めるヴェラは本誌の取材に対して、「バーニー・サンダースは称賛に値しますね。彼と並びたいと思うなら、バイデンはラティーノの有権者に対して行動を起こす必要があります」と語った。

(3)マサチューセッツ州

マサチューセッツ州は、ウォーレンの選挙結果が振るわないものとなれば、ウォーレンの選挙運動の終焉の鐘となる可能性が高い。彼女の知名度は抜群に高く、マサチューセッツ州を地盤とする進歩主義派の連邦議員の一部から支持表明を受けている。その中にはエド・マーキー連邦上院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)とジョー・ケネディ連邦下院議員(マサチューセッツ州選出、民主党)が含まれている。しかし、こうした好条件があるにもかかわらず、最近の各種世論調査の結果では、ウォーレンは地元でも支持率を下げている。

土曜日に発表されたサフォーク大学・『ボストン・グローブ』紙・WBZテレビの世論調査では、ウォーレンと同じニューイングランド地方を地盤とするサンダースがマサチューセッツ州で支持率24%を記録しトップとなった。ウォーレンは22%で2位につけた。この差は世論調査の誤差4.4ポイント以内の数字だ。

先週初めに発表されたWBURの世論調査では、2人の差はより大きかった。サンダースの支持率は25%で、ウォーレンは17%だった。この時の調査の誤差は4.9ポイントだった。

ニューハンプシャー州での彼女のパフォーマンスは、マサチューセッツ州でどれくらいうまくやれるかを示すものであった。ニューイングランドの各州はニューイングランドから出ている地元出身の候補者を選ぶことで有名だ。2016年も2020年もニューハンプシャー州ではバイデンが勝利した。

対照的に、同じニューイングランド出身のウォーレンはニューハンプシャー州で、中西部出身のブティジェッジとエイミー・クロウブッシャーに負けて4位となった。

バノンは「ウォーレンは明日マサチューセッツで必ず勝たねばならないと思います。次に進むためにもどうしても勝たねばなりません。自分の地元の州で勝てないのに、有権者に投票してくださいなんてどうして言えますか?」と述べた。

(4)ヴァージニア州

ヴァージニア州はスーパーチューズデーで投開票が行われる州の中で4番目に多い代議員が配分されている。そして、ブルームバーグはヴァージニア州を重視してきた。

ブルームバーグはヴァージニア州を7回訪問した。これはスーパーチューズデーの各州の中で最も多い回数だ。ブルームバーグ選対はヴァージニア州全体に8つの事務所を置いた。その中には共和党が優勢なダンヴィルとロアノケも含まれている。ヴァージニア全体には80名のスタッフが配置されている。

ブルームバーグ選対は、2019年に民主党がヴァージニア州議会で過半数を取り戻したこととヴァージニア州でのより厳しい銃規制に触れ、そのまま民主党がヴァージニア州をコントロールし続ける必要があることを強調している。

2007年にヴァージニア工科大学で起きた銃撃による大量殺人事件が起きて以降、ヴァージニア州の政治においては銃規制が重要な問題となっている。

ブルームバーグの上級アドヴァイザーであるティム・オブライエンは本誌に対して「ヴァージニア州は民主党の将来を示す縮図です。穏健派、進歩主義派、郊外の有権者で構成されています」と述べた。

ブルームバーグは土曜日にヴァージニア州マクリーンの選挙動員集会に参加し、2019年のヴァージニア州での選挙への自分の貢献を強調した。

ブルームバーグは歓声を上げる聴衆を前に「昨年の秋の連邦議員選挙でヴァージニア州から民主党の議員を出すための手助けをするということが大変重要でした。私はその貢献ができたことを今でもとても嬉しく思っています」と述べた。

しかし、各種世論調査の結果を見ると、ブルームバーグはヴァージニア州ではサンダースとバイデンを追いかける展開となっている。サウスカロライナ州での圧勝の後、バイデンはブルームバーグのヴァージニア州での勝利の芽を摘み取る可能性が大きくなっている。

バイデンは最近になってヴァージニア州の民主党の重要な人物たちの多くから支持表明を受けている。テリー・マカフィー元ヴァージニア州知事、ティム・ケイン連邦上院議員、イレイン・ルリア連邦下院議員、ボビー・スコット連邦下院議員は日曜日夜にヴァージニア州ノーフォークで開かれたバイデンの選挙集会に参加し、支持表明を行った。この選挙集会でバイデンはロックスターのような歓声を受けた。

(5)アラバマ州

アフリカ系アメリカ人有権者は、アラバマ州の民主党予備選挙有権者の大きな部分を占める。民主党の背骨だと広く考えられている有権者グループにアピールしたいと考えている候補者たちにアラバマ州は重要である。

「ファイブサーティーエイト」の予想では、バイデンがアラバマ州で勝利する確率は61%だ。

サウスカロライナ州での圧勝の後、バイデンはアフリカ系アメリカ人有権者からの支持を固めている。バイデンは日曜日、アラバマ州セルマで開かれた公民権運動の行進を記念するイヴェントに出席し、温かい歓迎を受けた。

民主党系のストラティジストであるジャマル・サイモンズは本誌の取材に次のように答えた。「穏健派のアフリカ系アメリカ人は民主党支持の有権者の大多数を占めていると思いますよ。それが言い過ぎだとすれば少なくとも大きな部分をね。アフリカ系アメリカ人で年齢を重ねていくと、アラバマ州、ミシシッピ州、ジョージア州で民主党の幹部クラスになっていく人が多いんです。こうした人々は穏健派とまでは言えない場合でもとても現実的です。そのためにこうした人々はよりジョー・バイデンを支持するということになるんです」。

サンダースは非白人の若い有権者の支持に頼っているが、サンダースとバイデンはサウスカロライナ州での予備選挙では若いアフリカ系アメリカ人有権者の支持を分け合ったように見られる。アラバマ州においては、進歩主義派の連邦上院議員であるサンダースにとってこれは良い兆候ではないということになるだろう。

サイモンズはサウスカロライナ州を念頭に置きながら、「バーニーは他の州に比べて、あそこでは若いアフリカ系アメリカ人たちの支持を得ることができなかったんですよ、うまくいかなかったんですよ」と述べた。

(貼り付け終わり)

(終わり)

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 古村治彦です。

 

 少し古いのですが、興味深い内容だったのでご紹介したい記事がありまして、今回掲載します。2016年の米大統領選挙共和党予備選挙で、トランプ大統領と争ったテッド・クルーズ連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)が今年の中間選挙で、民主党からの挑戦で苦戦しつつあり、トランプ大統領に応援を求めたという内容です。

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 テキサス州は2016年の米大統領選挙本選挙ではトランプが勝利し、連邦議員も多くは共和党所属であり、共和党が優勢の州です。民主党の若手有望株のカストロ兄弟もテキサス州サンアントニオを地盤としており、30代でオバマ政権の閣僚となったフリアン・カストロは2020年の米大統領選挙の民主党候補者として名前が挙がっています。

 

 現在、今年秋の中間選挙で、テキサス州の連邦上院議員選挙レースは五分五分の状態で、民主党側の候補者ビトー・オローク連邦下院議員が現職のクルーズをかなり追い上げているという状況のようです。

 

 そこで、クルーズはトランプに選挙応援にテキサス州まで来てもらいたいと考えているようです。大統領選挙では激しく戦ったが、それ以降は、トランプ政権に協力して、連絡を密に取り合っている、だからぜひ助けてもらいたいとクルーズは述べています。

 

 トランプ大統領とトランプ政権の政策は、「ポピュリズム」に分類されるものです。「ポピュリズム」と言うと、権力者が一般大衆に贈り物をして支持を得る、バラマキ政治だという理解がありますが、これはポピュリズムの一つの面を語っているにすぎません。マドンナが主演した「エビータ」という映画は、アルゼンチンのペロン大統領と奥さんのエビータの物語ですが、この中では贈り物のシーンがありました。南米政治を分析する際にポピュリズムという言葉は確かに、大衆迎合の意味を含みます。

 

 しかし、アメリカ政治の場合は、既存の政治システムや経済システム、エリートたちに対する反抗という要素が大きくなります。アメリカのポピュリズムで言えば、ヒューイ・ロングという人物がいました。フランクリン・D・ルーズヴェルト大統領が最も恐れた人物とも言われています。ロングは「全ての人が王様」という言葉を掲げ、ルイジアナ州で公共投資を増大させ、富の再分配を行いました。そして、人々の既存の政治への失望を受けて、ワシントンに攻め上がろうとしている途上で暗殺されてしまいました。

 

 トランプは既存の政治家ではないし、財界のエリートでもありませんでした。そんな人物がアメリカ大統領となった訳ですが、これは、人々の民主党、共和党のエリートや体制派に対する怒りがトランプを大統領に当選させました。

 

 トランプ大統領の政策は、大型減税であったり、保護貿易であったりとポピュリズム的です。貧しい人々への再分配(金持ちたちへの利益誘導のようなこともありますが)が行われています。

 

 クルーズは現役の連邦上院議員であり、加えて共和党が強いテキサス州を地盤としているのですから、本選挙が危ないということは本来であれば考えにくいことです。しかし、民主党の候補者を相手に苦戦しているというのは、「既存の政治家は信用できない」「クルーズはワシントンに染まってしまって自分たちの本当の代表なのか」という疑念がテキサス州の人々の間に広がっている、というか2016年以来続いているということではないかと考えます。

 

(貼り付けはじめ)

 

クルーズがトランプに対してテキサス州での連邦上院議員選挙で応援に来て欲しいと依頼(Cruz asked Trump to campaign for him in Texas Senate race

 

ジャスティン・ワイズ筆

2018年8月7日

『ザ・ヒル』誌

http://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/400778-cruz-asked-trump-to-campaign-for-his-senate-re-election-in

 

テッド・クルーズ連邦上院議員(テキサス州選出、共和党)がトランプ大統領に対して、ベトー・オローク連邦下院議員(テキサス州選出、民主党)との連邦上院議員選挙を巡る戦いで支援のために選挙運動に入って欲しいと依頼した。

 

クルーズは今週月曜日、選挙運動でテキサス州セグインを訪問し、そこで『ザ・ヒューストン・クロニクル』紙の取材に答えた。その中で、クルーズは、「トランプに連絡を取り、トランプ大統領からの支援を“歓迎する”」と述べた。

 

クルーズは同紙の取材に対して、「私はテキサスでトランプ大統領に会えることを願っている。選挙前に大統領にテキサスに入ってもらえるだろうと考えている」と答えた。

 

2016年の米大統領選挙で有力候補であったクルーズは、トランプ大統領との関係で「良い時も悪い時も」あったと認めた。特に2016年のベイダ棟梁選挙共和党予備選挙ではいろいろとあったことを認めた。しかし、クルーズは同紙に対して、トランプ政権発足後、政権と密接に協力してきたと述べた。

 

クルーズは「私たちは毎週、時には毎日ホワイトハウスと連絡を取っている。私は共和党を団結させるために努力してきた。私はこの行為を誇りに思っている」と語った。

 

クルーズは再選に向けて、オロークからの厳しい挑戦を受けている。

 

現在のところ、クルーズが優勢ではあるが、各種世論調査の結果では、民主党からの挑戦者が地盤を固めてきていることが明らかになっている。

 

無党派の組織で選挙予測を行う「クック・ポリティカル・レポート」はテキサス州の連邦上院議員選挙に関して先週、「共和党優位」から「共和党リード」に表現を変更した。「クック・ポリティカル・レポート」は最近の各種世論調査では選挙戦がより接戦になっていると述べている。

 

更に、テキサス・ライセウム社の最新の世論調査によると、クルーズはオロークに対してわずか2%の差をつけているに過ぎないということである。

 

今年に入り、トランプ大統領は連邦議会における過半数を確保するために、多くの共和党候補者の選挙応援に行っている。今週日曜日にも、連邦下院議員オハイオ州第12選挙区の補欠選挙に出馬している共和党所属のトロイ・ボールダーソンの選挙運動に参加した。

 

=====

 

『クック・ポリティカル・レポート』がテキサス州のクルーズ対オロークの連邦上院議員選挙を「共和党がやや優勢」と評価(Cook Political Report moves Cruz-O'Rourke Senate race to 'lean Republican')


アリス・フォーリー筆
2018年8月3日
『ザ・ヒル』誌

 https://thehill.com/blogs/blog-briefing-room/news/400258-cook-political-report-moves-texas-senate-race-from-likely

テキサス州の連邦上院議員選挙の選挙戦は現職の連邦上院議員テッド・クルーズ(共和党)と現職の連邦下院議員ベトー・オローク(民主党)が候補者となって展開されている。中立な立場で選挙分析を行う団体「クック・ポリティカル・レポート」の分析によると、選挙の情勢は民主党が伸びてきつつあるということだ。

 

金曜日、クックは選挙の情勢を「共和党優位」から「共和党リード」に変更した。クックは、最近の各種世論調査の結果を分析し、選挙戦が接戦になっているとしている。

 

テキサス・ライセウム社の世論調査の結果が水曜日に発表された。それによると、2人の候補者は接戦を展開しており、投票に行くと答えた有権者の中で、支持率はクルーズが41%、オローク39%であった。クックはまた、7月初めに発表されたグラヴィス・マーケティング社の世論調査の結果も引用している。この時はクルーズが51%、オロークが42%で、クルーズが9ポイントリードしているという結果であった。

 

テキサス州ではこれまでの30年間、民主党所属の連邦上院議員は出ていない。しかし、民主党は今回の選挙ではオロークが番狂わせを演じるチャンスがあると考えている。オロークは2つ目の資金集め可能期において1040万ドル(約11億4000万円)以上の資金を集めた。

 

クルーズは2016年の米大統領選挙に出馬し、トランプ大統領と戦った。『ヒューストン・クロニクル』紙によると、クルーズは、オロークと同じ時期に400万ドル(約4億4000万円)を集め、総計で1000万ドル以上(約11億円)の政治資金を手にしているということだ。

 

(貼り付け終わり)

 

(終わり)

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